説明

表示装置

【課題】表示装置自体の軽量化、低コスト化。
【解決手段】表示装置取付構造物6に取り付けられた少なくとも一つのモジュール取付フレーム100、前記モジュール取付フレーム100に着脱自在に取り付けられ表示画面10を構成する複数個の表示モジュールxx、前記モジュール取付フレーム100内が配線ルートとされ前記表示モジュールに可着脱に接続され前記表示モジュールに画像信号を送る信号ケ−ブル100HSC、および前記モジュール取付フレーム100内が配線ルートとされ前記表示モジュールxxに可着脱に接続され前記表示モジュールに電力を供給する電源ケ−ブル100HPCを備えた表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示画面が複数個の表示モジュールで構成される表示装置、特に屋外での使用に適した表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の実況放映用大型屋外表示装置、広告用大型表示装置、等の表示装置においては、例えば、特開平04−110992号公報(特許文献1)、特開2004−341468号公報(特許文献2)などに示されているように、その表示画面は複数個の表示モジュールで構成されている。
【0003】
これら特許文献1および特許文献2には、それらの構造上の全体構成は示されていないが、実況放映用大型屋外表示装置、広告用大型表示装置、等の屋外で使用される表示装置の構造上の代表的な全体構成は、例えば図22に示すようになっている。
【0004】
図22は従来の代表的な大型表示装置の例を右側面図で示してあり、同図に示されているように、従来の代表的な大型表示装置は一般的には、防水構造の防水外部筐体1c内に、多数本の支柱1dと、当該多数本の支柱1dに取り付けられた多数個の表示モジュールxxと、多数個の表示モジュールxxで構成される全体表示画面での画面表示を制御する表示コントローラ2やそれらの電源(図示省略)等を内蔵した構造となっている。
【0005】
更に、従来の代表的な大型表示装置においては、その荷重支持構造は、図22からも想定できるように、防水外部筐体1cが、多数本の支柱1dの全荷重、多数個の表示モジュールxxの全荷重、表示コントローラ2や電源さらには電力用/制御信号用の各種ケーブル等の電気的回路構成部品の全荷重、および防水外部筐体1c自体の荷重、の全ての荷重を受ける自己完結型あるいは自立型の構造である。
【0006】
【特許文献1】特開平04−110992号公報(第1〜5図、及びその説明)
【特許文献2】特開2004−341468号公報(図1〜5、及びその説明)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の大型表示装置においては、その荷重支持構造は、図22に例示されているように、防水外部筐体1cが、多数本の支柱1dの全荷重、多数個の表示モジュール3の全荷重、表示コントローラ2や電源さらには電力用/制御信号用の各種ケーブル等の電気的回路構成部品の全荷重、および防水外部筐体1c自体の荷重、の全ての荷重を受ける自己完結型あるいは自立型の構造であるので、内部の電子機器に対する十分な防水構造が施され任意の環境に設置できると言うメリットはあるが、逆に防水外部筐体1c自体の十分な強度と信頼性が必要となり、表示装置全体の重量とコストを引き上げていた。
【0008】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、表示装置自体の軽量化、低コスト化を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る表示装置は、表示装置取付構造物に取り付けられた少なくとも一つのモジュール取付フレーム、前記モジュール取付フレームに着脱自在に取り付けられ表示画面を構成する複数個の表示モジュール、前記モジュール取付フレーム内が配線ルートとされ前記表示モジュールに可着脱に接続され前記表示モジュールに画像信号を送る信号ケ−ブル、および前記モジュール取付フレーム内が配線ルートとされ前記表示モジュールに可着脱に接続され前記表示モジュールに電力を供給する電源ケ−ブルを備えた表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、表示装置取付構造物に取り付けられた少なくとも一つのモジュール取付フレーム、前記モジュール取付フレームに着脱自在に取り付けられ表示画面を構成する複数個の表示モジュール、前記モジュール取付フレーム内が配線ルートとされ前記表示モジュールに可着脱に接続され前記表示モジュールに画像信号を送る信号ケ−ブル、および前記モジュール取付フレーム内が配線ルートとされ前記表示モジュールに可着脱に接続され前記表示モジュールに電力を供給する電源ケ−ブルを備えた表示装置としたので、表示装置自体の軽量化、低コスト化、防水化を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置を表示させる表示システムのシステム構成の事例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置の表示画面を構成する構成要素である表示モジュールの構成の事例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の事例を概略的に示す図であり、その(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置の表示装置取付構造物への組み立て方法の事例を説明するため拡大して一部断面で示す一部断面縦断右側面図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置の表示装置取付構造物への組み立て完了状態の事例を拡大して一部断面で示す一部断面縦断右側面図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の事例を示す図であり、その(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込んだ後の状態の事例を示す図であり、その(a)は正面図、(b)は右側面図である。である。
【図8】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の事例を拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図である。
