説明

袋製造機の操作卓

本発明は、操作卓を有する袋(2、123)製造機(135)に関する。この操作卓において、製造機(135)の設定を、袋(2、123)の製造パラメータが変化するように変更することができる。この操作卓は、袋(2、123)を図解表現することができる表示装置(1)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲における請求項1の前提部分に基づく袋製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
袋製造機はよく知られており、例えば、独国特許出願公開第42 05 062 A1号(特許文献1)、独国特許出願公開第197 02 144 A1号(特許文献2)、及び、仏国特許第2 548 161号(特許文献3)に開示されている。所望の袋を製造するには、その製造機に多くの製造パラメータを設定しなければならない。そのような製造パラメータには、袋の寸法だけでなく、例えば、個々の袋部品の接着に重要な接着剤塗布の大きさや厚さも含まれる。これ以外に、さらに多くのパラメータを製造機に設定しなければならない。
【0003】
この目的のため、通常、周知の製造機においては、このような製造パラメータを設定する操作卓を使用できるようになっている。
【0004】
製造パラメータの入力、及び、その入力に関連する製造機の設定によって、所望の袋が製造されることになるが、その入力及び設定は、それ自体としては比較的簡単である。しかし、設定の結果は、まず第1に製造された袋に即して判断されなければならない。製造された袋が要求を満たしていなければ、場合によっては製造機を何度も設定する必要がある。従って、袋の製造パラメータの入力とそれに関連する製造機の設定とが非常に面倒になる。
【0005】
(特許文献のリスト)
【特許文献1】独国特許出願公開第42 05 062 A1号
【特許文献2】独国特許出願公開第197 02 144 A1号
【特許文献3】仏国特許第2 548 161号
【特許文献4】独国特許第1611699号(公告公報)
【特許文献5】独国特許第1080846号(公告公報)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、より簡単な設定が可能な袋製造機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、特許請求の範囲における請求項1の特徴部分に記述されている技術内容によって解決される。
【0008】
それによれば、操作卓が、袋を図解表現することができる表示装置を含んでおり、これによって、製造機の設定に当たる運転者が、設定すべきすべての製造パラメータを一目で見ることができる。重要な製造パラメータの設定忘れがなくなり、製造機の設定が全体として簡単になる。表示装置には、同時にパラメータの値の幅を表示できるので、設定のミスが避けられる。製造機の設定が簡単であることと並んで、それを素早く行うことができ、同時に、所定外の袋という形の欠陥品を出さなくてすむ利点がある。
【0009】
この場合、表示装置としてモニタを用いることが特に有利である。モニタには、袋と場合によってはその製造パラメータとを、特に包括的にかつ分かりやすく表現することができる。
【0010】
本発明の特に望ましい実施形態は、接触感知性のモニタ、いわゆるタッチスクリーンを含んでいる。このタッチスクリーンは操作領域を有しており、それを操作することによって製造パラメータを設定することができる。その場合、操作領域の一部は袋の図解表現図の範囲の中に配置される。この操作領域は、確定すべき製造パラメータの値を直接入力し得るように構成することができる。しかし、操作領域は、この値を、増大キーまたは減少キーによって、表示されている値から増加させたり低下させたりすることもできる。この表現法及び操作法によって、袋には直接関係しない操作領域の数を少なくすることができる。従って、製造パラメータの入力及び製造機の設定が大幅に簡素化される。
【0011】
表示装置において、袋またはその構成部品の、呼称寸法から逸脱する部分の寸法を変更することができれば有利である。この場合、製造パラメータを変更すれば、表示装置における袋の表現も変更される。製造パラメータの変更が袋の仕上がり状態に及ぼす影響を即座に見ることができるのである。
【0012】
