説明

表示装置

【課題】製造コストの増加を抑え、且つアプリケーションプロセッサの処理の負担も抑えつつ、2つのディスプレイを用いて1の画像を表示する際にこれらディスプレイでの表示の同期を図ることのできる表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】表示装置は、第1LCDと、第2LCDと、ダブルバッファを構成するメモリ領域を有する記憶部と、第1画像を格納する一時バッファを有し、バッファ切替後の2回のリフレッシュ時には一時バッファに格納されている第1画像を第1LCDへ出力する外部LCDCと、バッファの切り替えが行われる度にフロントバッファに存在する画像の第1画像を一時バッファへ格納する第1出力制御部と、バッファの切り替えが行われる度に出力制御用バッファへ第2画像を格納し、バッファ切替後の2回のリフレッシュ時には出力制御用バッファに存在する第2画像を第2LCDへ出力する第2出力制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2画面表示に関し、特に、連続する画像を、第1画像と第2画像とに分割して、2画面で表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイコントローラは、画像などをディスプレイに表示する際の出力の制御(ディスプレイで表示可能な信号への変換や、画面のリフレッシュの制御)がなされる。このディスプレイコントローラには、バッファ付のものとバッファなしのものとの2種類のコントローラがある。バッファなしディスプレイコントローラを用いると、画面リフレッシュ毎に、画像の出力等の制御を行うソフトウェアが動作するプロセッサに対して表示すべき画像を要求する必要がある。しかしながら、バッファ付のディスプレイコントローラを用いると、自身の制御によりバッファに格納された画像を画面のリフレッシュ毎に出力することができ、ソフトウェアの動作に依存することがないのでプロセッサの負荷を軽減することができる。なお、バッファ付のディスプレイコントローラを用いた画像の出力の構成については、特許文献1に開示されている。
【0003】
また、連続する画像を格納及び表示する技術として、ダブルバッファ構成が通常用いられている。ダブルバッファ構成とは、読み出し対象の領域と書き込み対象の領域とが所定の周期毎に交互に切り替えられる構成をいう。これにより、表示対象の画像が読み出し対象の領域から出力されている間に、次の画像が書き込み対象の領域に書き込まれる。つまり、領域に格納されている画像の出力終了を待つことなく、次の画像を格納することができる。
【0004】
そこで、通常、連続する画像を格納及び表示する際には、バッファ付のディスプレイコントローラと、ダブルバッファ構成からなる記憶領域との組み合わせが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−72949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、携帯電話機のような携帯情報端末においてテレビ映像などのような連続する画像を表示する機能が付加されるようになり、利用者からより大きな画面で画像を見たいと要望がある。
上記の要望に応じるために、携帯情報端末において2つのディスプレイを備えることで、1の画像を分割して、これら2つのディスプレイで表示することが考えられる。1の画像を分割して2つのディスプレイで表示する場合には、表示のタイミングの同期をとる必要がある。
【0007】
そこで、表示のタイミングの同期をとるために、各ディスプレイに対してバッファ付のディスプレイコントローラを設けることが考えられる。しかしながら、バッファ付のディスプレイコントローラは高価なものであるので、各ディスプレイに対してバッファ付のディスプレイコントローラを設けると製造コストが増加し、製造者側の費用面の負担が増大する。
【0008】
逆に、全てのディスプレイに対してバッファなしのディスプレイコントローラを設けることも考えられる。この場合、費用面の負担を抑えることはできるが、各ディスプレイコントローラがプロセッサに対して表示すべき画像を要求するので、プロセッサ上での処理の負担が増大し、その結果、処理が遅くなり、画像の表示に悪影響を与える可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、製造コストの増加を抑え、且つアプリケーションプロセッサの処理の負担も抑えつつ、2つのディスプレイを用いて1の画像を表示する際にこれらディスプレイでの表示の同期を図ることのできる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、連続する画像それぞれを第1画像と第2画像とに分割して2画面で表示する表示装置であって、第1画像を表示し、表示に係るリフレッシュの周期がT0である第1表示手段と、第2画像を表示し、表示に係るリフレッシュのタイミングが前記第1表示手段と同じである第2表示手段と、周期T1=n×T0を満たす周期T1毎に(nは2以上の整数)、画像の書き込み対象と読み出し対象とが交互に切り替えられる2つの画像格納領域を含むメモリと、第1画像を格納する一時格納領域を有し、2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して当該一時格納領域に格納されている第1画像を、当該第1画像の先頭データから順次前記第1表示手段へ出力する表示制御手段と、前記連続する画像毎に、前記周期T1内で当該画像を書き込み対象である画像格納領域へ逐次書き込む書込手段と、2つの画像格納領域に係る切り替えが行われる度に、読み出し対象の画像格納領域に存在する画像の第1画像を読み出して、2×T0が経過するまでの間に前記一時格納領域へ格納する第1出力手段と、前記切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して、前記切り替えのタイミングで前記第1出力手段が出力した第1画像と対をなし、前記メモリに存在する第2画像を、当該第2画像の先頭データから順次前記第2表示手段に出力する第2出力手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この構成によると、表示装置は、第1画像を表示制御手段の一時格納領域へ格納した後、つまり2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過後に当該第1画像を第1表示手段で表示し、第2画像を第2出力手段により前記切り替えからT0経過後に第2表示手段で表示するので、第1画像と第2画像との表示のタイミングが合うようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】携帯情報端末1の外観を示す図である。
【図2】携帯情報端末1の画像を表示する機能についての構成を示す図である。
【図3】画像をフレームバッファ100に書き込む動作を示す流れ図である。
【図4】第1画像を一時バッファ130へ格納する動作を示すフローチャートである。
【図5】第1画像を第1LCD14へ表示する動作を示すフローチャートである。
【図6】第2画像を第2LCD15へ表示する動作を示すフローチャートである。
【図7】携帯情報端末1において画像を表示するタイミングの具体例を示すタイミングチャートである。
【図8】携帯情報端末1aの画像を表示する機能についての構成を示す図である。
【図9】画像をフレームバッファ100aに書き込む動作を示す流れ図である。
【図10】第2画像を第2LCD15aへ表示する動作を示すフローチャートである。
【図11】携帯情報端末1aにおいて画像を表示するタイミングの具体例を示すタイミングチャートである。
【図12】外部LCDC13の代わりに内蔵LCDC13bを用いた場合の携帯情報端末1の画像を表示する機能についての構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1の実施の形態
本発明に係る第1の実施の形態としての携帯情報端末1について説明する。
1.1 概要
携帯情報端末1は、例えば、携帯電話機であり、その外観について図1を参照しつつ説明する。
【0014】
携帯情報端末1は、図1(a)〜(c)に示すように、第1筐体2、第2筐体3、及び第1筐体2と第2筐体3とを連結する連結機構4、4’を備えており、第1筐体2と第2筐体3とが相対的に移動可能な端末である。 第1筐体2には液晶表示パネルと入力用タッチパネルとを含む第1LCD(Liquid Crystal Display)14、スピーカ7及びマイクロホン8が備えられている。
【0015】
第2筐体3には、第2LCD15が備えられている。なお、第2LCD15は、第1LCD14と同様に、液晶表示パネルと入力用タッチパネルとを備えている。
連結機構4、4’は、図1(c)に示すように、第1筐体2及び第2筐体3の両側それぞれに備えられている。連結機構4は、図1(c)に示すように、第1筐体2の側面と第2筐体3の側面とを互いに連結するための連結駒5とピン30、31を有している。また、連結機構4’は、第1筐体2の側面と第2筐体3の側面とを互いに連結するための連結駒5’とピン30’、31’を有している。なお、ピン30’、31’は図示していない。ピン30、30’が第1筐体2に枢支されるとともに、ピン31、31’が第2筐体3にスライド可能に係合している。
【0016】
また、第2筐体3の連結機構4が備えられる側面には、図1(a)、(b)に示すように、ピン31がスライド可能となるようガイド溝6が設けられている。なお、第2筐体3の連結機構4’が備えられる側面においても、同様に、ピン31’がスライド可能となるようガイド溝6’(図示せず)が設けられている。
この連結機構4、4’により、図1(a)に示す第2筐体3に第1筐体2を重ね合わせた閉状態から、ピン31、31’がガイド溝6、6’に沿ってスライドすることにより、第1筐体2が第2筐体3の表面に沿って移動し、その後、ピン30、30’それぞれがピン31、31’それぞれを中心として回転することにより、第1筐体2の表面と第2筐体3の表面とが同一平面上に揃う開状態となるとともに、第1LCD14、第2LCD15とが並ぶ。
【0017】
携帯情報端末1は、図1(c)に示すように、開状態で画像を表示する際には、第1LCD14及び第2LCD15を用いて、1の画像を2つに分割して2画面で表示する。ここで、画像の分割とは、当該画像を上下に、又は左右に分割することをいう。なお、本実施の形態では、表示すべき画像を上下に分割して表示するものとし、画像を分割した際に上に位置する画像を第1画像と、下に位置する画像を第2画像と呼ぶ。
【0018】
1.2 構成
ここでは、携帯情報端末1における2画面表示機能についての構成について説明する。
携帯情報端末1の2画面表示機能は、図2に示すように、SDRAM(Synchronous Random Access Memory)である記憶部10、プロセッサを含む制御部11、外部LCDC(Liquid Crystal Display Controller)12、外部LCDC13、第1LCD14、第2LCD15及び画像格納部16から構成されている。
【0019】
なお、携帯情報端末1は、図2においては2画面機能に係る構成要素だけを示しているが、その他キー操作部、タッチパネルに係る構成要素及び通信機能に係る構成要素など、携帯電話機としての機能を実現する構成要素を備えている。
(1)第1LCD14及び第2LCD15
第1LCD14は、画面更新(リフレッシュ)の周期がT0であり、外部LCDC12の制御により、表示すべき画像のうちの第1画像を表示するためのものである。
【0020】
また、第2LCD15は、画面更新(リフレッシュ)の周期がT0であり、外部LCDC13の制御により、表示すべき画像のうちの第2画像を表示するためのものである。
