説明

表示装置

【課題】実際の印刷出力中の画像イメージをそのままを表示部に表示することで、ユーザが印刷進行状況をよりわかりやすく把握できるようにする。
【解決手段】印刷出力する1ライン分の描画データをプリンタに送ると共に、その同じ描画データを印刷指示装置の表示部にも送って表示させる。これにより、印刷動作と同期して印刷イメージと同じ画像が表示部に表示される。ユーザは従来のプログレスバーなどと異なり、実際の印刷イメージを表示部で見ながら、印刷状況をしることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷の進行状況を表示出来る表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より印刷の進行状況を簡易的な画像を使って表示する表示装置があった。表示装置がデジタルテレビの例を説明する。図6にプリンタとデジタルテレビの接続例を示す。ユーザーはプリンタ(601)をデジタルテレビ(602)にインターフェース(603)で接続する。ユーザーはデジタルテレビ(602)でお気に入りの画像(604)を表示させる。ユーザーはデジタルテレビ(602)の操作ボタン(605)を操作して表示されている画像をプリンタ(601)から印刷する。図7は従来の印刷状況表示画面の一例である。印刷を開始する前、画面には印刷対象となる画像(701)が表示されている。ユーザーが印刷を開始すると画面の下の方に「印刷中」という警告文字(702)と同時にプログレスバー(703)が表示される。
【0003】
プログレスバーについて図8で説明する。プログレスバーは一般的に領域(801)と領域(802)を持っている。領域(801)が印刷動作完了までの時間を示し、領域(802)が印刷の途中経過を示す。つまりユーザーは領域(801)の長さ(803)に対する領域(802)の長さ(804)の比率でおおよその進行状況を把握することが出来る。印刷動作が進むにつれて領域(802)が左から右の方へ向けて伸びてくるように表示される(805)。
【0004】
プログレスバーを表示しないで、全処理に対する完了済処理の比率だけを「%」表示するものもある。例えば図9である。図9では一例として印刷対象の画像の右下に何パーセント終わったかが表示(901)される。
【0005】
上述処理を実行するプリンタ及びデジタルテレビの処理ブロック図の一例を図10に示す。プリンタ(1007)内には印刷エンジン(1001)があり、インクヘッド部や紙送り機構等が含まれる。インターフェース部(1002)は外部装置から印刷対象となる画像データを読み込んだり、印刷開始停止等の制御信号を受け付ける。メモリ(1003)には読み込んだ画像データを格納しておく。UI(1004)はユーザーの操作を受け付けるユーザーインターフェース。CPU(1005)はプリンタ全体を制御する。プリンタの各処理ブロックは共通バス(1006)につながれている。デジタルテレビ(1008)内にはまずチューナー(1009)があり、各種放送を受信する。画像処理部(1010)では画像データのデコード処理等が行われる。ディスプレイドライバ(1011)はパネル(1012)に映像を表示する。オーディオ処理部(1013)は音声データのデコード処理とスピーカ(1014)への音声出力を行う。インターフェース部(1015)は外部記録装置との映像データのやり取りやプリンタへの画像データの出力や制御信号のやり取りを行う。メモリ(1016)には外部装置とやり取りする画像データを一時的に格納する。UI(1017)はユーザーの操作を受け付けるユーザーインターフェース。CPU(1018)はデジタルテレビ全体を制御する。デジタルテレビの各処理ブロックは共通バス(1019)につながれている。
【0006】
上記構成でデジタルテレビ(1008)からプリンタ(1007)に画像データを送ってプリントする時のプログレスバーの表示動作例を図11で説明する。(1101)は図10のプリンタ(1007)側のメモリ(1003)を表し、画像1ライン分のプリントデータを格納出来るものとする。(1102)は図10のデジタルテレビ(1008)側のメモリ(1016)を表し、1画像分のプリントデータを格納出来るものとする。まず最初はプリンタ(1007)側のメモリ(1101)は空(1103)でデジタルテレビ(1008)側のメモリ(1102)にはプリント対象となる1画像分のデータが格納(1104)されている。ここでユーザーがプリンタ(1007)のUI(1004)を使って印刷を指示するとプリンタ(1007)のCPU(1005)は1ライン分の画像データをデジタルテレビ(1008)に要求する。