説明

表面形状校正装置および表面形状校正方法

【課題】被測定物の表面形状(真直度)をナノレベルで精密に測定する方法およびその測定に用いる表面形状校正装置の提供。
【解決手段】x軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージに搭載された3対の変位センサを保持する変位センサ保持具3組の各組変位センサを用い、前記3対の変位センサ保持具の凹字状アームの凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージとは独立して180度反転可能に保持される基準直定規の被測定面(表面および裏面)と変位センサ間距離、固定テーブル上に載置された加工ワークの被測定面と変位センサ間距離を測定し、その距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定面に垂直な直線上に3個の変位センサをセンサの感度方向を合わせてセンサ保持具に設置するセンサ組の2組または3組用い、逐次2点法または逐次3点法による被測定物の表面の表面形状の演算値と、反転法により重力による被測定物のたわみの運動測定誤差とたわみを含まない被測定物の直線形状とを分離し、逐次法と反転法による被測定物の表面形状の演算結果からゼロ点誤差補償量を算出し、そのゼロ点誤差補償量により逐次法によるゼロ点誤差補正を行う表面形状校正方法、およびその校正方法を実施するのに用いる表面形状校正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトマスク石英ガラス基板、ステンレス製樹脂押出T−ダイ、ジルコニア製流延塗布T−ダイ等、ナノレベルの精密加工が要求される数値制御加工機械において、ワークテーブルやツールテーブル等の長尺体の表面真直度が1.0μm/m以下であること、および機械加工されたワーク表面真直度が0.5μm/m以下であることが要求されている。よって、これらテーブル表面の真直度や機械加工されたワーク表面の縦方向または横方向の真直度をオートコリメータや複数の変位計センサを用いて長尺体の表面形状(真直度形状9を測定することが行われている。
【0003】
例えば、図8に示す変位センサA,B,Cの感度方向が一直線上に並び、ステージ上の二つの被測定物{直定規の走査f(x)とワークの走査g(x),h(x)}と2本の変位センサB,Cを配置したアッベ的配置による反転法校正装置を用い、変位センサA,B,Cの走査における各変位センサの出力{mA1(x),mB1(x),mC1(x),mA2(x),mB2(x),mC2(x)}からローリング角{ez1(x),ez2(x)}の影響を消去し、ピッチングもローリングも、ヨーイングやy方向の並進誤差とともに位置決め誤差要因になるだけで前記センサ感度方向に関しては無視可能なコサイン誤差、すなわち、2次の微少量しかならない校正方法で被測定物の表面形状{f(x),g(x),h(x)}を算出する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
また、図9に示す零点誤差補正装置10を用い、逐次3点法によりリニアテーブル25上に載置した被測定物(ワーク)100および被測定物(基準直定規)200の表面形状を、門形の支持台30より垂下された変位センサ31〜33および変位センサ41,42を用い、リニアテーブル20を移動させて変位センサ31〜33の検出出力に基づき逐次3点法による被測定物100の表面形状を演算するとともに、変位センサ41,42の検出出力に基づき被測定物200の表面形状を演算する。ついで、被測定物200を180度反転した後、リニアテーブル20を移動させて変位センサ41,42の検出出力に基づき被測定物200の表面形状を、変位センサ32により被測定物100の表面形状を演算する。なお、被測定物100の側面100aは、零点補償用基準面となるとともに、真直度測定対象面となる。被測定物200の側面200aは、逐次3点法に仕様される変位センサ31,32,33の零点補償用基準面となる。被測定物200の反転前および反転後における各変位センサの検出出力に基づいて反転法による被測定物100の表面形状を演算する。これら逐次3点法と反転法による被測定物100の表面形状の演算結果に基づい
て零点誤差補償量を算出し、該零点誤差補償量により逐次3点法による零点誤差補正を行う被測定物の形状校正方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
具体的には、ある点xの位置での表面形状g(x)は、1つ前の点xi−1の位置(ステップ)での表面形状g(xi−1)と、中央の変位センサ32が、点xi−1の位置に来た時の各変位センサの出力S32から求めたΔg(xi−1)を足したものである。g(x)=g(xi−1)+Δg(xi−1)
【0006】
その1つ先の点xi+1の位置(ステップ)での表面形状は、下式で表すことができる。g(xi+1)=g(x)+Δg(x)
【0007】
よって、現在得られた情報である式と、既に分かっている情報である式を足していくことにより、1つ先の位置での情報を求めて行くことができる。ある点xの位置のi=1,2,3,…,nというように各位置(ステップ)での表面形状を測定していくとき、測定開始点から、点xまでの表面形状g(x)は下式(1−22)で示される。なお、Gは基準高さである。
【0008】