(2)記憶部10、画像格納部16
(2−1)記憶部10
記憶部10には、制御部11による表示すべき画像の出力を制御するプログラムが格納されている。
【0021】
また、記憶部10には、第1LCD14及び第2LCD15で表示すべき画像が制御部11の制御により格納されるための領域が含まれている。具体的には、記憶部10には、図2に示すように、フレームバッファ100と、出力制御用バッファ101とを構成するメモリ領域が含まれている。
(フレームバッファ100)
フレームバッファ100は、第1バッファ102と第2バッファ103とからなるダブルバッファとして構成されている。ここで、読み出し対象のバッファと書き込み対象のバッファとは、制御部11の制御により周期T1毎に切り替えられるものとする。なお、周期T1は、T1=n×T0を満たすものとする(ここで、nは2とする。)。例えば、ある周期T1において第1バッファ102が読み出し対象であり、第2バッファ103が書き込み対象である場合には、次の周期T1では第1バッファ102が書き込み対象となり、第2バッファ103が読み出し対象となる。なお、以降において、読み出し対象のバッファをフロントバッファ、書き込み対象のバッファをバックバッファと呼ぶ。
【0022】
また、第1バッファ102は第3バッファ104と第4バッファ105とから、第2バッファ103は第5バッファ106と第6バッファ107とから構成されており、第3バッファ104と第5バッファ106には第1LCDで表示すべき第1画像が、第4バッファ105と第6バッファ107には第1LCDで表示すべき第2画像が、制御部11の制御によりそれぞれ格納される。
【0023】
(出力制御用バッファ101)
出力制御用バッファ101は、フロントバッファから読み出された第2画像を、一時的に格納するためのメモリ領域である。
(2−2)画像格納部16
画像格納部16には、制御部11の制御によりフレームバッファ100に格納されるべき連続する画像が格納されている。
【0024】
(3)外部LCDC12及び外部LCDC13
(3−1)外部LCDC12
外部LCDC12は、第1LCD14で表示すべき第1画像を第1LCD14へ出力するものである。
外部LCDC12は、図2に示すように、第1LCD14で表示すべき第1画像を格納するための一時バッファ130を備えている。
【0025】
外部LCDC12は、第1LCD14のリフレッシュに対応、つまり第1LCD14の画面更新が開始されると、第1LCD14で表示すべき第1画像を一時バッファ130から読み出して第1LCD14へ出力する。なお、第1画像の第1LCD14への出力は、リフレッシュが開始されてからT0が経過するまでに完了するものとする。
また、外部LCDC12は、VSYNC(垂直同期)信号、HSYNC(水平同期)信号及びDCLK(Dot Clock)信号を生成し、第1LCD14へ出力する。なお、VSYNC信号はリフレッシュの周期T0毎に、生成される。具体的には、外部LCDC12は、VSYNC信号の周期T0を繰り返し計時、つまり0から1/60秒を繰り返し計時するタイマを有している。当該タイマが0となった時点で、VSYNC信号が生成される。ここで、VSYNC信号、HSYNC信号及びDCLK信号それぞれの生成については、公知であるためここでの説明は省略する。第1LCD14では、VSYNC信号を受け取ることにより、リフレッシュが開始される。つまり、外部LCDC12がVSYNC信号を第1LCD14へ出力したタイミングで、第1画像の第1LCD14への出力が開始される。
【0026】
また、外部LCDC12は、生成したVSYNC信号を、外部LCDC13及び制御部11へ出力する。
(3−2)外部LCDC13
外部LCDC13は、第2LCD15で表示すべき第2画像を第2LCD15へ出力するものである。
【0027】
外部LCDC13は、第2LCD15のリフレッシュに対応して、第2LCD14で表示すべき第2画像を要求し、一時バッファ130に格納された第1画像に対応する第2画像を第2LCD15へ出力する。
また、外部LCDC13は、外部LCDC12と同様に、VSYNC信号、HSYNC信号及びDCLK信号を生成し、第2LCD15へ出力する。外部LCDC12と同様に、外部LCDC13がVSYNC信号を第2LCD15へ出力したタイミングで、第2画像の第1LCD14への出力が開始される。具体的には、外部LCDC13は、外部LCDC12と同様に、VSYNC信号の周期T0を繰り返し計時するタイマを有している。当該タイマが0となった時点で、VSYNC信号が生成される。
【0028】
さらに、外部LCDC13は、外部LCDC12からVSYNC信号を受け取り、互いのVSYNC信号生成のタイミングの同期、つまりは互いの有するタイマの同期をとる。これにより、互いのリフレッシュタイミングの同期をとることができる。
(4)制御部11
制御部11は、記憶部10に記憶されているプログラムを動作させ、画像の書き込み等の処理を行うプロセッサを含むものであり、携帯情報端末1の全体の動作を制御する。
【0029】
以下、2画面表示に係る機能について説明する。
制御部11は、図2に示すように、書込部110、出力制御部111、DMA(Direct Memory Access)転送部112及びMDDI(Mobile Display Digital Interface)113、114、切替制御部115から構成されている。ここで、書込部110、出力制御部111、及び切替制御部115がプロセッサに含まれる構成要素である。
【0030】
(4−1)切替制御部115
切替制御部115は、周期T1毎に、フレームバッファ100に係るバッファ切り替え、つまり第1バッファ102と第2バッファ103に対してフロントバッファとバックバッファとの切り替えを行う。
具体的には、切替制御部115は、フロントバッファを示すアドレス及びバックバッファを示すアドレスそれぞれをポインタにより管理している。また、切替制御部115は、1からn(本実施の形態では、n=2)まで、VSYNC信号を受信する毎に繰り返しカウントするカウンタを有している。なお、このカウンタの初期値は1である。切替制御部115は、外部LCDC12からVSYNC信号を受け取ると、カウンタの値を1加算する。切替制御部115は、カウンタの値が1に戻った時点で、ポインタの切り替え、つまりフロントバッファを示すアドレスとバックバッファを示すアドレスとを切り替える。これにより、フロントバッファとバックバッファとが切り替えられる。例えば、ある時点でバッファ切り替えがおこなれた後においてフロントバッファを示すポインタが第1バッファ102の先頭アドレスであり、バックバッファを示すポインタが第2バッファ103の先頭アドレスである場合には、次のバッファ切り替えの時点ではフロントバッファを示すポインタは第2バッファ103の先頭アドレスを、前記バックバッファを示すポインタは第1バッファ102の先頭アドレスとなる。
【0031】
また、切替制御部115は、バッファの切り替えを行うと、切替が行われた旨の通知(以下、切替通知という。)を出力制御部111及び書込部110へ通知する。
(4−2)書込部110
書込部110は、切替制御部115の制御によるバッファの切り替えが行われる度に、つまり切替制御部115から切替通知を受け取る毎に画像格納部16に格納された連続する画像を、1枚(1フレーム)ずつ読み出して、周期T1内にバックバッファへ書き込む。
【0032】
(4−3)出力制御部111
出力制御部111は、表示すべき画像を外部LCDC12、13へ出力する制御を行うものであり、図2に示すように、第1出力制御部120と第2出力制御部121とを含んでいる。
(第1出力制御部120)
第1出力制御部120は、表示すべき画像のうち第1LCD14に表示される第1画像の出力に係る制御を行うものである。
【0033】
第1出力制御部120は、切替制御部115の制御によるバッファの切り替えが行われたか否かを検知する。具体的には、第1出力制御部120は、切替制御部115からの切替通知を受け取ったか否かを判断する。
第1出力制御部120は、切替制御部115の制御によるバッファの切り替えが行われたと判断する場合、外部LCDC12が表示すべき第1画像の第1LCD14への出力を開始するまで待機する。
【0034】
第1出力制御部120は、外部LCDC12が第1画像の第1LCD14への出力を開始した後、DMA転送部112に対して、フロントバッファに格納されている第1画像を一時バッファ130へ格納する旨の指示(以下、第1指示という。)を通知する。ここで、第1指示には、読み出し位置を示すアドレスと、書き込み位置を示すアドレスとを含んでいる。読み出し位置のアドレスとは、第1画像を格納しているフロントバッファ内のバッファ(第3バッファ104若しくは第5バッファ106)の先頭アドレスであり、書き込み位置のアドレスとは、一時バッファ130の先頭アドレスである。なお、第1出力制御部120は、第1画像の一時バッファ130への格納をバッファの切り替えから2×T0経過するまでの間に終了する。
【0035】
(第2出力制御部121)
第2出力制御部121は、表示すべき画像のうち第2LCD15に表示される第2画像の出力に係る制御を行うものである。
第2出力制御部121は、切替制御部115の制御によるバッファの切り替えが行われたか否かを検知する。具体的には、第2出力制御部121は、切替制御部115からの切替通知を受け取ったか否かを判断する。
【0036】
第2出力制御部121は、切替制御部115の制御によるバッファの切り替えが行われ他と判断する場合、DMA転送部112に対して、フロントバッファに格納されている第2画像を出力制御用バッファ101へ格納する旨の指示(以下、第2指示という。)を通知する。ここで、第2指示には、読み出し位置を示すアドレスと、書き込み位置を示すアドレスとを含んでいる。読み出し位置のアドレスとは、第2画像を格納しているフロントバッファ内のバッファ(第3バッファ104若しくは第5バッファ106)の先頭アドレスであり、書き込み位置のアドレスとは、出力制御用バッファ101の先頭アドレスである。
【0037】
また、出力制御部120は、第2LCD15のリフレッシュに対応して、外部LCDC13から第2画像の要求を受け付けると、DMA転送部112に対して、出力制御用バッファ101に格納している第2画像を外部LCDC13を介して第2LCD15へ出力する旨の指示(以下、第3指示という。)を通知する。ここで、第3指示には、読み出し位置を示すアドレスを含んでいる。読み出し位置のアドレスとは、出力制御用バッファ101の先頭アドレスである。
【0038】
なお、バッファの切り替えと、リフレッシュのタイミングが同一である場合には、出力制御部120は、DMA転送部112に対して第3指示を通知した後、第2指示の通知を行う。
(4−4)DMA転送部112
DMA転送部112は、表示すべき画像の入出力に係る機能を行うものである。
【0039】
DMA転送部112は、第1出力制御部120から第1指示を受け取ると、第1指示に基づいて、フロントバッファに格納されている第1画像を、一時バッファ130へ転送する。具体的には、DMA転送部112は、第1指示に含まれる読み出し位置から第1画像を構成する画像データを順次読み出し、読み出した画像データを第1指示に含まれる書き込み位置を起点として順次書き込む。なお、第1画像の一時バッファ130への格納は、バッファ切り替えが行われてからT0が経過するまでに開始され、2×T0が経過するまでに完了するものとする。
【0040】
DMA転送部112は、第2出力制御部121から第2指示を受け取ると、第2指示に基づいて、フロントバッファに格納されている第2画像を読み出して、出力制御用バッファ101へ格納する。具体的には、DMA転送部112は、第2指示に含まれる読み出し位置から、第2画像を構成する画像データを順次読み出す。そして、DMA転送部112は、読み出した画像データを、第2指示に含まれる書き込み位置を起点として順次書き込む。なお、第2画像の出力制御用バッファ101への格納は、バッファ切り替えが行われてからT0が経過するまでに開始され、2×T0が経過するまでに完了するものとする。
