説明

表示装置及び表示装置の駆動方法

【課題】着色された液体を電極間で移動させて表示を行う表示装置で、効果的に着色液体を移動させる表示装置を提供する。
【解決手段】中間隔壁13の移動ホール15を介して上下分離した上層空間14aと下層空間14bのそれぞれにおける着色液体18の表面張力や静止力として働く付着力などにより、通常の重力や振動などによる外力が加わった場合でも、着色液体18が他の層の空間へ勝手に移動してしまうのを阻止でき、表示状態を変更させるときには、電場による力とそれ以外の力を補助的に発生させる手段を備えているので、表示状態の変更が容易で、低消費電力で高コントラストな表示装置を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色された液体を電極間で移動させて表示を行う表示装置及びその駆動装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、低消費電力で表示動作する表示装置としては、液晶表示装置以外でも様々な表示装置が研究されているが、近年では、着色された誘電体の液体を電極間で挟み移動させ、着色の有無を視認させることで表示を行う表示装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
この表示装置は、複数の容器内の一部に着色液体を充填して容器内に気泡を形成し、着色液体を静電力による駆動手段で移動させることに伴い気泡の位置も移動させ、これを視認可能な容器の表示部を画素として用いるものである。
【特許文献1】特開平08−254962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の着色液体を静電力によって移動させるようにした表示装置では、電極間に挟まれた着色液体と気泡は、その電極間の同一の空間内において隣り合わせた位置となり、例えば空間内の一方に寄った電極により静電力を掛けると、着色液体が空間内の一方の側に寄って移動位置するのに伴い、これに入れ替わるように気泡が空間内の他方の側に寄って移動位置するものであるため、この着色液体と気泡の位置をある方向へ移動位置させた表示状態のまま維持するには、そのときの静電力を維持するための電圧を掛けっぱなしにする必要がある。
【0004】
このように、表示状態を維持するために電圧を掛けっぱなしにする必要があるものでは液晶表示装置と同様であり、より低消費電力化した表示装置とすることが出来ない問題がある。
また電圧を掛けっぱなしにしなくても表示を保持できる構造であっても、静止している着色液体を初期移動させるのには、大きな電場を要する場合がある。また大きな電場はノイズとなって周囲の画素にまで悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、効果的に着色液体を移動させる表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る表示装置は、
画素単位に区切られた構造体と、
移動用の穴が設けられ、前記構造体内の空間を2つに区切る隔壁と、
前記構造体内に設けられ、電場による力の作用にしたがって移動する液体と、
前記2つの空間に選択的に電場を形成する電場形成手段と、
電場による力と異なる力によって前記2つの空間のうち一方にある液体の一部を移動させる移動手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
移動手段が、電場による力と異なる力によって液体の移動を補助することができるので、比較的小さな電場でも2つの空間の一方から他方へ液体を移動することができ、画素内に大きな電場を形成しなくてもよい。
【0007】
本発明の請求項2に係る表示装置では、前記請求項1に係る表示装置にあって、前記移動手段は、前記液体を熱膨張させる発熱体であることを特徴とする。
請求項2にかかる発明によれば、発熱体が液体を熱膨張させるので、電場形成手段の電場による力が十分及ぶ領域まで容易に液体を移動させることができる。
【0008】
本発明の請求項3に係る表示装置では、前記請求項1に係る表示装置にあって、
前記移動手段は、自己の容積を変化する自己容積変化手段であることを特徴とする。
前記自己容積変化手段は、前記液体を熱膨張させる発熱体を有してもよいし、磁場を形成することによって自己の容積を変化する機構を有してもよい。
【0009】
本発明の請求項3に係る発明によれば、自己容積変化手段が自己の容積を変化することによって、2つの空間の一方から電場形成手段の電場による力が十分に及ぶ領域まで液体を押し出したり、吸引したりすることができる。
【0010】
本発明の請求項6に係る表示装置では、画素単位に区切られた構造体と、移動用の穴が設けられ、前記構造体内の空間を2つに区切る隔壁と、前記構造体内に設けられ、電場による力の作用にしたがって移動する液体と前記2つの空間に選択的に電場を形成する電場形成手段を備え、前記液体は前記2つの空間のうち一方の空間を満たし、かつ他方の空間の一部にはみ出ていることを特徴とする。
そのため、前記電場による力を効率よく前記液体に働かせることができるようになる。
【0011】
