説明

表示装置及び表示方法

【課題】タイムシフト再生中のライブ放送を見逃してしまうことを低減する技術を提供する。
【解決手段】
タイムシフト録画中にタイムシフト再生を開始すると(S11)、タイムシフト処理部50はタイムシフト再生を開始したライブ放送位置を見逃しライブ開始位置候補として保存する(S12)。タイムシフト再生が停止されると(S13)、ユーザは操作手段27等を操作して、ライブ放送に戻るか見逃しライブ開始位置候補からタイムシフト再生をするかを選択する(S14)。タイムシフト再生が選択されると(S14のY)、タイムシフト処理部50は、見逃しライブ開始位置候補からタイムシフト再生を開始する(S16)。そして、見逃しライブ開始位置候補からの再生を停止してライブ放送に戻ると(S17)、タイムシフト処理部50は、見逃しライブ開始位置候補からタイムシフト再生を開始した位置を見逃しライブ開始位置に決定する(S18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示方法に係り、特に、タイムシフト機能を有する表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の大容量ストレージの普及により、デジタルの放送の録画システムに関して、様々な機能を有した装置が提案されている。一例として、一時停止、巻き戻し、早送りなどができるタイムシフト機能がある。この機能によりライブ放送で見逃した番組を再度見ることができる。
【0003】
タイムシフト機能には幾つかの形態があるが、一般的に、見逃した番組を再生するタイムシフトを実現するためには、現在から一定時間だけさかのぼったデータを保持して常に録画がなされている。これにより、ユーザは、過去一定時間のデータであればいつでもさかのぼって見逃した箇所を再生することができる。
【0004】
そして、タイムシフト機能に関して、ユーザの利便性を向上させる目的で様々な技術が提案されている。例えば、テレビのチャンネルが予約録画中の放送データのチャンネルと一致したときに、タイムシフト再生を自動的に行うことのできる技術がある(特許文献1参照)。特許文献1に開示のタイムシフト再生システムでは、HDDレコーダが予約録画制御部に設定された予約録画中に、電源投入後のTV放送受信装置の受信チャンネルが録画中の放送データのチャンネルと一致したときは、タイムシフト再生制御部が、再生制御部へタイムシフト再生指示信号を出力する。さらに、タイムシフト再生制御部は、表示データ選択部へHDDレコーダから再生される放送データを選択するよう指示する表示データ選択信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−271314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に、タイムシフト再生中にライブ放送に戻った場合に、タイムシフト再生開始してから終了するまでの間に放送されたライブ映像を見直そうとすると、手間が掛かるという課題があった。また、特許文献1に開示の技術では、タイムシフト再生を自動的に行うことができるものの、タイムシフト再生を行った間のライブ放送が見逃してしまうという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、タイムシフト再生中のライブ放送を見逃してしまうことを低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る装置は、放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を有する表示装置であって、タイムシフト録画を継続しつつ、前記タイムシフト録画済みのコンテンツのタイムシフト再生を開始するときに、前記タイムシフト再生を開始した時点に対応する前記タイムシフト録画がされたコンテンツの位置を記録し、前記タイムシフト再生の停止操作がなされたときに、前記ライブ放送に戻らず前記記録された位置から前記コンテンツの再生を行うタイムシフト処理制御手段を有する。
本発明に係る方法は、表示装置おいて、放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を実行可能な表示方法であって、タイムシフト録画を継続しつつ、前記タイムシフト録画済みのコンテンツのタイムシフト再生を開始するタイムシフト開始工程と、前記タイムシフト再生を開始した時点に対応する前記タイムシフト録画がなされたコンテンツの位置を記録する録画位置特定工程と、前記タイムシフト再生の停止操作がなされたときに、前記ライブ放送のコンテンツを表示出力するか前記録画位置特定工程で記録された位置から前記コンテンツの再生を行うかを決定する表示コンテンツ決定工程と、前記表示コンテンツ決定工程で決定された前記コンテンツの表示出力を行う表示出力工程と、を有する。