【0041】
DMA転送部112は、第2出力制御部121から第3指示を受け取ると、第3指示に基づいて、出力制御用バッファ101に格納されている第2画像を読み出して、外部LCDC13を介して第2LCD15へ出力する。具体的には、DMA転送部112は、第3指示に含まれる読み出し位置から、第2画像を構成する画像データを順次読み出す。そして、DMA転送部112は、読み出した画像データを、外部LCDC13を介して第2LCD15へ出力する。なお、第2画像の第2LCD15への出力は、リフレッシュが開始されてからT0が経過するまでに完了するものとする。
【0042】
(4−5)MDDI113、114
モバイルデバイス用のディスプレイを接続するための高速シリアルインタフェースである。DMA転送部112から読み出された第1画像及び第2画像それぞれは、MDDI113及び114を介して、外部LCDC12及び13へ出力される。
1.3 動作
ここでは、携帯情報端末1の2画面表示機能についての動作について説明する。
【0043】
(1)画像書込処理
ここでは、画像をフレームバッファ100に書き込む処理について、図3に示す流れ図を用いて説明する。
切替制御部115は、フロントバッファとバックバッファとの切替時期が到来したか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、切替制御部115は、カウンタの値が1に戻ったか否かを判断する。
【0044】
到来したと判断する場合には(ステップS5における「Yes」)、切替制御部115は、フロントバッファとバックバッファの切り替えを行う(ステップS10)。
書込部110は、切替制御部115の制御によるバッファ切り替えが行われると、画像格納部16に格納されている画像を読み出して、周期T1内にバックバッファへ書き込む(ステップS15)。
【0045】
ステップS15の実行後、及び切替時期が到来していないと判断する場合(ステップS5における「No」)、処理はステップS5へと戻り、次のバッファ切り替えの到来を待つ。
(2)第1画像の格納処理
ここでは、第1画像を一時バッファ130に格納する処理について、図4に示す流れ図を用いて説明する。
【0046】
第1出力制御部120は、バッファの切替時期が到来したか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、第1出力制御部120は、切替制御部115の制御によるバッファの切り替えが行われたか否かを判断する。
バッファの切替時期が到来したと判断する場合(ステップS100における「Yes」)、第1出力制御部120は、外部LCDC12が表示すべき第1画像の第1LCD14への出力を開始するまで待機する(ステップS105)。
【0047】
第1出力制御部120は、外部LCDC12が第1画像の第1LCD14への出力を開始した後、DMA転送部112に対して、第1指示を通知する。DMA転送部112は、第1指示を受け取ると、受け取った第1指示に基づいて、フロントバッファに存在する第1画像の一時バッファ130への格納を開始する(ステップS110)。なお、第1画像の一時バッファ130への格納は、バッファ切り替えが行われてからT0が経過するまでに開始され、2×T0が経過するまでに完了するものとする。
【0048】
バッファの切り替えが行われていないと判断する場合(ステップS100における「No」)、及びステップS105の実行後、処理はステップS100へと戻り、次のバッファ切り替えの到来を待つ。
(3)第1画像の表示処理
ここでは、第1画像を第1LCD14に表示する際の表示処理について、図5に示す流れ図を用いて説明する。
【0049】
外部LCDC12は、自身が有するタイマの計時よりリフレッシュの時期が到来したか否かを判断する(ステップS150)。具体的には、外部LCDC12は、自身が有するタイマが0となったか否かを判断する。
リフレッシュの時期が到来したと判断する場合(ステップS150における「Yes」)、外部LCDC12は、一時バッファ130に格納されている第1画像の第1LCD14への出力を開始する(ステップS155)。なお、第1画像の第1LCD14への出力は、リフレッシュが開始されてからT0が経過するまでに完了するものとする。
【0050】
リフレッシュの時期が到来していないと判断する場合(ステップS150における「No」)、及びステップS155の実行後、処理はステップS150へと戻り、次のリフレッシュ時期の到来を待つ。
(4)第2画像の表示処理
ここでは、第2画像を第2LCD15に表示する際の表示処理について、図6に示す流れ図を用いて説明する。
【0051】
第2出力制御部121は、自身が有するタイマの計時よりリフレッシュの時期が到来したか否かを判断する(ステップS200)。具体的には、外部LCDC13は、自身が有するタイマが0となったか否かを判断する。
リフレッシュの時期が到来したと判断する場合(ステップS200における「Yes」)、第2出力制御部121は、第3指示をDMA転送部112へ通知する。DMA転送部112は、第2出力制御部121から第3指示を受け取ると、第3指示に基づいて、出力制御用バッファ101に格納されている第2画像の外部LCDC13を介して第2LCD15への出力を開始する(ステップS205)。なお、第2画像の第2LCD15への出力は、リフレッシュが開始されてからT0が経過するまでに完了するものとする。
【0052】
第2出力制御部121は、バッファの切替時期が到来したか否かを判断する(ステップS210)。具体的には、第2出力制御部121は、切替制御部115の制御によるバッファの切り替えが行われたか否かを判断する。
バッファの切替時期が到来したと判断する場合(ステップS210における「Yes」)、第2出力制御部121は、第2指示をDMA転送部112へ通知する。DMA転送部112は、第2出力制御部121から第2指示を受け取ると、フロントバッファに格納されている第2画像の出力制御用バッファ101への格納を開始する(ステップS215)。なお、第2画像の出力制御用バッファ101への格納は、バッファ切り替えが行われてからT0が経過するまでに開始され、2×T0が経過するまでに完了するものとする。
【0053】
ステップS200でリフレッシュの時期でないと判断する場合(ステップS200における「No」)、及びステップS210でバッファの切替時期でないと判断する場合(ステップS210における「No」)、処理はステップS200へ戻る。
1.4 2画面表示の具体例
ここでは、携帯情報端末1での2画面表示について具体例を用いて説明する。
【0054】
以下の具体例では、リフレッシュ周期T0を1/60秒(sec)とし、バッファの切替周期T1を1/30秒とする。
また、処理開始時(0/30sec)では、第1バッファ102、つまり第3バッファ104及び第4バッファ105をバックバッファとし、第2バッファ103、つまり第5バッファ106及び第6バッファ107をフロントバッファとする。また、図中において、符号B10〜B13は、ある時点での表示に係る第3バッファ104、第5バッファ105、一時バッファ130及び第1LCD14からなる表示対象群を示し、符号B20〜B23は、ある時点での表示に係る第4バッファ105、第6バッファ106、出力制御用バッファ101及び第2LCD15からなる表示対象群を示す。
【0055】
処理開始(0/30sec)から1/30secが経過するまで、以下の処理を行う。先ず、外部LCDC12は、一時バッファ130の内容に基づいた、第1LCD14への出力処理を次のリフレッシュ(1/60sec)までの間行う(ステップS290)。また、同時期において、外部LCDC13は、制御部11に第2画像を要求し、制御部11は、第2出力制御部121及びDMA転送部112の機能により、出力制御用バッファ101の内容に基づいた、第2LCD15への出力処理を次のリフレッシュ(1/60sec)までの間行う(ステップS291)。次に、ステップS290の実行が開始された後、制御部11は、第1出力制御部120及びDMA転送部112の機能により、フロントバッファである第5バッファ106の内容の一時バッファ130への出力処理を、次のバッファ切り替え(2/30sec)までの間行う(ステップS292)。1/60sec時点においては、リフレッシュが開始され、外部LCDC12はステップS290と同様に、一時バッファ130の内容に基づいた、第1LCD14への出力処理を次のリフレッシュ(1/30sec)までの間行う(ステップS293)。また、同時期において、携帯情報端末1は、ステップS291と同様に、外部LCDC13、第2出力制御部121及びDMA転送部112の機能により、第2LCD15への出力処理を次のリフレッシュ(1/30sec)までの間行う(ステップS294)。その後、書込部110は、バックバッファである第3バッファ104へ書き込み対象の第1画像を書き込む(ステップS300)。その後、書込部110は、第4バッファ105へ書き込み対象の第1画像と対をなす第2画像を書き込む(ステップS301)。ここで、表示対象群B10は、ステップS300による第1画像が書き込まれる直前の内容を示している。第3バッファ104、第5バッファ106及び一時バッファ130には表示すべき第1画像が格納されておらず、且つ第1LCD14においては何も表示されていない状態である。また、表示対象群B20は、ステップS301による第2画像が書き込まれる直前の内容を示している。第4バッファ105、第6バッファ107及び出力制御用バッファ101には表示すべき第2画像が格納されておらず、且つ第2LCD15においては何も表示されていない状態である。
【0056】
1/30secの時点で、バッファ切り替えが行われ、フロントバッファとバックバッファとが入れ替わる。なお、このとき、第1LCD14及び第2LCD15それぞれにおいて画面のリフレッシュも行われる。そして、外部LCDC12は、ステップS292の処理により一時バッファ130に格納されている内容の出力を開始し、次のリフレッシュ(3/60sec)までにその出力処理を完了する(ステップS310)。また、同時期において、外部LCDC13は、制御部11に第2画像を要求し、制御部11は、第2出力制御部121及びDMA転送部112の機能により、出力制御用バッファ101に格納されている内容の第2LCD15への出力を開始し、次のリフレッシュ(3/60sec)までにその出力処理を完了する(ステップS311)。なお、上述したようにステップS292の処理では一時バッファ130へは何も書き込まれていないので、ステップS310では第1LCD14には何も表示されてない。また、上述したように出力制御用バッファ101には表示すべき画像のデータは格納されていないので、ステップS311においても同様に、第2LCD15には何も表示されていない。
【0057】
ステップS310の実行が開始された後、制御部11は、第1出力制御部120及びDMA転送部112の機能により、現時点でフロントバッファに存在し、ステップS300で第3バッファ104に格納された第1画像の一時バッファ130への出力を開始し、1/30secから2×T0(=2×1/60)secが経過するまで、つまり次のバッファ切り替え(2/30sec)までにその出力処理を完了する(ステップS320)。また、第2出力制御部121及びDMA転送部112は、現時点でのフロントバッファに存在し、ステップS301で第4バッファ105に格納された第2画像の出力制御用バッファ101への出力を、1/30secからT0secが経過するまでに開始し、1/30secから2×T0(=2×1/60)secが経過するまでにその出力処理を完了する(ステップS321)。