本発明の請求項7に係る表示装置の表示方法では、電場形成手段によって、液体を移動させて、表示状態を変更させる表示装置の駆動方法において、電場による力とは異なる力を前記液体に加えて、前記液体の一部を移動させる補助作用力移動工程と、前記電場形成手段が発生する電場による力を前記液体に加えて前記液体を移動させる電場作用力移動工程を備えることを特徴とする。
補助作用力移動工程を電場作用力移動工程の近傍に設定することで、表示変更の初期の段階でそれ程大きな電場を形成しなくても液体を移動させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の表示装置及び表示装置の駆動方法によれば、比較的小さい電場でも効果的に着色液体を移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電場による力を説明するための表示装置の1画素対応の構成を示す断面図である。
図2は、前記第1実施形態に係る表示装置の電場による力での表示動作を説明するための断面図であり、後述する移動ホール15が形成された中間隔壁13の上面の色が例えば白色であって、中間隔壁13によって上下に仕切られた上層空間14a及び下層空間14bのいずれかに配置されている液体の色が黒色の場合、同図(A)は白色表示状態を示す断面図、同図(B)は黒色表示状態を示す断面図である。
【0014】
この表示装置は、1画素につき1辺の長さがwの正方形の第1電極板11a、第2電極板11bを備え、この第1電極板11aと第2電極板11bとは、この表示画素の周囲を正方形に囲む高さ2d+dmの垂直隔壁(誘電体)12に対応した空間を介して当該画素の表面側と裏面側とに平行にして対向配置されている。垂直隔壁12は当該画素で生じた電場が隣接する画素に影響を及ぼさないような絶縁構造となっている。
この第1電極板11aと第2電極板11bとによる対向空間の中央部分には、一辺の長さが当該各電極板11a,11bと略同一の正方形の第3電極板11cが平行配置されると共に、この第3電極板11cを間に挟み込んだ1辺の長さwの正方形で高さdmの中間隔壁(誘電体)13が平行配置され、中間隔壁13の上下にそれぞれ高さdの上層空間14aと下層空間14bが形成されている。
第3電極板11cおよび中間隔壁13の中心位置には、一辺の長さhw(<<w)の正方形の移動ホール15が設けられ、上層空間14aと下層空間14bとが一部連通される。
前記第1電極板11aは透明電極であり、この第1電極板11aは画素表面を構成するガラス等の透明板16により被覆されている。また中間隔壁13の壁面および垂直隔壁12の壁面は、何れも白色に着色されている。第2電極板11bは画素裏面を構成する底面隔壁17により被覆されている。
このように、画素は底面隔壁17、垂直隔壁12、透明板16、中間隔壁13からなる構造体により囲まれている。
【0015】
そして、上層空間14aおよび下層空間14bからなる一連の空間14a,14bの内部には、当該一連空間14a,14bの容積の略半分の量で黒色に着色した液体(誘電体)18が封入される。
この表示装置では、後述にて説明するように、第1〜第3電極板11a〜11cに対して選択的に電圧を印加することで、着色液体(誘電体)18を上層空間14aの側または下層空間14bの側へ移動させ、図2(A)に示すように、下層空間14bの側へ移動させた場合には、上層空間14aには着色液体18がほとんどないために、白色の中間隔壁13の壁面および垂直隔壁12の壁面が露出しているので、画素表面からみて白色表示の状態となり、図2(B)に示すように、上層空間14aの側へ移動させた場合には、黒色の着色液体18が白色の中間隔壁13の壁面および垂直隔壁12の壁面を被覆するために画素表面からみて黒色表示の状態となる。
なお、着色液体(誘電体)18を、図2(A)に示すように、下層空間14bの側へ移動させた場合には、移動ホール15の位置に着色液体18の見える状態となるが、当該移動ホール15の面積(hw)2 は白色着色された中間隔壁13の全体面積w2 と上層空間14aにおける垂直隔壁12の壁面の全体面積(4×d×w)との和に比較して非常に小さいため、当該中間隔壁13の白色に埋もれて認識されない。
【0016】
次に、前記構成の第1実施形態の表示装置における電場による力での表示動作について、より詳細に説明する。
誘電体である着色液体18に電場が掛かるとこの液体18は分極する。分極した着色液体18にかかっている電場が一様ではない(空間的に変化している)ところでは、着色液体18はその分極の向きと電場成分の偏微分との関係に応じて電場から力を受ける。
着色液体18の各部分が受ける力の大きさと向きは、着色液体18の各部分の分極を双極子モーメントで近似し、各双極子モーメントの成分とそれぞれの双極子の位置での電場成分の偏微分とから考察できる。
【0017】
双極子モーメントをP、電場をE、双極子が受ける力をFとしたとき、
F=(P・∇)E
である(P、E、Fはベクトル、∇はナブラ)。
この力は電場強度の2乗の勾配の大きいところで大きくなる。
このため、上層空間14a、下層空間14b、移動ホール15の中に適切な電場(電位の変化)を作り出すことで、後述する電場以外の手段による力にしたがった初期動作の後に着色液体18を上層空間14aから下層空間14bへ、あるいは下層空間14bから上層空間14aへと移動させる主たる動力が得られる。