本発明に係る装置は、放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を有する表示装置であって、タイムシフト再生の指示を取得したときに、連動可能に接続されている外部装置からライブ放送のコンテンツを取得して、前記タイムシフト再生されるコンテンツと前記外部装置からのコンテンツとを2画面表示するタイムシフト制御手段を有する。
本発明に係る方法は、表示装置おいて、放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を実行可能な表示方法であって、タイムシフト録画を継続しつつ、前記タイムシフト録画済みのコンテンツのタイムシフト再生の指示を受け付けるタイムシフト開始工程と、連動可能に接続されている外部装置に対して前記タイムシフト録画しているコンテンツに対応するライブ放送のコンテンツを要求し取得する外部コンテンツ取得工程と、前記タイムシフト再生のコンテンツと前記外部装置からのコンテンツとを2画面表示する表示工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タイムシフト再生中のライブ放送を見逃してしまうことを低減する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】発明の第1の実施形態に係る、テレビの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】発明の第1の実施形態に係る、テレビと外部レコーダが、HDMIケーブルにより接続されて、マルチ画面表示がなされている状態を示した図である。
【図3】発明の第1の実施形態に係る、一般的に行われるタイムシフト処理について説明する画面例を示した図である。
【図4】発明の第1の実施形態に係る、見逃し低減処理のフローチャートである。
【図5】発明の第1の実施形態に係る、見逃し低減処理がなされるタイムシフト処理について説明する画面例を示した図である。
【図6】発明の第2の実施形態に係る、HDMI−Link対応機器である外部レコーダを用いて見逃し低減処理がなされるタイムシフト処理を示すフローチャートである。
【図7】発明の第1の実施形態に係る、デジタル放送のライブ放送表示状態においてチャンネルコール部を表示させた画面の例を示す図である。
【図8】発明の第1の実施形態に係る、タイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態となっている画面の例を示す図である。
【図9】発明の第1の実施形態に係る、タイムシフト再生が開始された状態の画面の例を示す図である。
【図10】発明の第1の実施形態に係る、チャンネルコール部においてタイムシフトカウンタ部とタイムシフト操作パネルを表示させた画面の例を示す図である。
【図11】発明の第1の実施形態に係る、ホームメニュー表示中にタイムシフト再生を行っている状態を示した画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という。)を、図面を参照して具体的に説明する。第1の実施形態では、ライブ放送の録画中にタイムシフト再生を行って見られなかった期間のコンテンツを継続して録画する。そしてタイムシフト再生を停止した際に、ユーザは、見逃したライブ放送分をタイムシフト再生するか現在のライブ放送に戻るか選ぶことができる。また、現在のライブ放送に戻った後でも、視聴していないライブ放送を見られるように、視聴できなかった期間のコンテンツを録画しておくことで、後で視聴することもできる。さらに、第2の実施形態では、HDMI−Link機器でタイムシフト再生を行った場合には、マルチ画面でテレビからのライブ放送を視聴できるようにする。また、タイムシフト再生中はマルチ画面でHDMI−Link機器からのライブ放送も同時に視聴できるようにする。この場合、HDMI−Link機器はタイムシフト再生機能がなくても前記の処理を行うことができる。このような実施形態により(1)タイムシフト再生によってライブ放送を見逃すリスクが軽減される。また、(2)テレビにデコーダが1つしか搭載されていなくても、HDMI−Link機器を併用することでタイムシフトとライブ放送をマルチ画面で視聴することができる。
