説明

表示装置

【課題】Crを用いずに表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置(PDP1)は第一、第二のパネル10、20を有しており、第一の基板11にはブラックマトリクス30が形成されている。ブラックマトリクス30は、ニッケル酸化物を主成分とする密着層31と、銅を主成分とする金属層32を有している。密着層31は遮光性が高いので、光が遮断され、金属層32と密着層31を積層することで反射光が減衰される。金属層32は電気的な配線膜を兼ねるから、PDP1の製造工程が簡易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PDPの表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、PDPやLCD等のブラックマトリクスには、Cr酸化物と、金属Cr膜の積層膜が用いられている。しかし、Crは環境に悪影響を与える有害物質であるから、Cr以外の材料の使用が求められている。
表示装置のうち、例えばPDPは放電により発光する際、ブラックマトリクスが高温に加熱される。このような装置では、熱に弱い樹脂材料は使用できない。
Cr以外の金属材料としては、例えば、銅酸化物(又は銅合金酸化物)の膜の上に銅膜を積層した積層膜でも、ブラックマトリクスの効果は得られる。
しかし、表示装置の製造工程では、ブラックマトリクス形成後、加熱処理を行なう場合があり、その加熱処理で下層の銅酸化物は、酸素が上層の銅膜に拡散し、還元されてしまう。銅酸化物膜が還元されると黒色から銅色(茶色)に変色して遮光性が劣化する上、ガラス基板への密着性が低くなり、ブラックマトリクスが基板から剥がれやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−352310号公報
【特許文献2】特開平2000−251744号公報
【特許文献3】特開平2004−39575号公報
【特許文献4】特開平2004−63247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は環境に悪影響を与えずに、密着性と遮光性に優れたブラックマトリックスと低抵抗である電極の両方の特性を合わせもつ技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は表示装置であって、それぞれ細長に形成され、第一の基板本体上に複数本平行に交互に配置された走査電極用配線膜と維持電極用配線膜と、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜の間に配置され、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜にそれぞれ電気的に接続された透明な走査電極膜と透明な維持電極膜の一対から成る画素電極とが設けられた第一のパネルと、前記第一のパネルに対して平行にされた第二の基板本体上に、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜とが延びる方向とは交叉する方向に延びる互いに離間した複数の隔壁と、隣接する前記隔壁間に位置する蛍光体とが設けられた第二のパネルと、を有するPDP表示装置であって、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜は、ニッケル又はFeのいずれか一方を主成分とする金属酸化物を主成分とし、前記第一の基板本体の表面に接触して配置された密着層と、銅又はアルミニウムのいずれか一方を主成分とし、前記密着層の表面に接触して配置された金属層とを有し、前記第一、第二のパネル間には放電ガスが配置され、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜との間に生じた放電によって前記放電ガスがプラズマ化され、発生した紫外線で前記蛍光体が発光するPDP表示装置である。
また、本発明は、前記画素電極の片側に位置する前記走査電極用配線膜と、反対側に位置する前記維持電極用配線膜から、前記画素電極と前記画素電極の間に、前記密着層と前記金属層とを有する走査電極用補助配線膜と維持電極用補助配線膜がそれぞれ、互いに非接触の状態で延ばされたPDP表示装置である。
また、本発明は、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜はブラックマトリクスを形成するPDP表示装置である。