【0018】
図3は、前記第1実施形態の表示装置において第2電極板11bと第3電極板11cの電圧を0Vとし第1電極板11aに例えば10Vの正電圧を印加した場合の画素内空間の電位分布イメージを示す図である。
この図3で示した電位分布イメージ図は、画素内空間断面の各点での電位を三次元的に表現した図である。
【0019】
画素内空間断面の各点での電位は上方向の高さで表され、三次元の図の底面を構成する辺のうち、図示手前側の長辺(横軸)が第2電極板11bに対応する位置であり、当該軸上での電位は0Vとなる。また、図示奥側にあるこれと平行な長辺が第1電極板11aに対応する位置であり、当該軸上での電位は10Vとなる。すなわち、この2つの長辺に直交する短辺に沿う方向に、奥側が上層の電位、手前側が下層の電位、その半分あたりのところが中間隔壁層の電位となる。第1電極板11a、第2電極板11bのそれぞれの軸方向の座標は図1の左右方向の座標に対応しており、軸方向の中央の座標は、移動ホール15の位置に対応している。上層空間14aでは、第1電極板11aの10Vから第3電極板11cの0V近くへと急激に電位が変化するが、移動ホール15の位置に対応した中央付近の上層部分ではそれより緩やかに電位が変化し、下層部分で更になだらかに変化して第2電極板11bで0Vとなる。そして、移動ホール15の下方あたりを除く下層空間14bの電位はどこも略0Vである。
【0020】
図4は、図3で示した画素内空間の電位分布イメージに対応する電場分布イメージを示す図である。
電場については、電位の傾きから求めることができる。
この図4における3次元の電場分布イメージ図では、上方向の高さが電場の強さ(大きさ・絶対値)を表すもので、第1電極板11a側の上層空間14aの電場は非常に強いが、第2電極板11b側の下層空間14bの電場は非常に弱いことが分かる。
【0021】
上層空間14aにおいて、第1電極板11aと第3電極板11cとの電位差による電場が支配的であるが、移動ホール15に対応する部分には第3電極板11cがないために第1電極板11aと第2電極板11bとの電位差による電場の作用が生じている。このため、上層空間14aに対応する電場同士を比べると、移動ホール15の上あたりの電場はそれ以外の電場より弱い。移動ホール15の上下方向に対応した電場については、上層空間14a、移動ホール15内、下層空間14bと下に行くほど電場は弱くなる。下層空間14bにおいて、第3電極板11cと第2電極板11bとの電位差による電場が支配的であるが、移動ホール15に対応する部分では第1電極板11aと第2電極板11bとの電位差による電場の作用が生じている。このため、移動ホール15の下から外側にいくほど電場は弱くなり、移動ホール15から十分離れた中間隔壁13の下では電場は殆どない。
【0022】
すなわち、図2(A)に示すように、最初、着色液体18がすべて下層空間14bにあるときに、第2電極板11bと第3電極板11cを0Vにして第1電極板に10Vの正電圧を印加すると、図4で示した電場分布イメージからも分かるように、移動ホール15から離れたところの液体18はほとんど分極しないが、移動ホール15の中と移動ホール15の下とその周辺の液体18が分極する。この着色液体18における分極の大雑把な方向は、図3で示した電位分布イメージから推測可能である。
この際、移動ホール15内の液体18と下層空間14bの移動ホール15の下方の液体18には略上向きの力が加わって上層空間14aに移動しようとする。またこの液体18の移動に追随するように、下層空間14bの液体18で移動ホール15の下方より外側の液体18には概ね移動ホール15の下方へと向かう力が加わる。これにより移動ホール15にある液体18は上層空間14aへと上がり、また移動ホール15の下方にある液体18は当該移動ホール15へと上がり、さらに移動ホール15下方の外側にある液体18は移動ホール15の下方へと集まっていく。
【0023】
そして、移動ホール15から上層空間14aに上がってきた着色液体18は、同じ原理による力を受けて、その一部は更に上へ、一部は移動ホール15の上から離れて第1電極板11aと中間隔壁13で挟まれた空間の奥へと入って行く。
この際、上層空間14aである中間隔壁13の上に入って来た着色液体18は、そこの強い電場により強く分極はするが、当該電場は端のあたりを除いて略一様なので特には力を受けない。しかし、移動ホール15を介して後から次々と上層空間14aに入って来る着色液体18に押される形で上層空間14aの端の方へと移動して行く。
【0024】
一方、中間隔壁13の下にある下層空間14bでの大部分の着色液体18については、当該下層空間14bの電場は略零なので殆ど力を受けない。しかし、液体18には表面張力により表面積を小さくしようとする力が働くので、これら下層部分の液体18も、前記移動ホール15を通り上層空間14aへと移動する液体18に引っ張られて当該移動ホール15の方向へと動いていく。
このように、第2電極板11bと第3電極板11cを0Vにして第1電極板11aに10Vの正電圧を印加することにより得られる電場空間と着色液体18の表面張力、および後ろから押される力などの総合作用の結果、全体としての着色液体18は、電場の弱い下層空間14bの領域から電場の強い上層空間14aの領域へと移動して行く。
