説明

表示装置

【課題】発光管アレイ型表示サブモジュールごとに表示電極パターンを変えることなく共通化され、高い精度で横方向に接続されてなる表示装置を提供する。
【解決手段】複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイを、アドレス電極が形成してあるアドレス電極シートと、表示電極が形成してある表示電極シートとの間に挟持してある発光管アレイ型表示サブモジュールを相互に接続して表示装置を構成する。表示電極シート上の表示電極の形状は、横方向に接続された全ての発光管アレイ型表示サブモジュールについて共通であり、発光管アレイ型表示サブモジュール同士を接続する第一のコネクタと、発光管アレイ型表示サブモジュールと電極基板とを接続する第二のコネクタとを用いて、複数の発光管アレイ型表示サブモジュールを縦横に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光管アレイ型表示モジュールを互いに接続することで形成された大画面に対応することが可能な表示装置に関し、さらに詳しくは、発光管アレイ型表示モジュールを構成する発光管アレイ型表示サブモジュールの表示電極の形状を統一してある発光管アレイ型表示モジュールを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新世代の大画面表示装置を実現する技術として、内部に放電ガスが封入された複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイ型表示サブモジュールが開発されている。発光管アレイ型表示サブモジュールを複数接続して大画面対応の発光管アレイ型表示システムモジュールを構成して大画面用の表示装置とすることで、大型表示パネルを製造するための大規模な設備投資が不要で、画質が均質となる表示装置を提供することができる。図1は、従来の発光管アレイ型表示サブモジュールの接続状態の概略を示す模式図である。
【0003】
図1(a)は、従来の発光管アレイ型表示サブモジュール3個を並列に接続する場合の概略を示す平面模式図である。図1(a)に示すように発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、1cは、それぞれに所定の電極パターンで形成されている表示電極10a、10b、10cと、アドレス駆動回路基板11とで形成されている(特許文献1参照)。
【0004】
図1(b)は、表示電極10a、10b、10cの形成状態を示す模式図である。図1(b)に示すように、表示電極10a、10b、10cは、X電極用及びY電極用の2本で一対をなしており、X駆動回路12と接続する発光管アレイ型表示サブモジュール1aでは、X電極用の表示電極15、15、・・・がY電極用の表示電極16、16、・・・よりも長くなるように形成されている。一方、Y駆動回路13と接続する発光管アレイ型表示サブモジュール1cでは、Y電極用の表示電極16、16、・・・がX電極用の表示電極15、15、・・・よりも長くなるように形成されている。また、発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1c間に配設される発光管アレイ型表示サブモジュール1bでは、X電極用の表示電極15、15、・・・とY電極用の表示電極16、16、・・・とが同じ長さとなるよう形成されている。
【0005】
このように、発光管アレイ型表示サブモジュール1、1、・・・が配設される位置に応じて、表示電極のパターンが異なる表示電極10a、10b、10cをそれぞれ有する3種類の異なる発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、1cを準備しておき、これらをコネクタ14により接続することで、一枚の大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュールを形成する。
【0006】
コネクタ14は、背面側へ折り曲げ加工された表示電極10a、10b、10cを、短絡しないように接続する。図2は、従来の発光管アレイ型表示サブモジュール1を横方向に接続するコネクタ14の構成を示す、発光管31、31、・・・の長手方向に直交する面での断面図である。図2(a)は、コネクタ14が両面接点コネクタである場合の断面図であり、図2(b)は、コネクタ14がコネクタ付きフレキシブルケーブルとして構成されている場合の断面図である。
【0007】
図2(a)に示すように表示電極10、10を、発光管アレイ17の端部に沿って背面側へ屈曲させ、両面接点コネクタ14aで挟持している。また、接地電極19、19間を接地ケーブル20にて接続することにより、接地電位を共通化している。同様に図2(b)でも、表示電極10、10は、発光管アレイ17の端部に沿って背面側へ屈曲している。屈曲した表示電極10、10の端部をコネクタ14b、14bで挟持し、コネクタ14b、14b間をフレキシブルケーブル21で接続している。また、接地電極19、19間を接地ケーブル20にて接続することにより、接地電位を共通化している。
【特許文献1】特開2004−178854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、発光管アレイ型表示サブモジュール1、1、・・・を縦横に接続して大画面の発光管アレイ型表示システムモジュールを構成する場合、X駆動回路と接続するための発光管アレイ型表示サブモジュール1aであるか、Y駆動回路と接続するための発光管アレイ型表示サブモジュール1cであるか、相互に接続するための発光管アレイ型表示サブモジュール1bであるかを、それぞれ明確に区別する必要があり、また発光管アレイ型表示システムモジュールの形成後に一の発光管アレイ型表示サブモジュール1a、1b、又は1cに障害が発生した場合であっても、同一種類の発光管型表示サブモジュール1a、1b、又は1cとしか取り替えることができず、製造コストの低減が困難であるという問題点があった。
【0009】
