表示装置
【課題】本発明は予め複数の表示装置によって1つの画面を形成させることを考慮して、表示装置の額縁部分の幅を決定することで、複数の表示装置により形成されるマルチディスプレイの表示画面に於いても元画像のアスペクト比を保持し、画面を最大限有効に使用する表示装置を提供するものである。
【解決手段】複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイ表示装置であって、前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の垂直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の水平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有することを特徴とする。
【解決手段】複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイ表示装置であって、前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の垂直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の水平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチディスプレイ機能を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示装置として、例えばブラウン管表示装置や、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED:surface-conduction electron-emitter display)等の様々な方式の表示装置が提供されている。その中でも、近年特に薄型の表示装置としてプラズマディスプレイや液晶ディスプレイの低価格化、省電力化に伴い家庭への普及が進み、一般家庭での保有台数も増加している。
【0003】
このような薄型表示装置は、従来のブラウン管方式の表示装置と比べ、大きな設置スペースを必要としないため、例えば壁掛け設置等の従来設置不可能な場所への設置も可能であり、従来のテレビやビデオ視聴の用途以外に、デジタルフォトフレームや、デジタル絵画、デジタル伝言板、デジタルカレンダ等の新たな用途も生まれている。
【0004】
このような背景の中、複数の表示装置を用いて、それぞれの表示を関連付けして一つの画面として機能するマルチディスプレイが従来から提供されている。例えば、図15(a)に示す画像40を4分割し、同図(b)に示す4台の表示装置41〜44に拡大表示することが行われている。
【0005】
尚、特許文献1は複数の液晶パネル表示装置を使用した液晶マルチディスプレイの発明であり、液晶マルチディスプレイを構成する液晶表示装置の横個数データと縦個数データと、該液晶表示装置の配置位置を表す位置座標データを設定することで、入力表示データを拡大表示する液晶表示装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-330536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のマルチディスプレイでは、上記図15(b)に示すように元画像40に対して不自然な拡大画像となる。その理由は、各表示装置41〜44の額縁部(フレーム)にはスピーカ41a〜44aや、不図示の操作スイッチ等が設置されており、元画像40を単に4分割し、4台の表示装置41〜44に表示する場合、スピーカ41a〜44a等が配置された額縁部が拡大画像の中心部に位置し、元画像40が上下に広がった画像となるためである。
【0008】
一方、拡大画像を図15(a)に示す表示装置のアスペクト比P:Q(例えば16:9)に対応する補正を行うため、複雑なスケーリング処理を行い、更に額縁分の表示データを補正した場合、同図(c)に示すように、上下に非表示エリア41b〜44bが生成され、表示画面を有効に利用できない。また、デザイン的にも不自然なものとなる。
【0009】
本発明では、このような状況を鑑みて、予め複数の表示装置によって1つの画面を形成させることを考慮して、表示装置の額縁部分の幅を決定することで、複数の表示装置により形成されるマルチディスプレイの表示画面に於いても元画像のアスペクト比を保持し、画面を最大限有効に使用する表示装置を提供するものである。
【0010】
上記課題は本発明によれば、複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイ表示装置であって、前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の垂直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の水平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、(横縦)アスペクト比がP対Qの表示エリアと、この表示エリアに対応させた水平側額縁幅を有する上下の額縁部と垂直側額縁幅を有する左右の額縁部とを有する表示装置を複数上下左右に配設し、マルチディスプレイ表示を行なうことによって、表示画面を有効利用すると共に、元画像に忠実で違和感のない拡大画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の表示装置のシステム構成図である。
【図2】本実施形態の表示装置の正面図である。
【図3】表示装置を4台使用し、4分割のマルチディスプレイの表示構成を説明する図である。
【図4】本実施形態の表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】表示部に表示される表示方式選択画面の例を示す図である。
【図8】表示部に表示されるマルチディスプレイ構成の選択画面の例を示す図である。
【図9】(a)は表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の左上のエリアを選択する例を示す図であり、(b)も表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の右上のエリアを選択する例を示す図であり、(c)も表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の左下のエリアを選択する例を示す図であり、(d)も表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の右下のエリアを選択する例を示す図である。
【図10】表示部に表示される入力選択画面の例を示す図である。
