説明

表示装置

【課題】省電力化を図りつつ、高輝度・高品位な画像を表示することができる表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の表示装置は、光源31から液晶パネル22へ向け光を導く機能を有する筒状の反射面41を備える導光部材4と、液晶パネル22の光源31側近傍にて筒状の反射面41の横断面と平行または略平行に設けられ、導光部材4からの光を液晶パネル22側へ透過する透過光と導光部材4側へ反射する反射光とに分離する機能を有する偏光層24とを有し、筒状の反射面41の内側領域の光源31の先端面を含む横断面積をSとし、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24を含む横断面積をSとし、光源31からの光が筒状の反射面41で反射して偏光層24へ入射する最大入射角をθ[°]としたとき、θ×√(S/S)が、110以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
投射型のプロジェクタやディスプレイ等の表示装置は、例えば、液晶ライトバルブ等の光変調素子と、光変調素子に光を照射するLED(発光ダイオード)やLD(レーザーダイオード)等の光源とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1にかかる表示装置では、光変調素子と光源との間にロッドインテグレータが設けられている。そして、光源からロッドインテクレータを介して光変調素子に光を照射する。このようにロッドインテグレータを用いることで、光源からの光を光変調素子の所望領域に均一に照射することができる。
【0003】
ところで、液晶ライトバルブ等の光変調素子では、光を透過する部分と、光を透過しない部分とが必然的に形成されるが、光を透過する部分が光変調素子の全体(表示領域)に占める割合、いわゆる開口率が低い。
特許文献1にかかる表示装置では、光源からの光の一部は、前述した光を透過しない部分等で拡散または吸収され、使用されることなく無駄になっていた。そのため、所望の明るさの画像を表示するためには、高輝度の光源装置が必要となり、消費電力の増大を招いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−140837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、省電力化を図りつつ、高輝度・高品位な画像を表示することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示装置は、複数の透光窓部を備える光変調部と、
光を出射する光源を備える光出射部と、
前記光源からの光を前記光変調部へ導く機能を有する筒状の反射面を備える導光部と、
前記光変調部の前記光源側近傍にて前記筒状の反射面の横断面と平行または略平行に設けられ、前記導光部からの光を前記光変調部側へ透過する透過光と前記導光部側へ反射する反射光とに分離する機能を有する光分離面を備える光分離部とを有し、
前記筒状の反射面は、前記反射光を前記透光窓部へ導くように、前記光変調部側から前記光出射部側へ向け収斂しており、
前記筒状の反射面の内側領域の前記光源側の端部での横断面積をSとし、前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面側の端部での横断面積をSとし、前記光源からの光が前記筒状の反射面で反射して前記光分離面へ入射する最大入射角をθ[°]としたとき、
θ×√(S/S)が、110以上であることを特徴とする。
これにより、光分離面で反射した反射光が有効利用されるため、光源の輝度が比較的低くても、光出射部から出射した光のうち透光窓部を透過する光の量を多くすることができる。そのため、省電力化を図りつつ、高輝度・高品位な画像を表示することができる。
【0007】
本発明の表示装置では、前記横断面積Sは、前記光源の先端面が前記筒状の反射面の端よりも外側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光源に対して近位側の端での横断面積であり、前記光源の先端面が前記筒状の反射面の端よりも内側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光源の先端面を含む横断面積であり、前記横断面積Sは、前記光分離面が前記筒状の反射面の端よりも外側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面に対して近位側の端での横断面積であり、前記光分離面が前記筒状の反射面の端よりも内側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面を含む横断面積であることが好ましい。
これにより、光分離面で反射した反射光が有効利用されるため、省電力化を図りつつ、高輝度・高品位な画像を表示することができる。
【0008】
本発明の表示装置では、前記光出射部が前記筒状の反射面の内側領域の一端を覆うように設けられているとともに、前記光変調部が前記筒状の反射面の内側領域の他端を覆うように設けられ、前記筒状の反射面と前記光出射部と前記光変調部とで囲まれた領域が前記光源を内包する閉領域を形成していることが好ましい。
これにより、筒状の反射面の内側領域から外部への光の不本意な漏れを防止し、簡単かつ確実に、光分離面で反射した反射光が有効利用されるため高輝度・高品位の画像を表示することができる。
【0009】
本発明の表示装置では、前記筒状の反射面の軸線に垂直な1方向を第1の方向とし、前記筒状の反射面の軸線に垂直でかつ前記第1の方向に直交する方向を第2の方向としたとき、
前記筒状の反射面の内側領域の前記光源側の端部における横断面の前記第1の方向での長さL11と前記第2の方向での長さL12の比L11/L12が、1/4〜4であり、
前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面側の端部における横断面の前記第1の方向での長さL21と前記第2の方向での長さL22の比L21/L22が、1/4〜4であることが好ましい。
これにより、光源から導光部を介して光分離面へ均一に光を導光するとともに、光分離面で反射した反射光を筒状の反射面で反射させながら光分離面に導くことができる。
【0010】
本発明の表示装置では、前記光変調部の前記光源側近傍には、所定方向の偏光を透過させ、当該所定方向に直交する方向の偏光を反射する偏光分離素子が設けられ、該偏光分離素子が前記光分離面としての機能を有することが好ましい。
これにより、偏光分離素子を透過しない光を有効利用することができる。
本発明の表示装置では、前記光変調部の近傍には、複数の波長選択部を有するカラーフィルタが設けられており、その波長選択部の少なくとも1つが不透過波長帯域の光を反射する特性を有し、前記カラーフィルタが前記光分離面としての機能を有することが好ましい。
これにより、カラーフィルタの波長選択部を通過しない光を有効利用することができる。
【0011】
本発明の表示装置では、前記複数の波長選択部は、互いに異なる複数の波長帯域の波長選択部で構成されていることが好ましい。
複数色の波長選択部を用いて画像を表示する場合(例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の波長選択部を用いてフルカラー画像を表示する場合)、光変調部の開口率が極めて小さくなる。そのため、本発明を適用することにより効果が顕著となる。
