説明

被覆体の除去装置

【課題】 小型にして少人数で稼働させることができる被覆体の除去装置を提供すること。
【解決手段】 複数の被処理物15が独立して筐体から引き出すことができるようにして併設され、その上部にノズルヘッド41が対峙した状態で配置される。前記ノズルヘッド41の搬送手段は、水平方向の互いに直交するX軸方向およびY軸方向にノズルヘッド41を搬送し、被処理物15ごとに、その全面をカバーするようにノズルヘッドからの高圧水の吐出領域を連続的に走査させる動作を実行する。したがって、一方の被処理物について前記した高圧水による被覆の剥離動作を実行している間に、他方の被処理物を交換する操作を、ノズルヘッドの移動走査にしたがって交互に繰り返すことにより、装置の稼働を停止させることなく連続的に被覆体の剥離動作を実行させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属製基板等の表面に塗装もしくはシート状の樹脂フィルムを被覆してなる例えば交通標識板などを対象とし、その基板表面に被覆された前記塗装もしくはシート状の樹脂フィルムを効率的に剥離して除去することができる被覆体の除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、前記した交通標識板においては、金属(アルミ)製の基板上に、再帰反射性シートを被覆し、夜間におけるヘッドライトの光を運転者に向けて効率よく反射させることで標識板の視認性を向上させたものが提案されている。また、特に降雪地帯などで使用される前記した交通標識板においては、氷雪が結着するのを防止させるために、シート状の樹脂フィルムを表面に被覆した構成のものも提案されている。
【0003】
ところで、表面に塗装もしくは前記したシート状の樹脂フィルムを被覆してなる交通標識板などにおいては、長期にわたる使用により紫外線の影響を受けて退色(色あせ)したり、粉塵等の付着による汚れが蓄積するために、交通の安全性を確保する上で問題が発生する。このために、前記した交通標識板は定期的に新しいものと交換する必要がある。
【0004】
この場合、交換した古い標識板をそのまま廃棄することは、資源の再利用の観点から好ましくはなく、標識板を構成する少なくともアルミ製の基板を再利用するリサイクルが図られることが望まれる。そこで、前記した交通標識板などのように、その表面に被覆されたシート状の樹脂フィルムを基板面から除去するために、高圧水を被覆体に向けて吐出させることで、表面の被覆体を基板面から物理的に剥離させる手段が、次に示す特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平6−246744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した特許文献1に開示された樹脂フィルムによる被覆体の除去装置においては、高圧水が吐出されるノズルを、いわば操作者が手に持って被処理対象物に対して吐出させることを想定しているものと考えることができる。すなわち、特許文献1に開示された前記装置は、単品の被処理物にノズルを向けて高圧水を吐出させることを念頭にし、被処理物の表面に施された被覆体を基板面から剥離させるには、どの程度の水圧が適当であるかについて考察しているにとどまるものである。
【0006】
そこで、本件出願人は高圧水が吐出される回転型のノズルヘッドを複数組備え、例えばベルトコンベア等の搬送手段により連続的に搬送される前記被処理物に高圧水を噴射することより、処理対象物より被覆体を効率的に除去することを可能にした被覆体の除去装置について、先に出願(特願2004−371657)をしている。
【0007】
これによると、処理対象物はベルトコンベア等の搬送手段により一方から他方に向かって連続的に搬送され、搬送される処理対象物に対して回転型の各ノズルヘッドより高圧水を噴射することで、効率よく処理対象物より被覆体を除去することができる。また、前記した回転型のノズルヘッドを、前記搬送手段の搬送方向に直交する方向に移動する移動手段に搭載した構成にすることにより、処理対象物の大きさに応じて被覆体の除去領域を柔軟に変更させることができるという技術的な効果を享受することもできる。
【0008】
ところで、先に出願した前記した被覆体の除去装置によると、稼働にあたっては処理対象物が載置されるベルトコンベア等の搬送手段の一方と他方に、それぞれ作業員を配置させる必要があり、また、ベルトコンベア等の搬送手段を用いるために、比較的広い設置面積が必要であるなどの解決すべき問題点が残されている。
【0009】