【0012】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態に係るテレビ10における基本的なタイムシフト処理について説明する。図7は、デジタル放送のライブ放送表示状態においてチャンネルコール部F20を表示させた画面F10を示している。チャンネルコール部F20は、画面F10の右上に表示されており、選局動作直後やユーザの所定の操作後に、例えば4秒等の所定時間表示される。ここでは、チャンネルコール部F20は、放送局の名称が表示されている放送局表示部F21と、チャンネル番号が表示されるチャンネル番号部F22と、表示されている番組の番組情報等が表示される番組情報部F23が備わる。番組情報部F23の内容は、後述するTS(Transport Stream)に含まれるSI(Service Information)を元に構成される。
【0013】
図8は、タイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態となっている画面F11の例である。タイムシフトモードにおいて、タイムシフト録画状態となるとチャンネルコール部F20の放送局表示部F21の下側に「TIME SHIFT READY」と表記されるタイムシフト状態アイコンF31が表示される。その隣には、現在の表示状態として「ライブ放送」を表示中である旨を示す「LIVE」と表記されたライブ状態アイコンF32が表示される。また、画面F11の左下には、タイムシフトカウンタ部F40が表示される。これは、例えばユーザが、「カウンタ表示設定ON」を選択している場合に表示され、スポット表示時には隠れるようになっている。タイムシフトカウンタ部F40は、メモリの使用量(使用率)をバーの長さで示す使用状況表示バーF41と、再生位置を示すつまみ(アイコン)である再生位置表示部F42とを備える。
【0014】
図9は、図8の状態からタイムシフト再生が開始された状態の画面F12の例である。ここでは、図8のライブ状態アイコンF32の代わりにタイムシフト再生アイコン部F33が表示される。また、通常は、タイムシフト再生時においては、タイムシフト再生している番組の番組情報の取得は出来ないため、図示のように、再生データから判別可能な情報に関して表示される。ただし、後述するようにタイムシフト録画中に番組情報を別途記録する処理がなされると、図8の番組情報部F23と同程度の内容がタイムシフト再生中であっても図9の番組情報部F23に表示が可能となる。なお、タイムシフト再生ではあるがタイムシフト録画中でない場合は、タイムシフト状態アイコンF31は表示されない。また、タイムシフト状態アイコンF31は、ユーザの操作内容に応じてアイコン形状が変化する。さらに、再生位置表示部F42は、タイムシフト状態アイコンF31と同様に、ユーザの操作内容に応じて表示形状等が変更されてもよい。再生中であればその旨を表す操作ボタンに付されているアイコンが表示され、一時停止中であれば、そのアイコンが表示される。
【0015】
図10は、チャンネルコール部F20において番組情報部F23の代わりにタイムシフトカウンタ部F45とタイムシフト操作パネルF50を表示させた画面F13の例である。タイムシフトカウンタ部F45は、図8や図9のタイムシフトカウンタ部F40と同様であるが、ここでは、メモリ限界に達した(バーが右端に到達した)旨を示す「FULL」が表示されている。タイムシフト処理部50では、一般的な再生操作ボタンに相当するアイコンと共に、再生位置を所定時間だけ前後にスキップする「10秒戻し」ボタンや「30秒送り」ボタンが設けられている。
【0016】
図11は、ホームメニュー(設定画面)表示中に図9と同様のタイムシフト再生を行っている状態を示した画面F14の例である。この画面F14では、画面右側に各種設定用の設定表示領域F60があり、画面左側にチャンネルコール部F20とタイムシフトカウンタ部F40が表示される。なお、ホームメニュー(設定画面)表示中には、図8と同様にタイムシフト再生が準備完了状態でライブ放送表示状態でも表示可能である。また、画面F14の下段の領域F61には、タイムシフト再生中であってもライブ放送の番組情報が表示される。ただし、タイムシフト再生中のコンテンツに関する番組情報が利用可能であれば、その番組情報が表示されてもよい。
【0017】