【0012】
本発明の表示装置では、前記光変調部に設けられた配線に対応して、前記配線を遮光する遮光層が部分的に設けられており、該遮光層は、光反射性を有し、前記光分離面としての機能を有することが好ましい。
複数色の波長選択部を用いて画像を表示する場合(例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の波長選択部を用いてフルカラー画像を表示する場合)、光変調部の開口率が極めて小さくなる。そのため、本発明を適用することにより遮光層で遮光される光を有効利用することができその効果が顕著となる。
【0013】
本発明の表示装置では、前記遮光層と前記光変調部との間には、所定方向の偏光を透過させ、当該所定方向に直交する方向の偏光を反射する偏光分離素子が設けられていることが好ましい。
これにより、光源と遮光層との間に偏光分離素子が存在しないため、遮光層で遮光される光をより効率的に有効利用することができる。
【0014】
本発明の表示装置では、前記光変調部に照射される光が略白色光となるように構成されていることが好ましい。
これにより、例えば、カラーフィルタと組み合わせて容易にフルカラー画像を実現することができる。
本発明の表示装置では、前記光出射部は、前記光源の近傍に設けられた蛍光体を有し、前記光源は、前記蛍光体を励起する励起光を出射するものであることが好ましい。
光分離面で反射した反射光のうち、そのほとんどが筒状の反射面によって透光窓部へ導かれるが、残部は、光源へ導かれる。そのため、当該残部の光を蛍光体の励起に利用することができる。その結果、画像の輝度を向上させることができる。
本発明の表示装置では、前記光出射部が発する光の色温度が6500K以上となるように構成されていることが好ましい。
これにより、光分離面で反射した反射光を蛍光体の励起に利用した結果において、励起光と蛍光のバランスをとり良好な色バランスを保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる表示装置の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す表示装置の縦断面図(図1中のA−A線断面図)である。
【図3】図2に示す光変調装置(光変調部および光分離部)の概略構成を示す断面図ある。
【図4】図2に示す光源装置(光出射部)の概略構成を示す断面図である。
【図5】図2に示す導光部材(導光部)を説明するための縦断面図である。
【図6】(a)は、図5中のB−B線断面図、(b)は、図5中のC−C線断面図である。
【図7】放射角(指向性)の異なる複数の光を導光部材(導光部)の光変調素子(光変調部)側からそれぞれ入射したときにおける導光部材の√(S/S)と光変調素子側への戻り光量との関係を示すグラフである。
【図8】光源装置(光出射部)単体の出射光および光分離面からの透過光のそれぞれにおける波長と強度との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる表示装置に備えられた光変調装置を説明するための模式的断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる表示装置に備えられた光変調装置の変形例を説明するための模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の表示装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる表示装置の実施形態の概略構成を示す斜視図、図2は、図1に示す表示装置の縦断面図(図1中のA−A線断面図)、図3は、図2に示す光変調装置(光変調部および光分離部)の概略構成を示す断面図、図4は、図2に示す光源装置(光出射部)の概略構成を示す断面図、図5は、図2に示す導光部材(導光部)を説明するための縦断面図、図6は、図5に示す導光部材の横断面図((a)は、図5中のB−B線断面図、(b)は、図5中のC−C線断面図)、図7は、放射角(指向性)の異なる複数の光を導光部材(導光部)の光変調素子(光変調部)側からそれぞれ入射したときにおける導光部材の√(S/S)と光変調素子側への戻り光量との関係を示すグラフ、図8は、光源装置(光出射部)単体の出射光および光分離面からの透過光のそれぞれにおける波長と強度との関係を示すグラフである。なお、図2および図5では、それぞれ、説明の便宜上、寸法等を誇張して示している。また、以下の説明では、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向およびZ方向とする。
【0017】
図1に示す表示装置1は、スクリーンSに像光を投射して画像をするものである。このような表示装置1は、図1および図2に示すように、光変調(空間変調)機能を有する光変調装置2と、この光変調装置2に光を照射する光源装置(光出射部)3と、光源装置3から光変調装置2へ光を導く機能を有する導光部材(導光部)4と、光変調装置2で変調された光(像光)をスクリーンSに投射する投射レンズ5とを有している。
【0018】
以下、表示装置1を構成する各部を順次説明する。
(光変調装置)
光変調装置2は、照射された光Lを2次元的に輝度変調する機能を有する。このような光変調装置2は、図3に示すように、カラーフィルタ(光分離部)21と、このカラーフィルタ21に接合された液晶パネル(光変調部)22と、これらを狭持するように設けられた偏光層23および偏光層(光分離部)24とを有している。
【0019】
カラーフィルタ21は、基板211と、複数の波長選択部212と、基板211と複数の波長選択部212との間に設けられた遮光層213とを有している。
基板211、透明基板であり、例えば、各種ガラス溶融石英等で構成されている。
基板211の図3中下側の面には、遮光層213を介して複数の波長選択部212が接合されている。
複数の波長選択部212は、ストライプ状に配列されている。また、各波長選択部212の長手方向に沿って、複数の画素(サブ画素)が配列されている。なお、複数の波長選択部212は、マトリクス状に配置されていてもよい。
【0020】
本実施形態では、複数の波長選択部212は、入射した光を赤色に変換する複数の波長選択部212Rと、入射した光を緑色に変換する複数の波長選択部212Gと、入射した光を青色に変換する複数の波長選択部212Bとで構成されている。これにより、フルカラー画像を表示することができる。
このように複数の波長選択部212が互いに異なる複数の波長選択部212R、212G、212Bで構成されている場合、すなわち、表示装置1がフルカラー表示可能な構成である場合、液晶パネル22の開口率が極めて小さくなる。そのため、後述するような導光部材4を用いた本発明を適用することによる効果が顕著となる。
【0021】
また、複数の波長選択部212のうちの少なくとも1つが不透過波長帯域(前述したような色変換の対象とする波長帯域以外の波長帯域もしくはその一部)の光を反射する特性を有するのが好ましい。これにより、カラーフィルタ21の波長選択部212を通過しない光を有効利用することができる。この場合、例えば、複数の波長選択部212のうちの少なくとも1つに、色変換の対象とする波長帯域の光を透過し、それ以外の波長帯域の光を反射するよう構成された誘電体多層膜や自己クローニングフォトニック結晶を用いた素子を設ければよい。
遮光層213は、前述した複数の波長選択部212や後述する複数の画素電極(個別電極)223に対応して、複数の透光部214が形成されている。これにより、各透光部214を通じて、これに対応する各波長選択部212に光を入射させることができる。
