装着マット及び汚染制御装置
【課題】汚染制御装置の装着マットにおいて、発泡性シート材料層の横縁が排気ガスにさらされて腐食することを防止できるようにする。
【解決手段】装着システム24は、少なくとも1つの横縁34を有する発泡性シート材料層(マット)26と、セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサート28とを備える。インサートは、発泡性シート材料層の少なくとも1つの横縁に沿って配置される。
【解決手段】装着システム24は、少なくとも1つの横縁34を有する発泡性シート材料層(マット)26と、セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサート28とを備える。インサートは、発泡性シート材料層の少なくとも1つの横縁に沿って配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染制御装置に関し、特に、自動車排気システム用触媒コンバーター及びジーゼル粒子フィルタまたはトラップに関する。本発明はまた、汚染制御装置に備えられる装着マットに関する。汚染制御装置は一般に、弾性及び可撓性を有した装着マットによってケーシング内に固定的に装着されたモノリシック要素を備えた金属ハウジングを具備する。装着マットは、非発泡性セラミック繊維複合材料から形成されるインサートを有する発泡性シート材料から構成される。
【背景技術】
【0002】
汚染制御装置は、一般に、大気汚染を制御するために自動車に使用される。現在、2つの型の装置が広く使用されており、すなわち触媒コンバーターとジーゼル粒子フィルタまたはトラップとである。触媒コンバーターは触媒を含み、これは一般にコンバーターに装置されるモノリシック構造物に塗布される。モノリシック構造物は一般にセラミックであるが、金属モノリスも使用されている。触媒は一酸化炭素と炭化水素とを酸化し、自動車排気ガス中の窒素ガスの酸化物を低減して大気汚染を制御する。これらの触媒過程で遭遇する比較的高い温度のため、触媒支持材としてセラミックが当然ながら選択される。特に有用な触媒支持材は、例えば、特許文献1に記載されているようなセラミックハネカム構造物である。
【0003】
より最近には、金属触媒支持材(金属モノリス)を使用する触媒コンバーターもこの目的に使用されている。(特許文献2及び3、非特許文献1参照。)
【0004】
最も一般的なジーゼル粒子フィルタまたはトラップは、モノリシック壁流フィルタである。モノリシック壁流型ジーゼル粒子フィルタ要素は一般に、ハネカム型多孔結晶質セラミック(例えば、菫青石)材料から構成される。ハネカム構造物の交互セルは一般に、排気ガスが1つのセルから入り、1つのセルの多孔壁を通らされ、別のセルを通って構造物を出るようにつながれる。ジーゼル粒子フィルタ要素のサイズは粒子用途の必要性による。有用なジーゼル粒子フィルタ要素は、例えば、ニューヨーク州コーニングのコーニング社、及び日本、名古屋の日本ガイシ(NGK Insulators Ltd.)から市販されている。有用なジーゼル粒子フィルタ要素に関しては、非特許文献2で検討されている。
【0005】
これらの装置の最新構造において、各型の装置は、金属またはセラミックでありえるが、たいていはセラミックであるモノリシック構造物または要素をその中に保持する金属ハウジングを有する。モノリシック構造物は、缶詰と称される過程でハウジング内に装着される。モノリスとハウジングとの間には間隙または空間があり、これは、モノリス及びハウジングの両方に許容サイズの幅があるため変動する。最大の間隙は、モノリスが許容範囲の最小端にあり、ハウジングが許容範囲の最大端にあるとき、存在する。モノリスを損傷するのを回避して、適所に保持するために、発泡性装着マットまたは発泡性ペースト等の装着材料は、缶詰の前にモノリスの周りに配置される。装着材料は間隙を満たす。くるんだモノリスをハウジングに挿入した後、缶は押圧して閉鎖され、ハウジングの側縁に沿ったフランジは溶接される。自動車に設置した後、汚染制御装置は高温排気ガスによって加熱され、それが発泡性材料を膨張させて追加の保持圧力を生成する。圧力の量は、材料の装着密度及び使用の温度によって決定される。装着密度が低すぎると、圧力はモノリスを適所に保持するには不十分である。装着密度が高すぎると、ハウジングとモノリスとの間の装着材料によって過剰な圧力がかけられ、ハウジングの変形及び/またはモノリスへの損傷が生じる。
【0006】
モノリスがハウジングに固定された後、泡沸装着材料は、汚染制御装置に対して問題になる可能性がある他の状態からの損傷を回避するまたは低減するよう作用する。装置は、自動車に設置する前後ともに、有害な振動を受けやすい可能性がある。更に、装置全体は様々な期間に、例えば、300℃を超える高温を受けやすい。
【0007】
セラミックモノリスの熱膨張率は、それ自体が含まれる金属(通常ステンレス鋼)ハウジングの熱膨張率よりも、通常桁が小さいため、高温では、装置材料は異なる膨張を補償するのに十分膨張するが、ハウジングまたはモノリスに損傷を与えうるほど過剰な圧力を作るほどであってはならない。装着材料も、高温排気ガスがモノリスと金属ハウジングとの間を通ることを(それによって触媒をバイパスすることを)防止する。
【0008】
一般に、装着材料は、無機結合剤、結合剤としても作用する無機繊維、発泡性材料、及び任意に有機結合剤、充填剤及び他の補助剤を含む。材料は、ペースト、シート及びマットとして使用される。ハウジング内にモノリスを装着するのに有用なセラミックマット材料、セラミックペースト及び泡沸シート材料は、特許文献4、5、6、7、8、9、10、11及び12に記載されている。
【0009】
TenEyckに付与された特許文献13には、クラフト紙、プラスチックフィルム、無機ファブリック等のシート材料の補強層に接着剤で結合される予備形成された泡沸層を有する亀裂抵抗性のある泡沸シートが記載されている。
【0010】
Merry et al.に付与された特許文献14には、マット材料の薄いシートをモノリスの周りに少なくとも2回、層のようにくるむことによって触媒コンバーターを製造する方法が記載されている。
【0011】
Merryに付与された特許文献15には、泡沸マット材料にステッチボンドされたセラミック繊維マットを有する触媒コンバーター用の複合材料が記載されている。
【0012】
Langer et al.に付与された特許文献16には、発泡性材料の類似したシートの少なくとも2つの層を有する複合材料が記載されている。
【0013】
【特許文献1】米国再発行特許第27,747号
【特許文献2】英国特許第1,452,982号
【特許文献3】米国特許第4,381,590号
【特許文献4】米国特許第3,916,057号
【特許文献5】米国特許第4,305,992号
【特許文献6】米国特許第4,385,135号
【特許文献7】米国特許第5,254,416号
【特許文献8】米国特許第5,242,871号
【特許文献9】米国特許第3,001,571号
【特許文献10】米国特許第5,385,873号
【特許文献11】米国特許第5,207,989号
【特許文献12】英国特許第1,522,646号
【特許文献13】米国特許第4,999,168号
【特許文献14】米国特許第4,865,818号
【特許文献15】米国特許第4,929,429号
【特許文献16】米国特許第4,048,363号
【非特許文献1】SAEペーパー850131
【非特許文献2】「セル状セラミックジーゼル粒子フィルタ(Cellular Ceramic Diesel Particulate Filter)」Howitt et al.著、ペーパー910114、SAE技術ペーパーシリーズ、1981年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
汚染制御装置は高温と低温との間を循環するため、モノリス(金属またはセラミック)とハウジングとの間の間隙のサイズは常に変わり、装着マットは繰り返し圧縮され、圧縮を解かれる。ハウジングが高温に達すると、すなわち約700℃を超えると、ハウジングの変形が起こりうる。この場合、従来の泡沸マット装着材料には、モノリスを支持し続ける高温レジリエンスが欠けている。このようにして、金属ハウジングの変形を起こすことなく、モノリスと金属ハウジングとの間の変動する間隙に適応するのに十分に弾性があり圧縮性のある装着システムの必要性が存在する。更に、最新の装着材料はそれ自体の効用及び利益があるが、汚染制御装置に使用する装着材料を改良する必要性が依然としてある。更に、広い温度範囲でよく機能する材料を提供することが望ましい。
【0015】
本発明の目的は、上記課題を解決する装着マット、及び装着マットを備えた汚染制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、金属ハウジング内にモノリス構造物を使用する汚染制御装置用のハイブリッド装着システムを提供する。装着システムは、モノリスと汚染制御装置の金属ハウジングとの間に配置された装着マットを具備する。装着マットは、装着マットの側縁に位置決めされた弾性及び可撓性を有した非発泡性の繊維材料から形成されるインサートを含む。好適な実施形態において、装着マットは発泡性材料であり、弾性及び可撓性を有した繊維製のインサートは非発泡性材料である。ハイブリッド装着マットは、触媒コンバーター、ジーゼル粒子フィルタ及び高温フィルタ内の脆いモノリス構造物を保護するのに有用である。ハイブリッド装着マットは、泡沸装着マットと非発泡性のインサートとの特性を組み合わすことができるという利点を提供する。
【0017】
すなわち、本発明は、汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、少なくとも1つの横縁を有する発泡性シート材料層と、セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記少なくとも1つの横縁に沿って配置されること、を特徴とする装着マットを提供する。
【0018】
