説明

表示装置

【課題】外光が入射した際、発光していないセグメント表示部の存在を認識し難くし、一部のセグメント表示部を発光させるとき、クリアな識別表示により表示品質の向上を達成することができる表示装置を提供すること。
【解決手段】発光ダイオード13と印刷パネル15を有し、発光時、発光ダイオード13からの光を印刷パネル15のセグメント表示部分150から透光させ、印刷パネル15のセグメント周囲部分151を遮断することでセグメント発光表示する風量セグメント表示装置1において、前記印刷パネル15は、セグメント周囲部分151の印刷層として、発光ダイオード13による非発光時にセグメント表示部分150に外光が入射した状態で見える色調と同等の色調によるグレー色印刷層15bを有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光時、光源からの光を印刷パネルのセグメント表示部分から透光させ、印刷パネルのセグメント周囲部分を遮断することでセグメント発光表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光時、光源からの光をセグメント表示部分から透光させ、セグメント周囲部分を遮断することでセグメント発光表示する表示装置としては、拡散シート基材と、該拡散シート基材の光源反対側表面のセグメント周囲部分のみに印刷した黒色インク層と、前記拡散シート基材の光源反対側表面全体(セグメント表示部分+セグメント周囲部分)に黒色インク層に対し重ね印刷した薄黒インク層と、を有する拡散シート部を用いた表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−119357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の表示装置にあっては、セグメント表示部分の存在を見えにくくするために拡散シート基材の表面側に薄黒インク層を形成するが、外光が入射した際には、拡散シート基材の表面側に形成した黒色インク層の有無により反射光に違いが発生し、セグメント周囲部分は黒く見えるのに対し、セグメント表示部分は白っぽく見えてしまい、非発光時にセグメント表示部の存在を容易に視認することができてしまう、という問題があった。
【0004】
すなわち、黒色インク層を有するセグメント周囲部分は、黒色インク層が入射した外光のうち大半の光を吸収する光吸収面となり、反射光がほとんど無いことで黒く見える。これに対し、黒色インク層を有さないセグメント表示部分は、薄黒インク層が入射した外光のうち一部を反射する反射面となり、反射光により白っぽく見える。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、外光が入射した際、発光していないセグメント表示部の存在を認識し難くし、一部のセグメント表示部を発光させるとき、クリアな識別表示により表示品質の向上を達成することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、光源と印刷パネルを有し、発光時、光源からの光を印刷パネルのセグメント表示部分から透光させ、印刷パネルのセグメント周囲部分を遮断することでセグメント発光表示する表示装置において、
前記印刷パネルは、セグメント周囲部分の印刷層として、光源による非発光時にセグメント表示部に外光が入射した状態で見える色調と同等の色調による同等色印刷層を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明の表示装置にあっては、外光が入射した場合、同等色印刷層を有するセグメント周囲部分の反射光による色は、非発光時にセグメント表示部に外光が入射した状態で見える色調と同等となる。
すなわち、セグメント周囲部分をセグメント表示部分と同等の色調とすることで、色調同化作用を示し、発光していないセグメント表示部の存在を認識し難くなる。
したがって、例えば、全てのセグメント表示部分が非発光時の場合、表示部全体を見ても全体が同じ色に見え、どの部分がセグメント表示部分で、どの部分がセグメント周囲部分なのかの識別ができない。
また、例えば、複数のセグメント表示部分のうち一部分が発光で他部分が非発光の場合、非発光のセグメント表示部分がセグメント周囲部分と色調同化するため、発光セグメント表示部分とそれ以外の部分の2つに区分されるクリアな区分表示となる。このように、2つの区分表示により、発光セグメント表示部分と非発光セグメント表示部分とセグメント周囲部分の3つに区分表示される場合に比べ、表示内容の視認性や識別性が高まり、表示品質が向上する。
この結果、外光が入射した際、発光していないセグメント表示部の存在を認識し難くし、一部のセグメント表示部を発光させるとき、クリアな識別表示により表示品質の向上を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の表示装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の風量セグメント表示装置(表示装置の一例)が適用された集中操作表示ユニットUを示す斜視図である。
【0010】
