被搬送体
【課題】パン製造に使用でき、パン生地の焼き過ぎを防止できる被搬送体を提供する。
【解決手段】被搬送体であるパン釜2は、連続自動炊飯装置の搬送手段上に載せる左右一対の取手部31を備える。左右一対の取手部31間には第1載置板部71および第2載置板部72を設け、各載置板部71,72上にパン生地aを載置する。パン釜2は、加熱手段で直接加熱する底板部43を備える。また、パン釜2は、第2載置板部72と底板部43との間に位置する空気室部90を備える。
【解決手段】被搬送体であるパン釜2は、連続自動炊飯装置の搬送手段上に載せる左右一対の取手部31を備える。左右一対の取手部31間には第1載置板部71および第2載置板部72を設け、各載置板部71,72上にパン生地aを載置する。パン釜2は、加熱手段で直接加熱する底板部43を備える。また、パン釜2は、第2載置板部72と底板部43との間に位置する空気室部90を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン製造に使用可能な被搬送体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された連続自動炊飯装置が知られている。
【0003】
この連続自動炊飯装置(搬送加熱装置)は、搬入口および搬出口を有する機体と、この機体内に配設され炊飯釜を搬送するチェーンコンベヤ等の搬送手段と、機体内に配設され炊飯釜の底板部を加熱するガスバーナ等の加熱手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭55−42573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、例えばこのような炊飯装置を用いて、米からご飯へと炊飯するだけではなく、米や小麦等からパンへと焼成することができないか、新規の試みとしたパン製造(パン焼き)を行おうとした場合には、炊飯釜をそのまま使用することができない。このため、パン製造に使用できる被搬送体(パン釜)の開発が課題となっていた。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、パン製造に使用でき、パン生地の焼き過ぎを防止できる被搬送体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の被搬送体は、パン生地を焼成してパンを製造する際に、搬送手段にて搬送されながら加熱手段にて加熱される被搬送体であって、前記搬送手段にて支持される取手部と、前記パン生地が載置される少なくとも1段の載置板部と、前記加熱手段にて加熱される底板部と、前記載置板部と前記底板部との間に位置する空気室部とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載の被搬送体は、請求項1記載の被搬送体において、空気室部は、密閉状の複数の空気層にて構成されているものである。
【0009】
請求項3記載の被搬送体は、請求項1または2記載の被搬送体において、載置板部の上方部を覆う天板部を備えるものである。
【0010】
請求項4記載の被搬送体は、請求項1ないし3のいずれか一記載の被搬送体において、載置板部が複数段設けられているものである。
【0011】
請求項5記載の被搬送体は、請求項1ないし4のいずれか一記載の被搬送体において、載置板部が脱着可能に設けられているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、搬送手段にて支持される取手部と、パン生地が載置される少なくとも1段の載置板部と、加熱手段にて加熱される底板部と、載置板部と底板部との間に位置する空気室部とを備えるため、パン製造に使用でき、パン生地の焼き過ぎを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る被搬送体(パン釜)の正面視断面図(図4のI−I断面図)である。
【図2】同上被搬送体の側面視断面図(図3のII−II断面図)である。
【図3】同上被搬送体の正面図である。
【図4】同上被搬送体の側面図である。
【図5】連続自動炊飯装置の縦断面図である。
【図6】同上連続自動炊飯装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図5および図6において、1は搬送加熱装置である連続自動炊飯装置で、この連続自動炊飯装置1は、複数の炊飯釜(図示せず)を搬送しながら加熱して炊飯を連続的に行うことができるばかりでなく、炊飯釜に換えてこの炊飯釜と対応するような形状をなす複数の被搬送体であるパン釜2を搬送しながら加熱してパン製造(パン焼き)を連続的に行うことができるものである。
【0016】
つまり、連続自動炊飯装置1は、連続パン製造機を兼ねた連続炊飯機である。なお、図5および図6には、連続自動炊飯装置1にてパン製造が行われている状態が示されている。
【0017】
連続自動炊飯装置1は、図5および図6に示されるように、搬入口6および搬出口7を有する機体5を備えている。
【0018】
また、連続自動炊飯装置1は、パン釜(炊飯の際には炊飯釜)2を搬入口6から機体5内に搬入するローラコンベヤ等の搬入用搬送手段8と、パン釜2を搬出口7から機体5外に搬出するローラコンベヤ等の搬出用搬送手段9と、機体5内に配設されパン釜2を機体5内の釜移動路10に沿って搬送するチェーンコンベヤ等の搬送手段11とを備えている。なお、パン釜2は、搬出用搬送手段9にて搬出された後、コンベヤ装置12にて次工程に搬送されていく。また、釜移動路10は、水平移動路部10aと、搬送方向に向かって上り傾斜状の傾斜移動路部10bとを有している。
