説明

表示装置

【課題】外部機器の種類や接続に関係なく、外部機器のデータを容易に収集することが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】機器を制御し所定のデータを表示する表示部を有する制御装置のHMI機器として機能する表示装置であって、前記表示部を含んだ前記制御装置または前記表示部を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を画面上に表示する表示手段と、前記表示手段に表示されている前記画像の前記データの画像を含む任意の領域を指定するための領域指定手段と、前記領域指定手段によって指定された領域内の前記データの画像を文字認識して前記表示部が表示した前記データに変換する文字認識手段と、前記文字認識手段によって変換された前記データを内部記憶手段または外部記憶手段に転送するデータ転送手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御を行う制御装置のHMI(Human Machine Interface:ヒューマンマシンインターフェース)機器としての機能を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場等において制御対象であるアクチュエータ、インバータ又は温調計などのシーケンス制御を行うPLC(Programmable Logic Controller:プログラマブル(ロジック)コントローラ)は、PLCの動作状態を表示する表示装置に接続されている。
【0003】
そして、この表示装置は、グラフィック表示が可能なディスプレイ画面と、このディスプレイ画面に重ね合わされたタッチパネルとを備え、各PLCによる制御対象のシーケンス制御を実行中に、各PLCから読み取ったデータ内容を表示するとともに、各PLCに書き込むべきデータの設定入力を受け付ける。
【0004】
このディスプレイ画面の表示内容とタッチパネルにおける操作位置とはあらかじめプログラム(作画プログラム)によって対応付けられており、ディスプレイ画面により表示されるスイッチ、ボタン等の表示位置でタッチパネルに触れることによって、プログラムにより設定されている操作内容に応じた指示データを各PLCへ送信する。それゆえ、このような表示装置をプログラマブル表示装置ということもある。
【0005】
このような表示装置のディスプレイ画面は、例えばパソコン等の汎用コンピュータ上でオペレータ等により作成されて、その作成された画面データが表示装置に転送される。画面データとしては、例えばスイッチ、各種部品、ランプ、メータ、グラフ等の様々なアイテム(オブジェクト)が、任意の位置に配置されることで1つの画面として作成される。
【0006】
また、このような表示装置は、PLC等の外部機器にアクセスする場合、その外部機器とシリアル/イーサネット(登録商標)で通信しており、上述のようにして外部機器を監視および制御している。例えば、PLC等の外部機器のデータを取得する場合、外部機器に直接、または、間接的に接続(シリアル通信など)してデータを読み取っていた。
【0007】
図8は、従来の表示装置における外部機器の表示データの取り扱いを説明するための図である。
図8において、表示装置1は、データを表示するための表示部110を有する表示部付PLC100、および特に表示画面を有しないPLC200の双方と、それぞれ独立した通信プロトコルを使用した通信プログラムおよび専用の通信ケーブルを用いてシリアル/イーサネット(登録商標)通信している。
【0008】
そして、表示装置1が、表示部付PLC100が表示するデータをPLC200へ転送する場合も、それぞれの通信プログラムおよび通信ケーブルを用いている。
また、外部機器の表示装置に表示されるデータをキャプチャして取り込み、その取り込んだ表示データを画像解析して文字データに変換し、ネットワーク経由でセンタシステムに転送する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−175967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のような表示装置は、PLC等の外部機器が有するデータを取得するだけの場合であっても、そのデータ取得のために当該外部機器と接続する必要があり、さらには、当該外部機器が有する通信プロトコルを使用した通信プログラムおよび専用の通信ケーブルを用いる必要がある、という課題があった。すなわち、表示装置が複数の外部機器からデータを取得する場合には、その数だけの通信プログラムおよび通信ケーブルを用いて接続しなければならない、という課題があった。
【0011】
本発明は、上述のような実状に鑑みたものであり、外部機器の種類や接続に関係なく、外部機器のデータを容易に収集することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の表示装置は、機器を制御し所定のデータを表示する表示部を有する制御装置のHMI機器として機能する表示装置であって、前記表示部を含んだ前記制御装置または前記表示部を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を画面上に表示する表示手段と、前記表示手段に表示されている前記画像の前記データの画像を含む任意の領域を指定するための領域指定手段と、前記領域指定手段によって指定された領域内の前記データの画像を文字認識して前記表示部が表示した前記データに変換する文字認識手段と、前記文字認識手段によって変換された前記データを内部記憶手段または外部記憶手段に転送するデータ転送手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の表示装置は、前記領域指定手段が、前記画面上に配置されたタッチパネルに対する操作に応じて前記領域を一意に決定することが望ましい。
また、本発明の表示装置は、前記制御装置が、前記表示装置の設置場所との空気域が隔離された場所に設置されることが望ましい。
【0014】
