説明

被浸透物の乾燥装置及び乾燥方法

【課題】被浸透物の迅速な乾燥を行い得る乾燥装置を提供する。
【解決手段】流体が浸透している被浸透物の乾燥装置であって、フレームと、第1乾燥風射出手段と、駆動手段と、を含んでおり、上記フレームが、該フレームを軸周りに回転するための軸と、上記被浸透物を、軸から離れた位置にあるフレームの軸側部分に取り付ける取付手段と、取り付けた被浸透物に、上記フレームの軸側部分から軸へと向かう乾燥風を当てるための通気部分と、を有しており、第1乾燥風射出手段が、フレームを軸周りに回転することによってできる回転体の外側に設けられ、フレームに取り付けられている被浸透物に上記乾燥風を射出するものであり、上記駆動手段が、軸を回転させるものであり、上記駆動手段によるフレームの軸の回転速度が、被浸透物に乾燥風が当たる位置で、被浸透物に浸透している流体に遠心方向の力が作用する速度である、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液、消毒液、すすぎ液等の液体が浸透している状態の物(以下、被浸透物という)を乾燥させる乾燥装置に関する。より詳しくは、丸洗い洗浄後のマットレスを乾燥するのに適した乾燥装置と、乾燥方法とに関する。“被浸透物を乾燥させる”という処理は、処理前の被浸透物の液体の含侵率(又は、含有量)によらず、被浸透物に含まれている液体を減少させること、一般には略完全(液体の含侵率が実質0%)に除去することを意味する。
【背景技術】
【0002】
例えば、病院や老人ホーム等では、介護用ベッドの掛布団やシーツだけでなく、マットレスも丸洗い洗浄することが望まれている。しかし、丸洗い洗浄後のマットレスを効率よく乾燥させることは、難しい。
【0003】
図10は、一般に知られている洗浄後のマットレスの乾燥室300を示す図である。乾燥室300は、ヒータ301と、換気扇302とを含んでいる。洗浄後のマットレス303a、303b、303cは、乾燥室300内に、図示するように広い面304が垂直になる状態で置く。ヒータ301は、温風を出力することによって乾燥室300内の温度を上げ、室内の空気を乾燥させると共に、この乾燥した空気の流れを生成する。以下、この乾燥した空気の流れのことを、乾燥風という。乾燥風は、マットレスに浸透している液体を、その表面から気化させる。換気扇302は、湿気を含んだ空気を室外に排出する。例えば、以下の特許文献1には、乾燥室300に類似する乾燥システムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−26762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記乾燥室300では、マットレスの表面が乾燥した後、乾燥風に触れにくい深層部分にある液体まで略完全に乾燥させるのに長時間を要する。乾燥に要する時間を短くするには、乾燥室300内を更に乾燥状態にするため、より高出力のヒータが必要になる。
【0006】
本発明は、被浸透物の迅速な乾燥を行い得る乾燥装置と、乾燥方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の被浸透物の乾燥装置は、流体が浸透している被浸透物の乾燥装置であって、フレームと、第1乾燥風射出手段と、駆動手段と、を含んでおり、上記フレームが、該フレームを軸周りに回転するための軸と、上記被浸透物を、上記軸から離れた位置にあるフレームの軸側部分に取り付ける取付手段と、取り付けた被浸透物に、上記フレームの軸側部分から軸へと向かう乾燥風を当てるための通気部分と、を有しており、上記第1乾燥風射出手段が、フレームを軸周りに回転することによってできる回転体の外側に設けられ、フレームに取り付けられている被浸透物に上記乾燥風を射出するものであり、上記駆動手段が、軸を回転させるものであり、上記駆動手段による軸の回転速度が、被浸透物に乾燥風が当たる位置で、被浸透物に浸透している流体に遠心方向の力が作用する速度である、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の被浸透物の乾燥装置は、請求項1に記載の被浸透物の乾燥装置において、上記軸が略水平方向に設けてある、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の被浸透物の乾燥装置は、請求項1又は請求項2に記載の被浸透物の乾燥装置において、更に、第2乾燥風射出手段を含んでおり、上記第2乾燥風射出手段が、軸と、フレームに取り付けられている被浸透物と、の間に設けられ、被浸透物に軸から遠心方向に向かう乾燥風を射出するものである、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の被浸透物の乾燥装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の被乾燥物の乾燥装置において、上記フレームが、軸周りに回転する円筒状のものであり、かつ、フレーム内に被