【0022】
本実施形態では、各透光部214は、透明性を有する樹脂材料、ガラス材料、金属材料等の透明材料が充填されていている。
また、この遮光層213は、後述するスイッチング素子229やその配線にも対応して設けられており、後述するスイッチング素子229およびその配線に対して光が照射されるのを防止する機能を有する。これにより、スイッチング素子229の光リーク等の不具合の発生を防止することができる。
【0023】
特に、この遮光層213は、液晶パネル22の光源31側近傍にて筒状の反射面41の横断面と平行または略平行に設けられ、その基板211側の面が光反射性を有している。これにより、遮光層213は、導光部材4からの光を導光部材4側へ反射し(帰還させ)、遮光層213が形成されていない部分(透光部214)を通じて導光部材4からの光を透過させる。すなわち、遮光層213および透光部214の基板211側の面は、導光部材4からの光を液晶パネル22側へ透過する透過光と導光部材4側へ反射する反射光とに分離する機能を有する光分離面を構成する。
【0024】
このように遮光層213が前述したような光反射性を有することで、遮光層213で遮光される光を後述する導光部材4へ導いて光を有効利用することができる。
このような遮光層213の構成材料としては、遮光層213の基板211側の面が光反射性を有し、かつ、遮光性を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、銀、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属、誘電体多層膜(光学多層膜)等を用いることができる。また、遮光層213は、その全体を金属で構成してもよいし、遮光層213の基板211側の面付近だけを金属や誘電体多層膜で構成してもよい。
【0025】
また、遮光層213は、後述する光源31からの光(励起光)と蛍光体32からの蛍光との少なくとも一方の光を反射するものであればよいが、後述する光源31からの光(励起光)のピーク波長と、蛍光体32からの蛍光のピーク波長との少なくとも一方のピーク波長付近に反射率のピークを有しているのが好ましい。
このようなカラーフィルタ21の光の出射側の面上には、液晶パネル22が設けられている。
【0026】
液晶パネル22は、照射された光の偏光方向の空間的分布を変化させる透過型の光変調素子(光変調部)である。
このような液晶パネル22は、基板221と、基板221とカラーフィルタ21との間に封入された液晶からなる液晶層222と、この液晶層222に電圧を印加するための複数の画素電極223および共通電極224と、液晶層222の液晶を配向させるための1対の配向膜225、226とを有している。
【0027】
基板221は、透明基板であり、例えば、各種ガラス等で構成されている。
液晶層222は、液晶分子(図示せず)を含有しており、画素電極223と共通電極224との間の電圧の印加状態に応じて、かかる液晶分子、すなわち液晶の配向が変化する。
このような液晶層222は、1対の配向膜225、226間にこれらに接するように設けられている。これにより、所定時における液晶層222の液晶を所定の配向状態とすることができる。
【0028】
配向膜225の液晶層222と反対側には、複数の画素電極223が設けられ、また、配向膜226の液晶層222と反対側には、共通電極224が設けられている。
各画素電極223および共通電極224は、それぞれ、透明電極であり、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)等で構成されている。
複数の画素電極223は、前述した複数の波長選択部212に対応して設けられ、マトリクス状に配列されている。
【0029】
また、各画素電極223の近傍には、各画素電極223に対応するように、TFT等のスイッチング素子229が設けられている。このスイッチング素子229により、各画素電極223と共通電極224との間の電圧の印加状態を制御することができる。
また、図示しないが、画素電極223同士の間には、各スイッチング素子229に通電するための配線が設けられている。液晶パネル22は、スイッチング素子229や配線(図示せず)等によって遮光されるが、それ以外の部位は、光を透過し得るように構成され、透光窓部を構成する。
【0030】
偏光層23は、基板221のカラーフィルタ21と反対側の面上に設けられ、また、偏光層24は、基板211の液晶パネル22とは反対側の面上に設けられている。
1対の偏光層23、24は、それぞれ、液晶パネル22の光源31側近傍にて筒状の反射面41の横断面と平行または略平行に設けられ、特定方向の偏光のみを透過させ、当該特定方向と直交する方向の偏光を遮光する機能を有する。
【0031】
特に、偏光層24は、前述した特定方向と直交する方向の偏光を反射するように構成されている。これにより、偏光層24を透過しない光を後述する導光部材4の作用によって有効利用することができる。ここで、偏光層24の基板211とは反対側の面は、導光部材4からの光を液晶パネル22側へ透過する透過光と導光部材4側へ反射する反射光とに分離する機能を有する光分離面を構成する。
【0032】
偏光層24としては、前述したような機能を有するものであれば、特に限定されないが、複数の細線が互いに微小間隔を隔てて構成されたワイヤグリッド偏光分離素子が好適に用いられる。
なお、偏光層24に代えて、他の偏光分離素子(フォトニックラティス偏光素子等)を用いることもできる。また、偏光層24は、基板211とは別の透明基材上にワイヤーグリッド偏光素子または有機偏光素子を形成して構成したものであってもよい。
【0033】
また、偏光層(偏光分離素子)24と光源装置3の間には、偏光の状態を制御する位相差板が設けられているのが好ましい。これにより、偏光層24を透過しない光の位相をずらして導光部材4から戻ってきた際に偏光層24を通過する比率を高めて光を有効利用することができる。
また、光変調装置2はその画像表示領域(図1中のa)が後述するように筒状の反射面41の他端(光源装置3とは反対側の端)の内側領域に包含される(覆われる)ように設けられているが、偏光層24のカラーフィルタ21と反対側(光の入射側)には、画像表示領域の周囲に形成された画像非表示領域(図1中のb)に対応して、図3に示すように、反射部25が設けられている。
【0034】
この反射部(反射膜)25は、そのカラーフィルタ21と反対側の面が光反射性を有している。これにより、反射部25は、導光部材4からの光を導光部材4側へ反射する(帰還させる)。
このような反射部25は、画像非表示領域(すなわち画像の表示に寄与せず光の照射を必要としない領域)へ照射された光を後述する導光部材4へ導いて光を有効利用することができる。
【0035】
また、画像表示領域aのY方向での長さ(Y方向に平行な各辺の長さ)は、特に限定されないが、5〜20mmであるのが好ましい。また、画像表示領域aのZ方向での長さ(Z方向に平行な各辺の長さ)L22は、特に限定されないが、4〜18mmであるのが好ましい。
このような反射部25は、前述した遮光層213と同様に構成することができる。すなわち、反射部25の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、銀、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属、誘電体多層膜(光学多層膜)等を用いることができる。また、反射部25は、その全体を金属で構成してもよいし、反射部25のカラーフィルタ21と反対側の面付近だけを金属や誘電体多層膜で構成してもよい。
