説明

被膜されたエラストマー性物品のための架橋剤

手袋のようなエラストマー性物品、及び前記エラストマー性物品の形成方法が述べられている。エラストマー性物品は、天然又は合成ラテックス或いはブロックコポリマーのようなエラストマー性ポリマーの1つ又はそれより多い層を含む主体マトリックス、及び該主体マトリックスの表面上のポリマー性膜を含む。ポリマー性膜は、ポリアミドエピクロロヒドリン架橋剤のような陽イオン架橋剤と架橋結合する架橋結合ポリマーで形成される。ポリマー性膜は、例えば、架橋結合されたポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、又はポリサッカリドとすることができる。1つの実施形態において、架橋剤は、前記物品の前記主体マトリックス層のポリマー性膜を架橋結合し、前記主体マトリックスと前記ポリマー性膜の間にしっかりとした取り付けを形成する。1つの実施形態において、前記架橋剤は、前記エラストマー性ポリマーと同様に前記ポリマー性膜と架橋結合することができる。1つの実施形態において、前記ポリマー性膜は、手袋の着用性改善被膜であり、前記着用性改善皮膜の表面に付与される適当な潤滑剤を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
エラストマー性材料は、多くの用途、例えば、手術用手袋、実験用手袋、コンドーム、カテーテル、風船、チューブ、及び同様のもののような多くの用途に適する数え切れないほどの異なる物品に形成されてきた。エラストマー性材料は、その物理的特性のために、このような用途に特に適当なものとして考えられてきた。例えば、エラストマー性材料は、良好な弾性特性を持つことに加えて、良好な強度特性を表し、水性溶液だけでなく、多くの溶媒及び油にも不透過性であるように形成することができる。
【背景技術】
【0002】
エラストマー性材料は、典型的には、触ったとき粘着性があり、表面に幾分かの付着性が存在する。物品の表面の粘着性は、多くの場合、製造及び物品の使用を困難にさせるものである。例えば、手袋、カテーテル、又は風船のような物品は、製造中にフォーマーに付着し更に、梱包及び船積みの間に、手袋それ自体で、及び手袋相互間で付着することがある。加えて、エラストマー性物品は、人間の皮膚に付着しやすく感じることが多い。例えば、手袋表面の粘着性のために、手袋のようなエラストマー性物品を着用する時、手の上を滑らせることは困難である。過去において、エラストマー性物品の表面粘着性を減少させるために最も一般的な方法は、物品の表面に粉末剤を付加することであった。粉末剤は、エラストマー性物品をより滑りやすく感じさせるように、物品と他の材料の表面との間で緩衝材又はバリアとして機能する。物品表面の粉末剤は、幾つかの用途に利用可能であるが、ある種の用途、例えば手術用又は他の洗浄室といった形式の用途には粉末剤は望ましくない。
【0003】
結果として、表面の滑り状態を増加した物品を提供しようとして、エラストマー性物品に対し無粉末被膜が開発されてきた。例えば、表面摩擦を減少するために、親水性ヒドロゲルポリマーシステムのような親水性被膜が、エラストマー性材料上に被膜を形成するために使用されてきた。エラストマー性物品上に薄い被膜を形成するために、このようなポリマーシステムは、ホルムアルデヒドベースの架橋剤、及びパラトルエンスルフォン酸触媒のような触媒の付与によって硬化されてきた。
【0004】
しかしながら、これらのシステムにおいて問題に遭遇している。例えば、高い親水性被膜は多量の水を吸収し、水化及び乾燥の間に、被膜の体積を大幅に変化させることとなる。これは、手袋表面からの被膜の層剥離及び剥がれをもたらす。更に、高親水性ポリマーは、乾燥状態において極めて剛性である。これは、被膜の時にひびを形成し、エラストマー性物品の表面から被膜の層剥離をもたらす。
【0005】
加えて、例えば、ホルムアルデヒドベースの架橋剤及びトルエンベースの触媒などの、被膜を形成するために使用される化学剤は、その毒性により、廃棄物処理問題が起こることがある。
【0006】
このように、望ましい表面特徴を付与し、更に物品表面からの被膜の剥がれ又は層剥離を避けるために、適当な表面被膜を持つエラストマー性物品の存在が、現在必要である。更に、ホルムアルデヒドベースの架橋剤の存在による廃棄物処理問題をもたらさない、エラストマー性物品の存在が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、エラストマー性物品及びエラストマー性物品の製造方法に向けられている。1つの実施形態において、エラストマー性物品は、エラストマー性手袋とすることができる。
【0008】
本発明のエラストマー性物品は、適当なエラストマー性ポリマーのベース層及びベース層の表面上のポリマー性膜を含む。本発明のポリマー性膜は、ポリアミドエピクロロヒドリン架橋剤と架橋結合されたものである。1つの実施形態において、ポリマー性膜を形成するポリマーは、架橋結合されたポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、又はポリサッカリドを含むことができる。
【0009】
本発明の方法は、1つの実施形態において、フォーマーがエラストマー性材料と接触して、該フォーマーの形状に応じた主体マトリックスを形成することを含む。エラストマー性物品の主体マトリックスが形成された後、フォーマーは、主体マトリックスにポリマー性膜を形成するためのポリマーを含む溶液と接触する。余分な湿分が除去された後、被膜を形成するポリマーは、ポリアミドエピクロロヒドリン架橋剤と架橋結合されることができる。架橋剤は、ポリマー、エラストマー性材料を含む溶液内に、或いは望ましくは別個の接触溶液内に存在することができる。
【0010】