【0019】
そして、搬送手段11は、モータ等の駆動源15からの動力に基づいて回行する左右一対の無端体であるチェーン16を有している。チェーン16は、複数のスプロケット17,18,19に掛け渡されている。
【0020】
チェーン16の等間隔をおいた複数箇所には固定板20が固定され、この各固定板20には、チェーン16の回行に伴って移動する支持部(取手支持部)21が水平軸22を中心として回動可能に設けられている。各支持部21は、ガイドレール23にて案内されながらこのガイドレール23に沿って移動するローラ24を有している。そして、チェーン16の回行時に、各パン釜2は、左右一対の支持部21にて支持されて釜移動路10に沿って搬送される。
【0021】
また、連続自動炊飯装置1は、機体5内に配設されパン釜2を加熱するガスバーナ等の加熱手段26を備えている。加熱手段26は、機体5内において水平移動路部10aの下方に配設されパン釜2の搬送方向に並ぶ複数(例えば5つ)の加熱部であるガスバーナ部27を有している。各ガスバーナ部27には、上方に向かってガスの炎が出る開口部28が複数形成されている。この各開口部28から出た炎がパン釜2の下面近傍に位置するようになっている。つまり、加熱手段26の火力は、各開口部28から出た炎がパン釜2の下面に直接接触しない大きさに設定される。
【0022】
なお、図6に示されるように、水平移動路部10aの左右両側方には、この水平移動路部10aを移動中のパン釜2の側面と近接対向する鉛直状の反射板等の立上板29が配設されている。各立上板29の上端部は、例えばアングルからなるガイドレール23の鉛直板部23aが移動するローラ24の誘導と兼ねて構成されている。
【0023】
そして、パン釜(被搬送体)2は、図5および図6に示すような連続自動炊飯装置1を用いてパン生地を焼成してパンを連続的に製造する際に、搬送手段11にて搬送されながら加熱手段26にて加熱されるものである。
【0024】
ここで、パン生地載置体であるパン釜2は、図1ないし図4に示されるように、搬送手段11の支持部21上に載置されこの支持部21にて支持される逆L字状の左右一対の取手部31を左右両側に備えている。
【0025】
各取手部31は、搬送手段11の支持部21にて支持される水平状の取手部分32と、この取手部分32から下方に向かって突出する鉛直状の取付部分33とを有している。なお、取手部分32は、搬送手段11による搬送時には、立上板29の上端部近傍を移動していく(図6参照)。
【0026】
各取手部分32の上面には、上下方向長手状の天板支持棒35が立設され、この天板支持棒35は、上端部に径大状の天板支持部36を有している。
【0027】
また、互いに離間対向する左右の両取付部分33には、上から順に枠状の第1支持部41、上面開口状の箱状の第2支持部42および加熱手段26にて加熱される上面開口状の箱状の底板部43がそれぞれ固定的に架設されている。また、両取付部分33間であって第2支持部42と底板部43との間には、上面開口状の箱状の挿入部44が挿入出可能に嵌合挿入されている。
【0028】
第1支持部41は、取手部31の取付部分33の上部内面に固定的に取り付けられた鉛直状の左右一対の取付板46と、これら両取付板46の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板47と、この各連結板47の上端部から外方に向かって突出する水平状の突出板48とを有している。
【0029】
第2支持部42は、取手部31の取付部分33の上下方向中間部内面に固定的に取り付けられた鉛直状の左右一対の取付板51と、これら両取付板51の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板52と、この各連結板52の上端部から外方に向かって突出する水平状の突出板53とを有している。また、第2支持部42は、両取付板51の下端部同士を連結する水平状の下板54を有している。
【0030】
底板部43は、取手部31の取付部分33の下部内面に固定的に取り付けられた鉛直状の左右一対の取付板56と、これら両取付板56の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板57と、各取付板56の上端部から内方に向かって突出し挿入部44を下方から支持する水平状の突出板58とを有している。また、底板部43は、両取付板56の下端部同士を連結する水平状で矩形状の平板である下板59を有し、この下板59が加熱手段26のガスバーナ部27の開口部28からの炎で直接加熱される。
【0031】
挿入部44は、底板部43の突出板58にて脱着可能に支持された水平状の下板61と、この下板61の左右方向両端部に立設された鉛直状の左右一対の立設板62と、これら両立設板62の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板63とを有している。
【0032】
また、パン釜2は、例えば米粉等からなるパン生地aが上面上に載置される少なくとも1段、すなわち例えば複数段(例えば上下2段)の載置板部71,72を備えている。すなわち例えばパン釜2は、第1支持部41の突出板48にて脱着可能に支持された上段(上側)の第1載置板部71と、第2支持部42の突出板53にて脱着可能に支持され第1載置板部71の下方にこの第1載置板部71と所定距離離れて位置する下段(下側)の第2載置板部72とを備えている。なお、支持部41,42に対してそれぞれ脱着可能な載置板部71,72は、例えば皿形状をなすホテルパン等のトレイにて構成されている。
