説明

表面保護フィルム

【課題】滑り性、耐擦傷性及び靴底の摩耗性を鼎立し得る表面保護フィルム及びその表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる装飾シートを提供すること。
【解決手段】透明オレフィン樹脂からなる基材シートの表面側にプライマー層を設け、該プライマー層の表面側に電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層を設け、該基材シートの裏面側に裏面プライマー層を設け、該裏面プライマー層の裏面側に粘着剤層を設けてなり、該表面保護層の表面上に凹凸形状が存在し、該凹凸形状のJIS B 0601−1982で規定される中心線平均粗さRaが5〜20μmであることを特徴とする表面保護フィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告宣伝等の目的で装飾された印刷物の表面を保護するための表面保護フィルム、さらに、この表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる装飾シート、特に床用装飾シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、広告宣伝等の目的で装飾された印刷シートの表面に透明フィルムを貼着して保護することが行われている。
例えば、特許文献1は、広告宣伝のため主に床面に接着して使用される貼着シートとして、電離放射線硬化型樹脂の硬化物中にその硬化物よりも高硬度の無機質粒子を含有してなる透明な表面樹脂層と、熱可塑性樹脂からなる透明基材シートと、透明粘着剤層と、剥離可能な離型シートとをこの順で積層してなる貼着シート組合せ体を提案している。
【0003】
また、特許文献2では、床面に貼着して使用した場合に、良好な防滑性、耐摩耗性、及び防汚性を同時に実現できる表面保護フィルムとして、ポリプロピレン系樹脂:熱可塑性エラストマー系樹脂の質量比が60:40〜80:20であり、フィルム表面の表面粗さRaが0.3〜4.0μmである、ポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマー系樹脂の混合樹脂からなる表面保護フィルムが開示されている。
さらに、特許文献3では、シートの上で滑ることなく、シートが配置されていない場合と同様に通行することができる、第1主要面上のどの直径200mmの円形領域においても前記半球状突起が占める面積(%)が37%から90%である複数の半球状突起を有する透明防滑性保護シートが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された貼着シート組合せ体は、床面に貼着して使用した場合に靴底が摩耗してしまうと共に、それにより貼着シート組合せ体表面の汚れが目立ってしまうという問題があった。
一方、特許文献2に記載された表面保護フィルムや特許文献3に記載された透明防滑性保護シートは、靴等による擦傷が起き易く、保護フィルムとしての機能が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−70686号公報
【特許文献2】特開2007−39576号公報
【特許文献3】特開2010−19028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、滑り性、耐擦傷性及び靴底の摩耗性を鼎立し得る表面保護フィルム及びその表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる装飾シート、特に床用装飾シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層を設け、その表面に特定の凹凸形状を付与することにより上述の課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、透明オレフィン樹脂からなる基材シートの表面側にプライマー層を設け、該プライマー層の表面側に電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層を設け、該基材シートの裏面側に裏面プライマー層を設け、該裏面プライマー層の裏面側に粘着剤層を設けてなり、該表面保護層の表面上に凹凸形状が存在し、該凹凸形状のJIS B 0601−1982で規定される中心線平均粗さRaが5〜20μmであることを特徴とする表面保護フィルム、及びその表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる装飾シート、特に床用装飾シートである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、滑り性、耐擦傷性及び靴底の摩耗性を鼎立し得る表面保護フィルム及びその表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる装飾シート、特に床用装飾シートを提供することができる。