その最良の形態を含む、本発明の十分で実施可能な開示が、当業者向けのものとして明細書の残り部分に、添付図面を参照して特定的に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、例示的実施形態のみの説明であり、本発明の広い態様を制限するものではなく、この広い態様が、例示された構成とう形で実現されているものであることを当業者は理解すべきである。更に、本明細書の残りの部分において述べられているエラストマー性物品は、一般的に手袋として述べられているが、本発明は他のエラストマー性物品にも同様に適用することができ、手袋に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0012】
本発明は、一般的に、エラストマー性物品の表面に施された、架橋結合された被膜に向けられている。1つの実施形態において、ポリマー被膜は、手袋の表面に接触する皮膚上にドーニング層として形成することができる。ポリマー被膜は、剥離用被膜又は把持層として、手袋の主体マトリックスを形成する前に、フォーマー上に直接形成することができる。本発明のポリマー性膜を形成するために使用することができるポリマーは、例えば、水酸基又はアミン基へのエステル結合、カルボキシル酸基、エーテル結合又は同様のものの様な負荷電された官能基又は結合を含む。ポリマーの負荷電された成分は、ポリマーと陽イオン架橋剤との間に、反応のための反応領域を提供する。例えば、ポリマーは、陽イオンポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)架橋剤と架橋結合することができる。
【0013】
陽イオン架橋剤は、本発明の手袋に多くの利益をもたらすことができる。例えば、ある実施形態において、架橋結合されたポリマー性膜を形成するためにポリマーと反応することに加えて、陽イオン架橋剤は、手袋の主体マトリックスを形成するエラストマー性材料の負電荷された成分と反応することができる。例えば、天然ゴムラテックス手袋が形成する場合には、PAE架橋剤のような陽イオン架橋剤が、エラストマー性材料の負荷電された成分と反応し、同時に被膜ポリマー鎖を読み取り、手袋表面上のポリマー性膜とエラストマー性ポリマーとの間に架橋結合を形成することができる。この結果、手袋のポリマー性被膜と主体マトリックスの間に、しっかりとした取り付けが形成される。更に、幾つかの実施形態において、PAE架橋剤は、ゴムを硬化、すなわち加硫するために手袋の主体マトリックスを形成するエラストマー性ポリマーと架橋結合するように使用することができる。
【0014】
更に、PAEのような陽イオン架橋剤は、過去に、ホルムアルデヒドベースの架橋剤が使用され、引き起こした廃棄物処理問題ももたらさないであろう。廃棄物流へのホルムアルデヒドの付加は、ホルムアルデヒドベースによる地下水汚染のような汚染を増加させるもので、可能な限り避けねばならない。
【0015】
あらゆるエラストマー性物品を、本発明によって処理することができる。例えば、本発明の手袋は、天然又は合成ラテックス、或いは溶解性エラストマー性ポリマーで達成することが望ましい。例えば、本発明の手袋は、天然ゴム、ニトリルゴム、ポリウレタン、複合ジエンのホモポリマー、少なくとも2つの複合ジエンのコポリマー、少なくとも1つの複合ジエンと少なくとも1つのビニルモノマーのコポリマー、又はこれらの他の適当な組み合わせで形成することができる。例えば、手袋は、当技術で知られているような、ポリ塩化ビニル手袋とすることができる。更に、ポリマー又はコポリマーの組み合わせは、物品の単一層内に、又は多層物品におけるもののような別個の層内に存在させることができる。
【0016】
一般的に、本発明のエラストマー性物品は、どんな適当な方法によっても形成することができる。例えば、エラストマー性手袋は、最終物品の形状のフォーマーを使用する一連の浸漬法によって形成することができる。図1は、本発明の手袋を形成するために使用できる、一連の手袋の型すなわちフォーマー52を示している。図1に示されるフォーマー52は、バッチ法作業において通常使用されるようなパレット上に示されているが、本発明の方法は、連続作業においても同様に利用できることを理解すべきである。フォーマー52は、一般的に、一連の被膜を施され、更に形成された物品を除去することができる、テクスチャー加工された又は滑らかな表面を持つ型の形状とすることができる。フォーマー52に適した使用され得る材料は、あらゆる適当な表面材料も含むことができる。例えば、フォーマー52の表面は、セラミック、陶器、ガラス、金属、又はフルオロカーボンで形成することができる。
【0017】
もし望まれるならば、フォーマーは、フォーマー上で手袋を形成する前に洗浄することができる。洗浄工程は、一般的に、水による予洗洗浄に続く酸洗浄を含むことができる。酸洗浄の後、フォーマーは水で洗浄され、最後の水洗浄の前に加熱された苛性溶液に浸漬させることができる。洗浄工程の後、一連の浸漬及び乾燥段階を経て手袋がフォーマー上に形成される。
【0018】
図2は、フォーマー52上に形成された手袋50の1つの可能な実施形態を表している。1つの実施形態において、手袋50は、フォーマー52の一連の浸漬又は浸漬を通して形成することができる。例えば、フォーマー剥離用被膜は、エラストマー性物品の主体の形成の前にフォーマー上に形成することができる。フォーマー剥離用被膜は、フォーマーと手袋の間の過度の接着を防ぐことができ、手袋の取り外し能力を改善するものである。1つの実施形態において、ポリマー性フォーマー剥離用被膜は、フォーマー上に他の被膜を形成する前に、本発明による工程によって形成することになる。フォーマー剥離用被膜は、例えば凝固組成物のような他の添加物を含む場合もある。
【0019】