【0033】
第1載置板部71は、複数個のパン生地aが上面上に行列状に載置される矩形板状の水平状の載置板73と、この載置板73の前後左右の4つの各辺部に立設された傾斜状の立設板74と、この立設板74の上端部から外方に向かって突出する矩形環状の水平状の鍔板75とを有している。そして、前後の鍔板75が、第1支持部41の突出板48上に載置されこの突出板48にて支持されている。
【0034】
第2載置板部72は、第1載置板部71と同様、複数個のパン生地aが上面上に行列状に載置される矩形板状の水平状の載置板78と、この載置板78の前後左右の4つの各辺部に立設された傾斜状の立設板79と、この立設板79の上端部から外方に向かって突出する矩形環状の水平状の鍔板80とを有している。そして、前後の鍔板80が、第2支持部42の突出板53上に載置されこの突出板53にて支持されている。
【0035】
さらに、パン釜2は、最下段の載置板部である第2載置板部72と底板部43との間に位置するパン焦し防止用の空気室部90を下部に備えている。空気室部90は、それぞれ独立した密閉状の複数の空気層91,92,93にて構成されている。すなわち例えば空気室部90は、上下方向に積層された第1空気層91、第2空気層92および第3空気層93にて構成されている。
【0036】
第1空気層91は、第2載置板部72と第2支持部42との間に位置する空間部にて構成されている。つまり、第1空気層91は、第2載置板部72と第2支持部42とにて密閉状(略密閉を含む)に区画形成されている。なお、左右の取付板51と鍔板80との間には、わずかな隙間95が存在する(図1参照)が、例えば隙間95が生じないようにしてもよい。
【0037】
第2空気層92は、第2支持部42と挿入部44との間に位置する空間部にて構成されている。つまり、第2空気層92は、第2支持部42と挿入部44とにて密閉状(略密閉を含む)に区画形成されている。
【0038】
第3空気層93は、挿入部44と底板部43との間に位置する空間部にて構成されている。つまり、第3空気層93は、挿入部44と底板部43とにて密閉状(略密閉を含む)に区画形成されている。
【0039】
また、パン釜2は、最上段の載置板部である第1載置板部71の上方部を覆うことで第1載置板部71との間に熱気を取り入れて滞留させる天板部96を上部に備えている。この天板部96は、左右一対で2本の天板支持棒35にて脱着可能に支持されている。つまり、天板部96は、天板支持棒35に対して脱着可能となっている。
【0040】
天板部96は、第1支持部41上に載置された第1載置板部71の上方部および左右の取手部31の上方部を覆う矩形板状の水平状の覆い板97と、この覆い板97の前後方向両端部から外方側に向かって徐々に下り傾斜する前後一対の傾斜板98とを有している。
【0041】
覆い板97の左右方向両端部には貫通孔部99が上下面に貫通して形成され、この貫通孔部99に天板支持棒35が挿入出可能に嵌合挿入されている。そして、覆い板97の貫通孔部99の周辺部下面が、天板支持棒35の天板支持部36上に載置されこの天板支持部36にて支持されている。
【0042】
また、各傾斜板98の下端部98aは、取手部31の上面31aと略同じ高さに位置している。さらに、各傾斜板98の下端部98aは、第1支持部41の前後方向端部41aよりも外方側に位置している。つまり、天板部96は、第1支持部41上の第1載置板部71よりも大きく、平面視で第1載置板部71全体が天板部96にて覆い隠されるようになっている。さらに、搬送手段11による搬送時には、熱気の上昇を規制するために、搬送方向前後に互いに隣り合うパン釜2のうちの一方のパン釜2の傾斜板98の下端部98aと、他方のパン釜2の傾斜板98の下端部98aとが、互いに当接(略当接を含む)するようになっている(図5参照)。
【0043】
次に、パン釜2の作用等を説明する。
【0044】
連続自動炊飯装置1とこれに対して専用のパン釜(左右の取手部31と底板部43の下面との位置関係が通常の炊飯釜と同じ)2とを使用して、パン製造(パン焼き)を連続的に行う場合、例えば作業者は、まず、パン生地aが載置された載置板部71,72をパン釜2の支持部41,42上にセットする。
【0045】
つまり、天板部96を天板支持棒35から取り外した状態で、パン生地aが載った第2載置板部72を第2支持部42上に載置してから、パン生地aが載った第1載置板部71を第1支持部41上に載置し、その後、天板部96を天板支持棒35の天板支持部36上に載置する。
【0046】
そして、作業者は、パン生地aを載せた複数段の載置板部71,72がセットされたパン釜2を、搬入用搬送手段8上に載置してこの搬入用搬送手段8から連続自動炊飯装置1の機体5内に順次投入する。
【0047】
すると、パン釜2は、機体5の下部内において、搬送手段11にて水平移動路部10aに沿って搬送されながら、加熱手段26にて加熱される。その結果、第1載置板部71の載置板73および第2載置板部72の載置板78のそれぞれに載置された複数のパン生地aが均一に焼成されて均一な焼き具合のパンとなる。
【0048】
