説明

装置用カバーを作製する方法およびシステム

いくつかの記述される実施形態は、装置用カバーを作製する方法に関する。この方法は、当該装置の装置選択と当該装置に付加すべき装飾カバーのカバー選択とを含む選択入力をコンピュータ化されたインタフェースにおいて受信することと、選択入力に基づいて製品注文を作成することと、裁断装置にシートを供給することとを含み、シートの装飾的外観はカバー選択に対応しており、シートは装飾的外観が印刷され接着剤を裏付けした可撓性の基層と裏当て層とを有しており、装置に接着付加される装飾カバーを形成するため基層の少なくとも一部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となるように、製品注文に基づいて裁断装置に基層を裁断させることを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記述される実施形態は、装置用カバーを作製する方法およびシステムに関する。また記述される実施形態は、このシステムを備える小売施設に関する。カバーは装飾用かつ/または保護用のものでもよい。
【背景技術】
【0002】
携帯電話および/音楽プレーヤ装置などの携帯用装置は最近、広く普及している。そのような装置は相対的に見て視覚的に特徴がないことが多い。
【0003】
電子装置の外観を装飾または他の方式で視覚的に向上ないし目立たせるための、市場で入手可能な製品がある。そのような製品は一般にあらかじめ組立て、包装されており、視覚的に特徴ある外観を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような製品の売主や供給業者は、デザインが不人気の場合、または装置の物理的特性が変化して(あるいは装置が製造中止になって)装飾用製品が意図された用途に適さなくなった場合、大量の売れ残り在庫を抱えることがありうる。
【0005】
そこで、装置用装飾カバーを作製する既存の技法に関係する1以上の欠点に対し、対処ないし改良を行なうか、少なくとも有用な代替策を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態は、装置用装飾カバーを作製する方法に関するものである。この方法は、当該装置の装置選択と当該装置に付加すべき装飾カバーのカバー選択とを含む選択入力をコンピュータ化されたインタフェースにおいて受信することを含むものである。この方法はさらに、選択入力に基づいて製品注文を作成することを含む。この方法はさらに、裁断装置にシートを供給することを含み、このシートの装飾的外観はカバー選択に対応しており、シートは装飾的外観が印刷され接着剤を裏付けした可撓性の基層と裏当て層とを有する。この方法はさらに、当該装置に接着付加される装飾カバーを形成するため基層の少なくとも一部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となるように、製品注文に基づいて裁断装置に基層を裁断させることを含んでいる。
【0007】
基層上の接着剤は、装置に付加してから除去しても装置上に事実上残留物が残らないように選択してもよい。
【0008】
上記の供給は、基層を含むある長さの材料の第1の面に装飾的外観を印刷することと、前面に透明な自己接着層を付加することと、上記長さの材料を裁断してシートを供給することとを含んでもよい。上記裁断により複数のシートを供給してもよい。この方法はさらに、印刷前に第1の面にプライマを塗布することを含む。
【0009】
上記印刷は、上記長さの材料から裁断すべきシートごとに、上記長さの材料上に識別標識を印刷することを含んでもよく、上記裁断は、各シートが識別標識をその上に有するように上記長さの材料を裁断することを含んでもよい。識別標識はカバー選択に対応していてもよい。
【0010】
上記作成は、製品注文に基づいて物理的媒体上に製品仕様書を印刷することを含んでもよい。上記印刷は、物理的媒体上に機械可読コードと少なくとも1つの人間が読取り可能なコードとを印刷することを含んでもよい。機械可読コードは、シートを識別してシートの販売を処理するため製品販売システムにより使用可能であってもよい。上記少なくとも1つの人間が読取り可能なコードは、裁断装置によって裁断すべきシートの人間による識別を可能にするためのシート識別子を含んでもよい。上記少なくとも1つの人間が読取り可能なコードおよび機械可読コードの1つ以上はジョブ識別子を含んでもよく、上記裁断装置は、ジョブ識別子に基づいて基層を裁断するように構成してもよい。