浸透物を挿入し、取り付けるための開口と、該開口の開閉機構とを、該円筒状の部分に含んでおり、上記開閉機構が、1本以上の複数段の伸縮式ロッドと、1本のフレーム構成ロッドとを含んでおり、上記複数段の伸縮式ロッドのそれぞれが、円筒状の部分と同じ径で、フレームの回転方向に沿って伸びるものであり、一端が、軸に平行な位置にある、開口のフレームに取り付けられており、他端が、フレーム構成ロッドに取り付けられており、上記フレーム構成ロッドが、軸に平行に伸びているものであって、両端部分が、フレームに、該フレームの回転方向に沿って摺動可能な状態で支持されているものであり、上記フレーム構成ロッドが、円筒状の部分と同じ径でフレームの回転方向に沿って摺動し、伸縮式ロッドによって開口を開閉するものである、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の被浸透物の乾燥方法は、フレームと、乾燥風射出手段と、駆動手段と、を含んでいる乾燥装置を用いて、流体が浸透している被浸透物の乾燥を行う乾燥方法であって、上記フレームが、該フレームを軸周りに回転するための軸と、上記被浸透物を、上記軸から離れた位置にあるフレームの軸側部分に取り付ける取付手段と、取り付けた被浸透物に、上記フレームの軸側部分から軸に向かう乾燥風を当てるための通気部分と、を有しており、上記乾燥風射出手段が、フレームを軸周りに回転することによってできる回転体の外側に設けられ、フレームに取り付けられている被浸透物に上記乾燥風を射出するものであり、上記駆動手段が、軸を回転させるものであり、上記乾燥方法は、被浸透物を取付手段によってフレームに取り付ける工程と、駆動手段によって軸を回転させると共に、乾燥風射出手段から乾燥風を射出する工程と、で構成され、駆動手段による軸の回転速度が、被浸透物に乾燥風が当たる位置で、被浸透物に浸透している流体に遠心方向の力が作用する速度である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の被浸透物の乾燥装置は、フレームを軸周りに回転することによって、該フレームに取り付けた被浸透物に遠心方向の力を作用させ、被浸透物に浸透している流体を、フレームの回転体の軸周りの面側に集め、該面に向けて、回転体の外側から乾燥風を射出することによって、迅速な乾燥を実現することができる。
【0013】
請求項2に記載の被浸透物の乾燥装置は、請求項1に記載の被浸透物の乾燥装置において、略水平方向の回転軸を有するフレームを用いることによって、回転軸の下側に位置するフレームの部分において、被浸透物に浸透している流体に、遠心方向に、遠心力と重力の成分とを作用させることによって、迅速な乾燥を実現することができる。これは、例えば、第1乾燥風射出手段を、軸に垂直な面で見て軸と同じ高さであって、被浸透物が下向きに移動する位置に設ける場合には、フレームが1回転することによって被浸透物に浸透している液体に作用する重力の成分の合計は完全に打ち消されるが、それ以外の部分にある場合には、被浸透物に浸透している流体を、より迅速にフレームの回転体の軸周りの面側に集ることができるためである。
【0014】
請求項3に記載の被浸透物の乾燥装置は、請求項1又は請求項2に記載の被浸透物の乾燥装置において、更に、被浸透物に軸から遠心方向に向かう乾燥風を射出することによって、迅速な乾燥を実現することができる。
【0015】
請求項4に記載の被浸透物の乾燥装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の被浸透物の乾燥装置において、開口に設けた開閉機構を、円筒状の部分と同じ径でフレームの回転方向に沿って摺動することができる。当該構成の開閉機構は、第1、第2乾燥風射出手段を、被浸透物により近づけて設けることを可能にし、無駄になる乾燥風を減らすことによって、より迅速な乾燥を実現することに寄与することができる。
【0016】
請求項5に記載の被浸透物の乾燥方法は、フレームを軸周りに回転することによって、該フレームに取り付けた被浸透物に遠心方向の力を作用させ、被浸透物に浸透している流体を、フレームの回転体の軸周りの面側に集め、該面に向けて、回転体の外側から乾燥風を射出することによって、迅速な乾燥を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(1)実施の形態1
(1-1)乾燥装置の全体構成
図1は、実施の形態1に係る被浸透物の乾燥装置100の全体を示す斜視図である。乾燥装置100は、流体が浸透している被浸透物の例として、2枚の洗浄後のマットレス50、51(図3を参照)を同時に乾燥するものである。後に図3を参照しつつ詳しく説明するが、乾燥装置100は、フレーム103と、第1乾燥風射出手段である第1乾燥風射出装置114と、第2乾燥風射出手段である第2乾燥風射出装置115と、駆動手段(図3に示す電動モータ116がこれに相当する)と、を含んでいる。
【0018】