このとき、図6に示すように、加熱手段26のガスバーナ部27の開口部28から出た炎がパン釜2の底板部43の下板59近傍に位置し、この炎にてパン釜2の底板部43の全体が加熱される。しかし、各空気層91,92,93の空気の伝熱抑制作用によって、パン釜2自体が急激に温度上昇することなく、特に第2載置板部72の載置板78に熱が伝わり過ぎないようになっている。
【0049】
また、ガスバーナ部27の炎で加熱された熱気は、パン釜2の左右側面と立上板29との間の空間部と、搬送方向前後に隣り合うパン釜2間の空間部とを通って上昇し、かつ互いに連続した状態の複数の天板部96にて上昇が規制された状態となって、パン釜2内(つまり、第1載置板部71と天板部96との間の第1空間部、および、第2載置板部72と第1載置板部71との間の第2空間部)に入り込んで所定温度となって充満している。
【0050】
このため、上下の各段の載置板部71,72上のパン生地aは、局部的に強く加熱されるようなことがなく、全体が均一に加熱される。
【0051】
なお、焼き上がったパンを載せたパン釜2は、搬出用搬送手段9にて機体5外に搬出された後、コンベヤ装置12にて次工程に搬送されていく。
【0052】
そして、このようなパン釜2によれば、上下方向に積層された第1空気層91、第2空気層92および第3空気層93にて構成された密閉状の空気室部90が第2載置板部72と底板部43との間に形成されているため、連続自動炊飯装置1を用いた連続的なパン製造に使用でき、その使用時にパン生地aの焼き過ぎによる焦がしを効果的に防止、すなわち例えば特に下段の第2載置板部72に載置されたパン生地aの底面の焼き過ぎによる焦がしを効果的に防止でき、よって、均一な焼き具合の美味しいパンを効率よく製造することができる。
【0053】
また、第1載置板部71の上方部を覆う天板部96を備えるため、熱気が素通りして上方へ逃げるのを抑制でき、パン生地aの焼きムラを効果的に防止、すなわち例えば特に上段の第1載置板部71に載置されたパン生地aの上面の焼きムラを効果的に防止でき、よって、均一な焼き具合の美味しいパンを効率よく製造することができる。
【0054】
さらに、複数段の載置板部71,72が支持部41,42に脱着可能に設けられているため、パン生地aの載置や、焼き上がったパンの取り出しを容易にでき、効率よくパン製造を行うことができる。
【0055】
また、上面開口状の箱状の挿入部44が第2支持部42と底板部43との間に挿入出可能に挿入されているため、例えばパン釜2の洗浄時に挿入部44を挿出でき、パン釜2の内面を容易かつ適切に洗浄できる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、2段の載置板部71,72を備えた構成について説明したが、例えばパン生地aの大きさ等によっては、例えば3段以上の載置板部を備えた構成でもよく、また1段の載置板部のみを備えた構成等でもよい。
【0057】
また、左右対をなす両取手部31間に載置板部71,72を脱着可能に設けた構成には限定されず、例えば載置板部が両取手部31間に固設された構成等でもよい。
【0058】
さらに、空間部である空気室部(空気層部)が複数層の空気層からなるものには限定されず、例えば単層の空気層からなるものでもよい。
【0059】
また、各段で雰囲気温度がより均一になるように、例えば複数段の載置板部中の最下段以外の載置板部の載置板に、熱気を通す通熱孔を形成してもよい。この通熱孔の数や形状は任意であり、例えば載置板の中央部に通熱孔を形成したり、載置板に通熱孔を交互に形成したりしてもよい。また、載置板を網部材で構成してもよい。
【0060】
さらに、底板部43が平板状の下板59を有する構成には限定されず、例えば熱気を流し易くするために底板部の下板の所定部位、例えば中央部を下方に向かって凸状に形成してもよい。
【0061】
また、例えば熱気の流れをつくるために、天板部96の覆い板97の所定部位、例えば中央部に熱気を排出するための排気口を形成してもよい。
【0062】
さらに、連続自動炊飯装置1の加熱手段26は、ガスバーナ以外に、例えばシーズヒータ或いはカーボンヒータ等でもよい。
【符号の説明】
【0063】
2 被搬送体であるパン釜
11 搬送手段
26 加熱手段
31 取手部
43 底板部
71 載置板部である第1載置板部
72 載置板部である第2載置板部
90 空気室部
91 空気層である第1空気層
92 空気層である第2空気層
93 空気層である第3空気層
96 天板部
a パン生地
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン製造に使用可能な被搬送体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された連続自動炊飯装置が知られている。
【0003】