【図11】表示部に表示されるチャンネル選局画面の例を示す図である。
【図12】表示部に表示される外部インターフェース選択画面の例を示す図である。
【図13】表示部に表示される再生ファイル選択画面の例を示す図である。
【図14】n×n台の表示装置を使用したマルチディスプレイ構成の例を示す図である。
【図15】(a)は従来の表示装置の構成を示す図であり、(b)は従来の表示装置を4台使用し、従来の4分割のマルチディスプレイの構成を示す図である。(c)は従来の表示装置を4台使用し、他の従来の4分割のマルチディスプレイの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の表示装置の回路ブロック図である。同図において、表示装置1はCPU(制御部)2、DTV(デジタルテレビ)信号受信部3、メモリカードインターフェース4、HDMI(high-definition multimedia interface)インターフェース5、USB(universal serial bus)デバイスインターフェース6、LAN(local area network)インターフェース7、時計回路(RTC(real time clock))8、電源スイッチ9、画像メモリ10、表示駆動回路11、音声駆動回路12、フラッシュメモリ13、RAM14、キー入力部15、RF(radio frequency)通信部16、IR(Infrared)送受信部17で構成され、DTV信号受信部3にはアンテナ20が接続され、表示駆動回路11には表示部21が接続され、音声駆動回路12にはデジタルアナログコンバータ(以下、DACで示す)22、オーディオアンプ23、及びスピーカ24が接続されている。
【0014】
DTV信号受信部3は上記アンテナ20によって受信したDTV信号の入力インターフェースであり、メモリカードインターフェース4は、例えばSDカード等のカードが挿入され、デジタルカメラ等で撮影し、圧縮処理された画像ファイルや動画ファイルが入力するインターフェースである。また、HDMIインターフェース5は、例えばブルーレイや、ハードディスク(HDD)、DVDレコーダからの静止画像や、動画像データの入力インターフェースである。
【0015】
USBデバイスインターフェース6はUSBケーブルを介して、例えばパーソナルコンピュータ(PC)と通信を行い、画像データ等の入出力制御を行う。また、LANインターフェース7も、例えばパーソナルコンピュータ(PC)との通信を行い、画像データ等の入出力制御を行う。
【0016】
時計回路8は現在時刻の計時や、カレンダー機能を使用するための回路であり、電源スイッチ9は本例の印刷装置1の電源スイッチである。また、フラッシュメモリ13には本例のシステム制御プログラムが記憶され、上記電源スイッチ9を投入すると、フラッシュメモリ13から上記システム制御プログラムがCPU2に読み出され、CPU2による処理が開始される。尚、フラッシュメモリ13には上記システム制御プログラム以外に、後述する各種モードの設定画面のデータや、表示用文字フォント等のUI表示用データも記憶されている。また、RAM14はCPU2による処理動作を行う際のワークメモリとして使用される。
【0017】
キー入力部15にはユーザによるキー操作信号が入力し、CPU2は上記システム制御プログラムと、このキー操作信号に基づいて処理を行う。
RF通信部16はアンテナ25を介して入力するデータとの通信制御を行い、例えば後述するチャンネル設定等の各種設定を行う際の制御を行う。同様に、IR送受信部17はLED26を介して入力するデータとの通信制御を行い、例えば後述するチャンネル設定等の各種設定を行う際の制御を行う。
【0018】
一方、表示駆動回路11は表示部21を駆動する駆動回路であり、CPU2の制御に従って画像メモリ10に記憶された画像データの表示を行う。表示部21は、例えばLCDパネルやプラズマパネルで構成され、圧縮処理された画像ファイルをCPU2によって伸張された画像データを表示する。
【0019】
また、音声駆動回路12はスピーカ24を駆動する駆動回路であり、CPU2によって伸張された音声データが入力する。この音声データはDAC22によってアナログ信号に変換され、オーディオアンプ23によって増幅され、スピーカ24に出力される。
【0020】
図2は上記表示部21の構成を示す図である。同図に示すように、表示部21は表示エリア30と額縁部(フレーム)31で構成され、額縁部31は上下の額縁部31aと31b、左右の額縁部31c、31dで構成されている。画像28は表示エリア30に表示され、表示エリア30のアスペクト比は、例えば本例において16:9に設定されている。したがって、本例の場合、表示エリア30の横幅は16Sであり、縦幅は9Sで構成されている。尚、Sは、表示エリアの大きさを定義するための単位規準長である。
【0021】
また、左右の額縁部31c、31dには前述のスピーカ24が配設され、前述のオーディオアンプ23によって増幅された音声や音楽が出力される。また、前述のアンテナ20や25、LED26等も上下の額縁部31a、31b、又は左右の額縁部31c、31dに配設されている。
ここで、左右の額縁部31c、31dの垂直側額縁(の水平方向)幅をxとし、上下の額縁部31a、31bの水平側額縁(の垂直方向)幅をyとすると、本例では垂直側額縁幅xと水平側額縁幅yを上記表示エリア30のアスペクト比16:9に対応して構成する。例えば、垂直側額縁幅xを16Tに設定し、水平側額縁幅yを9Tに設定する。尚、Tは、額縁幅を定義するための単位規準長である。
【0022】
図3は上記構成の表示装置1を4台使用し、上記図2に示す犬の画像28を4分割したマルチディスプレイ表示を行う場合の例を示す図である。同図に示すように、4台の表示装置1a〜1dは、表示装置1aが同図の左上に設置され、表示装置1bが同図の右上に設置され、表示装置1cが同図の左下に設置され、表示装置1dが同図の右下に設置されている。したがって、表示装置1aの表示エリア30aには上記画像28の左上部分の画像が表示され、表示装置1bの表示エリア30bには上記画像28の右上部分の画像が表示され、表示装置1cの表示エリア30cには上記画像28の左下部分の画像が表示され、表示装置1dの表示エリア30dには上記画像28の右下部分の画像が表示される。尚、各表示装置1a〜1dの左右の額縁部には、それぞれ対応するスピーカ24a〜24dが配設されている。
【0023】
図3に示す表示装置1a〜1dは全て同じ構成であり、表示エリア30、及び上下左右の額縁部31a、31b、31c、31dのサイズも同じである。すなわち、それぞれの表示装置1a〜1dの表示エリア30a〜30dのアスペクト比は16:9であり、上記のように横縦16S×9Sの寸法で構成されている。また、左右の額縁部31c、31dの垂直側額縁幅xは全て16Tであり、上下の額縁部31a、31bの水平側額縁幅yは全て9Tである。