【図9】この発明の実施の形態1を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込んだ後の状態の事例を拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図である。
【図10】この発明の実施の形態1を示す図で、図8のX―X線における断面を矢印方向に見た縦断正面図である。
【図11】この発明の実施の形態2を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の他の事例を示す正面図である。
【図12】この発明の実施の形態3を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の更に他の事例を示す正面図である。
【図13】この発明の実施の形態4を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の更に他の事例を示す正面図である。
【図14】この発明の実施の形態5を示す図で、大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の他の事例を示す背面図である。
【図15】この発明の実施の形態6を示す図で、大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の更に他の事例を示す正面図である。
【図16】この発明の実施の形態7を示す図で、大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の更に他の事例を一部断面で示す一部断面縦断右側面図である。
【図17】この発明の実施の形態8を示す図で、表示画面を構成する構成要素である表示モジュールの他の事例を示す右側面図である。
【図18】この発明の実施の形態9を示す図で、大型表示装置を表示させる表示システムのシステム構成の他の事例を示すブロック図である。
【図19】この発明の実施の形態10を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の特に表示モジュールの固定手段の事例を拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図である。
【図20】この発明の実施の形態11を示す図で、大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の特に表示モジュールの固定手段の他の事例を更に拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図である。
【図21】この発明の実施の形態12を示す図で、他の大型表示装置の事例の分解組立図であり、その(a)は防水フレームを分解した状態で示す正面図、(b)は表示画面部の正面図、(c)は防水フレームを表示画面部の外周に組み付けた状態を示す正面図である。
【図22】従来の代表的な大型表示装置の例を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1〜図10により説明する。図1は大型表示装置を表示させる表示システムのシステム構成の事例を示すブロック図、図2は大型表示装置の表示画面を構成する構成要素である表示モジュールの構成の事例を示す図、図3は大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の事例を概略的に示す図であり、その(a)は正面図、(b)は右側面図、図4は大型表示装置の表示装置取付構造物への組み立て方法の事例を説明するため拡大して一部断面で示す一部断面縦断右側面図、図5は大型表示装置の表示装置取付構造物への組み立て完了状態の事例を拡大して一部断面で示す一部断面縦断右側面図、図6は大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の事例を示す図であり、その(a)は正面図、(b)は右側面図、図7は大型表示装置において表示モジュールを組み込んだ後の状態の事例を示す図であり、その(a)は正面図、(b)は右側面図、図8は大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の事例を拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図、図9は大型表示装置において表示モジュールを組み込んだ後の状態の事例を拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図、図10は図8のX―X線における断面を矢印方向に見た縦断正面図である。なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【0013】
以下、図番に沿って説明する。
【0014】
この発明の実施の形態1に使用される大型表示装置を表示させる表示システムは、特別なものではなく、実況放映用大型屋外表示装置、広告用大型表示装置、等のように表示画面が複数個の表示モジュールで構成され大型の表示装置に表示を行わせる従来から一般的に使用されている表示システムが使用される。従来から一般的に使用されている表示システムには具体的には種々のシステムがあるが、これら各種システムのうちの一例のシステム構成を、この発明の実施の形態1における表示システムの事例として図1に示してある。
【0015】
図1に示す表示システムにおいては、図示のように、表示装置1は、多数の表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnをマトリクス状に、行方向(横方向)、列方向(縦方向)に配列して表示画面10が、周知の通り構成されている。
【0016】
このように構成された表示装置1には、周知のように、表示コントローラ2から、列毎に設けられたバッファメモリ31,32,・・・3nを介して、画像表示制御信号および画像情報信号が供給される。
【0017】