【0011】
上記作成は、基層のある部分を裁断するためのジョブ識別子および裁断パターンを含む製品注文ファイルを、裁断装置がアクセス可能なメモリ内に記憶させることを含んでもよい。上記裁断装置に裁断させることは、裁断装置にジョブ識別子を供給することと、供給されたジョブ識別子と記憶されたジョブ識別子との照合に基づいてメモリから製品注文ファイルを検索することとを含んでもよい。
【0012】
この方法はさらに、コンピュータ化されたインタフェースにおいて複数の装置表示を提示することと、装置表示の1つの選択に応答して装置選択を決定することとを含んでもよい。この方法はさらに、コンピュータ化されたインタフェースにおいて複数の装飾イメージを提示することと、装飾イメージの1つの選択に応答してカバー選択を決定することとを含んでもよい。
【0013】
この方法はさらに、選択された装置の表示に付加された装飾イメージの1つを含むプレビューイメージを表示することを含んでもよい。プレビューイメージは、基層の分離可能部分に対応する装飾イメージ部分を含んでもよく、装飾イメージ部分は、装置に対する装飾カバーの付加を視覚的にシミュレートするように、選択された装置の表示に関連して配置される。
【0014】
上記受信および作成は、小売施設内の、顧客がアクセス可能なコンピュータ化されたキオスクで行なってもよく、上記供給および、上記裁断装置に裁断させることは、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない1以上の場所で行なってもよい。
【0015】
代替的に、この方法は、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない1以上の場所で実施される。代替的に、上記受信および作成は、上記供給および上記裁断装置に裁断させることが行なわれる小売施設から離れたクライアントシステムと通信するサーバシステムにより行なってもよい。
【0016】
他の実施形態は、装置用装飾カバーを作製するシステムに関するものである。このシステムは、当該装置の装置選択と当該装置に付加すべき装飾カバーのカバー選択とを含む選択入力の受信を可能にするように構成されたコンピュータ化されたインタフェースを備えており、コンピュータ化されたインタフェースはさらに、選択入力に基づいて製品注文を作成するように構成される。このシステムはさらに、複数のシートを含み、各シートは装飾的外観を有しており、少なくとも1枚のシートの装飾的外観はカバー選択に対応しており、各シートは装飾的外観が印刷され接着剤を裏付けした可撓性の基層と裏当て層とを有する。このシステムはさらに、当該装置に接着付加される装飾カバーを形成するため基層の少なくとも一部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となるように、製品注文に基づいてシートの選択された1つの基層を裁断するように構成された裁断装置を備える。
【0017】
複数のシートは各々、装飾的外観が印刷されたシートの面を覆う透明な自己接着層を有してもよい。各シートには、識別標識を印刷してもよい。
【0018】
システムはさらに、製品注文に基づいて物理的媒体上に製品仕様書を印刷するための、コンピュータ化されたインタフェースに動作可能に接続されたプリンタを備えてもよい。製品仕様書は機械可読コードと、少なくとも1つの人間が読取り可能なコードとを含んでもよい。機械可読コードは、シートを識別してシートの販売を処理するため製品販売システムにより使用可能であってもよい。上記少なくとも1つの人間が読取り可能なコードは、裁断装置によって裁断すべきシートの人間による識別を可能にするためのシート識別子を含んでもよい。上記少なくとも1つの人間が読取り可能なコードおよび機械可読コードの1つはジョブ識別子を含んでもよく、上記裁断装置は、ジョブ識別子に基づいて基層を裁断するように構成してもよい。
【0019】
コンピュータ化されたインタフェースは、裁断装置がアクセス可能なメモリ内に各製品注文に関する製品注文ファイルを記憶させるように構成してもよく、この製品注文ファイルは、基層の上記部分を裁断するためのジョブ識別子および裁断パターンを含んでいる。裁断装置は、裁断装置に対するジョブ識別子の入力に応答して製品注文ファイル内のジョブ識別子に基づき、シートの裁断パターンを検索するように構成してもよい。