【0024】
上記構成の表示装置1を縦横n×n台使用してマルチディスプレイを構成した場合、アスペクト比は以下の式で示される。
(n×16S)+{2n―2)×16T}:(n×9S)+{2n―2)×9T}・・(1)
ここで、上記(1)式は
16×{nS+2T(n−1)}:9×{nS+2T(n−1)}
で表され、{nS+2T(n−1)}は同じ数式であるので、(1)式は、16:9 となる。これは、本発明の表示装置を縦横n×n台組合せてマルチディスプレイ表示を構成した場合であっても、アスペクト比は元の1台の表示装置1のアスペクト比と同じであることを表している。
【0025】
尚、上記4分割(2×2)のマルチディスプレイ表示の場合、
16x{2S+2T(2−1)}:9x{2S+2T(2−1)}
となり、上記と同様アスペクト比は16:9となる。
【0026】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
図4乃至図6は本例の処理動作を説明するフローチャートである。先ず、前述の図1に示す電源スイッチ9が投入されると表示部21に表示方式選択画面が表示される(ステップ(以下、Sで示す)1)。図7に示す図は表示部21に表示される表示方式選択画面の例である。尚、この表示方式選択画面のデータは前述のフラッシュメモリ13に記憶されており、この表示方式選択画面のデータが電源スイッチ9の投入に基づくCPU2の制御によってフラッシュメモリ13から読み出され、表示駆動回路11の駆動によって表示部21に表示される。
【0027】
次に、上記表示方式選択画面に表示される方向キー33a、33bを押下して通常表示又はマルチディスプレイ表示の選択を行う(S2)。尚、方向キー33a、33bの押下は前述のキー入力部15から入力する操作信号に基づいて行われる。
【0028】
ここで、通常表示の選択を行うと、以後一般的な通常表示処理が行われる(S3)。一方、マルチディスプレイ表示の選択を行うと、マルチディスプレイ構成の選択画面が表示される(S4)。図8に示す図は表示部21に表示されるマルチディスプレイ構成の選択画面の例である。尚、このマルチディスプレイ構成の選択画面のデータも前述のフラッシュメモリ13に記憶されており、この選択画面のデータがCPU2の制御によってフラッシュメモリ13から読み出され、表示駆動回路11の駆動によって表示部21に表示される。
【0029】
次に、上記選択画面に表示される方向キー34a、34bを押下して4分割、9分割等のマルチディスプレイの構成画面の選択を行う(S5)。尚、本例の説明においては、以後4分割のマルチディスプレイ構成の画面選択を行うものとする。
【0030】
上記選択によって、表示部21には図9に示す表示エリア選択画面が表示される(S6)。この表示エリア選択画面は上記選択に基づく4分割のマルチディスプレイ構成の各エリアの選択画面であり、各表示部21に4画面の中の何れかの画面表示を選択するものである。尚、この画面データも前述のフラッシュメモリ13に記憶されており、CPU2の制御によってフラッシュメモリ13から読み出され、表示部21に表示される。
【0031】
尚、上記のように4分割のマルチディスプレイ機能について説明しており、前述の図3に示す4台の表示装置1a〜1dに対応し、図9に示す(a)〜(d)は対応する表示装置1a〜1dの表示エリアの選択画面を示す。例えば、図9(a)は表示装置1aのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1aの表示エリアの選択を行う。この場合、表示装置1aは4分割画面の左上のエリアを選択するものとする(S7)。
【0032】
また、図9(b)は表示装置1bのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1bの表示エリアの選択し、4分割画面の右上のエリアを選択するものとする(S7)。また、図9(c)は表示装置1cのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1cの表示エリアの選択し、4分割画面の左下のエリアを選択するものとする(S7)。同様に、図9(d)は表示装置1dのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1dの表示エリアの選択し、4分割画面の右下のエリアを選択するものとする(S7)。
【0033】
以上のようにしてマルチディスプレイ表示におけるエリア設定が完了すると、次に各表示装置1a〜1d(表示部21)に入力する入力選択画面を表示する(S8)。図10はこの入力選択画面の例であり、地上デジタル又は外部インターフェースの選択を行う(S9)。ここで、地上デジタルとは前述のアンテナ20を介してDTV信号受信部3によって受信したDTV信号に基づくテレビ画面を選択するものであり、外部インターフェースとは、例えばデジタルカメラ等で撮影した画像ファイルやハードディスク(HDD)等からの静止画像や動画像データの画面を選択するものである。
【0034】
上記選択は方向キー36a、36bを押下して行い、例えば地上デジタルを選択すると、チャンネル選局画面を表示する(S10)。図11はこのチャンネル選局画面の例であり、方向キー37a、37bを押下して、受信チャンネルの選択を行う(S11、S12)。上記処理は4台の表示装置1a〜1dについて同様に行う。
【0035】
一方、上記判断(S9)において、外部インターフェースの選択が行われた場合、外部インターフェース選択画面が表示される(S13)。図12は外部インターフェース選択画面の表示例であり、カード、MDMI、USB、LANの表示が行われ、方向キー38a又は38bを押下して希望するメディア選択を行う(S14)。
【0036】
尚、上記カードはデジタルカメラ等で撮影した画像ファイルを記憶するSDカードの選択であり、HDMIはブルーレイやハードディスク(HDD)からの静止画像や動画像データの選択であり、USBは前述のUSBデバイスインターフェース6を介して入力するデータの選択であり、LANは前述のLANインターフェース7を介して入力するパーソナルコンピュータ(PC)等からの画像ファイルの選択である。尚、本例においては、以下において、デジタルカメラ等で撮影した画像ファイルを記憶するSDカードを選択する場合について説明する。
【0037】
この場合、次に再生ファイル選択画面が表示される(S15)。図13は表示部21に表示される再生ファイル選択画面の表示例である。同図に示すABCD、2011夏キャンプ、2010冬スキー、中世の絵画等はSDカードに記憶された画像ファイル名であり、方向キー39a又は39bを押下して、希望する再生ファイルを選択する(S16)。本例の説明では、再生ファイルとしてファイル名ABCDが再生ファイルとして選択されるものとする。
【0038】