前記表示コントローラ2は、周知のように、ビデオシステム4からの画像情報を処理するTV(テレビジョン)信号処理の機能21と、コンピュータシステム5からの画像情報を処理するグラフィック処理の機能22と、前記コンピュータシステム5からの文字情報を処理する文字情報処理の機能23とを有し、周知のように、前記ビデオシステム4からの情報や、前記コンピュータシステム5からの情報に基づいて、前記表示装置1の前記表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnに所期の画像表示制御信号および画像情報信号を供給し、前記表示画面10の全体に亘って、実況放映の画像や広告画像等の所期の画像(文字を含む)を表示する。
【0018】
前記表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnは、何れも同じ構成の表示モジュールxxが使用され、例えば、周知の構成の一例を示してある図2のように、複数画素からなる表示デバイスxx1と、当該表示デバイスxx1を駆動する駆動回路xx2と、前記表示デバイスxx1に表示する画像の情報を一時的に或は固定的に保存する画像メモリxx3と、前記表示デバイスxx1に所期の画像を表示させる制御回路xx4と、電源xx5とで構成されている。
【0019】
また、前記駆動回路xx2と画像メモリxx3と前記制御回路xx4とは、共通の基板xxb上に構成され、前記表示デバイスxx1の裏面側に、防水構造にして取り付けられる(後述の図8、図9を参照)。
【0020】
前記表示デバイスxx1は、周知の表示デバイスである。表示デバイスは、当初、単色のCRTを配列する方式が実用化された。その後、CRTや放電管の原理を応用し、表示デ
バイスxx1内に複数の画素を含む表示デバイスが開発され、解像度が飛躍的に改善された。LCD(液晶)を配列する方式が実用化され、PDP(プラズマディスプレイ)やVFD(蛍
光表示管)を配列する方式が試作されるなど、各種の表示デバイスxx1が大型表示装置用途として使用することができるようになった。最近は、LED(発光ダイオード)を配列
する方式が主流になり、大型表示装置は、屋内用高解像度用途、屋外用超高輝度用途、軽量・薄型のビル壁面用途などの多様な用途に対応できる。LEDを使用する場合は、複数のLEDを配列してパネル状に構成された表示モジュールxxとなる。
【0021】
前記各表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnには、当該モジュールのサイズに対応して分割された画像の一部が表示され、前記表示画面10全体で一つの画像が表示される。それ故に、前記表示画面10の前方から前記表示画面10を見た時に、前記各表示モジュール間の隙間、即ち前記表示デバイスxx1間の隙間、がタイルの継ぎ目のように目立つのを抑制するように前記各表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・mnは相対的に近接して配置されるように工夫されている。
【0022】
前記電源xx5は、前記表示モジュールxx内に設けずに、前記表示モジュールxxの外部に設けてもよい。また、前記電源xx5は、前記表示デバイスxx1、前記駆動回路xx2、前記画像メモリxx3、前記制御回路xx4に、電力を供給するものである。
【0023】
前記表示装置1を、表示装置取付構造物6に取り付けた状態は、図3に示してある。
【0024】
この発明の実施の形態1では、前記表示装置取付構造物6は、既設の取り付け架台であり、固定された脚部61と、この脚部61上の台板62と、この台板62と鉛直に当該台板62上に間隔を隔てて取り付けられた複数本の支柱63,63,63とで構成されている。そして、前記複数本の支柱63,63,63に、前記表示装置1が取り付けられている。
【0025】
前記表示装置1は、前述のようにその表示画面10は、前述のようにマトリクス状に配列された多数個の表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnで構成されている。マトリクス状に配列された多数個の表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnで構成された表示画面10は、防水フレーム1fを介して、前記表示装置取付構造物6に取り付けられている。
【0026】
図3(b)の詳細構造は、その拡大図として図5に示してある。この図5は組み立て結果を示す図であり、組み立て過程の図は図4に示してある。
【0027】
図3、図4、および図5において、前記表示装置1の前記防水フレーム1fは、正面から見た形状が方形状の背面板1f1と、その全周縁に額縁状に一体に設けられた防水枠体1f2とから構成されている。
【0028】
ここで、組み立て過程の図である図4において、前記防水フレーム1fは、前記表示装置取付構造物6の前記支柱63,63,63にボルト等によるネジ止め等の一般的な取付手段によって取り付けられる。これは、表示装置取付構造物6に防水フレーム1fを取り付ける防水フレーム取付工程である。
【0029】
前記防水フレーム1fの前記表示装置取付構造物6への取り付け後(即ち前記防水フレーム取付工程後)、前記防水フレーム1fの背面板1f1の正面側に、正面から見た形状が格子状のモジュール取付フレーム100を、ネジ止めその他の一般的な取付手段によって取り付ける。このモジュール取付フレーム100の前記防水フレーム1fへの取り付け後、当該防水フレーム1fに取り付けられた前記モジュール取付フレーム100に、多数の前記表示モジュールxx(図2参照)を、順次、矢印で示すように取り付けていき、前述のマトリクス状に配列された前記表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnで構成される表示画面10を組み上げていく。これは、前記表示装置取付構造物6に取り付けられた前記防水フレーム1fでその周囲が覆われる前記表示画面10を複数個の表示モジュールxx(図2参照)で組み立てる表示画面組み立て工程である。
【0030】
この表示画面組み立て工程完了結果は、図5に示してある。
【0031】
図5に示されているように、前記表示画面組み立て工程を完了した状態において、前記防水枠体1f2の奥行き方向(正面から見た前後方向)の厚みT1と、前記組み立てられたモジュール取付フレーム100と表示モジュールxxと前記背面板1f1の前記奥行き方向の合計厚みT2との関係は、T1>T2の関係としてある。つまり、図示のように前記防水枠体1f2は、前記表示画面10の正面側の面より寸法T12だけ正面側にはみだした構造としてある。この構造により、前記防水フレーム1fと前記モジュール取付フレーム100との間、および前記モジュール取付フレーム100と前記表示モジュールxxとの間への、雨水の侵入や塵埃の侵入が抑制あるいは防止される。