また、本発明の表示装置は、前記データが、所定の計測機器が計測した計測値であることが望ましい。
また、本発明の表示装置は、前記外部記憶手段が、前記表示装置に接続される前記制御装置とは別の制御装置またはコンピュータに備えられることが望ましい。
【0015】
また、本発明の表示装置は、前記撮像手段は、前記表示装置とバスパワーを備える通信手段にて接続され、前記バスパワーにて駆動されることが望ましい。
また、本発明の表示装置は、前記撮像手段が、被写体を拡大または縮小して撮像する拡大縮小手段を備え、前記表示装置が、前記拡大縮小手段に拡大率または縮小率を与える指示手段をさらに備えることが望ましい。
【0016】
また、本発明の表示装置は、前記表示装置が、前記内部記憶手段または前記外部記憶手段の何れの格納先に転送するかを決定する格納先設定手段をさらに備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、外部機器の種類や接続に関係なく、外部機器のデータを容易に収集することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した表示装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明を適用した表示装置において実行される外部表示装置画像の取得を説明するための図である。
【図3】本発明を適用した表示装置においてデータ取得処理を実行させるための操作を説明するための図である。
【図4】本発明を適用した表示装置において実行されるデータの取得を説明するための図である。
【図5】予めメモリに格納される文字認識情報の例を示す図である。
【図6】文字認識をマクロで実行する場合のプログラム記述例を示す図である。
【図7】データ取得処理を実行する数の表を作画プログラムで作成する場合のイメージ例を示す図である。
【図8】従来の表示装置における外部機器の表示データの取り扱いを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した表示装置の構成例を示す図である。
図1において、表示装置1は、制御装置の監視や制御などを実行するための表示装置であって、機器を制御し所定のデータを表示する表示部を有する制御装置のHMI機器として機能する。表示装置1は、表示制御回路10、タッチパネル2、およびディスプレイ3を備える。表示制御回路10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、通信コントローラ14、タッチパネルコントローラ15、グラフィックコントローラ16、ビデオRAM17、およびカメラコントローラ19を備え、これらがバス18に接続されている。
【0020】
CPU11は、表示制御回路10の全体を制御する中央処理装置(演算プロセッサ)である。CPU11は、ROM12に格納されているシステムプログラムに従って所定の演算動作を行う。各種の演算結果はRAM13に適宜格納される。グラフィックコントローラ16は、前記RAM13に格納された演算結果をビデオRAM17上に展開し、このビデオRAM17内への書き込み内容に対応した表示をディスプレイ3にて行う。
【0021】
タッチパネル2に対する押圧操作による指示は、タッチパネルコントローラ15を介して取り込まれて解析される。これによりタッチパネル2を用いたユーザによる各種手動操作が実現される。また、通信コントローラ14は、不図示のPLC等の外部機器とのデータ送受信を制御する。カメラコントローラ19は、カメラ4による撮像を制御する。
【0022】
カメラ4は、バスパワーを備える通信手段を介して表示装置1と接続され、前記バスパワーにて駆動される。なお、データとは、制御対象であるアクチュエータ、インバータ又は温調計などで計測された計測値である。カメラ4は、被写体を拡大または縮小して撮像する機能を有しており、表示装置1から与えられた拡大率または縮小率の指示に基づいて、被写体を拡大して撮像したり縮小して撮像したりする。
【0023】
本発明を実現するためのデータ取得プログラムは、ROM12に格納されており、CPU11によって読み出されることによりデータ取得処理が実行され、カメラ4で撮像した画像からデータを取得する。
【0024】
なおデータ取得プログラムを格納するメモリは、ROM12に限らず、例えばフラッシュメモリ等を用いても良い。
図2は、本発明を適用した表示装置において実行される外部表示装置画像の取得を説明するための図である。
【0025】
図2において、表示装置1は、カメラ4と接続され、データを表示するための表示部110を有する表示部付PLC100または表示部110のみを撮像する。そして、表示装置1は、ディスプレイ3に撮像した表示部付PLC100または表示部110の画像を表示する。なお、表示部付PLC100は、表示装置1の設置場所との空気域が隔離された場所に設置されることがある。
【0026】
また、表示装置1は、シリアル回線、又は、イーサネット(登録商標)回線などを介して、他の表示部付PLC250または他のPLC150に接続している。そして、表示装置1は、表示部付PLC100の表示部110に表示されているデータを、表示装置1の内部メモリや表示部付PLC100以外の他の表示部付PLC150や他のPLC250、又は、上位サーバPCであるサーバ300へ送信することでサンプリングを行う。
【0027】
次に、データ取得プログラムによって実行されるデータ取得処理について説明する。なお、以下の説明では、表示部110を有する表示部付PLC100をカメラ4が撮像する例で説明するが、表示部110のみの撮像の場合でも同様である。
【0028】
図3は、本発明を適用した表示装置においてデータ取得処理を実行させるための操作を説明するための図であり、図4は、本発明を適用した表示装置において実行されるデータの取得を説明するための図である。
【0029】
表示装置1は、カメラ4で撮像した表示部付PLC100の画像を前記ディスプレイ3の画面上に表示する。