この場合、前述のRF送受信回路16によってZigbee通信がマルチディスプレイを構成する4台の表示装置1a〜1dとの間で行われる(S17)。ここでは、先ず各ディスプレイに再生ファイル(ファイル名:ABCD)の設定を行う(S18)。そして、例えば先ず“False”信号によって(S18がFalse)、再生ファイルの確認を行い(S17)、その後“True”信号によって(S18がTrue)、準備が完了し、再生キーの入力を待つ(S19)。
【0039】
その後、再生キーが押下されると(S19がYES)、再生信号が送信され(S20)、マルチディスプレイ表示が開始される。すなわち、Zigbee通信によりマルチディスプレイを構成する4台の表示装置1a〜1dに再生信号が送信され、停止キーが入力するまで4分割のマルチディスプレイ表示が4台の表示装置1a〜1dに表示される(S20、S21が再生キー)。
このとき、4台の表示装置1a〜1dに表示される画像は、例えば前述の図3に示すように、アスペクト比がもとの1台の表示装置1のアスペクト比と同じ16:9の画像表示である。したがって、元画像の拡大画像を忠実に拡大したマルチディスプレイ表示が行なわれ、元画像が変形する等の不自然な拡大画像の表示を行なうことがない。
また、表示装置1a〜1dの表示エリアに非表示部分を形成することがなく、画面を最大限有効に利用することができる。
【0040】
上記表示処理の後、停止キーが押下されると(S21が停止キー)、再生信号の送信が停止され、4台の表示装置1a〜1dへのマルチディスプレイ表示が停止する。
尚、上記実施形態の説明では、2×2のマルチディスプレイ表示について説明したが、本例の表示装置1を縦横n×n台使用し、図14に示すマルチディスプレイ表示を行なう構成としてもよい。この場合も(1)〜(n×n)のそれぞれの表示装置は、上記図2で説明した外観構成を有し、全体として表示装置1のアスペクト比と同じ16:9のマルチディスプレイ表示を行なうことができる。
【0041】
また、表示装置1の表示エリア30のアスペクト比に対応して、表示エリア30に形成される画素サイズを設定し、マルチディスプレイ表示を行なう構成としてもよい。例えば、横幅16Sの具体的なサイズを決定する際、画素サイズの整数倍に一致するように設定し、縦幅9Sの具体的なサイズを決定する際、同様に画素サイズの整数倍に一致するように設定することによって、マルチディスプレイ表示をより容易に行なうことができる。
また、表示装置1の上下の額縁部31a、31bの幅、及び左右の額縁部31c、31dの幅を画素サイズの整数倍に一致するように設定することによって、マルチディスプレイ表示をより容易に行なうことができる。すなわち、額縁部31a、31bの水平側額縁幅y、及び額縁部31c、31dの垂直側額縁幅xを画素サイズの整数倍に一致するように設定することによって、マルチディスプレイ表示をより容易に行なうことができる。
【0042】
本発明はいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下、本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0043】
付記1
複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイ表示装置であって、
前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の水直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の垂平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有する
ことを特徴とする表示装置。(但し、Tは、額縁幅を定義するための単位規準長)
【0044】
付記2
前記上下の額縁部、又は左右の額縁部にはスピーカが配設されていることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
【0045】
付記3
前記アスペクト比は、16対9であることを特徴とする付記1、又は2に記載の表示装置。
【0046】
付記4
前記表示エリアに表示する画像データを記憶する記憶部を有し、該記憶部には対応する装置が担当する画像データが記憶されていることを特徴とする付記1、2、又は3に記載の表示装置。
【0047】
付記5
前記表示エリアのアスペクト比に対応して、該表示エリアに形成される画素サイズを設定することを特徴とする付記1、2、3、又は4に記載の表示装置。
【0048】
付記6
前記水平側額縁幅と垂直側額縁幅は、前記表示エリアの画素サイズに対応して設定されることを特徴とする付記1、2、3、4、又は5に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0049】
1・・・表示装置
2・・・CPU
3・・・DTV信号受信部
4・・・メモリカードインターフェース
5・・・HDMIインターフェース
6・・・USBデバイスインターフェース
7・・・LANインターフェース
8・・・時計回路
9・・・電源スイッチ
10・・画像メモリ
11・・表示駆動回路
12・・音声駆動回路
13・・フラッシュメモリ
14・・RAM
15・・キー入力部
16・・RF通信部
17・・IR送受信部
20・・アンテナ
21・・表示部
22・・デジタルアナログコンバータ
23・・オーディオアンプ
24・・スピーカ
25・・アンテナ
26・・LED
28・・画像
30・・表示エリア
31、31a〜31d・・額縁部
33a、33b、34a、34b、35a、35b、36a、36b、37a、37b、38a、38b、39a、39b・・方向キー
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチディスプレイ機能を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示装置として、例えばブラウン管表示装置や、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED:surface-conduction electron-emitter display)等の様々な方式の表示装置が提供されている。その中でも、近年特に薄型の表示装置としてプラズマディスプレイや液晶ディスプレイの低価格化、省電力化に伴い家庭への普及が進み、一般家庭での保有台数も増加している。
【0003】
このような薄型表示装置は、従来のブラウン管方式の表示装置と比べ、大きな設置スペースを必要としないため、例えば壁掛け設置等の従来設置不可能な場所への設置も可能であり、従来のテレビやビデオ視聴の用途以外に、デジタルフォトフレームや、デジタル絵画、デジタル伝言板、デジタルカレンダ等の新たな用途も生まれている。
【0004】