本発明の表面保護フィルムは、その表面樹脂層に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物よりも高硬度の無機質粒子を含有することなく、滑り性、耐擦傷性及び靴底の摩耗性の鼎立を維持したまま表面保護フィルムを十分薄膜化できるため、その表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる装飾シート、特に床用装飾シートを貼着した部分とそれ以外の部分との段差(厚み差)が最小化され、これによって特に床面に貼着した場合、段差による躓き、転倒の危険性を低減することができ、かつ材料費も節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の表面保護フィルムの断面を示す模式図である。
【図2】本発明の装飾シートの断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の発明である表面保護フィルムは、透明オレフィン樹脂からなる基材シートの表面側にプライマー層を設け、該プライマー層の表面側に電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層を設け、該基材シートの裏面側に裏面プライマー層を設け、該裏面プライマー層の裏面側に粘着剤層を設けてなり、該表面保護層の表面上に凹凸形状が存在し、該凹凸形状のJIS B 0601−1982で規定される中心線平均粗さRaが5〜20μmであることを特徴とする。
【0011】
本発明の表面保護フィルムの典型的な構造を、図1を用いて説明する。図1は本発明の表面保護フィルム10の断面を示す模式図である。図1に示す例では、基材シート11の上にプライマー層12を設け、プライマー層12の上に電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層13を設け、基材シート11の裏面に裏面プライマー層14を設け、裏面プライマー層14の裏面に粘着剤層15を設けて、表面保護フィルム10を構成している。
以下、表面保護フィルム10を構成する各層につき詳述する。
【0012】
〔表面保護層13〕
表面保護層13は、表面保護フィルム10の最表面となる層であり、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化物により構成する。電離放射線硬化性樹脂組成物は透明であることが好ましい。
本発明においては、表面保護層13の表面上に凹凸形状が存在し、該凹凸形状のJIS B 0601−1982で規定される中心線平均粗さRaが5〜20μmであることを要し、好ましくは5〜15μmである。中心線平均粗さRaが5μm以上であることを要するのは、表面保護フィルム10の滑り性を適度にして、歩行する人のスリップ防止のためであり、中心線平均粗さRaが15μm以下であることを要するのは、滑り性を適度にすると共に耐擦傷性及び靴底の摩耗性を確保するためである。中心線平均粗さRaが上記の範囲内であれば、滑り過ぎずに適度に滑るという、適度な滑り性が得られる。
また、同様の理由で、十点平均粗さRzが5〜100μmであることが好ましく、5〜80μmであることが特に好ましい。さらに同様の理由で、最大高さRmaxが30〜120μmであることが好ましく、30〜90μmであることが特に好ましい。
本発明においては、表面保護層13の表面上の10cm×10cmの区画のいずれにおいても凹凸形状の存在する面積が70%以上であることが、滑り性を位置に係らず安定にする観点から好ましい。
【0013】
凹凸形状の形成方法は、いかなる方法でも良く、特に制限されるものではないが、例えば、熱によるエンボス加工、賦形シートによって表面保護層に転写させる方法などが挙げられる。
熱によるエンボス加工の場合は、電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化した後、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機によるエンボス加工がなされて凹凸形状が形成されても良いし、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機によるエンボス加工がなされて凹凸形状が形成された後に、電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化しても良い。エンボスの柄模様としては、砂目、ヘアライン、梨地、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、万線条溝などがある。
エンボス加工する際の温度としては、加熱圧着成形時に凹凸模様が消失する所謂エンボス戻りが少なくなる温度が好ましい。
凹凸模様の深さは、中心線平均粗さRaが5〜20μm範囲内になるように適宜調整すれば良い。
【0014】
この表面保護層13は、液状とした電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアコート、ロールコート等によって塗工し、塗膜を電離放射線照射によって架橋硬化させることにより架橋硬化物として形成する。なお、グラビア印刷等による全ベタ印刷で形成しても良い。表面樹脂層11の膜厚は2〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。膜厚が2μm以上であれば、表面保護層13に十分な耐摩耗性を付与することができ、エンボス加工もし易い。また、膜厚が50μm以下であれば、表面保護フィルム組合せ体となる装飾シート、特に床用装飾シートを床面に貼着した場合に床の段差が低減するので好ましい。
【0015】