図1は、本実施形態に係るテレビ10の概略構成を示す機能ブロック図であり、このテレビ10は、録画機能を有している。また、図2は、テレビ10と外部レコーダ70が、HDMIケーブル80により接続されている状態を示している。
【0018】
図1に示すように、テレビ10は、主制御部20と、ソース部30と、セレクタ14と、コンテンツ出力処理部16と、出力部18と、操作取得部26と、タイムシフト処理部50とを備えている。
【0019】
主制御部20は、テレビ10の各構成要素を統括的に制御する。この主制御部20やタイムシフト処理部50等の各構成要素は、例えば、CPU(中央演算装置)等のLSI(大規模集積回路)やメモリで構成され、そのメモリに記憶されたプログラムらが実行されることで、その機能が実現される。操作取得部26は、リモコン等の操作手段27によるテレビ10への操作を受け付けるユーザ・インタフェイスである。
【0020】
ソース部30は、コンテンツのソース機能として、チューナ32と、内蔵レコーダ34と、外部機器入出力部36とを備える。チューナ32は、アンテナに接続されており、例えば地上デジタル放送を受信し及び復調し、TSを出力する。内蔵レコーダ34は、例えば、BD(Blue-ray Disc)ドライブ、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を記録ディバイスとして利用した装置である。この内蔵レコーダ34は、チューナ32や外部レコーダ70から取得したコンテンツを記録したり、また、記録されているコンテンツを再生し、セレクタ14を介してコンテンツ出力処理部16に出力する。また、内蔵レコーダ34は、タイムシフト再生のための記録再生に使用される。なお、内蔵レコーダ34は、コンテンツを録画する場合に、録画データとして録画時刻をコンテンツと共に記録する。
【0021】
外部機器入出力部36と外部レコーダ70は、HDMIケーブル80によって双方向通信可能に接続されている。ここで、HDMIインタフェイスは、映像信号及び音声信号(いずれもデジタル信号)を伝送するTMDSラインと、CEC規格に準拠したCECラインを含んでいる。なお、TMDSラインは、複数本の信号ラインにより構成され、TMDSライン及びCECラインは、1本のHDMIケーブル80として構成されている。
【0022】
本実施形態では、HDMI−CEC(HDMI-Consumer Electronics Control;以下、単に「CEC」)機能を用いる。CEC機能は、HDMI−Link機能とも呼ばれ、HDMI規格により提供されているリンク機能であり、このCEC機能を用いることで、HDMIインタフェイスで接続される機器同士が相互に連携することができ、相互連携する機器が市場に投入されている。
【0023】
ここで、HDMIインタフェイスについて簡単に説明する。HDMIインタフェイスは、例えばテレビと録画再生装置との間で信号伝送を行う手段の1つであり、HDMI規格に準拠した信号伝送手段である。このHDMIインタフェイスは、外観上1本にまとめられたHDMIケーブルによってデジタルの映像信号及び音声信号を同時に伝送でき、劣化のない信号伝送を実現している。なお、HDMIインタフェイスにおいて、映像信号及び音声信号を含む信号は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)信号伝送ラインを通じて高速伝送される。また、HDMI規格は、さらにその中でCEC規格が規定されており、HDMIインタフェイスは、そのCEC規格に準拠した信号伝送ライン(以下、「CECライン」という)を内包した信号伝送手段として構成される。このCECラインを内包するHDMIインタフェイスは、TMDSラインを通じた映像信号及び音声信号の伝送に加え、CECラインを通じてその他の情報(制御情報など)を伝送することが可能である。なお、HDMIインタフェイスは、TMDSラインを通じた映像信号及び音声信号の伝送は一方向にのみ可能であるが、CECラインを通じた情報伝送は双方向で可能である。
【0024】
外部機器入出力部36は、さらに、メモリカードやUSBメモリ等の外部メモリ75と接続する入出力インタフェイスとしても機能する。外部メモリ75は、タイムシフト機能の一部として機能させることもできる。
【0025】
セレクタ14は、ソース部30からユーザの指定等のソースを選択し、そのソースのコンテンツをコンテンツ出力処理部16に出力する。また、内蔵レコーダ34に記録する場合には、コンテンツ出力処理部16から記録するコンテンツを内蔵レコーダ34に出力する。外部レコーダ70とテレビ10を接続する場合には、外部機器入出力部36を対象ソースとして選択する。