フレーム103は、フレーム103を軸周りに回転するための軸110と、マットレス50、51を、軸110から離れた位置にあるフレーム103の軸側部分に取り付ける取付手段(図3に示す複数のベルト113がこれに相当する)と、取り付けたマットレス50、51に、上記フレーム103の軸側部分から軸110へと向かう、即ち、フレーム103の円筒状の部分の外側から内側の軸110へと向かう、乾燥風を当てるための通気部分Aと、を有している。
【0019】
第1乾燥風射出装置114は、フレーム103を軸110周りに回転することによってできる回転体(以下、単に回転体という)の外側に設けられ、フレーム103に取り付けられているマットレス50、51に、上記乾燥風を射出するものである。回転体の外側から、乾燥風を射出することにより、上記通気部分Aを介して、フレーム103に取り付けられているマットレス50、51の外面50a、51a(図3を参照)に乾燥風が当たる。
【0020】
第2乾燥風射出装置115は、軸110と、フレーム103に取り付けられているマットレス50、51と、の間に設けられ、マットレス50、51の内面50b、51b(図3を参照)に軸110から遠心方向の乾燥風を射出するものである。
【0021】
駆動手段は、軸110を回転速度C(回転数/分)で回転させる。
【0022】
乾燥装置100による、マットレス50、51の乾燥方法は、マットレス50、51を取付手段によってフレーム103に取り付ける工程と、駆動手段によって軸110を回転させると共に、第1、第2乾燥風射出装置114、115から乾燥風を射出する工程と、で構成されている。
【0023】
軸110の回転速度C(回転数/分)は、第1乾燥風射出装置114が射出した乾燥風がマットレス50、51の外面50a、51aに当たる位置で、マットレス50、51に浸透している流体に遠心方向の力が作用する回転速度に設定する。以下、この条件を満たす回転速度C(回転数/分)の下限値を回転速度Cref(回転数/分)と表す。
【0024】
乾燥装置100は、軸110を回転速度C(回転数/分)で回転することによって、フレーム103に取り付けたマットレス50、51に遠心方向の力を作用させ、マットレス50、51に浸透している流体を、回転体の軸周りにある面側、即ち、外面50a、51aに集め、外面50a、51aに向けて、回転体の外側から乾燥風を射出することによって、迅速な乾燥を実現する。
【0025】
なお、軸110を、上記回転速度Cref(回転数/分)以上の速度で回転させる限り、軸110の方向は、略水平方向、傾斜方向、垂直方向の何れの方向であっても良い。
【0026】
例えば、図1に示す状態とは異なり、軸110を垂直方向に設ける場合と、図10に示すように、乾燥室300内に、面304が垂直になる状態でマットレス303aを置く場合と、について考える。軸110を垂直方向に設けた場合の乾燥装置100は、マットレス50、51の深層部分にある液体を含め、マットレス50、51に浸透している全ての液体を、第1乾燥風射出装置114が乾燥風を当てる面側、即ち、外面50a、51aに集めることができるため、より迅速な乾燥を実現することができる。
【0027】
再び図1を参照する。乾燥装置100は、軸110を略水平方向に設けてある。略水平とは、水平の他、僅かに軸が傾斜した状態を含む。当該構成を採用することによって、迅速な乾燥を実現することができる。これは、例えば、第1乾燥風射出装置114のノズル114aを、軸110に垂直な面で見て軸110と同じ高さであって、マットレス50、51が下向きに移動する位置に設ける場合には、フレーム103が1回転することによってマットレス50、51に浸透している液体に作用する重力の成分の合計は完全に打ち消されるが、それ以外の部分にある場合には、マットレス50、51に浸透している流体を、より迅速にフレーム103の回転体の軸周りの面側、即ち、外面50a、51aに集めることができるためである。
【0028】
なお、軸110が傾いてさえいれば、遠心方向、又は、遠心方向とは逆向きに重力の成分が作用するが、軸110を略水平方向にするのが好ましい。
【0029】
例えば、図1に示す状態とは異なり、第1乾燥風射出装置114を、フレーム103の下側の位置に設けた場合と、図10に示した従来の乾燥室300に、マットレス303aの面304を水平に置く場合と、について考える。第1乾燥風射出装置114の114aを、フレーム103の下側の位置に設けた乾燥装置100は、遠心力の分だけ多くの液体を、乾燥風を当てる面側、即ち、外面50a、51aに集めることができるため、より迅速な乾燥を実現することができる。
【0030】
再び図1を参照する。乾燥装置100は、乾燥室101と、換気装置102と、操作部104と、計器盤105とを、更に含んでいる。
【0031】
乾燥室101は、収納しているフレーム103を取り扱うための昇降扉106を有している。
【0032】
換気装置102は、換気扇102aとダクト102bとを含んでおり、換気扇102aによって、被浸透物に浸透していた液体を含んだ乾燥室101内の空気を、ダクト102bを介して排出する。
【0033】
