説明

表示装置

【課題】映像線駆動回路内に表示制御回路を内蔵することにより、部品点数を削減した表示装置を提供する。
【解決手段】各映像線駆動回路はバス接続され、前記複数の映像線駆動回路の中の1つの映像線駆動回路は、マスタの映像線駆動回路として動作し、前記複数の映像線駆動回路の中の前記マスタの映像線駆動回路以外の映像線駆動回路はスレーブの映像線駆動回路として動作し、前記各映像線駆動回路の前記表示制御回路は、前記表示制御回路の設定値を保持するレジスタを有し、前記表示装置の起動時に、前記レジスタに対して、外部メモリから前記表示制御回路の設定値を書き込むことが可能であり、前記表示装置の起動時に、前記レジスタに対して、前記外部メモリから前記表示制御回路の設定値を書き込む際に、前記マスタの映像線駆動回路から最終の前記スレーブの映像線駆動回路まで順番に前記外部メモリにアクセスし、前記レジスタに前記設定値を書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、特に、表示制御回路(タイミングコントローラともいう)を内蔵した映像線駆動回路(ドレインドライバ、ソースドライバともいう。)を備える液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブ素子として薄膜トランジスタを使用するTFT方式の液晶表示モジュールは高精細な画像を表示できるため、テレビ、パソコン用ディスプレイ等の表示装置として使用されている。特に、小型のTFT方式の液晶表示装置は、携帯電話機の表示部として多用されている。
一般に、液晶表示モジュールでは、隣接する2本の走査線(ゲート線ともいう。)と、隣接する2本の映像線(ソース線またはドレイン線ともいう。)とで囲まれる領域に、走査線からの走査信号によってオンする薄膜トランジスタと、映像線からの映像信号が薄膜トランジスタを介して供給される画素電極とが形成されて、所謂、サブピクセルが構成される。
これら複数のサブピクセルが形成された領域が表示領域であり、当該表示領域を囲んで周辺領域が存在する。周辺領域には、各映像線に映像電圧(階調電圧)を供給するドレインドライバ(ソースドライバともいう。)、及び各走査線に走査電圧を供給するゲートドライバが設けられる。
ドレインドライバおよびゲートドライバには、表示制御回路(タイミングコントローラともいう)から表示制御信号が入力され、ドレインドライバおよびゲートドライバは、表示制御回路により制御・駆動される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、ドレインドライバは、液晶表示パネルの一方の辺(長辺)側に配置され、ゲートドライバは、液晶表示パネルの他方の辺(短辺)側に配置される。ここで、ドレインドライバ、およびゲートドライバは、例えば、COG方式によりガラス基板上に実装される。また、表示制御回路は、別のプリント配線基板上に実装され、例えば、液晶表示モジュールの裏側などに配置される。
他方、液晶表示モジュールの低コスト化が従来より要望されていたが、近年、さらなる低コスト化が要望されている。この低コスト化を図るための手法の一つとして、部品点数の削減が挙げられる。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、映像線駆動回路内に表示制御回路を内蔵することにより、部品点数を削減した表示装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)複数の画素と、前記複数の画素に映像電圧を入力する複数の映像線とを有する表示パネルと、前記複数の映像線に映像電圧を供給する複数の映像線駆動回路とを備える表示装置であって、前記各映像線駆動回路は、表示制御回路を有し、前記各映像線駆動回路はバス接続され、前記複数の映像線駆動回路の中の1つの映像線駆動回路は、マスタの映像線駆動回路として動作し、前記複数の映像線駆動回路の中の前記マスタの映像線駆動回路以外の映像線駆動回路はスレーブの映像線駆動回路として動作する。