【0026】
コンテンツ出力処理部16は、チューナ32から取得したTSを復号して画像データと音声データを抽出し、それらを同期させて出力部18に出力する。また、コンテンツ出力処理部16は、画像データを出力するときに、必要に応じてデータ放送の内容や、選択されているチャンネル番号、時刻などの表示を番組の画像データに追加したり加工したりする。さらに、タイムシフトモードにおいて、図2に示すように、コンテンツ出力処理部16は、2画面表示処理が可能であって、一つの画面(小さいサブ画面F2)には後述のタイムシフト外部機器制御部60の制御処理に基づいて、外部レコーダ70からのコンテンツが表示可能となっている。なお、外部レコーダ70を利用した2画面表示処理については第2の実施形態で説明する。
【0027】
TS中には、同期処理の為のタイムスタンプ(PTS)及びチャンネルや番組を特定するID(以下、単に「番組ID」という)が含まれている。例えば、イベントIDは、番組を特定するIDとしてEIT(Event Information Table)に記載されている。また、チャンネルを特定するIDとして、サービスIDがある。そして、コンテンツ処理部16は、EITやSDT(Service Description Table)等の番組やサービスの情報が記述されたデータが含まれるSIをセクションフィルタ(図示せず)によって抽出する。抽出したSIは、EPG(Electric Program Guide)やデータ放送表示等に用いられる。また、タイムスタンプは、後述するタイムシフト処理において再生位置等の特定に用いられる。
【0028】
そしてこのSIに含まれる番組やサービスの情報が、本実施形態においてタイムシフトの頭出し機能に用いられる番組情報となっている。したがって、タイムシフトの頭出し機能を実現するために、コンテンツ処理部16は、後述するタイムシフト処理部50でコンテンツが記録されている場合に、そのコンテンツに対応するSIをタイムシフト処理部50に出力する。
【0029】
また、出力部18は、画像データを表示する表示部や音声データを出力するスピーカを備える。なお、以降の説明では、コンテンツの出力として映像について例示するが、当然に音声についても同様の処理がなされる。
【0030】
タイムシフト処理部50は、フラッシュメモリ等のタイムシフト用記憶部52を備えており、一般的なタイムシフト処理を実現する機能を有すると共に、本実施形態において特徴的な機能を実現する構成として、タイムシフト外部機器制御部60を備える。
【0031】
タイムシフト外部機器制御部60は、必要に応じて以下に説明する処理を行い、テレビ10でタイムシフト再生中に、外部レコーダ70からライブ放送を取得するように外部レコーダ70を制御する。その場合、図2に示すように、タイムシフト再生画面はメイン画面F1に表示され、外部レコーダ70のライブ放送はサブ画面F2に表示される。
【0032】
ここで、チューナ32が受信しているデジタル放送のコンテンツのタイムシフトに関してTSの処理について例示する。タイムシフト処理部50は、セレクタ14を介して、チューナ32から、画像データや音声データが含まれているTSを取得する。そして、タイムシフト処理部50は、TSのPIDをフィルタリング処理し、タイムシフト対象となる所望のチャンネルのコンテンツをタイムシフト用記憶部52に記録する。なお、外部メモリ75に記録される場合は、同様に、TSのPIDをフィルタリング処理後のデータが、コンテンツ処理部16から、セレクタ14及び内蔵レコーダ34を介して外部メモリ75に送られる。
【0033】
以上の構成によるタイムシフト処理について、見逃し低減処理に着目して説明する。先ず、図3に基づき、一般的に行われるタイムシフト処理について説明する。図示の左側にライブ放送の画面例を時系列に示し、右側にタイムシフト再生の画面を示す。ここでは、第1〜7のコンテンツがライブ放送で表示されている。ライブ放送と並行して、タイムシフト録画がなされている。そして、第2のコンテンツが終了したときに、ユーザが操作手段27や操作取得部26等を操作しタイムシフト再生を開始すると、タイムシフト用記憶部52に記録されている第1のコンテンツが出力部18に表示される。そして、ユーザの操作によって、タイムシフト再生が停止され、第4のコンテンツのライブ放送に戻る。このとき、ユーザは、タイムシフト再生中のライブ放送である第3のコンテンツを見逃すことになってします。