操作部104は、装置の動作制御を行うためのものである。操作部104は、3つのスイッチ104a、104b、104cを含んでいる。スイッチ104aを押下すると、第1、第2乾燥風射出装置114、115と、駆動手段とが始動する。スイッチ104aの押下後に、スイッチ104bを押下すると、例えば、液体を約60%含侵した状態の洗浄後のマットレス50、51を、略完全に乾燥するのに要する時間T1(実験値)が経過した後に、第1、第2乾燥風射出装置114、115と、駆動手段とが動作を停止する。スイッチ104cを押下すると、第1、第2乾燥風射出装置114、115と、駆動手段とが直ちに動作停止する。操作部104の詳しい構成については、後に説明する。
【0034】
計器盤105は、乾燥室101内の温度や装置の動作状態を確認するための種々のメータが設けられている。
【0035】
(1-2)操作部の構成
図2は、操作部104の構成図である。操作部104は、上述したスイッチ104a、104b、104cの他に、更に、電源104dと、制御回路104eと、タイマー104fとを含んでいる。第1、第2乾燥風射出装置114、115は、電熱ヒータを用いる電動装置である。後述するが、第1、第2乾燥風射出装置114、115は、乾燥風を発生する乾燥風発生装置120(図5を参照)を共用している。制御回路104eは、スイッチ104aの押下に応じて、第1、第2乾燥風発生装置114、115と、駆動手段である電動モータ116とに、電源104dから電力供給を行う。スイッチ104bの押下に応じて、タイマー104fが始動する。制御回路104eは、タイマー104fによる時間T1の計時終了、又は、スイッチ104cの押下に応じて、電源104dから、第1、第2乾燥風射出装置114、115と、電動モータ116とへの電力供給を停止する。
【0036】
操作者が、スイッチ104aを押下することで、乾燥処理が開始し、操作者がスイッチ104cを押下するまでの間、乾燥処理が続けられる。乾燥させるマットレス50、51の液体の含侵率に応じて乾燥時間を変える場合に該手順で乾燥処理を行う。乾燥させるマットレス50、51の状態が、液体を約60%含侵した状態の場合は、スイッチ104aを押下した後に、スイッチ104bを押下して、時間T1の乾燥処理を行う。
【0037】
なお、第1、第2乾燥風射出装置114、115として、信号に応じて始動する、ガスや石油等による火力を用いるものを採用し、モータ116として、信号に応じて始動する、内燃機関を用いるものを採用しても良い。この場合、上記制御回路104eは、第1、第2乾燥風射出装置114、115と、モータ116とに、上記電力供給を行う代わりに各装置を始動させるための信号を出力する。
【0038】
(1-3)フレーム、第1、第2乾燥風射出装置について
図3は、乾燥室101に収納されている構成物を示す斜視図である。乾燥室101には、支持構造体200が納められている。支持構造体200には、フレーム103と、第1乾燥風射出装置114と、第2乾燥風射出装置115と、電動モータ116とが設けられている。
【0039】
フレーム103の軸110は、支持構造体200に回転可能な状態で両端が支持されている。フレーム103は、軸110を中心に回転可能な、直径約1540mmで軸方向の長さ約1270mmのサイズの円筒状のフレームであり、円筒状の部分の軸側、即ち、内側に沿って、2枚のマットレス50、51を収納することができる。
【0040】
フレーム103の円筒状の部分には、該部分の軸側、即ち、内側に沿って2枚のマットレス50、51を挿入し、フレーム103に取り付けるための開口111と、該開口111の開閉機構112とが設けられている。開閉機構112の構成については、後に説明する。
【0041】
フレーム103は、2枚のマットレス50、51をフレーム103に取り付ける取付手段として、複数のベルト113を有している。開口111を介してフレーム103内に挿入されたマットレス50、51は、複数のベルト113によって固定される。
【0042】
なお、取付手段は、後に説明する第1、第2乾燥風射出装置114、115の乾燥風射出用ノズル114a、115aを、マットレス50、51のできるだけ近くに設けることができるように考慮したものが好ましく、複数のベルト113の代わりに、例えば、フレーム103の環状部材103a、103bを支持する放射状の支持部材107a、107bに、マットレス50、51の厚さの分だけ小さな直径の環状部材をマットレス押さえ材として取り付けても良い。
【0043】
フレーム103の円筒状の部分は、上記開口部分111が欠けた状態の10本の環状部材103c〜103lと、回転軸に平行な複数の棒状部材117と、で構成されている。複数の棒状部材117は、10本の環状部材103c〜103lを、同軸に間隔を開けて並ぶように固着する。上記通気部分Aは、10本の環状部材103c〜103lと複数の棒状部材117とが交わることによってできる複数の格子状の部分のことをいう。
【0044】