本発明の別の実施形態においては、袋の種々の断面、及び/または、外観画面を表示装置で表現することができる。袋を2次元で表現する場合には、すべての製造パラメータを同時に表現することはできず、あるいは、同時表現しても分かりにくいので、操作者は、まず、最初に、製造パラメータを入力することができる操作領域に達するために、所望の画面を選択することができる。この画面には、非常に参考になる透視図画面も含めることができる。
【0013】
本発明のさらに別の有利な実施形態は、請求項1以外の他の請求項の記載内容と、本明細書の記載内容と、図面の記載内容とから明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に図面を参照しつつ本発明を詳述する。
【0015】
図1は、本発明による袋2の製造機の表示装置1を示す。この表示装置1によって、袋2が平面図で表現されている。この表現では、袋2の底3と手提げ4とが認められる。さらに、印刷画像の位置決めに必要な印刷マークを表すバー5が示されている。印刷マークは、多くの場合、すでに筒体に印刷されている。この印刷マークは、通常、光電センサまたはデジタルカメラのような読取装置が、よく検知することができるマーク、或いは、読み取りすることができるマークであって、このマークによって、これらの読取装置が印刷画像の位置を容易に看取することができる。従って、例えば、黄色の印刷画像を印刷する場合、黒の印刷マークを追加して印刷することができ、これによって、読み取り装置が黒のマークに基づいて全印刷画像の位置を容易に認識する。
【0016】
上記の袋部品3、4、5の寸法は製造機の操作卓から入力することができる。ここで、再度、別の多くの製造パラメータを同じ方式で表示装置1によって表現できる点を指摘したい。表示装置は、さらに、増大領域6及び減少領域7を有しており、それによって、表示領域8に示される製造パラメータの値を増大させ、あるいは、これを低下させることができる。しかし、製造パラメータの値を入力領域9から直接入力することも可能である。表示装置1がタッチスクリーンとして構成される場合は、これは同時に入力装置としても機能するので、各領域6、7、9は画面に触れることによって操作することができる。
【0017】
バー5用の増大領域6を操作することによって、印刷画像の位置を移動させることもできる。パラメータ値の変更はバー5の移動によって表現される。
【0018】
表現されている他のすべての袋部品の製造パラメータを同様に扱うことができる。
【0019】
袋2が、全体として、製造パラメータの設定値に応じて表示装置1に表現される。設定を作動させると、制御ユニット及びコンピュータユニットによって、対応する製造機部品が選定された値に設定されるが、これは、例えば、電気モータによって行うことができる。実際に設定された値は、センサによって検出して表示装置1の表示領域8に表示することができる。
【0020】
表示装置は、さらに、他の機能を割り当てることができる別の表示領域及び入力領域10を有している。この機能には、例えば、袋2の他の外観画面の選択を含めることができる。しかし、この機能には袋2の図解表現には割り当てることができない製造パラメータを割り当てることもできる。これは、例えば、製造機の運転パラメータであってもよい。
【0021】
図2は、図1と同じ構成及び同じ機能を有する表示装置1を示す。しかし、この表示装置1には、製造すべき袋2の底3の外観図面が表現されている。
【0022】
図3には、種々の表現すべき製造パラメータを有する袋2の外観画面を選択することができる選択画面を示す表示装置1が示されている。実行可能な袋の外観画面のそれぞれは、袋2を平面図で示しているが、これは、種々の糊付けするべき面を示しており、これは対応する記号11の表現によって明確にされる。示される外観図面のうちの1つを呼び出すと、それに対応する製造パラメータに到達することができる。このため、呼び出した後には、図1に基づく袋2の描写が表示装置1に発生される。
【0023】
本発明によって、分かりやすい操作卓が作られ、それによって製造パラメータの入力と従って製造機の設定とが、きわめて簡単化される。同時に、設定された製造パラメータに基づく袋2を即時に表示することによって、試験用の袋の製造が不要になり、時間の無駄と欠陥品とを避けることができる。
【0024】
図4は、袋製造機135の概略側面図を示す。この図は、本発明に関わる装置の技術的背景を事例によって説明するために添えられたものである。この場合、まず第1に、この種の袋製造機の中心機能の説明が問題になるが、その中心機能は、筒体区画の形成と、底の作製との部分にある。ここで、これに関しては、底作製シリンダ及び底開口器が、独国特許第1611699号(公告公報)(特許文献4)、及び、独国特許第1080846号(公告公報)(特許文献5)にも詳述されていることを改めて注記する。