この発明は前記した問題点に着目してなされたものであり、装置の設置面積をより小さくすることを可能にするとともに、例えば1人の作業員によっても作業効率を落とさずに、連続的に稼働させることができる被覆体の除去装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる被覆体の除去装置は、基板面に塗装もしくは樹脂フィルムが被覆された被処理物より、前記塗装もしくは樹脂フィルムを剥離して除去する被覆体の除去装置であって、前記被処理物をそれぞれ保持して、前記被処理物を独立して筐体内に搬入もしくは引き出すことができるように構成された複数の被処理物保持プレートと、前記被処理物保持プレートに保持されて筐体内に搬入された被処理物に対峙するようにして前記筐体内に配置され、前記被処理物に対して高圧水を吐出させることで、前記被処理物における基板面より前記塗装もしくは樹脂フィルムを剥離して除去することができる機能を備えたノズルヘッドと、前記ノズルヘッドを搭載して水平方向の互いに直交するX軸方向およびY軸方向に前記ノズルヘッドを搬送するノズルヘッドの搬送手段とが具備され、前記ノズルヘッドの搬送手段は、前記1つの保持プレートに保持された被処理物の全面をカバーするようにノズルヘッドからの高圧水の吐出領域を連続的に走査させる動作を実行した後に、他の保持プレートに保持された被処理物の全面をカバーするようにノズルヘッドからの高圧水の吐出領域を連続的に走査させる動作を実行するように構成されている点に特徴を有する。
【0011】
この場合、好ましい実施の形態においては、前記ノズルヘッドには高圧水が供給される中空状の回転軸と、前記回転軸に連結されて当該回転軸の軸芯から外れた位置において前記高圧水を吐出させることができるノズルを備えた中空状の水平旋回軸とが備えられ、前記中空状の回転軸を回転中心にして前記水平旋回軸が回転駆動されるように構成される。
【0012】
加えて、前記ノズルヘッドにおける水平旋回軸には複数のノズルが形成され、前記各ノズルによる高圧水の吐出軌跡が同心円状になるように、前記回転軸の軸芯から互いに異なる位置に各ノズルが配置されていることが望ましい。
【0013】
一方、前記被処理物をそれぞれ保持する複数の被処理物保持プレートは、前記筐体の一つの面において、前記筐体内からそれぞれ独立して同一方向に引き出すことができるように構成されていることが望ましく、さらに前記各被処理物保持プレートが引き出し可能になされる前記筐体の一つの面には、筐体内に収容された前記被処理物を透視することが可能な透明板が配置されていることが望ましい。
【0014】
そして、好ましい実施の形態においては、前記ノズルヘッドの搬送手段は、前記保持プレートに保持された被処理物の配置領域において、前記ノズルヘッドを水平方向に蛇行動作させることで被処理物の全面わたって前記ノズルヘッドによる高圧水の吐出領域を走査するように構成される。
【発明の効果】
【0015】
前記した構成の被覆体の除去装置によると、それぞれの保持プレートに保持された被処理物の全面わたって前記ノズルヘッドを連続的に搬送走査させて高圧水の吐出動作を実行するように動作するので、この間にノズルヘッドが搬送走査されていない側の他の保持プレートを筐体より引き出して剥離処理された基板を取り出し、新たに処理する被処理物を装着することができる。この被処理物の交換動作をノズルヘッドの搬送走査に応じて、交互に繰り返すことにより、被覆体の除去動作を連続的に実行させることができる。
【0016】
したがって、前記した交換動作を繰り返すことにより、被覆体の除去動作の効率を上げることができ、また1人の作業員によって、前記作業を行うことも可能である。そして、左右に一対の被処理物の保持プレートを併設した構成の被覆体の除去装置においては、各被処理物の幅の2倍余の幅をもって、装置の外郭を構成することが可能であり、したがって装置の設置面積をより小さくさせることに寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明にかかる被覆体の除去装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1〜図3は装置の外郭を構成する筐体をそれぞれ正面、側面、および上面から見た状態で示している。筐体1を正面から見た状態の図1において、そのほぼ中央部には後で詳細に説明するノズルヘッドの搬送装置を搭載するフレーム2が、水平状態に配置されており、このフレーム2の中央部前面には、装置の操作スイッチボックス3が配置されている。
【0018】
前記フレーム2の上部には窓部4が構成されており、この窓部4には筐体内部に収容される後述する被処理物としての交通標識板等を透視することができる例えば合成樹脂による透明板(窓部と同一の符号4で示す)が配置されている。そして、前記透明板4の内面には、一対のワイパーブレード5が配置され、後述するノズルヘッドから飛散して透明板4の内面に付着する水滴を除去し、前記透明板4を通した内部の視認性が確保できるように構成されている。