1つの実施形態において、洗浄し更にフォーマー剥離用被膜形成の後、望まれる場合には、フォーマー52は、フォーマー上の手袋の主体すなわち主体マトリックスの形成の前に、凝固組成物内に浸漬させることができる。この開示の目的のために、手袋の主体マトリックスは、手袋の主体と定義され、1つ又はそれより多いエラストマー性材料の層を含む。凝固剤は、手袋の主体マトリックスを形成するベースラテックスポリマーを凝固させるものである。本発明に使用することができる凝固剤は、フォーマーから手袋を取り外し易くするために粉末剤を含むことができるか、或いは望まれるならば、無粉末凝固組成物を含むこともできる。1つの実施形態において、水溶性カルシウム塩、亜鉛、アルミニウム、及び同様のものを含む無粉末凝固組成物が使用されることができる。例えば、1つの実施形態において、水またはアルコールにおけるカルシウム硝酸塩を、凝固組成物内に使用することができる。このような実施形態において、カルシウム硝酸塩は、約40重量%までの量で溶液に存在することができる。凝固組成物は、界面活性剤のような添加物も又、含むことができる。
【0020】
凝固組成物に浸漬された後、フォーマーは回収され、フォーマーの表面上に存在する凝固剤が乾燥される。多くの用途に対して、凝固剤は、約1分から約2分の間空気乾燥されることになる。乾燥されると、凝固剤の残留被膜がフォーマー上に残される。
【0021】
望まれるならば、凝固組成物は、ある種の添加物を含むことができる。例えば、凝固組成物は、手袋表面の触感又は他の特徴を改善することができる、様々な添加物を含むことができる。
【0022】
1つの実施形態において、凝固剤浸漬の後、フォーマーは、望ましいエラストマー性ポリマーのラテックス乳濁液に浸漬又は浸漬させることができる。ラテックスは、本発明の目的のために、エラストマー性ポリマーが水で懸濁されたコロイドとして定義される。
【0023】
一般的に、本発明のラテックス乳濁液は、約50%より少ない乾燥ゴム成分(DRC)、又は代替的に、約50%より少ない総固形物成分(TSC)を持つことができる。1つの実施形態において、ラテックス乳濁液は、約25%より少ないDRC又はTSC含有量を持つことができる。ラテックス乳濁液は又、pH調整剤、安定剤、及び当業者に一般的に知られている同様のものなどの、様々な添加物を含むことができる。
【0024】
ラテックスが凝固組成物と接触すると、凝固剤は、幾つかのラテックスを局所的に不安定にさせ、フォーマー表面上に凝固させることになる。凝固組成物内のどんな添加物も、それがどんなものであっても、フォーマーとラテックスフィルムの間に、例えばフォーマー除去層のような層を形成することができるか、又は代替的にラテックスフィルムに組み込まれ、実質的に浸漬工程の間に除去されるようにすることができる。所望の時間が経過した後に、フォーマーはラテックス乳濁液から回収され、凝固層はフォーマー上に十分に癒着した状態となる。
【0025】
フォーマーが乳濁液に浸漬される時間(一般的に「滞留時間」と言われている)が、フィルムの厚さを決定する。フォーマーがラテックス内に滞留する時間が増加すると、フィルムの厚さが増加する。手袋本体を形成するフィルムの全体の厚さは、例えばラテックス乳濁液の固形物成分、及びラテックス乳濁液の添加物含有量、及び/又は凝固剤組成物などを含む他のパラメーターに依存するものである。
【0026】
フォーマーは、ラテックス乳濁液に浸漬された後、次いで加熱され、ポリマーが硬化される。
【0027】
本発明のエラストマー性物品は、凝固されたラテックス乳濁液から達成する必要はない。例えば、1つの実施形態において、本発明のエラストマー性物品は、ポリマーを適当な溶媒に溶解し、次いで乾燥させ、溶媒が溶液から蒸発するにしたがって、望ましい形状がフォーマー上に形成されるようにすることができる。例えば、当業者に一般的に知られているように、1つ又はそれより多い不飽和ブロックコポリマーは、トルエンのような溶媒に溶解し、次いで望ましいエラストマー性物品の形状でフォーマー上で乾燥させることができる。1つの実施形態において、スチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)ブロックコポリマー、スチレン−ポリブタジエンブロックコポリマー(S−B)、スチレン−ポリブタジエン−スチレン(S−B−S)ブロックコポリマー、及びこれらの混合物が手袋の主体マトリックスを形成することができる。1つの実施形態において、手袋の主体マトリックスは、スチレン−エチレンブチレン−スチレン(S−EB−S)ブロックコポリマーを含むことができる。
【0028】
当業者に一般的に知られている様々な処理技術が、本工程に組み入れられる。例えば、エラストマー性層は、エラストマー性ゴムフィルムを強化するために熱でゲル化させることができる。エラストマー性層は、温水流に浸漬することが望ましい。浸漬法は、層から様々な望ましくない構成要素を抽出することができる。これは、層をフォーマー上で幾分か収縮させ、不純物を除去させることになる。本発明の1つの実施形態において、手袋の主体マトリックスが多層を含むように、エラストマーベース層上に付加層を形成することができる。このような方法は、一般的に、重ね浸漬法と呼ばれる。1つの実施形態において、重ね浸漬法は、ベース層被膜を含むフォーマーを、乳濁液又は望ましいポリマーの溶液に浸漬することにより達成することができる。主体マトリックスの付加層は、例えば、手袋のある特徴を高めることができる。1つの実施形態において、手袋の主体マトリックスは、S−EB−Sブロックコポリマー層及び、例えば、S−I−Sブロックコポリマー、S−Bブロックコポリマー、及び/又はS−B−Sブロックコポリマーを含む、1つ又はそれより多い他のブロックコポリマーの重ね浸漬層を含むことができる。
【0029】
本発明によると、手袋の主体マトリックスの1つ又は両方の表面は、少なくとも部分的に架橋結合されたポリマー層で被膜することができる。これは一般的に、フォーマーを、主体マトリックスの形成前及び/又は後に、乳濁液又は望ましいポリマーの溶液に浸漬させることにより達成することができる。ポリマー被膜により、1つの実施形態においては、例えば、完成した手袋の皮膚接触表面上に着用性改善被膜を形成することができる。
【0030】
1つの実施形態において、着用性改善被膜を形成するために、フォーマー上の形成された主体マトリックスの外側表面は、ポリマー組成物で被膜することができる。望むならば、フォーマーをポリマー組成物内に浸漬する前に、形成された主体マトリックスの表面は、水洗浄の前の希釈された酸洗浄又は水性アルカリ洗浄などで、プライマ処理されることができる。代替的実施形態において、本発明のポリマー被膜は、手袋の主体マトリックスの形成前に、フォーマー上に形成することができる。