表面保護層11は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物よりも高硬度の無機質粒子を含有しないことが好ましく、無機質粒子を含有しないことさらに好ましい。高硬度の無機質粒子を含有すると表面保護層11の耐摩耗性が過剰となり、床面に貼着して使用した場合に靴底が摩耗し表面保護層11の表面の汚れが目立ってしまうからである。
電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物よりも高硬度の無機質粒子としては、例えば、アルミナ(α−アルミナ等)、アルミノシリケート、シリカ、硝子、カオリナイト、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド等が挙げられる。
【0016】
上述の電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂成分としては、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(所謂プレポリマー、マクロモノマー等も包含する)及び/又は分子中にラジカル重合性不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有するモノマーが好ましく用いられる。なお、ここで電離放射線とは、分子を重合或いは架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を意味し、通常は、電子線(EB)又は紫外線(UV)が一般的である。
【0017】
上記オリゴマー又はモノマーは、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなる。これらオリゴマー、モノマーは、単独で用いるか、或いは複数種混合して用いる。なお、ここで、例えば、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
【0018】
上述の分子中にラジカル重合性不飽和基を有するオリゴマーの例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等のオリゴマーが好ましく使用でき、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーがさらに好ましい。分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
【0019】
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、多官能モノマーが好ましく、多官能(メタ)アクリレートがさらに好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート{5官能(メタ)アクリレート}、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート{6官能(メタ)アクリレート}等が挙げられる。ここで、多官能モノマーとは、複数のラジカル重合性不飽和基を有するモノマーをいう。
【0020】
本発明においては、上述の電離放射線硬化性樹脂組成物がウレタンアクリレートオリゴマー及び多官能モノマーからなる電離放射線硬化性樹脂成分を含むことがさらに好ましく、電離放射線硬化性樹脂成分として、ウレタンアクリレートオリゴマー/多官能モノマー(質量比)が6/4乃至9/1であることが特に好ましい。この質量比の範囲であれば、耐擦傷性及び靴底の摩耗性を好適に両立させ得るからである。
なお、必要に応じ、上記電離放射線硬化性樹脂成分に加えて、単官能モノマーを本発明の目的に反しない範囲で適宜使用しても良い。単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
本発明に係る電離放射線硬化性樹脂組成物を紫外線にて架橋させる場合には、電離放射線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。なお、これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬化性樹脂成分100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。
【0022】
なお、上記電離放射線硬化性樹脂組成物には、更に必要に応じて各種添加剤を加えても良い。これらの添加剤としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、ワックス、弗素樹脂等の滑剤、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、染料、顔料等の着色剤等である。
【0023】
なお、電離放射線の電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、70〜1000keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。照射線量は、1〜10Mrad程度である。また、紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては通常190〜380nmの波長域が主として用いられる。
【0024】
〔基材シート11〕
本発明に係る基材シート11としては、透明オレフィン樹脂からなる基材シートが用いられる。可視光線透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