一方で、着色液体18がすべて上層空間14aにあるときに、これを全て下層空間14bへと移動させる時には、第1電極板11aと第3電極板11cに0V、第2電極板11bに例えば10Vの正電圧を印加すればよく、前記同様の原理によって着色液体18は下層空間14bへと移動する。
【0025】
そして、この表示装置では、着色液体18を一旦上層空間14aまたは下層空間14bに移動させてしまうと、その状態を維持するのに各電極板11a〜11c間に電圧を掛ける必要が一切ない。
すなわち、例えば各電極板11a〜11cに対する印加電圧を全て0Vにした場合には、表示画素空間内のすべての点で電位は0Vであり電場が無いので、着色液体18は電場から全く力を受けることはないが、次のような力が寄与して上層空間14aまたは下層空間14bに移動しきった着色液体18はその場所に止まる。
【0026】
通常、液体(18)には表面張力により一つになり丸まろうとする性質があるが、この表示画素空間内の着色液体18の体積はとても小さいのでその影響は大きい。上層空間14aまたは下層空間14bへと移動し終えて一つに纏まった液体18が、移動ホール15を通って再び他方の層の空間へと入り込むには、この表面張力によって一つになり丸まろうとする性質の力に逆らわなければならない。
すなわち、この表示装置における着色液体18の表面張力は、当該液体18が現在の層の空間内に止まろうとする力として寄与する。また、移動ホール15の面積は小さいので、移動ホール15を通過する際に着色液体18は通過摩擦などによる抵抗力を受け、この通過摩擦などによる抵抗力も当該液体18が現在の層の空間内に止まろうとする力として寄与する。さらに、着色液体18は、それが接している面との付着力も当該液体18が現在の層の空間内に止まろうとする力として寄与する。
このように、中間隔壁13の移動ホール15を介して上下分離した上層空間14aと下層空間14bのそれぞれにおける着色液体18の表面張力や静止力として働く付着力の寄与により、通常の重力や振動などによる外力が加わった場合でも、この着色液体18が他の層の空間へ勝手に移動してしまうのを阻止することができる。
【0027】
したがって、前記構成の表示装置によれば、表示内容を変えない限りは電力を加える必要がなく、非常に低消費電力で、高コントラスト、且つ広い視野角の見やすい表示装置を実現できる。
しかしこのような表示装置では、上層空間14a及び下層空間14bの一方にある着色液体18は一旦他方に移動し始めると、初期に要する程度の電場を形成しなくても容易に他方に移動する傾向があるが、移動ホール15の面積は相対的に中間隔壁13の面積と小さいために、例えば下層空間14bに配置した着色液体18は、初期移動時においては、第3電極板11cと第2電極板11bとの電位差による電場の影響が強く、第1電極板11aと第2電極板11bとの電位差による電場の影響が小さい。つまり、他方側で生じた電場の力が十分でないと上層空間14a及び下層空間14bの一方から他方へ初期移動しにくい。また、前記の表面張力に関する力は表示状態を保持する場合に有効であるが、表示状態を変更する場合のエネルギー障壁となっていた。このため着色液体18の初期移動時に大きな電場を形成しなければならず結果として大きな消費電力を費やしていた。
【0028】
以下、本実施形態として特に大きな力が必要とされる表示変更初期の段階で、電場による力以外に着色液体に補助的な力を発生させる手段により、効果的に液体を押し出すまたは引き入れる実施の形態について説明する。
図5は図1の前記の2つの空間にニクロム等の金属を有する発熱体19a、19bを新たに設けた構成の断面図である。図5では、発熱体19a、19bには電圧が印加されず、また第1電極板11a、第2電極板11b及び第3電極板11cは等電位のため、着色液体18は静止している状態である。
発熱体19a、19bは着色液体18を加熱する発熱体として、例えば、電気抵抗ヒーターの構成となっており、上層空間14a及び下層空間14bにおいて移動ホール15に対向する位置にそれぞれ1つずつ設けられ、図示しない適当な回路により、電流を流すと発熱する。発熱体19a、19bのうち、着色液体18に接触している方を暖めると、発熱体の温度が着色液体18に伝わり、着色液体18の温度が上がり着色液体18は熱膨張する。
【0029】
発熱体19a、19bは互いに電気的に独立しているばかりでなく、それぞれ第1電極板11a及び第2電極板11bと電気的に独立するように間に絶縁膜20、20が介在されている。また発熱体19a、19bは、画素表示面積(開口率)に影響がないように移動ホール15に対向する位置にある方が好ましいが、着色液体18との接触面積を大きくするために、上層空間14aの垂直隔壁12の四方のうち少なくとも1つに設け、且つ下層空間14bの垂直隔壁12の四方のうち少なくとも1つに設けてもよい。垂直隔壁に設ける場合も、発熱体19a、19bはそれぞれ第1電極板11a、第2電極板11b及び第3電極板11cに電気的に独立しているようにする。
【0030】