【0025】
図4の袋製造機には、紙のウェブ100が、右から左に向けて、紙のウェブもしくは袋部品zの搬送装置の中で供給される。搬送用のバンド103をも導くロール102を含む筒体形成装置101において、紙のウェブが筒体130に折り込まれる。この加工工程が、紙のウェブを折り込んだ端部を表す線104によって簡略表現されている。
【0026】
作られた紙の筒体130は切断装置131に供給される。この切断装置の最初の部分はガイドロール106である。ガイドロール106は、紙のウェブをガイドすると共に、それを、互いに反対側に位置するガイドロール間に挟み込む。ガイドロール間のロール隙間を通過した後、紙の筒体は、回転する刃支持体107に保持されている刃108によってミシン目を入れられる。この刃支持体107は細線の径路107aに沿って刃を導く。ミシン目を入れる加工自体においては、対抗圧力シリンダ109が対向装置となる。刃支持体107には2つの刃108が装着されているので、刃支持体107が1回転すると2つのミシン目の線が筒体のウェブ130に生じることになる。この間に、対抗圧力シリンダ109は完全に2回転する。
【0027】
ミシン目を入れられた筒体は、次いで、2つの切断シリンダ110間のロール隙間に到達する。この2つの切断シリンダ110はガイドロール106よりも早く回転している。このため、筒体はミシン目の位置で切断されるが、それは、刃108と、切断シリンダ110間のロール隙間との間で行われる。紙の筒体は、この時点で紙の筒体区画112に分離されていることを注記しておかなければならない。この紙の筒体区画112は最初に搬送ロール111によってさらに搬送される。筒体区画112は縦方向切り込み装置105に達し、そこで、2つのロール116の間で、その筒体区画の前端に、後続する底の形成に必要な縦の切り込みが入れられる。縦方向切り込み装置105の後、筒体区画は、主として底開口器113からなる底開口装置114に供給され、ここで底が開口される。すでに述べたように、前記の独国特許第1611699号(公告公報)(特許文献4)は、この種の底開口器を示している。
【0028】
最後に、筒体片は底作製シリンダ115に供給され、底作製シリンダ115はこれを受け入れて、その底作製シリンダの周りに配置される種々の加工装置を通過させる。これらの装置の最初のものは底折り込み及び底糊付け装置117である。これらの装置の個々の要素は簡略表現のみで表示しているが、その詳細は上記引用文献から知ることができる。いずれにしても、これらは専門家には、よく知られている。底折り込み及び底糊付け装置が通過した後、底は底閉止装置で固着され、もしくは、プレスされる。これは、主として、筒体区画または袋を、底作製シリンダ115と、ロール125にガイドされるプレスバンド119との間で圧搾することによって行われる。
【0029】
図示の袋製造機の場合には、筒体区画または袋112は、次に逆転シリンダ120の周りを周回する。この逆転シリンダ120は、袋または筒体区画が袋部品zの搬送装置の中で右から左の方向に動くように構成されている。通常、仕上げ成形され固着された底を有する筒体区画は、次に、別の加工装置に供給される。そこで、多くの場合、袋に印刷が行われ、及び/または、手提げが装着される。しかし、ここでは、このような作業装置の表現は省かれている。同様に、筒体形成装置101の前に設けられる紙のウェブ100の展開装置の表示も省略されている。
【0030】
図5は、上記のような袋製造機135で製造することができる袋を改めて示す。この袋123は側部の折り目122を有している。
【0031】
図6は、すでに若干言及した手提げ124を有する袋121を示す。この手提げ124は付加的にカバー紙片125によって袋に固着されている。手提げと、その製造方法及び装置と、袋への装着方法及び装置とについても、専門家にはすでによく知られており、例えば、前記の特許文献1に示されている。通常、この手提げ装置は袋製造機の一部を構成し、底作製シリンダの前に設けられる。
【0032】
図6は、袋の形態を再度改めて明示している。ここで、袋の幅及び高さが改めて表現されているが、袋の高さは、切断装置によって規定される筒体区画の長さによって定められる。上に示した袋製造機の場合、袋の高さもしくは筒体区画の長さはまず第1に、刃支持体107の周囲円の直径によって決定される。幅は、紙のウェブの幅と、筒体形成装置101の調整とによって定まる。幅を変える場合にも、例えば、底作製シリンダの工具のような工具の調整の広範な変更を行わなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】袋を平面図で表現した表示装置を示す図である。