【数1】

真直度Δg(x)は下式(1−23)で示される。
【0009】
【数2】

ところで逐次3点法は、複数の変位センサ32,41,42を使用することから、各変位センサ間に生じるゼロ点誤差を校正すると、被測定物面の表面形状g(xi)は下式(9)で示されることとなる。
【0010】
【数3】

【0011】
このように、式(9)を使用して反転前後で検出した出力を、数値制御装置(データ解析装置)で演算処理することにより、各点xの位置での表面形状g(x)を求めることができる。この式(9)から分かるように、ここで説明した反転法では、逐次3点法と異なり、前の位置(ステップ)での形状情報に影響されることがなく表面形状g(x)を求めることができる。
【0012】
【非特許文献1】清野 慧著、「超精密測定−ソフトウエアデータムを中心に」、発行者 精密工学会フェロー 清野 慧、p.71−p73、平成19年3月発行
【特許文献1】特開2006−337112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記特許文献1に記載の反転法を利用する校正方法は、被測定物の検出される側面100a,200a,200bが重力方向に垂直となるように配置され、被測定物の反転前と反転後での走査運動誤差とたわみが反転前後においてそれぞれほぼ等しいと仮定している。しかし、被測定物(加工ワーク)の形状によっては、その被測定物の支持状態によっては反転前後においてその加工ワークが重力の影響を受けてたわむことがある。また、ナノレベルでの直線形状を問題とするときは、被測定物反転前後のたわみの形状が異なると推測するのが妥当である。
【0014】
本発明は、更に変位センサの数を増やし、より測定誤差を小さくする反転法と逐次三点法もしくは2点法を併せた表面形状校正方法を提供するものである。また、その校正方法を実施可能な表面形状校正装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、x軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ、該xyステージのxy面を跨いで凹字状アームがxyステージのxy面に平行となるように設けられた3対の変位センサ保持具(H,H,H)、該3対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージに搭載された連結棒、前記xyステージに平行に設けられた被校正測定物の被測定面、前記3対の変位センサ保持具の凹字状アームの凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージとは独立して180度反転可能に保持される基準直定規、前記3対の変位センサ保持具(H,H,H)の凹字状アーム3対の各々にそれぞれ3本一組の変位センサ(A,B,C)の感度がxy面に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2,A3)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2,A3)と、変位センサ(B1,B2,B3)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2,B3)、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C1,C2,C3)間の距離を測定する変位センサ(C1,C2,C3)の群を備え、および、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置、を有する表面形状校正装置を提供するものである。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載の表面形状校正装置を用い、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、ついで、基準直定規を180度反転させた後に前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値からデータ解析装置が被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出することを特徴とする、表面形状校正方法を提供するものである。
【0017】
請求項3の発明は、x軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ、該xyステージのxy面を跨いで凹字状アームがxyステージのxy面に平行となるように設けられた3対の変位センサ保持具(H,H,H)、該3対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージに搭載された連結棒、前記xyステージに平行に設けられた被校正測定物の被測定面、前記3対の変位センサ保持具の凹字状アームの凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージとは独立して180度反転可能に保持される基準直定規、前記3対の変位センサ保持具(H,H,H)の凹字状アーム3対の各々にそれぞれ2本一組の変位センサ(A,B)の感度がxy面に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