【0058】
3/60secの時点で、第1LCD14及び第2LCD15それぞれにおいて画面のリフレッシュが行われる。表示対象群B11及びB21は、このときの内容を示している。第3バッファ104には、ステップS300で書き込まれた第1画像が格納されている。第5バッファ106には、現時点では次の画像に含まれる第1画像の書き込みが行われていないので、表示すべき画像は格納されていない。一時バッファ130には、ステップS320による処理が実行中であるので、ステップS300で第3バッファ104(現時点でのフロントバッファ)に格納された第1画像が先頭アドレスから一部の画像が格納されている。第1LCD14においては、ステップS310で出力された画像が表示されるはずであるが、上述したようにステップS310の実行時には一時バッファ130には表示すべき第1画像はないので、何も表示されていない状態である。また、表示対象群B21は、表示対象群B11と同様の内容となる。
【0059】
3/60secの時点での各画面のリフレッシュ開始後、外部LCDC12は、ステップS320で一時バッファ130に格納された第1画像(ステップS300で第3バッファ104に書き込まれた第1画像)の第1LCD14への出力を開始し、次のリフレッシュ(2/30sec)までにその出力処理を完了する(ステップS330)。また、外部LCDC13は、制御部11に第2画像を要求し、制御部11は、第2出力制御部121及びDMA転送部112の機能により、ステップS321で出力制御用バッファ101に格納された第2画像(ステップS301で第4バッファ105に書き込まれた第2画像)の第2LCD15への出力を開始し、次のリフレッシュ(2/30sec)までにその出力処理を完了する(ステップS331)。3/60〜2/30secまでにおいて、一時バッファ130には、ステップS320の実行によりフロントバッファである第3バッファ104に存在する第1画像が格納されるので、第1LCD14の表示内容は、フロントバッファである第3バッファ104に格納されている第1画像と同じものが表示される。また、同期間において、出力制御用バッファ101には、ステップS321の実行により第4バッファ105に存在する第2画像が格納されるので、第2LCD15の表示内容は、第4バッファ105に格納されている第2画像と同じものが表示される。つまり、3/60〜2/30secまでにおいては、表示すべき第1画像と、それと対をなす第2画像とが表示されることとなり、これら画像の表示タイミングがずれることはない。
【0060】
また、書込部110は、1/30sec時点におけるバッファ切り替えから次のバッファ切り替えが行われるまでに(2/30sec経過するまでに)、次の画像に含まれる第1画像及び第2画像それぞれを、現時点のバックバッファである第5バッファ106及び第6バッファ107へ書き込む(ステップS340、S341)。
その後、2/30sec時点、及び3/30sec時点などのように1/30sec間隔で、バッファ切り替えとリフレッシュとが行われ、そして2/30sec時点、5/60sec及び3/30時点などのように1/60sec間隔でリフレッシュが行われる。
【0061】
例えば、携帯情報端末1は、ステップS320で一時バッファ130に格納された第1画像、及びステップS321で出力制御用バッファ101に格納された第2画像それぞれを、次のリフレッシュまでに出力し終える(ステップS350、S351)。そして、携帯情報端末1は、ステップS350により一時バッファ130に格納されている第1画像を出力し始めた後、ステップS340で第5バッファ106(現時点でのフロントバッファ)に格納された第1画像を次のバッファ切り替えまでに一時バッファ130へ出力し終え(ステップS360)、ステップS341で第6バッファ107(現時点でのフロントバッファ)に格納された第2画像を次のバッファ切り替えまでに出力制御用バッファ101へ出力し終える(ステップS361)。
【0062】
また、5/60secで画面のリフレッシュが行われると、携帯情報端末1は、ステップS360で一時バッファ130に格納されている第1画像を、ステップS361で出力制御用バッファ101に格納されている第2画像を、それぞれ第1LCD14及び第2LCD15へ次のリフレッシュまでに出力し終える(ステップS370、S371)。また、携帯情報端末1は、書込部110の機能により、ステップS340、S341で書き込まれた画像の次の画像に含まれる第1画像及び第2画像それぞれを、その時点でのバックバッファ(第3バッファ104及び第4バッファ105)へ書き込む(ステップS380、S381)。
【0063】
また、3/30sec以降においても同様に、ステップS390、S391においては、ステップS360及びS361で一時バッファ130及び出力制御用バッファ101それぞれに格納された第1画像及び第2画像が、第1LCD14及び第2LCD15へ出力される。そして、ステップS400、S401においては、ステップS380、S381で第3バッファ104及び第5バッファ106に格納された第1画像及び第2画像が、それぞれ一時バッファ130及び出力制御用バッファ101へ出力される。ステップS410、S411においては、ステップS400及びS401で一時バッファ130及び出力制御用バッファ101それぞれに格納されている第1画像及び第2画像が、第1LCD14及び第2LCD15へ出力される。さらには、ステップS420、S421においては、ステップS380、S381で書き込まれた画像の次の画像に含まれる第1画像及び第2画像それぞれが、その時点でのバックバッファ(第5バッファ106及び第6バッファ107)へ書き込まれる。
【0064】
上述したように、本実施の形態の携帯情報端末1は、第1LCD14及び第2LCD15のリフレッシュ周期において、表示すべき第1画像及び第2画像のそれぞれを一時バッファ130及び出力制御用バッファ101それぞれから読み出している。図7に示すように、あるリフレッシュ周期において、一時バッファ130及び出力制御用バッファ101それぞれに格納されている第1画像と、第2画像とは対をなしており、これら画像を表示タイミングがずれることはない。
【0065】
従って、本実施の形態における携帯情報端末1は、第1画像を外部LCDC12の一時バッファ130へ格納した後、つまりバッファの切り替えからT0経過後に第1LCD14へ出力され、第2画像は前記切り替えからT0経過後に第2LCD15へ出力されるので、第1画像と第2画像との表示のタイミングの同期がとれるという効果を有している。
2.第2の実施の形態
本発明に係る第2の実施の形態としての携帯情報端末1aについて、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0066】
2.1 概要
2画面表示を行う際に、第1の実施の形態に示す携帯情報端末1では出力制御用バッファ101を用いて第1画像と第2画像との表示のタイミングの同期をとったが、本実施の形態における携帯情報端末1aでは、出力制御用バッファ101を用いることなく第1画像と第2画像との表示のタイミングの同期とり、表示する。
【0067】
以下、携帯情報端末1aの構成について説明する。
2.2 構成
携帯情報端末1aの2画面表示機能は、図8に示すように、SDRAMである記憶部10a、プロセッサを含む制御部11a、外部LCDC12a、13a、第1LCD14a及び第2LCD15aから構成されている。
【0068】
なお、携帯情報端末1aは、図2においては2画面機能に係る構成要素だけを示しているが、その他キー操作部及び通信機能に係る構成要素など、携帯電話機としての機能を実現する構成要素を備えている。
(1)第1LCD14a及び第2LCD15a
第1LCD14a及び第2LCD15aそれぞれは、第1の実施の形態に示す第1LCD14及び第2LCD15と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0069】
(2)記憶部10a
記憶部10aには、制御部11aによる表示すべき画像の出力を制御するプログラムが格納されている。
また、記憶部10aには、第1LCD14a及び第2LCD15aで表示すべき画像が制御部11aの制御により格納されるための領域が含まれている。具体的には、記憶部10には、図8に示すように、フレームバッファ100aを構成するメモリ領域が含まれている。なお、フレームバッファ100aは、第1の実施の形態に示すフレームバッファ100と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0070】
(3)外部LCDC12a及び外部LCDC13a
外部LCDC12a及び13aのそれぞれは、第1の実施の形態に示す外部LCDC12及び13と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(4)制御部11a
制御部11aは、プロセッサを含むものであり、携帯情報端末1aの全体の動作を制御する。
【0071】
以下、2画面表示に係る機能について説明する。
制御部11aは、図8に示すように、書込部110a、出力制御部111a、DMA転送部112a及びMDDI113a、114a、切替制御部115aから構成されている。ここで、書込部110a、出力制御部111a、及び切替制御部115aがプロセッサに含まれる構成要素である。
【0072】
(4−1)切替制御部115a
切替制御部115aは、第1の実施の形態に示す切替制御部115と同様に、周期T1毎に、フレームバッファ100に係るバッファ切り替え、つまり第1バッファ102と第2バッファ103に対してフロントバッファとバックバッファとの切り替えを行う。
具体的には、切替制御部115aは、第1の実施の形態と同様に、フロントバッファを示すアドレス及びバックバッファを示すアドレスそれぞれをポインタにより管理している。また、切替制御部115aは、1からn(本実施の形態では。n=2)まで、VSYNC信号を受信する毎に繰り返しカウントするカウンタを有している。なお、このカウンタの初期値は1である。切替制御部115aは、外部LCDC12aからVSYNC信号を受け取ると、カウンタの値を1加算する。切替制御部115aは、カウンタの値が1に戻った時点で、ポインタの切り替え、つまりフロントバッファを示すアドレスとバックバッファを示すアドレスとを切り替える。これにより、フロントバッファとバックバッファとが切り替えられる。
【0073】
また、切替制御部115aは、バッファの切替が行われると、バックバッファの書き込みを禁止する旨の通知(以下、書込禁止通知という。)を書込部110aへ通知する。その後、次のVSYNC信号を受け取る、つまりカウンタの値が2となると、バックバッファの書き込みを許可する旨の通知(以下、書込許可通知という。)を書込部110aへ通知する。
【0074】
(4−2)書込部110a
書込部110aは、切替制御部115aから書込禁止通知を受け取ると、バックバッファへ書き込みの動作を抑止する。
書込部110aは、切替制御部115aから書込許可通知を受け取ると、画像格納部16aに格納された画像を読み出して、次のバッファ切り替えまでの間にバックバッファへ書き込む。
【0075】
(4−3)出力制御部111a
出力制御部111aは、表示すべき画像を外部LCDC12a、13aへ出力する制御を行うものであり、図8に示すように、第1出力制御部120aと第2出力制御部121aとを含んでいる。
(第1出力制御部120a)
第1出力制御部120aは、第1の実施の形態に示す第1出力制御部120と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0076】
(第2出力制御部121a)
第2出力制御部121aは、表示すべき画像のうち第2LCD15aに表示される第2画像の出力に係る制御を行うものである。