【0006】
本発明は表示装置であって、密着層と金属層の積層膜は、密着層側からも金属層側からも黒色のブラックマトリクスに見える。
ガラス基板の表面にニッケル酸化物膜(膜厚50nm)を形成し、ニッケル酸化物膜の透過率を求め、更に、ニッケル酸化物膜の表面に銅膜(膜厚300nm)を成膜して、反射率を求めた。
図5の符号Lnはニッケル酸化物膜の透過率と波長との関係を示す曲線であり、ニッケル酸化物膜は可視領域の広い範囲で透過率が低く、遮光性が高いことが分かる。従って、密着層は遮光部材として機能する。
図6の符号Lcは銅膜単層の場合の反射率を示し、同図の符号Lcnは銅膜とニッケル酸化物膜の積層膜の反射率をそれぞれ示す。銅膜単層だと反射率は高いが、銅膜とニッケル酸化物膜を積層すれば、各界面で反射光が減衰され、反射率が低下することが分かる。
本発明の表示装置は、ニッケル酸化物を主成分とする密着層と、銅を主成分とするバス電極が積層され、ブラックマトリックスが形成されているから、ブラックマトリックスは遮光性と反射防止性の両方に優れている。
【発明の効果】
【0007】
ブラックマトリックスにCrを用いないから環境に悪影響を与えない。
密着層は基板本体に対する密着性が高いから、ブラックマトリックスが剥離し難い。走査電極用配線膜と維持電極用配線膜はブラックマトリックスの機能を兼ね備えるから、ブラックマトリックスと配線膜を別々に形成する場合に比べて、製造工程を簡略でき、画素間隔を短縮したPDPを形成できる。
製造工程でブラックマトリックスが加熱されても、金属酸化物は還元されず、遮光性と密着性が劣化しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】PDPの断面図
【図2】第一の基板の模式的な平面図
【図3】PDPの模式的な斜視図
【図4】(a)〜(c):第一の基板の製造工程図
【図5】ニッケル酸化物膜に対する波長と透過率の関係を示すグラフ
【図6】銅膜及び積層膜に対する波長と反射率の関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1の符号1は本発明の表示装置の一例であるPDP(プラズマディスプレイパネル)の断面図を示しており、図2は、平面図を示している。図1は図2のA−A切断線断面図と、後述する図3のB−B線切断線断面図に相当する。
PDP1は第一、第二のパネル10、20を有しており、第一、第二のパネル10、20は、板状の第一、第二の基板本体11、21をそれぞれ有している。
【0010】
<平面形状>
第一、第二の基板本体11、21は、互いに対向して配置されており、第一の基板本体11の両面のうちの第二の基板本体21に対面する面には、所定形状(ここでは四角形)の走査電極膜15aと、走査電極膜15aと同形状で走査電極膜15aとは絶縁された維持電極膜15bとが複数個ずつ配置されている。
走査電極膜15aは、第一の基板本体11上で複数個が一列に並べられており、その並べられた列は複数本が互いに平行に配置されている。また、維持電極膜15bは、走査電極膜15aと同様に、複数個が一列に並べられ、その列が、複数本互いに平行に配置されている。
走査電極膜15aが並べられた列と、維持電極膜15bが並べられた列は互いに平行に交互に配置されており、交互に配置された走査電極膜15aの列と維持電極膜15bの列の間隔は、長距離と短距離を交互に繰り返すように配置されている。
短距離で隣接する走査電極膜15aの列中と維持電極膜15bの列中では、走査電極膜15aと維持電極膜15bとが一個ずつ隣接し、一対の走査電極膜15aと維持電極膜15bとから成る画素電極35を構成しており、画素電極35を構成する走査電極膜15aと維持電極膜15bの間に電圧を印加すると、後述するように、その間に放電が発生するようにされている。
長距離で隣接する走査電極膜15aの列と維持電極膜15bの列の間には、走査電極膜15aの列に隣接して細長の走査電極用配線膜33aと、維持電極膜15bの列に隣接して細長の維持電極用配線膜33bとが配置されている。
走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33bとは、走査電極膜15aと維持電極膜15bの列と平行に配置されている。
走査電極膜15aと走査電極用配線膜33aの間には、走査電極15aの一部から成り、走査電極用配線膜33aに接触した走査電極接続部34aが設けられており、維持電極膜15bと維持電極用配線膜33bの間には、維持電極膜15bの一部から成り、維持電極用配線膜33bに接触した維持電極接続部34bが設けられている。