この連続自動炊飯装置(搬送加熱装置)は、搬入口および搬出口を有する機体と、この機体内に配設され炊飯釜を搬送するチェーンコンベヤ等の搬送手段と、機体内に配設され炊飯釜の底板部を加熱するガスバーナ等の加熱手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭55−42573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、例えばこのような炊飯装置を用いて、米からご飯へと炊飯するだけではなく、米や小麦等からパンへと焼成することができないか、新規の試みとしたパン製造(パン焼き)を行おうとした場合には、炊飯釜をそのまま使用することができない。このため、パン製造に使用できる被搬送体(パン釜)の開発が課題となっていた。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、パン製造に使用でき、パン生地の焼き過ぎを防止できる被搬送体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の被搬送体は、パン生地を焼成してパンを製造する際に、搬送手段にて搬送されながら加熱手段にて加熱される被搬送体であって、前記搬送手段にて支持される取手部と、前記パン生地が載置される少なくとも1段の載置板部と、前記加熱手段にて加熱される底板部と、前記載置板部と前記底板部との間に位置する空気室部とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載の被搬送体は、請求項1記載の被搬送体において、空気室部は、密閉状の複数の空気層にて構成されているものである。
【0009】
請求項3記載の被搬送体は、請求項1または2記載の被搬送体において、載置板部の上方部を覆う天板部を備えるものである。
【0010】
請求項4記載の被搬送体は、請求項1ないし3のいずれか一記載の被搬送体において、載置板部が複数段設けられているものである。
【0011】
請求項5記載の被搬送体は、請求項1ないし4のいずれか一記載の被搬送体において、載置板部が脱着可能に設けられているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、搬送手段にて支持される取手部と、パン生地が載置される少なくとも1段の載置板部と、加熱手段にて加熱される底板部と、載置板部と底板部との間に位置する空気室部とを備えるため、パン製造に使用でき、パン生地の焼き過ぎを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る被搬送体(パン釜)の正面視断面図(図4のI−I断面図)である。
【図2】同上被搬送体の側面視断面図(図3のII−II断面図)である。
【図3】同上被搬送体の正面図である。
【図4】同上被搬送体の側面図である。
【図5】連続自動炊飯装置の縦断面図である。
【図6】同上連続自動炊飯装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図5および図6において、1は搬送加熱装置である連続自動炊飯装置で、この連続自動炊飯装置1は、複数の炊飯釜(図示せず)を搬送しながら加熱して炊飯を連続的に行うことができるばかりでなく、炊飯釜に換えてこの炊飯釜と対応するような形状をなす複数の被搬送体であるパン釜2を搬送しながら加熱してパン製造(パン焼き)を連続的に行うことができるものである。
【0016】
つまり、連続自動炊飯装置1は、連続パン製造機を兼ねた連続炊飯機である。なお、図5および図6には、連続自動炊飯装置1にてパン製造が行われている状態が示されている。
【0017】
連続自動炊飯装置1は、図5および図6に示されるように、搬入口6および搬出口7を有する機体5を備えている。
【0018】
また、連続自動炊飯装置1は、パン釜(炊飯の際には炊飯釜)2を搬入口6から機体5内に搬入するローラコンベヤ等の搬入用搬送手段8と、パン釜2を搬出口7から機体5外に搬出するローラコンベヤ等の搬出用搬送手段9と、機体5内に配設されパン釜2を機体5内の釜移動路10に沿って搬送するチェーンコンベヤ等の搬送手段11とを備えている。なお、パン釜2は、搬出用搬送手段9にて搬出された後、コンベヤ装置12にて次工程に搬送されていく。また、釜移動路10は、水平移動路部10aと、搬送方向に向かって上り傾斜状の傾斜移動路部10bとを有している。
【0019】
そして、搬送手段11は、モータ等の駆動源15からの動力に基づいて回行する左右一対の無端体であるチェーン16を有している。チェーン16は、複数のスプロケット17,18,19に掛け渡されている。
【0020】
チェーン16の等間隔をおいた複数箇所には固定板20が固定され、この各固定板20には、チェーン16の回行に伴って移動する支持部(取手支持部)21が水平軸22を中心として回動可能に設けられている。各支持部21は、ガイドレール23にて案内されながらこのガイドレール23に沿って移動するローラ24を有している。そして、チェーン16の回行時に、各パン釜2は、左右一対の支持部21にて支持されて釜移動路10に沿って搬送される。
【0021】
また、連続自動炊飯装置1は、機体5内に配設されパン釜2を加熱するガスバーナ等の加熱手段26を備えている。加熱手段26は、機体5内において水平移動路部10aの下方に配設されパン釜2の搬送方向に並ぶ複数(例えば5つ)の加熱部であるガスバーナ部27を有している。各ガスバーナ部27には、上方に向かってガスの炎が出る開口部28が複数形成されている。この各開口部28から出た炎がパン釜2の下面近傍に位置するようになっている。つまり、加熱手段26の火力は、各開口部28から出た炎がパン釜2の下面に直接接触しない大きさに設定される。
【0022】
なお、図6に示されるように、水平移動路部10aの左右両側方には、この水平移動路部10aを移動中のパン釜2の側面と近接対向する鉛直状の反射板等の立上板29が配設されている。各立上板29の上端部は、例えばアングルからなるガイドレール23の鉛直板部23aが移動するローラ24の誘導と兼ねて構成されている。
【0023】