【0020】
コンピュータ化されたインタフェースは、複数の装置表示を提示して、装置表示の中からの装置選択の受信を可能とするように構成してもよい。コンピュータ化されたインタフェースは、複数の装飾イメージを提示して、装飾イメージの中からのカバー選択の受信を可能とするように構成してもよい。コンピュータ化されたインタフェースは、選択された装置の表示に付加された装飾イメージの1つを含むプレビューイメージを表示するように構成してもよい。プレビューイメージは、基層の分離可能部分に対応する装飾イメージ部分を含んでもよく、装飾イメージ部分は、装置に対する装飾カバーの付加を視覚的にシミュレートするように、選択された装置の表示に関連して配置される。
【0021】
コンピュータ化されたインタフェースは、小売施設内の、顧客がアクセス可能なキオスク内に構成してもよく、裁断装置は、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない場所に配置してもよい。代替的に、コンピュータ化されたインタフェースおよび裁断装置を、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない領域に配置してもよい。代替的に、コンピュータ化されたインタフェースを、複数のシートおよび裁断装置が配置された小売施設から離して配置してもよく、このコンピュータ化されたインタフェースは、裁断装置が製品注文にアクセスできるようにサーバシステムと通信するものである。
【0022】
他の実施形態は、上記システムのいずれかを備える小売施設に関する。
【0023】
さらなる実施形態は、少なくとも1つの処理装置により実行されると少なくとも1つの処理装置に本明細書で記述される方法のいずれかを実施させるプログラムコードを記憶するコンピュータ可読記憶装置に関する。
【0024】
さらなる実施形態は、本明細書で記述される方法のいずれかにより作製される、装置用装飾カバーに関する。
【0025】
他の実施形態は、装置用装飾カバーを作製する方法に関する。この方法は、当該装置の装置選択と、当該装置に付加すべき保護カバーのカバー選択とを含む選択入力をコンピュータ化されたインタフェースにおいて受信することを含む。この方法はさらに、選択入力に基づいて製品注文を作成することを含む。この方法はさらに、裁断装置にシートを供給することを含み、このシートはカバー選択に対応するとともに、接着剤を裏付けした可撓性の保護基層と裏当て層とを有する。この方法はさらに、当該装置に接着付加される保護カバーを形成するため基層の少なくとも一部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となるように、製品注文に基づいて裁断装置に基層を裁断させることを含む。
【0026】
保護カバーは、装置のディスプレイスクリーンを保護するための透明スクリーン保護具であってもよい。
【0027】
基層上の接着剤は、装置に付加してから除去しても装置上に事実上残留物が残らないように選択してもよい。
【0028】
他の実施形態は、装置用装飾カバーを作製する上記方法のいずれかを実施するように構成された構成要素を有するシステムに関する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、装置用装飾カバーを作製する既存の技法に関係する1以上の欠点に対し、対処ないし改良を行なうことができる有用な代替策を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、装置用装飾カバーを作製するシステムのブロック図である。
【図2】図2は、装置用装飾カバーを作製する別のシステムのブロック図である。
【図3】図3は、装置用装飾カバーを作製するさらに別のシステムのブロック図である。
【図4】図4は、装飾カバーを作製するシステムのいくつかの実施形態とともに使用可能なコンピュータ化されたキオスクの概略図である。
【図5】図5は、上記システムのソフトウェアコンポーネントを示すブロック図である。
【図6】図6Aおよび6Bは、装置用装飾カバーを作製する方法のフローチャートである。