(2)(1)において、前記各映像線駆動回路は、マスタ/スレーブ切り替え端子(MST)に入力される電圧レベルが第1電圧レベルの時にマスタの映像線駆動回路として動作し、前記マスタ/スレーブ切り替え端子(MST)に入力される電圧レベルが前記第1電圧レベルとは異なる第2電圧レベルの時にスレーブの映像線駆動回路として動作する。
【0005】
(3)(1)または(2)において、前記マスタの映像線駆動回路は、クロック発振回路を有し、前記スレーブの映像線駆動回路には、前記マスタの映像線駆動回路の前記クロック発振回路からのクロックが入力される。
(4)(1)ないし(3)の何れかにおいて、前記複数の映像線駆動回路は、前記表示パネルの第1の辺側に直列に配置され、前記直列に配置された前記複数の映像線駆動回路の先頭が、前記マスタの映像線駆動回路であり、次段以降が前記スレーブの映像線駆動回路である。
【0006】
(5)(1)ないし(4)の何れかにおいて、前記表示パネルは、前記複数の画素に走査電圧を入力する複数の走査線を有し、前記複数の走査線に走査電圧を供給する少なくとも1個の走査線駆動回路を備え、前記各映像線駆動回路は、前記少なくとも1個の走査線駆動回路を制御する走査線駆動回路制御信号を出力する複数の走査制御端子を有し、前記マスタの映像線駆動回路は、前記複数の走査制御端子から、前記少なくとも1個の走査線駆動回路に対して、前記走査線駆動回路制御信号を出力する。
(6)(5)において、前記複数の走査制御端子は、前記各映像線駆動回路の長手方向の左右両側に配置され、前記各映像線駆動回路は、走査制御端子選択端子(GLR)に入力される電圧レベルが第1電圧レベルの時に左側に配置された前記複数の走査制御端子から前記少なくとも1個の走査線駆動回路に対して前記走査線駆動回路制御信号を出力し、走査制御端子選択端子(GLR)に入力される電圧レベルが前記第1電圧レベルとは異なる第2電圧レベルの時に右側に配置された前記複数の走査制御端子から前記少なくとも1個の走査線駆動回路に対して前記走査線駆動回路制御信号を出力する。
(7)(5)または(6)において、前記少なくとも1個の走査線駆動回路は、前記表示パネルの第1の辺と隣接する第2の辺側に配置される。
【0007】
(8)(1)ないし(7)の何れかにおいて、前記各映像線駆動回路の前記表示制御回路は、前記表示制御回路の設定値を保持するレジスタを有し、前記表示装置の起動時に、前記レジスタに対して、外部メモリから前記表示制御回路の設定値を書き込むことが可能である。
(9)(8)において、前記表示装置の起動時に、前記レジスタに対して、前記外部メモリから前記表示制御回路の設定値を書き込む際に、前記マスタの映像線駆動回路から最終の前記スレーブの映像線駆動回路まで順番に前記外部メモリにアクセスし、前記レジスタに前記設定値を書き込む。
【発明の効果】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明の表示装置によれば、映像線駆動回路内に表示制御回路を内蔵することにより、部品点数を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例の液晶表示モジュールの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すドレインドライバの概略内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例のドレインドライバの配置例を示す図である。
【図4】本発明の実施例のドレインドライバの他の配置例を示す図である。
【図5】本発明の実施例のドレインドライバの他の配置例を示す図である。
【図6】本発明の実施例のドレインドライバの他の配置例を示す図である。
【図7】従来の液晶表示モジュールの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を液晶表示モジュールに適用した実施例を図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[従来の液晶表示モジュールの構成]
始めに、従来の液晶表示モジュールについて簡単に説明する。
図7は、従来の液晶表示モジュールの概略構成を示すブロック図である。