また、発光管アレイ型表示サブモジュール1、1、・・・を横方向に接続する場合、位置合わせを高い精度で行う必要がある。すなわち、隣接する発光管アレイ型表示サブモジュール1、1間で大きな位置ずれが発生した場合、表示電極10、10、・・・に過剰な負荷が生じて変形等するおそれがあり、断線等の障害が生じることにより表示装置として機能させることができない。また、組み立てた発光管アレイ型表示システムモジュールを今一度複数の発光管アレイ型表示サブモジュール1、1、・・・に解体する、再度一枚の発光管アレイ型表示システムモジュールを構成する等の作業が繰り返される場合、コネクタ14、14、・・・の位置の変動、それに伴う表示電極10、10、・・・間を接続しているケーブルの張力変動等に起因して、表示電極10、10、・・・に過剰な負荷が生じ、変形等が生じることによる断線が発生するおそれもあった。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、発光管アレイ型表示サブモジュールごとに表示電極パターンを変えることなく共通化され、高い精度で横方向に接続されてなる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために第1発明に係る表示装置は、複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイを、アドレス電極が形成してあるアドレス電極シートと、表示電極が形成してある表示電極シートとの間に挟持してある発光管アレイ型表示サブモジュールを相互に接続して構成された表示装置において、前記表示電極シート上の前記表示電極の形状は、横方向に接続された全ての発光管アレイ型表示サブモジュールについて共通であり、前記発光管アレイ型表示サブモジュール同士を接続する第一のコネクタと、前記発光管アレイ型表示サブモジュールと電極基板とを接続する第二のコネクタとを用いて、複数の前記発光管アレイ型表示サブモジュールを縦横に接続してあることを特徴とする。
【0012】
第1発明では、複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイを、アドレス電極が形成してあるアドレス電極シートと、表示電極が形成してある表示電極シートとの間に挟持してある発光管アレイ型表示サブモジュールを相互に接続して、一枚の発光管アレイ型表示システムモジュールを構成する。表示電極シート上の表示電極の形状は、横方向に接続された全ての発光管アレイ型表示サブモジュールについて共通であり、発光管アレイ型表示サブモジュール同士を接続する第一のコネクタと、発光管アレイ型表示サブモジュールと電極基板とを接続する第二のコネクタとを用いて、複数の発光管アレイ型表示サブモジュールを縦横に接続することにより、発光管アレイ型表示サブモジュールの配置に応じて表示電極を形成するパターンを変更する必要が無く、共通のパターンで形成された表示電極間を、位置に応じたコネクタを選択して接続すれば足りることから、製造工数を大きく削減することができ、安価な表示装置を提供することができる。また、発光管アレイ型表示サブモジュールの入れ替えが自由であり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【0013】
なお、「発光管アレイ型表示サブモジュール」とは、発光管アレイを含めた上述のような表示フィルム部品であって、電源回路等を含まない表示パネルの半完成品を意味している。また、「発光管アレイ型表示システムモジュール」とは、複数の発光管アレイ型表示サブモジュールを、所定のコネクタを介して縦横に接続して一枚の表示パネルを構成したシステムモジュールを意味しており、電源回路等を接続することで表示装置を構成する部品を意味している。
【0014】
また、第2発明に係る表示装置は、第1発明において、前記第一のコネクタ及び前記第二のコネクタは前記表示電極と接続する接続基板を有し、該接続基板を介して、前記表示電極同士及び接地電極同士を接続するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
第2発明では、第一のコネクタ及び第二のコネクタは表示電極と接続する接続基板を有しており、接続基板を介して表示電極同士及び接地電極同士をケーブルで接続することにより、表示電極と接地電極とが短絡しないように確実に離隔することができる。また、組み立てた発光管アレイ型表示システムモジュールを今一度複数の発光管アレイ型表示サブモジュールに解体する、再度一枚の発光管アレイ型表示システムモジュールを構成する等の作業が繰り返された場合であっても、コネクタの接続基板に接続された表示電極に過剰な負荷が生じることがなく、過剰な負荷に起因する表示電極の変形を回避することができ、断線等が生じる可能性が低い高品質の表示装置を提供することが可能となる。
【0016】
また、第3発明に係る表示装置は、第2発明において、前記接続基板は、前記発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に、該背面と略直交する方向に配設してあり、前記表示電極の屈曲部分と圧着するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
第3発明では、接続基板を発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に、該背面と略直交する方向に配設し、表示電極の屈曲部分と圧着することにより、接続基板を表示電極シートに固着することができ、ケーブル接続の脱着により表示電極に過剰な負荷が生じることが無く、障害の発生による接触不良が生じる可能性が低く、確実な接続を行うことが可能となる。
【0018】
また、第4発明に係る表示装置は、第2発明において、前記接続基板は、前記発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に、該背面と略平行な方向に配設してあり、前記表示電極の屈曲部分と圧着するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