図6は、初期動作時に、発熱体19bを加熱して着色液体18を熱膨張させ、移動ホールより着色液体18が上層にはみ出した状態の断面図である。着色液体18の体積膨張率が例えば0.001/Kの液体(主成分としてエチルアルコール等)とすると、着色液体18の温度を20度上げれば、液体量は全体の容積に対して2%熱膨張する。画素サイズの設計値をとして、dmが小さいとして、w:hw:dを20:1:1とすると底面の広がり等も考慮して、上層空間14a及び下層空間14bの一方から移動ホール15を介して他方に着色液体18の一部をdの高さの20%程度はみ出させることが可能となる。このとき、同時に第2電極板11b及び第3電極板11cに同電位を与え、下層空間14bが無電界となるようにし、第1電極板11aを第2電極板11b及び第3電極板11cに対して相対的に正電圧とし、上層空間14aに電場を形成するようにしてもよく、着色液体18が十分熱膨張した後に上層空間14aに電場を形成してもよい。
【0031】
下層空間14bにあった着色液体18は熱膨張によって、一部が移動ホール15から上層空間14a内、つまり、第1電極板11a及び第3電極板11c間の電場、並びに第1電極板11a及び第2電極板11b間の電場による力の影響を強く受ける領域に進入することになる。一旦上層空間14aに着色液体18の一部が進入すると、それ程の大きな電場でなくても、連鎖的に上層空間14aに進入しやすくなる。着色液体18が上層空間14aに移動し尽くすと、上層空間14a内で電場を消失するように第1電極板11a、第2電極板11b及び第3電極板11cを等電位にしても、表面張力等の作用によって上層空間14a内に安定しているので、自重によって移動ホール15から下層空間14bに漏れ落ちることはない。
同様に、上層空間14aから下層空間14bに着色液体18を移動させる場合には、初期動作時に、発熱体19aを加熱して、着色液体18を下層空間14bにはみ出させて電場強度の2乗の勾配の大きい、すなわち、力が効率的に働く領域にかかるようにすればよい。
【0032】
このように、初期動作時に、電場以外の作用によって、上層空間14a及び下層空間14bの一方にある着色液体18を電場による力が効率的に働く領域まで移動させ、一方に留まっている着色液体18を他方に移動させやすくすることができ、引き続き比較的小さい電場の作用によって着色液体18全体を他方に移動させることができる。
また、静止状態から初期的に着色液体18の表面、つまり気液界面が動くことにより、その後の動きが滑らかになる。さらに、温度を上げることにより、液体の粘性が下がり、液体の移動時の粘性抵抗が下がり、液体が動きやすくなるという効果もある。
このように、液体の移動に対して特に大きな力を必要とされる初期の段階で、電場による力を補助することができるので、表示状態の切り替えをスムーズに行うことができるようになる。
【0033】
図7に電場による力を発生させる期間と補助的な力を発生させる期間のタイムチャート例を示す。
図における「電場形成手段の動作ON」の期間とは液体18が例えば下層空間14bにある場合に、第2電極板11bと第3電極板11cの電圧を0Vとし、第1電極板11aに例えば10Vの正電圧を印加する期間であり、「電場形成手段の動作OFF」の期間とは第1電極板11aと第2電極板11b及び、第3電極板11cに0Vの同電位を与える期間である。
図7(A)は比較のために、補助的な力を発生させる発熱体19のない場合のものである。
【0034】
図7(B)は補助的な力を発生させる発熱体19を持つ場合のものである。上図における「発熱体の動作ON」の期間とは電気ヒーターに電流を流し、発熱体19を暖めている期間である。また、中図における「体積の変化量」は発熱体19に暖められた液体18が熱膨張し、体積が増減する様子を表している。
図7(B)では、電場形成手段ONの期間に先立って、電気ヒーターに電流を流し、発熱体19を動作させ、液体18に熱が伝わり、液体18が熱膨張するのをある程度待ち、電流を流すのを止めてから、電場をかけるようにしている。
図の一番下に示す「表示変更期間」は電場形成手段の動作と発熱体19の動作のどちらかのONの期間の始まりから電場形成手段の動作がOFFするまでの期間であり、それ以外の期間が「表示保持期間」である。
【0035】
図8(A)は発熱体19の動作をOFFにする前に電場形成手段の動作をONにさせている例である。また、図8(B)は発熱体19の動作をONにするタイミングと電場形成手段の動作をONにさせるタイミングが同じ場合の例である。
図7(B)、図8(A)、図8(B)では、表示変更期間の移動が完了する前に発熱体の動作をOFFとしたが、これに限らず、電場形成手段の動作をOFFと同期して発熱体の動作をOFFしてもよく、電場形成手段の動作をOFFした後にて発熱体の動作をOFFしてもよい。
【0036】
なお、図5、図6では液体を膨張させるために発熱体19a、19bを配置したが、図9のように、そのもの自体が膨張する膨張体21a、21bをそれぞれ移動ホール15に対向する上層空間14a及び下層空間14b内に設けるようにしてもよい。このような構造では、例えば図10に示すように、膨張体20bを膨張させることによって下層空間14b内の着色液体18が移動ホール15から上層空間14aに移動して上層空間14a内の電場による力が効率的に働く領域に位置することになるので大きな電場を形成することなしに速やか且つ連鎖的に上層空間14a内に着色液体18を移動させることができる。