図7に示す液晶表示モジュールは、液晶表示パネル1、ドレインドライバ2、ゲートドライバ3、表示制御回路4、電源回路5で構成される。
ドレインドライバ2と、ゲートドライバ3は、表示パネル1の周辺部に設置される。例えば、ドレインドライバ2と、ゲートドライバ3は、液晶表示パネル1の一対の基板の第1の基板(例えば、ガラス基板)の2辺の周辺部に、それぞれCOG方式で実装される。あるいは、ドレインドライバ2と、ゲートドライバ3は、液晶表示パネル1の第1の基板の2辺の周辺部に配置されるフレキシブル回路基板に、それぞれCOF方式で実装される。
また、表示制御回路4と、電源回路5は、液晶表示パネル1の周辺部(例えば、液晶表示モジュールの裏側)に配置される回路基板にそれぞれ実装される。
【0011】
表示制御回路4は、グラフィックプロセッサユニット(GPU)8から入力する表示信号を、データの交流化等、液晶表示パネル1の表示に適したタイミング調整を行い、表示形式の表示データに変換して同期信号(クロック信号)と共にドレインドライバ2、ゲートドライバ3に入力する。
ゲートドライバ3は、表示制御回路4の制御の基に走査線(ゲート線ともいう;GL)に選択走査電圧を順次供給し、また、ドレインドライバ2は、映像線(ドレイン線、ソース線ともいう;DL)に映像電圧を供給して映像を表示する。電源回路5は液晶表示装置に要する各種の電圧を生成する。
液晶表示パネル1は、複数のサブピクセルを有し、各サブピクセルは、映像線(DL)と走査線(GL)とで囲まれた領域に設けられる。
各サブピクセルは、薄膜トランジスタ(TFT)を有し、薄膜トランジスタ(TFT)の第1の電極(ドレイン電極またはソース電極)は映像線(DL)に接続され、薄膜トランジスタ(TFT)の第2の電極(ソース電極またはドレイン電極)は画素電極(PX)に接続される。また、薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極は、走査線(GL)に接続される。
なお、図7において、CLは、画素電極(PX)と対向電極(CT)との間に配置される液晶層を等価的に示す液晶容量であり、Caddは、画素電極(PX)と対向電極(CT)との間に形成される保持容量である。
【0012】
図7に示す液晶表示パネル1において、列方向に配置された各サブピクセルの薄膜トランジスタ(TFT)の第1の電極は、それぞれ映像線(DL)に接続され、各映像線(DL)は列方向に配置されたサブピクセルに、表示データに対応する映像電圧を供給するドレインドライバ2に接続される。
また、行方向に配置された各サブピクセルにおける薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極は、それぞれ走査線(G)に接続され、各走査線(G)は、1水平走査時間、薄膜トランジスタ(TFT)のゲートに走査電圧(正または負のバイアス電圧)を供給するゲートドライバ3に接続される。
液晶表示パネル1に画像を表示する際、ゲートドライバ3は、走査線(GL)を、順次、例えば、上から下に向かって選択し、一方、ある走査線の選択期間中に、ドレインドライバ2は、表示データに対応する映像電圧を、映像線(DL)に供給する。
映像線(DL)に供給された電圧は、薄膜トランジスタ(TFT)を経由して、画素電極(PX)に印加され、最終的に、保持容量(Cadd)と、液晶容量(CL)に電荷がチャージされ、液晶分子をコントロールすることにより画像が表示される。
【0013】
液晶表示パネル1は、画素電極(PX)、薄膜トランジスタ(TFT)等が形成される第1の基板と、カラーフィルタ等が形成される第2の基板とを、所定の間隙を隔てて重ね合わせ、該両基板間の周縁部近傍に枠状に設けたシール材により、両基板を貼り合わせると共に、シール材の一部に設けた液晶封入口から両基板間のシール材の内側に液晶を封入、封止し、さらに、両基板の外側に偏光板を貼り付けて構成される。
なお、対向電極(CT)は、TN方式やVA方式の液晶表示パネルであれば第2の基板側に設けられる。IPS方式の場合は、第1の基板側に設けられる。
また、本発明は、液晶パネルの内部構造とは関係がないので、液晶パネルの内部構造の詳細な説明は省略する。さらに、本発明は、どのような構造の液晶パネルであっても適用可能である。