【0034】
そこで、図4及び図5に示す処理によってタイムシフト再生中のライブ放送(コンテンツ)の見逃しを回避可能にする。図4に処理の手順を示すフローチャートを示し、図5に時系列に示した画面例を示す。
【0035】
ライブ放送をタイムシフト録画中に、タイムシフト再生を開始すると(S11)、タイムシフト処理部50は、タイムシフト再生を開始したライブ放送位置を見逃しライブ開始位置候補として保存する(S12)。ライブ放送位置や見逃しライブ開始位置等は、タイムスタンプを利用することで特定されるようになっている。図5では、ライブ放送で第2のコンテンツが終了し第3のコンテンツが始まるタイミングで、タイムシフト再生が開始している。そして、ライブ放送で第3のコンテンツが放送されている期間に、出力部18ではタイムシフト用記憶部52に記録されていた第1のコンテンツがタイムシフト再生される。
【0036】
そして、タイムシフト再生が停止されると(S13)、ユーザは操作手段27等を操作して、ライブ放送に戻るか見逃しライブ開始位置候補からタイムシフト再生をするかを選択する(S14)。
【0037】
タイムシフト再生が選択されると(S14のY)、タイムシフト処理部50は、見逃しライブ開始位置候補からタイムシフト再生(シーク再生)を開始する(S16)。ここでは、第4のコンテンツがライブ放送されている期間において、タイムシフト用記憶部52に記録されている第3のコンテンツがタイムシフト再生される。そして、見逃しライブ開始位置候補からの再生を停止してライブ放送(第5のコンテンツ)に戻ると(S17)、タイムシフト処理部50は、見逃しライブ開始位置候補からタイムシフト再生(シーク再生)を開始した位置を、見逃しライブ開始位置に決定する(S18)。つまり、第4のコンテンツの開始時点が見逃しライブ開始位置になる。ただし、タイムシフト再生がライブ放送に追いついた場合は、見逃しライブ開始位置はクリアされる。
【0038】
一方で、S14の処理でライブ放送が選択された場合(S14のN)の処理を第5〜第7のコンテンツの表示によって説明する。ここでは、第5のコンテンツが終了タイミングが第4のコンテンツのタイムシフト再生開始となっている(S11)。このとき、第6のコンテンツのライブ放送で放送されているとともにタイムシフト録画されている。そして、タイムシフト処理部50はタイムシフト再生を開始したライブ放送位置、つまり第6のコンテンツの開始位置を見逃しライブ開始位置候補として保存する(S12)。そして、タイムシフト再生が停止され(S13)、次に表示するコンテンツとしてライブ放送が選択された場合(S14のN)、タイムシフト処理部50は、ライブ放送に表示を移行させるとともに、タイムシフト処理部50は見逃しライブ開始位置候補を見逃しライブ開始位置に決定し保存する(S15)。つまり、第6のコンテンツの開始位置が見逃しライブ開始位置になる。ただし、タイムシフト再生がライブ放送に追いついた場合は、見逃しライブ開始位置はクリアされる。このような処理によって、ユーザは、見逃しライブ開始位置から再生することができ、見逃したライブ放送を容易にサーチして視聴することができる。
【0039】
<第2の実施形態>
本実施形態の処理を図1及び図2の構成と図6のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態の構成は第1の実施形態で示したテレビ10の構成で実現できる。
【0040】
ユーザによって操作手段27に設けられたタイムシフト再生ボタンが押下されたことをタイムシフト処理部50が検知すると(S21)、タイムシフト外部機器制御部60は、HDMI−Link対応機器である外部レコーダ70の状態を確認する(S22)。外部レコーダ70が、テレビ10において視聴中の番組を選局していない場合(S22のa)、タイムシフト外部機器制御部60はCEC機能を用いて外部レコーダ70をテレビ10で視聴中の番組に選局し(S23)、タイムシフト処理部50は図2に示すようにマルチ画面を表示し(S24)、外部レコーダ70からのライブ放送をサブ画面F2に表示させタイムシフト再生を開始しそのコンテンツをメイン画面F1に表示させる(S25)。
【0041】
S22の判断処理において、外部レコーダ70が、テレビ10において視聴中の番組を選局していると判断した場合(S22のb)、タイムシフト処理部50は、マルチ画面を表示し(S24)、外部レコーダ70からのライブ放送をサブ画面F2に表示させ、タイムシフト再生のコンテンツをメイン画面F1に表示させる(S25)。なお、S22の判断処理において、外部レコーダ70が接続されていないと判断した場合(S22のc)、シングル画面(メイン画面F1のみ)で、テレビ10側のタイムシフト再生の映像のみが出力される。