また膨張体21a、21bに、電圧が印加されることによって加熱するとともにそのもの自体が熱膨張するものを採用すれば、全体として膨張体21a、21bの膨張分の容積に加え、熱によって着色液体18の膨張分の容積だけ増加するので、電場以外の作用によって、上層空間14a及び下層空間14bの一方にある着色液体18をより電場による力が効率的に働く領域まで移動させやすくなる。
【0037】
また、第1実施形態の表示装置において、発熱体19a、19b以外にも画素を構成する底面隔壁17等の構造物の一部を暖め、熱膨張させるようにしてもよい。
熱膨張させるための手段として、特に電気抵抗を利用する発熱体の例を述べたが、それに限らず、電磁波、レーザー光線、超音波等の発熱体を利用するようにしてもよい。
【0038】
(第2実施形態)
図11、図12は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の1画素対応の構成を示す断面図である。第1実施形態と同じ符号のものについては、第1実施形態と同じ機能であり、その説明を省略する。
ここでは、第1実施形態の発熱体のかわりに、上層空間14aと下層空間14bに体積可変の伸縮装置22a、22bを配置する。この伸縮装置22a、22bはそれぞれ例えば、可動コイル形のリニアアクチュエータを使って構成することができる。これは基本的に固定部210、可動部220、及びそれをつなぐバネ230により構成される。
【0039】
図13は前記伸縮装置22a又は22bの詳細の断面図である。
伸縮装置22a、22bはともに、ハウジング211、ヨーク212、永久磁石213、可動子221、可動子221に巻かれたコイル222、伸縮自在のゴム等の被覆部223、及び、バネ230により構成されている。
ここで、可動子221はバネ230によりハウジング211に支持されており、伸縮自在のゴム等の被覆部223はハウジング211と可動子221に接着されている。したがって、固定部210はハウジング211、ヨーク212、永久磁石213により構成され、可動部220は可動子221、可動子221に巻かれたコイル222、伸縮自在のゴム等の被覆部223に対応する。
伸縮装置22a又は22bのコイル222に電流を流していない状態では、伸縮装置22a又は22bの体積は小さく、コイル222に図示しない適当な回路により、コイル222に電流を流すと、固定部210との吸引力が発生し、可動子221が押し上げられることにより、伸縮自在のゴム等の被覆部223も伸び、伸縮装置22a又は22bの体積が膨張する。
【0040】
伸縮装置22a、22bはコイル222に電流を流していない初期状態では、図9のように縮んだ状態にあり、図12に示すように、例えば、着色液体18が局在化している下層空間14b側の伸縮装置22bのコイル222に通電すると、伸縮装置22bの容積が膨張する。すると、下層空間14b内の着色液体18のうち伸縮装置22bの膨張した容積分が、移動ホール15から上層空間14a内に押し出される。
【0041】
このように、上層空間14a内に大きな電場を形成することなしに初期動作として上層空間14aに着色液体18に少し移動させることができ、以降、比較的小さい上層空間14aの電場によって効率的に液体の移動に伴う表示変更をすることができる。
本実施形態においても、逆に、着色液体18が上層空間14aにある場合に伸縮装置22bと同様に、伸縮装置22aを伸長することによって下層空間14b内に大きな電場を形成することなしに上層空間14aから下層空間14bに着色液体18に移動させることができる。
【0042】
(第3実施形態)
図14、図15は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の1画素対応の他の動作例を示す断面図である。第2実施形態と同じ符号のものについては、第1実施形態と同じ機能であり、その説明を省略する。
第2実施形態と同様に、上層空間14aと下層空間14bに体積可変の伸縮装置22a、22bを配置する。ただし、第2実施形態と異なり、コイル222に電流を流していない初期状態において、伸縮装置22a又は22bの体積は大きい状態であり、コイル222に流す電流の向きを第2実施形態とは逆に流すと固定部210との間に斥力が働き、可動子221が押し下げられ、伸縮自在のゴム等の被覆部223も縮み、伸縮装置22a又は22bの体積は収縮する。
【0043】
表示保持状態では、例えば、図14のように、伸縮装置22a、22bのコイル226には通電せず伸縮装置22a、22bが第2実施形態の場合とは異なり、伸長した状態で上層空間14a内の気圧を一定にしている。
【0044】
そして、表示変更するために、図15に示すように、例えば初期動作時に伸縮装置22bのコイル222に電流を流すと、伸縮装置22aの容積が減少し、上層空間14a内の気体に負圧が生じる。このとき、上層空間14a内の気体が元の圧力に戻るように収縮するので下層空間14b内の着色液体18が膨張して一部が上層空間14a内に進入し、上層空間14a内の気体の容積をある程度戻して平衡状態となる。
このように、上層空間14a内に大きな電場を形成することなしに初期動作として上層空間14aに着色液体18を移動することができ、以降、比較的小さい上層空間14aの電場によって効率的に液体の移動に伴う表示変更をすることができる。