本発明はまた、汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、縁を有する少なくとも1つの発泡性シート材料層と、セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記縁から延長されるように配置され、該インサートを、装着マットの圧縮によって生じる過剰な圧力の下で最も変形しやすい前記ハウジングの一部分に沿って配置した状態で、該装着マットを前記間隙に配置できるようになっていること、を特徴とする装着マットを提供する。
【0019】
本発明はまた、ハウジングと、該ハウジングの内部に配置される第1及び第2の汚染制御要素と、該第1及び第2の汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットシステムとを具備する汚染制御装置において、前記装着マットシステムは、第1の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第1の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第1の装着マットと、前記第1の横縁に対向する第2の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第2の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第2の装着マットと、前記第1の装着マットと前記第2の装着マットとの間に配置される金属ストリップと、弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成され、前記金属ストリップに沿って配置されるとともに、前記第1の装着マットの前記第1の横縁と前記第2の装着マットの前記第2の横縁との間に配置されるインサートとを具備すること、を特徴とする汚染制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の装着マット及び汚染制御装置は、前述した課題を解決するものである。本発明の効果については、以下の実施形態の説明において詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の装着システムは、触媒コンバーター及びジーゼル粒子フィルタまたはトラップ等の様々な汚染制御装置に使用するのに適切であるが、本明細書では触媒コンバーターに関連する使用を記載する。記載は、本発明の装着システムの使用を例示することを意図しており、装着システムの使用を触媒コンバーターに限定すると理解すべきものではない。
【0022】
図1及び図2を参照すると、触媒コンバーター10は、略円錐入口14及び出口16を具備する。ハウジングは、缶またはケーシングとも称され、当業界では公知のそのような使用に適した材料から製造され、一般に金属製である。ハウジングはステンレス鋼から製造されることが好ましい。ハウジング12内に、セラミックまたは金属製のハネカム型のモノリシック体から形成されるモノリシック触媒要素20が配置される。モノリスとも称される適切な触媒コンバーター要素は当業界では公知であり、金属製またはセラミック製のものを含む。モノリスまたは要素を使用して、コンバーター用の触媒材料を支持する。有用な触媒コンバーター要素は、例えば、米国再発行特許第27,747号(Johnson;特許文献1)に開示されている。モノリス20は、その間に複数の気体流れチャネル(図示せず)を有する。触媒コンバーター要素に塗布される触媒材料は、当業界では公知のものを含む(例えば、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム及びプラチナ等の金属、及び、五酸化バナジウム及び二酸化チタン等の酸化金属)。触媒塗布に関する更なる詳細については、米国特許第3,441,381号(Keith et al.)を参照のこと。
【0023】
ハイブリッド装着システム24がモノリス20を囲繞する。装着システム24は、本質的にショットフリーのセラミック繊維製の弾性及び可撓性を有した繊維マットから形成されるインサート28を有する発泡性材料製のマット26を具備する。インサート28は、インサート28の少なくとも1つの縁が泡沸マット26の1つの側縁に沿って延在するように配置される。
【0024】
図4A〜図8Bに見られるように、インサート28が泡沸マット26の側縁に沿って延在することができるようにインサート28を配置することのできる方法は数多くある。図3A及び図3Bはインサート28のない泡沸マット26を示す。図3Bはハウジング12とモノリス20との間に配置された泡沸マット26の断面図を示す。
【0025】
図4Aは、装着システム24の側縁32が泡沸及び非泡沸の交互の部分を呈するように、泡沸マットと交互になっている非発泡性のインサート28を示す。図4Cは、装着システム24の修正例を示し、各マット26及びインサート28は、一端にタブ30、他端にスロット31を備えて形成される。各マット26のタブ30は隣接するインサート28のスロット31に嵌合するかまたは嵌まる。同様に、各インサート28のタブ30は隣接するマット26のスロット31に嵌合するかまたは嵌まる。例示した実施形態において、各タブ30のサイズは同一であり、各スロット31のサイズは同一である。各マット26のタブ30はインサート28のスロット31に丁度嵌まる大きさであり、各インサート28のタブ30はマット26のスロット31に丁度嵌まる大きさであることが望ましい。装着システム24は本明細書に開示されていない他の型のモノリス及びケーシングに適応するように数多くの方法で更に修正することができ、部分の各型の数を低減または増加することと、装着システム24に使用される1つ以上の部分の形状を変更することを含むと理解される。異なるスロット及びタブ配列を使用することが望ましいこともある。
【0026】
図4Bに示すように、装着システム24がハウジング12内のモノリス20の周りに位置決めされるときに、非発泡性のインサート28は、最大曲率半径を有するモノリス20の部分に沿って位置決めされることが好ましい。インサート28は、この領域が、装着システム24の圧縮によって起こされる過剰圧力下で最も変形しやすいハウジング12の部分に対応するため、最大曲率半径を有するモノリス20の部分に沿って位置決めされることが好ましい。上記のように、汚染制御装置が非常な高温に達する場合、すなわち約700℃を超えるときに、ハウジングの変形が起きる可能性がある。この高温では、従来の発泡性装着材料は大幅に膨張し、結果として生じる圧力がハウジング12内部にかかり、それが極めて高い。更に、そのような高温では、ハウジングの金属(一般にステンレス鋼)が軟化し始め、より変形を受けやすくなる。高温下で最も変形を経験しやすい点に非発泡性のインサート28を位置決めすることによって、装着システム24は高温で有害な力を発生させるのが少なくなり、ハウジング12の変形は大幅に少なくなる。
【0027】
図5A及び図5Bは、図4A及び図4Bに類似した装着システム24の実施形態である。図5A及び図5Bの実施形態において、インサート28は発泡性マット26の幅にわたっては延在しない。モノリス20の周りに位置決めされると、または非発泡性のインサート28は、上述の図4Bに記載した方法と同様の方法で位置決めされる。
【0028】
図6A及び図6Bは、装着システム24の更に別の実施形態を示し、装着システム24がモノリス20の周りに配置されるときに発泡性シート材料26の横縁34全体がインサート28によって保護されるように、非発泡性のインサート28が発泡性シート材料26の横縁34全体に沿って延在する。
【0029】
装着システム24の更に別の実施形態を図7A及び図7Bに示す。図7Aには、発泡性シート材料26の横縁34に沿って延在するインサート28を含むように示されるが、発泡性シート材料からずれており、発泡性材料26と非発泡性材料28との積層であると見られるタブエンドスロット構成を形成する。
【0030】
最後に、装着システム24の別の実施形態が図8A及び図8Bに示される。図8A及び図8Bの装着システム24は、図7A及び図7Bの装着システム24に類似しているが、インサート28は発泡性シート材料26の1つの横縁34のみに沿って延在する。インサート28は発泡性シート材料26からずれており、連動端を形成する。
【0031】
図4A〜図8Bの実施形態の各々において、インサート28は、包装テープ等の接着テープ(図示せず)または他の適切な接着テープによって発泡性マット26に固定される。あるいは、インサート28は、テープで固定する必要はないか、またはステープル、ステッチ等の他の技術によって固定されてもよい。
【0032】
場合によっては、汚染制御装置は、シングルモノリスではなく二重モノリスを使用してもよい。例えば、図9は、先行技術の触媒コンバーター10Aを示し、金属ハウジング内に2つのモノリス20を有し、間隙40によって分けられる。このような二重モノリス構成では、金属ストリップ42をモノリス20の間の間隙40に整列させることが知られている。(例えば、ドイツ特許第DE4323791A1号を参照のこと。)金属ストリップは一般にインコネル及びステンレス鋼等の高温耐腐食金属から製造される。金属ストリップは金属箔、波形金属箔、金属ファブリック等の形態を取ることができる。金属ストリップ42は金属ハウジング12に極めて近接した速度で膨張する。金属ストリップ42は金属ハウジング12に類似した速度で膨張するため、金属ストリップ42とハウジング12との間の装着マット44の部分は、モノリス20とハウジング12との間の装着マット44の部分よりも、大きな程度で圧縮される傾向がある。金属ストリップとハウジング12との間の装着マット44の部分が過度に圧縮されるならば、結果としてハウジング12または金属ストリップ42の変形が生じることになる。
【0033】
図9に見られるように、先行技術の装着マットは一般に金属ストリップ42とハウジング12との間の装着マット44の連続層を提供した。上述のように、この配列は、ハウジング12または金属ストリップ42の変形を導く可能性がある。従って、金属ストリップ42とハウジング12との間に金属ストリップ42に沿って可撓性があり弾性を有した繊維製のインサート48を位置決めすることが望ましい。インサート48は、ICIケミカルズアンドポリマーズが販売のSAFFIL等の材料である。上述のように、そのようなインサートは一般に、使用される装着材料よりも小さな力で圧縮することができるため、ハウジング12または金属ストリップ42の変形が回避される。