【0014】
[実施例]
図1は、本発明の実施例の液晶表示モジュールの概略構成を示すブロック図である。
図1において、40は表示制御回路であり、本実施例の液晶表示モジュールは、図7に示す表示制御回路4を、それぞれのドレインドライバ(本発明の映像線駆動回路)に内蔵したことを特徴とする。
本実施例のように、ドレインドライバ(2a〜2c)のそれぞれに、表示制御回路40を内蔵すると、それぞれのドレインドライバに内蔵された各表示制御回路40の同期を取る必要が生じる。そこで、本実施例では、複数のドレインドライバの中の1つのドレインドライバをマスタのドレインドライバ(図1では、2aで示すドレインドライバ)として動作させ、それ以外のドレインドライバをスレーブのドレインドライバ(図1では、2b、2cで示すドレインドライバ)として動作させる。
マスタのドレインドライバ2aは、自走用クロックを生成し、スレーブのドレインドライバ(2b,2c)には、マスタのドレインドライバ2aで生成された自走用クロックが入力される。これにより、マスタのドレインドライバ2aも、スレーブのドレインドライバ(2b,2c)も同期して動作することが可能となる。
また、マスタのドレインドライバ2aからゲートドライバ制御信号6が先頭のゲートドライバ3に入力され、ゲートドライバデータ転送信号7により、先頭のゲートドライバ3から後段のゲートドライバ3に対して、ゲートドライバ制御信号が転送される。
【0015】
図2は、図1に示すドレインドライバ(2a〜2c)の概略内部構成を示すブロック図である。図2において、20は映像線駆動部、40は表示制御回路である。
映像線駆動部20は、ビットラッチ回路21と、ラインラッチ回路22と、デコーダ回路23と、アンプ回路・スイッチ回路24とで構成される。
ビットラッチ回路21は、表示制御回路40から出力される、表示データラッチ用クロック(CL2)に同期して、外部から入力される表示データを順次ラッチする。
ラインラッチ回路22は、表示制御回路40から出力される、出力タイミング制御用クロック信号(CL1)に基づき、ビットラッチ回路21にラッチされている表示データをラッチし、デコーダ回路23に出力する。
デコーダ回路23には、例えば、正極性および負極性の64階調の階調電圧が入力され、デコーダ回路23は、ラインラッチ回路22から入力される表示データに対応した階調電圧を選択して、アンプ回路・スイッチ回路24に入力する。
アンプ回路・スイッチ回路24は、デコーダ回路23から入力された階調電圧を、アンプ回路で電流増幅し、対応する映像線(Y1〜Y480)に出力する。
【0016】
ドレインドライバ(2a〜2c)には、V0〜V4の正極性の階調基準電圧と、V5〜V9の負極性の階調基準電圧が入力される。
正極性の階調電圧生成回路25は、正極性の階調基準電圧(V0〜V4)に基づき、例えば、64階調の正極性の階調基準電圧を生成し、デコーダ回路23に入力する。また、負極性の階調電圧生成回路26は、負極性の階調基準電圧(V5〜V9)に基づき、例えば、64階調の負極性の階調基準電圧を生成し、デコーダ回路23に入力する。
表示制御回路40は内部にレジスタ41を有し、起動時にレジスタ41に、外部メモリであるEEPPROM45から表示制御回路40の設定値(例えば、駆動方式、VHSYNC/HSYNCの極性、垂直有効数、水平有効数、垂直ブランク期間マージンなど)を読み込むことが可能である。
また、ドレインドライバ(2a〜2c)は、外付けの抵抗(R)とコンデンサ(C)とを用いる発振回路43と、内部リングオシレータ42と備える。
なお、図2において、VLCD−AGNDは、液晶駆動用の電圧、VDD−GNDは、ロジック回路用の電源電圧である。
【0017】
以下、図2に示す端子の説明を兼ねて、本実施例のドレインドライバ(2a〜2c)について説明する。
図2に示すOSCSEL端子には、自走用クロックとして、外付けの抵抗(R)とコンデンサ(C)とを用いる発振回路43の出力を用いるか、または、内部リングオシレータ42の出力を用いるかを選択する信号が入力される。