このような背景の中、複数の表示装置を用いて、それぞれの表示を関連付けして一つの画面として機能するマルチディスプレイが従来から提供されている。例えば、図15(a)に示す画像40を4分割し、同図(b)に示す4台の表示装置41〜44に拡大表示することが行われている。
【0005】
尚、特許文献1は複数の液晶パネル表示装置を使用した液晶マルチディスプレイの発明であり、液晶マルチディスプレイを構成する液晶表示装置の横個数データと縦個数データと、該液晶表示装置の配置位置を表す位置座標データを設定することで、入力表示データを拡大表示する液晶表示装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-330536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のマルチディスプレイでは、上記図15(b)に示すように元画像40に対して不自然な拡大画像となる。その理由は、各表示装置41〜44の額縁部(フレーム)にはスピーカ41a〜44aや、不図示の操作スイッチ等が設置されており、元画像40を単に4分割し、4台の表示装置41〜44に表示する場合、スピーカ41a〜44a等が配置された額縁部が拡大画像の中心部に位置し、元画像40が上下に広がった画像となるためである。
【0008】
一方、拡大画像を図15(a)に示す表示装置のアスペクト比P:Q(例えば16:9)に対応する補正を行うため、複雑なスケーリング処理を行い、更に額縁分の表示データを補正した場合、同図(c)に示すように、上下に非表示エリア41b〜44bが生成され、表示画面を有効に利用できない。また、デザイン的にも不自然なものとなる。
【0009】
本発明では、このような状況を鑑みて、予め複数の表示装置によって1つの画面を形成させることを考慮して、表示装置の額縁部分の幅を決定することで、複数の表示装置により形成されるマルチディスプレイの表示画面に於いても元画像のアスペクト比を保持し、画面を最大限有効に使用する表示装置を提供するものである。
【0010】
上記課題は本発明によれば、複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイ表示装置であって、前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の垂直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の水平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、(横縦)アスペクト比がP対Qの表示エリアと、この表示エリアに対応させた水平側額縁幅を有する上下の額縁部と垂直側額縁幅を有する左右の額縁部とを有する表示装置を複数上下左右に配設し、マルチディスプレイ表示を行なうことによって、表示画面を有効利用すると共に、元画像に忠実で違和感のない拡大画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の表示装置のシステム構成図である。
【図2】本実施形態の表示装置の正面図である。
【図3】表示装置を4台使用し、4分割のマルチディスプレイの表示構成を説明する図である。
【図4】本実施形態の表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】表示部に表示される表示方式選択画面の例を示す図である。
【図8】表示部に表示されるマルチディスプレイ構成の選択画面の例を示す図である。
【図9】(a)は表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の左上のエリアを選択する例を示す図であり、(b)も表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の右上のエリアを選択する例を示す図であり、(c)も表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の左下のエリアを選択する例を示す図であり、(d)も表示装置のエリア選択画面を示し、4分割画面の右下のエリアを選択する例を示す図である。
【図10】表示部に表示される入力選択画面の例を示す図である。
【図11】表示部に表示されるチャンネル選局画面の例を示す図である。
【図12】表示部に表示される外部インターフェース選択画面の例を示す図である。
【図13】表示部に表示される再生ファイル選択画面の例を示す図である。
【図14】n×n台の表示装置を使用したマルチディスプレイ構成の例を示す図である。
【図15】(a)は従来の表示装置の構成を示す図であり、(b)は従来の表示装置を4台使用し、従来の4分割のマルチディスプレイの構成を示す図である。(c)は従来の表示装置を4台使用し、他の従来の4分割のマルチディスプレイの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の表示装置の回路ブロック図である。同図において、表示装置1はCPU(制御部)2、DTV(デジタルテレビ)信号受信部3、メモリカードインターフェース4、HDMI(high-definition multimedia interface)インターフェース5、USB(universal serial bus)デバイスインターフェース6、LAN(local area network)インターフェース7、時計回路(RTC(real time clock))8、電源スイッチ9、画像メモリ10、表示駆動回路11、音声駆動回路12、フラッシュメモリ13、RAM14、キー入力部15、RF(radio frequency)通信部16、IR(Infrared)送受信部17で構成され、DTV信号受信部3にはアンテナ20が接続され、表示駆動回路11には表示部21が接続され、音声駆動回路12にはデジタルアナログコンバータ(以下、DACで示す)22、オーディオアンプ23、及びスピーカ24が接続されている。
【0014】
DTV信号受信部3は上記アンテナ20によって受信したDTV信号の入力インターフェースであり、メモリカードインターフェース4は、例えばSDカード等のカードが挿入され、デジタルカメラ等で撮影し、圧縮処理された画像ファイルや動画ファイルが入力するインターフェースである。また、HDMIインターフェース5は、例えばブルーレイや、ハードディスク(HDD)、DVDレコーダからの静止画像や、動画像データの入力インターフェースである。
【0015】
USBデバイスインターフェース6はUSBケーブルを介して、例えばパーソナルコンピュータ(PC)と通信を行い、画像データ等の入出力制御を行う。また、LANインターフェース7も、例えばパーソナルコンピュータ(PC)との通信を行い、画像データ等の入出力制御を行う。
【0016】
