説明

表面モデルから抽出される基本フィーチャの組み合わせによる走査ビーム画像のシミュレーション

方法が、走査ビーム画像において観測することができる物体のサンプリングされた表現を複数のフィルタでフィルタリングすることであって、それによって、複数の中間画像を生成する、フィルタリングすることを含む。中間画像は合成されて、走査ビームにおいて観測されるものを予測するシミュレートされた画像が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には、たとえば表面モデルから抽出される基本フィーチャのような、基本フィーチャの組み合わせによる走査ビーム画像のシミュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
走査電子顕微鏡(SEM)、集束イオンビーム(FIB)ツール又は光学スキャナのような走査ビームイメージングツールは、典型的には、マイクロスケール表面又はナノスケール表面の画像を生成するために用いられる。たとえば、その表面は、シリコン半導体構造の表面、又は半導体構造の層を形成するために用いられるリソグラフィマスクの表面とすることができる。
【0003】
走査ビームイメージングツールは、その表面の2次元(2D)画像を提供することができる。そのツールからの2D画像は、表面フィーチャを特定する強度を含むが、1つの画像から、人がその表面の3次元(3D)構造を推測するのは難しい。2D画像を解釈するのを助けるために、その表面は物理的に切断され、そのツールを用いて、この表面の断面を示す、さらに別の2D画像を生成することができる。
【0004】
シミュレートされた画像を用いて、走査ビームイメージングツールからの2D画像を解釈することもできる。走査ビーム画像ツールによって獲得される画像は、そのツールの走査ビームと想定される表面との間の物理的な相互作用をモデル化するコンピュータ支援シミュレーションによってシミュレートすることができる。1つのそのようなシミュレーションはモンテカルロシミュレーションと呼ばれ、それは、ツールによって生成される画像を生み出す原因になる物理的性質をシミュレートするための標準的な手法である。モンテカルロモデルは、電子散乱又はイオン散乱の物理的なシミュレーションに基づく。散乱のシミュレーションはランダム化され、相対的に低い雑音でシミュレートされた画像を生成するために数多くの粒子がシミュレートされなければならないので、モンテカルロシミュレーションは、実行するのに多大な時間を要求する場合もある。また、モンテカルロシミュレーションは、後続の処理ステップのために用いることができる解析関数という観点ではシミュレーション出力を表現しない。シミュレーションの別の手法は、シェーディングモデルと呼ばれるものを使用し、そのモデルでは、走査ビーム画像内の強度が、局所的な表面の向きの関数としてモデル化される。この方法はナノメートルスケールにおいて正確ではないが、解析関数という観点でシミュレーションを表現する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、走査ビームイメージングツールからの画像をシミュレートするための、より高速且つ正確な方法が引き続き必要とされている。また、ナノメートルスケールにおける表面形状と、走査ビーム画像の強度との間の関係を解析関数を用いて表現できるようにすることも必要とされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1を参照すると、本発明によるシステム30の一実施形態が表面の画像をシミュレートし、その画像は、走査ビームツール(たとえば、走査電子顕微鏡(SEM)又は集束イオンビーム(FIB)ツール)によって生成することができる。その表面は「微視的な表面(microscopic surface)」であり、それは、シミュレーション技法が、表面上にある100マイクロメートル(ミクロン)未満(本発明のいくつかの実施形態では、10ナノメートルより小さいサイズ)のフィーチャとのビーム相互作用をモデル化することができることを意味する。たとえば、その表面は、リソグラフィマスクの表面又は半導体構造の表面とすることができる。
【0007】
システム30は、表面の特徴を示す入力画像36(後にさらに説明される)を受信し、その入力画像36に基づいて、システム30は出力画像46、すなわち、その表面のシミュレートされた走査ビーム画像を生成する。その出力画像36は、たとえば、走査ビームイメージングツールから得られる表面の実際の2D画像を解釈すること等の、数多くの目的のために用いることができる。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、入力画像36は高さフィールド画像であり、それは、画像36の各ピクセルの強度が、表面の関連付けられる微視的なフィーチャの高さを示すことを意味する。したがって、たとえばz軸は、その表面の概ね表面法線に沿って延在するものと定義することができ、各ピクセルの強度は、その表面の特定の位置における、その表面のz座標(すなわち、高さ)を特定する。測定中の標本がアンダーカット又は空隙を有する場合であっても、そのアンダーカットの構造が第1の表面の高さから予測できる場合には、この手法によってアンダーカットを処理することができる。たとえば、アンダーカットの形状がステップエッジの高さの関数である場合には、本明細書において記述される手法を用いて、アンダーカット表面とのビーム相互作用から生じる強度をモデル化することができる。