【0034】
図10及び図11は、図9の装着システムを改良した本発明の実施形態を示し、金属ストリップ42とハウジング12との間に金属ストリップ42に沿って位置決めされる可撓性及び弾性を有した繊維非発泡性のインサートを使用する。図10では、金属ストリップ42は装着マット44のルート部50内に挿入され、インサート48は接着テープ52で隣接する金属ストリップ42に固定される。図11では、金属ストリップ42は、装着マット44A及び装着マット44Bの層の間にサンドイッチされる(装着マット材料の回転は必要ないように)。可撓性及び弾性を有した繊維製のインサート48は、次いで装着マット部44Bの間に挿入され、接着テープ52で適所に固定される。図10及び図11の実施形態のいずれかが、金属ストリップ42とハウジング12との間の材料の過剰圧縮を防ぎ、それによって、金属ストリップ42またはハウジング12の変形を回避する。
【0035】
使用の際に、本発明の装着材料は、触媒コンバーターまたはジーゼル粒子フィルタのために類似の方法でモノリスとハウジングとの間に配置される。これは、モノリスを装着材料のシートでくるみ、くるんだモノリスをハウジングに挿入し、そのハウジングを溶接することによって行うことができる。装着システム24は触媒モノリス20をハウジング12内の適所に保持し、触媒モノリス20とハウジング12との間の間隙を封止し、従って、排気ガスが触媒モノリス20をバイパスするのを防ぐ。
【0036】
発泡性シート材料26は、可撓性及び弾性を有した発泡性シートを具備し、この発泡性シートは、約20〜65重量%の膨張していないひる石フレークであって、未処理であるか、または、燐酸二水素アンモニウム、重炭酸アンモニウム、塩化アンモニウムまたは他の適切なアンモニウム化合物等のアンモニウム化合物とイオン交換することによって処理されるひる石フレークと、アルミノケイ酸塩繊維(ニューヨーク州ナイアガラフォールズのユニフラックス社がFiberfrax(商標)の商品名で販売のもの及びジョージア州オーガスタのサーマルセラミクスがCerafiber(商標)の商品名で販売のもの)、アスベスト繊維、ガラス繊維、ジルコニアシリカ及び結晶性アルミナホイスカーを含む約10〜50重量%の無機繊維材料と、天然ゴム格子、スチレンブタジエン格子、ブタジエンアクリロニトリル格子、アクリレートまたはメタクリレートポリマー及びコポリマーの格子等を含む約3〜25重量%の結合剤と、膨張したひる石、中空ガラス微小球及びベントナイトを含む約40重量%までの無機充填剤と、から構成される。有用なシート材料の例として、米国特許第5,523,059号(Langer)に記載のものも挙げられる。
【0037】
更に、発泡性シート材料の例として、米国特許第3,916,057号(Hatch et al.;特許文献4)、第4,305,992号(Langer et al.;特許文献5)、第4,385,135号(Langer et al.;特許文献6)、第5,245,410号(Langer et al.)、第4,865,818号(Merry et al.;特許文献14)、第5,151,253号(Merry et al.)及び第5,290,522号(Rogers et al.)に記載のものが挙げられる。有用な市販の発泡性シート及びマットの例として、ミネソタ州セントポールのミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社が、INTERAM(商標)の商品名で販売のものが挙げられる。装着マットは一般に厚さ0.5〜10mmの範囲である。更に、有用な発泡性装着材料の例として、米国特許出願第08/496,945号(Merry)に記載されたもの等の発泡性ペーストが挙げられる。
【0038】
有機結合剤の例として、上述の天然ゴム格子、スチレンブタジエン格子、ブタジエンアクリロニトリル格子、アクリレート及びメタクリレートポリマー及びコポリマーの格子が挙げられる。
【0039】
無機充填剤の例として、膨張したひる石、中空ガラス微小球及びベントナイトが挙げられる。無機充填剤は膨張したひる石であることが好ましい。
【0040】
非発泡性のインサート28を形成するのに有用な本質的にショットフリーのセラミック繊維の例として、アルミナボリアシリカ繊維、アルミナシリカ繊維、アルミナ五酸化燐繊維、ジルコニアシリカ繊維、ジルコニアアルミナ繊維及びアルミナ繊維が挙げられる。有用な市販の繊維として、ユニフラックス社がFIBERMAXという商品名で販売のもの、ICIケミカルズアンドポリマーズが販売のSAFFIL LD、Denkaが販売のALCESアルミナ繊維及び三菱が販売のMAFTECH繊維が挙げられる。
【0041】
繊維は一般に当業界で公知の方法を使用してブローイングまたはスピニングによって形成される。繊維は、ゾルゲル溶液をスピニングすることによって形成されることが好ましい。繊維は、不織布業界で行われているように、繊維材料を収集スクリーンにブローイングすることを含む様々な公知の方法によってマットに形成される。好適な非発泡性材料は多結晶アルミナ繊維であり、ICIケミカルズアンドポリマーズからSAFFILの商品名で市販されている。この繊維は耐薬品性があり、選択された用途では1600℃まで使用することができる。これは、ラメラ形態のマットになる繊維の主に二次元の不規則な向きからなる低密度マット形態で製造される。マットは本質的にショットがなく均一な繊維構造を備える。
【0042】
低密度のラメラ性質により、汚染制御装置を取り扱い組み立てる間の離層を防止する手段を導入することが必要になる。すなわち、アルミナ繊維製の低密度マットは、取り扱い及び組み立て中に物理的に抑止されるか圧縮されることが好ましい。(本明細書で使用されるように、「ショットフリーの」及び「本質的にショットフリーの」という用語は、少なくとも95%ショットがなく、好ましくは99%ショットがない繊維マットを称する。)約0.10〜0.60g/cm3の装着密度に圧縮されると、立方体のこれらの材料は、厚さの減少を繰り返し経験するという独特の能力を有し、一方高温ばねは冷却すると、実質的に元の厚さに戻り、従って触媒モノリス20にかなりの保持力をかける。
【0043】
非発泡性のインサート28に好適な繊維材料は一般に0.020〜0.060g/cmの密度範囲のものが利用可能であるため、触媒モノリス20を装着するのに使用するときには、約10倍で圧縮しなければならない。非発泡性のインサート材料のマットは、触媒コンバーター10の組立中に材料の取り扱いを容易にする圧縮状態で一般に圧縮され保持される。インサート28は様々な方法で物理的に圧縮することができ、樹脂結合、ステッチボンディング、またはニードルパンチまたは真空パッキングの使用を含む。
【0044】
樹脂結合は非発泡性材料を、高温排気ガスの存在下で燃えつきインサート28の材料を使用の間に膨張させる有機結合材で飽和することによって達成される。ショットフリーの繊維の低密度及び嵩の高い性質、及び所望の装着密度を得るために通常約10倍で圧縮されなければならないという事実のため、これらの材料を有機糸で縫うかステッチボンドするかして、使用における最終厚さにより近い圧縮マットを形成することが有用であることもわかった。繊維マットの両面に裏打ち層として非常に薄いシート材料を加えて、ステッチが繊維マットを切断するかまたはマットを通るのを防ぐことが有用なこともある。ステッチの間隔あけは通常3〜30mmであるため、繊維はマットの領域全体にわたって均一に圧縮される。有機材料は高温排気ガスにさらされると燃えつき、圧縮されたマットを膨張させる。
【0045】
ショットフリーのセラミック繊維もニードルパンチによって圧縮することができる。セラミック繊維自体は比較的脆く、効果的にニードルパンチするのに十分な可撓性はない。セラミック繊維マットを効果的にニードルパンチするために、マットは最初に、ポリプロピレン繊維またはポリエステル繊維等の、一般に長さ約5〜10cmの長い可撓性のあるポリマー繊維を上にかぶせる。ナイロンファブリックまたは不織布等のポリマースクリムはマットの下に置く。マットは、数多くの孔をプラテン内に有する上プラテンと下プラテンとの間で圧縮される。多くの小さな有刺針を有する穴のあいたニードルが針を穴に押す。針がセラミック繊維を貫通すると、有刺がマットの上部にあるポリマー繊維をスクリムを通って引いて、ポリマー繊維はスクリムとからみ合い、マットを物理的に抑止する。有機繊維及びスクリムは使用中に高温にさらされると燃えつき、セラミック繊維を膨張させる。
【0046】
繊維マットは、繊維マットを気密袋内に入れて、袋から空気を排出して、袋を封止することによって抑止することができる。大気圧は、汚染制御装置が使用温度(300℃を超える)へ加熱されるときに袋が破裂するか燃えつきるまで、圧縮状態でマットを抑止する。
【0047】
非発泡性のインサート28は2つの重要な機能を提供する。インサート28は、発泡性マット26に比較して優秀な腐食耐性を有する。インサート28を、そうでなければ高温排気ガスにさらされることになる発泡性材料の側縁に沿って位置決めすることによって、インサート28は発泡性マット26を排気ガスから断絶する作用をし、それによって発泡性マット26の腐食を防止する。縁保護材料の使用は公知であるが、先行技術は、極めて温度の高い状況下でまたはハウジングの変形が起こるときに、膨張して圧縮しモノリス20とハウジング12との間の間隙の幅の変化に適応することのできる縁保護システムは含んでいない。先行技術の縁保護機構は、米国特許第5,008,086号(Merry)に記載されたような発泡性マットの縁の周りをくるんだステンレス鋼ワイヤスクリーン、及び米国特許第4,156,333号(Close et al.)に記載されたようなブレードまたはロープ状セラミック(すなわち、ガラス、結晶質セラミックまたはガラスセラミック)繊維ブレードまたは金属ワイヤの使用を含む。縁保護はヨーロッパ特許公開第639701A1号(Howorth et al)、ヨーロッパ特許公開第639702A1号(Howorth et al)及びヨーロッパ特許公開第639700A1号(Stroome et al.)に記載のガラス粒子を有する組成物から形成することもできる。