OSCSEL端子に入力される信号が、Lowレベル(以下、Lレベルという)の電圧(ここでは、GND)の時に、自走用クロックとして、外付けの抵抗(R)とコンデンサ(C)とを用いる発振回路43の出力を使用し、OSCSEL端子に入力される信号が、Highレベル(以下、Hレベルという)の電圧(ここでは、VDD)の時に、自走用クロックとして、内部リングオシレータ42の出力を使用する。
マスタのドレインドライバ2aのOSCIN端子には、下記表(1)に示す使用形態に合わせて、外付けの抵抗(R)、あるいは、Lレベルが接続される。
また、スレーブのドレインドライバ(2b、2c)のOSCIN端子は、マスタのドレインドライバ2aのOSCNXT端子に接続され、スレーブのドレインドライバ(2b、2c)は、マスタのドレインドライバ2aが出力するクロックを自走用クロックとして使用する。
【0018】
【表1】

【0019】
図2に示すMST端子には、マスター/スレーブ切替信号が入力される。MST端子に、Lレベルの電圧が入力されたときに、ドレインドライバは、マスタのドレインドライバとして動作し、また、MST端子に、Hレベルの電圧が入力されたときに、スレーブのドレインドライバとして動作する。
LOC端子には、カスケード接続されたドレインドライバの中で、最終のドレインドライバであることを認識するための信号が入力される。LOC端子に入力される信号は、主に最終段のEIO出力端子を、ハイインピーダンス(以下、Hi−Zという)にするために使用される。このLOC端子に、Hレベルの電圧が入力されたとき、ドレインドライバは、自分が最終のドレインドライバであることを認識する。
VSYNC端子には、垂直同期信号が入力され、また、HSYNC端子には、水平同期信号が入力され、さらに、DTMG端子には、ディスプレイタイミング信号(水平表示データイネーブル)が入力される。
DCLK端子には、データ転送クロックが入力され、このデータ転送クロックの立ち下りエッジで、表示データが取り込まれる。
SYNC端子には、駆動方式を選択する信号が入力され、SYNC端子に入力される信号に応じて、下記表(2)に示すような駆動方式となる。
なお、駆動方式(EXSY)の値は、外部メモリを構成するEEPROM45に設定することができる。駆動方式(EXSY)のデフォルト値は、「0」である。
【0020】
【表2】

【0021】
図2に示すRSCAN3端子には、表示回転機能を選択する信号が入力される。RSCAN3端子に入力される信号が、Lレベルの時に表示回転モードとなり、Hレベルの時に通常出力モードとる。
EIO1端子、EIO2端子は、スタートパルスの入出力端子である。入出力方向(Hi−Z含)は、MST端子、LOC端子、GLR端子、SUD端子、RSCAN3端子に入力される信号に応じて決定される。
STH端子は、マスタのドレインドライバ2aの場合、スタートパルスの出力端子となる。マスタのドレインドライバ2aにおける、STH端子は、スレーブのドレインドライバ(2b,2cのEIO1端子、またはEIO2端子に接続される。
RESETN端子には、リセット信号が入力される。RESETN端子に入力される信号が、Lレベルのときリセットとなり、RESETN端子に入力される信号の、Hレベルを検出した後、ドレインドライバは起動シーケンスを開始する。
D2[5:0]、D1[5:0]、D0[5:0]の各端子には、グラフィックプロセッサユニット(GPU)8から赤、緑、青の表示データが入力される。ここでは、D2[5:0]は赤、D1[5:0]は緑、D0[5:0]は、青の表示データとなっている。
【0022】
図2に示すDIO1_L、DIO1_R、DIO2_L、DIO2_Rの各端子からは、ゲートドライバ3のスタート信号が出力される。マスタのドレインドライバ2aの場合、いずれかの端子の1つからスタート信号が出力され、残りの端子はHi−Zとなる。スレーブのドレインドライバ(2b,2c)の場合、いずれの端子も常にHi−Zとなる。
CL3_L,CL3_Rの各端子からは、ゲートドライバ3のデータシフトクロックが出力される。マスタのドレインドライバ2aの場合、いずれかの端子の1つから、データシフトクロックが出力され、残りの端子はHi−Zとなる。スレーブのドレインドライバ(2b,2c)の場合、いずれの端子も常にHi−Zとなる。