第4発明では、接続基板を発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に、該背面と略平行な方向に配設し、表示電極の屈曲部分と圧着することにより、接続基板を表示電極シートに固着することができ、ケーブル接続の脱着により表示電極に過剰な負荷が生じることが無く、障害の発生による接触不良が生じる可能性が低く、確実な接続を行うことが可能となる。また、コネクタ部が発光管アレイ型表示サブモジュールの背面側に大きく突出することが無く、より薄型の表示装置を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
上記のように、発光管アレイ型表示サブモジュールの配置に応じて表示電極を形成するパターンを変更する必要が無く、共通のパターンで形成された表示電極間を、位置に応じたコネクタを選択して接続すれば足りることから、製造工数を大きく削減することができ、安価な発光管アレイ型表示システムモジュールを用いた大画面の表示装置を提供することができる。また、発光管アレイ型表示サブモジュールの入れ替えが自由であり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態に係る表示装置について、図面に基づいて詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る表示装置に用いる発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を模式的に示す斜視図である。図3(a)は、発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は、発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を部分的に示す斜視図であり、図3(c)は、発光管アレイ型表示サブモジュールを縦横に接続した発光管アレイ型表示システムモジュールを示す斜視図である。
【0022】
図3(a)に示すように、本実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30は、矩形画面の一部を構成する発光管アレイ型表示サブモジュール30であることから、矩形形状を有しており、内部に放電ガスが封入された複数の発光管31、31、・・・を並列に配置している。発光管31、31、・・・はガラス製の放電細管であり、管体となる細管の径は、特に大きさが限定されるものではないが、直径0.5〜5mm程度であることが望ましい。細管の形状は、円形の断面、扁平楕円状の断面、方形の断面等、どのような形状の断面を有していてもよい。また、発光管31、31、・・・の内部にはネオン、キセノン等の放電ガスが所定の割合で所定の圧力で封入されている。
【0023】
並列に配置された発光管31、31、・・・は、発光管31、31、・・・の長手方向に配設されているアドレス電極32、32、・・・を有するアドレス電極シート33と、発光管31、31、・・・の長手方向に略直交する方向に配設されている表示電極対34、34、・・・を有する表示電極シート35とに挟持されることで発光管アレイ型表示サブモジュール30を構成している。表示電極シート35はフレキシブルシートであり、例えばポリカーボネートフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等で構成されている。
【0024】
複数の表示電極対34、34、・・・は、発光管アレイ型表示サブモジュール30の表示面側に、発光管31、31、・・・の長手方向と直交する方向にストライプ状に設けられており、隣接する表示電極34、34間で発光管31、31、・・・において表示放電を発生させることができるものであれば、特に限定されるものではない。表示電極34は、当該分野で公知の各種の材料を用いて形成することができる。表示電極34に用いられる材料としては、例えば、ITO(酸化錫ドープ酸化インジウム)、SnO2 等の透明な導電性材料や、Ag、Au、Al、Cu、Cr等の金属の導電性材料が挙げられる。
【0025】
表示電極34の形成方法としては、当該分野で公知の各種の方法を適用することができる。例えば、印刷等の厚膜形成技術を用いて形成しても良いし、物理的堆積法又は化学的堆積法からなる薄膜形成技術を用いて形成しても良い。厚膜形成技術としては、スクリーン印刷法等が挙げられる。薄膜形成技術のうち、物理的堆積法としては、蒸着法、スパッタ法等が挙げられる。化学的堆積法としては、熱CVD法、光CVD法、あるいはプラズマCVD法等が挙げられる。
【0026】
アドレス電極32、32、・・・は、発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面側に、発光管31、31、・・・の長手方向に沿って発光管31ごとに設けられ、表示電極対34、34、・・・との交差部に発光セルを形成する発光セル選択用のものであれば、特に限定されるものではない。アドレス電極32も、当該分野で公知の各種の材料と方法とを用いて形成することができる。
【0027】
上記構成において、発光管アレイ型表示サブモジュール30をカラー表示対応とする場合には、図3(b)に示すように、発光管31ごとに単色の蛍光体層36、例えば赤色(R)用の蛍光体層36R、緑色(G)用の蛍光体層36G、青色(B)用の蛍光体層36Bを有する。RGB3色の発光管31、31、31を一組として一つの画素を構成することで、カラー表示に対応することができる。なお、蛍光体層36は、赤色(R)用の蛍光体層36Rでは、紫外線照射により赤色発光する(Y、Gd)BO3 :Eu3+等の蛍光体材料を用いる。緑色(G)用の蛍光体層36Gでは、緑色発光するZn2 SiO4 :Mn等の蛍光体材料を用い、青色(B)用の蛍光体層36Bでは、青色発光するBaMgAl1217:Eu2+等の蛍光体材料を用いる。
【0028】