そして、パン釜(被搬送体)2は、図5および図6に示すような連続自動炊飯装置1を用いてパン生地を焼成してパンを連続的に製造する際に、搬送手段11にて搬送されながら加熱手段26にて加熱されるものである。
【0024】
ここで、パン生地載置体であるパン釜2は、図1ないし図4に示されるように、搬送手段11の支持部21上に載置されこの支持部21にて支持される逆L字状の左右一対の取手部31を左右両側に備えている。
【0025】
各取手部31は、搬送手段11の支持部21にて支持される水平状の取手部分32と、この取手部分32から下方に向かって突出する鉛直状の取付部分33とを有している。なお、取手部分32は、搬送手段11による搬送時には、立上板29の上端部近傍を移動していく(図6参照)。
【0026】
各取手部分32の上面には、上下方向長手状の天板支持棒35が立設され、この天板支持棒35は、上端部に径大状の天板支持部36を有している。
【0027】
また、互いに離間対向する左右の両取付部分33には、上から順に枠状の第1支持部41、上面開口状の箱状の第2支持部42および加熱手段26にて加熱される上面開口状の箱状の底板部43がそれぞれ固定的に架設されている。また、両取付部分33間であって第2支持部42と底板部43との間には、上面開口状の箱状の挿入部44が挿入出可能に嵌合挿入されている。
【0028】
第1支持部41は、取手部31の取付部分33の上部内面に固定的に取り付けられた鉛直状の左右一対の取付板46と、これら両取付板46の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板47と、この各連結板47の上端部から外方に向かって突出する水平状の突出板48とを有している。
【0029】
第2支持部42は、取手部31の取付部分33の上下方向中間部内面に固定的に取り付けられた鉛直状の左右一対の取付板51と、これら両取付板51の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板52と、この各連結板52の上端部から外方に向かって突出する水平状の突出板53とを有している。また、第2支持部42は、両取付板51の下端部同士を連結する水平状の下板54を有している。
【0030】
底板部43は、取手部31の取付部分33の下部内面に固定的に取り付けられた鉛直状の左右一対の取付板56と、これら両取付板56の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板57と、各取付板56の上端部から内方に向かって突出し挿入部44を下方から支持する水平状の突出板58とを有している。また、底板部43は、両取付板56の下端部同士を連結する水平状で矩形状の平板である下板59を有し、この下板59が加熱手段26のガスバーナ部27の開口部28からの炎で直接加熱される。
【0031】
挿入部44は、底板部43の突出板58にて脱着可能に支持された水平状の下板61と、この下板61の左右方向両端部に立設された鉛直状の左右一対の立設板62と、これら両立設板62の前後方向端部同士を連結する鉛直状の前後一対の連結板63とを有している。
【0032】
また、パン釜2は、例えば米粉等からなるパン生地aが上面上に載置される少なくとも1段、すなわち例えば複数段(例えば上下2段)の載置板部71,72を備えている。すなわち例えばパン釜2は、第1支持部41の突出板48にて脱着可能に支持された上段(上側)の第1載置板部71と、第2支持部42の突出板53にて脱着可能に支持され第1載置板部71の下方にこの第1載置板部71と所定距離離れて位置する下段(下側)の第2載置板部72とを備えている。なお、支持部41,42に対してそれぞれ脱着可能な載置板部71,72は、例えば皿形状をなすホテルパン等のトレイにて構成されている。
【0033】
第1載置板部71は、複数個のパン生地aが上面上に行列状に載置される矩形板状の水平状の載置板73と、この載置板73の前後左右の4つの各辺部に立設された傾斜状の立設板74と、この立設板74の上端部から外方に向かって突出する矩形環状の水平状の鍔板75とを有している。そして、前後の鍔板75が、第1支持部41の突出板48上に載置されこの突出板48にて支持されている。
【0034】
第2載置板部72は、第1載置板部71と同様、複数個のパン生地aが上面上に行列状に載置される矩形板状の水平状の載置板78と、この載置板78の前後左右の4つの各辺部に立設された傾斜状の立設板79と、この立設板79の上端部から外方に向かって突出する矩形環状の水平状の鍔板80とを有している。そして、前後の鍔板80が、第2支持部42の突出板53上に載置されこの突出板53にて支持されている。
【0035】
さらに、パン釜2は、最下段の載置板部である第2載置板部72と底板部43との間に位置するパン焦し防止用の空気室部90を下部に備えている。空気室部90は、それぞれ独立した密閉状の複数の空気層91,92,93にて構成されている。すなわち例えば空気室部90は、上下方向に積層された第1空気層91、第2空気層92および第3空気層93にて構成されている。
【0036】
第1空気層91は、第2載置板部72と第2支持部42との間に位置する空間部にて構成されている。つまり、第1空気層91は、第2載置板部72と第2支持部42とにて密閉状(略密閉を含む)に区画形成されている。なお、左右の取付板51と鍔板80との間には、わずかな隙間95が存在する(図1参照)が、例えば隙間95が生じないようにしてもよい。
【0037】