【0036】
また、反射部25は、後述する光源31からの光(励起光)と蛍光体32からの蛍光との少なくとも一方の光を反射するものであればよいが、後述する光源31からの光(励起光)のピーク波長と、蛍光体32からの蛍光のピーク波長との少なくとも一方のピーク波長付近に反射率のピークを有しているのが好ましい。
なお、このような反射部25が設けられた領域(すなわち画像非表示領域)では、前述した遮光層213や偏光層24を省略してもよい。また、この反射部25は、省略することができる。この場合、画像非表示領域にも及ぶように遮光層213や偏光層24を設けるのが好ましい。
【0037】
(光源装置)
光源装置(光出射部)3は、図4に示すように、光源31と、この光源31の光の出射側を覆うように設けられた蛍光体32と、光源31を支持する支持台33と、光源31を駆動するための回路基板34と、これらを後述する導光部材4に固定するための台座部材35とを有している。
光源31は、蛍光体32を励起する機能を有するものである。
【0038】
このような光源31は、蛍光体32を励起する光(すなわち励起光)を出射する発光部(先端面)311を有する。本実施形態では、光源31は、蛍光体32を励起する励起光として、青色光、青紫色光、または紫外光を出射するものである。
このような光源31としては、特に限定されないが、LED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオード)等が好適に用いられる。なお、本実施形態では、光源31は、1つであるが、複数設けられていてもよく、その場合、複数の光源は互いに異なる波長の励起光を発するものであってもよく、また、複数の光源のうちの少なくとも一つの光源(その光源の全体または一部)が蛍光体に覆われていないものであってもよく、さらに、複数の光源の蛍光体の種類が互いに異なっていてもよい。
【0039】
このような光源31は、支持台33上に例えばフリップチップ接続等の方法により接合されている。この支持台33は、樹脂材料やセラミック材料等で構成され、回路基板34上に設置されている。また、支持台33には、光源31と回路基板34との電気的導通をとるための配線(図示せず)が設けられている。かかる配線は、ロウ付け等の方法により回路基板34と電気的に接続されている。
【0040】
回路基板34は、電流供給のための配線接続用端子341、342を有し、配線接続用端子341、342に通電することで、回路基板34から支持台33の配線を介して光源31へ電力を供給することができるようになっている。
このような回路基板34は、台座部材35に固定されている。
台座部材35は、略板状をなし、後述する導光部材4の光の入射側の端部に固定・設置される。
【0041】
このような台座部材35は、その光源31側の面が光反射性を有している。これにより、光源31からの直接的な光や、後述するような導光部材4によって液晶パネル22側から帰還した光を液晶パネル22側へ反射することができる。その結果、光の利用効率を高めて、画像の輝度を向上させることができる。
特に、本実施形態では、台座部材35の光源31側の面351は、光源31側へ向け拡開するように傾斜面をなしている。これにより、光源31からの直接的な光を液晶パネル22側へより効率的に反射することができる。
蛍光体32は、前述した光源31からの光(励起光)により励起され、蛍光を発するものである。
【0042】
本実施形態では、蛍光体32は、光源装置3から出射される光が白色光となるような色の蛍光を出射するように構成されている。すなわち、光源装置3は、光源31からの光(励起光)と、光源31からの出射直後の光による励起だけでなく遮光層213から帰還した光(反射光)によって蛍光体32を励起することにより生じた蛍光とが組み合わ(合成)されて液晶パネル22に照射される光が白色光となるように構成されている。より具体的には、蛍光体32としては、光源装置3単体で光を出射したとき、その出射光の色温度が6500K以上となるような色の蛍光を出射するものである。これにより、遮光層213で反射した光を蛍光体32の励起に利用した結果において、励起光と蛍光のバランスをとり良好な色バランスを保つことができる。その結果、前述したようなカラーフィルタ21と組み合わせて容易にフルカラー画像を実現することができる。
【0043】
例えば、光源31として青色光の光源を用いる場合、蛍光体32からの蛍光は、略黄色の波長をピークとし、緑色から赤色までの波長成分を有する。また、光源31として青紫光または紫外光の光源を用いる場合、蛍光体32からの蛍光は、青色から赤色までの広い範囲の波長成分を有する。
このような蛍光体32の構成材料としては、前述したような蛍光を発するものであれば、特に限定されず、各種蛍光材料を用いることができる。
【0044】
より具体的には、緑色に発光する蛍光材料としては、例えば、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられ、赤色に発光する蛍光材料としては、例えば、トリス(1−フェニルイソキノリン) イリジウム(III)、ポリ[2,5−ビス(3、7−ジメチルオクチロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン)フェニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]等が挙げられ、また、青色に発光する蛍光材料としては、例えば、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられ、また、黄色の蛍光材料としては、例えば、ナフタセンにアリール基(好ましくはフェニル基)が任意の位置で任意の数(好ましくは2〜6)置換された化合物、モノインデノペリレン誘導体等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0045】
また、蛍光体32は、各種成膜法や塗布法を用いて、比較的簡単に形成することができる。
また、蛍光体32の厚さとしては、光源31の種類や後述する筒状の反射面41の傾斜角度θ等によっても異なり、前述したような蛍光を発光することができれば、特に限定されないが、10〜300μm程度であるのが好ましい。
また、蛍光体32のY方向およびZ方向での長さは、それぞれ、特に限定されないが、1〜5mmであるのが好ましい。
なお、蛍光体32は、発光部311に対して、接触していても、離れていてもよい。
【0046】
(導光部材)
導光部材(導光部)4は、図1および図2に示すように、筒状の反射面41を備える。この筒状の反射面41の一端側には光源装置3(光源31)、他端側には光変調装置2(液晶パネル22)が設けられている。より具体的には、筒状の反射面41の他端(光源装置3とは反対側の端)は、前述した光変調装置2の画像表示領域(図1中のa)を包含するように光変調装置2に対向している。
このような筒状の反射面41は、光源31からの光を液晶パネル22へ導く機能を有する。すなわち、筒状の反射面41の内側には、光を導く導光空間が形成されている。この導光空間は、光軸OAに対し略対称となるように形成されている。
【0047】
本実施形態では、導光部材4は、その外形が四角柱状をなし、その軸線(光軸OA)に沿って貫通する中空部(内側領域)42が形成されている。そして、導光部材4の内周面は、光反射性を有し、筒状の反射面41を構成している。