この基材シート11に用いられる透明オレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン及びポリメチルペンテンが好ましく、ポリエチレン及びポリプロピレンがさらに好ましい。そして、これらの樹脂を必要に応じて、未延伸、1軸延伸或いは2軸延伸したものを用いる。基材シート11の厚みは30〜300μmが好ましい。厚みが30μm以上であれば、表面保護フィルム10に十分な耐摩耗性を付与することができる。また、厚みが300μm以下であれば、表面保護フィルム組合せ体となる装飾シート、特に床用装飾シートを床面に貼着した場合に床の段差が低減するので好ましい。基材シート11の厚みは50〜300μmがより好ましく、50〜200μmがさらに好ましい。
【0025】
基材シート11は、必要に応じて、表面、裏面、或いは表裏両面(本明細書中において観察者側を表面、被着体側を裏面と称する)に易接着処理を施しても良い。易接着処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理が挙げられる。
【0026】
また、上記基材シート11には、透明性を損なわない範囲内で各種添加剤を加えても良い。各種添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、可塑剤、着色剤、難燃剤等が挙げられる。
【0027】
〔プライマー層12〕
本発明の表面保護フィルムには、基材シート11と表面保護層13との接着をより強固にするために、プライマー層12が設けられる。プライマー層12の材料としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられるが、表面保護層13の電離放射線硬化性樹脂組成物にウレタンアクリレートオリゴマーを配合する場合は、ウレタン樹脂が好ましい。
プライマー層12の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。膜厚が0.3μm以上であれば、表面保護層との密着性を好適に確保できる。また、膜厚が10μm以下であれば、表面保護フィルムが厚くなり過ぎず好ましい。
【0028】
〔裏面プライマー層14〕
本発明の表面保護フィルムには、さらに、基材シート11と粘着剤層15との接着をより強固にするために、裏面プライマー層14が設けられる。裏面プライマー層14の材料としては、プライマー層12と同様の材料が用いられる。プライマー層12と同じ材料を用いても良いし、異なる材料を用いても良い。
裏面プライマー層14の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。膜厚が0.3μm以上であれば、粘着剤層との密着性を好適に確保できる。また、膜厚が10μm以下であれば、表面保護フィルムが厚くなり過ぎず好ましい。
【0029】
〔粘着剤層15〕
表面保護フィルム10の粘着剤層15は、該層を通して下の絵柄を透視可能な透明性を有する粘着剤が好適に使用される。可視光線透過率は70%以上、好ましくは80%以上である。粘着剤層15の膜厚は5〜100μmが好ましい。膜厚が5μm以上であれば、好適な粘着性能が得られる。また、膜厚が100μm以下であれば、表面保護フィルムが厚くなり過ぎず好ましい。
【0030】
この粘着剤層15の材料としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体等のアクリル樹脂(但し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸或いはメタクリル酸を意味する)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。そして、これらの樹脂やゴム等に、必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、体質顔料、紫外線吸収剤を加えたものが用いられる。
【0031】
〔離型シート20〕
表面保護フィルム10の裏面に貼着される離型シート14は、粘着剤層15が不用意に他の物体に粘着したり、或いは表面保護フィルム10を巻取(ロール)に巻き取った時にブロッキング(粘着剤層とその反対面の表面樹脂層とが粘着すること)を起こすことを防止するため、粘着剤層15の裏面に仮接着しておくものである。そして、印刷シート30との貼着時点で剥離し、粘着剤層15を露出させる。
【0032】
この離型シート20としては、上質紙、リンター紙、硫酸紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙、或いはポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の樹脂シートの表面(粘着剤層15と対向する面)にシリコン樹脂等の離型剤を塗工したものが用いられる。
【0033】
本発明の第2の発明である装飾シート、特に床用装飾シートは、表面保護フィルム10を印刷シートに圧着してなるものである。