時計回路8は現在時刻の計時や、カレンダー機能を使用するための回路であり、電源スイッチ9は本例の印刷装置1の電源スイッチである。また、フラッシュメモリ13には本例のシステム制御プログラムが記憶され、上記電源スイッチ9を投入すると、フラッシュメモリ13から上記システム制御プログラムがCPU2に読み出され、CPU2による処理が開始される。尚、フラッシュメモリ13には上記システム制御プログラム以外に、後述する各種モードの設定画面のデータや、表示用文字フォント等のUI表示用データも記憶されている。また、RAM14はCPU2による処理動作を行う際のワークメモリとして使用される。
【0017】
キー入力部15にはユーザによるキー操作信号が入力し、CPU2は上記システム制御プログラムと、このキー操作信号に基づいて処理を行う。
RF通信部16はアンテナ25を介して入力するデータとの通信制御を行い、例えば後述するチャンネル設定等の各種設定を行う際の制御を行う。同様に、IR送受信部17はLED26を介して入力するデータとの通信制御を行い、例えば後述するチャンネル設定等の各種設定を行う際の制御を行う。
【0018】
一方、表示駆動回路11は表示部21を駆動する駆動回路であり、CPU2の制御に従って画像メモリ10に記憶された画像データの表示を行う。表示部21は、例えばLCDパネルやプラズマパネルで構成され、圧縮処理された画像ファイルをCPU2によって伸張された画像データを表示する。
【0019】
また、音声駆動回路12はスピーカ24を駆動する駆動回路であり、CPU2によって伸張された音声データが入力する。この音声データはDAC22によってアナログ信号に変換され、オーディオアンプ23によって増幅され、スピーカ24に出力される。
【0020】
図2は上記表示部21の構成を示す図である。同図に示すように、表示部21は表示エリア30と額縁部(フレーム)31で構成され、額縁部31は上下の額縁部31aと31b、左右の額縁部31c、31dで構成されている。画像28は表示エリア30に表示され、表示エリア30のアスペクト比は、例えば本例において16:9に設定されている。したがって、本例の場合、表示エリア30の横幅は16Sであり、縦幅は9Sで構成されている。尚、Sは、表示エリアの大きさを定義するための単位規準長である。
【0021】
また、左右の額縁部31c、31dには前述のスピーカ24が配設され、前述のオーディオアンプ23によって増幅された音声や音楽が出力される。また、前述のアンテナ20や25、LED26等も上下の額縁部31a、31b、又は左右の額縁部31c、31dに配設されている。
ここで、左右の額縁部31c、31dの垂直側額縁(の水平方向)幅をxとし、上下の額縁部31a、31bの水平側額縁(の垂直方向)幅をyとすると、本例では垂直側額縁幅xと水平側額縁幅yを上記表示エリア30のアスペクト比16:9に対応して構成する。例えば、垂直側額縁幅xを16Tに設定し、水平側額縁幅yを9Tに設定する。尚、Tは、額縁幅を定義するための単位規準長である。
【0022】
図3は上記構成の表示装置1を4台使用し、上記図2に示す犬の画像28を4分割したマルチディスプレイ表示を行う場合の例を示す図である。同図に示すように、4台の表示装置1a〜1dは、表示装置1aが同図の左上に設置され、表示装置1bが同図の右上に設置され、表示装置1cが同図の左下に設置され、表示装置1dが同図の右下に設置されている。したがって、表示装置1aの表示エリア30aには上記画像28の左上部分の画像が表示され、表示装置1bの表示エリア30bには上記画像28の右上部分の画像が表示され、表示装置1cの表示エリア30cには上記画像28の左下部分の画像が表示され、表示装置1dの表示エリア30dには上記画像28の右下部分の画像が表示される。尚、各表示装置1a〜1dの左右の額縁部には、それぞれ対応するスピーカ24a〜24dが配設されている。
【0023】
図3に示す表示装置1a〜1dは全て同じ構成であり、表示エリア30、及び上下左右の額縁部31a、31b、31c、31dのサイズも同じである。すなわち、それぞれの表示装置1a〜1dの表示エリア30a〜30dのアスペクト比は16:9であり、上記のように横縦16S×9Sの寸法で構成されている。また、左右の額縁部31c、31dの垂直側額縁幅xは全て16Tであり、上下の額縁部31a、31bの水平側額縁幅yは全て9Tである。
【0024】
上記構成の表示装置1を縦横n×n台使用してマルチディスプレイを構成した場合、アスペクト比は以下の式で示される。
(n×16S)+{2n―2)×16T}:(n×9S)+{2n―2)×9T}・・(1)
ここで、上記(1)式は
16×{nS+2T(n−1)}:9×{nS+2T(n−1)}
で表され、{nS+2T(n−1)}は同じ数式であるので、(1)式は、16:9 となる。これは、本発明の表示装置を縦横n×n台組合せてマルチディスプレイ表示を構成した場合であっても、アスペクト比は元の1台の表示装置1のアスペクト比と同じであることを表している。
【0025】
尚、上記4分割(2×2)のマルチディスプレイ表示の場合、
16x{2S+2T(2−1)}:9x{2S+2T(2−1)}
となり、上記と同様アスペクト比は16:9となる。
【0026】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
図4乃至図6は本例の処理動作を説明するフローチャートである。先ず、前述の図1に示す電源スイッチ9が投入されると表示部21に表示方式選択画面が表示される(ステップ(以下、Sで示す)1)。図7に示す図は表示部21に表示される表示方式選択画面の例である。尚、この表示方式選択画面のデータは前述のフラッシュメモリ13に記憶されており、この表示方式選択画面のデータが電源スイッチ9の投入に基づくCPU2の制御によってフラッシュメモリ13から読み出され、表示駆動回路11の駆動によって表示部21に表示される。
【0027】
次に、上記表示方式選択画面に表示される方向キー33a、33bを押下して通常表示又はマルチディスプレイ表示の選択を行う(S2)。尚、方向キー33a、33bの押下は前述のキー入力部15から入力する操作信号に基づいて行われる。
【0028】
ここで、通常表示の選択を行うと、以後一般的な通常表示処理が行われる(S3)。一方、マルチディスプレイ表示の選択を行うと、マルチディスプレイ構成の選択画面が表示される(S4)。図8に示す図は表示部21に表示されるマルチディスプレイ構成の選択画面の例である。尚、このマルチディスプレイ構成の選択画面のデータも前述のフラッシュメモリ13に記憶されており、この選択画面のデータがCPU2の制御によってフラッシュメモリ13から読み出され、表示駆動回路11の駆動によって表示部21に表示される。
【0029】
次に、上記選択画面に表示される方向キー34a、34bを押下して4分割、9分割等のマルチディスプレイの構成画面の選択を行う(S5)。尚、本例の説明においては、以後4分割のマルチディスプレイ構成の画面選択を行うものとする。