【0009】
高さ画像は、種々の半導体層を形成するために用いられ、したがって観測表面を形成するために用いられる製造設計仕様から生成することができる。本発明の他の実施形態では、他の変形形態も実現可能である。
【0010】
システム30は、入力画像36を受信するフィルタバンク38を備える。フィルタバンク38はN個のフィルタを含み、各フィルタは、対応する中間画像40を生成する。フィルタバンク38のフィルタは、観測表面上に現れる可能性がある特定の局所的なフィーチャを特定するように設計される。合成関数44が、中間画像40を合成して、最終的な出力画像46を生成する。
【0011】
後にさらに説明されるように、本発明のいくつかの実施形態では、フィルタバンク38の各フィルタは、入力画像に対する局所的な多項式近似から導出することができる。その多項式近似はさらに、(本発明のいくつかの実施形態では)ピクセルにおける3つの局所的なフィーチャ、すなわちそのピクセルにおける表面の最小主曲率及び最大主曲率、並びにそのピクセルにおける表面勾配のうちの1つに対する近似値を提供する。
【0012】
各フィルタは、その表面上で種々のフィーチャサイズを占めて、そのピクセルの周囲の特定のエリアを画定する。たとえば、或る特定のフィルタは、そのピクセルの周囲の該当する3ピクセル×3ピクセルの面積にわたるピクセル強度に多項式関数を当てはめて、多項式の係数から出力値を計算することによって、関連付けられる中間画像40を形成することができる。他のフィルタは、10ピクセル×10ピクセルの面積、30ピクセル×30ピクセルの面積等の種々のスケールと関連付けることができる。こうして、上記の3つの基本的なフィーチャ(勾配、最小曲率及び最大曲率)をそれぞれ種々のスケールと関連付けることができる。たとえば、10個のフィルタが、10個の異なるピクセルスケールの場合の各ピクセルを包囲する局所的な勾配を近似することができ、さらに10個のフィルタが、10個の異なるピクセルスケールの場合の各ピクセルを包囲する最小主曲率を近似することができ、さらに別の10個のフィルタが、10個の異なるピクセルスケールの場合の各ピクセルを包囲する最大主曲率を近似することができる。本明細書において述べられる数は単なる例示であって、フィルタバンク38のフィルタの数は、本発明の特定の実施形態に応じて異なる。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書において説明される技法は、画像形成モデルを、実際の表面及び対応する走査ツール画像の標本対に当てはめるためのアルゴリズムを含む。さらに、以下に記述されるように、その技法は、表面形状を制御するパラメータに関して、シミュレートされた画像の導関数を計算することを含む。その技法の主な特徴は、シミュレートされた画像を、入力表面内の1組の局所的な幾何学的画像フィーチャの関数として表現するである。
【0014】
本明細書において記述される技法は、その表面の幾何学的特性と画像強度との間の関係を学習するトレーニングアルゴリズムを用いる。局所的なフィーチャが、走査ビームと標本との種々のスケールの物理的な相互作用が誘因となって決定される多数のスケール上で計算される。また、学習アルゴリズムは、適当な1組の局所的なフィーチャ及び空間的なスケールを判定して、精度を損なうことなく、次元数を小さくする。システムがトレーニングされた後に、入力表面を学習された1組の局所的な幾何学的フィーチャに分解し、これらのフィーチャを、学習された画像生成関数に合成することによって、任意の入力表面をシミュレートすることができる。
【0015】
さらに具体的な例として、図2は、フィルタバンク38のフィルタのための係数を導出するための技法50を示す。技法50は、フィルタバンク38の各フィルタによって入力画像36をフィルタリングし、トレーニング中間画像40を生成すること(ブロック52)を含む。次に、主成分分析が実行され、余分なフィルタ、すなわち、所与の入力画像36の場合に概ね同じ中間画像40を生成するフィルタを除去する(ブロック54)。最後に、技法50によれば、線形最小二乗問題を解いて、フィルタバンク38のフィルタの係数を求める(ブロック58)。
【0016】
ここで、本発明のいくつかの実施形態において、さらに具体的な詳細を考えると、合成関数は以下の式によって記述することができる。
【0017】
【数1】