また、中空部42は、その横断面(光軸OAに垂直な断面)が正方形をなしている。すなわち、反射面41の横断面が正方形をなしている。
【0048】
ここで、筒状の反射面41の光軸OAは、X方向に平行であり、筒状の反射面41の横断面は、1対の辺がY方向(第1の方向)に平行であり、他の1対の辺がZ方向(第2の方向)に平行である。
なお、反射面41の横断面は、正方形に限定されず、例えば、長方形、円形等であってもよい。また、筒状の反射面41の一端側と他端側とで横断面形状が同じ(相似)であってもよいし、異なっていてもよい。
【0049】
また、筒状の反射面41の内側領域の光源31側の端における横断面のY方向での長さL11とZ方向での長さL12の比L11/L12が、1/4〜4であるのが好ましい。
また、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)側の端における横断面のY方向での長さL21とZ方向での長さL22の比L21/L22が、1/4〜4であるのが好ましい。
【0050】
これにより、光源31から導光部材4を介して偏光層24(光分離面)へ均一に光を導光するとともに、偏光層24で反射した反射光を筒状の反射面41で反射させながら偏光層24に導くことができる。
これに対し、比L11/L12および比L21/L22が前記下限値未満であると、それぞれ、前述した光源31の大きさや形状および画像表示領域aの大きさや形状等によっては、スクリーンSに表示される画像のY軸方向における両端部の輝度が中央部よりも低くなって、当該画像に濃淡ムラが生じる場合がある。一方、比L11/L12および比L21/L22が前記上限値を超えると、それぞれ、前述した光源31の大きさや形状および画像表示領域aの大きさや形状等によっては、スクリーンSに表示される画像のZ軸方向における両端部の輝度が中央部よりも低くなって、当該画像に濃淡ムラが生じる場合がある。
【0051】
また、筒状の反射面41の内側領域の光源31側の端部における横断面(後述する横断面積Sを定める横断面)のY方向での長さ(Y方向に平行な各辺の長さ)L11は、特に限定されないが、1〜10mmであるのが好ましい。また、筒状の反射面41の内側領域の光源31側の端における横断面のZ方向での長さ(Z方向に平行な各辺の長さ)L12は、特に限定されないが、1〜10mmであるのが好ましい。
【0052】
また、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)側の端部における横断面(後述する横断面積Sを定める横断面)のY方向での長さ(Y方向に平行な各辺の長さ)L21は、特に限定されないが、5〜20mmであるのが好ましい。また、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)側の端における横断面のZ方向での長さ(Z方向に平行な各辺の長さ)L22は、特に限定されないが、4〜18mmであるのが好ましい。
【0053】
また、中空部42は、図2および図5に示すように、光変調装置2側から光源装置3側へ向け収斂している。すなわち、筒状の反射面41は、液晶パネル22(光変調部)側から光源装置(光出射部)3側へ向け収斂している。言い換えると、筒状の反射面41は、光源装置3側から液晶パネル22側へ向け拡開している。
また、前述した光源装置3が筒状の反射面41の内側領域の一端を覆うように設けられているとともに、前述した液晶パネル(光変調素子)22が筒状の反射面41の内側領域の他端を覆うように設けられている。そして、筒状の反射面41と光源装置3と液晶パネル22とで囲まれた領域が光源31を内包する閉領域を形成している。これにより、筒状の反射面41の内側領域から外部への光の不本意な漏れを防止し、簡単かつかつ実に、前述した遮光層213(反射部)で反射した光が有効利用されるため高輝度・高品位の画像を表示することができる。
【0054】
このような筒状の反射面41は、その一端部から光源装置3からの光を入射し、他端部に出射させる。その際、筒状の反射面41は、光源装置3からの光のうち光軸OAに対して比較的角度が大きなものを1回以上反射する。また、前述したように筒状の反射面41(導光空間)が光源装置3側から光変調装置2側に向かって拡開しているので、光軸OAに対して比較的大きな角度を成す光が光軸OAに対して比較的小さな角度を成す光に変換される。これにより、光源装置3からの光が光軸OAに対して大きく広がるものであっても、光軸OAに沿った比較的広がりの少ない光を光変調装置2に照射することができる。
特に、筒状の反射面41は、前述した偏光層24(光分離面)や遮光層213(光分離面)で導光部材4側へ反射した光(以下、「光変調装置2で反射した光」とも言う)を透光部214(透光窓部)へ導くように、次のように、導光部材4が構成されている。
すなわち、筒状の反射面41の内側領域の光源31側の端部での横断面積をSとし、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24側または遮光層213側(光分離面側)の端部での横断面積をSとし、光源31からの光が筒状の反射面41で反射して偏光層24または遮光層213へ入射する最大入射角をθ[°]としたとき、
θ×√(S/S)が、110以上となるように、導光部材4が構成されている。
【0055】
より具体的に説明すると、本実施形態では、図6(a)に示すように、筒状の反射面41の内側領域の光源31の先端面を含む横断面積をSとし、図6(b)に示すように、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)に対して近位側の端での横断面積(筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)を含む横断面積)をSとし、図5に示すように、光源31からの光が筒状の反射面41で反射して偏光層24(光分離面)へ入射する最大入射角をθ[°]としたとき、
θ×√(S/S)が、110以上となるように、導光部材4が構成されている。
【0056】
放射角(指向性)の異なる複数の光を導光部材4の出口側(液晶パネル22側)からそれぞれ入射したとき、図7に示すように、導光部材4の√(S/S)が大きくなるほど、液晶パネル22側への戻り光量が増加する傾向を示す。また、導光部材4に入射する光の放射角(指向角)が大きいほど、導光部材4の√(S/S)が小さくなるほど、液晶パネル22側への戻り光量が増加する傾向を示す。
【0057】
本発明者は、鋭意検討の結果、上記のような知見を得、θ×√(S/S)と110以上とすることで、光変調装置2で反射した光のほとんど(具体的には約70%以上)が液晶パネル22側へ導かれることを見出した。
このようにして、表示装置1では、光変調装置2で反射した光のほとんど(具体的には約70%以上)を液晶パネル22側へ導くことができる。その結果、透光部214への光の量(ひいては液晶パネル22を透過する光の量)を増やすことができる。
【0058】
これにより、光変調装置2で反射した光が有効利用されるため、省電力化を図りつつ、高輝度・高品位な画像を表示することができる。
また、光変調装置2で反射した光のうち液晶パネル22側へ導かれる光以外(約30%)の光(残部)は、筒状の反射面41により光源装置3の光源31へ導かれる。
前述したように光源31と蛍光体32とを用いた光源装置3では、上記の残部の光を光源31の近傍に設けられた蛍光体32の励起に有効利用することができる。その結果、画像の輝度を向上させることができる。