第2出力制御部121aは、周期T1内におけるリフレッシュ回数を、リフレッシュが開始される度に繰り返しカウントするためのリフレッシュカウンタを有している。なお、リフレッシュカウンタの初期値は0である。なお、本実施の形態においては、周期T1内におけるリフレッシュ回数は2回であるが、ここでの説明は、リフレッシュ回数はn回(nは固定の整数)であるとして説明する。
【0077】
第2出力制御部121aは、切替制御部115aの制御によるバッファの切り替えが行われたか否かを検知する。具体的には、第2出力制御部121aは、切替制御部115aからの切替通知を受け取ったか否かを判断する。
第2出力制御部121aは、切替制御部115aの制御によるバッファの切り替えが行わたと判断する場合、第2LCD15aへ出力すべき第2画像を読み出すためのバッファを、バックバッファに含まれる該当するバッファとする。具体的には、第2出力制御部121aは、読み出し対象となるバッファの先頭アドレスを示すアドレス情報を管理している。第2出力制御部121aは、切替制御部115aの制御によるバッファの切り替えが行われると、バックバッファに含まれる該当するバッファの先頭アドレスをアドレス情報として管理する。例えば、バックバッファが第1バッファ102aである場合には、読み出し対象のバッファは第4バッファ105aの先頭アドレスがアドレス情報となる。
【0078】
第2出力制御部121aは、第2LCD15のリフレッシュに対応して、外部LCDC13から第2画像の要求を受け付けると、リフレッシュカウンタの値が0であるか否かを判断する。
リフレッシュカウンタの値が0であると判断する場合には、第2出力制御部121aは、バッファの切り替え時点で設定されたアドレス情報が示す先頭アドレス、つまりはバックバッファに含まれる該当するバッファの先頭アドレスを含む出力指示をDMA転送部112aへ通知する。
【0079】
リフレッシュカウンタの値が0でないと判断する場合には、さらに、第2出力制御部121aは、リフレッシュカウンタの値が1であるか否かを判断する。
リフレッシュカウンタの値が1であると判断する場合には、第2出力制御部121aは、フロントバッファに含まれる該当するバッファの先頭アドレスをアドレス情報として管理し、当該アドレス情報で示される先頭アドレス、つまりフロントバッファに含まれる該当するバッファの先頭アドレスを含む出力指示をDMA転送部112aへ通知する。
【0080】
リフレッシュカウンタの値が1でないと判断する場合、つまりはリフレッシュカウンタの値が2以上である場合には、第2出力制御部121aは、リフレッシュカウンタの値が1である場合の際に設定されたアドレス情報に基づいた出力指示をDMA転送部112aへ通知する。
第2出力制御部121aは、出力指示をDMA転送部112aへ通知した後、リフレッシュカウンタの値に1加算し、加算結果の値がnでない場合には次のリフレッシュ時期を待ち、nである場合には次のバッファ切り替えの時期を待つ。
【0081】
(4−4)DMA転送部112a
DMA転送部112aは、表示すべき画像の入出力に係る機能を行うものである。
DMA転送部112aは、第1出力制御部120aから第1指示を受け取ると、第1指示に基づいて、フロントバッファに格納されている第1画像を、一時バッファ130aへ転送する。具体的には、DMA転送部112aは、第1指示に含まれる読み出し位置から第1画像を構成する画像データを順次読み出し、読み出した画像データを第1指示に含まれる書き込み位置を起点として順次書き込む。なお、第1画像の一時バッファ130aへの格納は、バッファ切り替えが行われてからT0が経過するまでに開始され、2×T0が経過するまでに完了するものとする。
【0082】
DMA転送部112aは、第2出力制御部121aから出力指示を受け取ると、出力指示に含まれる先頭アドレス、つまり読み出し対象の先頭アドレスから始まる第2画像を読み出して、外部LCDC13aを介して第2LCD15aへ出力する。具体的には、DMA転送部112aは、出力指示に含まれる先頭アドレスから、第2画像を構成する画像データを順次読み出す。そして、DMA転送部112aは、読み出した画像データを、外部LCDC13aを介して第2LCD15aへ出力する。なお、第2画像の第2LCD15aへの出力は、リフレッシュが開始されてからT0が経過するまでに完了するものとする。
【0083】
(4−5)MDDI113a、114a
MDDI113a及び114aのそれぞれは、第1の実施の形態に示すMDDI113及び114のそれぞれと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.3 動作
ここでは、携帯情報端末1aの2画面表示機能についての動作について説明する。
【0084】
(1)画像書込処理
ここでは、画像をフレームバッファ100aに書き込む処理について、図9に示す流れ図を用いて説明する。
切替制御部115aは、フロントバッファとバックバッファとの切替時期が到来したか否かを判断する(ステップS500)。具体的には、切替制御部115aは、カウンタの値が1に戻ったか否かを判断する。
【0085】
到来したと判断する場合には(ステップS500における「Yes」)、切替制御部115aは、フロントバッファとバックバッファの切り替えを行う(ステップS505)。このとき、切替制御部115aが有するカウンタの値は1となっている。
切替制御部115aは、書込禁止通知を書込部110aへ通知し、バッファの切替後から次のVSYNC信号を受け取るまでの間、つまり、カウンタの値が2となるまでの間、書込部110aはバックバッファの書き込みを抑止する(ステップS510、S515)。切替制御部115aは、次のVSYNC信号を受け取る、つまりカウンタの値が2となると、書込許可通知を書込部110aへ通知する(ステップS520)。
【0086】
書込部110aは、切替制御部115aの制御によるバッファ切り替えが行われ、且つ書込許可通知を切替制御部115aから受け取ると、フレームバッファ100aへの格納対象である画像を画像格納部16aから読み出して、周期T1内にバックバッファへ書き込む(ステップS525)。
ステップS525の実行後、及び切替時期が到来していないと判断する場合(ステップS500における「No」)、処理はステップS500へと戻り、次のバッファ切り替えの到来を待つ。
【0087】
(2)第1画像の格納処理及び第1画像の表示処理
携帯情報端末1aが行う第1画像の格納処理及び第1画像の表示処理のそれぞれについては、第1の実施の形態に示す第1画像の格納処理及び第1画像の表示処理それぞれと同様の動作の流れであるので、ここでの説明は省略する。
(3)第2LCDへの出力制御処理
ここでは、第2画像を第2LCD15aに表示する際の表示処理について、図10に示す流れ図を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、周期T1内におけるリフレッシュ回数は2回であるが、ここでの説明は、リフレッシュ回数はn回(nは固定の整数)であるとして説明する。
【0088】
第2出力制御部121aは、リフレッシュカウンタiの値を0とする(ステップS600)。
第2出力制御部121aは、バッファ切替時期が到来したか否かを判断する(ステップS605)。具体的には、第2出力制御部121aは、切替制御部115aでバッファ切替が行われたか否かを判断する。具体的には、第2出力制御部121aは、切替制御部115aから切替通知を受け取ったか否かを判断する。
【0089】
バッファ切替時期が到来したと判断する場合(ステップS605における「Yes」)、第2出力制御部121aは、第2LCD15aへ出力すべき第2画像を読み出すための読み出し対象バッファを、バックバッファに含まれる該当するバッファとする(ステップS610)。
第2出力制御部121aは、リフレッシュの時期が到来したか否かを判断する(ステップS615)。具体的には、第2出力制御部121aは、外部LCDC13aから第2画像の要求があったか否かを判断する。
【0090】
リフレッシュの時期が到来したと判断する場合には、第2出力制御部121aは、リフレッシュカウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS620)。
リフレッシュカウンタの値が0であると判断する場合には(ステップS620における「Yes」)、第2出力制御部121aは、読み出し対象であるバックバッファに含まれる該当するバッファの先頭アドレスを含む出力指示をDMA転送部112aへ通知する。DMA転送部112aは、第2出力制御部121aから出力指示を受け取ると、受け取った出力指示に基づいて、読み出し対象のバッファ(バックバッファ)に格納されている第2画像の外部LCDC13aを介して第2LCD15aへの出力を開始する(ステップS625)。なお、第2画像の第2LCD15aへの出力は、リフレッシュが開始されてからT0が経過するまでに完了するものとする。
【0091】
第2出力制御部121aは、リフレッシュカウンタの値に1を加算し(ステップS645)、その結果、リフレッシュカウンタの値がnであるか否かを判断する(ステップS650)。リフレッシュカウンタの値がnであると判断する場合には(ステップS650における「Yes」)、処理はステップS600へ戻り、リフレッシュカウンタの値がnでないと判断する場合には(ステップS650における「No」)、処理はステップS615へ戻る。
【0092】
リフレッシュカウンタの値が0でないと判断する場合には(ステップS620における「No」)、第2出力制御部121aは、リフレッシュカウンタの値が1であるか否かを判断する(ステップS630)。
リフレッシュカウンタの値が1であると判断する場合には(ステップS630における「Yes」)、第2出力制御部121aは、第2LCD15aへ出力すべき第2画像を読み出すための読み出し対象バッファを、フロントバッファに含まれる該当するバッファとする(ステップS635)。
【0093】
リフレッシュカウンタの値が1でないと判断する場合には(ステップS630における「No」)、及びステップS635が実行された後、第2出力制御部121aは、読み出し対象であるフロントバッファに含まれる該当するバッファの先頭アドレスを含む出力指示をDMA転送部112aへ通知する。DMA転送部112aは、第2出力制御部121aから出力指示を受け取ると、受け取った出力指示に基づいて、読み出し対象のバッファ(フロントバッファ)に格納されている第2画像の外部LCDC13aを介して第2LCD15aへの出力を開始する(ステップS640)。その後、処理はステップS645以降の処理を行う。なお、第2画像の第2LCD15aへの出力は、リフレッシュが開始されてからT0が経過するまでに完了するものとする。
【0094】
2.4 2画面表示の具体例
ここでは、携帯情報端末1aでの2画面表示について具体例を用いて説明する。
以下の具体例では、リフレッシュ周期T0を1/60secとし、バッファの切替周期T1を1/30secとする。つまり、上記の関係式T1=n×T0において、n=2とする。
【0095】
また、処理開始時(0/30sec)では、第3バッファ104a及び第4バッファ105aをバックバッファとし、第5バッファ106a及び第6バッファ107aをフロントバッファとする。また、処理開始時点では、第2画像を読み出すための読み出し対象バッファをバックバッファである第4バッファ104aとする。ここで、図中において、符号B30〜B36は、ある時点での表示に係る第3バッファ104a、第5バッファ105a、一時バッファ130a及び第1LCD14aからなる表示対象群を示し、符号B40〜B46は、ある時点での表示に係る第4バッファ105a、第6バッファ106a及び第2LCD15aからなる表示対象群を示す。