実施例1の風量セグメント表示装置1が適用された集中操作表示ユニットUは、車両のインストルメントパネルにモニターと共に設けられ、オートエアコンシステムやオーディオシステムやナビゲーションシステムや車載カメラシステム等を集中して操作するスイッチや表示部を備えたユニットである。そして、実施例1の風量セグメント表示装置1は、集中操作表示ユニットUのオートエアコンシステムの操作表示部に適用されている。
【0011】
前記オートエアコンシステムの操作表示部は、図1に示すように、集中操作表示ユニットUの中央部に配置され、風量セグメント表示装置1と、エアコンスイッチ2と、風量調整ダイアル3と、を備えている。風量セグメント表示装置1は、エアコンスイッチ2をオンにしてのエアコン作動時、自動的に決定されたブロワ風量、あるいは、風量調整ダイアル3による手動操作によるブロワ風量の大きさを段階的にセグメント表示する。
【0012】
図2は実施例1の風量セグメント表示装置1におけるセグメント風量表示状態の一例を示す正面図である。図3は実施例1の風量セグメント表示装置1を示す図2のA−A線断面図である。図4は実施例1の風量セグメント表示装置1の印刷パネルを示す断面図である。
【0013】
実施例1の風量セグメント表示装置1は、図3に示すように、ユニットロアケース11と、リフレクトケース12と、発光ダイオード13(光源)と、拡散シート14と、印刷パネル15と、レンズ16と、を備えている。
【0014】
この風量セグメント表示装置1は、発光ダイオード13と印刷パネル15を有し、発光時、図2に示すように、発光ダイオード13からの光を印刷パネル15のセグメント表示部分150から透光させ、印刷パネル15のセグメント周囲部分151を遮断することでセグメント発光表示する。
【0015】
前記セグメント表示部分150は、印刷パネル15の透光構成による部分であり、図2に示すように、ファン形状をセグメント表示するファン表示部分150aと、ファン風量を風量大であるほど長くした7個の棒グラフ形式にてセグメント表示する風量表示部分150bにより構成される。
【0016】
前記セグメント周囲部分151は、印刷パネル15の遮光構成による部分であり、図2に示すように、全体表示面からファン表示部分150aと風量表示部分150bを除いた領域により構成される。なお、実施例1では、図2に示すように、ファン風量の調節の指針となる常時表示によるマークを、セグメント周囲部分151の領域内に白色部分印刷層15eにより設定している。
【0017】
前記発光ダイオード13は、発光原理としてエレクトロルミネセンス(EL)効果を利用し、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子であり、LED(Light Emitting Diode)とも呼ばれる。
この発光ダイオード13は、図3に示すように、セグメント表示部分150を構成するファン表示部分150a及び各風量表示部分150bを囲む複数の開口部12aを形成したリフレクトケース12の開口部底面位置(ユニットロアケース11の内面位置)にそれぞれ設けている。
【0018】
前記拡散シート14は、図3に示すように、リフレクトケース12と印刷パネル15との間に挟持して設定している。この拡散シート14は、セグメント表示のバックライトである発光ダイオード13からの光の輝度やカラーをコントロールし、各セグメント表示を均一な明るさに調節する機能を持ったシートである。
【0019】
前記レンズ16は、図3に示すように、印刷パネル15の上面に設定している。このレンズ16は、印刷パネル15を保護すると共に、各セグメント表示の大きさを実寸より拡大させる機能を持っている。
【0020】
前記印刷パネル15は、図4に示すように、パネル基材15aと、グレー色印刷層15b(同等色印刷層)と、黒色印刷層15cと、スモーク色拡散印刷層15dと、白色部分印刷層15eと、を有して構成されている。
【0021】
前記パネル基材15aは、透明のポリカーボネート樹脂材(PC材)により構成されている。
【0022】
前記グレー色印刷層15bは、パネル基材15aの光源側裏面のセグメント周囲部分151のみに印刷されている。すなわち、セグメント表示部分150を除いて印刷される。
このグレー色印刷層15bの色調は、発光ダイオード13による非発光時にセグメント表示部分150に外光が入射した状態で見える色調と同等とされる。具体的には、発光ダイオード13による非発光時におけるセグメント表示部分150の色調を色差計等の計測器にて測定し、色調測定結果に基づき同等の色調となる印刷色(実施例1の場合はグレー色)を決定する。
【0023】
前記黒色印刷層15cは、グレー色印刷層15bの光源側裏面のセグメント周囲部分151のみに積層印刷されている。すなわち、グレー色印刷層15bと同様に、セグメント表示部分150を除いて印刷される。この黒色印刷層15cは、発光ダイオード13が発光した際、セグメント周囲部分151に漏光せず、セグメント表示部分150のみを透光させるために設定される。
【0024】
前記スモーク色拡散印刷層15dは、パネル基材15aの光源反対側表面の全体に印刷される。このスモーク色拡散印刷層15dは、発光ダイオード13が発光した際、セグメント表示部分150とセグメント周囲部分151との輪郭をクリアにするために設定される。