【0048】
インサート28はモノリス20とハウジング12との間の封止としても作用する。インサート28に使用される好適な非発泡性材料の可撓性及び弾性を有した性質は、汚染制御装置が高温と低温との間を循環するときに、モノリス20とハウジング12との間の間隙が連続して封止されて排気ガスがモノリス20をバイパスすることを防ぐことを確実にする。このようにして、汚染制御装置の有効性は維持され、排気ガス漏れによる発泡性マット26の腐食も回避することができる。
【0049】
本発明の目的及び利点は、下記の例によって更に例示されるが、この例の特定の材料及び量は本発明を不当に限定するものと理解すべきではない。すべての部及びパーセンテージは別途記載のないかぎり重量%である。
【0050】
例1
発泡性マット材料(ミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社が販売のINTERAM(商標)タイプ100マット、3100gsm(1平方メートル当たりのグラム))の層の6.2cm×30cmの長さを、図5Aに示したように切断した。樹脂結合セラミック繊維マット(ICIケミカルズアンドポリマーズ社が販売のSAFFIL(商標)化学結合マット1200gsm)のストリップを1.27cm×9cmの寸法に切断して、発泡性マットの間隙切れ目に置いた。繊維マットストリップはプラスチック包装テープで適所に保持され、ハイブリッド装着マットを形成した。ハイブリッド装着マットは、170mm×80mm×76mm長の卵形セラミックモノリス(コーニング製)の周りをくるんだ。第2のモノリスは同様にして、前述のものと同一のハイブリッド装着マットでくるまれた。くるまれたモノリスは、二重キャビティステンレス鋼触媒コンバーターハウジング内に装着された。装着マットの装着密度は、発泡性マットでは0.7g/cc(1立方センチメートル当たりのグラム)、繊維ストリップでは0.27g/ccに決定された。次いで、ハイブリッド装着マットを含む触媒コンバーターが、3000rpm/220ft lbでガソリンエンジン(フォードモーター社7.5リットル排気量V−8ガソリン内燃機関)に取り付けられた。触媒コンバーターは100時間の間に900℃の入口ガス温度を受けた。
【0051】
テストの後、触媒コンバーターアセンブリは分解して検査された。ハイブリッド装着マットの装着材料に何ら腐食は見られなかった。更に、繊維マットストリップ上のハウジングの幅部分に沿って変色はなかった。変色の存在は、高温排気ガスが装着マットと金属ハウジングとの間を通ったことを示す。変色がなければ、アセンブリは十分に封止されており、排気ガスがハイブリッドマット装着材料を通って流れるのを防いだことを示す。
【0052】
例2
この例でテストされた装着マットは例1と同様に準備されテストされたが、例1で使用されたハイブリッド装着マットの代わりに受け入れ可能な市販の発泡性マット材料を使用したことが異なる。テストの後、装着マットの検査により、装着マット材料はエンジン排気ガスによって腐食されたことが明らかになった。最大腐食距離、すなわち腐食された装着マットの部分は、装着マットの縁内に23mm延在した。ハウジングにかなりの量の変色も認められた。
【0053】
テストした装着マットの性能の比較により、例2の非ハイブリッド装着マットの性能に対して、例1のハイブリッド装着マットの性能は大幅に改良されていることを示す。ハイブリッド装着マットは排気ガスにさらされたときに腐食に耐え、モノリスとハウジングとの間により良好な封止を提供した(例1のハウジングには変色がないことを証拠として)。明らかに、ハイブリッド装着マット(例1)の性能は、繊維マットインサートを使用しない装着マット(例2)の性能よりも優秀である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の装着システムを示す触媒コンバーターの分解斜視図である。
【図2】図1の触媒コンバーターの図であり、モノリスから剥離された本発明の装着システムを示す。
【図3A】発泡性材料から構成される先行技術の結合システムを示す。
【図3B】モノリスの周りに配列された図3Aの装着システムの断面図である。
【図4A】本発明の装着システムの好適な実施形態を示す。
【図4B】モノリスの周りに配列された図4Aの装着システムの断面図である。
【図4C】図4Aの装着システムの修正例を示す。
【図5A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図5B】モノリスの周りに配列された図5Aの装着システムの断面図である。
【図6A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図6B】モノリスの周りに配列された図6Aの装着システムの断面図である。
【図7A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図7B】モノリスの周りに配列された図7Aの装着システムの断面図である。
【図8A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図8B】モノリスの周りに配列された図8Aの装着システムの断面図である。
【図9】二重モノリスを有する触媒コンバーターの別の実施形態を示す。
【図10】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図11】本発明の装着システムの更に別の実施形態を示す。
【符号の説明】
【0055】
10、10A 触媒コンバーター
12 ハウジング
20 モノリス
24 ハイブリッド装着システム
26、44 マット(発泡性シート材料)
28 インサート
32 側縁
34 横縁
42 金属ストリップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染制御装置に関し、特に、自動車排気システム用触媒コンバーター及びジーゼル粒子フィルタまたはトラップに関する。本発明はまた、汚染制御装置に備えられる装着マットに関する。汚染制御装置は一般に、弾性及び可撓性を有した装着マットによってケーシング内に固定的に装着されたモノリシック要素を備えた金属ハウジングを具備する。装着マットは、非発泡性セラミック繊維複合材料から形成されるインサートを有する発泡性シート材料から構成される。
【背景技術】
【0002】
汚染制御装置は、一般に、大気汚染を制御するために自動車に使用される。現在、2つの型の装置が広く使用されており、すなわち触媒コンバーターとジーゼル粒子フィルタまたはトラップとである。触媒コンバーターは触媒を含み、これは一般にコンバーターに装置されるモノリシック構造物に塗布される。モノリシック構造物は一般にセラミックであるが、金属モノリスも使用されている。触媒は一酸化炭素と炭化水素とを酸化し、自動車排気ガス中の窒素ガスの酸化物を低減して大気汚染を制御する。これらの触媒過程で遭遇する比較的高い温度のため、触媒支持材としてセラミックが当然ながら選択される。特に有用な触媒支持材は、例えば、特許文献1に記載されているようなセラミックハネカム構造物である。
【0003】
より最近には、金属触媒支持材(金属モノリス)を使用する触媒コンバーターもこの目的に使用されている。(特許文献2及び3、非特許文献1参照。)
【0004】
最も一般的なジーゼル粒子フィルタまたはトラップは、モノリシック壁流フィルタである。モノリシック壁流型ジーゼル粒子フィルタ要素は一般に、ハネカム型多孔結晶質セラミック(例えば、菫青石)材料から構成される。ハネカム構造物の交互セルは一般に、排気ガスが1つのセルから入り、1つのセルの多孔壁を通らされ、別のセルを通って構造物を出るようにつながれる。ジーゼル粒子フィルタ要素のサイズは粒子用途の必要性による。有用なジーゼル粒子フィルタ要素は、例えば、ニューヨーク州コーニングのコーニング社、及び日本、名古屋の日本ガイシ(NGK Insulators Ltd.)から市販されている。有用なジーゼル粒子フィルタ要素に関しては、非特許文献2で検討されている。
【0005】
これらの装置の最新構造において、各型の装置は、金属またはセラミックでありえるが、たいていはセラミックであるモノリシック構造物または要素をその中に保持する金属ハウジングを有する。モノリシック構造物は、缶詰と称される過程でハウジング内に装着される。モノリスとハウジングとの間には間隙または空間があり、これは、モノリス及びハウジングの両方に許容サイズの幅があるため変動する。最大の間隙は、モノリスが許容範囲の最小端にあり、ハウジングが許容範囲の最大端にあるとき、存在する。モノリスを損傷するのを回避して、適所に保持するために、発泡性装着マットまたは発泡性ペースト等の装着材料は、缶詰の前にモノリスの周りに配置される。装着材料は間隙を満たす。くるんだモノリスをハウジングに挿入した後、缶は押圧して閉鎖され、ハウジングの側縁に沿ったフランジは溶接される。自動車に設置した後、汚染制御装置は高温排気ガスによって加熱され、それが発泡性材料を膨張させて追加の保持圧力を生成する。圧力の量は、材料の装着密度及び使用の温度によって決定される。装着密度が低すぎると、圧力はモノリスを適所に保持するには不十分である。装着密度が高すぎると、ハウジングとモノリスとの間の装着材料によって過剰な圧力がかけられ、ハウジングの変形及び/またはモノリスへの損傷が生じる。
【0006】
モノリスがハウジングに固定された後、泡沸装着材料は、汚染制御装置に対して問題になる可能性がある他の状態からの損傷を回避するまたは低減するよう作用する。装置は、自動車に設置する前後ともに、有害な振動を受けやすい可能性がある。更に、装置全体は様々な期間に、例えば、300℃を超える高温を受けやすい。
【0007】