2,A3)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2,A3)と、変位センサ(B1,B2,B3)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2,B3)、および、前記基準直定規の180度反転時に凹字状アームが前記基準直定規の180度反転軸と同軸で180度回転し、基準直定規の表面と反転した変位センサ(B1,B2,B3)間の距離を測定する変位センサ(B1,B2,B3)の群を備え、および、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と反転した変位センサ(B)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置、を有する表面形状校正装置を用い、前記xyステージの移動により前記2本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、および、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、ついで、基準直定規を180度反転させるとともに、変位センサ(B)を保持する凹字状アームを180度反転させた後に前記xyステージの移動により前記2本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、および、変位センサ(B)と前記基準直定規の表面間距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値からデータ解析装置が被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出することを特徴とする、表面形状校正方法を提供するものである。
【0018】
請求項4の発明は、x軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ、該xyステージのxy面を跨いで凹字状アームがxyステージのxy面に平行となるように設けられた2対の変位センサ保持具(H,H)、該2対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージに搭載された連結棒、前記xyステージに平行に設けられた被校正測定物の被測定面、前記2対の変位センサ保持具の凹字状アームの凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージとは独立して180度反転可能に保持される基準直定規、前記2対の変位センサ保持具(H,H)の凹字状アーム2対の各々にそれぞれ3本一組の変位センサ(A,B,C)の感度がxy面に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2)と、変位センサ(B1,B2)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2)、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C1,C2)間の距離を測定する変位センサ(C1,C2)の群を備え、および、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置、を有する表面形状校正装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項2の発明の3対の変位センサ保持具に各々3組みの変位センサ(A1,A2,A3),(B1,B2,B3),(C1,C2,C3)を保持させて被校正測定物の変位を測定するので、より精密な真直度に校正できる。また、xyステージの走査範囲以上の長さの被測定物の真直形状や平面形状を測定できる。
【0020】
請求項3の発明の表面形状校正方法は、請求項1の発明の表面形状校正装置において、3本の変位センサ(A,B,C)のうち、前記反転用基準直定規を挿む形で配置されるべき一方の変位センサ(C)を省略し、前記基準直定規の反転と共に変位センサ(B)を反転位置に配置することで変位センサ(B)と前記基準直定規の表面間距離を測定することができるので、変位センサ(C
1,C2,C3)の数を3本減らすことができる。
【0021】
請求項4の発明の表面形状校正方法は、請求項1の発明の表面形状校正装置において、3組目の3本の変位センサ(A3,B3,C3)を省略でき、逐次2点法と反転法を併せて被校正測定物の表面形状校正ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図を用いて本発明をさらに詳細に説明する。 図1は逐次3点法・反転法を利用する被校正測定物のx軸直線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図、図2は被構成測定物の対角線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図、図3は逐次2点法・反転法を利用する被校正測定物のx軸直線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図、図4は検出されたx軸方向走査線の接続図、図5は逐次2点法・反転法を利用する被構成測定物の対角線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図、図6は複数検出された走査線の表面校正図、および、図7は図5に示す表面形状校正装置を用い、被校正測定物の外縁付近の走査を示す斜視図である。