【0025】
前記白色部分印刷層15eは、スモーク色拡散印刷層15dの上面に部分的に印刷される。この白色部分印刷層15eは、発光ダイオード13の発光/非発光にかかわらず、ファン風量の調節指針となるマーク(例えば、ファンマーク、風量増のダイアル回転方向マーク「+」、風量減のダイアル回転方向マークを「−」等)を常時表示するために設定される。
【0026】
次に、作用を説明する。
図5は従来例の風量セグメント表示装置を示す図2のA−A線断面図である。図6は従来例の風量セグメント表示装置の印刷パネルを示す断面図である。図7は従来例の風量セグメント表示装置におけるセグメント非表示状態を示す正面図である。
【0027】
ここで、作用説明に入る前に背景技術並びに本発明に至る経緯について説明する。
現在、風量セグメント表示装置としては、図5に示すように、ユニットロアケースと、リフレクトケースと、発光ダイオード(LED)と、印刷パネルと、レンズと、を備えたものが採用されている。
【0028】
そして、前記印刷パネルは、図6に示すように、透明のPC材と、該PC材の光源反対側表面のセグメント周囲部分のみに印刷した黒色印刷層と、前記PC材の光源反対側表面全体(セグメント表示部分+セグメント周囲部分)に黒色印刷層に対し重ね印刷したスモーク色の拡散印刷層と、を有して構成されている。
【0029】
このように、従来の風量セグメント表示装置は、セグメント表示部分の存在を見えにくくするためにPC材の裏面側にスモーク色の拡散印刷層を形成している。しかし、外光が入射した際には、PC材の裏面側に形成した黒色印刷層の有無により反射光に違いが発生し、セグメント周囲部分は黒く見えるのに対し、セグメント表示部分は白っぽく見えてしまい、非発光時にセグメント表示部の存在を容易に視認することができてしまう。
【0030】
すなわち、黒色印刷層を有するセグメント周囲部分は、黒色印刷層が入射した外光のうち大半の光を吸収する光吸収面となり、反射光がほとんど無いことで黒く見える。これに対し、黒色印刷層を有さないセグメント表示部分は、スモーク色の拡散印刷層が入射した外光のうち一部を反射する反射面となり、反射光により白っぽく見える。
【0031】
例えば、全てのセグメント表示部分が非発光時の場合、表示部全体を見ると、図7に示すように、グレー色に見えるセグメント表示部分と、黒色に見えるセグメント周囲部分とが容易に識別できる。
また、例えば、複数のセグメント表示部分のうち一部分が発光で他部分が非発光の場合、LED発光により明るい発光セグメント表示部分と、グレー色に見える非発光セグメント表示部分と、黒色に見えるセグメント周囲部分の3つに区分表示される。
【0032】
これに対し、常識的な手法にしたがえば、背景となるセグメント周囲部分に対しセグメント表示部分が目立つため、セグメント表示部分の色調を、セグメント周囲部分の色調に合わせることで、セグメント表示部分を背景と同化させ、セグメント表示部分の存在を認識し難いようにすることになる。
【0033】
しかしこの場合、セグメント表示部分の色調を背景の色である黒色に近づける必要があるため、色調の同一性を高めてセグメント表示部分を黒色とすると、LED発光によるセグメント表示の際にセグメント表示部分の照度や輝度が大幅に低下する。そこで、妥協的に黒っぽい灰色にすると、背景に対する同化性が劣るし、セグメント表示部分の照度や輝度の低下も回避できない。すなわち、セグメント表示部分の同化表示と、セグメント表示品質の確保と、の両立を達成できない。
【0034】
本発明者は、セグメント表示部分を目立たなくしたいという要求に対し、セグメント表示部分の色調をセグメント周囲部分の色調に合わせるという発想では本質的機能である表示品質を損なう点に着目し、セグメント周囲部分の色調をセグメント表示部分の色調に合わせるという発想の転換による構成を採用した。この構成により、表示品質を損なうことなく、セグメント表示部分を目立たなくしたいという要求に応えることができる。
【0035】
図8は実施例1の風量セグメント表示装置1におけるセグメント非表示状態を示す正面図である。
以下、実施例1の風量セグメント表示装置1における作用を、「全て非発光時のセグメント表示作用」と「一部発光時のセグメント表示作用」に分けて説明する。
【0036】
[全て非発光時のセグメント表示作用]
実施例1の風量セグメント表示装置1にあっては、外光が入射した場合、グレー色印刷層15bを有するセグメント周囲部分151では、入射した外光の一部が反射し、反射光により目で認識される色は、非発光時にセグメント表示部分150に外光が入射した状態で見える色調と同等となる。
すなわち、グレー色印刷層15bの色調を、発光ダイオード13による非発光時にセグメント表示部分150に外光が入射した状態で見える色調と同等とし、外観上、セグメント周囲部分151をセグメント表示部分150と同等の色調とすることで、色調同化作用を示し、発光していないセグメント表示部分150の存在を認識し難くなる。
【0037】
したがって、例えば、全てのセグメント表示部分150が非発光時の場合、図8に示すように、表示部全体を見ても全体が同じ色(グレー色)に見え、どの部分がセグメント表示部分150で、どの部分がセグメント周囲部分151なのかの識別できない。