【0019】
中央部に配置された前記フレーム2の若干下方には、左右一対の被処理物保持プレート7が、筐体1の正面から手前に向かってそれぞれ水平方向に引き出すことができるように装着されている。なお、図2および図3は、一方(向かって左側)の被処理物保持プレート7を引き出した状態を示しており、これは保持プレート7の手前に取り付けられた把手7aを利用することにより容易に引き出すことができる。
【0020】
そして図2および図3には、前記保持プレート7の上面に被処理物としての円形の交通標識板15を載置し保持させた状態が示されている。この標識板15は、その詳細は図には示していないが、基板の周縁が裏面に向かって折り曲げられ、その折り曲げ縁部が保持プレート7上に突出して配置された図3に破線で示す保持部材7cによって、3点で保持されるように構成されている。なお、前記保持プレート7の上面手前側には操作ノブ7bが配置されており、この操作ノブ7bを操作することにより、保持部材7cの一つが中央寄りに若干移動して標識板15の保持が解除できるように構成されている。
【0021】
一方、前記筐体1の天井部には、筐体1内に空気を取り込む換気扇8が取り付けられている。この換気扇8によって筐体1内に空気を取り込むことで、筐体1内の噴霧状態を緩和し、前記透明板4を介した筐体内部の視認性を確保することができる。なお、前記換気扇8によって筐体1内に取り込まれた空気は、筐体1内を巡回し、図3に示された筐体1の裏面側の天井部に形成された矩形状の開口部9より外部に放出されるようになされる。
【0022】
また、筐体1の天井部におけるほぼ中央部において、後述するノズルヘッドに高圧水を送る送水ホース、およびノズルヘッドを回転駆動させるエアーモータに圧搾空気を送るエアーホース(代表して符号10で示す)が導入されている。また、筐体1における前記保持プレート7の配置位置よりも下側には、ノズルヘッドから吐出される高圧水を一時的に貯留する貯留タンクが形成されており、その下底部には前記タンクに貯留された水の排水口11が形成されている。
【0023】
図4は、前記したフレーム2上に搭載されたノズルヘッドの搬送手段を示しており、この搬送手段の詳細な構成は図4の主要部を拡大して示した図5、および主にノズルヘッドの構成を示した図6にも示されている。図4に示すように前記フレーム2は、これを上面から見た状態で矩形状に形成されており、その長手方向における端部には後述するノズルヘッドをX軸方向に移動させる駆動モータ21が取り付けられている。
【0024】
この駆動モータ21は図5にも示されており、X軸方向に装着された図示せぬボールネジを回転駆動し、当該ボールネジの回転によりチャンネル部材22をX軸方向に搬送するように構成されている。なお前記チャンネル部材22は矩形状に組まれた前記フレーム2の内側部に配置されている。すなわちチャンネル部材22の両端部にはそれぞれ支持部材23が取り付けられており、この支持部材23のそれぞれには一対の走行ローラ24が互いに外向きに取り付けられている。
【0025】
この走行ローラ24は、矩形状に組まれた前記フレーム2の内側面に向かって形成された一対のレール部材25に沿って、それぞれ走行するように構成されている。したがって、駆動モータ21の駆動によりチャンネル部材22は、矩形状に組まれた前記フレーム2の内側に沿って走行ローラ24によりX軸方向に、すなわち図4に示したX−X′方向に移動するように動作する。
【0026】
一方、前記チャンネル部材22の一端部には後述するノズルヘッドをY軸方向に移動させる駆動モータ31が取り付けられている。この駆動モータ31はY軸方向に装着されたボールネジ32(図6に断面図で示されている。)を回転駆動し、当該ボールネジの回転により、ノズルヘッドの取付け板33をY軸方向に搬送するように構成されている。
【0027】
すなわち、図6に詳しく示されているように前記チャンネル部材22には、その長手方向に沿って両外側に向くようにして一対のレール部材34が取り付けられており、このレール部材34に沿って、前記ノズルヘッド取付け板33の上面に取り付けられた走行ローラ35が転動するように構成されている。したがって、駆動モータ31の駆動により、前記したノズルヘッドの取付け板33はチャンネル部材22の長手方向に沿ってY軸方向に、すなわち図4に示したY−Y′方向に移動するように動作する。
【0028】
したがって、前記チャンネル部材22は駆動モータ21の駆動によりX軸方向に移動し、前記ノズルヘッドの取付け板33は駆動モータ31の駆動により前記チャンネル部材22に沿ってY軸方向に移動するように動作する結果、ノズルヘッドの取付け板33を水平方向の互いに直交するX軸方向およびY軸方向に搬送することができる。
【0029】