【0011】
走査電極接続部34aと維持電極接続部34bは、走査電極接続部34aと維持電極接続部34bによって、走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33bにそれぞれ電気的に接続されている。
また、一列中の走査電極膜15aと走査電極膜15aの間には、その列に隣接する走査電極用配線膜33aに接触する走査電極用補助配線膜36aが配置されており、同様に、一列中の維持電極膜15bと維持電極膜15bの間には、その列に隣接する維持電極用配線膜33bに接触する維持電極用補助配線膜36bが配置されている。
ここでは、走査電極用補助配線膜36aと維持電極用補助配線膜36bは、維持電極用配線膜33bと走査電極用配線膜33aとにそれぞれ接続されており、走査電極用補助配線膜36aと維持電極用補助配線膜36bは離間し、電気的に絶縁されている。
走査電極用配線膜33aと、維持電極用配線膜33bと、走査電極用補助配線膜36aと、維持電極用補助配線膜36bとは、後述する様に、黒色に見えるブラックマトリクスとして用いられている。符号30は、そのブラックマトリクスを示している。
各画素電極35は、走査電極用補助配線膜36aと維持電極用補助配線膜36bとが離間する部分を除いてブラックマトリクス30によって取り囲まれており、反射光が発生せず、迷光等が隣接する画素間で侵入し合わないようになっている。
【0012】
<断面構造>
次に、各配線膜33a、33b、36a、36bの断面構造を説明すると、走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33bと走査電極用補助配線膜36aと維持電極用補助配線膜36bの断面構造は同一であり、第一の基板本体11表面に密着配置された密着層31と、密着層31表面に密着配置された金属層32とを有している。
密着層31はニッケル酸化物(NiOx)を主成分とし、金属層32は銅を主成分とし、金属層32が低抵抗になっている。尚、主成分とは含有量が50質量%以上の成分を指す。
第一の基板本体11は透明なガラス基板である。銅はガラスに対する密着性が低いが、ニッケル酸化物は銅とガラスの両方に密着性が高く、密着層31により金属層32が第一の基板本体11に固定され、ブラックマトリクス30が剥がれ難くなっている。
【0013】
図3はPDP1の内部を説明するための斜視図である。ここでは走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33bは一本ずつだけ図示され、残りは省略されている。
第二のパネル20では、第二の基板本体21の面のうちの第一の基板本体11に対面する面には、直線状に延びる細長のアドレス電極膜(第二の電極)25が互いに平行に配置されている。
第二のパネル20のアドレス電極膜25の伸びる方向が、第一のパネル10の走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33bの伸びる方向に対して直角になるように第一のパネル10と第二のパネル20が配置されており、一本のアドレス電極膜25に対して対向する位置に、列とは直角な行方向に並んだ画素電極35が位置している。
アドレス電極膜25上には、ガラス等の誘電体膜から成る絶縁性を有する誘電体層22が配置されている。誘電体層22上には、細長の隔壁27が、アドレス電極膜25とアドレス電極膜25の間の位置にアドレス電極膜25と平行に配置されている。
【0014】
第一のパネル10では、各電極膜15a、15bや各配線膜33a、33b、36a、36bは、誘電体層12内に埋設されており、誘電体層12の表面には、MgO、SrO、CaO等のアルカリ土類金属酸化物薄膜から成る保護膜13が形成されている。
第一のパネル10は、第二のパネル20の隔壁27上に乗せられており、第一、第二のパネル10、20の間の空間は、隔壁27によって複数の領域に区分けされている。
第一、第二のパネル10、20の間の空間には、希ガス等の放電ガスが封入されている。また、隔壁27の側面や、隔壁27と隔壁27の間の底面には、R、G、B各色の蛍光体26R、26G、26Bが隔壁27の間ごとに一色配置されている。
【0015】