ここでは、第2実施形態と同様に可動コイル形のリニアアクチュエータにより構成される伸縮装置の例で説明したが、これに限定されるものでなく、第1実施形態のように熱膨張、熱圧縮の原理を用いた構成にしてもよい。
また、第2の実施形態と併用するようにしてもよい。
【0045】
(第4実施形態)
図16は本発明の第4実施形態に係る表示装置の1画素対応の他の動作例を示す断面図である。前記実施形態と同じ符号のものについては、その説明を省略する。
図16(A)は液体18が下層空間14bを満たしている場合である。ここでは補助的な力を発生させる機構のかわりに、あらかじめ、下層空間14bの空間の体積と移動用の穴部15の体積を加えた体積より液体18の体積を多くすることで、液体18を移動用の穴15から上層空間14aにはみださせるようにしている。このようにすることにより、表示保持状態においても補助的な力を借りなくても電場による力が効率的に働く領域に液体18が存在している状態が実現できるので、表示変更の際にそれ程大きな電場を発生させなくても液体が移動されやすくなる。
【0046】
図16(B)は液体18が上層空間14aを満たしている場合の図である。この場合も、表示保持状態において補助的な力を借りなくても電場による力が効率的に働く領域に液体18が存在している状態が実現できるので、表示変更の際にそれ程大きな電場を発生させなくても液体が移動されやすくなることは、図B(A)の場合と同様である。
【0047】
なお、上記各実施形態の表示装置において、電場による力と異なる力によって着色液体18を移動させる移動手段が上層空間14a及び下層空間14bの一方にある着色液体18を他方の空間の高さdの20%程度まで進入させれば、効果的に小さい電場で他方に移動させることができる。
また上記各実施形態において、移動ホール15を設ける位置は中間隔壁13および第3電極板11cの中央でなくてもよい。移動ホール15の大きさや形状は異なっていてもよい。移動ホール15は複数あってもよい。
また、上記各実施形態の表示装置において、強い衝撃などが加わっても表示が乱れないようにするためには、表示内容が変更されない時でも電圧を掛けることになるが、その場合でも低消費電力化を図るため、表示を変更する時よりも弱い電圧を掛ける構成とする。あるいは、表示内容が変更されない時には、間欠的に電圧をかけて、乱されたかもしれない表示を一定時間ごとに復元する構成としてもよい。
【0048】
また、上記各実施形態の表示装置において、上層空間14aと下層空間14bの形状が多少異なっていても、その空間容量が同じであればよく、第1電極板11aの下面や第2電極板11bの上面に、着色液体18との間に入る誘電体の層を設けてもよく、第3電極板11cは中間隔壁13の中に挟み込まれるようにして設けたが、中間隔壁13の上面や下面に設けてもよい。
また、各電極板11a〜11cには直流電圧を掛ける構成としたが、交流電圧を掛けてもよい。例えば着色液体18を上層空間14aへ移動させる場合、第1電極板11aには第3電極板11cと逆相で、第2電極板11bには第3電極板11cと同相で、3つの電極板に対し10Vと0Vを一定周期で切り替えて掛ける構成とする。
【0049】
また、上記各実施形態の表示装置において、表示画素の平面形状は正方形として構成したが、長方形など他の形状であってもよく、移動ホール15についても同様に正方形以外の他の形状であってもよい。また、電極板の数は3つに限定されるものではなく、着色液体(誘電体)18を上層空間14aと下層空間14bとの間で電場の強さの違いにより移動させるものであれば、それ以上の極板数あるいはそれ以下の極板数であってもよい。
また、上記各実施形態の表示装置では、各電極板11a〜11cは何れも表示領域にぴったり当て嵌まる面積として構成したが、表示領域より狭い面積でもよい。あるいは、表示領域より広い面積として垂直隔壁12に食い込むように構成してもよい。
なお着色液体(誘電体)は中間隔壁13の色以外であれば白、青、赤等の黒以外の色の着色であって良いし、中間、垂直の隔壁も着色液体以外の色であれば白以外の色で着色されても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の電場による力を説明するための1画素対応の構成を示す断面図。
【図2】前記第1実施形態に係る表示装置の電場による力での表示動作を説明するための断面図であり、同図(A)は白色表示状態を示す断面図、同図(B)は黒色表示状態を示す断面図。
【図3】前記第1実施形態の表示装置において第2電極板11bと第3電極板11cを0Vとし第1電極板11aに10Vの正電圧を印加した場合の画素内空間の電位分布イメージを示す図。
【図4】前記図3で示した画素内空間の電位分布イメージに対応する電場分布イメージを示す図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る発熱体を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図。