【0023】
図1および図2に示す表面形状校正装置(1)は、x軸リニアスケールおよびy軸リニアスケールでx座標およびy座標位置が測定されているx軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ(2)、該xyステージ(2)のxy面(2a)を跨いで凹字状アーム(4a,4b,4c)がxyステージのxy面(2a)に平行となるように設けられた3対の変位センサ保持具(H,H,H)、該3対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージ(2)に搭載された連結棒(4)、前記xyステージに平行に固定テーブル(5)上に載置された被校正測定物(w)の被測定面(6)、前記3対の変位センサ保持具の凹字状アーム(4a,4b,4c)の凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージ(2)とは独立して180度反転可能に保持される基準直定規(7)、前記3対の変位センサ保持具(H,H,H)の凹字状アーム3対の各々にそれぞれ3本一組の変位センサ(A,B,C)の感度がxy面(2a)に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2,A3)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2,A3)と、変位センサ(B1,B2,B3)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2,B3)、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C1,C2,C3)間の距離を測定する変位センサ(C1,C2,C3)の群、および、前記xyステージ(2)の移動により前記3本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値{mA1,mA2,mA3}、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値{mB1,mB2,mB3}、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値{mC1,mC2,mC3}をコントローラ(8)より電気信号としてデータ解析装置(9)に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置(9)を有する。
【0024】
図には示されていないが、基準直定規(7)はロータリーアクチュエータによりその長手方向軸心を180度反転可能となっている。また、凹字状アーム底部で変位センサ保持具(H,H,H)を連結する連結棒(4)を固定して搭載するxyステージ(2)は、ボールねじの回転でx軸方向に移動可能な測定ツールテーブルに固定されるとともに、昇降機構によりy軸方向に上下可能となっている。
【0025】
図3に示す表面形状校正装置は、x軸リニアスケールおよびy軸リニアスケールでx,y座標位置が測定されているx軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ(2)、該xyステージ(2)のxy面(2a)を跨いで凹字状アーム(4a,4b)がxyステージのxy面(2a)に平行となるように設けられた2対の変位センサ保持具(H,H)、該2対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージ(2)に搭載された連結棒(4)、前記xyステージに平行に固定テーブル(5)上に載置された被校正測定物(w)の被測定面(6)、前記2対の変位センサ保持具の凹字状アーム(4a,4b)の凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージ(2)とは独立して180度反転可能に保持される基準直定規(7)、前記2対の変位センサ保持具(H,H)の凹字状アーム2対の各々にそれぞれ3本一組の変位センサ(A,B,C)の感度がxy面(2a)に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2)と、変位センサ(B1,B2)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2)、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C1,C2)間の距離を測定する変位センサ(C1,C2)の群、および、前記xyステージ(2)の移動により前記2本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値{mA1,mA2}、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値{mB1,mB2}、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値{mC1,mC2}をコントローラ(8)より電気信号としてデータ解析装置(9)に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置(9)を有する。