【0032】
なお、前記格子状のモジュール取付フレーム100は、前記表示モジュールxxの数に対応した数の複数個の縦ビーム100Vと、前記表示モジュールxxの数に対応した数の複数個の横ビーム100Hと、これら縦ビーム100Vと横ビーム100Hとに囲まれた直方体状の複数個の空間100Sとを有している。前記表示モジュールxx(前記表示デバイスxx1)の上下方向(垂直方向)の長さL1Vと、前記複数個の横ビーム100Hのビーム間寸法LBVと、前記空間100Sの上下方向(垂直方向)の長さLSVとの関係は、前記表示モジュールxxの正面から見た横方向全幅に亘って、LBV>L1V>LSVとしてある。
【0033】
同様に、前記表示モジュールxx(前記表示デバイスxx1)の左右方向(水平方向)の長さL1H(図7(a)参照)と、前記複数個の縦ビーム100Vのビーム間寸法LBH(図6(a)参照)と、前記空間100Sの左右方向(水平方向)の長さLSH(図6(a)参照)との関係は、前記表示モジュールxx(前記表示デバイスxx1)の正面から見た縦方向全幅に亘って、LBH>L1H>LSHとしてある。
【0034】
なお、前述の多数の表示モジュールxxの前記モジュール取付フレーム100への取り付け工程より前に、前述の多数の空間100Sのうちの任意の一つの空間内に、表示コントローラ2が組み込まれる。
【0035】
前述のようなLBV>L1V>LSV、及びLBH>L1H>LSHの関係となる構造にすることにより、前述の表示モジュールxx(前記表示デバイスxx1)間の隙間が小さく、しかも前述の表示モジュールxxの端部の前記モジュール取付フレーム100への取り付けが堅固な表示装置1を得ることができる。また、表示装置1の防水フレーム1fの荷重を表示装置取付構造物6が受け、表示画面10を構成する複数個の表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnの荷重も表示装置取付構造物6が受けるので、表示装置1自体の耐荷重強度を軽減でき、表示装置1自体の軽量化、低コスト化を実現できる。
【0036】
なお、図6及び図7は、表示装置取付構造物6を図示せずに表示装置1だけを図示した図であり、前述のように、図6は大型表示装置において表示モジュールxxを組み込む前の状態の事例を示す図であり、図7は表示モジュールxxを組み込んだ後の状態の事例を示す図である。図6(b)は図4相当の右側面図で、所定数の表示モジュールxx,xx,・・・が、図4における説明と同様に、順次、矢印で示すように、前記モジュール取付フレーム100に組み込まれる。
【0037】
前記表示モジュールxxの前記モジュール取付フレーム100への取り付け構造(手段)の事例は、図8および図9に例示してある。
【0038】
図8および図9に示してあるように、前記モジュール取付フレーム100の前記横ビーム100Hの各々の正面側の面に、水平に突設された舌片状の第1の係合子100H1と、上向き
の鉤状(L字状)の第2の係合子100H2とが設けられている。前記第1の係合子100H1は、前記第2の係合子100H2から離間して、該第2の係合子100H2より上側に位置している。
【0039】
図8および図9に示してあるように、前記表示モジュールxxの各々には、その正面側の防水構造の前記表示デバイスxx1の裏側に、前記駆動回路xx2、画像メモリxx3、前記制御回路xx4等が形成された前記共通基板xxbを内蔵する防水ケースや樹脂モールド等の防水被覆xxbcが、前記表示デバイスxx1と一体に設けられており、この防水被覆xxbcの裏面の上端部に、下向きの鉤状(L字状)の第3の係合子xx6が、下端部に水平に突設された舌片状の第4の係合子xx7が、それぞれ設けられている。
【0040】
また、図8および図9に示してあるように、前記モジュール取付フレーム100の前記横ビーム100Hの各々は中空であり、当該中空の各横ビーム100H内が、電源ケーブル100HPCおよび信号ケーブル100HSCの配線ルートとして使用されている。前記電源ケ−ブル100HPCから、各表示モジュールxxの電源xx5に給電され、信号ケーブル100HSCから各表示モジュールxxへ画像制御信号や画像情報信号が供給される。
【0041】
前記電源ケーブル100HPCは、前記モジュール取付フレーム100の前記横ビーム100Hの各々の下側面に穿設された貫通孔100HLSを通る電源接続線100PCWを介して前記各表示モジュールxxの電源xx5に圧着端子などにより可着脱に接続されている。
【0042】
同様に、前記信号ケーブル100HSCは、前記モジュール取付フレーム100の前記横ビーム100Hの各々の下側面に穿設された貫通孔100HLSを通る信号接続線100SCWを介して前記各表示モジュールxx5の前記共通基板xxbに、市販のコネクタにより可着脱に接続されている。
【0043】
各表示モジュールxxの電源xx5は、各表示モジュールxxが各々対応する前記モジュール取付フレーム100内空間100S内に配設されている。
【0044】
前記空間100S内の各表示モジュールxxの電源xx5と、前記モジュール取付フレーム100内の前記電源ケーブル100HPCとを前記電源接続線100PCWを介して接続し、更に前記空間100S内の各表示モジュールxx内の前記基板xxbと、前記モジュール取付フレーム100内の前記信号ケーブル100HSCとを前記信号接続線100SCWを介して接続した後に、前記モジュール取付フレーム100の上向きの鉤状(L字状)の第2の係合子100H2に、前記表示モジュールxxの下向きの鉤状(L字状)の第3の係合子xx6を係合し、図8の状態から図9に示す状態にする。
前記第2の係合子100H2と前記第3の係合子xx6とが係合すると、図9に示してあるように、前記モジュール取付フレーム100の舌片状の前記第1の係合子100H1と、前記表示モジュールxxの舌片状の第4の係合子xx7とが重合した状態になる。
これら重合している前記第1の係合子100H1と前記第4の係合子xx7とは、必要に応じてネジ止め等の固定手段によって相互に固定すると、風、その他の要因で、前記表示モジュールxxが前記モジュール取付フレーム100から不本意に外れるようなことがなくなる。