各走査電極用配線膜33aと、維持電極用配線膜33bと、各アドレス電極膜25の長手方向の端部は、第一又は第二の基板本体11、21の縁付近までそれぞれ導出されており、導出された端部では外部機器の配線にそれぞれ電気的に接続されている。各走査電極用配線膜33aと、各維持電極用配線膜33bと、各アドレス電極膜25には、外部機器からそれぞれ個別に電圧が印加されるようになっており、電圧を印加する走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33bとアドレス電極膜25を選択できるようになっている。
走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33bに印加された電圧は、走査電極接続部34aと維持電極接続部34bを介して、その走査電極用配線膜33aや維持電極用配線膜33bに接続された走査電極膜15aと維持電極膜15bにそれぞれ印加される。
走査電極膜15aと、維持電極膜15b、走査電極接続部34aと、維持電極接続部34bは、ITO等の透明な導電膜によって構成されている。
【0016】
次に、本発明の表示装置の製造工程について説明する。
先ず、ニッケルターゲットが配置され、真空雰囲気にされたスパッタリング装置内に第一の基板本体11を搬入し、真空排気しながら化学構造中に酸素原子を含有する酸化ガス(O2、CO2等)と、スパッタガス(Ar等の希ガス)をスパッタリング装置内に導入し、酸化ガスを含有するスパッタ雰囲気中で、ニッケルを主成分とするニッケルターゲットをスパッタリングし、第一の基板本体11の片面にニッケル酸化物膜から成る密着層31を形成する。
化学構造中に酸素原子を有する酸化ガスの代わりに、化学構造中に窒素原子を有する窒化ガス(例えばN2)を希ガスから成るスパッタリングガスに添加してニッケルターゲットをスパッタリングし、ニッケル窒化物膜からなる密着層31を形成してもよいし、酸化ガスと窒化ガスの両方をスパッタリングガスに添加してニッケルターゲットをスパッタリングし、ニッケル窒化物とニッケル酸化物の混合物から成る密着層31を形成してもよい。
次に、銅ターゲットが配置され、真空雰囲気にされたスパッタリング装置内に、密着層31を形成した第一の基板本体11を搬入し、真空排気しながらスパッタリングガスを導入し、銅ターゲットをスパッタリングし、密着層31の表面に、銅膜から成る金属層32を形成する。図4(a)はその状態を示している。
次に、密着層31と金属層32とが積層された膜の表面に、パターニングされたレジスト膜を形成し、エッチング液によって銅とニッケル酸化物を連続的に溶解させることで、密着層31と金属層32を部分的に除去し、パターニングする。
【0017】
図4(b)は、密着層31と金属層32のパターニングによって、走査電極用配線膜33aと維持電極用配線膜33b、及び同図には不図示の走査電極用補助配線膜36aと維持電極用補助配線膜36bとが形成され、レジスト膜が除去された状態である。
次に、ITOやIZO等の透明導電材料のターゲットが配置され、真空雰囲気にされたスパッタリング装置内に、走査電極用配線膜33aや維持電極用配線膜33b等が形成された第一の基板本体11を搬入し、真空排気しながらスパッタリングガスを導入し、透明導電材料をスパッタリングし、第一の基板本体11の走査電極用配線膜33aや維持電極用配線膜33b等が形成された表面に透明導電膜を形成する。
次いで、透明導電膜上に所定形状にパターニングされたレジスト膜を配置し、エッチングによって透明導電膜を部分的に除去してパターニングし、同図(c)に示すように、透明導電膜から成る走査電極膜15a、維持電極膜15b、走査電極接続部34a、維持電極接続部34bを形成する。
次に、走査電極用配線膜33a、維持電極用配線膜33bや走査電極膜15a、維持電極膜15b等が形成された第一の基板本体11上に、図1に示すように、誘電体層12と保護膜13を形成し第一のパネル10を得て、第二のパネル20と対面させ、PDP1を得る。
誘電体層12の成膜は例えば、ガラスフリット(ガラスペースト)を塗布、焼成して形成される。保護膜13は、例えば、MgOと、CaOと、SrO等の蒸着材料を蒸発させる蒸着法で形成され、成膜後に保護膜13を加熱してアニール処理を行なうこともある。
更に、第一、第二のパネル10、20を貼り合せる前に、脱ガス等の目的で、第一のパネル10を加熱することもある。このように、ブラックマトリクス30は、PDP1の製造工程で加熱される。
密着層31を、例えばCuOのようなニッケル以外の金属酸化物で構成すると、加熱により酸化物中の酸素が上層の金属層32に移動し、金属層32の電気抵抗が上がるだけでなく、密着層31が第一の基板本体11から剥がれやすくなる。