【図2】袋の底を表現した表示装置を示す図である。
【図3】選択画面の表示装置を示す図である。
【図4】袋製造機の概略側面図である。
【図5】この種の製造機で製造される袋の外観の概略を示す図である。
【図6】付加的に手提げを装着したこの種の袋を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 表示装置
2 袋
3 底
4 手提げ
5 バー
6 増大領域
7 減少領域
8 表示領域
9 入力領域
10 表示及び入力領域
11 記号
100 紙のウェブ
101 筒体形成装置
102 ロール
103 搬送バンド
104 線
105 縦方向切り込み装置
106 ガイドロール
107 刃支持体
107a 細線の径路
108 刃
109 対抗圧力シリンダ
110 切断シリンダ
111 搬送ロール
112 紙の筒体区画
113 底開口器
114 底開口装置
115 底作製シリンダ
117 底折り込み及び底糊付け装置
119 プレスバンド
120 逆転シリンダ
123 袋
124 手提げ
125 ロール
130 筒体
131 切断装置
135 袋製造機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作卓を備えた袋(2、123)製造機(135)であって、前記製造機(135)の設定を、前記操作卓において、前記袋(2、123)の製造パラメータが変化するように変更することができる袋製造機において、
前記操作卓が、袋(2、123)を図解表現することができる表示装置(1)を有することを特徴とする袋製造機。
【請求項2】
請求項1に記載の製造機(135)において、前記表示装置(1)がモニタであることを特徴とする製造機。
【請求項3】
請求項2に記載の製造機(135)において、
前記モニタが、操作領域(6、7、9)を有するタッチスクリーンであり、前記操作領域(6、7、9)を操作することによって製造パラメータを設定することができ、かつ、
前記操作領域(6、7、9)の少なくとも一部が、前記袋(2、123)の図解表現図の範囲の中に配置される、
ことを特徴とする製造機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造機(135)において、
前記袋(2、123)、または、前記袋(2、123)の構成部品(3、4、5)の、例えば糊代のような呼称寸法から逸脱する部分の寸法を、前記表示装置(1)において変更することができることを特徴とする製造機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造機において、
前記表示装置(1)によって、前記袋の種々の断面、及び/または、外観画面を表現することができることを特徴とする製造機。
【請求項6】
袋(2、135)の製造機(135)の運転方法であって、設定が操作卓において行われ、それに基づいて前記袋(2、123)の製造パラメータが変化する方法において、表示装置(1)が前記袋(2、123)の図解表現を行うことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記製造パラメータの変更が制御ユニットによって記録され、
前記制御ユニットは、前記変更を、変更による影響を前記袋(2、123)に実現するコンピュータユニットに報知し、かつ、
前記制御ユニットにおいて、表示装置(1)がその変更の少なくとも一部を簡略表現するように、表示装置(1)を制御する、
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−508960(P2007−508960A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534670(P2006−534670)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011464
【国際公開番号】WO2005/042238
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(590002909)ヴィントメーラー ウント ヘルシャー コマンディトゲゼルシャフト (33)
【Fターム(参考)】