第2空気層92は、第2支持部42と挿入部44との間に位置する空間部にて構成されている。つまり、第2空気層92は、第2支持部42と挿入部44とにて密閉状(略密閉を含む)に区画形成されている。
【0038】
第3空気層93は、挿入部44と底板部43との間に位置する空間部にて構成されている。つまり、第3空気層93は、挿入部44と底板部43とにて密閉状(略密閉を含む)に区画形成されている。
【0039】
また、パン釜2は、最上段の載置板部である第1載置板部71の上方部を覆うことで第1載置板部71との間に熱気を取り入れて滞留させる天板部96を上部に備えている。この天板部96は、左右一対で2本の天板支持棒35にて脱着可能に支持されている。つまり、天板部96は、天板支持棒35に対して脱着可能となっている。
【0040】
天板部96は、第1支持部41上に載置された第1載置板部71の上方部および左右の取手部31の上方部を覆う矩形板状の水平状の覆い板97と、この覆い板97の前後方向両端部から外方側に向かって徐々に下り傾斜する前後一対の傾斜板98とを有している。
【0041】
覆い板97の左右方向両端部には貫通孔部99が上下面に貫通して形成され、この貫通孔部99に天板支持棒35が挿入出可能に嵌合挿入されている。そして、覆い板97の貫通孔部99の周辺部下面が、天板支持棒35の天板支持部36上に載置されこの天板支持部36にて支持されている。
【0042】
また、各傾斜板98の下端部98aは、取手部31の上面31aと略同じ高さに位置している。さらに、各傾斜板98の下端部98aは、第1支持部41の前後方向端部41aよりも外方側に位置している。つまり、天板部96は、第1支持部41上の第1載置板部71よりも大きく、平面視で第1載置板部71全体が天板部96にて覆い隠されるようになっている。さらに、搬送手段11による搬送時には、熱気の上昇を規制するために、搬送方向前後に互いに隣り合うパン釜2のうちの一方のパン釜2の傾斜板98の下端部98aと、他方のパン釜2の傾斜板98の下端部98aとが、互いに当接(略当接を含む)するようになっている(図5参照)。
【0043】
次に、パン釜2の作用等を説明する。
【0044】
連続自動炊飯装置1とこれに対して専用のパン釜(左右の取手部31と底板部43の下面との位置関係が通常の炊飯釜と同じ)2とを使用して、パン製造(パン焼き)を連続的に行う場合、例えば作業者は、まず、パン生地aが載置された載置板部71,72をパン釜2の支持部41,42上にセットする。
【0045】
つまり、天板部96を天板支持棒35から取り外した状態で、パン生地aが載った第2載置板部72を第2支持部42上に載置してから、パン生地aが載った第1載置板部71を第1支持部41上に載置し、その後、天板部96を天板支持棒35の天板支持部36上に載置する。
【0046】
そして、作業者は、パン生地aを載せた複数段の載置板部71,72がセットされたパン釜2を、搬入用搬送手段8上に載置してこの搬入用搬送手段8から連続自動炊飯装置1の機体5内に順次投入する。
【0047】
すると、パン釜2は、機体5の下部内において、搬送手段11にて水平移動路部10aに沿って搬送されながら、加熱手段26にて加熱される。その結果、第1載置板部71の載置板73および第2載置板部72の載置板78のそれぞれに載置された複数のパン生地aが均一に焼成されて均一な焼き具合のパンとなる。
【0048】
このとき、図6に示すように、加熱手段26のガスバーナ部27の開口部28から出た炎がパン釜2の底板部43の下板59近傍に位置し、この炎にてパン釜2の底板部43の全体が加熱される。しかし、各空気層91,92,93の空気の伝熱抑制作用によって、パン釜2自体が急激に温度上昇することなく、特に第2載置板部72の載置板78に熱が伝わり過ぎないようになっている。
【0049】
また、ガスバーナ部27の炎で加熱された熱気は、パン釜2の左右側面と立上板29との間の空間部と、搬送方向前後に隣り合うパン釜2間の空間部とを通って上昇し、かつ互いに連続した状態の複数の天板部96にて上昇が規制された状態となって、パン釜2内(つまり、第1載置板部71と天板部96との間の第1空間部、および、第2載置板部72と第1載置板部71との間の第2空間部)に入り込んで所定温度となって充満している。
【0050】
このため、上下の各段の載置板部71,72上のパン生地aは、局部的に強く加熱されるようなことがなく、全体が均一に加熱される。
【0051】
なお、焼き上がったパンを載せたパン釜2は、搬出用搬送手段9にて機体5外に搬出された後、コンベヤ装置12にて次工程に搬送されていく。
【0052】
そして、このようなパン釜2によれば、上下方向に積層された第1空気層91、第2空気層92および第3空気層93にて構成された密閉状の空気室部90が第2載置板部72と底板部43との間に形成されているため、連続自動炊飯装置1を用いた連続的なパン製造に使用でき、その使用時にパン生地aの焼き過ぎによる焦がしを効果的に防止、すなわち例えば特に下段の第2載置板部72に載置されたパン生地aの底面の焼き過ぎによる焦がしを効果的に防止でき、よって、均一な焼き具合の美味しいパンを効率よく製造することができる。
【0053】
また、第1載置板部71の上方部を覆う天板部96を備えるため、熱気が素通りして上方へ逃げるのを抑制でき、パン生地aの焼きムラを効果的に防止、すなわち例えば特に上段の第1載置板部71に載置されたパン生地aの上面の焼きムラを効果的に防止でき、よって、均一な焼き具合の美味しいパンを効率よく製造することができる。
【0054】