【0026】
非接触型静電容量型変位センサとしては、日本エー・ディ・イー株式会社のマイクロセンス5000シリーズ(商品名)、小野測販株式会社の静電容量型変位計VE−521(商品名)、株式会社光洋製作所のアキュメジャー(商品名)、岩通計測株式会社のST−3571A(商品名)、テクノシステム株式会社のATSシリーズ、ATMシリーズ(商品名)等が利用できる。非接触型静電容量型変位計に代えて、非接触型レーザ光変位センサを用いてもよい。
【0027】
基準直定規(7)の材質としては、単結晶石英が一般である。最近は、ジルコニア製基準直定規のようなものも市場に出回っている。よって、加工されるワーク(w)と同種の材質のものを用いてもよい。基準直定規素材はワークの素材の熱線膨張率に近いものを選択することは勿論のことである。但し、変位センサの分解能が10nm以下であり、ユ−ザ−が求める真直度が1.0μm/1mまたは0.5μm/1mであることから基準直定規の真直度も10nm以下であるものを選択する。また、標準直定規(7)は被測定面の対角線の長さ以上のものを用いるのが好ましい。
【0028】
変位センサ保持具(H,H,H)および連結棒(4)の素材は、剛体材料が用いられる。
【0029】
次に、図3に示す表面形状校正装置を用い、被校正測定物(w)の表面形状(真直度)を校正するアルゴリズムについて説明する。なお、被校正測定物(w)のx軸方向長さはL、y軸方向長さはLであり、第1の変位センサ群(A、B,C)の変位センサ保持具(H)と第2の変位センサ群(A、B,C)の変位センサ保持具(H)のx軸方向の間隔はdである。但し、0<d<Lである。
【0030】
第1の変位センサBと変位センサCおよび第2の変位センサB2と変位センサC2は、不図示のロータリーアクチュエータで両端を支えられた反転可能な基準直定規(7)を挿み、基準直定規の一方または両方の面を測定する。変位センサAと変位センサA2は被測定面上のラインS(x+x,y)上を走査し、センセB,変位センサBはそれぞれ基準直定規の母線g(x+x)、g(x+x0+d)上を走査する。変位センサC,変位Cはそれぞれ基準直定規の母線f(x+x)、f(x+x0+d)上を走査する。ただし、x、yは定数で、被測定面(6)上の走査開始点および、反転用基準直定規(4)の走査開始点を決める。
【0031】
変位センサA,B,Cおよび変位センサA2,B2,C2の出力をそれぞれ、mA1、mB1、mC1、mA2、mB2、mC2、とすれば、xyステージの移動に伴う高さ方向(z軸方向)の運動誤差をz(x)、ピッチング誤差をφ(x)として、それぞれ次式の様に表される。ただし、図3では、x=0として、被測定面(6)のx軸方向の端からの断面直線を測定する様子を示す。mA1=S(x+x,y)+z(x)mB1=g(x+x)+z(x)mC1=f(x+x)−z(x)mA2=S(x+x0+d,y)+z(x)+φ(x)dmB2=g(x+x0+d)+z(x)+φ(x)dmC2=f(x+x0+d)―z(x)―φ(x)d
【0032】
基準直定規(7)を180度反転して再度、被測定面を測定するとき、その反転後に変化のある出力等を添え字rで区別して表すとそれらは以下のとおりである、mA1r=S(x+x,y)+z(x)mB1r=f(x+x)+z(x)mC1r=g(x+x)−z(x)mA2r=S(x+x0+d,y)+z(x)+φ(x)dmB2r=f(x+x0+d)+z(x)+φ(x)dmC2r=g(x+x0+d)―z(x)―φ(x)d
【0033】
以上の式群より、それぞれの変位センサの走査線上の形状、運動誤差が計算によって分離できる。
【0034】
走査運動誤差はz(x)+z(x)=mB1−mC1r=mB1r−mC1z(x)+φ(x)d+z(x)+φ(x)d=mB2−mC2r=mB2r−mC2などとなる。
【0035】
被測定面上の断面直線形状は、次式で与えられる。S(x+x,y)=(mA1+mA1r)/2−{(mB1−mC1r)+(mB1r−mC1)}/4S(x+x0+d,y)=(mA2+mA2r)/2−{(mB2−mC2r)+ (mB2r−mC2)}/4
【0036】
すべてを示すことは省略するが、たとえば、被校正測定面(6)の距離d離れた位置の変位(
真直形状)は、次式で表される。{S(x+x0+d,y)−S(x+x,y)}
【0037】
上述の逐次2点法・反転法は、変位センサC,変位センサCを用いたが、基準直定規(7)を反転する際に変位センサB、変位Bを反転するのであれば、変位センサC,変位センサCを用いなくても被校正測定面(6)の真直形状を校正できる。また、二組のセンサ群(A,B,C、A,B,C)を用い、第三組目の変位センサ群(A,B,C)を省略し、図3および図5に示すように、xyステージ2を移動させることにより被校正測定面(6)の真直形状をそれぞれの変位センサ群で測定した値の重なり合うエリア部分を図4および図6に示すように重なり合わせて求めることもできる。
【0038】
図4は、二組の変位センサ群(A,B,C、A,B,C)で得たx軸方向の真直形状を接続する重ね合わせの様子を示す。
【0039】