【0096】
処理開始(0/30sec)から1/60secが経過するまで、以下の処理を行う。先ずバックバッファ(この時点では、第3バッファ104a及び第4バッファ105a)への書き込みが禁止される(t1)。外部LCDC12aは、一時バッファ130aの内容に基づいた、第1LCD14aへの出力処理を次のリフレッシュ(1/60sec)までの間行う(ステップS690)。また、同時期において、外部LCDC13aは、制御部11aに第2画像を要求し、制御部11aは、第2出力制御部121a及びDMA転送部112aの機能により、バックバッファ(ここでは、第4バッファ105a)の内容に基づいた、第2LCD15aへの出力処理を次のリフレッシュ(1/60sec)までの間行う(ステップS691)。次に、ステップS690の実行が開始された後、制御部11aは、第1出力制御部120a及びDMA転送部112aの機能により、フロントバッファである第5バッファ106aの内容の一時バッファ130aへの出力処理を、次のバッファ切り替え(2/30sec)までの間行う(ステップS692)。1/60sec時点においては、リフレッシュが開始され、さらには第2画像を読み出すための読み出し対象バッファがフロントバッファである第6バッファ107aへと変更される。そして外部LCDC12はステップS690と同様に、一時バッファ130aの内容に基づいた、第1LCD14aへの出力処理を次のリフレッシュ(1/30sec)までの間行う(ステップS693)。また、同時期において、携帯情報端末1は、ステップS691と同様に、外部LCDC13a、第2出力制御部121a及びDMA転送部112aの機能により、第2LCD15aへの出力処理を次のリフレッシュ(1/30sec)までの間行う(ステップS694)。その後、処理開始(0/30sec)からT0経過後、バックバッファへの書き込みが許可されると、書込部110aは、バックバッファである第3バッファ104aへ書き込み対象である第1画像を書き込む(ステップS700)。その後、書込部110aは、第4バッファ105aへ前記第1画像と対をなす第2画像を書き込む(ステップS701)。ここで、表示対象群B30は、ステップS700により第1画像が書き込まれる直前の各要素の内容を示している。第3バッファ104a、第5バッファ106a及び一時バッファ130aには表示すべき第1画像が格納されておらず、且つ第1LCD14aにおいては何も表示されていない状態である。また、表示対象群B40は、ステップS701による第2画像が書き込まれる直前の各要素の内容を示している。第4バッファ105a及び第6バッファ107aには表示すべき第2画像が格納されておらず、且つ第2LCD15aにおいては何も表示されていない状態である。
【0097】
1/30secの時点で、バッファ切り替えが行われ、フロントバッファとバックバッファとが入れ替わる。なお、このとき、第1LCD14a及び第2LCD15aそれぞれにおいて画面のリフレッシュも行われる。また、1/30から3/60secまでの間は、バックバッファへの書き込みが禁止され(t2)、第2画像の読み出し対象はバックバッファ(第6バッファ107a)となる。
【0098】
外部LCDC12aは、ステップS692の処理により一時バッファ130aに格納された内容の出力を開始し、次のリフレッシュ(3/60sec)までにその出力処理を完了する(ステップS710)。また、外部LCDC13aは、制御部11aに第2画像を要求し、制御部11aは、第2出力制御部121a及びDMA転送部112aの機能により、第6バッファ107aに格納されている内容の第2LCD15aへの出力を開始し、次のリフレッシュ(3/60sec)までにその出力処理を完了する(ステップS711)。なお、上述したようにステップS692の処理では一時バッファ130aへは何も書き込まれていないので、ステップS710では第1LCD14aには何も表示されてない。また、上述したように読み出し対象のバッファ(第6バッファ107a)には表示すべき画像のデータは格納されていないので、ステップS711においても同様に、第2LCD15aには何も表示されていない。
【0099】
ステップS710の実行が開始された後において、制御部11aは、第1出力制御部120a及びDMA転送部112aの機能により、この時点でフロントバッファに存在し、ステップS700で第3バッファ104aに格納された第1画像の一時バッファ130aへの出力を開始し、1/30secから2×T0(=2×1/60)secが経過するまで、つまり次のバッファ切り替え(2/30sec)までにその出力処理を完了する(ステップS720)。
【0100】
ここで、表示対象群B31、B41は、1/30sec時点でのバッファ切替が行われた直後の各要素の内容を示すものである。第3バッファ104aにはステップS700により、表示すべき第1画像が格納されている。第5バッファ106a及び一時バッファ130aには表示すべき第1画像が格納されていないので、第1LCD14aにおいては、何も表示されていない状態である。また、第4バッファ105aにはステップS701により、表示すべき第2画像が格納されている。当該バッファ切替直前まで第2画像の読み出し対象であった第6バッファ107aには表示すべき第2画像が格納されていないので、第2LCD15aにおいては、何も表示されていない状態である。
【0101】
3/60secの時点で、第1LCD14a及び第2LCD15aそれぞれにおいて画面のリフレッシュが行われる。また、バックバッファ(第6バッファ107a)への書き込みが許可され、且つ第2画像の読み出し対象がバックバッファ(第6バッファ107a)からフロントバッファ(第4バッファ105a)へ変更される。ここで、表示対象群B32及びB42は、バッファ切替時点での内容を示している。第3バッファ104aには、ステップS700で書き込まれた第1画像が格納されている。第5バッファ106aには、現時点では次の画像に含まれる第1画像の書き込みが行われていないので、表示すべき画像は格納されていない。一時バッファ130aには、ステップS720による処理が実行中であるので、現時点でのフロントバッファの第3バッファ104aに格納されている第1画像の先頭アドレスからの一部の画像が格納されている。第1LCD14aにおいては、ステップS710で出力された画像が表示されるはずであるが、ステップS710の実行には一時バッファ130aには表示すべき第1画像がなかったので、何も表示されていない状態である。また、表示対象群B42は、第4バッファ105aには、第3バッファ104aに格納されている第1画像と対をなす第2画像が格納され、第6バッファ107aには何も格納されていない状態であり、第2LCD15aでは何も表示されていない状態である。
【0102】
3/60secでのリフレッシュ開始後、外部LCDC12aは、ステップS720の処理により一時バッファ130aに格納されている第1画像の第1LCD14aへの出力を開始し、次のリフレッシュ契機(2/30sec)までにその出力処理を完了する(ステップS730)。また、外部LCDC13aは、制御部11aに第2画像を要求し、制御部11aは、第2出力制御部121a及びDMA転送部112aの機能により、ステップS701で第4バッファ105aに格納された第2画像の第2LCD15aへの出力を開始し、次のリフレッシュ契機(2/30sec)までにその出力処理を完了する(ステップS731)。このとき、ステップS720の実行により一時バッファ130aにはその時点でフロントバッファである第3バッファ104aに存在する第1画像が格納されるので、3/60及び2/30secでのリフレッシュでは、第1LCD14aに対しては第3バッファ104aに格納されている第1画像が出力される。また、ステップS731の実行により第4バッファ105aに存在する第2画像が出力されるので、第2LCD15aでは第1LCD14aに表示される第1画像と対をなす第2画像が表示される。つまり、3/60〜2/30secまでにおいては、表示すべき第1画像と、それと対をなす第2画像とが出力されることとなり、次のリフレッシュ契機直前までは、表示すべき第1画像と、それと対をなす第2画像とからなる画像が表示される。つまり、表示すべき画像を構成する第1画像と第2画像との表示タイミングがずれることはない。
【0103】
また、書込部110aは、1/30sec時点におけるバッファ切り替えから次のバッファ切り替えが行われるまでの間のうち、書き込みが許可された期間(3/60から2/30sec)において、ステップS700、S701で書き込まれた画像の次の画像に含まれる第1画像及び第2画像それぞれを、現時点のバックバッファである第5バッファ106a及び第6バッファ107aへ書き込む(ステップS740、S741)。
【0104】
2/30secの時点で、バッファ切り替え、及び画面のリフレッシュが行われる。また、2/30から5/60secまでの間は、バックバッファへの書き込みが禁止され(t3)、第2画像の読み出し対象はバックバッファ(第4バッファ105a)となる。
外部LCDC12aは、ステップS720で一時バッファ130aに格納された第1画像の出力を開始し、次のリフレッシュ(5/60sec)までにその出力処理を完了する(ステップS750)。また、外部LCDC13aは、制御部11aに第2画像を要求する。制御部11aは、第2出力制御部121a及びDMA転送部112aの機能により、ステップS701で第4バッファ105aに格納された第2画像の第2LCD15aへの出力を開始し、次のリフレッシュ(5/60sec)までにその出力処理を完了する(ステップS751)。
【0105】
ステップS750の実行が開始された後、制御部11aは、ステップS740で第3バッファ104a(この時点でのフロントバッファ)に格納された第1画像の一時バッファ130aへの出力を開始し、2/30secから2×T0secが経過するまで、つまり次のバッファ切り替え(3/30sec)までにその出力処理を完了する(ステップS760)。
【0106】
ここで、表示対象群B33、B43は、2/30sec時点でのバッファ切替が行われた直後の各要素の内容を示すものである。第3バッファ104aにはステップS700の実行により出力された第1画像が格納されている。第5バッファ106aには、ステップS740の実行により出力された第1画像が格納されている。また、一時バッファ130aには第3バッファ104aに格納されている第1画像と同様の画像が格納されているので、ステップS730により第1LCD14aでは、第3バッファ104aに格納されている第1画像と同様の画像が表示されている。さらに、第4バッファ105aにはステップS701の実行により出力された第2画像が格納されている。第6バッファ107aにはステップS741の実行により出力された第2画像が格納されている。第2LCD15aにおいては、ステップS731の実行によりフロントバッファである第4バッファ105aに格納されている第2画像が表示されている。
【0107】
さらに、表示対象群B34、B44は、5/60sec時点での画面リフレッシュが行われた直後の各要素の内容を示すものである。第3バッファ104aにはステップS700の実行により出力された第1画像が格納されている。第5バッファ106aには、ステップS740の実行により出力された第1画像が格納されている。また、一時バッファ130aには、ステップS750による処理が実行中であるので、現時点でのフロントバッファの第5バッファ106aに格納されている第1画像の先頭アドレスからの一部の画像と、ステップS720の実行により格納された前回の第1画像のうち未だ更新されていない一部の画像とが格納されている。さらには、ステップS750により第1LCD14aでは、第3バッファ104aに格納されている第1画像と同様の画像が表示されている。さらに、第4バッファ105aにはステップS701の実行により出力された第2画像が格納されている。第6バッファ107aにはステップS741の実行により出力された第2画像が格納されている。第2LCD15aにおいては、ステップS751の実行によりバックバッファである第4バッファ105aに格納されている第2画像が表示されている。