(式1)
【0018】
ただし、「H」は高さフィールド画像を表し、「x」は特定のピクセル位置を表し、「i」は1〜Nの範囲にある、フィルタのための添え字であり、「F」はフィルタバンクのi番目のフィルタを表し、「a」はi番目のフィルタのための乗算因子係数を表し、「d」は一定のオフセットを表す。これは、1つの実現可能な形にすぎない。非線形合成関数も実現可能である。また、本明細書に記述されるトレーニング手順は、フィルタバンク出力の多項式関数である任意の合成関数に適用することができる。
【0019】
トレーニング手順を用いて、a個の係数を導出し、最終的な出力画像46を計算するために、どのフィルタが重要であるかを判定する。たとえば、簡単にするために、「Htrain」と呼ばれる入力画像36、及び「Itrain」と呼ばれる、結果として生成される出力画像46を仮定する。トレーニング中に、Htrain画像は、フィルタバンク38の各フィルタによってフィルタリングされ、1組の中間トレーニング画像が生成される。次に、出力画像の主成分分析を実行して、フィルタに基づく余分な次元を除去する。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態では、主成分は、中間トレーニング画像のN×N相関行列の固有ベクトルとして計算される。相関行列の固有値は、中間トレーニング画像内の変化量を示す。本発明のいくつかの実施形態では、その固有値が1.0未満である主成分は無視することができる。本発明の他の実施形態では、固有値が0.1未満でない限り、主成分は無視されない。本発明の他の実施形態では、他の閾値を用いることができる。
【0021】
主成分を求めた後に、後に説明される、以下の線形最小二乗問題が解かれる。
【0022】
【数2】

(式2)
【0023】
ただし、PC[j]は、i番目の主成分のj番目の要素を表し(iは、固有値の最大値から最小値の順番で主成分を示す)、「M」は、0.1よりも大きな固有値を有する主成分の数を表し(M≦N)、dは一定のオフセットを表し、「b」は、内部の総計によって計算される主成分フィルタ出力画像の係数を表す。
【0024】
最後に、a個の成分が以下の式によって導出される。
【0025】
【数3】

(式3)
【0026】
中間トレーニング画像のうちの1つが、出力全体への寄与が比較的小さい場合には、対応するフィルタをフィルタバンク38から除去することができ、本発明のいくつかの実施形態では、より効率的なモデルを形成するために、当てはめ過程が繰り返される。上記のトレーニング技法からパラメータが求められると、フィルタバンク38を用いて、想定される表面の3Dモデルからの高さをサンプリングすることによって与えられる新規の入力画像36から画像を合成することができる。
【0027】
図3を参照すると、ここで、本発明による技法80が、フィルタ係数を導出するためのトレーニング技法82と、フィルタ係数を用いて出力画像36を生成するシミュレーション技法120とを重ね合わせる。トレーニング技法82に関して、トレーニング入力画像88がフィルタバンク90に与えられる。次に、フィルタバンク90が、N個の出力92を生成する。フィルタ係数ソルバー86(すなわち、上記のように、主成分及び最小二乗を計算するソルバー)が、出力92を用いて、フィルタ係数94を導出する。フィルタバンク90及びフィルタ係数94は、トレーニング技法82とシミュレーション技法120との間の重なりを与える。このようにして、シミュレーション技法120の場合に、フィルタバンク90は、走査ビームツール32から新規の入力画像124を受信し、出力82を計算し、これらの出力を合成関数122に与え、それにより、合成関数がシミュレートされた画像123を生成する。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、用いられるフィルタバンクは、入力表面に対する局所的な3次近似から、高さ勾配の大きさ及び主曲率を計算することに基づくものである。しかしながら、提案されるアルゴリズムは、これらのフィルタには限定されない。1組のフィルタが局所的な表面構造と画像強度との間の関係を表すのに相応しい場合には、任意の他の1組のフィルタを用いて、局所的な幾何学的フィーチャを計算することができる。非線形フィーチャを用いることによって、極めて非線形な現象論的関係を表現できるようになる。フィルタバンク内の個々のフィルタの出力は、入力高さ画像の各ピクセルにおける勾配の大きさ及び曲率値に対応する。本発明のいくつかの実施形態では、ガウス重みの当てはめを用いて局所的な3次近似を計算するフィルタカーネルが用いられる。ガウス重みの当てはめを用いることは、鋭いエッジ付近での望ましくないリンギング効果を抑えるのを助ける。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態では、ファセットモデルを用いて、勾配及び曲率が推定される。ファセットモデルは、各ピクセルの局所的な近傍内の強度に対する多項式の当てはめとして画像を表現する。したがって、その画像は、ピクセル毎に異なる多項式(ピクセル当たり1つのファセット)を有する区分的多項式関数として表される。3次ファセットモデルの場合、画像の局所的近傍f(r,c)は、以下に示されるように、2次元の3次多項式によって近似される。
【0030】
【数4】