さらに、前述の説明では、変位センサ群を二組同時に用いる場合を示したが、第一組目の第1変位センサ群(A,B,C)だけを用いて測定した後、同じ第1変位センサ群(A,B,C)を順次、前記第二組目の第2変位センサ群(A,B,C)の位置および第三組目の第3変位センサ群(A,B,C)の位置に設置しなおして基準直定規の反転前後の測定を行っても同じ結果が得られる。言い換えれば、図2に示す表面形状校正装置において第1変位センサ群(A,B,C)のみを用い、他の2組の変位センサ群を用いず、第1変位センサ群(A,B,C)だけを用い、先づ、xyステージ2を移動させて被校正測定面(6)の1/3エリアの真直形状を測定した後、この第1変位センサ群(A,B,C)を取り外してピッチd離れた第2変位センサ群(A,B,C)の位置へ取り付け、再びxyステージ2を移動させて被校正測定面(6)の2/3エリア真直形状を測定した後、さらに、前記第1変位センサ群(A,B,C)を取り外してピッチ2d離れた第3変位センサ群(A,B,C)の位置へ取り付け、xyステージ2を移動させて被校正測定面(6)の3/3エリアの真直形状を測定し、重なり合うエリア部分の真直形状を図6に示すように合成し、連続した測定値に校正する。
【0040】
被校正測定面の寸法(横L、縦L)が大型の場合、図1および図2に示す表面形状校正装置10のように第2組変位センサ(A,B,C)より距離dだけ第1組変位センサ(A,B,C)と反対位置の連結棒に第3組変位センサ(A,B,C)を設置させれば、xyステージ(2)の移動により前記3本の変位センサ組(A,B,C、A,B,C、A,B,C)が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値{mA1,mA2,mA3}、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値{mB1,mB2,mB3}、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値{mC1,mC2,mC3}をコントローラ(8)より電気信号としてデータ解析装置(9)に送信し、ついで、基準直定規(7)を180度反転させた後に前記xyステージ(2)の移動により前記3本のセンサ組(A、B,C、A、B,C,A、B,C)が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値からデータ解析装置が被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を前述の逐次2点法・反転法に準じて算出することができる。
【0041】
被測定面上の断面直線形状は、次式で与えられる。S(x+x,y)=(mA1+mA1r)/2−{(mB1−mC1r)+(mB1r−mC1)}/4S(x+x0+d,y)=(mA2+mA2r)/2−{(mB2−mC2r)+ (mB2r−mC2)}/4S(x+x0+d,y)=(mA3+mA3r)/2−{(mB3−mC3r)+ (mB3r−mC3)}/4
【0042】
図2および図5に示す表面形状構成装置に示すように、前述の反転法で校正された基準直定規(7)を被校正測定面(6)の右傾斜上がりの対角線方向(x軸に対してθの角度を持つ方向)に配置すると変位センサAおよび変位センサBの第1組と、変位センサAおよび変位センサBの第2組センサの間隔はb/cos(θ)となり、前述の反転法で既知となっている基準直定規の母線形状f(x)またはg(x)を基準にして被校正測定面(6)の対角線に双方向の断面直線形状を比較測定することが可能である。
【0043】
図5には示さないが、同じ比較測定は、被校正測定面(6)のもう一方の右傾斜下がりの対角線に沿う方向の母線についても、また、y軸方向についても行える。もちろん、xyステージ(2)上でセンサ保持腕の位置を付け替えることで(x、y)を変化させ、必要な数のy軸方向の断面直線についても測定可能である。またこのことは、前記x軸方向の断面直線についても同じように実施できる。これで、2組または3組の変位センサ群を使うときには、xyステージ(2)可動面積より大きな被校正測定面(6)について、図5または図2に示す範囲での断面直線形状が測定できることになる。図2では変位センサ保持具の凹字状アームの連結棒への取り付け位置が、xyステージ面上で見て、xyステージの原点(x=0,y=0)と、(d,0)、(0,d)、(d,d/cos(θ))の位置にある場合を示す。また、凹字状アームの中心がxyステージの(x,y)=(0,0)、(d,0),(0,d/cos(θ)),(d,d/cos(θ)),(0,d/2)、(d/2,0)、(d,d/cos(θ)/2)、(d/2,d/cos(θ))、(d/2,d/cos(θ)/2)にある場合を示す。
【0044】
なお、図6では、一つのセンサ保持具の位置で、x軸,y軸方向の間隔がそれぞれLx/2、Ly/2で走査線がとられている。必要に応じて走査ラインの密度を高めることもできる。
【0045】
図6は、中央部以外のラインの比較測定を示すもので、形状が既知となった基準直定規(7)との比較測定を被校正測定面の外縁の断面直線について適用する場合の変位センサと変位センサ保持具の凹字状アームの配置を示す。この場合も、xyステージ(2)のローリングやピッチングの影響は、それぞれの変位センサ群の並進変位z(x)に含まれるだけで被測定面の測定結果には影響しない。
【0046】