【図7】図7は、製品仕様書の概略図である。
【図8】図8は装置用装飾カバーを作製する方法のフローチャートである。
【図9】図9は、装飾カバーの作製に使用されるシート材料の概略図である。
【図10】図10は、シート材料の横断面図である。
【図11】図11は、装飾カバーを作製する方法に従って裁断されたシートの概略図である。
【図12】図12は、例示的装飾カバーを付加した例示的装置の正面図である。
【図13】図13は、図12の装置の背面図である。
【図14】図14は、システムのコンピュータ化されたインタフェースのディスプレイのスクリーン画面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実施形態を、附属図面を参照し例を挙げてさらに詳細に説明する。
記述される実施形態は、携帯電子装置、ラップトップ/携帯コンピュータ、デジタル個人用音楽プレーヤ(例えばアップル(Apple)の「アイポッド(iPod)」などのMP3プレーヤ)、移動/携帯電話(リサーチ・イン・モーション(Research In Motion)の「ブラックベリー(Blackberry)」などの携帯情報端末(mobile Personal Digital Assistant)を含む)、コードレス電話、カップ(例えばコーヒーマグ、ティーカップまたは水飲みカップ)、受け皿、ポケット計算機、録音装置(例えばディクタフォン)、ビデオゲームコンソール(例えばマイクロソフト(Microsoft)の「エックスボックス(X−Box)」やソニー(Sony)の「プレイステーション(PlayStation)」)、楽器(例えばギター、携帯用マイク、フルート、トランペット、トロンボーン、チューバ、電子キーボード、ピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロ、バスーン、クラリネット、オーボエなど)、事務用文房具(例えばホッチキス、穿孔機、卓上電話、時計、デジタルメモリスティックなど)または中型ないし小型の装置などの装置用の装飾カバーを作製する方法およびシステムに関する。
【0032】
また記述される実施形態は、そのような方法で作製される装飾カバーに関する。さらなる実施形態は、このシステムを備える小売施設に関する。そのような実施形態において、システムは、小売施設の顧客がアクセス可能な領域に部分的に配置され、小売施設の顧客がアクセス不可能な(制限された)領域に部分的に配置された分割システムを備えてもよい。別の実施形態では、顧客にはアクセス不可能な小売施設の領域にシステムが配置されていてもよい。さらに別の実施形態では、システムの一部分を小売施設から離して配置してもよい。
【0033】
装置用装飾カバーを作製する分割システム100は、図1に示すように、顧客アクセス可能領域112と制限領域114とに分割された小売施設110を有する。顧客アクセス可能領域112は、装置の注文品あるいは専用の装飾カバーを注文、指定あるいは選択するため顧客により利用可能な顧客アクセス可能コンピュータ化キオスク120を含む。キオスク120は、装飾カバーをどの装置に使用するかを選択するための装置選択と、装飾カバーに関して望ましいパターンまたは装飾を定義するカバー選択とを含む選択入力を顧客が行なうことができるタッチスクリーン126上のインタフェースを表示させるように、コンピュータメモリ124と相互作用するプロセッサ122を備える。タッチスクリーンの代わりに、他の適切なコンピュータ周辺装置を用いて同じユーザインタフェース機能を達成してもよい。
【0034】
キオスク120は、選択入力に基づいて製品注文を作成し、メモリ124内に製品注文ファイルを生成する。キオスク120は、レシートプリンタ128を用いて、1枚の用紙などの物理的媒体上の明細書420などの製品仕様書を顧客に提供する。製品注文に基づく製品仕様書は、機械可読コードと少なくとも1つの人間が読取り可能なコードとを含んでいる。機械可読コードは、シートを識別してシートの販売を処理するため製品販売システム145により使用されるものである。人間が読取り可能なコードは、裁断装置によって裁断すべきシートの人間による識別を可能にするためのシート識別子を含んでいる。人間が読取り可能なコードおよび/または機械可読コードは、シートの基層を裁断するように裁断装置130を構成するため用いられるジョブ識別子を含んでいる。
【0035】