さらに、複数段の載置板部71,72が支持部41,42に脱着可能に設けられているため、パン生地aの載置や、焼き上がったパンの取り出しを容易にでき、効率よくパン製造を行うことができる。
【0055】
また、上面開口状の箱状の挿入部44が第2支持部42と底板部43との間に挿入出可能に挿入されているため、例えばパン釜2の洗浄時に挿入部44を挿出でき、パン釜2の内面を容易かつ適切に洗浄できる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、2段の載置板部71,72を備えた構成について説明したが、例えばパン生地aの大きさ等によっては、例えば3段以上の載置板部を備えた構成でもよく、また1段の載置板部のみを備えた構成等でもよい。
【0057】
また、左右対をなす両取手部31間に載置板部71,72を脱着可能に設けた構成には限定されず、例えば載置板部が両取手部31間に固設された構成等でもよい。
【0058】
さらに、空間部である空気室部(空気層部)が複数層の空気層からなるものには限定されず、例えば単層の空気層からなるものでもよい。
【0059】
また、各段で雰囲気温度がより均一になるように、例えば複数段の載置板部中の最下段以外の載置板部の載置板に、熱気を通す通熱孔を形成してもよい。この通熱孔の数や形状は任意であり、例えば載置板の中央部に通熱孔を形成したり、載置板に通熱孔を交互に形成したりしてもよい。また、載置板を網部材で構成してもよい。
【0060】
さらに、底板部43が平板状の下板59を有する構成には限定されず、例えば熱気を流し易くするために底板部の下板の所定部位、例えば中央部を下方に向かって凸状に形成してもよい。
【0061】
また、例えば熱気の流れをつくるために、天板部96の覆い板97の所定部位、例えば中央部に熱気を排出するための排気口を形成してもよい。
【0062】
さらに、連続自動炊飯装置1の加熱手段26は、ガスバーナ以外に、例えばシーズヒータ或いはカーボンヒータ等でもよい。
【符号の説明】
【0063】
2 被搬送体であるパン釜
11 搬送手段
26 加熱手段
31 取手部
43 底板部
71 載置板部である第1載置板部
72 載置板部である第2載置板部
90 空気室部
91 空気層である第1空気層
92 空気層である第2空気層
93 空気層である第3空気層
96 天板部
a パン生地
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン生地を焼成してパンを製造する際に、搬送手段にて搬送されながら加熱手段にて加熱される被搬送体であって、
前記搬送手段にて支持される取手部と、
前記パン生地が載置される少なくとも1段の載置板部と、
前記加熱手段にて加熱される底板部と、
前記載置板部と前記底板部との間に位置する空気室部と
を備えることを特徴とする被搬送体。
【請求項2】
空気室部は、密閉状の複数の空気層にて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の被搬送体。
【請求項3】
載置板部の上方部を覆う天板部を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の被搬送体。
【請求項4】
載置板部が複数段設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の被搬送体。
【請求項5】
載置板部が脱着可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の被搬送体。
【請求項1】
パン生地を焼成してパンを製造する際に、搬送手段にて搬送されながら加熱手段にて加熱される被搬送体であって、
前記搬送手段にて支持される取手部と、
前記パン生地が載置される少なくとも1段の載置板部と、
前記加熱手段にて加熱される底板部と、
前記載置板部と前記底板部との間に位置する空気室部と
を備えることを特徴とする被搬送体。
【請求項2】
空気室部は、密閉状の複数の空気層にて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の被搬送体。
【請求項3】
載置板部の上方部を覆う天板部を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の被搬送体。
【請求項4】
載置板部が複数段設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の被搬送体。
【請求項5】
載置板部が脱着可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の被搬送体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−157341(P2012−157341A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21378(P2011−21378)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000116699)株式会社アイホー (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000116699)株式会社アイホー (65)
【Fターム(参考)】
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