【0045】
なお、図10に示してあるように、各横ビーム100H内の各電源ケーブル100HPC、各信号ケーブル100HSCは、縦ビーム100V内で接続される。
【0046】
この発明の実施の形態1は、前述のように、表示画面10を複数個の表示モジュールxx,xx,・・・で構成する表示装置1の組み立て方法であって、表示装置取付構造物6に防水フレーム1fを取り付ける防水フレーム取付工程、および前記表示装置取付構造物6に取り付けられた前記防水フレーム1fでその周囲が覆われる前記表示画面10を複数個の表示モジュールxx,xx,・・・で組み立てる表示画面組み立て工程により表示装置を組み立てることを特徴とする表示装置の組み立て方法である。
【0047】
また、この発明の実施の形態1は、前述のように、前記表示モジュールxx,xx, ・・・の各々が、モジュール取付フレーム100を介して、前記防水フレーム1fに着脱自在に取り付けられるものである。
【0048】
また、この発明の実施の形態1は、前述のように、表示画面を複数個の表示モジュールxx,xx,・・・で構成する表示装置1の組み立て方法であって、表示装置取付構造物6にモジュール取付フレーム100を取り付けるモジュール取付フレーム取付工程、前記モジュール取付フレーム100に表示モジュールxx,xx,・・・を取り付ける表示モジュール取り付け工程、および前記表示モジュール取り付け工程を複数回実施することにより複数個の表示モジュールxx,xx,・・・で表示画面10を構成する表示画面構成工程により表示装置1を組み立てることを特徴とする表示装置の組み立て方法である。
【0049】
また、この発明の実施の形態1は、前述のように、表示装置取付構造物6に取り付けられた少なくとも一つのモジュール取付フレーム100と、前記モジュール取付フレーム100に着脱自在に取り付けられ表示画面10を構成する複数個の表示モジュールxx,xx, ・・・と、前記モジュール取付フレーム100内が配線ルートとされ前記表示モジュールxx,xx,・・・に可着脱に接続され前記表示モジュールに画像信号を送る信号ケ−ブル100HSCと、前記モジュール取付フレーム100内が配線ルートとされ前記表示モジュールxx,xx,・・・に可着脱に接続され前記表示モジュールxx,xx,・・・に電力を供給する電源ケ−ブル100HPCを備えた表示装置である。
【0050】
また、この発明の実施の形態1は、前述のように、前記モジュール取付フレーム100が格子状フレームでありそのビーム100Hに前記複数個の表示モジュールxx,xx, ・・・が着脱自在に取り付けられているものである。
【0051】
実施の形態2.
以下この発明の実施の形態2を図11によって説明する。図11は大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の他の事例を示す正面図である。図11において、前述の図1〜図10と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図10と異なる点を主体に説明する。
【0052】
図11は前述の図6(a)に相当する図であり、特に、前述のモジュール取付フレーム100の他の事例を示すものである。即ち、前述の図6(a)では、モジュール取付フレーム100として、格子状の一枚のモジュール取付フレーム100を使用した事例を例示したが、図11では図示のように、上下方向(垂直方向あるいは列方向)に延在する梯子状のモジュール取付フレーム構成要素100VE1,100VE2,・・・100VEnを横方向(水平方向あるいは行方向)に所定数配列して、所定の広さのモジュール取付フレーム100を構成するものである。
【0053】
このように梯子状のモジュール取付フレーム構成要素100VE1,100VE2,・・・100VEnを横方向(水平方向)に所定数配列して、所定の広さのモジュール取付フレーム100を構成する構造にすれば、特に縦横数メートルの大型の表示装置では、格子状の一枚のモジュール取付フレームの場合に比べて、組立作業での取り扱い対象品単体が小型軽量になり、従来の自立型表示装置に比べれば極めて軽量となり、前記モジュール取付フレーム100を前記表示装置取付構造物6(図11では図示省略)に取り付ける作業の作業性、安全性が向上する上、前記モジュール取付フレームを前記表示装置取付構造物6(図11では図示省略)に取り付ける取り付けボルト他の取り付け手段にかかる荷重も小さく、より低コスト化が可能となる。
【0054】
実施の形態3.
以下この発明の実施の形態3を図12によって説明する。図12は大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の他の事例を示す正面図である。図12において、前述の図1〜図11と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図11と異なる点を主体に説明する。
【0055】
図12は前述の図6(a)および図11に相当する図であり、特に、前述のモジュール取付フレーム100の他の事例を示すものである。即ち、前述の図6(a)では、モジュール取付フレーム100として、格子状の一枚のモジュール取付フレーム100を使用した事例を例示したが、図12では図示のように、左右横方向(水平方向あるいは行方向)に延在する梯子状のモジュール取付フレーム構成要素100HE1,100HE2,・・・100HEmを縦方向(垂直方向あるいは列方向)に所定数配列して、所定の広さのモジュール取付フレーム100を構成するものである。
【0056】
このように梯子状のモジュール取付フレーム構成要素100HE1,100HE2,・・・100HEmを縦方向(垂直方向)に所定数配列して、所定の広さのモジュール取付フレーム100を構成する構造にすれば、前述の図11に示す事例の場合と同様に、特に縦横数メートルの大型の表示装置では、格子状の一枚のモジュール取付フレームの場合に比べて、組立作業での取り扱い対象品単体が小型軽量になり、従来の自立型表示装置に比べれば極めて軽量となり、前記モジュール取付フレーム100を前記表示装置取付構造物6(図12では図示省略)に取り付ける作業の作業性、安全性が向上する上、前記モジュール取付フレームを前記表示装置取付構造物6(図12では図示省略)に取り付ける取り付けボルト他の取り付け手段にかかる荷重も小さく、より低コスト化が可能となる。
【0057】
実施の形態4.