セラミックモノリスの熱膨張率は、それ自体が含まれる金属(通常ステンレス鋼)ハウジングの熱膨張率よりも、通常桁が小さいため、高温では、装置材料は異なる膨張を補償するのに十分膨張するが、ハウジングまたはモノリスに損傷を与えうるほど過剰な圧力を作るほどであってはならない。装着材料も、高温排気ガスがモノリスと金属ハウジングとの間を通ることを(それによって触媒をバイパスすることを)防止する。
【0008】
一般に、装着材料は、無機結合剤、結合剤としても作用する無機繊維、発泡性材料、及び任意に有機結合剤、充填剤及び他の補助剤を含む。材料は、ペースト、シート及びマットとして使用される。ハウジング内にモノリスを装着するのに有用なセラミックマット材料、セラミックペースト及び泡沸シート材料は、特許文献4、5、6、7、8、9、10、11及び12に記載されている。
【0009】
TenEyckに付与された特許文献13には、クラフト紙、プラスチックフィルム、無機ファブリック等のシート材料の補強層に接着剤で結合される予備形成された泡沸層を有する亀裂抵抗性のある泡沸シートが記載されている。
【0010】
Merry et al.に付与された特許文献14には、マット材料の薄いシートをモノリスの周りに少なくとも2回、層のようにくるむことによって触媒コンバーターを製造する方法が記載されている。
【0011】
Merryに付与された特許文献15には、泡沸マット材料にステッチボンドされたセラミック繊維マットを有する触媒コンバーター用の複合材料が記載されている。
【0012】
Langer et al.に付与された特許文献16には、発泡性材料の類似したシートの少なくとも2つの層を有する複合材料が記載されている。
【0013】
【特許文献1】米国再発行特許第27,747号
【特許文献2】英国特許第1,452,982号
【特許文献3】米国特許第4,381,590号
【特許文献4】米国特許第3,916,057号
【特許文献5】米国特許第4,305,992号
【特許文献6】米国特許第4,385,135号
【特許文献7】米国特許第5,254,416号
【特許文献8】米国特許第5,242,871号
【特許文献9】米国特許第3,001,571号
【特許文献10】米国特許第5,385,873号
【特許文献11】米国特許第5,207,989号
【特許文献12】英国特許第1,522,646号
【特許文献13】米国特許第4,999,168号
【特許文献14】米国特許第4,865,818号
【特許文献15】米国特許第4,929,429号
【特許文献16】米国特許第4,048,363号
【非特許文献1】SAEペーパー850131
【非特許文献2】「セル状セラミックジーゼル粒子フィルタ(Cellular Ceramic Diesel Particulate Filter)」Howitt et al.著、ペーパー910114、SAE技術ペーパーシリーズ、1981年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
汚染制御装置は高温と低温との間を循環するため、モノリス(金属またはセラミック)とハウジングとの間の間隙のサイズは常に変わり、装着マットは繰り返し圧縮され、圧縮を解かれる。ハウジングが高温に達すると、すなわち約700℃を超えると、ハウジングの変形が起こりうる。この場合、従来の泡沸マット装着材料には、モノリスを支持し続ける高温レジリエンスが欠けている。このようにして、金属ハウジングの変形を起こすことなく、モノリスと金属ハウジングとの間の変動する間隙に適応するのに十分に弾性があり圧縮性のある装着システムの必要性が存在する。更に、最新の装着材料はそれ自体の効用及び利益があるが、汚染制御装置に使用する装着材料を改良する必要性が依然としてある。更に、広い温度範囲でよく機能する材料を提供することが望ましい。
【0015】
本発明の目的は、上記課題を解決する装着マット、及び装着マットを備えた汚染制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、金属ハウジング内にモノリス構造物を使用する汚染制御装置用のハイブリッド装着システムを提供する。装着システムは、モノリスと汚染制御装置の金属ハウジングとの間に配置された装着マットを具備する。装着マットは、装着マットの側縁に位置決めされた弾性及び可撓性を有した非発泡性の繊維材料から形成されるインサートを含む。好適な実施形態において、装着マットは発泡性材料であり、弾性及び可撓性を有した繊維製のインサートは非発泡性材料である。ハイブリッド装着マットは、触媒コンバーター、ジーゼル粒子フィルタ及び高温フィルタ内の脆いモノリス構造物を保護するのに有用である。ハイブリッド装着マットは、泡沸装着マットと非発泡性のインサートとの特性を組み合わすことができるという利点を提供する。
【0017】
すなわち、本発明は、汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、少なくとも1つの横縁を有する発泡性シート材料層と、セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記少なくとも1つの横縁に沿って配置されること、を特徴とする装着マットを提供する。
【0018】
本発明はまた、汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、縁を有する少なくとも1つの発泡性シート材料層と、セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記縁から延長されるように配置され、該インサートを、装着マットの圧縮によって生じる過剰な圧力の下で最も変形しやすい前記ハウジングの一部分に沿って配置した状態で、該装着マットを前記間隙に配置できるようになっていること、を特徴とする装着マットを提供する。
【0019】
本発明はまた、ハウジングと、該ハウジングの内部に配置される第1及び第2の汚染制御要素と、該第1及び第2の汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットシステムとを具備する汚染制御装置において、前記装着マットシステムは、第1の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第1の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第1の装着マットと、前記第1の横縁に対向する第2の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第2の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第2の装着マットと、前記第1の装着マットと前記第2の装着マットとの間に配置される金属ストリップと、弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成され、前記金属ストリップに沿って配置されるとともに、前記第1の装着マットの前記第1の横縁と前記第2の装着マットの前記第2の横縁との間に配置されるインサートとを具備すること、を特徴とする汚染制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の装着マット及び汚染制御装置は、前述した課題を解決するものである。本発明の効果については、以下の実施形態の説明において詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の装着システムは、触媒コンバーター及びジーゼル粒子フィルタまたはトラップ等の様々な汚染制御装置に使用するのに適切であるが、本明細書では触媒コンバーターに関連する使用を記載する。記載は、本発明の装着システムの使用を例示することを意図しており、装着システムの使用を触媒コンバーターに限定すると理解すべきものではない。
【0022】
図1及び図2を参照すると、触媒コンバーター10は、略円錐入口14及び出口16を具備する。ハウジングは、缶またはケーシングとも称され、当業界では公知のそのような使用に適した材料から製造され、一般に金属製である。ハウジングはステンレス鋼から製造されることが好ましい。ハウジング12内に、セラミックまたは金属製のハネカム型のモノリシック体から形成されるモノリシック触媒要素20が配置される。モノリスとも称される適切な触媒コンバーター要素は当業界では公知であり、金属製またはセラミック製のものを含む。モノリスまたは要素を使用して、コンバーター用の触媒材料を支持する。有用な触媒コンバーター要素は、例えば、米国再発行特許第27,747号(Johnson;特許文献1)に開示されている。モノリス20は、その間に複数の気体流れチャネル(図示せず)を有する。触媒コンバーター要素に塗布される触媒材料は、当業界では公知のものを含む(例えば、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム及びプラチナ等の金属、及び、五酸化バナジウム及び二酸化チタン等の酸化金属)。触媒塗布に関する更なる詳細については、米国特許第3,441,381号(Keith et al.)を参照のこと。
【0023】
ハイブリッド装着システム24がモノリス20を囲繞する。装着システム24は、本質的にショットフリーのセラミック繊維製の弾性及び可撓性を有した繊維マットから形成されるインサート28を有する発泡性材料製のマット26を具備する。インサート28は、インサート28の少なくとも1つの縁が泡沸マット26の1つの側縁に沿って延在するように配置される。
【0024】
図4A〜図8Bに見られるように、インサート28が泡沸マット26の側縁に沿って延在することができるようにインサート28を配置することのできる方法は数多くある。図3A及び図3Bはインサート28のない泡沸マット26を示す。図3Bはハウジング12とモノリス20との間に配置された泡沸マット26の断面図を示す。
【0025】