(式4)
【0031】
ただし、r∈R及びc∈Cは、(0,0)に中心にした長方形を成す近傍のための行及び列の添え字を表し、10個ある全てのK係数は、特定のピクセルを中心にした近傍に特有の定数である。たとえば、5×5の近傍の場合、R=C={−2,1,0,1,2}である。
【0032】
3次ファセットモデルを考えると、ピクセル毎の勾配(勾配の大きさ)及び曲率(2つの主曲率)が、以下のように計算される。
【0033】
【数5】

(式5)
【数6】

(式6)
【数7】

(式7)
【0034】
ただし、「G」は勾配の大きさであり、K及びKは主曲率である。種々の近傍サイズの場合のこれらの3つの演算子は、後にフィルタを構成する根拠として用いられる。モンテカルロモデルは、検出器幾何学的構造において円対称を仮定するので、これらのフィルタが円対称であることが適している。これらの式から明らかなように、K、K、K、K及びKだけが必要とされる。幸いなことに、多項式係数はそれぞれ、以下に示される畳み込み演算を用いて効率的に計算することができる。
【0035】
別法では、さらに高次の多項式の当てはめのための係数を用いることもできる。また、強度に対する周期的な構造の影響を捕えるために、ガボールフィルタが有用な場合がある。SEM画像では、極めて近接している繰返し構造は典型的には、孤立している同じ構造とは異なるコントラストを有する。検出器幾何学的構造が円対称でないSEMの場合、3次多項式の係数は、それらを合成して勾配の大きさ及び主曲率にする代わりに、フィルタとして個別に用いることができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、ガウス重み関数が用いられる。サポートできる近傍サイズは依然として奇数の整数であるが、ガウス関数の場合の付加的な幅パラメータが、実効的な近傍サイズの連続制御を提供する。ガウス重み関数は、可分性を保持するという利点を有し、以下のように定義される。
【0037】
【数8】

(式8)
【0038】
ただし、以下の式が成り立つ。
【0039】
【数9】

【0040】
またkは、以下のような正規化因子である。
【0041】
【数10】

【0042】
重み関数を用いて多項式を当てはめるために、以下のように、重み付けされた二乗誤差が最小限に抑えられる。
【0043】
【数11】

(式9)
【0044】
ガウス重みファセットモデルの係数のための畳み込みカーネルは付録に記述される。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、畳み込みカーネルが計算され、それは、画像と畳み込まれるときに、以下の式を最小にする、その画像のファセットモデル表現を与え、Kの係数のための一般解は、以下のように記述することができる。
【0046】
【数12】

(式10)
【数13】

(式11)
【数14】

(式12)
【数15】

(式13)
【数16】

(式14)
【数17】

(式15)
【数18】

(式16)
【数19】

(式17)
【数20】

(式18)
【数21】

(式19)
【数22】

(式20)
【0047】
これらの定義の点から、その解は以下の通りである。
【0048】
【数23】

(式21)
【数24】

(式22)
【数25】

(式23)
【数26】

(式24)
【数27】

(式25)
【数28】

(式26)
【数29】

(式27)
【数30】

(式28)
【数31】

(式29)
【数32】

(式30)
【0049】
K係数はそれぞれ2D画像に対応し、各ピクセルは、入力画像内の対応するピクセルを中心にした近傍への当てはめを表す。K係数の画像は、近傍のサイズの畳み込みカーネルとの畳み込み演算によって効率的に計算することができる。
【0050】
ガウス重みファセットモデルを用いてK係数を計算するために、式12〜20からの変数G、A、B、Q、T、U、V、W及びZが、以下のように定義される変数R及びCを用いることを除いて、同じ式によって計算される。
【0051】
【数33】