【0030】
上記選択によって、表示部21には図9に示す表示エリア選択画面が表示される(S6)。この表示エリア選択画面は上記選択に基づく4分割のマルチディスプレイ構成の各エリアの選択画面であり、各表示部21に4画面の中の何れかの画面表示を選択するものである。尚、この画面データも前述のフラッシュメモリ13に記憶されており、CPU2の制御によってフラッシュメモリ13から読み出され、表示部21に表示される。
【0031】
尚、上記のように4分割のマルチディスプレイ機能について説明しており、前述の図3に示す4台の表示装置1a〜1dに対応し、図9に示す(a)〜(d)は対応する表示装置1a〜1dの表示エリアの選択画面を示す。例えば、図9(a)は表示装置1aのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1aの表示エリアの選択を行う。この場合、表示装置1aは4分割画面の左上のエリアを選択するものとする(S7)。
【0032】
また、図9(b)は表示装置1bのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1bの表示エリアの選択し、4分割画面の右上のエリアを選択するものとする(S7)。また、図9(c)は表示装置1cのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1cの表示エリアの選択し、4分割画面の左下のエリアを選択するものとする(S7)。同様に、図9(d)は表示装置1dのエリア選択画面を示し、方向キー35a、35bを押下して表示装置1dの表示エリアの選択し、4分割画面の右下のエリアを選択するものとする(S7)。
【0033】
以上のようにしてマルチディスプレイ表示におけるエリア設定が完了すると、次に各表示装置1a〜1d(表示部21)に入力する入力選択画面を表示する(S8)。図10はこの入力選択画面の例であり、地上デジタル又は外部インターフェースの選択を行う(S9)。ここで、地上デジタルとは前述のアンテナ20を介してDTV信号受信部3によって受信したDTV信号に基づくテレビ画面を選択するものであり、外部インターフェースとは、例えばデジタルカメラ等で撮影した画像ファイルやハードディスク(HDD)等からの静止画像や動画像データの画面を選択するものである。
【0034】
上記選択は方向キー36a、36bを押下して行い、例えば地上デジタルを選択すると、チャンネル選局画面を表示する(S10)。図11はこのチャンネル選局画面の例であり、方向キー37a、37bを押下して、受信チャンネルの選択を行う(S11、S12)。上記処理は4台の表示装置1a〜1dについて同様に行う。
【0035】
一方、上記判断(S9)において、外部インターフェースの選択が行われた場合、外部インターフェース選択画面が表示される(S13)。図12は外部インターフェース選択画面の表示例であり、カード、MDMI、USB、LANの表示が行われ、方向キー38a又は38bを押下して希望するメディア選択を行う(S14)。
【0036】
尚、上記カードはデジタルカメラ等で撮影した画像ファイルを記憶するSDカードの選択であり、HDMIはブルーレイやハードディスク(HDD)からの静止画像や動画像データの選択であり、USBは前述のUSBデバイスインターフェース6を介して入力するデータの選択であり、LANは前述のLANインターフェース7を介して入力するパーソナルコンピュータ(PC)等からの画像ファイルの選択である。尚、本例においては、以下において、デジタルカメラ等で撮影した画像ファイルを記憶するSDカードを選択する場合について説明する。
【0037】
この場合、次に再生ファイル選択画面が表示される(S15)。図13は表示部21に表示される再生ファイル選択画面の表示例である。同図に示すABCD、2011夏キャンプ、2010冬スキー、中世の絵画等はSDカードに記憶された画像ファイル名であり、方向キー39a又は39bを押下して、希望する再生ファイルを選択する(S16)。本例の説明では、再生ファイルとしてファイル名ABCDが再生ファイルとして選択されるものとする。
【0038】
この場合、前述のRF送受信回路16によってZigbee通信がマルチディスプレイを構成する4台の表示装置1a〜1dとの間で行われる(S17)。ここでは、先ず各ディスプレイに再生ファイル(ファイル名:ABCD)の設定を行う(S18)。そして、例えば先ず“False”信号によって(S18がFalse)、再生ファイルの確認を行い(S17)、その後“True”信号によって(S18がTrue)、準備が完了し、再生キーの入力を待つ(S19)。
【0039】
その後、再生キーが押下されると(S19がYES)、再生信号が送信され(S20)、マルチディスプレイ表示が開始される。すなわち、Zigbee通信によりマルチディスプレイを構成する4台の表示装置1a〜1dに再生信号が送信され、停止キーが入力するまで4分割のマルチディスプレイ表示が4台の表示装置1a〜1dに表示される(S20、S21が再生キー)。
このとき、4台の表示装置1a〜1dに表示される画像は、例えば前述の図3に示すように、アスペクト比がもとの1台の表示装置1のアスペクト比と同じ16:9の画像表示である。したがって、元画像の拡大画像を忠実に拡大したマルチディスプレイ表示が行なわれ、元画像が変形する等の不自然な拡大画像の表示を行なうことがない。
また、表示装置1a〜1dの表示エリアに非表示部分を形成することがなく、画面を最大限有効に利用することができる。
【0040】
上記表示処理の後、停止キーが押下されると(S21が停止キー)、再生信号の送信が停止され、4台の表示装置1a〜1dへのマルチディスプレイ表示が停止する。
尚、上記実施形態の説明では、2×2のマルチディスプレイ表示について説明したが、本例の表示装置1を縦横n×n台使用し、図14に示すマルチディスプレイ表示を行なう構成としてもよい。この場合も(1)〜(n×n)のそれぞれの表示装置は、上記図2で説明した外観構成を有し、全体として表示装置1のアスペクト比と同じ16:9のマルチディスプレイ表示を行なうことができる。
【0041】
また、表示装置1の表示エリア30のアスペクト比に対応して、表示エリア30に形成される画素サイズを設定し、マルチディスプレイ表示を行なう構成としてもよい。例えば、横幅16Sの具体的なサイズを決定する際、画素サイズの整数倍に一致するように設定し、縦幅9Sの具体的なサイズを決定する際、同様に画素サイズの整数倍に一致するように設定することによって、マルチディスプレイ表示をより容易に行なうことができる。