図3(c)は、上述した発光管アレイ型表示サブモジュール30を縦横に接続した発光管アレイ型表示システムモジュール45を模式的に示す斜視図である。図3(c)では、4枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・から1枚の大画面の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成しており、1枚1枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30は、駆動回路、電源回路等を含まない半完成品である。大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成した段階で、全体を一つの表示フィルムとして駆動回路、電源回路等を組み込むことで、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・ごとに表示画像の品質のばらつきが少ない大画面の表示装置を構成することができる。
【0029】
発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を縦横に接続して大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成する場合、従来の発光管アレイ型表示サブモジュール1を用いる場合、X駆動回路12に接続するための表示電極10aを有する発光管アレイ型表示サブモジュール1、発光管アレイ型表示サブモジュール1同士を接続するための表示電極10bを有する発光管アレイ型表示サブモジュール1、及びY駆動回路13に接続するための表示電極10cを有する発光管アレイ型表示サブモジュール1の3種類を準備しておく必要がある。
【0030】
しかし、大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成する場合に、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の種類を明確に区別し、配置を決定するのでは作業効率の低下を招く。また、一の発光管アレイ型表示サブモジュール30に障害が発生した場合、取り替えることができるのは同一種類の発光管アレイ型表示サブモジュール30だけであり、発光管アレイ型表示サブモジュール30を自由に使い回すことができない。
【0031】
そこで本発明では、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の表示電極34の配置パターンを全て統一し、別途設けるコネクタで接続する場合に、X駆動回路、他の発光管アレイ型表示サブモジュール30、Y駆動回路の区別に応じてケーブル配線で対応することが可能な構成としてある。図4は、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の接続状態の概略を示す模式図である。
【0032】
図4(a)は、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を並列に接続する場合の概略を示す平面模式図である。図4(a)に示すように発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30は、それぞれに共通の電極パターンで形成されている表示電極34、34、34と、アドレス駆動回路基板41とで形成されている。
【0033】
図4(b)は、表示電極34、34、34の形成状態を示す模式図である。図4(b)に示すように、表示電極34、34、34は、X電極用及びY電極用の2本で一対をなしており、X駆動回路42と接続する発光管アレイ型表示サブモジュール30、Y駆動回路43と接続する発光管アレイ型表示サブモジュール30、他の発光管アレイ型表示サブモジュール30と接続する発光管アレイ型表示サブモジュール30のいずれも同一の長さ、同一の電極パターンとなるよう形成されている。
【0034】
このように、発光管アレイ型表示サブモジュール30が配設される位置にかかわらず、同一の表示電極のパターンを有する表示電極34、34、34を備えた発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を、位置に応じたコネクタ38及びコネクタ38、38間を連結するケーブル37により接続することで、一枚の大画面用の発光管アレイ型表示システムモジュール45を形成する(図4(c)参照)。
【0035】
コネクタ38は、背面側へ折り曲げ加工された表示電極34、34、34を、接地電極等と短絡しないように接続する。図5は、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続した構成を示す、発光管31、31、・・・の長手方向に直交する面での断面図である。
【0036】
図5に示すように表示電極34を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板52に圧着させてある。コネクタ38、38に含まれる接続基板52、52間は、ケーブル37(接地ケーブル371及び接続ケーブル372の一組で構成されている)を短絡させずに接続することが可能となっており、接続基板52、52同士、あるいは接続基板52とX駆動回路42又はY駆動回路43とが接続されている。
【0037】
また、接地電位を共通化するためにX駆動回路42又はY駆動回路43の背面、及び発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面には、それぞれ接地基板51、53が設けてあり、接続されている全ての発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の接地電位を共通化している。なお、図5において、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30同士を接続する一組の接続基板52、52を含む屈曲された表示電極シート35、35等を一体として「第一のコネクタ」54とし、発光管アレイ型表示サブモジュール30とX駆動回路42又はY駆動回路43とを接続する接続基板52を含む屈曲された表示電極シート35、35等を一体として「第二のコネクタ」55とする。