なお、図5および図6において符号37で示す破線で描かれた部材は、リミットスイッチを示しており、これはX軸方向に移動する前記チャンネル部材22が、何等かの障害により後述するシーケンス制御の範囲から逸脱した場合に動作して装置の稼働を自動停止させるものであり、図には示していないがY軸方向のリミットスイッチも同様に配置されている。
【0030】
符号41は、前記したノズルヘッドの取付け板33に取り付けられたノズルヘッドを示している。このノズルヘッド41は、図6に詳しく示されているように、その上部に前記した送水ホースを介して高圧水を受ける受け口42が形成されるとともに、この受け口42に併設されるようにしてエアーモータ43が配置されており、このエアーモータ43には前記したエアーホースを介して加圧空気が供給されるように構成されている。
【0031】
このノズルヘッド41に供給される高圧水は、中空状の回転軸44を介してこの回転軸44を回転中心にして水平方向に旋回される中空状の水平旋回軸45に供給される。そして、前記水平旋回軸45には、前記回転軸44の軸芯から外れた位置において、下側に向かって高圧水を吐出させることができる複数のノズル46が、水平旋回軸45の長手方向に沿って形成されている。なお、図6に示す実施の形態においては前記ノズル46は水平旋回軸45の端部付近にそれぞれ2つずつ(合計4個)形成されているが、これは必要に応じて、適宜増加もしくは減少させることができる。
【0032】
一方、前記エアーモータ43は中空状の前記回転軸44を回転駆動させるように機能するものであり、したがって、前記した各ノズル46より吐出される高圧水(これをウォータージェットとも言う。)は、同心円状に吐出されることになる。また前記回転軸44および水平旋回軸45を含む部分は、その上部からカバー部材47により覆われている。これにより、前記各ノズル46より吐出される高圧水が過剰に飛散するのを防止できるようにしている。
【0033】
図7は、前記した構成による被覆体の除去装置の動作を説明するものであり、前記したノズルヘッド41からの高圧水の吐出領域が、シーケンス制御により移動する状況を説明するものである。なお、図7おいては前記したノズルヘッド41は省略した状態で示している。
【0034】
図7における符号15は、すでに説明した被処理物としての交通標識板の配置位置を示している。そして、前記ノズルヘッド41の中心位置(前記中空状の回転軸44の位置)は、図7に矢印で示した走査パターン51をもって巡回される。これはシーケンス制御により前記した駆動モータ21および31を駆動することにより実行される。なお、前記矢印で示したノズルヘッド41の走査パターン51における各変曲点において、それぞれ鎖線による同心円で示した領域は、前記ノズルヘッド41からのウォータージェットの吐出領域を示している。
【0035】
図7に示したノズルヘッド41の走査パターン51によると、1つの被処理物15の上面を蛇行して2往復するように設定されている。その後、他の一つの被処理物15の上面に移動して同様の蛇行走査がなされ、これが図7に示す走査パターン51に示されるように巡回される。これにより、前記したノズルヘッド41からの高圧水の吐出領域は、被処理物15の全面をカバーするようにして連続的に走査し、その連続走査の終了後に他の1つの被処理物15の上面に移動して、同様の連続的な走査を実行する。
【0036】
すなわち、各被処理物15の全面わたってなされる高圧水の吐出動作は、各被処理物を対象として交互に実行される。したがって、交通標識板のように例えばアルミ製の基板にシート状の樹脂フィルムを被覆した被処理物は、前記ウォータージェットにより前記基板面から効率的に被覆体が剥離される。
【0037】
そして、一方の被処理物について前記したウォータージェットによる被覆体の剥離動作を実行している間に、他方の被処理物の保持プレート7を手前に引き出して、次に処理しようとする被処理物に交換する操作を、ノズルヘッド41の移動走査にしたがって交互に繰り返すことにより、装置の稼働を停止させることなく連続的に被覆体の剥離動作を実行させることができる。
【0038】
したがって、前記した構成による被覆体の除去装置によると、被覆体の剥離動作の効率を落とすことなく基本的には1人の作業員によって装置を連続稼働させることができる。また、被覆体の剥離動作を実行するノズルヘッドは、併設される被処理物上を交互に往復するようにして連続動作するので、装置全体を小型に形成させることが可能であり、装置の設置条件についての制約を少なくさせることができる。
【0039】
なお、以上の説明においては、被処理物として交通標識板を例示しているが、この発明にかかる被覆体の除去装置は、前記した特定のものに限られることなく、基板面に塗装もしくは樹脂フィルムを被覆した製品を対象とすることで、前記と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明にかかる被覆体の除去装置における外観構成を示した正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく上面図である。