【0059】
また、例えば、青色光の光源を光源31として用い、略黄色の波長をピークとし、緑色から赤色までの波長成分を有する蛍光を発する蛍光体を蛍光体32として用いた場合、図8に示すように、偏光層24を透過する光のうちの青色光の強度は、光源装置3単体の出射光のうちの青色光の強度よりも小さくなる。また、偏光層24を透過する光のうちの緑色から赤色までの波長成分の強度は、光源装置3単体の出射光のうちの緑色から赤色までの波長成分の強度よりも大きくなる。これらの結果、青色から赤色までの波長成分の強度のバランスの均一化が図られ、偏光層24を透過する光を良好な白色光とすることができる。
【0060】
なお、横断面積Sに関し、本実施形態では、光源31の先端面が筒状の反射面41の端よりも内側に位置するため、筒状の反射面41の内側領域の光源31の先端面を含む横断面積をSとしたが、光源31の先端面が筒状の反射面41の端よりも外側に位置する場合、筒状の反射面41の内側領域の光源31に対して近位側の端での横断面積をSとする。
【0061】
また、横断面積Sに関し、偏光層24(光分離面)が筒状の反射面41の端よりも外側に位置する場合、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)に対して近位側の端での横断面積をSとし、偏光層24(光分離面)が筒状の反射面41の端よりも内側に位置する場合、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)を含む横断面積をSとする。本実施形態では、偏光層24(光分離面)と筒状の反射面41の端(端面)と一致しているので、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)に対して近位側の端での横断面積と、筒状の反射面41の内側領域の偏光層24(光分離面)を含む横断面積とは同じである。
【0062】
また、横断面積Sおよび横断面積Sを定めるに際し、光分離面が光軸OA方向(X方向)に複数ある場合は、複数の光分離面のうちの任意の1つの分離面を基準としてもよいし、複数の光分離面のうちの特定の1つの分離面を基準としてもよいが、複数の光分離面のうち最も光反射能が高いものを基準とするのが好ましい。本実施形態では、複数の光分離面のうち最も光源31に対し近位の光分離面(偏光層24)を基準としている。これにより、前述したような光の利用効率を高める効果が顕著に得られる。
【0063】
また、最大入射角θとは、光源装置3から出射された光が光導光部材4を介して偏光層24(光分離面)に入射したとき、その入射光の光線のうち最も入射角の大きい光線の入射角である。また、この最大入射角θは、偏光層24(光分離面)で反射する光の放射角(最大放射角度)と等しい。
また、この最大入射角θは、光源装置3の出射光の指向性、筒状の反射面41の光軸OAに対する傾斜角度、筒状の反射面41の光軸OA方向での長さ等によって変化するものである。
【0064】
このような最大入射角θは、例えば、光変調装置2を省略した状態で、光源装置3からの光を導光部材4の筒状の反射面41の内側を導光させ、光分離面に対応する第1の位置と、光分離面に対応する位置から光源装置3とは反対側へ微小距離だけ離間した第2の位置(光分離面近傍)とにおいて、それぞれ、光源装置3から出射される光の光軸OAに垂直な一方向での長さを測定し、その測定された2つの長さの差の半分の長さΔrとし、第1の位置と第2の位置との離間距離をΔxとし、tanθ≒Δr/Δxの関係からθを測定することができる。
【0065】
また、反射面41の軸線(光軸OA)に対する傾斜角度は、筒状の反射面41の軸線方向において一定であっても局所的に異なっていてもよい。
このような反射面41は、前述したような機能を発揮することができるものであれば、特に限定されないが、前述した遮光層(反射部)213と同様、例えば、銀、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属、誘電体多層膜(光学多層膜)等で構成することができる。
【0066】
投射レンズ5は、図示しないレンズ群からなる投射光学系であり、光変調装置2を経た像光を所定の拡大率で拡大する機能を有する。これにより、所望の大きさの画像をスクリーンSに投射・表示することができる。
以上説明したような表示装置1によれば、θ×√(S/S)が110以上であるため、光源31の輝度が比較的低くても、光源装置3から出射した光のうち液晶パネル22を透過する光の量を多くすることができる。そのため、偏光層24(光分離面)で導光部材4側へ反射した光が有効利用して、省電力化を図りつつ、高輝度・高品位な画像を表示することができる。
【0067】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態にかかる表示装置に備えられた光変調装置を説明するための模式的断面図、図10は、本発明の第2実施形態にかかる表示装置に備えられた光変調装置の変形例を説明するための模式的断面図である。
【0068】
本実施形態にかかる表示装置は、光変調装置の構成(主に、光分離面を有する光分離部の配置)が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる表示装置1と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の表示装置に関し、第1実施形態の表示装置との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図9において、図3に示す構成と同様のものについては、同一の符号を付している。
【0069】
本実施形態の表示装置は、前述した第1実施形態の表示装置1において、カラーフィルタ21に代えて、カラーフィルタ21Aを設けるとともに、偏光層24を支持する基板211Aを設けたものである。なお、かかる表示装置は、カラーフィルタ21Aに対して偏光層24とは反対側に、前述した第1実施形態の表示装置1の液晶パネル22(光変調素子)および偏光層23と同様の構成を有する液晶パネル(光変調素子)および偏光層が設けられているが、図9では、その液晶パネルおよび偏光層の図示を省略している。また、図9では、説明の便宜上、カラーフィルタ21Aの各部を模式的に示している。
【0070】
図9に示すように、カラーフィルタ21Aは、複数の波長選択部212(212R、212G、212B)を有し、その複数の波長選択部212で構成された層(以下、「フィルタ層」とも言う)の偏光層24側の面上には、かかるフィルタ層側から偏光層24側へ、光反射性を有する遮光層213、プレフィルタ層214Aがこの順で積層されている。
プレフィルタ層214Aは、各波長選択部212Bに対応する領域を除いて、遮光層213および各波長選択部212R、212Gを覆うように形成されている。これにより、各波長選択部212Bには、偏光層24を通過した光Lがプレフィルタ層214Aに供されずに入射する。
このプレフィルタ層214Aは、波長選択部212R、212Gの双方の不透過波長帯域の光(具体的には青色光LB)を反射し、他の色の光(具体的には緑色光LGおよび赤色光LR)を透過する特性(以下、「フィルタ機能」とも言う)を有する。
【0071】
例えば、プレフィルタ層214Aは、500nm未満の波長の光を反射し、500nm以上の波長の光を透過する特性を有する。これにより、青色光を蛍光体32の励起に寄与させて有効利用するとともに、液晶パネル22からの青色光の出射量を増やして表示特性を向上させることができる。