【0042】
なお、外部レコーダ70でタイムシフト再生を行った場合には、マルチ画面でテレビ10のライブ放送をサブ画面F2で視聴できるようにしてもよい。この様な処理を行うことで、テレビ10のコンテンツ処理部16にデコーダが1つしか搭載されていなくても、HDMI−Link機能を有する外部レコーダ70を併用することで、ユーザは、タイムシフト再生とライブ放送とをマルチ画面で視聴することができる。
【0043】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、上述の実施形態のタイムシフト処理を行うか従来から行われているタイムシフト処理を行うかをユーザが設定可能としてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 テレビ
14 セレクタ
16 コンテンツ出力処理部
18 出力部
20 主制御部
26 操作取得部
27 操作手段
30 ソース部
32 チューナ
34 内蔵レコーダ
36 外部機器入出力部
50 タイムシフト処理部
52 タイムシフト用記憶部
60 タイムシフト外部機器制御部
70 外部レコーダ
75 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を有する表示装置であって、
タイムシフト録画を継続しつつ、前記タイムシフト録画済みのコンテンツのタイムシフト再生を開始するときに、前記タイムシフト再生を開始した時点に対応する前記タイムシフト録画がされたコンテンツの位置を記録し、前記タイムシフト再生の停止操作がなされたときに、前記ライブ放送に戻らず前記記録された位置から前記コンテンツの再生を行うタイムシフト処理制御手段を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示装置おいて、放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を実行可能な表示方法であって、
タイムシフト録画を継続しつつ、前記タイムシフト録画済みのコンテンツのタイムシフト再生を開始するタイムシフト開始工程と、
前記タイムシフト再生を開始した時点に対応する前記タイムシフト録画がなされたコンテンツの位置を記録する録画位置特定工程と、
前記タイムシフト再生の停止操作がなされたときに、前記ライブ放送のコンテンツを表示出力するか前記録画位置特定工程で記録された位置から前記コンテンツの再生を行うかを決定する表示コンテンツ決定工程と、
前記表示コンテンツ決定工程で決定された前記コンテンツの表示出力を行う表示出力工程と、
を有することを特徴とする表示方法。
【請求項3】
放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を有する表示装置であって、
タイムシフト再生の指示を取得したときに、連動可能に接続されている外部装置からライブ放送のコンテンツを取得して、前記タイムシフト再生されるコンテンツと前記外部装置からのコンテンツとを2画面表示するタイムシフト制御手段を有することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
表示装置おいて、放送波を受信してライブ放送を表示出力する機能とタイムシフト機能を実行可能な表示方法であって、
タイムシフト録画を継続しつつ、前記タイムシフト録画済みのコンテンツのタイムシフト再生の指示を受け付けるタイムシフト開始工程と、
連動可能に接続されている外部装置に対して前記タイムシフト録画しているコンテンツに対応するライブ放送のコンテンツを要求し取得する外部コンテンツ取得工程と、
前記タイムシフト再生のコンテンツと前記外部装置からのコンテンツとを2画面表示する表示工程と、
を有することを特徴とする表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−193323(P2011−193323A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58940(P2010−58940)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】