【0038】
図6は、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続するコネクタ38近傍の構成を示す、発光管31、31、・・・の長手方向に直交する面での拡大断面図である。図6(a)は接続基板52に接地用端子と電極用端子とを備えている場合を、図6(b)は接続基板52に両面接点端子を備えている場合を、それぞれ示している。
【0039】
図6(a)では、表示電極34を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板52に圧着させてある。接続基板52、52間にて接地ケーブル371及び接続ケーブル372が短絡せずに接続することができるように、接続基板52、52には、それぞれ接地端子521と電極端子522が設けてある。接地ケーブル371にて接地端子521、521間を接続し、接続ケーブル372にて電極端子522、522間を接続することで、両者が短絡することなく接続することができる。また、接続基板52と表示電極シート35とを圧着クランプ523により圧着することにより、接続基板52を堅固に固定することができる。
【0040】
また、図6(b)では、図6(a)と同様に表示電極34を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板52に圧着させてある。接続基板52、52間にて接地ケーブル371及び接続ケーブル372が短絡せずに接続することができるように、接続基板52、52には、それぞれ両面接点端子524が設けてある。接地ケーブル371にて両面接点端子524、524間を接続するとともに、接続ケーブル372にて両面接点端子524、524間を接続することで、両者が短絡することなく接続することができる。なお、接地ケーブル371及び接続ケーブル372を一体化した二層構造のケーブルにすることで、より短絡の可能性を排除することができる。また、接続基板52と表示電極シート35とを圧着クランプ523により圧着することにより、接続基板52を堅固に固定することができる。
【0041】
上述のように接続基板52は、発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させた表示電極シート35に沿って、発光管アレイ型表示サブモジュール30に略直交する方向に設けているが、特にこれに限定されるものではなく、発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面に略平行な方向に設けても良い。図7は、接続基板52、52、・・・を発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面に略平行な方向に設けた場合の、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続した構成を示す、発光管31、31、・・・の長手方向に直交する面での断面図である。
【0042】
図7に示すように表示電極34を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板52に圧着させてある。接続基板52、52、・・・は、発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面に略平行な方向に沿って設けてある。接続基板52、52間は、接地ケーブル371及び接続ケーブル372が短絡しないように接続することが可能となっており、接続基板52、52同士、あるいは接続基板52とX駆動回路42又はY駆動回路43とが接続されている。
【0043】
なお、接地電位を共通化するためにX駆動回路42又はY駆動回路43の背面、及び発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面には、それぞれ接地基板51、53が設けてあり、接続されている全ての発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の接地電位を共通化している。
【0044】
図8は、接続基板52、52、・・・を発光管アレイ型表示サブモジュール30の背面に略平行な方向に設けた場合の、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、30を横方向に接続するコネクタ38近傍の構成を示す、発光管31、31、・・・の長手方向に直交する面での拡大断面図である。図8(a)は接続基板52に接地用端子と電極用端子とを備えている場合を、図8(b)は接続基板52に両面接点端子を備えている場合を、それぞれ示している。
【0045】
図8(a)では、表示電極34を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板52に圧着させてある。接続基板52、52は、発光管アレイ型表示サブモジュール30に略平行な方向に沿って設けてある。また、接続基板52の一端部と表示電極シート35の表示電極34とは熱圧着接続されている。
【0046】
接続基板52、52間にて接地ケーブル371及び接続ケーブル372が短絡せずに接続することができるように、接続基板52、52には、それぞれ接地端子521と電極端子522が設けてある。接地ケーブル371にて接地端子521、521間を接続し、接続ケーブル372にて電極端子522、522間を接続することで、両者が短絡することなく接続することができる。
【0047】
また、図8(b)では、図8(a)と同様に表示電極34を含む表示電極シート35を、複数の発光管31、31、・・・からなる発光管アレイ型表示サブモジュール30の端部に沿って背面側へ屈曲させ、接続基板52に圧着させてある。接続基板52、52は、発光管アレイに略平行な方向に沿って設けてある。また、接続基板52の一端部と表示電極シート35の表示電極34とは熱圧着接続されている。