【0031】
本発明のポリマー被膜は、1つの実施形態において、負荷電された成分を含むポリマー又はコポリマーを含む。これらの成分は、望ましい陽イオン架橋剤との反応性を与えることができる。例えば、水酸基又はアミン基のような負荷電された末端基への側鎖エステル結合、又は末端カルボキシル基及び同様のものを含むポリマー及びコポリマーが使用される。1つの実施形態において、本発明のポリマー被膜は、ヒドロゲルポリマーを含むことができる。別の実施形態において、ポリマーは、側鎖基上に望ましい負荷電反応性を与えることができるビニル付加ポリマーとすることができる。更に別の実施形態において、反応性サイトは、ポリマー主鎖上とすることができる。
【0032】
例示的目的のみとして、本発明のポリマー性被膜を形成するのに利用することができる、可能なポリマーの非限定的リストには、澱粉及びカルボキシメチセルロースのようなセルロースを含む多糖類;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸のようなポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、エチルヘキシルアクリル酸塩、ヒドロキシエチルメタクリル酸塩(HEMA)、及び同様のもの;又はポリシロキサンを含むことができる。
【0033】
望ましい場合には、本発明のポリマー性被膜はコポリマーを含むことができる。例えば、HEMAは、本発明の被膜を形成するために、エチルヘキシルアクリル酸塩又はメタクリル酸のような他のポリマーと共重合化することができる。他のコポリマーは、例えば、シリコン、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、澱粉、ポリサッカリド、アクリルアミド及び同様のものを含んで形成することができる。
【0034】
概して、1つの実施形態において、フォーマーは、望ましいポリマーを含む溶液に漬けられ又は浸漬され、続いてフォーマー上に手袋の主体マトリックスを形成することができる。フォーマーは、浸漬の後、手袋の主体マトリックスを形成するエラストマー性ポリマーを硬化する前に、ポリマー溶液と接触させることができる。他の実施形態においては、主体マトリックスは、本発明のポリマー被膜材料を付与する前に、最初に硬化されることができる。他の実施形態において、上述したように、ポリマー被膜は、手袋の主体マトリックスの形成前に形成することができる。
【0035】
本発明によると、手袋の表面にポリマー性被膜を形成する材料は、陽イオン架橋剤と架橋結合される。1つの実施形態において、架橋剤は、ポリアミドエピクロロヒドリン架橋剤とすることができる。特定の利点の一つとして、PAE架橋剤はホルムアルデヒドベースではないことが挙げられる。例えば、デラウエア州、ウイルミントンのHercules CorporationによるKymene(登録商標)ラベルで販売されているようなPAE架橋剤は、陽イオン架橋剤として適当である。1つの実施形態において、Kymene(登録商標)557LXが、架橋剤として使用される。
【0036】
1つの実施形態において、フォーマーは、望ましいポリマー材料及びポリマー被膜の形成における架橋剤のどちらも含む、単一溶液に浸漬又は浸漬されることができる。例えば、フォーマーは、HEMAポリマー及びPAE架橋剤の両方を含む溶液に浸漬させることができる。PAE架橋剤は、溶液の約1重量%より少ない量で、ポリマー溶液に加えることができる。1つの実施形態において、PAE架橋剤は、溶液の約0.5重量%より少ない量で溶液に加えられることができる。
【0037】
ある実施形態においては、PAE架橋剤は、ポリマー含有溶液に付加される前に希釈されてもよい。ポリアクリル酸のポリマー含有溶液は、希釈されていないPAE架橋剤と混合されると、ショックを受けることが分かっている。これは、酸を溶液から析出させることになり、これによりポリマー被膜の形成を阻止することになる。これは、約pH2から約pH11の広い範囲のpH溶液で起こり得る。しかしながら、溶液がポリアクリル酸のナトリウム塩から形成される場合、PAE架橋剤が析出することなく、希釈されない状態で溶液に加えられることになる。
【0038】
他の実施形態においては、手袋は、ポリマー材料及び架橋剤の両方を含む複合溶液と接触させるにではなく、別個の工程で架橋剤と接触させることができる。例えば、1つの実施形態において、フォーマー上に手袋の主体マトリックスを形成した後に、フォーマーを、ポリマー溶液と接触する前に架橋剤を含む溶液に接触させることができる。代替的に、フォーマーは、架橋剤溶液と接触する前にポリマー溶液に接触させることができる。
【0039】
別の実施形態において、架橋剤は、手袋の主体マトリックスを形成するために使用されるエラストマー性材料を含む溶液又は乳濁液に加えることができる。例えば、架橋剤は、ベース層溶液及び/又は重ね浸漬溶液に含ませることができる。このような実施形態においては、層材料及び溶質の特性に応じて、手袋の表面上においてポリマー性被膜を架橋結合させることに加えて、架橋剤は又、手袋の主体マトリックス又は主体マトリックスの単一層を形成するエラストマー性ポリマーを架橋結合させることができる。例えば、フォーマー上に癒着された天然又は合成ゴムラテックスは、ラテックス乳濁液に含まれるPAE架橋剤によって架橋結合されることができる。
【0040】