【0108】
その後、2/30sec時点、及び3/30sec時点などのように1/30sec間隔で、バッファ切り替えとリフレッシュとが行われ、そして2/30sec時点、5/60sec及び3/30時点などのように1/60sec間隔でリフレッシュが行われる。
例えば、携帯情報端末1aは、ステップS720で一時バッファ130aに格納された第1画像、及びステップS701で第4バッファ105aに格納された第2画像それぞれを、次のリフレッシュまでに出力し終える(ステップS750、S751)。そして、携帯情報端末1aは、ステップS750による処理を開始した後、ステップS740で第5バッファ106a(現在のフロントバッファ)に格納された第1画像を次のバッファの切り替えまでに一時バッファ130aに出力し終える(ステップS760)。また、5/60secで画面のリフレッシュが行われると、携帯情報端末1aは、ステップS760で一時バッファ130aに格納されている第1画像を、ステップS741で第6バッファ107に格納された第2画像を、それぞれ第1LCD14a及び第2LCD15aへ次のリフレッシュまでに出力し終える(ステップS770、S771)。また、携帯情報端末1aは、書込部110aの機能により、ステップS740、S741で書き込まれた次の画像に含まれる第1画像及び第2画像それぞれを、その時点のバックバッファ(第3バッファ104a及び第4バッファ105a)へ書き込む(ステップS780、S781)。
【0109】
また、3/30sec以降においても同様に、ステップS790、S791においては、ステップS360で一時バッファ130aに格納された第1画像、及びステップS741で第6バッファ107aに格納された第2画像が、第1LCD14a及び第2LCD15aへ出力される。そして、ステップS800においては、ステップS780で第3バッファ104に格納された第1画像が一時バッファ130aへ出力される。ステップS810、S811においては、ステップS800で一時バッファ130に格納されている第1画像、及びステップS781で第4バッファ105aに格納された第2画像が、第1LCD14a及び第2LCD15aへ出力される。さらには、ステップS820、S821においては、ステップS780、S781で書き込まれた画像の次の画像に含まれる第1画像及び第2画像それぞれが、その時点でのバックバッファ(第5バッファ106a及び第6バッファ107a)へ書き込まれる。
【0110】
上述したように、本実施の形態の携帯情報端末1aは、第1LCD14a及び第2LCD15aのリフレッシュ周期において、表示すべき第1画像を一時バッファ130aから読み出し、表示すべき第2画像を、当該第2画像を格納しているフレームバッファから読み出している。図11に示すように、あるリフレッシュ周期において、一時バッファ130aから読み出す第1画像と、読み出し対象であるバッファから出力される第2画像とは対をなしており、これら画像を表示タイミングがずれることはない。
【0111】
従って、本実施の形態における携帯情報端末1aは、第1画像を外部LCDC12aの一時バッファ130aへ格納した後、つまりバッファの切り替えからT0経過後に第1LCD14aへ出力され、第2画像は前記切り替えからT0経過後に第2LCD15aへ出力されるので、第1画像と第2画像との表示のタイミングの同期がとれるという効果を有している。
【0112】
3.変形例
以上、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1の実施の形態において、携帯情報端末1は、2つの外部LCDC12、13を用いる構成としたが、これに限定されない。
【0113】
携帯情報端末1において、一時バッファを有しない外部LCDC13の代わりに、図12に示すように内蔵LCDC13bを制御部11の内部に設ける構成としてもよい。内蔵LCDC13bの機能は、外部LCDC13と同様の機能であるので、ここでの説明は省略する。また、この場合、MDDI114の代わりにRGB(Red−Green−Blue color model)端子114bが用いられる。RGB114bは、ディスプレイを接続するための汎用的なインタフェースである。なお、RGB114bは、公知なものであるのでここでの具体的な説明は省略する。
【0114】
また、第2の実施の形態においても、同様に、携帯情報端末1aは、外部LCDC13aの代わりに、内蔵LCDCを制御部11の内部に設けてもよい。この場合の内蔵LCDCの機能は、外部LCDC13aと同様の機能であるので、ここでの説明は省略する。また、この場合も上記と同様に、MDDI114aの代わりにRGBが用いられる。
(2)上記第1及び第2の実施の形態において、周期T1は、条件式“T1=n×T0”においてn=2としたが、これに限定されない。
【0115】
nは2以上の固定的な整数であればよい。
例えば、第1の実施の形態においては、バッファの切り替えが行われると一時バッファ130への書き込み及び出力制御用バッファ101への書き込みが開始される。そして、当該バッファの切り替えからT0経過以後のn回のリフレッシュにおいては、外部LCDC12は一時バッファ130に格納されている第1画像を、先頭データから順次出力する。第2出力制御部121は、出力制御用バッファ101に格納されている第2画像を、外部LCDC13を介して先頭データから順次出力する。
【0116】
また、第2の実施の形態のおいては、バッファの切り替えが行われると一時バッファ130aへの書き込みが開始される。そして、当該バッファの切り替えからT0経過以後のn−1回のリフレッシュにおいては、外部LCDC12aは一時バッファ130aに格納されている第1画像を、先頭データから順次出力する。また、第2出力制御部121aは、フロントバッファに格納されている第2画像を、外部LCDC13aを介して先頭データから順次出力する。その後のリフレッシュ時、つまり次のバッファの切り替え時においては、外部LCDC12aは一時バッファ130aに格納されている第1画像を、先頭データから順次出力する。また、第2出力制御部121aは、バックバッファ(この時点では書き込みが禁止されている。)に格納されている第2画像を、外部LCDC13aを介して先頭データから順次出力する。
【0117】
(3)上記第1の実施の形態における条件式において、n=1としてもよい。この場合、画面のリフレッシュ毎にバッファの切替が行われる。そこで、携帯情報端末1は、周期T1内において、バックバッファへの画像の書き込み、一時バッファ130から第1LCD14への第1画像の出力、出力制御用バッファ101から第2LCD15への第2画像の出力、一時バッファ130への次の第1画像の出力、及び出力制御用バッファ101への次の第2画像の出力を行えばよい。
【0118】
また、第2の実施の形態においても、同様に、n=1としてもよい。この場合、携帯情報端末1aは、周期T1内においてバックバッファへの書き込み禁止期間と許可期間とを設け、書き込み禁止期間において、一時バッファ130aから第1LCD14aへの第1画像の出力と、バックバッファから第2LCD15aへの第2画像の出力とを行い、書き込み許可期間においてバックバッファへの画像の書き込みを行えばよい。また、書き込み禁止期間と許可期間に関わらず周期T1内において一時バッファ130aから第1LCD14aへの第1画像の出力後、一時バッファ130への次の第1画像の出力を行えばよい。
【0119】
(4)上記第1及び第2の実施の形態において、携帯情報端末として携帯電話機を一例としてあげたが、これに限定されない。
携帯情報端末は、携帯電話機に限らず、2画面表示機能を有する携帯型の装置、例えば、2つのLCDを備えるPDA(Personal Digital Assistants)に適用してもよい。
【0120】
また、上記各実施の形態において、本発明を説明するために、一例として携帯型の情報端末を用いた。しかしながら、本発明を実施するための端末は携帯型の端末には限定されない。2画面表示機能を有する電子機器であればよい。
なお、本発明では、2画面表示機能を有する電子機器を総称して、表示装置という。
(5)上記第1の実施の形態において、画像を2つに分割して、表示する2画面表示機能について説明したが、これに限定されない。
【0121】
1つの画像をm個(mは2以上の整数)に分割して、m個のLCDを用いて表示してもよい。
例えば、第1の実施の形態においては、1つのLCDに対してのみ一時バッファを備えた外部LCDCを用い、残りのm−1個のLCDに対しては一時バッファを備えていない外部LCDCを用いる。さらに、記憶部には、m−1個のLCDそれぞれに対応した出力制御用バッファを備える。そして、バッファ切替が行われると、一時バッファを備えた外部LCDCの当該一時バッファへ表示すべき画像(第1画像)が出力され、他の表示すべき画像(第2画像から第m画像)それぞれは、m−1個のうち対応する出力制御用バッファへ出力される。また、リフレッシュ時においては、一時バッファから第1画像が読み出され、各出力制御用バッファから第2画像から第m画像が読み出され、表示される。
【0122】
また、第2の実施の形態においては、1つのLCDに対してのみ一時バッファを備えた外部LCDCを用い、残りのm−1個のLCDに対しては一時バッファを備えていない外部LCDCを用いる。そして、バッファ切替からT0経過以後のリフレッシュ時においては、一時バッファから第1画像が読み出され、記憶部においてはフロントバッファから第2画像から第m画像が読み出される。そしてバッファ切替が行われると、第2画像から第m画像はバックバッファから読み出される。
【0123】
(6)上記第1及び第2の実施の形態において、表示すべき画像は1つの画像全体として説明したが、これに限定されない。
1つの画像のうち一部分の画像に対して分割を行って、2画面表示をしてもよい。
(7)上記第2の実施の形態において、書込部110aは、バッファ切替からT0(次のリフレッシュ)が経過するまでの間、つまり切替制御部115aから書込禁止通知を受け取ってから、書込許可通知を受け取るまでの間、バックバッファへの書き込みを抑止したが、これに限定されない。
【0124】
第1出力制御部120a及び第2出力制御部121aの動作により読み出された画像データのアドレスから、順次書き込むように制御してもよい。
(8)上記第1の実施の形態において、携帯情報端末1は、図1(a)に示す閉状態においては、第1LCD14のみを用いて画像を表示し、表示中において、閉状態から開状態へと状態が変更されると、2画面表示の機能を起動して、表示すべき画像の第1画像及び第2画像の表示のタイミングの同期をとりながら第1LCD14及び第2LCD15を用いて2画面表示を行うとしてもよい。
【0125】
つまりは、携帯情報端末1は、自身の開閉の状態に応じて、第1LCD14のみを用いた画像の表示、及び第1LCD14及び第2LCD15を用いた2画面表示を行ってもよい。
また、第2の実施の形態においても同様に、携帯情報端末1aは、自身の開閉の状態に応じて、第1LCD14aのみを用いた画像の表示、及び第1LCD14a及び第2LCD15aを用いた2画面表示を行ってもよい。
【0126】
(9)上記の実施の形態で説明した手法の手順を記述したプログラムをメモリに記憶しておき、CPU(Central Processing Unit)などがメモリからプログラムを読み出して、読み出したプログラムを実行することによって、上記の手法が実現されるようにしてもよい。
また、当該手法の手順を記述したプログラムを記録媒体に格納して、頒布するようにしてもよい。
【0127】