なお、フレーム103が、軸110と、上記取付手段と、通気部分Aと、を有するという条件を満たすものであれば、例えば、1枚のマットレス50のみを収納することができる、軸110に沿う平面を有する半円柱状のフレームを用いることも考えられる。
【0045】
第1乾燥風射出装置114は、乾燥風を射出する部分に、フレーム103の軸110とほぼ同じ長さのノズル114aを有している。ノズル114aは、回転体の外側近傍に設けられている。なお、図4(a)は、ノズル114aを含むA-A断面図を示している。
【0046】
第1乾燥風射出装置114は、回転しているマットレス50、51の外面50a、51aに通気部分Aを介して直接乾燥風を当てることによって、液体を気化するものであり、乾燥風を満たすため乾燥室101を気密にする必要を無くし、乾燥装置100の簡素化に寄与することができるものである。
【0047】
第1乾燥風射出装置114は、ノズル114aから乾燥風を射出している状態で、軸110を回転させることによって、マットレス50、51の外面50a、51aの全体に渡って乾燥風を当てるものであり、乾燥室101を乾燥風で満たす場合に比べ、無駄になる乾燥風が少なく、小型低消費電力のものを用いることができる。
【0048】
第1乾燥風射出装置114は、乾燥風をマットレス50、51に射出する構成をとり、乾燥風の乾燥度が同じ場合、単位時間当たりに射出する風量(以下、乾燥風量という)が多い程、迅速な乾燥を行い得るものである(後述する実験データを参照)。しかし、上述するように、第1乾燥風射出装置114は、マットレス50、51の外面50a、51aに集まった液体に乾燥風を射出するものであり、例えば、マットレス50、51の外面50a、51aに液体を集めるような力を作用させない状態で、マットレス50、51の深層部分にまで到達する程の勢いで乾燥風を射出することによって、深層部分の液体を気化させる場合に比べれば、同じ性能を発揮するのに比較的低出力のものを用いることができるという利点を有している。
【0049】
第2乾燥風射出装置115は、乾燥風を射出する部分に、フレーム103の軸110とほぼ同じ長さのノズル115aを有している。ノズル115aは、フレーム103の内側近傍に設けられている。なお、図4(b)は、ノズル115aを含むB-B断面図を示している。
【0050】
第2乾燥風射出装置115は、マットレス50、51の軸110に向いている面、即ち内面50b、51bに、軸110から遠心方向に向かう乾燥風を当てることによって、更には、フレーム103の回転に伴って生じる、軸110側からフレーム103の外側に向かう風の流れを利用することによって、マットレス50、51に乾燥風を通し、深層部分の液体を気化させる手段であり、上記第1乾燥風射出装置114の働きを助けるものである。第2乾燥風射出装置115は、射出する乾燥風量が多い程、迅速な乾燥を行い得るものである(後述する実験データを参照)。
【0051】
軸110は、電動モータ116と、駆動ベルト116aによって連結されている。制御回路104eによって駆動されると、電動モータ116は、軸110を回転速度C(回転数/分)で回転させる。
【0052】
回転速度Cref(回転数/分)は、第1乾燥風射出装置114を設ける位置によって、遠心方向に作用する重力の成分が変化するため、変る。図3に示すように、第1乾燥風射出装置114が、時計で1時〜2時の位置にある場合を考える。この位置で、マットレス50、51に浸透している液体に、遠心方向の力、即ち、軸110からみて回転体の外側に向かう力を作用させるには、フレーム103の回転速度は、液体に、軸110方向に作用する重力の成分よりも大きな遠心力が作用する速度に設定することが必要になる。
【0053】
図5は、フレーム103を、図3と反対の側から見た斜視図である。乾燥室101は、省略してある。支持構造体200は、第1、第2乾燥風射出装置114、115が共用している乾燥風発生装置120を備えている。乾燥風発生装置120は、乾燥室101内の空気を吸引し、吸引した空気を加熱することによって乾燥風を生成し、生成した乾燥風を、ダクト114b、115bを介してノズル114a、115bから射出させる。乾燥風発生装置120は、上記吸引した空気の除湿を行うタイプのものであっても良い。また、乾燥室101(図3を参照)の外側から空気を吸引するものであっても良い。なお、ダクト114b、115bには、弁114c、115cが設けられており、後述する実験を行う際に、任意にダクト114b、115bを閉じることができるようになっている。
【0054】
(1-4)開閉機構の構成
図6、図7は、図3に破線Cで囲んで示す部分の拡大図であり、フレーム103の開口111に設ける開閉機構112の構成を説明するための斜視図である。図6は、開閉機構112を開けた状態を示しており、図7は、開閉機構112を閉じた状態を示している。
【0055】
開閉機構112は、10本の4段の伸縮式ロッド130a、130b、…、130j(図示せず)と、1本のフレーム構成ロッド131aとを含んでいる。
【0056】