架橋剤は、本発明のポリマー性膜を形成するために、末端基におけるように共有結合を通してポリマー鎖と架橋結合することができる。代替的に、鎖はイオン結合を通して架橋結合されることができ、ポリマー上の負荷電された結合において起こることができる。一般的に、陽イオン架橋剤は、ポリマー上の負荷電された成分に引きつけられ、反応することができる。加えて、陽イオン架橋剤は又、主体マトリックスにおいてエラストマー性ポリマーと反応することができる。例えば、主体マトリックスは、天然ゴムラテックスの単一層から形成することができる。この実施形態において、手袋の主体マトリックスを形成するポリイソプレンは、架橋剤と反応することができる負荷電された反応基を含むことができる。手袋の形成に有益な他のゴム材料は、陽イオン架橋剤と反応することもできる負荷電された反応基を含むこともできる。例えば、主体マトリックスのベース層又は上層の浸漬層を形成することができる、ある種のブロックコポリマーは、例えば、陽イオン架橋剤と反応することもできる。
【0041】
このような実施形態において、手袋の表面上にポリマー性膜を形成するポリマーを架橋結合することに加えて、架橋剤は又、主体マトリックス材料と架橋結合することができ、更に手袋における隣接層間の取り付け点を形成することができる。例えば、1つの実施形態において、本発明のポリマー膜は着用性改善被膜とすることができ、更に架橋剤は、本発明のポリマー膜の剥がれ及び層剥離を防ぐために、着用性改善被膜と主体マトリックスの間に架橋結合を形成することができる。
【0042】
架橋剤が本発明の被膜を形成するポリマーと反応するだけでなく、主体マトリックスを形成するポリマーと反応するという実施形態においては、ポリマー被膜の親水性特性は、種々異なる工程条件によって制御することができる。例えば、硬化されたポリマー被膜の中に反応しないままで存在する多くの親水性反応基は、手袋の触感特性に影響を与えることができるが、これは工程に付加された架橋剤の量にだけでなく、工程に架橋剤が付加される手法によって達成することができる。例えば、ある実施形態において、架橋剤は、主体マトリックスを形成するエラストマーを含む溶液又は乳濁液の成分とすることができる。この実施形態において、架橋剤は、架橋剤がエラストマー性ポリマーに近接した状態にあるために、主として主体マトリックスを形成するポリマーと、次に被膜層のポリマーと反応する。この結果、架橋剤は、主として手袋の主体マトリックスに含まれることになる。このように、この特定の実施形態において、硬化されたポリマー被膜は、多量の反応されていない親水性サイトを含むことになり、したがって、架橋剤が、主体マトリックスと接触する前にポリマー被膜材料と溶液内で結合されることだけが異なる、同様の実施形態における場合より大きな親水性特性を示すことになる。
【0043】
反対に、架橋剤が被膜溶液又は乳濁液内に含まれる場合には、該架橋剤は、主として手袋のポリマー性膜に含まれるようにすることができ、硬化工程の間、主体マトリックスポリマーよりも、被膜ポリマーに対して、近接した状態になる。この結果、反応していない親水性基が硬化されたポリマー被膜内に残存することはほとんどなくなり、親水性の低いポリマー性膜が形成される。別の実施形態において、架橋剤は、初期の手袋と接触する1つより多い浸漬被膜溶液に含ませることができる。
【0044】
更に、PAE架橋剤と水の間の反応により、層の湿分含有量も又、架橋工程の効率に影響することがある。PAEは、水が存在すると加水分解する傾向にある。このように、1つの実施形態において架橋結合される層の湿分含有量は比較的低く、例えば約6重量%より低いものとすることができる。1つの実施形態において、硬化されていない層の湿分含有量は、PAE架橋剤と架橋結合するために、約3重量%より少ないものとすることができる。別の実施形態において、層の湿分含有量は、約1重量%より少ないものとすることができる。1つの実施形態において、層は約0.6重量%の湿分含有量を持ち、PAE架橋剤と架橋結合させることができる。このように、架橋結合する前に、硬化されていないポリマー材料が付着されたフォーマーは、実質的に架橋結合が起こる温度、例えば約100℃より低い温度で乾燥され、架橋結合前に層内の湿分が減少させられることになる。
【0045】
1つの実施形態において、架橋結合される層が比較的高い湿分含有量(例えば約6%より多い)を持つ場合には、幾つかの架橋剤は水と反応し、ポリマーを架橋結合することができる架橋剤を少ししか残さないので、硬化される時、より多くの親水性被膜を残すこととなる。反対に、低い湿分条件の時、ポリマーとの反応に有効な架橋剤が多く存在することができ、手袋表面上に形成されるポリマー被膜は、架橋結合の程度が高くなり、高い疎水性を示すものとなる。
【0046】
多くの用途にとって、手袋のポリマー性膜は、手袋の望ましい着用特徴を得るために、ある程度の親水性機能を保持するべきである。しかしながら、ポリマー被膜の過度の吸収性は、手袋の適合性に影響を与えるか、又は、ポリマー被膜を手袋の主体マトリックスから層剥離させる程度にまで層を膨潤させることとなり、これは避けるべきである。
【0047】
図3は、本発明により形成された物品の一実施形態の一部についての横断面図である。この特定の実施形態において、手袋の主体マトリックス30は、単一層主体マトリックスである。ポリマー性膜32は、本発明により主体マトリックスの表面に施され、更に架橋結合される。主体マトリックス34の表面上に架橋結合されたポリマー被膜32は、手袋の着用特徴を改善することができる着用性改善被膜、すなわち、フォーマー剥離用被膜とすることができ、主体マトリックスとフォーマーとの間の過度の粘着性を避けるものとなる。1つの実施形態において、本発明の手袋は、ここに示された工程によって、手袋の両方の表面上に形成されたポリマー性膜を含むことができる。
【0048】
本発明の手袋を形成するために使用される架橋剤の量は、処理条件及び望まれる手袋の特性に応じて、広く種々異ならせることができる。例えば、付加される架橋剤の量は、架橋剤がポリマー被膜だけでなく主体マトリックスも架橋結合するかどうか、架橋剤が被膜と主体マトリックスの間に架橋結合を形成するかどうか、架橋剤が別個の浸漬溶液内に付加されるか、或いは被膜ポリマー又はエラストマーポリマーと組み合わせて付加されるかどうか、更には、他の可能性の一つとして、手袋表面上に保持される親水性機能の望ましい程度に応じて定まるものである。一般的に、工程において使用される被膜ポリマーの架橋剤に対する重量比は、約100:1と約1:10の間とすることができる。例えば、PAE架橋剤は、約1重量%と約500重量%の間のポリマー量を使用することができる。1つの実施形態において、PAE架橋剤は、約5重量%と約50重量%の間のポリマー量を工程に付加させることができる。1つの実施形態において、ポリマー及びPAE架橋剤は、約1対1の比率で存在することができる。