裁断装置130は、グラフテック社(Graphtec Corp.)(URL: http://www.graphteccorp.com/)の「CE5000」シリーズカッティングプロッタなどのベクトルグラフィックスビニール裁断装置であってもよい。
【0036】
キオスク120は、動作中にキオスクに電力を供給する電源に接続するための電源コード129を備える。
【0037】
キオスク120のプロセッサ122は、図1に示すように、制限領域114内の裁断装置130と通信する。顧客の注文がキオスク120により完成すると、プロセッサ122は、製品注文を表わす製品注文データを裁断装置130に送信する。裁断装置130は、装置選択データで表わされる装置選択を用いて、選択された装置に対応する「ダイラインコード(die line code)」に基づく裁断パターンを生成する。裁断パターンは、カバーを付加すべき装置の実際の物理的寸法および特性に基づき手作業または自動でデザイン可能である。裁断パターンでは、例えば選択された装置の形状、寸法、およびソケット、ボタン、マイクロホン、スピーカ、および/またはスクリーンなどのユーザインタフェース機能が考慮される。それぞれの製品注文に関して、裁断装置130は、多くの在庫シート135から選択され既に装飾があらかじめ印刷されているシートの基層内までかつ/または基層を通して裁断パターンの裁断を行なう。顧客によるカバー選択を表わすカバー選択データに基づいて適切なシートが選択される。
【0038】
在庫シート135の基層は、装置の湾曲表面に一致するように伸長および湾曲可能な、軟質ビニルなどの印刷可能な材料を含む。
【0039】
裁断装置130は、裁断パターンに基づいてシートを裁断している間、装置の装飾カバーをシートの残りから分離すること、すなわち、装置の装飾に使用される部分を使用されない部分(裏当て層、縁部の断片、またはユーザインタフェース要素のため窓部が裁断された部分など)から分離することができるようにシートの装飾層を切り抜く。裁断装置により行なわれる裁断は、装飾された基層を切り抜くか大部分を切り抜く浅いものでもよく、裏当て層を含むシートのすべての層を裁断する深いものでもよい。
【0040】
小売施設110においてサービスカウンタの後方にある場合がある制限領域114は、顧客に対する装飾カバー提供の補助を行なう店員、すなわちレジ係によって使用されるユーザインタフェース140を備えている。ユーザインタフェース140は、キオスク120のプロセッサ122から製品注文データを受信し、それにより(以下に説明するように)裁断装置130が適正な裁断パターンを識別および実現できるように、店員が顧客の注文を視認し、かつ/またはジョブ番号を入力することができる。ユーザインタフェース140が製品販売システム145、例えば販売時点情報管理(Point Of Sale(POS))システムまたは金銭登録機と通信することにより、店員と顧客とが裁断装置130により供給された装飾カバーと支払金額とを交換することが可能になる。
【0041】
裁断装置130は、顧客により選択可能な各装置に関して所定の裁断パターンにアクセスする。各所定の裁断パターンを表わすデータは、裁断装置のメモリ(図示せず)、キオスク120のメモリ124、またはキオスク120のプロセッサ122と通信するデータネットワーク150を通じて利用可能な記憶装置などのメモリ内において裁断装置によりアクセスされる。各所定の裁断パターンは、その対応する装置の寸法計測値、在庫シート135におけるビニルシートの通常の計測値、および/または在庫シート135の物理的性質(例えば伸縮性および/またはコンプライアンス)に基づいてあらかじめ決定される。
【0042】
装置用装飾カバーを作製するシステムの実施形態は、図2に示すようにプロセッサ122、メモリ124、レシートプリンタ128、裁断装置130、在庫シート135および製品販売システム145がすべて小売施設110の制限領域114内に配置されたサービスカウンタシステム200の形態であってもよい。サービスカウンタシステム200を利用するため、顧客は装置選択およびカバー選択を含む選択入力を店員に関連付け、店員はサービスシステム210、例えばキオスクまたはサービスカウンタ後方の計算装置のユーザインタフェース140を用いて製品注文データにより表わされる製品注文を作成する。
【0043】