【図4】ノズルヘッドの搬送手段を示した平面図である。
【図5】図4に示す搬送手段の要部拡大図である。
【図6】ノズルヘッドの構成を示した側面図である。
【図7】ノズルヘッドの走査パターン示した平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 筐体
2 フレーム
4 透明板(窓部)
5 ワイパーブレード
7 被処理物保持プレート
8 換気扇
15 被処理物(交通標識板)
21 X軸駆動モータ
22 チャンネル部材
24 走行ローラ
25 レール部材
31 Y軸駆動モータ
33 ノズルヘッド取付け板
34 レール部材
35 走行ローラ
41 ノズルヘッド
43 エアモータ
44 中空状回転軸
45 水平旋回軸
46 ノズル
51 ノズルヘッドの走査パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面に塗装もしくは樹脂フィルムが被覆された被処理物より、前記塗装もしくは樹脂フィルムを剥離して除去する被覆体の除去装置であって、
前記被処理物をそれぞれ保持して、前記被処理物を独立して筐体内に搬入もしくは引き出すことができるように構成された複数の被処理物保持プレートと、
前記被処理物保持プレートに保持されて筐体内に搬入された被処理物に対峙するようにして前記筐体内に配置され、前記被処理物に対して高圧水を吐出させることで、前記被処理物における基板面より前記塗装もしくは樹脂フィルムを剥離して除去することができる機能を備えたノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドを搭載して水平方向の互いに直交するX軸方向およびY軸方向に前記ノズルヘッドを搬送するノズルヘッドの搬送手段とが具備され、
前記ノズルヘッドの搬送手段は、前記1つの保持プレートに保持された被処理物の全面をカバーするようにノズルヘッドからの高圧水の吐出領域を連続的に走査させる動作を実行した後に、他の保持プレートに保持された被処理物の全面をカバーするようにノズルヘッドからの高圧水の吐出領域を連続的に走査させる動作を実行するように構成されていることを特徴とする被覆体の除去装置。
【請求項2】
前記ノズルヘッドには、高圧水が供給される中空状の回転軸と、前記回転軸に連結されて当該回転軸の軸芯から外れた位置において前記高圧水を吐出させることができるノズルを備えた中空状の水平旋回軸と、前記中空状の回転軸を回転中心にして前記水平旋回軸が回転駆動されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載された被覆体の除去装置。
【請求項3】
前記ノズルヘッドにおける水平旋回軸には複数のノズルが形成され、前記各ノズルによる高圧水の吐出軌跡が同心円状になるように、前記回転軸の軸芯から互いに異なる位置に各ノズルが配置されていることを特徴とする請求項2に記載された被覆体の除去装置。
【請求項4】
前記被処理物をそれぞれ保持する複数の被処理物保持プレートは、前記筐体の一つの面において、前記筐体内からそれぞれ独立して同一方向に引き出すことができるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された被覆体の除去装置。
【請求項5】
前記各被処理物保持プレートが引き出し可能になされる前記筐体の一つの面には、筐体内に収容された前記被処理物を透視することが可能な透明板が配置されていることを特徴とする請求項4に記載された被覆体の除去装置。
【請求項6】
前記ノズルヘッドの搬送手段は、前記保持プレートに保持された被処理物の配置領域において、前記ノズルヘッドを水平方向に蛇行動作させることで被処理物の全面わたって前記ノズルヘッドによる高圧水の吐出領域を走査させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載された被覆体の除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−29820(P2007−29820A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214216(P2005−214216)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(393023536)フジクス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】