ここで、ユーザは、図3(A)に示すように、ディスプレイ3に表示された認識指示ボタン30を、ユーザの指等の指示手段20で指示する。この指示は、ディスプレイ3上に配置されたタッチパネル2に対する押圧指示として、タッチパネルコントローラ15を介して取り込まれて解析される。
【0030】
次に、ユーザは、ディスプレイ3に表示されている画面のうち保存したい領域を指定する。例えば、次のようにして領域を指定する。
本実施の形態では、図3中に示されている文字「100」を含む領域を、保存したい領域の例として説明する。
【0031】
ユーザは、まず、図3(B)に示すように、表示装置1のディスプレイ3に表示されている文字「100」の左上の座標を、始点として指示手段(ユーザの指)20で押圧することにより指示する。この指示も、タッチパネルコントローラ15を介して取り込まれて解析される。
【0032】
次に、ユーザは、指である指示手段20をディスプレイ3に押圧したまま、図3(C)に示すように、表示装置1のディスプレイ3に表示されている文字「100」の右下まで移動させる。
【0033】
そして、図3(D)に示すように、文字「100」の右下の位置で指示手段20を離すことにより、その座標を終点として指示する。この指示も、タッチパネルコントローラ15を介して取り込まれて解析される。
【0034】
このようにして指示された始点と終点に基づいて、これらを対向頂点として形成される矩形を生成し、これを保存したい領域である指定領域25として切り出す。
そして、表示装置1は、指定領域25に対して文字認識処理を実行し、図4に示すように、文字認識された認識データ「100」を取得する。
【0035】
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に係らずその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、表示装置1が上述したようなプログラマブル表示装置である場合、文字認識を行う認識範囲や認識結果を格納する情報の指定方法は、タッチパネル付きの表示装置1、又は、それに接続する制御機器装置上のメモリで指定可能である。
【0036】
図5は、予めメモリに格納される文字認識情報の例を示す図である。
図5において、「認識開始位置:横座標」と「認識開始位置:縦座標」とによって定まる座標が、図3(B)に例示した、指示手段20で押圧することにより指示した始点に相当する。また、図5の「認識開始位置:横座標」及び「認識範囲長さ:横方向」並びに「認識開始位置:縦座標」及び「認識範囲長さ:縦方向」によって定まる座標が、図3(D)に例示した、指示手段20を離すことにより指示した終点に相当する。そして、図5の「認識結果格納先情報」としては、文字認識したデータを表示装置1の「内部メモリ」に格納するのか、表示部付PLC100とは別のPLCである外部機器が備える「PLCメモリ」に格納するのかを示す情報、その認識データの「データサイズ」や「データタイプ」、格納先の「メモリアドレス」を予め定めておく。
【0037】
格納されたデータは、表示装置1の内部メモリに解析データ(ロギングデータ)として時系列に保存されたり、他の表示部付PLC150や他のPLC250にシーケンス制御させるためのI/Oデータとして転送されたりする。また、データが上位のサーバ300に転送されることで、例えば生産現場の管理データとして扱うことができる。
【0038】
そして、このように文字認識情報として始点及び終点等を予め定めておくことにより、文字認識処理を、タッチパネル付きの表示装置1で実行可能なマクロ(プログラム)で行うことが可能となる。
【0039】
図6は、文字認識をマクロで実行する場合のプログラム記述例を示す図である。
図6に示したプログラム記述例は、表示装置1の画面上の座標(100,50)から横方向に「80」ドット、縦方向に「20」ドットの範囲で認識した「1WORD」のデータを「数値」データとして、表示装置1の「内部メモリ」の「アドレス1000番地」に格納する例である。
【0040】
また、作画プログラムにより、上述のデータ取得処理を行う数の分だけ予め表を作成しておくことも可能である。作画プログラムは、ディスプレイ3の画面の表示内容とタッチパネル2における操作位置とをあらかじめ対応付けたプログラムであり、ディスプレイ3の画面により表示されるスイッチ、ボタン等の表示位置でタッチパネル2に触れることによって、プログラムにより設定されている操作内容を実行する。
【0041】
図7は、データ取得処理を実行する数の表を作画プログラムで作成する場合のイメージ例を示す図である。
図7に示した作画画面70において、作成した4×4の表内の個々のセルに、文字認識を行った結果を格納する設定を行う。なお、表の作成時には、各セルにデフォルトの値が設定されている。
【0042】
認識結果格納先情報設定画面73では、認識データの「データタイプ」や「データサイズ」、格納先のメモリが「内部メモリ」であるのか、他の表示部付PLC150や他のPLC250が備える「PLCメモリ」であるのか、および格納先の「メモリアドレス」を設定する。
【0043】
また、スイッチ情報設定画面72では、認識結果格納先情報設定画面73で設置したセルのID(文字認識表ID)に対応させて「データ格納」のスイッチを設定する。すなわち、「データ格納」のスイッチなど、画面上に配置したアイテムに上記作成した表と文字認識をリンクすることで、スイッチが押された場合に、表内の文字認識を実行して認識したデータを格納する。この格納されたデータは、上述同様、表示装置1の内部メモリに解析データ(ロギングデータ)として時系列に保存されたり、他の表示部付PLC150や他のPLC250にシーケンス制御させるためのI/Oデータとして転送されたりする。また、データが上位のサーバ300に転送されることで、例えば生産現場の管理データとして扱うことができる。
【0044】
なお、このような表は、上述したマクロプログラムでも作成可能である。
以上、説明してきた本発明の実施の形態は、表示装置の一機能としてハードウェアまたはDSP(Digital Signal Processor)ボードやCPUボードでのファームウェアもしくはソフトウェアにより実現することができる。
【0045】