【図6】前記第1実施形態に係る発熱体を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図において、発熱体を加熱し液体が押し出された状態の図。
【図7】本発明の請求項7を説明するための電場による力を発生させる期間と補助的な力を発生させる期間のタイムチャート例1。
【図8】本発明の請求項7を説明するための電場による力を発生させる期間と補助的な力を発生させる期間のタイムチャート例2。
【図9】本発明の第1実施形態に係る膨張体を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図。
【図10】前記第1実施形態に係る膨張体を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図において、膨張体が膨張し液体が押し出された状態の図。
【図11】本発明の第2実施形態に係る伸縮装置を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図。
【図12】前記第2実施形態に係る伸縮装置を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図において、伸縮装置が伸びて液体が押し出された状態の図。
【図13】本発明の第2実施形態及び、3実施形態に係る伸縮装置の詳細な構成を示す断面図。
【図14】本発明の第3実施形態に係る伸縮装置を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図。
【図15】前記第3実施形態に係る伸縮装置を設けた表示装置の1画素対応の構成を示す断面図において、伸縮装置が縮んで液体が引き出された状態の図。
【図16】本発明の第4実施形態に係る表示装置の1画素対応の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0051】
11a…第1電極板
11b…第2電極板
11c…第3電極板
12…垂直隔壁(誘電体)
13…水平隔壁(誘電体)
14a…上層空間(液体表示用空間)
14b…下層空間(液体隠蔽用空間)
15…移動ホール
16…透明板
17…底面隔壁(誘電体)
18…着色液体(誘電体)
19a…発熱体
19b…発熱体
20…絶縁膜
21a…熱膨張体
21b…熱膨張体
22a…体積可変の伸縮装置
22b…体積可変の伸縮装置
210…体積可変の伸縮装置の固定部
211…ハウジング
212…ヨーク
213…永久磁石
220…体積可変の伸縮装置の可動部
221…可動子
222…コイル
223…伸縮自在のゴム等の被覆部
230…バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素単位に区切られた構造体と、
移動用の穴が設けられ、前記構造体内の空間を2つに区切る隔壁と、
前記構造体内に設けられ、電場による力の作用にしたがって移動する液体と、
前記2つの空間に選択的に電場を形成する電場形成手段と、
電場による力と異なる力によって前記2つの空間のうち一方にある液体の一部を前記移動穴から他方の空間に移動させる移動手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記移動手段は、前記液体を熱膨張させる発熱体であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記移動手段は、自己の容積を変化する自己容積変化手段であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記自己容積変化手段は、前記液体を熱膨張させる発熱体を有することを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記自己容積変化手段は、磁場を形成することによって自己の容積を変化する機構を有することを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項6】
画素単位に区切られた構造体と、
移動用の穴が設けられ、前記構造体内の空間を2つに区切る隔壁と、
前記構造体内に設けられ、電場による力の作用にしたがって移動する液体と、
前記2つの空間に選択的に電場を形成する電場形成手段と、
を備え、
前記液体は前記2つの空間のうち一方の空間を満たし、かつ他方の空間の一部にはみ出ていることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
電場形成手段によって、液体を移動させて、表示状態を変更させる表示装置の駆動方法において、
電場による力とは異なる力を前記液体に加えて、前記液体の一部を移動させる補助作用力移動工程と、
前記電場形成手段が発生する電場による力を前記液体に加えて前記液体を移動させる電場作用力移動工程と
を備えることを特徴とする表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−65144(P2006−65144A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249535(P2004−249535)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】