例えば、x=2L−2dからx=3L−2dおよびy=3L−2dの範囲を走査する変位センサ群(A,B)のセンサの出力は、
【0047】
A2=S(x+2L−2d,y0)+z(x)+φ(x)(2L−2d)+ψ(x)(3L−2d)
【0048】
B2=g(xL−d)+z(x)+φ(x)(2L−2d)+ψ(x)(3L−2d)となり、g(xL−d)が既知であればmB2が既知となり、次式より被校正測定面形状が求められる。
【0049】
S(x+2L−2d,y0)=mA2−mB2
【0050】
なお、図5の被測定面の外縁部の走査測定を比較測定でなく、改良型反転法で直接行うことも同様に実施できることは、それぞれ組の変位センサ群(A,B,C)の感度方向が一直線上にあれば、その変位センサ群内の変位センサが感じる運動誤差は、すべて、並進誤差z(x)だけとみなしても良いことからも明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
特許文献1に記載の表面形状校正装置より、変位センサの数を増やすことにより、より誤差の小さい表面形状(真直度)に校正できる。また、二組の変位センサ群(A,B,C、A,B,C)または三組の変位センサ群(A,B,C、A,B,C、A,B,C)を用いるので、xyステージより大きい表面を有する被校正測定面の外縁近くの表面形状を第1組変位センサ群(A,B,C)の測定値を第2組変位センサ群(A,B,C)の測定値あるいは第3変位センサ群(A,B,C)の測定値に外挿する、あるいは第3変位センサ群(A、B,C)の測定値を第2組変位センサ群(A,B,C)の測定値に外挿することにより校正可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】逐次3点法・反転法を利用する被校正測定物のx軸直線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図である。
【図2】被構成測定物の対角線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図である。
【図3】逐次2点法・反転法を利用する被校正測定物のx軸直線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図である。
【図4】検出されたx軸方向走査線の接続図である。
【図5】逐次2点法・反転法を利用する被構成測定物の対角線方向を走査する表面形状校正装置の斜視図
【図6】複数検出された走査線の表面校正図である。
【図7】図5に示す表面形状校正装置を用い、被校正測定物の外縁付近の走査を示す斜視図である。
【図8】アッベ的配置による改良型反転法による表面形状校正装置を説明する図である。(公知)
【図9】逐次3点法・反転法を利用する被校正測定物の表面形状校正装置を説明する図である。(公知)
【符号の説明】
【0053】
1 表面形状校正装置 2 xyステージw 被校正測定物 A 静電容量型変位計のセンサプローブ B 静電容量型変位計のセンサプローブ C 静電容量型変位計のセンサプローブA,B,C 第1組変位センサ群A,B,C 第2組変位センサ群A,B,C 第3組変位センサ群H,H,H 変位センサ保持具4 連結棒 4a,4b,4c 凹字状アーム
7 基準直定規8 コントローラ9 データ解析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
x軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ、該xyステージのxy面を跨いで凹字状アームがxyステージのxy面に平行となるように設けられた3対の変位センサ保持具(H,H,H)、該3対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージに搭載された連結棒、前記xyステージに平行に設けられた被校正測定物の被測定面、前記3対の変位センサ保持具の凹字状アームの凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージとは独立して180度反転可能に保持される基準直定規、前記3対の変位センサ保持具(H,H,H)の凹字状アーム3対の各々にそれぞれ3本一組の変位センサ(A,B,C)の感度がxy面に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2,A3)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2,A3)と、変位センサ(B1,B2,B3)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2,B3)、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C1,C2,C3)間の距離を測定する変位センサ(C1,C2,C3)の群を備え、および、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置、を有する表面形状校正装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面形状校正装置を用い、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、ついで、基準直定規を180度反転させた後に前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値からデータ解析装置が被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出することを特徴とする、表面形状校正方法。