本発明の装飾シートの典型的な構造を、図2を用いて説明する。図2は本発明の装飾シート50の断面を示す模式図である。図2に示す例では、印刷シート30は被印刷体31の表面側に絵柄印刷層32が設けられ、被印刷体31の裏面側に第2粘着剤層33が設けられている。この印刷シート30の絵柄印刷層32表面に、表面保護フィルム10裏面の粘着剤層15が貼着されて装飾シート50が構成される。通常、装飾シート50の第2粘着剤層33が不用意に他の物体に粘着したり、或いは装飾シート50を巻取(ロール)に巻き取った時にブロッキング(粘着剤層とその反対面の表面樹脂層とが粘着すること)を起こすことを防止するため、第2粘着剤層33の面には第2離型シート40が仮接着される。そして装飾シート50の貼着時点で剥離し、第2粘着剤層33を露出させる。
【0034】
〔印刷シート30〕
印刷シート30は、装飾(例えば、広告宣伝のための情報)を画像(絵柄)として受容する媒体であり、必要な時(オンデマンド)に所望の印刷法により所望の絵柄を表面に印刷する。すなわち、必要な時がくるまでの間は、印刷しない白紙状態のまま保管しておくものである。この印刷シート30の各層について説明すると次のようである。
【0035】
(被印刷体31)
被印刷体31は、表面に所望の印刷法及びその印刷インキに対する受容性を有することが好ましい。すなわち、印刷インキが弾かれたりすることなく画像形成でき、かつインキと密着する性質を有することが好ましい。
ここで、被印刷体31自体が表面に所望の印刷インキに対する受容性を有している場合は、表面未処理のままでも良いが、それ自体で表面の受容性が不十分な場合は、表面に受容性付与のための処理を施すことが好ましい。受容性付与のための処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、易接着プライマー(アンカーコートとも言う)塗工等が挙げられる。また、必要に応じて、裏面にも粘着剤層との接着性を向上させるために易接着処理を施しても良い。
【0036】
この被印刷体31の材料としては、熱可塑性樹脂、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタール酸共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂((メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が挙げられる。そして、これらの樹脂を必要に応じて、未延伸、1軸延伸或いは2軸延伸したものを用いる。被印刷体31の厚みは20〜400μmが好ましい。厚みが20μm以上であれば、エアがみやタルミ等の歪みの発生を好適に防止できる。また、厚みが400μm以下であれば、印刷シート30や装飾シート50の段差が歩行等に影響しにくく好ましい。
【0037】
また、被印刷体31は、下地の床面の色を生かす場合は半透明又は透明であっても良く、下地が見えなくならない程度に着色しても良いが、装飾効果や広告宣伝効果を高める観点から下地の床面の色等が見えないように隠蔽性を有することが好ましい。この場合、色は、各種所望の絵柄に汎用的に対応可能な白色が好ましいが、用途によっては、黒色、或いは有彩色に着色してあっても良い。この場合、前掲した樹脂に所望の隠蔽性及び色彩を付与するため着色剤を添加する。着色剤としては、チタン白、アンチモン白、鉛白、カーボンブラック(墨)、鉄黒、黄鉛、チタンイエロー、朱、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー等の有機顔料(乃至は染料)、アルミニウム、真鍮等の金属の鱗片状薄片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状薄片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。また、夜間に装飾絵柄(広告宣伝絵柄等)を発光せしめる場合には、公知の各種蛍光(乃至は燐光)顔料を添加しても良い。
【0038】
(絵柄印刷層32)
被印刷体31表面に印刷して形成するする絵柄印刷層32の絵柄は、所望する装飾の画像、例えば広告宣伝用情報の画像、である。例えば、文字(商品名、ロゴマーク、商品説明文、標語等)、商品等の絵柄或いは写真、幾何学模様、風景、人物、商品使用状況等の各種画像がある。これらの絵柄は、一般的に多品種小ロット、短納期(オンデマンド)、高頻度での貼り替え、低価格等での形成が必要となるため、通常、シルクスクリーン印刷法、インキジェット印刷法、昇華転写法、電子写真法、感熱発色印刷法等が好ましい。また、場合によっては、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法等も用いられる。
【0039】
絵柄印刷層32に用いられるインキのバインダー樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂が変性したものないし前記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用することもできる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上で使用できる。
また、着色剤としては、例えば、被印刷体31の項で挙げた着色剤等が適宜用いられる。
【0040】
(第2粘着剤層33)
印刷シート30における第2粘着剤層33の材料は前記した粘着剤層15の材料と同じものが用いられ、膜厚も粘着剤層15と同様である。但し、印刷シート30の第2粘着剤層33には、透明性は必ずしも必要ない。むしろ、場合によっては、被印刷体31の隠蔽性を補うために、着色剤を添加することもできる。この着色剤としては、被印刷体31の項で挙げたものが使用できる。
【0041】