このようなプレフィルタ層214Aは、例えば、誘電体多層膜(光学多層薄膜)や自己クローニングフォトニック結晶を用いた素子で構成することができる。また、プレフィルタ層214Aを形成するに際しては、例えば、誘電体多層膜を一様に形成し、波長選択部212Bに対応する部分をエッチング等により除去することで、比較的簡単に製造することができる。
【0072】
このような複数の波長選択部212(フィルタ層)、遮光層213およびプレフィルタ層214Aは、前述した第1実施形態の基板211と同様の構成を有する透明基板(図示せず)に支持されている。
ここで、遮光層213およびプレフィルタ層214Aの基板211A側の面は、それぞれ、導光部材4からの光(偏光層24通過後の光)を液晶パネル22側へ透過する透過光と導光部材4側へ反射する反射光とに分離する機能を有する光分離面を構成する。なお、フィルタ層、遮光層213およびプレフィルタ層214Aは、上記透明基板上のほぼ同一面上に設けられたものとみなすことができる。
【0073】
本実施形態では、筒状の反射面41の内側領域の光源31の先端面を含む横断面積をSとし、筒状の反射面41の内側領域の遮光層213およびプレフィルタ層214A(光分離面)に対して近位側の端での横断面積(筒状の反射面41の内側領域の遮光層213およびプレフィルタ層214A(光分離面)を含む横断面積)をSとし、光源31からの光が筒状の反射面41で反射して遮光層213およびプレフィルタ層214A(光分離面)へ入射する最大入射角をθ[°]としたとき、
θ×√(S/S)が、110以上となるように、導光部材4が構成されている。
また、本実施形態では、偏光層24は、複数の波長選択部212、遮光層213およびプレフィルタ層214Aを支持する上記透明基板とは別体の基板211A上に設けられている。
【0074】
基板211Aとしては、前述した第1実施形態の基板211と同様の構成を有する透明基板を用いることができる。
上述したように遮光層213およびプレフィルタ層214Aの面が主たる光分離面を構成するため、このような基板211A上に設けられた偏光層24は、光を吸収する特性を有するものであってもよい。
【0075】
以上説明したように構成された表示装置にあっては、図9に示すように、偏光層24を透過した光L(白色光)のうち、一部はプレフィルタ層214Aに供されることなく通過し、残部はプレフィルタ層214Aに供される(入射する)。
プレフィルタ層214Aに入射した光Lは、その一部(青色光LB)を偏光層24側に反射し、残部(黄色光LY(赤色光および緑色光を含む光))を透過する。
これにより、プレフィルタ層214Aで反射した青色光LBは、光源装置3の蛍光体32の励起に再利用される。また、プレフィルタ層214Aを透過した黄色光LYは、その一部が反射性を有する遮光層213で偏光層24側へ反射し再利用され、残部が各波長選択部212R、212Gに入射し、赤色光LR、緑色光LGに変換される。
【0076】
一方、プレフィルタ層214Aに供されることなく通過した光Lは、各波長選択部212Bに入射し、青色光LBに変換される。このように、光Lをプレフィルタ層214Aに供することなく波長選択部212Bに入射させることで、光Lの損失を抑制し、各波長選択部212Bから出射する青色光LBの輝度を高めることができる。
このような本実施形態の表示装置によっても、前述した第1実施形態の表示装置1と同様の効果を発揮することができる。すなわち、第2実施形態の表示装置は、省電力化を図りつつ、高輝度・高品位な画像を表示することができる。
【0077】
なお、プレフィルタ層214Aの形成領域(形成パターン)は、図9に示すものに限定されず、例えば、図10に示す変形例1〜3のようなものであってもよい。
ここで、図10に基づいて、本実施形態の変形例1〜3について説明する。なお、各変形例は、プレフィルタ層の形成領域および反射・透過特性が異なる以外は、上述した図9に示す構成と同様である。
【0078】
(変形例1)
図10(a)に示すように、変形例1のカラーフィルタ21Bでは、遮光層213に対してフィルタ層(複数の波長選択部212)とは反対側にプレフィルタ層214Bが設けられている。
プレフィルタ層214Bは、各波長選択部212R、212Bに対応する領域を除いて、遮光層213および各波長選択部212Gを覆うように形成されている。これにより、各波長選択部212R、212Bには、偏光層24を通過した光Lがプレフィルタ層214Bに供されずに入射する。
【0079】
このプレフィルタ層214Bは、波長選択部212Gの不透過波長帯域の光(具体的には赤色光LRおよび青色光LB)を反射し、他の色の光(具体的には緑色光LG)を透過する特性を有する。
これにより、青色光を蛍光体32の励起に寄与させて有効利用するとともに、液晶パネル22からの青色光および赤色光の出射量を増やして表示特性を向上させることができる。
【0080】
(変形例2)
図10(b)に示すように、変形例2のカラーフィルタ21Cでは、遮光層213に対してフィルタ層(複数の波長選択部212)とは反対側にプレフィルタ層214Cが設けられている。
プレフィルタ層214Cは、各波長選択部212R、212Gに対応する領域を除いて、遮光層213および各波長選択部212Bを覆うように形成されている。これにより、各波長選択部212R、212Gには、偏光層24を通過した光Lがプレフィルタ層214Cに供されずに入射する。
【0081】
このプレフィルタ層214Cは、波長選択部212Bの不透過波長帯域の光(具体的には赤色光LRおよび緑色光LG)を反射し、他の色の光(具体的には青色光LB)を透過する特性を有する。
これにより、液晶パネル22からの赤色光および緑色光の出射量を増やして表示特性を向上させることができる。
【0082】
(変形例3)
図10(c)に示すように、変形例3のカラーフィルタ21Dでは、遮光層213に対してフィルタ層(複数の波長選択部212)とは反対側にプレフィルタ層214Dが設けられている。
プレフィルタ層214Dは、各波長選択部212G、212Bに対応する領域を除いて、遮光層213および各波長選択部212Rを覆うように形成されている。これにより、各波長選択部212G、212Bには、偏光層24を通過した光Lがプレフィルタ層214Dに供されずに入射する。
【0083】
このプレフィルタ層214Dは、波長選択部212Rの不透過波長帯域の光(具体的には緑色光LGおよび青色光LB)を反射し、他の色の光(具体的には赤色光LR)を透過する特性を有する。
これにより、液晶パネル22からの緑色光および青色光の出射量を増やして表示特性を向上させることができる。
【0084】
以上説明したような各実施形態にかかる表示装置は、プロジェクタ装置や液晶テレビ(モニター)等に適用することができる。すなわち、かかる表示装置は、単独でディスプレイとして用いることができる。また、かかる表示装置は、画像を表示する機能以外の機能を主機能とする様々な電子機器に組み込んで用いることもできる。
以上、本発明の表示装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【0085】
また、本発明は、前述した各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、光源装置が光源および蛍光体を用いたものについて説明したが、本発明では、光源装置の蛍光体を省略することができる。この場合、例えば、単色のLEDやLD等の光源を用いる。さらに、複数の異なる波長を有する単色LED等の組み合わせにより、異なる色光や略白色光となるように構成してもよい。