【請求項3】
x軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ、該xyステージのxy面を跨いで凹字状アームがxyステージのxy面に平行となるように設けられた3対の変位センサ保持具(H,H,H)、該3対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージに搭載された連結棒、前記xyステージに平行に設けられた被校正測定物の被測定面、前記3対の変位センサ保持具の凹字状アームの凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージとは独立して180度反転可能に保持される基準直定規、前記3対の変位センサ保持具(H,H,H)の凹字状アーム3対の各々にそれぞれ2本一組の変位センサ(A,B)の感度がxy面に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2,A3)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2,A3)と、変位センサ(B1,B2,B3)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2,B3)、および、前記基準直定規の180度反転時に凹字状アームが前記基準直定規の180度反転軸と同軸で180度回転し、基準直定規の表面と反転した変位センサ(B1,B2,B3)間の距離を測定する変位センサ(B1,B2,B3)の群を備え、および、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と反転した変位センサ(B)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置、を有する表面形状校正装置を用い、前記xyステージの移動により前記2本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、および、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、ついで、基準直定規を180度反転させるとともに、変位センサ(B)を保持する凹字状アームを180度反転させた後に前記xyステージの移動により前記2本のセンサ組が同時に走査して測定した被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、および、変位センサ(B)と前記基準直定規の表面間距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値からデータ解析装置が被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出することを特徴とする、表面形状校正方法。
【請求項4】
x軸方向およびy軸方向に移動可能なxyステージ、該xyステージのxy面を跨いで凹字状アームがxyステージのxy面に平行となるように設けられた2対の変位センサ保持具(H,H)、該2対の変位センサ保持具を等間隔に凹字状アーム底部で連結し、かつ、前記xyステージに搭載された連結棒、前記xyステージに平行に設けられた被校正測定物の被測定面、前記2対の変位センサ保持具の凹字状アームの凹字空間に挿まれる状態で、かつ、前記xyステージとは独立して180度反転可能に保持される基準直定規、前記2対の変位センサ保持具(H,H)の凹字状アーム2対の各々にそれぞれ3本一組の変位センサ(A,B,C)の感度がxy面に垂直な直線上にセンサの感度方向を合わせて保持させ、前記の被校正測定物と変位センサ(A1,A2)間の距離を測定する変位センサ(A1,A2)と、変位センサ(B1,B2)と前記基準直定規の裏面間距離を測定する変位センサ(B1,B2)、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C1,C2)間の距離を測定する変位センサ(C1,C2)の群を備え、および、前記xyステージの移動により前記3本のセンサ組が同時に走査する被校正測定物と変位センサ(A)間の距離値、変位センサ(B)と前記基準直定規の裏面間距離値、および、前記基準直定規の表面と変位センサ(C)間の距離値をコントローラより電気信号としてデータ解析装置に送信し、それら送信された距離電気信号値から被校正測定物のx座標およびy座標の表面形状値を算出するデータ解析装置、を有する表面形状校正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−31170(P2009−31170A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196838(P2007−196838)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(391011102)株式会社岡本工作機械製作所 (161)
【Fターム(参考)】