【0048】
接続基板52、52間にて接地ケーブル371及び接続ケーブル372が短絡せずに接続することができるように、接続基板52、52には、それぞれ両面接点端子524が設けてある。接地ケーブル371にて両面接点端子524、524間を接続するとともに、接続ケーブル372にて両面接点端子524、524間を接続することで、両者が短絡せずに接続することができる。なお、接地ケーブル371及び接続ケーブル372を一体化した二層構造のケーブルにすることで、より短絡の可能性を排除することができる。
【0049】
上述した接続基板52を含むコネクタ38及びケーブル37を用いて、表示電極34の電極パターンが統一されている複数の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を接続する場合、従来は設置、解体の都度、表示電極に過剰にかかっていた負荷を軽減することができる。図9は、表示電極34、34の接続部分のみを示す拡大模式図である。図9(a)は比較のための従来の接続部分の拡大模式図を、図9(b)は本発明の実施の形態に係る接続部分の拡大模式図を、それぞれ示している。
【0050】
図9(a)に示すように、従来は、コネクタ14、14、・・・にて表示電極10a、10a、・・・、10b、10b、・・・を接続していたので、接続時に表示電極10a、10a、・・・、10b、10b、・・・に無理な負荷がかかる場合もあれば、取り外し時にも同じ負荷がかかる場合もある。したがって、表示電極10a、10a、・・・、10b、10b、・・・自体に過剰な曲げ荷重、引張荷重等による損傷が生じるおそれがあった。
【0051】
それに対して本実施の形態では、図9(b)に示すようにコネクタ38、38、・・・にて表示電極34、34、・・・を接続はしているが、一度コネクタ38、38、・・・を接続した場合、何度取り外そうが、再度接続しようが、コネクタ38、38、・・・と表示電極34、34、・・・との相対位置関係は変動しない。ケーブル37にて取り外し及び接続を行っているからである。したがって、最初の設置時に表示電極34、34、・・・に無理な負荷がかからないよう作業を完了しておくことで、以後ケーブル37を取り外そうが、再度接続しようが表示電極34、34、・・・に過剰な曲げ荷重、引張荷重等がかかることがなく、表示電極34、34、・・・に損傷が生じる可能性がない。
【0052】
以上のように本実施の形態によれば、表示電極シート35、35、・・・上の表示電極34、34、・・・の形状は、全ての発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・について共通であり、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30同士を接続する第一のコネクタ54と、発光管アレイ型表示サブモジュール30とX駆動回路42又はY駆動回路43とを接続する第二のコネクタ55とを用いて、複数の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を縦横に接続することができる。発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の配置に応じて表示電極34、34、・・・を形成するパターンを変更する必要が無く、共通のパターンで形成された表示電極34、34間を、位置に応じたコネクタを選択して接続すれば足りることから、製造工数を大きく削減することができ、安価な発光管アレイ型表示サブモジュール30を提供することができる。また、発光管アレイ型表示サブモジュール30の入れ替えが自由であり、メンテナンス工数も削減することが可能となる。
【0053】
図10は、上述した実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュール30を複数接続して発光管アレイ型表示システムモジュール45を構成した場合の例示図である。図10(a)は、横一列に接続した発光管アレイ型表示システムモジュール45の一例を、図10(b)は、縦横に接続した発光管アレイ型表示システムモジュール45の一例を、それぞれ示している。
【0054】
図10(a)に示すように、複数の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を横一列に接続した場合、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30間にはほとんど間隙部が生じることがなく、表示電極34、34、が連続的に配置されているのと同等の状態となる。
【0055】
図10(b)に示すように、複数の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を縦横に接続する場合も同様であり、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30間にはほとんど間隙部が生じることがなく、表示電極34、34、が連続的に配置されているのと同等の状態となる。
【0056】
なお、図10(b)の場合、上側の横6枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・と、下側の横6枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・とが異なる場合がある。下側の横6枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を上側の横6枚の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・として使用する場合、アドレス駆動回路基板の位置関係から180度回転させて配置する。したがって、このままでは、下側の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の発光管アレイの三原色の並びがR、G、Bである場合には、上側の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・の発光管アレイの三原色の並びがB、G、Rとなってしまう。同じ三原色の並びとするためには、発光管アレイの三原色の並びを互いに反転させた上側用の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・と、下側用の発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・とを準備しておく必要がある。横方向に接続する発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を共通化するだけでも、上述した効果は十二分に発揮される。