また、表示装置1の上下の額縁部31a、31bの幅、及び左右の額縁部31c、31dの幅を画素サイズの整数倍に一致するように設定することによって、マルチディスプレイ表示をより容易に行なうことができる。すなわち、額縁部31a、31bの水平側額縁幅y、及び額縁部31c、31dの垂直側額縁幅xを画素サイズの整数倍に一致するように設定することによって、マルチディスプレイ表示をより容易に行なうことができる。
【0042】
本発明はいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下、本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0043】
付記1
複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイ表示装置であって、
前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の水直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の垂平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有する
ことを特徴とする表示装置。(但し、Tは、額縁幅を定義するための単位規準長)
【0044】
付記2
前記上下の額縁部、又は左右の額縁部にはスピーカが配設されていることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
【0045】
付記3
前記アスペクト比は、16対9であることを特徴とする付記1、又は2に記載の表示装置。
【0046】
付記4
前記表示エリアに表示する画像データを記憶する記憶部を有し、該記憶部には対応する装置が担当する画像データが記憶されていることを特徴とする付記1、2、又は3に記載の表示装置。
【0047】
付記5
前記表示エリアのアスペクト比に対応して、該表示エリアに形成される画素サイズを設定することを特徴とする付記1、2、3、又は4に記載の表示装置。
【0048】
付記6
前記水平側額縁幅と垂直側額縁幅は、前記表示エリアの画素サイズに対応して設定されることを特徴とする付記1、2、3、4、又は5に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0049】
1・・・表示装置
2・・・CPU
3・・・DTV信号受信部
4・・・メモリカードインターフェース
5・・・HDMIインターフェース
6・・・USBデバイスインターフェース
7・・・LANインターフェース
8・・・時計回路
9・・・電源スイッチ
10・・画像メモリ
11・・表示駆動回路
12・・音声駆動回路
13・・フラッシュメモリ
14・・RAM
15・・キー入力部
16・・RF通信部
17・・IR送受信部
20・・アンテナ
21・・表示部
22・・デジタルアナログコンバータ
23・・オーディオアンプ
24・・スピーカ
25・・アンテナ
26・・LED
28・・画像
30・・表示エリア
31、31a〜31d・・額縁部
33a、33b、34a、34b、35a、35b、36a、36b、37a、37b、38a、38b、39a、39b・・方向キー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイの表示装置であって、
前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の垂直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の水平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有する
ことを特徴とする表示装置。(但し、Tは、額縁幅を定義するための単位規準長)
【請求項2】
前記上下の額縁部、又は左右の額縁部にはスピーカが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記アスペクト比は16対9であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示エリアに表示する画像データを記憶する記憶部を有し、該記憶部には対応する装置が担当する画像データが記憶されていることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示エリアのアスペクト比に対応して、該表示エリアに形成される画素サイズを設定することを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記水平側額縁幅と垂直側額縁幅は、前記表示エリアの画素サイズに対応して設定されることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5に記載の表示装置。
【請求項1】
複数の表示装置を上下左右に隙間なく配設したマルチディスプレイの表示装置であって、
前記表示装置は、アスペクト比がP対Qの表示エリアと、額縁の垂直方向の幅がQTの上下の額縁部と、額縁の水平方向の幅がPTの左右の額縁部とを有する
ことを特徴とする表示装置。(但し、Tは、額縁幅を定義するための単位規準長)
【請求項2】
前記上下の額縁部、又は左右の額縁部にはスピーカが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記アスペクト比は16対9であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示エリアに表示する画像データを記憶する記憶部を有し、該記憶部には対応する装置が担当する画像データが記憶されていることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示エリアのアスペクト比に対応して、該表示エリアに形成される画素サイズを設定することを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記水平側額縁幅と垂直側額縁幅は、前記表示エリアの画素サイズに対応して設定されることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図9】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図9】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−80008(P2013−80008A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218580(P2011−218580)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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