GSHL_L,GSHL_Rの各端子からは、ゲートドライバ3のシフト方向を選択する信号が出力される。マスタのドレインドライバ2aの場合、いずれかの端子の1つからゲートドライバ3のシフト方向を選択する信号が出力され、残りはHi−Zとなる。スレーブのドレインドライバ(2b,2c)の場合、いずれの端子も常にHi−Zとなる。
【0023】
GLR端子には、マスタのドレインドライバ2aの場合、左右のどちらからゲート制御信号を出力するかを選択する信号が入力される。また、マスタおよびスレーブのドレインドライバ(2a〜2c)に関わらず、MST端子、LOC端子、GLR端子、RSCAN3端子に入力される信号に応じて、ゲートドライバ3およびドレインドライバ(2a〜2c)のシフト方向が選択される。
SUD端子には、液晶表示パネルに対して、ドレインドライバ(2a〜2c)の配置位置を表す信号が入力される。SUD端子に入力される信号が、Lレベルの時、ドレインドライバ(2a〜2c)は液晶表示パネルの上側に配置され、Hレベルの時、ドレインドライバ(2a〜2c)は液晶表示パネルの下側に配置される。
PSIZE1、PSIZE0の各端子には、液晶表示パネルの解像度を選択する信号が入力される。本実施例では、PSIZE1、PSIZE0に入力される信号に応じて下記表(3)に示すような解像度となる。
【0024】
【表3】

【0025】
図2に示すSCL端子は、ICバスインターフェイスのシリアルクロック端子であり、SDA端子は、ICバスインターフェイスのシリアルアドレス/データ端子である。A[2:0]端子は、ICバスインターフェイスのスレーブアドレス端子である。
ROME端子には、起動シーケンス時にEEPROM25からデータを読み込むか否かを選択する信号が入力される。ROME端子に入力される信号が、Hレベルの時は起動シーケンス時にEEPROM25からデータを読み込む。
また、ROME端子に入力される信号が、Lレベルの時は、起動シーケンス時にEEPROM25からデータを読み込まない。この場合、内部レジスタ41は、液晶表示パネルのPSIZE[1:0]に従ったデフォルト値が利用される。
CKSUMOUT端子からは、EEPROM25の読込み完了を示す信号が出力される。この端子は、次段のドレインドライバのCKSUMIN端子とカスケード接続される。また、最終段のドレインドライバ2cのCKSUMOUT端子は、マスタのドレインドライバ2aのCKSUMIN端子に接続される。
これにより、マスタのドレインドライバ2aは、全ドレインドライバ(2a〜2c)が、EEPROM25からデータの読込みが完了したことを認識し、通常表示へ移行するタイミングを認識することができる。
【0026】
なお、CRCOFF端子に入力される信号が有効な場合は、レジスタ41内に取り込まれたデータをCRC−8チェックサムを計算し、一致した場合に、前述した動作となる。不一致を検出した場合、EEPROM25の再読込みを開始する。
CRCOFF端子には、EEPROM25から読込み、レジスタ41に格納したデータに対して、CRC−8チェックサム計算を無効にするための信号が入力される。CRCOFF端子に入力される信号が、Lレベルの時は、CRC−8チェックサムが有効となり、Hレベルの時は、CRC−8チェックサムが無効となる。
CKSUMIN端子には、次段のドレインドライバが、EEPROM25からデータを読込み開始タイミングを示す信号が入力される。CKSUMIN端子は、前段のドレインドライバのCKSUMOUT端子に接続される。
TEST1、TEST2の各端子は、テストモード用信号の入力端子、TIO[7:0]の端子はテストモード用信号の入出力端子である。
【0027】
図3ないし図6は、本実施例のドレインドライバの配置例を示す図である。
図3に示す配置例では、マスタのドレインドライバ2a、およびスレーブのドレインドライバ(2b,2c)は、液晶表示パネル1の上側に配置される。そのため、SUD端子には、L(GND)レベルが入力される。また、マスタのドレインドライバ2aの左側からゲート制御信号を出力するので、GLR端子には、H(VDD)レベルが入力される。また、RSCAN3端子には、Hレベルが入力される。