10本の4段の伸縮式ロッド130a、130b、…、130jは、それぞれが、フレーム103の円筒状の部分と同じ径で、フレーム103の回転方向に沿って伸びるようになっており、一端が、図3と図6とに示すように、開口111の軸110に平行なフレーム111aに等間隔に接続されており、他端が、フレーム構成ロッド131aに取り付けられている。
【0057】
フレーム構成ロッド131aは、軸110に平行に伸びているものであって、両端部分が、フレーム103の環状部材103a(図3を参照)、103bに、該フレームの回転方向に摺動可能な状態で支持されている。図6には、フレーム構成ロッド131aの環状部材103b側の端部131arが示されている。フレーム構成ロッド131aは、円筒状の部分と同じ径でフレーム103の回転方向に沿って摺動し、10本の伸縮式ロッドロッド130a、130b、…、130jによって開口を開閉する。なお、フレーム構成ロッド131aと同様の構成の3本のフレーム構成ロッド131b、131c、131dが、伸縮式ロッド130a、130b、130c、…130jの各伸張部分の先端に取り付けてある。更に、順に並ぶ開口111のフレーム111aと4本のフレーム構成ロッド131a〜131dとのそれぞれの間隔を等間隔にするため、蝶番で接続されている1対の連結棒で構成されている連結器132a〜132dが設けてある。
【0058】
開閉機構112は、フレーム103の円筒状の部分と同じ径で、フレーム103の回転方向に沿って摺動するものである。当該構成を採用したことによって、開閉機構112は、第1、第2乾燥風射出装置114、115のノズル114a、115aを、マットレス50、51に、より近づけて設けることを可能にし、無駄になる乾燥風を減らすことによって、より迅速な乾燥の実現に寄与することができる。
【0059】
(2)実験結果の検討
図8に示す6つのグラフ(a)〜(f)は、上記構成の乾燥装置100において、軸110の回転速度と、第1、第2乾燥風射出装置114、115の出力(乾燥風の温度)とを種々変化させ、実際に、液体を約10%含侵した状態の洗浄後のマットレス50、51を略完全(液体の含侵率が実質0%)に乾燥させた場合の実験結果を示すものである。グラフの縦軸は、マットレス50、51の重量(kg)を表し、横軸は、スイッチ104aを押下してからの経過時間(分)を表す。
【0060】
グラフ(a)は、第2乾燥風射出装置115のみを駆動し、80℃の乾燥風を射出すると共に、フレーム103を低速回転Clow=24(回転数/分)させた場合のものである。第2乾燥風射出装置115のみの駆動は、ダクト114bの弁114c(図5を参照)を閉じることによって、乾燥風発生装置120が出力する乾燥風をダクト115bのみに通すことによって行う。なお、乾燥風発生装置120に吸い込む空気の温度と湿度とは、均一なものとする。この設定では、射出する空気の温度が高い程、より乾燥した状態の空気になる。上記低速回転Clowは、上記回転速度Cref(回転数/分)よりも速い速度であるが、後に説明する高速回転Chigh(回転数/分)よりも低い速度であることを意味する。
【0061】
グラフ(b)は、第1、第2乾燥風射出装置114、115を、それぞれ駆動し、80℃の乾燥風を射出すると共に、フレーム103を低速回転Clow(回転数/分)させた場合のものである。
【0062】
グラフ(c)は、第1、第2乾燥風射出装置114、115を、それぞれ駆動し、100℃の乾燥風を射出すると共に、フレーム103を高速回転Chigh=102(回転数/分)させた場合のものである。
【0063】
グラフ(d)は、ダクト115bの弁115c(図5を参照)を閉じることによって、第1乾燥風射出装置114のみを駆動し、100℃の乾燥風を射出すると共に、フレーム103を高速回転Chigh(回転数/分)させた場合のものである。
【0064】
グラフ(e)は、ダクト114bの弁114cを閉じることによって、第2乾燥風射出装置115のみを駆動し、100℃の乾燥風を射出すると共に、フレーム103を高速回転Chigh(回転数/分)させた場合のものである。
【0065】
グラフ(f)は、ダクト114bの弁114cを閉じることによって、第2乾燥風射出装置115のみを駆動し、100℃の乾燥風を射出すると共に、フレーム103を低速回転Clow(回転数/分)させたものである。
【0066】
グラフ(a)とグラフ(b)、そして、グラフ(c)とグラフ(e)とを比較検討すると、第1乾燥風射出装置114は、設けた方が、乾燥効率が良くなることが解った。また、第1乾燥風射出装置114は、乾燥風の温度(乾燥度)が高い程、そして、回転速度が速い程、乾燥効率が向上するが、回転速度を上げることによって、乾燥効率が大幅に良くなることが解った。これは、回転速度が速い程、マットレス50、51の深層部分に浸透している液体を、マットレス50、51の外面50a、51aに迅速に集めることができるからである、と考えることができる。
【0067】