【0049】
ポリマー被膜の硬化時間及び硬化の程度は、反応構成要素の濃度、pH、及びシステムの温度を含む多くの要因に依存することができる。一般的に、架橋結合は、基本的に中性状態の時に起こる。例えば、反応構成要素を含む乳濁液及び/又は溶液は、架橋結合が起きるためには、およそ約pH7と約pH11の間とすることができる。1つの実施形態において、組成物は、架橋結合が起きるためには、約pH9と約pH11の間とすることができる。ある実施形態において、乳濁液及び/又は溶液のpHを調節するために、フォーマー上で架橋結合する前に、pH調整剤を反応構成要素に加えることができる。
【0050】
1つの実施形態において、ポリマーは、約100℃と約150℃の間の温度で硬化させることができる。1つの実施形態において、ポリマーは、硬化させるのと同時に手袋主体を形成するゴムを加硫させることができる。一般的に、ラテックスは、ポリマー鎖を架橋結合させるために、加硫剤で高温反応により加硫させることができる。上述したように、ある実施形態において、本発明の架橋剤は、外部ポリマー被膜を硬化するように機能するだけでなく、加硫剤としても機能することができる。他の実施形態において、ゴムは硫黄のような標準的な加硫剤によって加硫することができ、一方で本発明の架橋剤は、外部被膜と架橋結合し、更に外部被膜と手袋の主体マトリックスの間に架橋結合を形成することができる。ある実施形態においては、手袋のエラストマー性主体マトリックスを形成するのに、加硫処理は必要ないことを当業者は認識するであろう。
【0051】
ラテックスを加硫し、及び/又はポリマー被膜を硬化することに加え、高温処理は、フォーマー上に残っている揮発性成分と残存する水も含めて、蒸発を生じさせることになる。したがって、高温処理は、手袋内にわずかな縮みを引き起こすこととなる。一般的に、本発明の工程により形成された手袋壁の厚さは、約3ミリから約15ミリとすることができる。幾つかの実施形態において、手袋壁の厚さは、約3ミリから約5.5ミリとすることができる。
【0052】
ポリマー被膜が硬化され、主体マトリックスを形成するゴムが加硫された(必要ならば)後、当業者に知られているような他の処理を実行することができる。例えば、取り外した後、手袋の把持表面は、把持特徴を改善するために処理することができる。
【0053】
本発明のポリマー被膜の硬化に続く手袋の1回又はそれ以上の水洗浄は、手袋表面上に残る望ましくない化合物を除去することになる。1つの実施形態において、手袋は、手袋に生体負担が残るのを確実に制限するために、軟水洗浄を行い、続いて消イオン水洗浄を行うことによって洗浄することができる。
【0054】
洗浄後、湿り状態着用性を保証するために、潤滑剤を手袋に施すことができる。例えば、シリコンが手袋の着用側に施される。このようなシリコンの1つに、General Electric Corporationから入手可能な、SM2140、ポリジメチルシロキサン乳濁液かある。他の適当な界面活性潤滑剤の例示として、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物、及びN−セチルピリジウム塩化物のような陽イオン界面活性剤を含む。他の適当な潤滑剤に、様々な脂肪アミン潤滑剤を含むことができる。
【0055】
あらゆる望ましい処理の後、手袋は包装される前に乾燥させることができる。例えば、手袋は最初に、50℃から60℃で約30分から約60分の間乾燥させることができ、その後約70℃から80℃で約60分間乾燥させることができる。
【0056】
本発明は、本発明を限定するものではなく、本発明の説明として提供される以下の実施例を参照することにより、より良く理解できるであろう。事実、様々な修正及び変更が、本発明の範囲又は思想から外れることなく達成できることが当業者にとって明らかであろう。
【実施例1】
【0057】
250グラムの高温生水及び5グラムのMethocel A4M(Dow Chemical Companyから入手可能なメチルセルロースポリマー)を混合した分散液が準備された。Methocelが溶解するように、溶液は混合しながら冷却された。
【0058】
2.1グラムの100%Kymene557LX(Hercules corporationから入手可能なPAE架橋剤)が、100グラムのMethocel溶液に加えられた。この溶液のpHは、ポタシウム水酸化物溶液により9.0に調整された。
【0059】
溶液のフィルムがキャスト成形され、120℃で2時間乾燥/硬化された。
【0060】
形成されたフィルムは、温水又は冷水のいずれにも溶解しなかった。不溶性フィルムは、97.4%までの水を含むように計測された。
【0061】
比較目的のために、上記のものと類似しているが、PAE架橋剤が含まれない混合物が準備された。形成されたフィルムは、水と接触した時に溶解した。
【実施例2】
【0062】
90グラムの水と10グラムのポリアクリル酸、ナトリウム塩(Polymer Scienceから入手可能なカタログ番号06567)を含む100グラムのポリマー溶液が準備された。Kymene557LX100%が溶液に加えられ、フィルムを形成するためにpHが以下のように調整された。

【0063】
フィルム1−5は、次いでキャスト成形され、およそ10分間加熱ガンで乾燥/硬化された。フィルム1、2、及び3は、水と接触した時に溶解しなかった。フィルム4及び5は、水と接触した時溶解した。
【0064】
このように、PAE架橋剤のような陽イオン架橋剤は、手袋のようなエラストマー性物品の着用層に施される、親水性、不溶性フィルムを形成するために、ポリマー性フィルムを架橋結合するために使用されることができる。