また、図3に示す矢印方向が通常のシフト方向であり、各ドレインドライバ(2a〜2c)のシフト方向は、映像線(Y480)から映像線(Y1)の方向となる。
そのため、スタートパルスの伝搬は、EIO2端子からEIO1端子の方向となるので、マスタのドレインドライバ2aのSTH端子は、マスタのドレインドライバ2aのEIO1端子に接続されるとともに、スレーブのドレインドライバ2cのEIO2端子に接続される。
【0028】
図4に示す配置例でも、マスタのドレインドライバ2a、およびスレーブのドレインドレインドライバ(2b,2c)は、液晶表示パネル1の上側に配置される。そのため、SUD端子には、Lレベルが入力される。また、マスタのドレインドライバ2aの右側からゲート制御信号を出力するので、GLR端子には、Lレベルが入力される。また、RSCAN3端子には、Hレベルが入力される。
また、図4に示す矢印方向が通常のシフト方向であり、各ドレインドライバ(2a〜2c)のシフト方向は、映像線(Y480)から映像線(Y1)の方向となる。
そのため、スタートパルスの伝搬は、EIO2端子からEIO1端子の方向となるので、マスタのドレインドライバ2aのSTH端子は、マスタのドレインドライバ2aのEIO2端子に接続されるとともに、スレーブのドレインドライバ2bのEIO1端子に接続される。
【0029】
図5に示す配置例では、マスタのドレインドライバ2a、およびスレーブのドレインドレインドライバ2bは、液晶表示パネル1の下側に配置される。そのため、SUD端子には、H(VDD)レベルが入力される。また、マスタのドレインドライバ2aの右側からゲート制御信号を出力するので、GLR端子には、L(GND)レベルが入力される。また、RSCAN3端子には、Hレベルが入力される。
また、図5に示す矢印方向が通常のシフト方向であり、各ドレインドライバ(2a〜2c)のシフト方向は、映像線(Y1)から映像線(Y480)の方向となる。
そのため、スタートパルスの伝搬は、EIO1端子からEIO2端子の方向となるので、マスタのドレインドライバ2aのSTH端子は、マスタのドレインドライバ2aのEIO2端子に接続されるとともに、スレーブのドレインドライバ2bのEIO1端子に接続される。
【0030】
図6に示す配置例でも、マスタのドレインドライバ2a、およびスレーブのドレインドレインドライバ(2b,2c)は、液晶表示パネル1の下側に配置される。そのため、SUD端子には、H(VDD)レベルが入力される。また、マスタのドレインドライバ2aの左側からゲート制御信号を出力するので、GLR端子には、Hレベルが入力される。また、RSCAN3端子には、Hレベルが入力される。
また、図6に示す矢印方向が通常のシフト方向であり、各ドレインドライバ(2a〜2c)のシフト方向は、映像線(Y1)から映像線(Y480)の方向となる。
そのため、スタートパルスの伝搬は、EIO1端子からEIO2端子の方向となるので、マスタのドレインドライバ2aのSTH端子は、マスタのドレインドライバ2aのEIO1端子に接続されるとともに、スレーブのドレインドライバ2cのEIO2端子に接続される。
以上説明したように、本実施例によれば、ドレインドライバ(2a〜2c)内に、表示制御回路40を内蔵することにより、部品点数を削減することができるので、コストを低減することが可能となる。
なお、前述までの説明では、本発明を液晶表示装置に適用した実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、例えば、有機EL表示装置などのサブピクセルを有する表示装置全般に適用可能であることはいうまでもない。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
1 液晶表示パネル
2 ドレインドライバ
2a マスタのドレインドライバ
2b,2c スレーブのドレインドライバ
3 ゲートドライバ
4,40 表示制御回路
5 電源回路
6 ゲートドライバ制御信号
7 ゲートドライバデータ転送信号
8 グラフィックプロセッサユニット(GPU)