サービスカウンタシステム200のプロセッサ122は、図2に示すように、制限領域114外部のデータネットワーク150と通信可能である。
【0044】
さらに別の実施形態において、装置用装飾カバーを作製するシステムは、図3に示すようなネットワークシステム300の形態であってもよく、このシステムにおいて、顧客は計算装置330、例えばパーソナルコンピュータを用いて選択入力を作成し、この選択入力は、公衆データネットワーク315、例えばインターネットを利用して、裁断装置130と在庫シート135とを備える小売施設110に送信される。ネットワークシステム300により、顧客は、計算装置330と通信するプリンタ335を用いて、製品仕様書および/またはレシートを印刷することができる。
【0045】
計算装置330および小売施設110は、図3に示すようにサーバシステム320と通信し、サーバシステム320は、計算装置330と小売施設110のサービスコンピュータ310との間の確実なデータ交換を図るものである。サーバシステム320はプロセッサ122とメモリ124とを備えており、クライアントサーバ構成内の計算装置上でクライアントプログラムをサポートすることにより、計算装置330の利用者にキオスク120と同様の機能を提供する。すなわちサーバシステム320がクライアントプログラムにデータを供給することにより、顧客であるユーザは計算装置で選択入力を作成することができる。サーバシステム320は選択入力に基づいて製品注文を作成し、このデータを小売施設110に送信する。
【0046】
ネットワークシステム300において、サービスコンピュータ310はネットワーク315を介して直接、あるいは(例えば人間が読取り可能なコードに対応するデータを手作業で入力するか、製品仕様書の機械可読コードを用いてデータを自動入力することにより)ユーザインタフェース140を介して製品注文データを入力するため小売施設110において提示される製品仕様書を用いて、製品注文データを受信する。例えば、顧客は上記のように、計算装置330を用いて装飾カバーのデザインおよび装置を選択し、プリンタ335を用いて、製品仕様書を含む明細書420またはレシートを印刷し、さらに裁断装置130および在庫シート135を用いて装置用装飾カバーを作製するため、小売施設110に明細書420を持ち込むことができる。
【0047】
ネットワークシステム300において、選択すべき利用可能な装飾カバーおよび装置はネットワーク315を介して計算装置330に提示される。利用可能な装飾カバーおよび装置は、既知の利用可能な装飾シートおよび装置に基づき、システムの管理者により更新される。計算装置330により提示される利用可能な選択は、ネットワーク315を介した通信により、小売施設110における利用可能な選択との整合が行なわれる。
【0048】
キオスク120の一例においては、図4に示すように、レシートプリンタ128が紙印字レシートまたは明細書420を印刷する。キオスク120は、キオスク120のハウジング最上部に取り付けられたタッチスクリーン126を備える。プロセッサ122およびメモリ124はキオスクのハウジング内に配置してもよい。キオスク120は、製品注文データを伝送するデータ通信ケーブル410により裁断装置に接続されている。
【0049】
プロセッサ122は、選択入力および製品注文データの作成中に用いるためメモリシステム502内のデータにアクセスする。メモリシステム502は、例えばキオスク120またはサービスシステム210のメモリ124内に局在配置してもよく、または例えば小売施設110内、サーバシステム320内、および/またはデータネットワーク150、315を介してアクセス可能なメモリ要素を用いて分散させてもよい。メモリシステム502は、ユーザインタフェースモジュール510を実行するためのプログラムコードを、例えばコンピュータコードの形態で含んでおり、これによりユーザインタフェース140およびタッチスクリーン126の動作が可能になる。
【0050】
メモリシステム502は、製品仕様書(機械可読コードおよび人間が読取り可能なコードを含む)および/または購入レシートのデータ入力、フォーマッティングおよび印刷のため、レシートプリンタ128および/またはプリンタ335を制御するプリンタドライバ520を実行するためのプログラムコードを含んでいる。
【0051】