(第2離型シート40)
印刷シート30の第2離型シート40としては、前記した表面保護フィルム10の離型シート20において述べたものが用いられる。離型シート20と同じものを用いても良い。
【0042】
本発明の装飾シート50を構成する2枚のシート、すなわち表面保護フィルム10と印刷シート30の形態としては、共に長尺帯状のシートを巻き取った巻取(ロール)の形態でも良いし、或いは、ともにシートを長方形(正方形も含む)等の所望の形状に打ち抜いた枚葉の形態でも良い。
【0043】
本発明においては、予め表面保護フィルム10と印刷シート30とが貼着された装飾シート50を、第2離型シート40を剥がした後、床面等に貼着しても良いし、印刷シート30を床面等の被着体表面に貼着した後、表面保護表面保護フィルム10裏面の離型シート20を剥離して、その後、印刷シート30の絵柄印刷層32の表面に、表面保護表面保護フィルム10の粘着剤層15の面を貼着しても良い。
【実施例】
【0044】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
評価方法
(1)表面粗さ
表面保護フィルムのJIS B 0601−1982で規定される中心線平均粗さRa、十点平均粗さRz及び最大高さRmaxを、株式会社東京精密製表面粗さ測定器、商品名「ハンディーサーフ E−35A」を用いて、JIS B 0601−1982に準拠して評価長さ5mmで測定した。
(2)滑り性(C.S.R値)
試験片としてJIS A 1454:2005に準拠したスチレン−ブタジエン共重合体製のゴムシート{JIS K 6253に規定するスプリング式硬さ(A形)80、厚さ6mm}を使用し、JIS A 1454:2005に準拠して、乾燥時(清掃し、乾燥した状態)、ダスト時(JIS Z 8901に規定する試験用粉体1の7種を10g/m2の割合で散布した状態)、水+ダスト時(水道水とJIS Z 8901に規定する試験用粉体1の1種及び7種を質量比で20:9:1に混合したものを400g/m2の割合で散布した状態)の3種類の場合について表面保護フィルムの滑り抵抗係数C.S.Rを測定し、以下の基準で評価した。
○: 0.4 < C.S.R値 < 1.0 の範囲内であった。
×: 0.4 < C.S.R値 < 1.0 の範囲外であった。
(3)耐擦傷性
29.4kPa(300g/cm2)の荷重となるように調整された重りに、スチールウール(#0000)を取り付けて、表面保護フィルムの表面を50回擦り、該表面の艶の変化を目視にて観察した。判定基準を以下のようにして評価した。
○ : 全く変化がない。
△ : 変化あり。
× : 著しい変化あり。
(4)靴底(ゴム製)の摩耗性
装飾シートを床面に実地施工した後2週間でのゴム跡を目視にて観察した。判定基準を以下のようにして評価した。
○ : ゴム跡が認められない。
△ : ゴム跡が認められる。
× : ゴム跡が著しい。
【0045】
実施例1〜2及び比較例1〜3
表面保護フィルムの基材シートとして、厚さ150μmの透明ポリエチレンシートを用意し、その表裏両面にコロナ放電処理を施した。また、その表面側にはさらにウレタン樹脂系のプライマーを厚さが2μmとなるように塗工し、基材シートの裏面側にもウレタン樹脂系のプライマーを厚さが1μmとなるように塗工した。
【0046】
次に、この透明基材シートの表面に下記組成の電離放射線硬化性樹脂組成物をロールコーターによって表面保護層の膜厚が18μm となるように塗工した後、その塗膜に対して加速電圧90kV、照射線量5Mradの条件にて電子線を照射し、該塗膜を架橋硬化させ表面保護層を形成した。
【0047】
(電離放射線硬化性樹脂組成物の組成)
2官能エーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー 80質量部
6官能アクリレートモノマー 20質量部
なお、比較例3の電離放射線硬化性樹脂組成物には、上記の組成に加えて、高硬度無機質粒子として、球状αアルミナ粒子(平均粒径20μm)を15質量部添加した。
【0048】
次に、実施例1〜2及び比較例1〜2のシートの表面保護層表面に第1表に記載した表面粗さになるように、砂目柄A〜Cを輪転式のエンボス機によりエンボス加工した。実施例1〜2及び比較例1〜3の表面保護層の表面上の10cm×10cmの区画のいずれにおいても凹凸形状の存在する面積が100%であった。
次いで、実施例1〜2及び比較例1〜3のシートの裏面にアクリル樹脂系の粘着剤を膜厚10μmとなるように塗工して粘着剤層を形成した。続いて、その粘着剤層面に、上質紙にシリコン樹脂の離型剤を塗工してなる離型シートを、該離型剤層が透明粘着剤層側に対面するようにして仮接着させた。斯くして各表面保護フィルムを得た。得られた各表面保護フィルムについて、表面粗さ、滑り性(C.S.R値)及び耐擦傷性を上記の方法で評価した。結果を第1表に示す。
【0049】
一方、印刷シートの被印刷体として、厚さ80μmのポリプロピレンシートを用意した。このポリプロピレンシートは、着色剤として酸化チタンを15質量部添加したものである。また、その表裏両面にコロナ放電処理を施した。
【0050】
次に、その被印刷体の裏面にアクリル樹脂系の粘着剤を厚さが10μmとなるように塗工して粘着剤層を形成した。続いて、その粘着剤層面に、上質紙にシリコン樹脂の離型剤を塗工してなる離型シートを、該離型剤層が粘着剤層側に対面するようにして仮接着させた。斯くして被印刷シートを得た。この被印刷シートの表面に広告宣伝用の装飾絵柄を印刷してから、印刷済みの印刷シートと表面保護フィルムとを順次テスト用の床面に貼着した。この各装飾シートの靴底(ゴム製)の摩耗性を上記の方法で評価した。結果を第1表に示す。