【0038】
[一部発光時のセグメント表示作用]
例えば、オートエアコン作動時であり、複数のセグメント表示部分150のうち一部分が発光で他部分が非発光の場合、図2に示すように、非発光の右端部の2つの風量表示部分150bがセグメント周囲部分151と色調同化するため、発光しているファン表示部分150a及び5つの風量表示部分150bと、それ以外の部分(セグメント周囲部分151と図2右端部の風量表示部分150b)の2つに区分されるクリアな区分表示となる。
【0039】
このように、2つの区分表示により、従来技術のように、発光セグメント表示部分と非発光セグメント表示部分(グレー色)とセグメント周囲部分(黒色)の3つに区分表示される場合に比べ、表示内容の視認性や識別性が高まり、表示品質が向上する。
【0040】
複数のセグメント表示部分150のうち一部分が発光で他部分が非発光の場合、実施例1では、グレー色印刷層15bの光源側裏面のセグメント周囲部分151のみに黒色印刷層15cを積層印刷している。このため、発光ダイオード13が発光した際、黒色印刷層15cの設定によりセグメント周囲部分151に漏光せず、セグメント表示部分150のみを透光させる作用を示し、明度差が大きくクリアに浮かび上がる発光セグメント表示を行うことができる。
例えば、印刷パネルにグレー色印刷層のみを設定した場合、発光ダイオードが発光した際、グレー色印刷層を介してセグメント周囲部分に一部漏光が発生し、漏光分だけセグメント表示部分とセグメント周囲部分の明度差が小さくなる。
【0041】
複数のセグメント表示部分150のうち一部分が発光で他部分が非発光の場合、実施例1では、パネル基材15aの光源反対側表面の全体にスモーク色拡散印刷層15dを印刷している。このため、発光ダイオード13が発光した際、スモーク色拡散印刷層15dの設定により、発光しているセグメント表示部分の輝度が均一となるように調整され、セグメント表示部分150とセグメント周囲部分151との輪郭をクリアにすることができる。
例えば、印刷パネルにスモーク色拡散印刷層を設定しない場合、外部からの入射光に対する明度のコントロール性が低くなり、発光しているセグメント表示部分の輝度が不均一となり、セグメント表示部分とセグメント周囲部分との輪郭がぼけてしまう。
【0042】
次に、効果を説明する。
実施例1の風量セグメント表示装置1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0043】
(1) 発光ダイオード13と印刷パネル15を有し、発光時、発光ダイオード13からの光を印刷パネル15のセグメント表示部分150から透光させ、印刷パネル15のセグメント周囲部分151を遮断することでセグメント発光表示する風量セグメント表示装置1において、前記印刷パネル15は、セグメント周囲部分151の印刷層として、発光ダイオード13による非発光時にセグメント表示部分150に外光が入射した状態で見える色調と同等の色調によるグレー色印刷層15bを有するため、外光が入射した際、発光していないセグメント表示部分150の存在を認識し難くし、一部のセグメント表示部分150を発光させるとき、クリアな識別表示により表示品質の向上を達成することができる。
【0044】
(2) 前記グレー色印刷層15bは、発光ダイオード13による非発光時におけるセグメント表示部分150の色調を計測器にて測定し、色調測定結果に基づき同等の色調となる印刷色を決定するため、高レベルの色調同化により、発光していないセグメント表示部分150の存在を認識し難くすることができる。
【0045】
(3) 前記印刷パネル15は、パネル基材15aと、該パネル基材15aの光源側裏面のセグメント周囲部分151のみに印刷したグレー色印刷層15bと、該グレー色印刷層15bの光源側裏面のセグメント周囲部分151のみに積層印刷した黒色印刷層15cと、を有するため、セグメント周囲部分151に漏光せず、セグメント表示部分150とセグメント周囲部分151の明度差が大きくし、クリアに浮かび上がる発光セグメント表示を行うことができる。
【0046】
(4) 前記印刷パネル15は、パネル基材15aの光源反対側表面の全体に印刷したスモーク色拡散印刷層15dを有するため、発光しているセグメント表示部分の輝度が均一となるように調整され、セグメント表示部分150とセグメント周囲部分151との輪郭をクリアにすることができる。
【0047】
(5) 前記光源を、セグメント表示部分150を囲む開口部12aを形成したリフレクトケース12の開口部底面位置に設けた発光ダイオード13とし、前記リフレクトケース12と前記印刷パネル15との間に拡散シート14を設定したため、セグメント表示のバックライトである発光ダイオード13からの光の輝度やカラーをコントロールし、各セグメント表示を均一な明るさに調節することができる。
【0048】
以上、本発明の表示装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0049】
実施例1では、光源として発光ダイオードを用いる例を示したが、発光ダイオード以外にもレーザーダイオード等、セグメント表示の光源として用いることができるものであれば、他の光源としても良い。