(式31)
【0052】
その際、係数は以下のように計算される。
【0053】
【数34】

(式32)
【数35】

(式33)
【数36】

(式34)
【数37】

(式35)
【数38】

(式36)
【数39】

(式37)
【数40】

(式38)
【数41】

(式39)
【数42】

(式40)
【数43】

(式41)
【0054】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によれば、上記の技法を、コンピュータシステム200との関連で用いることができる。より具体的には、コンピュータシステム200は、プロセッサ202に上記のシミュレーション及びトレーニング技法を実行させるための命令212を格納しているメモリ210を備えることができる。さらに、メモリ210は、たとえば、高さフィールド画像のような入力画像36を表すデータ214も格納することができる。さらに、メモリ210は、シミュレーション技法の結果を表すデータ216、たとえば出力画像46を格納することができる。
【0055】
コンピュータシステム200の他の特徴の中でも、コンピュータシステム200は、メモリ210をメモリハブ206に接続するメモリバス208を備えることができる。メモリハブ206は、プロセッサ202とともに、ローカルバス204に接続される。メモリハブ206は、たとえば、ネットワークインターフェースカード(NIC)270及びディスプレイドライバ262(ディスプレイ264を駆動する)にも接続されることができる。さらに、メモリハブ206は(ハブリンク220を介して)、たとえば、入力/出力(I/O)ハブ222にも接続することができる。本発明の特定の実施形態によっては、I/Oハブ222はさらに、CD ROMドライブ260及び/又はハードディスクドライブ250のためのインターフェースを提供することができる。さらに、キーボード246、マウス242及びフロッピーディスクドライブ240のためのインターフェースを提供するために、I/Oハブ222にI/Oコントローラ230を接続することもできる。
【0056】
図5は、プログラム命令212、入力画像データ214及び出力画像データ216を、メモリ210に格納されるものとして示すが、これらの命令及び/又はデータのうちの1つ又は複数が、ハードディスクドライブ250内、又はCD ROMドライブ260に挿入されるCD ROMのような取出し可能な媒体内のような別のメモリ内に格納される場合もあることは理解されたい。本発明のいくつかの実施形態では、システム200は、NIC270を介してシステム200に接続される走査ビームイメージングツール271(たとえば、走査電子顕微鏡(SEM)又は集束イオンビーム(FIB)ツール)を示す。ツール271は、観測中の表面の走査された画像(たとえば、2D画像)を示すデータを提供する。システム200は、ディスプレイ264上に、走査された画像と、本明細書に記述される技法によって生成されるシミュレートされた画像とを表示することができる。したがって、本発明の多数の実施形態が考えられ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0057】
本発明は、限られた数の実施形態に関して開示されてきたが、当業者は、本開示の恩恵を享受するときに、それらの実施形態からの数多くの変更及び変形を理解するであろう。添付の特許請求の範囲が、本発明の真の精神及び範囲内に入るような全ての変更及び変形を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態による、走査ビームツール画像をシミュレートするための技法を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による、図1のフィルタバンクをトレーニングするための技法を示す流れ図である。
【図3】本発明の一実施形態による、シミュレートされた画像を導出するためのトレーニング及びシミュレーションの技法を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるコンピュータシステムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
走査ビーム画像において観測することができる物体のサンプリングされた表現を複数のフィルタでフィルタリングすることであって、それによって、複数の中間画像を生成する、フィルタリングすること、及び
該中間画像を合成することであって、それによって、前記走査ビーム画像において観測されるものを予測するシミュレートされた画像を生成する、合成すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記物体のサンプリングされた表現は、製造仕様から導出される高さフィールド画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルタリングすることは、
前記フィルタを種々の幾何学的フィーチャに関連付けること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィーチャは、勾配、最小曲率及び最大曲率のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記表現はピクセルを含み、前記フィルタリングすることは、
フィルタ毎に、前記表現の各ピクセルに、及び該各ピクセルを包囲する領域で画定される周囲のピクセルに関数を適用すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