図4Aは、装着システム24の側縁32が泡沸及び非泡沸の交互の部分を呈するように、泡沸マットと交互になっている非発泡性のインサート28を示す。図4Cは、装着システム24の修正例を示し、各マット26及びインサート28は、一端にタブ30、他端にスロット31を備えて形成される。各マット26のタブ30は隣接するインサート28のスロット31に嵌合するかまたは嵌まる。同様に、各インサート28のタブ30は隣接するマット26のスロット31に嵌合するかまたは嵌まる。例示した実施形態において、各タブ30のサイズは同一であり、各スロット31のサイズは同一である。各マット26のタブ30はインサート28のスロット31に丁度嵌まる大きさであり、各インサート28のタブ30はマット26のスロット31に丁度嵌まる大きさであることが望ましい。装着システム24は本明細書に開示されていない他の型のモノリス及びケーシングに適応するように数多くの方法で更に修正することができ、部分の各型の数を低減または増加することと、装着システム24に使用される1つ以上の部分の形状を変更することを含むと理解される。異なるスロット及びタブ配列を使用することが望ましいこともある。
【0026】
図4Bに示すように、装着システム24がハウジング12内のモノリス20の周りに位置決めされるときに、非発泡性のインサート28は、最大曲率半径を有するモノリス20の部分に沿って位置決めされることが好ましい。インサート28は、この領域が、装着システム24の圧縮によって起こされる過剰圧力下で最も変形しやすいハウジング12の部分に対応するため、最大曲率半径を有するモノリス20の部分に沿って位置決めされることが好ましい。上記のように、汚染制御装置が非常な高温に達する場合、すなわち約700℃を超えるときに、ハウジングの変形が起きる可能性がある。この高温では、従来の発泡性装着材料は大幅に膨張し、結果として生じる圧力がハウジング12内部にかかり、それが極めて高い。更に、そのような高温では、ハウジングの金属(一般にステンレス鋼)が軟化し始め、より変形を受けやすくなる。高温下で最も変形を経験しやすい点に非発泡性のインサート28を位置決めすることによって、装着システム24は高温で有害な力を発生させるのが少なくなり、ハウジング12の変形は大幅に少なくなる。
【0027】
図5A及び図5Bは、図4A及び図4Bに類似した装着システム24の実施形態である。図5A及び図5Bの実施形態において、インサート28は発泡性マット26の幅にわたっては延在しない。モノリス20の周りに位置決めされると、または非発泡性のインサート28は、上述の図4Bに記載した方法と同様の方法で位置決めされる。
【0028】
図6A及び図6Bは、装着システム24の更に別の実施形態を示し、装着システム24がモノリス20の周りに配置されるときに発泡性シート材料26の横縁34全体がインサート28によって保護されるように、非発泡性のインサート28が発泡性シート材料26の横縁34全体に沿って延在する。
【0029】
装着システム24の更に別の実施形態を図7A及び図7Bに示す。図7Aには、発泡性シート材料26の横縁34に沿って延在するインサート28を含むように示されるが、発泡性シート材料からずれており、発泡性材料26と非発泡性材料28との積層であると見られるタブエンドスロット構成を形成する。
【0030】
最後に、装着システム24の別の実施形態が図8A及び図8Bに示される。図8A及び図8Bの装着システム24は、図7A及び図7Bの装着システム24に類似しているが、インサート28は発泡性シート材料26の1つの横縁34のみに沿って延在する。インサート28は発泡性シート材料26からずれており、連動端を形成する。
【0031】
図4A〜図8Bの実施形態の各々において、インサート28は、包装テープ等の接着テープ(図示せず)または他の適切な接着テープによって発泡性マット26に固定される。あるいは、インサート28は、テープで固定する必要はないか、またはステープル、ステッチ等の他の技術によって固定されてもよい。
【0032】
場合によっては、汚染制御装置は、シングルモノリスではなく二重モノリスを使用してもよい。例えば、図9は、先行技術の触媒コンバーター10Aを示し、金属ハウジング内に2つのモノリス20を有し、間隙40によって分けられる。このような二重モノリス構成では、金属ストリップ42をモノリス20の間の間隙40に整列させることが知られている。(例えば、ドイツ特許第DE4323791A1号を参照のこと。)金属ストリップは一般にインコネル及びステンレス鋼等の高温耐腐食金属から製造される。金属ストリップは金属箔、波形金属箔、金属ファブリック等の形態を取ることができる。金属ストリップ42は金属ハウジング12に極めて近接した速度で膨張する。金属ストリップ42は金属ハウジング12に類似した速度で膨張するため、金属ストリップ42とハウジング12との間の装着マット44の部分は、モノリス20とハウジング12との間の装着マット44の部分よりも、大きな程度で圧縮される傾向がある。金属ストリップとハウジング12との間の装着マット44の部分が過度に圧縮されるならば、結果としてハウジング12または金属ストリップ42の変形が生じることになる。
【0033】
図9に見られるように、先行技術の装着マットは一般に金属ストリップ42とハウジング12との間の装着マット44の連続層を提供した。上述のように、この配列は、ハウジング12または金属ストリップ42の変形を導く可能性がある。従って、金属ストリップ42とハウジング12との間に金属ストリップ42に沿って可撓性があり弾性を有した繊維製のインサート48を位置決めすることが望ましい。インサート48は、ICIケミカルズアンドポリマーズが販売のSAFFIL等の材料である。上述のように、そのようなインサートは一般に、使用される装着材料よりも小さな力で圧縮することができるため、ハウジング12または金属ストリップ42の変形が回避される。
【0034】
図10及び図11は、図9の装着システムを改良した本発明の実施形態を示し、金属ストリップ42とハウジング12との間に金属ストリップ42に沿って位置決めされる可撓性及び弾性を有した繊維非発泡性のインサートを使用する。図10では、金属ストリップ42は装着マット44のルート部50内に挿入され、インサート48は接着テープ52で隣接する金属ストリップ42に固定される。図11では、金属ストリップ42は、装着マット44A及び装着マット44Bの層の間にサンドイッチされる(装着マット材料の回転は必要ないように)。可撓性及び弾性を有した繊維製のインサート48は、次いで装着マット部44Bの間に挿入され、接着テープ52で適所に固定される。図10及び図11の実施形態のいずれかが、金属ストリップ42とハウジング12との間の材料の過剰圧縮を防ぎ、それによって、金属ストリップ42またはハウジング12の変形を回避する。
【0035】
使用の際に、本発明の装着材料は、触媒コンバーターまたはジーゼル粒子フィルタのために類似の方法でモノリスとハウジングとの間に配置される。これは、モノリスを装着材料のシートでくるみ、くるんだモノリスをハウジングに挿入し、そのハウジングを溶接することによって行うことができる。装着システム24は触媒モノリス20をハウジング12内の適所に保持し、触媒モノリス20とハウジング12との間の間隙を封止し、従って、排気ガスが触媒モノリス20をバイパスするのを防ぐ。
【0036】
発泡性シート材料26は、可撓性及び弾性を有した発泡性シートを具備し、この発泡性シートは、約20〜65重量%の膨張していないひる石フレークであって、未処理であるか、または、燐酸二水素アンモニウム、重炭酸アンモニウム、塩化アンモニウムまたは他の適切なアンモニウム化合物等のアンモニウム化合物とイオン交換することによって処理されるひる石フレークと、アルミノケイ酸塩繊維(ニューヨーク州ナイアガラフォールズのユニフラックス社がFiberfrax(商標)の商品名で販売のもの及びジョージア州オーガスタのサーマルセラミクスがCerafiber(商標)の商品名で販売のもの)、アスベスト繊維、ガラス繊維、ジルコニアシリカ及び結晶性アルミナホイスカーを含む約10〜50重量%の無機繊維材料と、天然ゴム格子、スチレンブタジエン格子、ブタジエンアクリロニトリル格子、アクリレートまたはメタクリレートポリマー及びコポリマーの格子等を含む約3〜25重量%の結合剤と、膨張したひる石、中空ガラス微小球及びベントナイトを含む約40重量%までの無機充填剤と、から構成される。有用なシート材料の例として、米国特許第5,523,059号(Langer)に記載のものも挙げられる。
【0037】
更に、発泡性シート材料の例として、米国特許第3,916,057号(Hatch et al.;特許文献4)、第4,305,992号(Langer et al.;特許文献5)、第4,385,135号(Langer et al.;特許文献6)、第5,245,410号(Langer et al.)、第4,865,818号(Merry et al.;特許文献14)、第5,151,253号(Merry et al.)及び第5,290,522号(Rogers et al.)に記載のものが挙げられる。有用な市販の発泡性シート及びマットの例として、ミネソタ州セントポールのミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社が、INTERAM(商標)の商品名で販売のものが挙げられる。装着マットは一般に厚さ0.5〜10mmの範囲である。更に、有用な発泡性装着材料の例として、米国特許出願第08/496,945号(Merry)に記載されたもの等の発泡性ペーストが挙げられる。
【0038】
有機結合剤の例として、上述の天然ゴム格子、スチレンブタジエン格子、ブタジエンアクリロニトリル格子、アクリレート及びメタクリレートポリマー及びコポリマーの格子が挙げられる。
【0039】
無機充填剤の例として、膨張したひる石、中空ガラス微小球及びベントナイトが挙げられる。無機充填剤は膨張したひる石であることが好ましい。
【0040】
非発泡性のインサート28を形成するのに有用な本質的にショットフリーのセラミック繊維の例として、アルミナボリアシリカ繊維、アルミナシリカ繊維、アルミナ五酸化燐繊維、ジルコニアシリカ繊維、ジルコニアアルミナ繊維及びアルミナ繊維が挙げられる。有用な市販の繊維として、ユニフラックス社がFIBERMAXという商品名で販売のもの、ICIケミカルズアンドポリマーズが販売のSAFFIL LD、Denkaが販売のALCESアルミナ繊維及び三菱が販売のMAFTECH繊維が挙げられる。
【0041】