20 映像線駆動部
21 ビットラッチ回路
22 ラインラッチ回路
23 デコーダ回路
24 アンプ回路・スイッチ回路
25 正極性の階調電圧生成回路
26 負極性の階調電圧生成回路
41 レジスタ
42 リングオシレータ
43 発振回路
45 EEPROM
GL 走査線(ゲート線)
DL 映像線(ドレイン線、ソース線)
TFT 薄膜トランジスタ
PX 画素電極
CT 対向電極
CL 液晶容量
Cadd 保持容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素と、前記複数の画素に映像電圧を入力する複数の映像線とを有する表示パネルと、
前記複数の映像線に映像電圧を供給する複数の映像線駆動回路とを備える表示装置であって、
前記各映像線駆動回路は、表示制御回路を有し、
前記各映像線駆動回路はバス接続され、
前記複数の映像線駆動回路の中の1つの映像線駆動回路は、マスタの映像線駆動回路として動作し、
前記複数の映像線駆動回路の中の前記マスタの映像線駆動回路以外の映像線駆動回路はスレーブの映像線駆動回路として動作し、
前記各映像線駆動回路の前記表示制御回路は、前記表示制御回路の設定値を保持するレジスタを有し、
前記表示装置の起動時に、前記レジスタに対して、外部メモリから前記表示制御回路の設定値を書き込むことが可能であり、
前記表示装置の起動時に、前記レジスタに対して、前記外部メモリから前記表示制御回路の設定値を書き込む際に、前記マスタの映像線駆動回路から最終の前記スレーブの映像線駆動回路まで順番に前記外部メモリにアクセスし、前記レジスタに前記設定値を書き込むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記各映像線駆動回路は、マスタ/スレーブ切り替え端子に入力される電圧レベルが第1電圧レベルの時にマスタの映像線駆動回路として動作し、前記マスタ/スレーブ切り替え端子に入力される電圧レベルが前記第1電圧レベルとは異なる第2電圧レベルの時にスレーブの映像線駆動回路として動作することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記マスタの映像線駆動回路は、クロック発振回路を有し、
前記スレーブの映像線駆動回路には、前記マスタの映像線駆動回路の前記クロック発振回路からのクロックが入力されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の映像線駆動回路は、前記表示パネルの第1の辺側に直列に配置され、
前記直列に配置された前記複数の映像線駆動回路の先頭が、前記マスタの映像線駆動回路であり、次段以降が前記スレーブの映像線駆動回路であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、前記複数の画素に走査電圧を入力する複数の走査線を有し、
前記複数の走査線に走査電圧を供給する少なくとも1個の走査線駆動回路を備え、
前記各映像線駆動回路は、前記少なくとも1個の走査線駆動回路を制御する走査線駆動回路制御信号を出力する複数の走査制御端子を有し、
前記マスタの映像線駆動回路は、前記複数の走査制御端子から、前記少なくとも1個の走査線駆動回路に対して、前記走査線駆動回路制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記少なくとも1個の走査線駆動回路は、前記表示パネルの第1の辺と隣接する第2の辺側に配置されることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−185520(P2012−185520A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138370(P2012−138370)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【分割の表示】特願2006−338711(P2006−338711)の分割
【原出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】