【0050】
実施例1では、同等色印刷層としてグレー色印刷層を用いる例を示したが、光源による非発光時にセグメント表示部に外光が入射した状態で見える色調であれば、グレー色以外の色による印刷層であっても良い。
【0051】
実施例1では、印刷パネルに黒色印刷層とスモーク色拡散印刷層を有し、リフレクトケースと印刷パネルとの間に拡散シートを設定した好ましい例を示したが、これらの構成要素(黒色印刷層、スモーク色拡散印刷層、拡散シート)は、必須の構成要素ではなく、一部または全部を省略したもの、これらに代わる構成要素としたもの、これら以外に構成要素を追加したものであっても本発明に含まれる。
【0052】
要するに、印刷パネルは、セグメント周囲部分の印刷層として、光源による非発光時にセグメント表示部に外光が入射した状態で見える色調と同等の色調による同等色印刷層を有するものであれば、実施例1には限られることはない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
実施例1では、集中操作表示ユニットの風量セグメント表示装置に対し本発明の表示装置を適用する例を示したが、数字や文字や図形等をセグメント表示する様々な表示装置に対しても適用することができる。要するに、光源と印刷パネルを有し、発光時、光源からの光を印刷パネルのセグメント表示部分から透光させ、印刷パネルのセグメント周囲部分を遮断することでセグメント発光表示する表示装置であれば適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1の風量セグメント表示装置(表示装置の一例)が適用された集中操作表示ユニットUを示す斜視図である。
【図2】実施例1の風量セグメント表示装置1におけるセグメント風量表示状態の一例を示す正面図である。
【図3】実施例1の風量セグメント表示装置1を示す図2のA−A線断面図である。
【図4】実施例1の風量セグメント表示装置1の印刷パネルを示す断面図である。
【図5】従来例の風量セグメント表示装置を示す図2のA−A線断面図である。
【図6】従来例の風量セグメント表示装置の印刷パネルを示す断面図である。
【図7】従来例の風量セグメント表示装置におけるセグメント非表示状態を示す正面図である。
【図8】実施例1の風量セグメント表示装置1におけるセグメント非表示状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0055】
U 集中操作表示ユニット
1 風量セグメント表示装置(表示装置の一例)
2 エアコンスイッチ
3 風量調整ダイアル
11 ユニットロアケース
12 リフレクトケース
13 発光ダイオード(光源)
14 拡散シート
15 印刷パネル
150 セグメント表示部分
151 セグメント周囲部分
15a パネル基材
15b グレー色印刷層(同等色印刷層)
15c 黒色印刷層
15d スモーク色拡散印刷層
15e 白色部分印刷層
16 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と印刷パネルを有し、発光時、光源からの光を印刷パネルのセグメント表示部分から透光させ、印刷パネルのセグメント周囲部分を遮断することでセグメント発光表示する表示装置において、
前記印刷パネルは、セグメント周囲部分の印刷層として、光源による非発光時にセグメント表示部に外光が入射した状態で見える色調と同等の色調による同等色印刷層を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置において、
前記同等色印刷層は、光源による非発光時におけるセグメント表示部の色調を計測器にて測定し、色調測定結果に基づき同等の色調となる印刷色を決定することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された表示装置において、
前記印刷パネルは、パネル基材と、該パネル基材の光源側裏面のセグメント周囲部分のみに印刷した同等色印刷層と、該同等色印刷層の光源側裏面のセグメント周囲部分のみに積層印刷した黒色印刷層と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載された表示装置において、
前記印刷パネルは、パネル基材の光源反対側表面の全体に印刷したスモーク色拡散印刷層を有することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された表示装置において、
前記光源を、セグメント表示部分を囲む開口部を形成したリフレクトケースの開口部底面位置に設けた発光ダイオードとし、
前記リフレクトケースと前記印刷パネルとの間に拡散シートを設定したことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−268801(P2008−268801A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115259(P2007−115259)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】