また、本発明が適用される表示装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0046】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、表示装置に供給し、その表示装置のコンピュータがプログラムを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0047】
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0048】
プログラムを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0049】
また、コンピュータ(情報処理装置)がメモリ上に読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0050】
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0051】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
以上説明したように、本発明によって外部機器の種類や接続に関係なく、外部機器のデータを容易に収集することが可能な表示装置が提供される。
【0052】
例えば、従来はシステム増設のための配線が困難であったクリーンルームや有毒ガスを含む危険区域(すなわち、空気域が隔離された場所)などに設置された機器の計測値を、例えば透明な窓越もしくは穴越にスポット的に撮像することで安全でかつ容易にシステムを構築/増設することができる。
【0053】
また、対象の機器までの距離が長く、ケーブルコストが高額になるような場所に設置された機器の計測値を拡大(光学的拡大、もしくはデジタル的に拡大する)して撮像し文字認識すれば、ケーブルコストの削減に繋がるとともに上述の如くシステムの構築/増設が極めて容易になる。
【0054】
また、例えば、所定の解析を行ためにシステムをデバッグするとき、デバッグ環境を簡単に構築して機器データのログを残すことができるので、貧雑なデバッグ環境の構築作業を軽減できる。
【符号の説明】
【0055】
1 表示装置
2 タッチパネル
3 ディスプレイ
4 カメラ
10 表示制御回路
11 CPU(Central Processing Unit)
12 ROM(Read Only Memory)
13 RAM(Random Access Memory)
14 通信コントローラ
15 タッチパネルコントローラ
16 グラフィックコントローラ
17 ビデオRAM
18 バス
19 カメラコントローラ
20 指示手段(ユーザの指)
25 指定領域
30 認識指示ボタン
40 撮像画像
50 認識データ
70 作画画面
71 文字認識表
72 スイッチ情報設定画面
73 認識結果格納先情報設定画面
100 表示部付PLC
110 表示部
150 他の表示部付PLC
200 PLC
250 他のPLC
300 サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を制御し所定のデータを表示する表示部を有する制御装置のHMI機器として機能する表示装置であって、
前記表示部を含んだ前記制御装置または前記表示部を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を画面上に表示する表示手段と、
前記表示手段に表示されている前記画像の前記データの画像を含む任意の領域を指定するための領域指定手段と、
前記領域指定手段によって指定された領域内の前記データの画像を文字認識して前記表示部が表示した前記データに変換する文字認識手段と、
前記文字認識手段によって変換された前記データを内部記憶手段または外部記憶手段に転送するデータ転送手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記領域指定手段は、前記画面上に配置されたタッチパネルに対する操作に応じて前記領域を一意に決定することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記表示装置の設置場所との空気域が隔離された場所に設置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記データは、所定の計測機器が計測した計測値であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記外部の記憶手段は、前記表示装置に接続される前記制御装置とは別の制御装置またはコンピュータに備えられること特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記撮像手段は、前記表示装置とバスパワーを備える通信手段にて接続され、前記バスパワーにて駆動されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記撮像手段は、被写体を拡大または縮小して撮像する拡大縮小手段を備え、
前記表示装置は、前記拡大縮小手段に拡大率または縮小率を与える指示手段をさらに備えること特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示装置は、前記内部記憶手段または前記外部記憶手段の何れの格納先に転送するかを決定する格納先設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。


【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−18541(P2012−18541A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155203(P2010−155203)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(591016253)発紘電機株式会社 (23)
【Fターム(参考)】