(10)上記実施の形態及び変形例を組み合わせるとしてもよい。
(11)なお、本発明における第1表示手段及び第2表示手段それぞれは、上記実施の形態における第1LCD及び第2LCDに相当するものである。
また、本発明における表示制御手段は、上記実施の形態における一時バッファを有する外部LCDCに相当するものである。
【0128】
本発明における第1出力手段は、上記実施の形態における第1出力制御部、DMA転送部及びMDDIによる第1画像の出力に係る機能に相当するものである。
本発明における第2出力手段は、上記実施の形態における第2出力制御部、DMA転送部、MDDI、一時バッファを有しない外部LCDC(若しくは内部LCDC)による第2画像の出力に係る機能に相当するものである。
【0129】
4.まとめ
(1)上記実施の形態及び上記変形例に示される、連続する画像それぞれを第1画像と第2画像とに分割して2画面で表示する表示装置は、第1画像を表示し、表示に係るリフレッシュの周期がT0である第1表示手段と、第2画像を表示し、表示に係るリフレッシュのタイミングが前記第1表示手段と同じである第2表示手段と、周期T1=n×T0を満たす周期T1毎に(nは2以上の整数)、画像の書き込み対象と読み出し対象とが交互に切り替えられる2つの画像格納領域を含むメモリと、第1画像を格納する一時格納領域を有し、2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して当該一時格納領域に格納されている第1画像を、当該第1画像の先頭データから順次前記第1表示手段へ出力する表示制御手段と、前記連続する画像毎に、前記周期T1内で当該画像を書き込み対象である画像格納領域へ逐次書き込む書込手段と、2つの画像格納領域に係る切り替えが行われる度に、読み出し対象の画像格納領域に存在する画像の第1画像を読み出して、2×T0が経過するまでの間に前記一時格納領域へ格納する第1出力手段と、前記切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して、前記切り替えのタイミングで前記第1出力手段が出力した第1画像と対をなし、前記メモリに存在する第2画像を、当該第2画像の先頭データから順次前記第2表示手段に出力する第2出力手段とを備えることを特徴とする。
【0130】
この構成によると、表示装置は、第1画像に対しては一時メモリを有する表示制御手段で第1表示手段への出力を制御し、第2画像に対しては第1画像が一時格納領域から読み出されるタイミングで、一時格納領域を利用することなく第2出力手段で第2表示手段への出力を制御している。このように第2画像の出力のタイミングを制御することで、全ての表示手段に対して一時格納領域を有する表示制御手段を用いる場合に比べて製造コストは抑えられており、また、全ての表示手段に対して一時格納領域を利用することなく画像の出力を制御する場合に比べて当該表示装置の制御を行うアプリケーションプロセッサの処理負担も抑えられている。さらには、第1画像は表示制御手段の一時格納領域へ格納された後、つまり2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過後に第1表示手段へ出力され、第2画像は第2出力手段により前記切り替えからT0経過後に第2表示手段へ出力されるので、第1画像と第2画像との表示のタイミングが同一なっている。
【0131】
(2)ここで、前記第2出力手段は、前記切り替えからT0経過以後から、前記2つの画像格納領域に係る次の切り替えがなされる時点までに行われるn−1回それぞれのリフレッシュに対応して前記読み出し対象の画像格納領域に存在する前記第2画像を前記第2表示手段へ出力し、前記次の切り替えが行われると、前記書込手段により次の画像が書き込まれる前に書き込み対象の画像格納領域から前記第2画像を前記第2表示手段へ出力するとしてもよい。
【0132】
この構成によると、表示装置は、2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過以後から次の切り替えがなされる時点までに行われるn−1回それぞれのリフレッシュにおうては読み出し対象の画像格納領域に存在する前記第2画像を表示し、前記次の切り替えが行われると書込手段により次の画像が書き込まれる前に書き込み対象の画像格納領域に存在する前記第2画像を表示するので、第1画像と第2画像との表示のタイミングを同一にすることができる。
【0133】
(3)ここで、前記書込手段は、前記2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過するまでの間は、書き込み対象の画像格納領域への画像の書き込みを抑止し、前記第2出力手段は、前記第2表示手段へ出力すべき第2画像の格納先の画像格納領域を示す領域情報を管理しており、前記切り替えを起点として前記周期T0が経過した時点で領域情報の内容を前記第2画像の格納先の画像格納領域は読み出し対象の領域であることを示すものへと変更し、前記次の切り替えが行われた時点で領域情報の内容を前記第2画像の格納先の領域は書き込み対象の画像格納領域であることを示すものへと変更するとしてもよい。
【0134】
この構成によると、表示装置は、書き込み対象の画像格納領域に存在する前記第2画像を表示する際には、2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過するまでは当該画像格納領域への書き込みを抑止するので、当該切り替えからT0が経過するまでは、当該期間において表示すべき第2画像が書き込み対象の画像格納領域に確実に存在しているので、第1画像と第2画像との表示のタイミングを同一にすることができる。
【0135】
(4)ここで、前記メモリは、さらに、第2画像を一時的に格納するための出力制御用領域を有しており、前記第2出力手段は、前記切り替えが行われる度に前記読み出し対象の画像格納領域から前記第2画像を読み出して前記出力制御用領域へ格納し、前記切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して、前記出力制御用領域に格納されている第2画像を前記第2表示手段に出力するとしてもよい。
【0136】
この構成によると、表示装置は、2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過するまでの間、第2画像を出力制御用領域へ格納することで、第2表示手段への出力するタイミングをT0分だけ遅延させるので、第1画像と第2画像との表示のタイミングを同一にすることができる。
(5)上記実施の形態及び上記変形例に示される携帯情報端末は、上記(1)に記載の表示装置と、前記連続する画像を記憶する画像記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0137】
この構成によると、携帯情報端末は、上記(1)に示す表示装置を有しているので、当該携帯情報端末の製造コストは抑えられ、且つ当該携帯情報端末の制御を行うアプリケーションプロセッサの処理負担も抑えられている。さらには、前記携帯情報端末で表示される第1画像と第2画像との表示のタイミングを同一とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、2つのディスプレイを備え、これら2つのディスプレイを用いて1つの画像を表示する機能を有する装置に有用である。
【符号の説明】
【0139】
1 携帯情報端末
10 記憶部
11 制御部
12、13 外部LCDC
14 第1LCD
15 第2LCD
16 画像格納部
100 フレームバッファ
101 出力制御用バッファ
110 書込部
111 出力制御部
112 DMA転送部
113、114 MDDI
115 切替制御部
120 第1出力制御部
121 第2出力制御部
130 一時バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する画像それぞれを第1画像と第2画像とに分割して2画面で表示する表示装置であって、
第1画像を表示し、表示に係るリフレッシュの周期がT0である第1表示手段と、
第2画像を表示し、表示に係るリフレッシュのタイミングが前記第1表示手段と同じである第2表示手段と、
周期T1=n×T0を満たす周期T1毎に(nは2以上の整数)、画像の書き込み対象と読み出し対象とが交互に切り替えられる2つの画像格納領域を含むメモリと、
第1画像を格納する一時格納領域を有し、2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して当該一時格納領域に格納されている第1画像を、当該第1画像の先頭データから順次前記第1表示手段へ出力する表示制御手段と、
前記連続する画像毎に、前記周期T1内で当該画像を書き込み対象である画像格納領域へ逐次書き込む書込手段と、
2つの画像格納領域に係る切り替えが行われる度に、読み出し対象の画像格納領域に存在する画像の第1画像を読み出して、2×T0が経過するまでの間に前記一時格納領域へ格納する第1出力手段と、
前記切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して、前記切り替えのタイミングで前記第1出力手段が出力した第1画像と対をなし、前記メモリに存在する第2画像を、当該第2画像の先頭データから順次前記第2表示手段に出力する第2出力手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2出力手段は、
前記切り替えからT0経過以後から、前記2つの画像格納領域に係る次の切り替えがなされる時点までに行われるn−1回それぞれのリフレッシュに対応して前記読み出し対象の画像格納領域に存在する前記第2画像を前記第2表示手段へ出力し、前記次の切り替えが行われると、前記書込手段により次の画像が書き込まれる前に書き込み対象の画像格納領域から前記第2画像を前記第2表示手段へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記書込手段は、
前記2つの画像格納領域に係る切り替えからT0経過するまでの間は、書き込み対象の画像格納領域への画像の書き込みを抑止し、
前記第2出力手段は、
前記第2表示手段へ出力すべき第2画像の格納先の画像格納領域を示す領域情報を管理しており、
前記切り替えを起点として前記周期T0が経過した時点で領域情報の内容を前記第2画像の格納先の画像格納領域は読み出し対象の領域であることを示すものへと変更し、
前記次の切り替えが行われた時点で領域情報の内容を前記第2画像の格納先の領域は書き込み対象の画像格納領域であることを示すものへと変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記メモリは、さらに、
第2画像を一時的に格納するための出力制御用領域を有しており、
前記第2出力手段は、
前記切り替えが行われる度に前記読み出し対象の画像格納領域から前記第2画像を読み出して前記出力制御用領域へ格納し、前記切り替えからT0経過以後のn回それぞれのリフレッシュに対応して、前記出力制御用領域に格納されている第2画像を前記第2表示手段に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置と、
前記連続する画像を記憶する画像記憶手段と
を備えることを特徴とする携帯情報端末機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−102874(P2011−102874A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257433(P2009−257433)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】