以下この発明の実施の形態4を図13によって説明する。図13は大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の他の事例を示す正面図である。図13において、前述の図1〜図12と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図12と異なる点を主体に説明する。
【0058】
図13は前述の図6(a)、図11、および図12に相当する図であり、特に、前述のモジュール取付フレーム100の他の事例を示すものである。即ち、前述の図6(a)では、モジュール取付フレーム100として、格子状の一枚のモジュール取付フレーム100を使用し、図11および図12では梯子状のモジュール取付フレーム構成要素100VE1,100VE2,・・・100VEn、100HE1,100HE2,・・・100HEmを使用した事例を例示したが、図13では図示のように、前記各表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnに個別に対向して額縁状のモジュール取付フレーム構成要素100IE,100IE,・・・100IEを設けるものである。つまり、この実施の形態では、モジュール取付フレーム構成要素100IE,100IE,・・・100IEの数は、前記各表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnの数と同じ数だけ設けられる。
【0059】
このように、前記各表示モジュール11,12,・・・1n,21,22,・・・2n,・・・m1,m2,・・・mnに個別に対向して額縁状のモジュール取付フレーム構成要素100IE,100IE,・・・100IEを設ける構造にすれば、梯子状のモジュール取付フレーム構成要素100VE1,100VE2,・・・100VEn、100HE1,100HE2,・・・100HEmを使用した図11および図12の事例以上に任意の広さの表示画面10を構成することができ、しかも任意の形状の表示画面10を構成することも容易である。
【0060】
実施の形態5.
以下この発明の実施の形態5を図14によって説明する。図14は大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の他の事例を示す背面図である。図14において、前述の図1〜図13と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図13と異なる点を主体に説明する。
【0061】
図14は前述の図3(a)に相当する図の背面図である。この図14の事例では図示のように、表示装置1の裏面側にメンテナンス扉13が設けられ、当該メンテナンス扉13を開けば表示装置1内が裏面側に開放され、表示装置1内の点検などのメンテナンスを、正面側の前述の表示モジュール(図14では図示省略)を取り外さなくても相応にできる。
【0062】
実施の形態6.
以下この発明の実施の形態6を図15によって説明する。図15は大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の更に他の事例を示す正面図である。図15において、前述の図1〜図14と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図14と異なる点を主体に説明する。
【0063】
図15は前述の図3(a)に相当する正面図である。この図15の事例では図示のように、表示装置1が、その正面から見て左右方向の端を脚部61で支持された構造を例示してある。前述のように、表示装置1自体が軽量に構成できるので、このようなデザインになるように取り付けることもできる。また、図示のように、前記脚部61内に前記表示コントローラ2(図1参照)を内蔵すれば、表示装置1は更に軽量になる。
【0064】
実施の形態7.
以下この発明の実施の形態7を図16によって説明する。図16は大型表示装置が表示装置取付構造物に取り付けられた状態の更に他の事例を一部断面で示す一部断面縦断右側面図である。図16において、前述の図1〜図15と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図15と異なる点を主体に説明する。
【0065】
図16は、前述の図4に相当する一部断面で示す一部断面縦断右側面図である。この図16の事例では、表示装置取付構造物6が建築物の壁であり、この壁の壁面64に前記モジュール取付フレーム100が取り付けられ、当該壁面64に取り付けられたモジュール取付フレーム100の正面側に前記表示モジュールxx,xx,・・・xxが取り付けられる。
【0066】
建築物は表示装置に対して相対的に十分な強度を有しており、前記表示モジュールxx,xx,・・・xxをタイル状に組み込むことで、構造的に安定した壁面表示装置を実現できる。また、壁の色を変えたり、壁に情報を表示したりするユニークな応用が可能となる。
【0067】
大型表示装置は、図1に図示して前述したように表示コントローラ2と表示モジュール間のバッファメモリ31,32,・・・3nのように、特定の表示モジュール群をコントロールする複数の制御基板が必要な場合がある。さらに、複数の表示モジュールごとに電源xx5が必要な場合がある。これらの基板や電源類は、前述のように前記モジュール取付フレーム100内の空間100S内に配置できる。表示装置1全体を制御する表示コントローラ2や電源については、壁面64に埋め込むことも可能であるが、建物内部に配置し、電源ケーブルと単純なインターフェースの信号ケーブルを建物内部から壁面64の表示装置1に供給してもよい。
【0068】
実施の形態8.
以下この発明の実施の形態8を図17によって説明する。図17は表示画面を構成する構成要素である表示モジュールの他の事例を示す右側面図である。図17において、前述の図1〜図16と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図16と異なる点を主体に説明する。
【0069】
前述の実施の形態7では、各種の平面状の表示デバイスxx1(図2参照)を対象としているが、一般に自発光の表示デバイスを屋外で使用する場合、太陽光下で実用的な画質を得るために、高輝度が必要となる。特に、表示デバイスxx1の輝度が高くなると、発熱量が大きくなることから、表示モジュールxxを建築物の壁面64に埋設する構造の表示装置では、温度上昇の抑制手段や冷却手段が重要となる。発熱のある自発光の表示デバイスxx1の場合、内部に冷却手段を設けると、特に空冷の場合、冷却風の通風経路が必要となることから、表示部の厚みは厚くなる。
【0070】
ここでこの発明の実施の形態8では、表示デバイスxx1として反射型表示デバイスを使用する。反射型表示デバイスxx1は、図6に矢印Lで示すように、外光(昼は太陽光、夜は照明の光など)を反射して表示するため、発熱はほとんど見られず、冷却手段が不要の低消費電力で、薄型の表示装置を実現できる。特に、反射型表示デバイスとして、コレステリック液晶を使用すると、電源を切っても表示デバイスが表示を維持するなどの優れた特徴があるため、低消費電力の表示装置としての壁面が実現できる。建築物の壁面は、太陽光に曝されるが、十分な照度が得られることから、反射型表示デバイスにおいても高画質を得やすい。
【0071】
実施の形態9.