【0065】
本発明のこれらの及び他の修正及び変更は、添付の特許請求の範囲により特定的に述べられている本発明の精神及び範囲から外れることなく、当業者によって達成できるものである。更に当業者は、前の説明は例示によってのみであり、添付の特許請求の範囲において更に述べられた発明を制限するものではないことを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態において使用することができる手袋形状のフォーマーの図である。
【図2】本発明による手袋の正面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるエラストマー性物品の拡大横断面図である。
【符号の説明】
【0067】
30 主体マトリックス
32 ポリマー性膜
56 フォーマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー性物品であって、
エラストマー性ポリマーを含む主体マトリックスと、
前記主体マトリックスの表面上のポリマー性膜とを含み、前記ポリマー性膜は、ポリアミンエピクロロヒドリン架橋剤で架橋結合された被膜ポリマーを含むことを特徴とする物品。
【請求項2】
前記被膜ポリマーは、ヒドロゲルポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項3】
前記被膜ポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリル酸塩を含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項4】
前記被膜ポリマーは、ポリアクリル酸塩を含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項5】
前記被膜ポリマーは、ポリサッカリドを含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項6】
前記被膜ポリマーは、カルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする請求項5に記載のエラストマー性物品。
【請求項7】
前記被膜ポリマーは、ポリアクリルアミドを含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項8】
前記主体マトリックスは、ニトリルゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項9】
前記主体マトリックスは、天然ゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項10】
前記主体マトリックスは、ポリビニル塩化物を含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項11】
前記主体マトリックスは、ブロックコポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項12】
前記ブロックコポリマーは、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロックコポリマーを含むことを特徴とする請求項11に記載のエラストマー性物品。
【請求項13】
前記主体マトリックスは、1つより多い層を含むことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項14】
前記ポリアミンエピクロロヒドリン架橋剤は、前記主体マトリックスの層の間に架橋結合を形成することを特徴とする請求項13に記載のエラストマー性物品。
【請求項15】
前記ポリアミンエピクロロヒドリン架橋剤は、前記ポリマー性膜と前記主体マトリックスの間に架橋結合を形成することを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項16】
前記ポリアミンエピクロロヒドリン架橋剤は、エラストマー性ポリマーを架橋結合することを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項17】
前記エラストマー性物品は、手袋であること特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項18】
前記ポリマー性膜は、着用性改善被膜であることを特徴とする請求項17に記載のエラストマー性物品。
【請求項19】
前記ポリマー性膜は、フォーマー除去被膜であることを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項20】
更に、潤滑剤が架橋結合したポリマー被膜に施されることを特徴とする請求項1に記載のエラストマー性物品。
【請求項21】
前記潤滑剤は、シリコン潤滑剤、界面活性潤滑剤、及び脂肪アミン潤滑剤から成るグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載のエラストマー性物品。
【請求項22】
エラストマー性手袋であって、
エラストマー性ポリマーを含む主体マトリックスと、
前記主体マトリックスの表面上のポリマー被膜と、
を含み、
前記ポリマー性膜は、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、及びポリサッカリドから成るグループから選択される被膜ポリマーを含み、
前記被膜ポリマーは、ポリアミンエピクロロヒドリン架橋剤と架橋結合されたものであることを特徴とする手袋。
【請求項23】
前記被膜ポリマーは、ヒドロゲルポリマーを含むことを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項24】
前記被膜ポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリル酸塩を含むことを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項25】