また、グラフ(c)とグラフ(d)とを比較検討すると、第1乾燥風射出装置114だけでなく、第2乾燥風射出装置115も設けた方が、乾燥効率が良くなることが解った。更に、グラフ(a)とフラグ(f)とを比較検討すると、第2乾燥風射出装置は、乾燥風の温度(乾燥度)が高い程、乾燥効率が良くなることが解った。グラフ(e)とグラフ(f)とを比較検討すると、第2乾燥風射出装置は、フレーム103の回転速度を上げても乾燥効率があまり向上しないことが解った。
【0068】
以上の実験より、乾燥装置100の乾燥効率は、フレーム103の回転速度を速く、そして、第1、第2乾燥風射出装置114、115が射出する乾燥風の温度が高く、即ち、より乾燥した状態の乾燥風を射出する程、高くなることが解った。
【0069】
(3)実施の形態2
実施の形態2に係る乾燥装置は、乾燥装置100に、遠心脱水機能を追加したものである(図示せず)。遠心脱水とは、フレーム103を高速回転させることによってマットレス50、51に浸透している液体に遠心力を作用させ、脱水を行うことをいう。以下、乾燥装置100と異なる構成部分についてのみ説明する。乾燥装置100と同じ構成物には、同じ参照番号を付し、重複した説明は省く。
【0070】
図9は、実施の形態2に係る乾燥装置が備える操作部104の構成図である。なお、説明の便宜上、後述する実施の形態3に係る乾燥装置の構成物について破線で示してある。実施の形態2に係る乾燥装置は、図2に示した操作部104に、スイッチ104gと、制御回路104hと、タイマー104iとを追加したものである。
【0071】
制御回路104hは、スイッチ104gの押下に応じて、電源104dの出力を高電圧に変換した後に、直流電源で動作する電動モータ116のみに供給する。電動モータ116は、軸110を高速回転C+(回転数/分)(但し、C<<C+の関係を満たす)させ、遠心脱水を行う。スイッチ104gの押下に伴い、タイマー104iが始動する。タイマー104iは、洗浄後のマットレス50、51の液体の含浸率が約60%から約10%に減少するのに要する時間T2(実験値)を計時する。制御回路104hは、タイマー104iによる時間T2の計時終了に応じて、電源104dから電動モータ116への電力供給を停止する。
【0072】
実施の形態2に係る乾燥装置では、乾燥室101が、マットレス50、51から放射状に飛散する液体が、装置の外に出るのを防ぐシールドとして機能する。乾燥室101には、床面の水を乾燥室101の外に排水する排水ダクト(図示せず)を設けておく。また、第1、第2乾燥風射出装置114、115のノズル114a、115aには、遠心脱水の実行時に、マットレス50、51から飛散する液体が入り込まないように逆止弁114b、115bを設けておく。
【0073】
遠心脱水の終了後、スイッチ104a、スイッチ104bを順に押下することによって、上述した乾燥処理を実行する。なお、スイッチ104bにより始動するタイマー104fの計時時間は、時間T1から、上記液体の含浸率が約10%になっているマットレス50、51を略完全に乾燥するのに要する時間T3(実験値)に変更する。時間T2と時間T3の合計の時間は、上記時間T1よりも短くすることができる。
【0074】
(4)実施の形態3
実施の形態3に係る乾燥装置は、実施の形態2に係る乾燥装置に、更に、マットレス50、51の洗浄、すすぎ機能を追加したものである(図示せず)。以下、実施の形態2に係る乾燥装置と異なる構成部分についてのみ説明する。実施の形態2に係る乾燥装置と同じ構成物には、同じ参照番号を付し、重複した説明は省く。
【0075】
フレーム103の回転軸110を管状に形成する。軸110に、軸方向に沿って、複数の孔を設ける。該複数の孔は、管状の軸110に供給される液体を、遠心方向に散水する。図9に破線で示すように、操作部104に、給水装置104jを追加する。給水装置104jは、始動に伴い、管状の軸110に、予め定めた量の洗浄液とすすぎ液とを、順に供給した後に、停止する。
【0076】
スイッチ104gの押下に応じて、電動モータ116を始動させると共に、給水装置104jを始動させる。軸110に設けた複数の孔からマットレス50、51の内面50b、51bに散水される洗浄液やすすぎ液は、マットレス50、51に付着した後、遠心力の作用によって、マットレス50、51を貫通し、外面50a、51aから放射状に飛散し、排水ダクトを介して装置の外に排出される。タイマー104iの計時時間は、時間T2に、給水装置による洗浄液やすすぎ液の供給に要する時間を加算した時間T2+に設定する。
【0077】
洗浄、すすぎ、遠心脱水の終了後、スイッチ104a、104bを順に押下し、乾燥処理を実行する。乾燥処理は、上述した実施の形態2に係る乾燥装置の場合と同様に、タイマー104fの計時時間をT3に変更して行う。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施の形態にかかる被浸透物の乾燥装置の全体を示す斜視図である。
【図2】操作部の構成図である。
【図3】乾燥装置に納められているフレームと、第1、第2乾燥風射出装置と、駆動手段と、を示す斜視図である。