【0057】
なお、発光管アレイ型表示サブモジュール30、30、・・・を縦横に接続する枚数に上限はなく、要求される画面サイズに応じて自由に拡大することも縮小することもでき、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来の発光管アレイ型表示サブモジュールの接続状態の概略を示す模式図である。
【図2】従来の発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続するコネクタの構成を示す、発光管の長手方向に直交する面での断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る表示装置に用いる発光管アレイ型表示サブモジュールの発光管アレイの構成を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールの接続状態の概略を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続した構成を示す、発光管の長手方向に直交する面での断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続するコネクタ近傍の構成を示す、発光管の長手方向に直交する面での拡大断面図である。本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続するコネクタ近傍の構成を示す、発光管に直交する面での拡大断面図である。
【図7】接続基板を発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に略平行な方向に設けた場合の、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続した構成を示す、発光管の長手方向に直交する面での断面図である。
【図8】接続基板を発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に略平行な方向に設けた場合の、本発明の実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを横方向に接続するコネクタ近傍の構成を示す、発光管の長手方向に直交する面での拡大断面図である。
【図9】表示電極の接続部分のみを示す拡大模式図である。
【図10】実施の形態に係る発光管アレイ型表示サブモジュールを複数接続して発光管アレイ型表示システムモジュールを構成した場合の例示図である。
【符号の説明】
【0059】
30 発光管アレイ型表示サブモジュール
31 発光管
32 アドレス電極
33 アドレス電極シート
34 表示電極(対)
35 表示電極シート
37 ケーブル
38 コネクタ
41 アドレス駆動回路基板
42 X駆動回路
43 Y駆動回路
45 発光管アレイ型表示システムモジュール
52 接続基板
54 第一のコネクタ
55 第二のコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光管を並列に配置してある発光管アレイを、アドレス電極が形成してあるアドレス電極シートと、表示電極が形成してある表示電極シートとの間に挟持してある発光管アレイ型表示サブモジュールを相互に接続して構成された表示装置において、
前記表示電極シート上の前記表示電極の形状は、横方向に接続された全ての発光管アレイ型表示サブモジュールについて共通であり、
前記発光管アレイ型表示サブモジュール同士を接続する第一のコネクタと、
前記発光管アレイ型表示サブモジュールと電極基板とを接続する第二のコネクタとを用いて、
複数の前記発光管アレイ型表示サブモジュールを縦横に接続してあることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第一のコネクタ及び前記第二のコネクタは前記表示電極と接続する接続基板を有し、
該接続基板を介して、前記表示電極同士及び接地電極同士を接続するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記接続基板は、前記発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に、該背面と略直交する方向に配設してあり、前記表示電極の屈曲部分と圧着するようにしてあることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記接続基板は、前記発光管アレイ型表示サブモジュールの背面に、該背面と略平行な方向に配設してあり、前記表示電極の屈曲部分と圧着するようにしてあることを特徴とする請求項2記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−2515(P2010−2515A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159763(P2008−159763)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(506025648)篠田プラズマ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】