繊維は一般に当業界で公知の方法を使用してブローイングまたはスピニングによって形成される。繊維は、ゾルゲル溶液をスピニングすることによって形成されることが好ましい。繊維は、不織布業界で行われているように、繊維材料を収集スクリーンにブローイングすることを含む様々な公知の方法によってマットに形成される。好適な非発泡性材料は多結晶アルミナ繊維であり、ICIケミカルズアンドポリマーズからSAFFILの商品名で市販されている。この繊維は耐薬品性があり、選択された用途では1600℃まで使用することができる。これは、ラメラ形態のマットになる繊維の主に二次元の不規則な向きからなる低密度マット形態で製造される。マットは本質的にショットがなく均一な繊維構造を備える。
【0042】
低密度のラメラ性質により、汚染制御装置を取り扱い組み立てる間の離層を防止する手段を導入することが必要になる。すなわち、アルミナ繊維製の低密度マットは、取り扱い及び組み立て中に物理的に抑止されるか圧縮されることが好ましい。(本明細書で使用されるように、「ショットフリーの」及び「本質的にショットフリーの」という用語は、少なくとも95%ショットがなく、好ましくは99%ショットがない繊維マットを称する。)約0.10〜0.60g/cm3の装着密度に圧縮されると、立方体のこれらの材料は、厚さの減少を繰り返し経験するという独特の能力を有し、一方高温ばねは冷却すると、実質的に元の厚さに戻り、従って触媒モノリス20にかなりの保持力をかける。
【0043】
非発泡性のインサート28に好適な繊維材料は一般に0.020〜0.060g/cmの密度範囲のものが利用可能であるため、触媒モノリス20を装着するのに使用するときには、約10倍で圧縮しなければならない。非発泡性のインサート材料のマットは、触媒コンバーター10の組立中に材料の取り扱いを容易にする圧縮状態で一般に圧縮され保持される。インサート28は様々な方法で物理的に圧縮することができ、樹脂結合、ステッチボンディング、またはニードルパンチまたは真空パッキングの使用を含む。
【0044】
樹脂結合は非発泡性材料を、高温排気ガスの存在下で燃えつきインサート28の材料を使用の間に膨張させる有機結合材で飽和することによって達成される。ショットフリーの繊維の低密度及び嵩の高い性質、及び所望の装着密度を得るために通常約10倍で圧縮されなければならないという事実のため、これらの材料を有機糸で縫うかステッチボンドするかして、使用における最終厚さにより近い圧縮マットを形成することが有用であることもわかった。繊維マットの両面に裏打ち層として非常に薄いシート材料を加えて、ステッチが繊維マットを切断するかまたはマットを通るのを防ぐことが有用なこともある。ステッチの間隔あけは通常3〜30mmであるため、繊維はマットの領域全体にわたって均一に圧縮される。有機材料は高温排気ガスにさらされると燃えつき、圧縮されたマットを膨張させる。
【0045】
ショットフリーのセラミック繊維もニードルパンチによって圧縮することができる。セラミック繊維自体は比較的脆く、効果的にニードルパンチするのに十分な可撓性はない。セラミック繊維マットを効果的にニードルパンチするために、マットは最初に、ポリプロピレン繊維またはポリエステル繊維等の、一般に長さ約5〜10cmの長い可撓性のあるポリマー繊維を上にかぶせる。ナイロンファブリックまたは不織布等のポリマースクリムはマットの下に置く。マットは、数多くの孔をプラテン内に有する上プラテンと下プラテンとの間で圧縮される。多くの小さな有刺針を有する穴のあいたニードルが針を穴に押す。針がセラミック繊維を貫通すると、有刺がマットの上部にあるポリマー繊維をスクリムを通って引いて、ポリマー繊維はスクリムとからみ合い、マットを物理的に抑止する。有機繊維及びスクリムは使用中に高温にさらされると燃えつき、セラミック繊維を膨張させる。
【0046】
繊維マットは、繊維マットを気密袋内に入れて、袋から空気を排出して、袋を封止することによって抑止することができる。大気圧は、汚染制御装置が使用温度(300℃を超える)へ加熱されるときに袋が破裂するか燃えつきるまで、圧縮状態でマットを抑止する。
【0047】
非発泡性のインサート28は2つの重要な機能を提供する。インサート28は、発泡性マット26に比較して優秀な腐食耐性を有する。インサート28を、そうでなければ高温排気ガスにさらされることになる発泡性材料の側縁に沿って位置決めすることによって、インサート28は発泡性マット26を排気ガスから断絶する作用をし、それによって発泡性マット26の腐食を防止する。縁保護材料の使用は公知であるが、先行技術は、極めて温度の高い状況下でまたはハウジングの変形が起こるときに、膨張して圧縮しモノリス20とハウジング12との間の間隙の幅の変化に適応することのできる縁保護システムは含んでいない。先行技術の縁保護機構は、米国特許第5,008,086号(Merry)に記載されたような発泡性マットの縁の周りをくるんだステンレス鋼ワイヤスクリーン、及び米国特許第4,156,333号(Close et al.)に記載されたようなブレードまたはロープ状セラミック(すなわち、ガラス、結晶質セラミックまたはガラスセラミック)繊維ブレードまたは金属ワイヤの使用を含む。縁保護はヨーロッパ特許公開第639701A1号(Howorth et al)、ヨーロッパ特許公開第639702A1号(Howorth et al)及びヨーロッパ特許公開第639700A1号(Stroome et al.)に記載のガラス粒子を有する組成物から形成することもできる。
【0048】
インサート28はモノリス20とハウジング12との間の封止としても作用する。インサート28に使用される好適な非発泡性材料の可撓性及び弾性を有した性質は、汚染制御装置が高温と低温との間を循環するときに、モノリス20とハウジング12との間の間隙が連続して封止されて排気ガスがモノリス20をバイパスすることを防ぐことを確実にする。このようにして、汚染制御装置の有効性は維持され、排気ガス漏れによる発泡性マット26の腐食も回避することができる。
【0049】
本発明の目的及び利点は、下記の例によって更に例示されるが、この例の特定の材料及び量は本発明を不当に限定するものと理解すべきではない。すべての部及びパーセンテージは別途記載のないかぎり重量%である。
【0050】
例1
発泡性マット材料(ミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社が販売のINTERAM(商標)タイプ100マット、3100gsm(1平方メートル当たりのグラム))の層の6.2cm×30cmの長さを、図5Aに示したように切断した。樹脂結合セラミック繊維マット(ICIケミカルズアンドポリマーズ社が販売のSAFFIL(商標)化学結合マット1200gsm)のストリップを1.27cm×9cmの寸法に切断して、発泡性マットの間隙切れ目に置いた。繊維マットストリップはプラスチック包装テープで適所に保持され、ハイブリッド装着マットを形成した。ハイブリッド装着マットは、170mm×80mm×76mm長の卵形セラミックモノリス(コーニング製)の周りをくるんだ。第2のモノリスは同様にして、前述のものと同一のハイブリッド装着マットでくるまれた。くるまれたモノリスは、二重キャビティステンレス鋼触媒コンバーターハウジング内に装着された。装着マットの装着密度は、発泡性マットでは0.7g/cc(1立方センチメートル当たりのグラム)、繊維ストリップでは0.27g/ccに決定された。次いで、ハイブリッド装着マットを含む触媒コンバーターが、3000rpm/220ft lbでガソリンエンジン(フォードモーター社7.5リットル排気量V−8ガソリン内燃機関)に取り付けられた。触媒コンバーターは100時間の間に900℃の入口ガス温度を受けた。
【0051】
テストの後、触媒コンバーターアセンブリは分解して検査された。ハイブリッド装着マットの装着材料に何ら腐食は見られなかった。更に、繊維マットストリップ上のハウジングの幅部分に沿って変色はなかった。変色の存在は、高温排気ガスが装着マットと金属ハウジングとの間を通ったことを示す。変色がなければ、アセンブリは十分に封止されており、排気ガスがハイブリッドマット装着材料を通って流れるのを防いだことを示す。
【0052】
例2
この例でテストされた装着マットは例1と同様に準備されテストされたが、例1で使用されたハイブリッド装着マットの代わりに受け入れ可能な市販の発泡性マット材料を使用したことが異なる。テストの後、装着マットの検査により、装着マット材料はエンジン排気ガスによって腐食されたことが明らかになった。最大腐食距離、すなわち腐食された装着マットの部分は、装着マットの縁内に23mm延在した。ハウジングにかなりの量の変色も認められた。
【0053】
テストした装着マットの性能の比較により、例2の非ハイブリッド装着マットの性能に対して、例1のハイブリッド装着マットの性能は大幅に改良されていることを示す。ハイブリッド装着マットは排気ガスにさらされたときに腐食に耐え、モノリスとハウジングとの間により良好な封止を提供した(例1のハウジングには変色がないことを証拠として)。明らかに、ハイブリッド装着マット(例1)の性能は、繊維マットインサートを使用しない装着マット(例2)の性能よりも優秀である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の装着システムを示す触媒コンバーターの分解斜視図である。
【図2】図1の触媒コンバーターの図であり、モノリスから剥離された本発明の装着システムを示す。
【図3A】発泡性材料から構成される先行技術の結合システムを示す。
【図3B】モノリスの周りに配列された図3Aの装着システムの断面図である。
【図4A】本発明の装着システムの好適な実施形態を示す。
【図4B】モノリスの周りに配列された図4Aの装着システムの断面図である。
【図4C】図4Aの装着システムの修正例を示す。
【図5A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図5B】モノリスの周りに配列された図5Aの装着システムの断面図である。
【図6A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図6B】モノリスの周りに配列された図6Aの装着システムの断面図である。