【図4】(a)は、第1乾燥風射出装置を含む部分の断面を示す図であり、(b)は、第2乾燥風射出装置を含む部分の断面を示す図である。
【図5】フレームを図3の反対側から見た斜視図である。
【図6】フレームの開口に設けてある開閉機構の構成を説明するための斜視図である。
【図7】フレームの開口に設けてある開閉機構の構成を説明するための斜視図である。
【図8】フレームの回転速度と、第1、第2乾燥風射出装置から乾燥風の出力と、を種々変化させた場合の、被浸透物の乾燥重量の時間の経過に伴う変化を示すグラフである。
【図9】変形例の乾燥装置の制御部の構成図である
【図10】従来のマットレスの乾燥室の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
50、51 マットレス、100 乾燥装置、101 乾燥室、102 換気装置、103 フレーム、104 操作部、105 計器盤、110 回転軸、111 開口、112 開閉機構、113 ベルト、114 第1乾燥風射出装置、115 第2乾燥風射出装置、116 電動モータ、200 支持構造体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が浸透している被浸透物の乾燥装置であって、
フレームと、第1乾燥風射出手段と、駆動手段と、を含んでおり、
上記フレームが、該フレームを軸周りに回転するための軸と、上記被浸透物を、上記軸から離れた位置にあるフレームの軸側部分に取り付ける取付手段と、取り付けた被浸透物に、上記フレームの軸側部分から軸へと向かう乾燥風を当てるための通気部分と、を有しており、
上記第1乾燥風射出手段が、フレームを軸周りに回転することによってできる回転体の外側に設けられ、フレームに取り付けられている被浸透物に上記乾燥風を射出するものであり、
上記駆動手段が、軸を回転させるものであり、
上記駆動手段による軸の回転速度が、被浸透物に乾燥風が当たる位置で、被浸透物に浸透している流体に遠心方向の力が作用する速度である、ことを特徴とする被浸透物の乾燥装置。
【請求項2】
上記軸が略水平方向に設けてある、請求項1に記載の被浸透物の乾燥装置。
【請求項3】
更に、第2乾燥風射出手段を含んでおり、
上記第2乾燥風射出手段が、軸と、フレームに取り付けられている被浸透物と、の間に設けられ、被浸透物に軸から遠心方向に向かう乾燥風を射出するものである、請求項1又は請求項2に記載の被浸透物の乾燥装置。
【請求項4】
上記フレームが、軸周りに回転する円筒状のものであり、かつ、フレーム内に被浸透物を挿入し、取り付けるための開口と、該開口の開閉機構とを、該円筒状の部分に含んでおり、
上記開閉機構が、1本以上の複数段の伸縮式ロッドと、1本のフレーム構成ロッドとを含んでおり、
上記複数段の伸縮式ロッドのそれぞれが、円筒状の部分と同じ径で、フレームの回転方向に沿って伸びるものであり、一端が、軸に平行な位置にある、開口のフレームに取り付けられており、他端が、フレーム構成ロッドに取り付けられており、
上記フレーム構成ロッドが、軸に平行に伸びているものであって、両端部分が、フレームに、該フレームの回転方向に沿って摺動可能な状態で支持されているものであり、
上記フレーム構成ロッドが、円筒状の部分と同じ径でフレームの回転方向に沿って摺動し、伸縮式ロッドによって開口を開閉するものである、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の被浸透物の乾燥装置。
【請求項5】
フレームと、乾燥風射出手段と、駆動手段と、を含んでいる乾燥装置を用いて、流体が浸透している被浸透物の乾燥を行う乾燥方法であって、
上記フレームが、該フレームを軸周りに回転するための軸と、上記被浸透物を、上記軸から離れた位置にあるフレームの軸側部分に取り付ける取付手段と、取り付けた被浸透物に、上記フレームの軸側部分から軸に向かう乾燥風を当てるための通気部分と、を有しており、
上記乾燥風射出手段が、フレームを軸周りに回転することによってできる回転体の外側に設けられ、フレームに取り付けられている被浸透物に上記乾燥風を射出するものであり、
上記駆動手段が、軸を回転させるものであり、
上記乾燥方法は、
被浸透物を取付手段によってフレームに取り付ける工程と、
駆動手段によって軸を回転させると共に、乾燥風射出手段から乾燥風を射出する工程と、で構成され、
駆動手段による軸の回転速度が、被浸透物に乾燥風が当たる位置で、被浸透物に浸透している流体に遠心方向の力が作用する速度である、ことを特徴とする被浸透物の乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−315730(P2007−315730A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148384(P2006−148384)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(390008338)広和株式会社 (21)
【Fターム(参考)】