要求を受けたデジタルテレビ(1008)のCPU(1018)は双方のインターフェース部(1002)、(1015)を通してメモリ(1102)から読み出した1ライン分の画像データをメモリ(1101)に伝送する。プリンタ(1007)は伝送された画像データを印刷エンジン(1001)に送って印刷する。上記を逐次繰返す事によってデジタルテレビ(1008)側にある1画像分のプリントデータを全て印刷処理できたら印刷を終了する。この時デジタルテレビ(1008)側のCPU(1018)は図に例として示した様に、(1104)、(1105)、(1106)と未転送のデータが減るに従ってプログレスバーの表示を、(1107)、(1108)、(1109)と書き換えてパネルに表示させる。
【0007】
以上述べた例のように構成する事によって従来より印刷動作の概略の進行状況をプログレスバーの表示で確認していた。
【0008】
従来例としては、例えば特許文献1と特許文献2と特許文献3をあげることが出来る。
【特許文献1】特開平08−339274号公報
【特許文献2】特開平10−187401号公報
【特許文献3】特開2003−099239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかながら、上記従来技術の構成では、表示されるのはプログレスバーや「%」表示なので、実際の画像の絵柄の内、どこまでの印刷が終了したのかが分からないという問題があった。例えば地図等を印刷して急いでいる時に、必要なところだけ印刷が終了したら印刷を途中停止して出かけようと思ったら、何度もプリンタのところに確認しに行かなければならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の表示装置は、印刷状況に応じて印刷対象画像を段階的に表示する手段を設けた事を特徴とする。または印刷状況に応じて印刷途中の印刷面の絵柄と同じ画像を表示する手段を設けた事を特徴とする。または印刷途中の印刷面をスキャナで読み取る手段と、該読み取った画像を印刷状況に応じて表示する手段を設けた事を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表示装置によれば、実際にプリントする絵柄でどこまで印刷処理が進んでいるのか確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施例1)
本案をデジタルテレビに実施した構成例を図1に示す。デジタルテレビ(108)内にはまずチューナー(109)があり、各種放送を受信する。画像処理部(110)では画像データのデコード処理等が行われる。ディスプレイドライバ(111)はパネル(112)に映像を表示する。オーディオ処理部(113)は音声データのデコード処理とスピーカ(114)への音声出力を行う。インターフェース部(115)は外部記録装置との映像データのやり取りやプリンタへの画像データの出力や制御信号のやり取りを行う。メモリ(116)には外部装置とやり取りする画像データを一時的に格納する。描画用メモリ(120)には印刷済の画像データを追加格納する。UI(117)はユーザーの操作を受け付けるユーザーインターフェース。CPU(118)はデジタルテレビ全体を制御する。デジタルテレビの各処理ブロックは共通バス(119)につながれている。
【0013】
処理の流れを図2で説明する。(201)は図1のメモリ(103)を表し、(202)は図1のメモリ(116)を表し、(203)は図1の描画用メモリ(120)を表す。従来例と同様にデジタルテレビ(108)のCPU(118)は画像メモリ(202)の内容を逐次プリンタのメモリ(201)に転送する。同時にプリンタに伝送したデータと同じだけのデータをメモリ(203)に伝送する。つまりメモリ(203)の内容そのものが印刷済の画像データとなる。CPU(118)はメモリ(203)の内容が追加更新されるたびにメモリ(203)の画像データをディスプレイドライバ(111)を経由してパネル(112)に表示する。パネル(112)に表示される画像の様子は(204)の上から下へ表した様になり、プリンタの印刷出力をそのまま見ているのと同様になる。
【0014】
図3にデジタルテレビ(108)のCPU(118)の処理フローを示す。開始したらまず印刷指示を検出する(302)。印刷指示があったらプリンタからのリクエストを待つ(303)。リクエストがあったらメモリから1ライン分のデータをプリンタへ転送する(304)。続いて(305)でメモリから描画用メモリに1ライン分のデータを追加コピーする。(306)では描画用メモリの内容をディスプレイパネルに表示する。(307)で全画像データを転送したかどうかを判断し、終わっていなかったら再び処理(303)から繰返す。終わっていたら印刷終了である。