以下この発明の実施の形態9を図18によって説明する。図18は大型表示装置を表示させる表示システムのシステム構成の他の事例を示すブロック図である。図18において、前述の図1〜図17と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図17と異なる点を主体に説明する。
【0072】
前述の各実施の形態では、テレビ信号のように情報量の多い画像の表示も対象となるため、前記モジュール取付フレーム100のビーム100H,100H,・・・100V,100V, ・・・を通る信号線は、フラットケーブルによるパラレル伝送や、光ケーブルなど、大容量のシリアル伝送が対象となる。一方、壁面の情報表示装置では、静止画専用の情報表示装置としての用途のように、表示の情報量が少ない場合も想定される。このような場合に適用する事例を図18に例示してある。図18は、各表示モジュールをLANケーブルLANCで接続した例である。各表示モジュールには、LANのインターフェース1IFを設けることにより、画像データをLANケーブルLANCで伝送できるようになり、配線およびシステム構成が簡素化される。また、フラットケーブルなどの一般的に配線に比べて、構造的にも簡素化され、狭い空間での配線に有利である。
【0073】
実施の形態10.
以下この発明の実施の形態10を図19によって説明する。図19は大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の特に表示モジュールの固定手段の事例を拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図である。図19において、前述の図1〜図18と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図18と異なる点を主体に説明する。
【0074】
図19は、前述の図8および図9に相当する一部断面で示す一部断面縦断右側面図である。図19では図示のように、相隣る一方の表示モジュールxxのネジ止め部品xx8と他方の表示モジュールxxのネジ止め部品xx9とをネジ止めする構造を例示してある。
【0075】
図8および図9で前述した係合子xx6と係合子100H2との係合による取り付けと、ネジ部品xx8,xx9によるネジ止めによる取り付けを併用した二重取り付け構造の事例を、図19は例示するものである。
【0076】
建造物の壁面に構成する表示装置の場合、表示モジュールが故障したとき、表示モジュールを交換して修理するなどのメンテナンスは、前面から行う必要がある。ここでは、モジュール間の継ぎ目部分に表示装置の前面からアクセス可能な表示モジュールの着脱に必要な機構部品を備えることで、容易な交換作業を実現できる。大型表示装置では、一般に表示モジュール間の継ぎ目が目立ち難いように、継ぎ目の幅が最小となるように設計される。例えば、特許文献2では、表示デバイスを重ねて配置し、電極の引き出し部分を目立ち難くする例があるが、パネルに連結ピンを設けるなど、パネルの固定方法に問題がある。本実施の形態のように、表示装置をビル等の壁に取り付けてに使用する用途では、十分な視距離が確保されることから、画質に対する継ぎ目の影響は小さいことから、継ぎ目部分を利用して、表示モジュールxxをモジュール取付フレーム100に前面から確実に強固に固定し、かつ容易に着脱することができる。
【0077】
図19では、まず、係合子xx6と係合子100H2との係合により表示モジュールxxを壁面に装着のモジュール取付フレーム100に容易に着脱できるように取り付ける。さらに強風に対して十分な強度を確保するためにネジ部品xx8,xx9による表示モジュールxxの相互ネジ止めで強固にモジュール取付フレーム100に表示モジュールxxを固定する。
【0078】
実施の形態11.
以下この発明の実施の形態11を図20によって説明する。図20は大型表示装置において表示モジュールを組み込む前の状態の特に表示モジュールの固定手段の他の事例を更に拡大して一部を断面で示す一部断面縦断右側面図である。図20において、前述の図1〜図19と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図19と異なる点を主体に説明する。
【0079】
図20は、前記特許文献2に記載されているように、各表示モジュールxxを傾斜させて、相隣るパネル状表示デバイスxx1,xx1の一部を重ねて配置し、両パネル状表示デバイスxx1,xx1の重なり部分の隙間から操作可能なモジュールの着脱機構を備えた例である。この実施の形態では、図20(a)に例示するインターロック機構付の着脱部品(取り付け手段)xx10を備え、この部分に隣接して図20(b)に例示するネジによる締め付け部品(取り付け手段)xx11を設けてある。このような二重の着脱機構を備えることで、パネルを互いに重ねて配置する構造においても、容易なメンテナンスと高い信頼性を実現することができる。なお、前記着脱部品xx10および前記締め付け部品xx11は前記特許文献2に記載のものと同じでよいのでその具体的構造及び動作の説明は割愛する。
【0080】
実施の形態12.