【図7A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図7B】モノリスの周りに配列された図7Aの装着システムの断面図である。
【図8A】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図8B】モノリスの周りに配列された図8Aの装着システムの断面図である。
【図9】二重モノリスを有する触媒コンバーターの別の実施形態を示す。
【図10】本発明の装着システムの別の実施形態を示す。
【図11】本発明の装着システムの更に別の実施形態を示す。
【符号の説明】
【0055】
10、10A 触媒コンバーター
12 ハウジング
20 モノリス
24 ハイブリッド装着システム
26、44 マット(発泡性シート材料)
28 インサート
32 側縁
34 横縁
42 金属ストリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、
少なくとも1つの横縁を有する発泡性シート材料層と、
セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、
前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記少なくとも1つの横縁に沿って配置されること、
を特徴とする装着マット。
【請求項2】
前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記横縁の全体に沿って延長される、請求項1に記載の装着マット。
【請求項3】
汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、
縁を有する少なくとも1つの発泡性シート材料層と、
セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、
前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記縁から延長されるように配置され、該インサートを、装着マットの圧縮によって生じる過剰な圧力の下で最も変形しやすい前記ハウジングの一部分に沿って配置した状態で、該装着マットを前記間隙に配置できるようになっていること、
を特徴とする装着マット。
【請求項4】
複数の前記発泡性シート材料層と複数の前記インサートとが1つずつ交互に配置される、請求項3に記載の装着マット。
【請求項5】
前記インサートは、本質的にショットフリーのセラミック繊維から形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装着マット。
【請求項6】
前記インサートは、前記汚染制御装置が高温と低温とに繰り返しさらされる間に、前記発泡性シート材料層から独立して、前記汚染制御要素と前記ハウジングとの前記間隙の変動に適応できるようになっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装着マット。
【請求項7】
ハウジングと、該ハウジングの内部に配置される少なくとも1つの汚染制御要素と、該ハウジングと該少なくとも1つの汚染制御要素との間隙に配置されて、該少なくとも1つの汚染制御要素を装置内部で位置決めする装着マットとを具備する汚染制御装置において、
前記装着マットが、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装着マットからなることを特徴とする汚染制御装置。
【請求項8】
排気ガスの侵入口を備え、前記装着マットは、侵入する該排気ガスにさらされる横縁を有する、請求項7に記載の汚染制御装置。
【請求項9】
ハウジングと、該ハウジングの内部に配置される第1及び第2の汚染制御要素と、該第1及び第2の汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットシステムとを具備する汚染制御装置において、
前記装着マットシステムは、
第1の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第1の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第1の装着マットと、
前記第1の横縁に対向する第2の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第2の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第2の装着マットと、
前記第1の装着マットと前記第2の装着マットとの間に配置される金属ストリップと、
弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成され、前記金属ストリップに沿って配置されるとともに、前記第1の装着マットの前記第1の横縁と前記第2の装着マットの前記第2の横縁との間に配置されるインサートとを具備すること、
を特徴とする汚染制御装置。
【請求項1】
汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、
少なくとも1つの横縁を有する発泡性シート材料層と、
セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、
前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記少なくとも1つの横縁に沿って配置されること、
を特徴とする装着マット。
【請求項2】
前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記横縁の全体に沿って延長される、請求項1に記載の装着マット。
【請求項3】
汚染制御装置が有する汚染制御要素とハウジングとの間隙に配置されて、該汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットにおいて、
縁を有する少なくとも1つの発泡性シート材料層と、
セラミック繊維を含む弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成される少なくとも1つのインサートとを具備し、
前記インサートは、前記発泡性シート材料層の前記縁から延長されるように配置され、該インサートを、装着マットの圧縮によって生じる過剰な圧力の下で最も変形しやすい前記ハウジングの一部分に沿って配置した状態で、該装着マットを前記間隙に配置できるようになっていること、
を特徴とする装着マット。
【請求項4】
複数の前記発泡性シート材料層と複数の前記インサートとが1つずつ交互に配置される、請求項3に記載の装着マット。
【請求項5】
前記インサートは、本質的にショットフリーのセラミック繊維から形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装着マット。
【請求項6】
前記インサートは、前記汚染制御装置が高温と低温とに繰り返しさらされる間に、前記発泡性シート材料層から独立して、前記汚染制御要素と前記ハウジングとの前記間隙の変動に適応できるようになっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装着マット。
【請求項7】
ハウジングと、該ハウジングの内部に配置される少なくとも1つの汚染制御要素と、該ハウジングと該少なくとも1つの汚染制御要素との間隙に配置されて、該少なくとも1つの汚染制御要素を装置内部で位置決めする装着マットとを具備する汚染制御装置において、
前記装着マットが、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装着マットからなることを特徴とする汚染制御装置。
【請求項8】
排気ガスの侵入口を備え、前記装着マットは、侵入する該排気ガスにさらされる横縁を有する、請求項7に記載の汚染制御装置。
【請求項9】
ハウジングと、該ハウジングの内部に配置される第1及び第2の汚染制御要素と、該第1及び第2の汚染制御要素を該ハウジングの内部に固定する装着マットシステムとを具備する汚染制御装置において、
前記装着マットシステムは、
第1の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第1の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第1の装着マットと、
前記第1の横縁に対向する第2の横縁を有する少なくとも1つの発泡性材料層を備えて、前記第2の汚染制御要素と前記ハウジングとの間に配置される第2の装着マットと、
前記第1の装着マットと前記第2の装着マットとの間に配置される金属ストリップと、
弾性及び可撓性を有した非発泡性繊維材料から形成され、前記金属ストリップに沿って配置されるとともに、前記第1の装着マットの前記第1の横縁と前記第2の装着マットの前記第2の横縁との間に配置されるインサートとを具備すること、
を特徴とする汚染制御装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−261339(P2008−261339A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113119(P2008−113119)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【分割の表示】特願平10−502941の分割
【原出願日】平成9年4月28日(1997.4.28)
【出願人】(590000422)スリーエム カンパニー (144)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【分割の表示】特願平10−502941の分割
【原出願日】平成9年4月28日(1997.4.28)
【出願人】(590000422)スリーエム カンパニー (144)
【Fターム(参考)】
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