【0015】
以上の様に構成する事によってユーザーは実際にプリントする絵柄でどこまで印刷処理が進んでいるのかを確認することができる。
【0016】
(実施例2)
印刷結果をより直接的に確認する実施例の構成例を図4に示す。プリンタ(407)内には印刷エンジン(401)があり、インクヘッド部や紙送り機構等が含まれる。(421)はスキャナエンジンであり、ユーザーが任意の紙文書や写真などをスキャンする事が出来る。また印刷エンジン(401)で出力される紙画像をそのまま逐次スキャンする事が出来る。インターフェース部(402)は外部装置から印刷対象となる画像データを読み込んだり、印刷開始停止等の制御信号を受け付ける。メモリ(403)には読み込んだ画像データを格納しておく。UI(404)はユーザーの操作を受け付けるユーザーインターフェース。CPU(405)はプリンタ全体を制御する。プリンタの各処理ブロックは共通バス(406)につながれている。デジタルテレビ(408)内にはまずチューナー(409)があり、各種放送を受信する。画像処理部(410)では画像データのデコード処理等が行われる。ディスプレイドライバ(411)はパネル(412)に映像を表示する。オーディオ処理部(413)は音声データのデコード処理とスピーカ(414)への音声出力を行う。インターフェース部(415)は外部記録装置との映像データのやり取りやプリンタへの画像データの出力や制御信号のやり取りを行う。メモリ(416)には外部装置とやり取りする画像データを一時的に格納する。描画用メモリ(420)には印刷済の画像データを追加格納する。UI(417)はユーザーの操作を受け付けるユーザーインターフェース。CPU(1018)はデジタルテレビ全体を制御する。デジタルテレビの各処理ブロックは共通バス(419)につながれている。
【0017】
全体の流れを図5で説明する。まずデジタルテレビ側の画像メモリ(502)に1画像分の画像データが格納されている。ユーザーからの指示によって1ライン分の画像データをプリンタ側のメモリ(501)に転送する。プリンタはプリントエンジン(504)により送られてきた1ライン分の画像データを印刷する。続いてこの時点の印刷結果をスキャナエンジン(505)によってスキャンする。ここで得られたスキャン画像データを今度はプリンタからデジタルテレビ側に送り返す。デジタルテレビでは送り返されたスキャン画像データを描画用メモリ(503)に追加格納する。描画用メモリ(503)の内容が更新されるたびにその画像をパネル(506)に描画する。
【0018】
以上の様に構成する事によってユーザーは実際にプリントする絵柄でどこまで印刷処理が進んでいるのかを確認することができるだけでなく、インクの色ずれや紙の折曲がりといった不具合が生じた場合にもすぐに対処出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本案の構成例
【図2】本案の処理概要
【図3】本案の処理フロー
【図4】本案の第2の構成例
【図5】本案の第2の処理概要
【図6】システム例
【図7】従来の印刷経過表示例
【図8】プログレスバー
【図9】従来の第2の印刷経過表示例
【図10】従来の構成例
【図11】従来の処理概要
【符号の説明】
【0020】
108 デジタルテレビ
109 チューナー
110 画像処理部
111 ディスプレイドライバ
112 パネル
113 オーディオ処理部
114 スピーカ
115 インターフェース部
116 メモリ
117 UI
118 CPU
119 共通バス
120 描画用メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷状況に応じて印刷対象画像を段階的に表示する手段を設けた事を特徴とする表示装置。
【請求項2】
印刷状況に応じて印刷途中の印刷面の絵柄と同じ画像を表示する手段を設けた事を特徴とする表示装置。
【請求項3】
印刷途中の印刷面をスキャナで読み取る手段と、該読み取った画像を印刷状況に応じて表示する手段を設けた事を特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−129642(P2008−129642A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310487(P2006−310487)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】