【0051】
比較例4
表面保護フィルムの基材シートとして、厚さ150μmの透明ポリプロピレンシートを用意し、その表裏両面にコロナ放電処理を施した。次に、このシートの表面に第1表に記載した表面粗さになるように、砂目柄Dを輪転式のエンボス機によりエンボス加工した。比較例4のシート表面上の10cm×10cmの区画のいずれにおいても凹凸形状の存在する面積が100%であった。
次いで、そのシートの裏面にアクリル樹脂系の粘着剤を膜厚10μmとなるように塗工して粘着剤層を形成した。続いて、その粘着剤層面に、上質紙にシリコン樹脂の離型剤を塗工してなる離型シートを、該離型剤層が透明粘着剤層側に対面するようにして仮接着させた。斯くして比較例4の表面保護フィルムを得た。得られた表面保護フィルムについて、表面粗さ、滑り性(C.S.R値)及び耐擦傷性を上記の方法で評価した。結果を第1表に示す。
次に、上記の印刷済みの印刷シートと比較例4の表面保護フィルムとを順次テスト用の床面に貼着した。この比較例4の装飾シートの靴底(ゴム製)の摩耗性を上記の方法で評価した。結果を第1表に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
第1表から明らかなように、実施例1及び2の表面保護フィルム及び装飾シートは、滑り性、耐擦傷性及び靴底の摩耗性のいずれにおいても良好であった。特に実施例1及び2の表面保護フィルムは、乾燥時、ダスト時及び水+ダスト時のいずれにおいても、滑り過ぎず、適度な滑り性を示した。
また、実施例1及び2の表面保護フィルム及び装飾シート、特に床用装飾シートは、回りとの段差が少なく、意匠性にも優れていた。さらに、所定期間を経過した後で、実施例1及び2の表面保護フィルム、印刷シート及び装飾シート、特に床用装飾シートはいずれも簡単に剥がすことができた。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の表面保護フィルム及び装飾シート、特に床用装飾シートは、その滑り性、耐擦傷性及び靴底の摩耗性のいずれにおいても優れた比較的薄膜のシートとしての利点を十分に発揮できるのは床面に貼着した場合であるが、広告宣伝用等の装飾画像を貼るべき所望の部位が対象となり得る。したがって、床(面)の他に、例えば、壁(面)、天井(面)、窓硝子、扉等の建築物の内装或いは外装表面、机(食卓、事務机等)等の家具、什器表面等に本発明の表面保護フィルム及び装飾シートは好適に用いられる。
【符号の説明】
【0055】
10 表面保護フィルム
11 基材シート
12 プライマー層
13 表面保護層
14 裏面プライマー層
15 粘着剤層
20 離型シート
30 印刷シート
31 被印刷体
32 絵柄印刷層
33 第2粘着剤層
40 第2離型シート
50 装飾シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明オレフィン樹脂からなる基材シートの表面側にプライマー層を設け、該プライマー層の表面側に電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層を設け、該基材シートの裏面側に裏面プライマー層を設け、該裏面プライマー層の裏面側に粘着剤層を設けてなり、該表面保護層の表面上に凹凸形状が存在し、該凹凸形状のJIS B 0601−1982で規定される中心線平均粗さRaが5〜20μmであることを特徴とする表面保護フィルム。
【請求項2】
前記電離放射線硬化性樹脂組成物がウレタンアクリレートオリゴマー及び多官能モノマーからなる電離放射線硬化性樹脂成分を含み、該ウレタンアクリレートオリゴマー/該多官能モノマー(質量比)が6/4乃至9/1である請求項1に記載の表面保護フィルム。
【請求項3】
前記多官能モノマーが、多官能(メタ)アクリレートである請求項2に記載の表面保護フィルム。
【請求項4】
前記表面保護層の表面上の10cm×10cmの区画のいずれにおいても前記凹凸形状の存在する面積が70%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の表面保護フィルム。
【請求項5】
前記表面保護層が、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物よりも高硬度の無機質粒子を含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面保護フィルム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる装飾シート。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の表面保護フィルムを印刷シートに圧着してなる床用装飾シート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−76345(P2012−76345A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223079(P2010−223079)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】