種々のフィルタについて前記領域のサイズを変更することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記表現及び対応する出力画像はトレーニング入力/出力セットを含み、前記方法は、
該トレーニングセットを用いることであって、それによって、前記フィルタの係数を求める、用いること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記表現はトレーニング入力と見なされ、前記方法は、
該トレーニング入力を用いることであって、それによって、前記フィルタのうちの少なくとも1つを除去する、用いること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記トレーニング入力を用いることは、
前記中間画像の相関行列を求めること、及び
該相関行列の固有値を求めること
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
命令を格納しているコンピュータ読取り可能記憶媒体を含む製品であって、該命令は、プロセッサベースのシステムに、
複数のフィルタで物体のサンプリングされた表現をフィルタリングすることであって、それによって、複数の中間画像を生成する、フィルタリングすること、及び
該中間画像を合成することであって、それによって、前記物体のシミュレートされた画像を生成する、合成すること
を行わせる、命令を格納しているコンピュータ読取り可能記憶媒体を含む製品。
【請求項11】
前記表現は、製造仕様から導出される高さフィールド画像を含む、請求項10に記載の製品。
【請求項12】
前記記憶媒体は、前記プロセッサベースのシステムに、前記フィルタを異なる幾何学的フィーチャに関連付けることを行わせるための命令を格納している、請求項10に記載の製品。
【請求項13】
前記表現及び所望の対応する出力画像はトレーニング入力/出力セットを含み、前記記憶媒体は、前記プロセッサベースのシステムに、前記所望の出力画像を用いることであって、それによって、前記フィルタの係数を求める、用いることを行わせるための命令を格納している、請求項10に記載の製品。
【請求項14】
前記表現はトレーニング入力を含み、前記記憶媒体は、前記プロセッサベースのシステムに、前記トレーニング入力を用いることであって、それによって、前記フィルタのうちの少なくとも1つを除去する、用いることを行わせるための命令を格納している、請求項10に記載の製品。
【請求項15】
前記記憶媒体は、前記プロセッサに、前記中間画像の相関行列を求めること、前記相関行列の固有値を求めること、及び該求めた結果を用いて、前記フィルタのうちの少なくとも1つを除去することを行わせるための命令を格納している、請求項10に記載の製品。
【請求項16】
システムであって、
プロセッサと、
命令を格納しているメモリと
を備え、該命令は、前記プロセッサに、
複数のフィルタで物体のサンプリングされた表現をフィルタリングすることであって、それによって、複数の中間画像を生成する、フィルタリングすること、及び
該中間画像を合成することであって、それによって、前記物体のシミュレートされた画像を生成する、合成すること
を行わせる、システム。
【請求項17】
前記表現は、製造仕様から導出される高さフィールド画像を含む、請求項16に記載の製品。
【請求項18】
前記メモリは、前記プロセッサに、合成物体表現から走査ビームイメージングツールをシミュレートすることであって、それによって、前記フィルタの前記係数を求めるために用いられる前記トレーニング入力/出力セットを構成する前記所望の出力画像を生成する、シミュレートすることを行わせるための命令を格納している、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは前記フィルタを異なる幾何学的フィーチャに関連付ける、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記表現はトレーニング入力を含み、前記プロセッサは所望の対応する出力画像を用いて、前記フィルタの係数を求める、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記表現はトレーニング入力を含み、前記プロセッサは該トレーニング入力を用いて、前記フィルタのうちの少なくとも1つを除去する、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
システムであって、
走査ビームイメージングツールと、
プロセッサと、
命令を格納しているメモリと
を備え、該命令は、前記プロセッサに、
複数のフィルタで物体のサンプリングされた表現をフィルタリングすることであって、それによって、複数の中間画像を生成する、フィルタリングすること、及び
該中間画像を合成することであって、それによって、前記物体のシミュレートされた画像を生成する、合成すること
を行わせるための命令であり、前記シミュレートされた画像を用いて、前記走査ビームイメージングツールによって生成される別の画像が解釈される、システム。
【請求項23】
前記表現は、製造仕様から導出される高さフィールド画像を含む、請求項22に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−506199(P2008−506199A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520582(P2007−520582)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024488
【国際公開番号】WO2006/010105
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】