以下この発明の実施の形態12を図21によって説明する。図21は他の大型表示装置の事例の分解組立図であり、その(a)は防水フレームを分解した状態で示す正面図、(b)は表示画面部の正面図、(c)は防水フレームを表示画面部の外周に組み付けた状態を示す正面図である。図21において、前述の図1〜図20と同一または相当部分には同一符号を付してある。以下、前述の図1〜図20と異なる点を主体に説明する。
【0081】
前述のこの発明の実施の形態1における表示装置1は、表示モジュールxxを、十分な強度を有する表示装置取付構造物6に事前に固定されたフレーム1fに組み込んで構成する。このような表示モジュールの組み込みの場合と同様に、表示画面10の組立時に周辺に組立式の枠体10fを装着することができる。従来のフレームが、図22に示すように、表示装置としての意匠を決定していたのに対し、本実施の形態12では、表示画面10の周辺に、複数個の枠体構成素体10feで構成される組立式の枠体10fを装着する事例である。組立式の枠体10fは、軽量でしかも任意の意匠を形成することができる。特に、表示装置設置後に枠体10fのみを変更することも可能である。これにより表示装置1の意匠を任意に変更することもできる。
【符号の説明】
【0082】
1 表示装置、
10f 枠体、
10fe 枠体構成素体、
11,12,・・・1n 表示モジュール、
21,22,・・・2n 表示モジュール、
m1,m2,・・・mn 表示モジュール、
xx 表示モジュール、
xx5 電源、
xx10 インターロック機構付の着脱部品(取り付け手段)、
xx11 ネジによる締め付け部品(取り付け手段)、
100VE1,100VE2,・・・100VEn 梯子状フレーム、
100HE1,100HE2,・・・100HEm 梯子状フレーム、
100IE,100IE,・・・100IE 額状フレーム、
100 モジュール取付フレーム、
100HPC 電源ケ−ブル、
100HSC 信号ケ−ブル、
1f 防水フレーム、
1IF LANインターフェース、
LANC LANケーブル、
13 メンテナンス扉、
2 表示コントローラ、
6 表示装置取付構造物、
61 脚部
63 支持体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置取付構造物に取り付けられた少なくとも一つのモジュール取付フレーム、
前記モジュール取付フレームに着脱自在に取り付けられ表示画面を構成する複数個の表示モジュール、
前記モジュール取付フレーム内が配線ルートとされ前記表示モジュールに可着脱に接続され前記表示モジュールに画像信号を送る信号ケ−ブル、
および前記モジュール取付フレーム内が配線ルートとされ前記表示モジュールに可着脱に接続され前記表示モジュールに電力を供給する電源ケ−ブル、
を備えた表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記モジュール取付フレームが格子状フレームでありそのビームに前記複数個の表示モジュールが着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記モジュール取付フレームが複数個の梯子状フレームで構成され、そのビームに前記複数個の表示モジュールが着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記モジュール取付フレームが複数個の額状フレームで構成され、これらの各額状フレームのビームに前記表示モジュールが着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の表示装置において、
前記表示装置取付構造物が取り付け架台であり、この取り付け架台上の複数個の支持体を介して前記取り付け架台に前記モジュール取付フレームが取り付けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置において、裏面側にメンテナンス扉が設けられ、当該メンテナンス扉を開けば表示装置内が裏面側に開放される
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の表示装置において、
前記表示装置取付構造物が建築物の壁であり、この壁の壁面に前記モジュール取付フレームが取り付けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか一に記載の表示装置において、
前記表示装置の前記表示画面全体の画像表示を制御する表示コントローラおよび電源装置の少なくとも一方が前記表示装置取付構造物に取り付けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れか一に記載の表示装置において、
前記表示モジュールの表示デバイスが、反射型表示デバイスである
ことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項8の何れか一に記載の表示装置において、
前記表示モジュールの表示デバイスが、コレステリック液晶である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか一に記載の表示装置において、
前記表示モジュールの各々がLANインターフェースを有し、
前記表示装置の前記表示画面全体の画像表示を制御する表示コントローラと、前記各表示モジュールのLANインターフェースとがLANケーブルで接続され、
前記表示コントローラから前記LANケーブルおよび前記LANインターフェースを介して前記各表示モジュールに画像制御信号が送られる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11の何れか一に記載の表示装置において、
前記各表示モジュールがその相対向する辺部の双方で前記モジュール取付フレームに着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の表示装置において、
前記相対向する辺部の何れか一方で、係合による取り付け手段により前記各表示モジュールの前記モジュール取付フレームへの取り付けが行われ、他方で、ネジ止めによる取り付け手段により前記各表示モジュールの前記モジュール取付フレームへの取り付けが行われている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項12に記載の表示装置において、
前記相対向する辺部の何れか一方で、嵌合係合による取り付け手段により前記各表示モジュールの前記モジュール取付フレームへの取り付けが行われ、他方で、インターロック係合による取り付け手段により前記各表示モジュールの前記モジュール取付フレームへの取り付けが行われている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項14に記載の表示装置において、
前記各表示モジュールの前記インターロック係合による取り付け手段と同じ側が、ネジ止めによる取り付け手段により前記モジュール取付フレームへの取り付けが行われていることを特徴とする表示装置。
【請求項16】
請求項1〜請求項15の何れか一に記載の表示装置において、前記複数個の表示モジュールで構成される表示画面の周囲を囲む枠体を有し、当該枠体がその周方向に配列された複数個の枠体構成素体で構成されている
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−253205(P2011−253205A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195832(P2011−195832)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【分割の表示】特願2005−326198(P2005−326198)の分割
【原出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】