【0018】
本発明では、密着層31がニッケル酸化物を主成分とする。ニッケル酸化物はCuO等に比べて加熱による還元が起こり難い。従って、本発明の表示装置はブラックマトリクス30の剥離が起こり難く、金属層32も低抵抗のままである。
【0019】
なお、上記実施例では、密着層31と金属層32を形成した後、パターニングしたが、密着層31を形成した後、パターンニングし、次いで、金属層32を形成し、パターニングして走査電極用配線膜33a、維持電極用配線膜33b、走査電極用補助配線膜36a、維持電極用補助配線膜36bを形成してもよい。
密着層31の成膜には、ニッケルを主成分とするニッケルターゲットに替え、ニッケル酸化物を主成分とするニッケル酸化物ターゲットやニッケル窒化物を主成分とするニッケル窒化物ターゲットを用いて、ニッケル酸化膜又はニッケル窒化膜を形成してもよい。更に、ニッケルに代えて鉄を使用することもできる。
また、金属層32は、銅と、銅以外の添加金属とを含有する銅合金で構成することもできる。また、銅に代えてAlを使用することもできる。
【0020】
本発明の表示装置はPDP1に限定されず、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイも本発明には含まれるが、本発明のブラックマトリクスは、樹脂材料等からなるブラックマトリクスに比べて耐熱性に優れているので、放電によりブラックマトリクスが高温に加熱されやすいPDPに特に適している。
【符号の説明】
【0021】
1……PDP(表示装置) 10……第一のパネル 11……第一の基板本体 15a……走査電極膜 15b……維持電極膜 20……第二のパネル 21……第二の基板本体 25……アドレス電極膜 30……ブラックマトリクス 31……密着層 32……金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ細長に形成され、第一の基板本体上に複数本平行に交互に配置された走査電極用配線膜と維持電極用配線膜と、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜の間に配置され、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜にそれぞれ電気的に接続された透明な走査電極膜と透明な維持電極膜の一対から成る画素電極とが設けられた第一のパネルと、
前記第一のパネルに対して平行にされた第二の基板本体上に、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜とが延びる方向とは交叉する方向に延びる互いに離間した複数の隔壁と、隣接する前記隔壁間に位置する蛍光体とが設けられた第二のパネルと、を有するPDP表示装置であって、
前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜は、ニッケル又はFeのいずれか一方を主成分とする金属酸化物を主成分とし、前記第一の基板本体の表面に接触して配置された密着層と、銅又はアルミニウムのいずれか一方を主成分とし、前記密着層の表面に接触して配置された金属層とを有し、
前記第一、第二のパネル間には放電ガスが配置され、前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜との間に生じた放電によって前記放電ガスがプラズマ化され、発生した紫外線で前記蛍光体が発光するPDP表示装置。
【請求項2】
前記画素電極の片側に位置する前記走査電極用配線膜と、反対側に位置する前記維持電極用配線膜から、前記画素電極と前記画素電極の間に、前記密着層と前記金属層とを有する走査電極用補助配線膜と維持電極用補助配線膜がそれぞれ、互いに非接触の状態で延ばされた請求項1記載のPDP表示装置。
【請求項3】
前記走査電極用配線膜と前記維持電極用配線膜はブラックマトリクスを形成する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のPDP表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−225481(P2010−225481A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73009(P2009−73009)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】