前記ポリマー性膜は、カルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項26】
前記ポリマー性膜ポリマーは、コポリマーであることを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項27】
前記主体マトリックスは、天然又は合成ラテックスから達成することを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項28】
前記主体マトリックスは、ブロックコポリマーを含むことを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項29】
前記ブロックコポリマーは、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロックコポリマーを含むことを特徴とする請求項28に記載のエラストマー性手袋。
【請求項30】
前記主体マトリックスは、1つより多い層を含むことを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項31】
前記ポリアミンエピクロロヒドリン架橋剤は、前記ポリマー性膜と前記主体マトリックスの間に架橋結合を形成することを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項32】
前記主体マトリックスは、ポリアミンエピクロロヒドリン架橋剤と架橋結合したエラストマー性ポリマーを含むことを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項33】
前記ポリマー性膜は、着用性改善被膜であることを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項34】
前記架橋剤は、最初に主体マトリックスの中に含まれることを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項35】
前記架橋剤は、最初にポリマー性膜の中に含まれることを特徴とする請求項22に記載のエラストマー性手袋。
【請求項36】
エラストマー性物品を形成するための方法であって、
フォーマー上に1つ又はそれより多いエラストマー性材料の層を含む主体マトリックスを形成し、
被膜ポリマーを含む溶液に前記フォーマーを接触させて前記フォーマー上に被膜ポリマーの層が残されるようにし、
前記フォーマー上の前記被膜ポリマーの層が約6%より小さい湿分含有量を持つように、該被膜ポリマーの層から余分な湿分を除去し、
前記被膜ポリマーを、ポリアミドエピクロロヒドリン架橋剤と架橋結合させ、
前記エラストマー性材料を硬化することを特徴とする方法。
【請求項37】
前記溶液は更に、架橋剤を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記溶液は更に、約100重量%より小さい量の前記被膜ポリマーで架橋結合剤を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記溶液は更に、約50重量%より小さい量の前記被膜ポリマーで架橋結合することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記被膜ポリマーは、ヒドロキシエチルメタアクリル酸塩から成ることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記架橋剤及び前記被膜ポリマーは、約1:100から約10:1の比率の重量であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記架橋剤及び前記被膜ポリマーは、約1:1の比率の重量であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記被膜ポリマーは、約100℃から約150℃の間の温度で架橋結合されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記被膜ポリマーは架橋結合され、更に前記エラストマー性材料が同時に硬化されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項45】
更に、前記被膜ポリマーと前記エラストマー性材料の間で、架橋剤で架橋結合を形成することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項46】
更に、潤滑剤を前記ポリマー性膜に施すことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記潤滑剤は、シリコン潤滑剤、界面活性潤滑剤、又は脂肪アミン潤滑剤から成るグループから選択されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記エラストマー性物品は、手袋であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記フォーマーは、フォーマー上に前記主体マトリックスを形成する前に前記被膜ポリマー溶液と接触することを特徴とする請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−509858(P2006−509858A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559048(P2004−559048)
【出願日】平成15年8月22日(2003.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/026340
【国際公開番号】WO2004/052422
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】