【0086】
また、前述した実施形態では、フルカラー画像を表示するものについて説明したが、単色や2色等の画像を表示するものについても本発明は適用可能である。例えば、カラーフィルタを単色や2色の波長選択部を有するものとしたり、カラーフィルタを省略したりすることで、単色や2色等の画像を表示することができる。
また、異なる色の複数の表示装置を組み合わせてフルカラー画像を表示させることも可能である。
【0087】
また、前述した実施形態では、中空の導光部材4の内周面が光源装置3から光変調装置2への導光のための反射面41を構成する場合を例に説明したが、導光部材4(導光部)は、透明なガラス材料や樹脂材料で構成された中実な部材で構成されていてもよい。この場合、中実な部材の内部が導光領域となり、その中実な部材の外表面が光源装置3から光変調装置2への導光のための反射面を構成する。
【符号の説明】
【0088】
1…表示装置 2…光変調装置 21、21A、21B、21C、21D…カラーフィルタ(光分離部) 211、211A…基板 212、212R、212G、212B…波長選択部 213…遮光層(反射部) 214…透光部 214A、214B、214C、214D…プレフィルタ層 22…液晶パネル(光変調部) 221…基板 222…液晶層 223…画素電極 224…共通電極 225、226…配向膜 229…スイッチング素子 23…偏光層 24…偏光層(光分離部) 25…反射部 3…光源装置(光出射部) 31…光源 311…発光部 32…蛍光体 33…支持台 34…回路基板 341、342…配線接続用端子 35…台座部材 351…面 4…導光部材 41…筒状の反射面 42…中空部 5…投射レンズ θ…最大入射角 S…スクリーン OA…光軸(軸線) a…画像表示領域 b…画像非表示領域 L…光 LR…赤色光 LG…緑色光 LB…青色光 LY…黄色光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の透光窓部を備える光変調部と、
光を出射する光源を備える光出射部と、
前記光源からの光を前記光変調部へ導く機能を有する筒状の反射面を備える導光部と、
前記光変調部の前記光源側近傍にて前記筒状の反射面の横断面と平行または略平行に設けられ、前記導光部からの光を前記光変調部側へ透過する透過光と前記導光部側へ反射する反射光とに分離する機能を有する光分離面を備える光分離部とを有し、
前記筒状の反射面は、前記反射光を前記透光窓部へ導くように、前記光変調部側から前記光出射部側へ向け収斂しており、
前記筒状の反射面の内側領域の前記光源側の端部での横断面積をSとし、前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面側の端部での横断面積をSとし、前記光源からの光が前記筒状の反射面で反射して前記光分離面へ入射する最大入射角をθ[°]としたとき、
θ×√(S/S)が、110以上であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記横断面積Sは、前記光源の先端面が前記筒状の反射面の端よりも外側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光源に対して近位側の端での横断面積であり、前記光源の先端面が前記筒状の反射面の端よりも内側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光源の先端面を含む横断面積であり、前記横断面積Sは、前記光分離面が前記筒状の反射面の端よりも外側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面に対して近位側の端での横断面積であり、前記光分離面が前記筒状の反射面の端よりも内側に位置する場合、前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面を含む横断面積である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記光出射部が前記筒状の反射面の内側領域の一端を覆うように設けられているとともに、前記光変調部が前記筒状の反射面の内側領域の他端を覆うように設けられ、前記筒状の反射面と前記光出射部と前記光変調部とで囲まれた領域が前記光源を内包する閉領域を形成している請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記筒状の反射面の軸線に垂直な1方向を第1の方向とし、前記筒状の反射面の軸線に垂直でかつ前記第1の方向に直交する方向を第2の方向としたとき、
前記筒状の反射面の内側領域の前記光源側の端部における横断面の前記第1の方向での長さL11と前記第2の方向での長さL12の比L11/L12が、1/4〜4であり、
前記筒状の反射面の内側領域の前記光分離面側の端部における横断面の前記第1の方向での長さL21と前記第2の方向での長さL22の比L21/L22が、1/4〜4である請求項1ないし3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記光変調部の前記光源側近傍には、所定方向の偏光を透過させ、当該所定方向に直交する方向の偏光を反射する偏光分離素子が設けられ、該偏光分離素子が前記光分離面としての機能を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記光変調部の近傍には、複数の波長選択部を有するカラーフィルタが設けられており、その波長選択部の少なくとも1つが不透過波長帯域の光を反射する特性を有し、前記カラーフィルタが前記光分離面としての機能を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の波長選択部は、互いに異なる複数の波長帯域の波長選択部で構成されている請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光変調部に設けられた配線に対応して、前記配線を遮光する遮光層が部分的に設けられており、該遮光層は、光反射性を有し、前記光分離面としての機能を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記遮光層と前記光変調部との間には、所定方向の偏光を透過させ、当該所定方向に直交する方向の偏光を反射する偏光分離素子が設けられている請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記光変調部に照射される光が略白色光となるように構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の表示装置。
【請求項11】
前記光出射部は、前記光源の近傍に設けられた蛍光体を有し、前記光源は、前記蛍光体を励起する励起光を出射するものである請求項1ないし10のいずれかに記載の表示装置。
【請求項12】
前記光出射部が発する光の色温度が6500K以上となるように構成されている請求項10または11に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−266845(P2010−266845A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8808(P2010−8808)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】