メモリシステム502は、現在および以前の装置選択およびカバー選択に関する製品注文データを記憶するための製品注文記憶領域530を含んでいる。製品注文記憶領域530は、上記のように選択入力に基づきプロセッサ122から製品注文データを受信し、裁断装置に製品注文データを送信する。
【0052】
一定の実施形態において、メモリシステム502は、視覚表示フォーマット、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)フォーマットと、裁断装置130のための機械可読フォーマット、例えば装置選択データに関係するダイライン(die−line)裁断フォーマットとの間で製品注文データを変換するためのファイル変換モジュール540を含んでいる。他の実施形態は、(選択中の顧客に対する)グラフィックディスプレイと(裁断装置130のための)裁断パターンとの突合せファイルの対を、利用可能な各装置ごとに1対含んでいる。
【0053】
メモリシステム502は、顧客による選択に関して利用可能な装置に関係する裁断パターン、すなわち利用可能な装置に関係する所定の裁断パターンを記憶するためのダイライン記憶領域550を含んでいる。裁断パターンデータは裁断装置130に対応する形態、例えばベクトルグラフィックスプロッタのためのベクトルグラフィックスフォーマットである。
【0054】
メモリシステム502は、記憶されたページデータおよび/またはコードにより表わされる記憶ページ560を含んでおり、これらを用いて顧客のためのユーザインタフェースが作成される。記憶ページ560は、顧客が装置および装飾の選択中に確認するスクリーンを作成するために用いられる。記憶ページ560は、顧客による選択に関する利用可能な装置のリストを含んでいる。記憶ページ560は、顧客の選択に関して利用可能な装置を表わす装置表示を装置のイメージの形態で作成するため、プロセッサ122により用いられる。
【0055】
メモリシステム502は、利用可能な装飾の最新リストとなる、装飾パターンデータにより表わされる装飾パターン570を含む。装飾パターン570は、選択された装置が選択されたカバーによりどのような外観を呈するかに関する装飾イメージを作成するため、プロセッサ122により用いられる。装飾パターンデータは、特定の選択された装置に関する保護用スクリーンの選択を可能にするためのデータとともに記憶させてもよい。
【0056】
ダイライン記憶装置550、記憶ページ560および装飾パターン570は、ネットワーク150を介して、あるいはキオスク120、サービスシステム210またはサーバシステム320にデータ記憶媒体を挿入することにより、定期的に更新または再構成してもよい。
【0057】
装置用装飾カバーを作製するシステムは、顧客からのカスタマイズされた個人専用の入力を用いて、装置用装飾カバーを作製するプロセス600を実行する。このプロセスは、計算装置330上で実行されるクライアントプログラムとともに、キオスク120、サービスシステム210、またはサーバシステム320により実行可能である。
【0058】
装置のカスタマイズされた装飾カバーを作製するプロセス600は、図6Aに示すように、システム内の利用可能な装置の製造会社を表わす、例えばオリンパス、ソニー、リサーチ・イン・モーション(Research In Motion)、レノボ(Lenovo)、NEC、アップル・コンピュータ、ノキア(Nokia)などの利用可能な装置の製造会社の1以上のページをシステムが表示して開始される(ステップ605)。顧客が製造会社を選択したとシステムが判定する(ステップ610)と、システムは、選択された製造会社の利用可能な装置に対応する装置イメージの1以上のページを表示する(ステップ615)。ここで顧客は好適な装置のイメージを指示することにより、その装置を選択することができる。装置が選択されたとシステムが判定する(ステップ620)と、システムは、選択可能な装飾パターンの1以上のページを表示する(ステップ625)。表示された装飾パターンの1つを顧客が選択する(ステップ630)と、システムは、例えば図14に示すように、そのパターンをスクリーン上で付加した装置のプレビューイメージをその他の利用可能な装飾パターンとともに表示する(ステップ635)。
【0059】
図14における装飾された装置のプレビューイメージは「アステリクス(Asterix)」と表示された装飾に対応しており、ユーザインタフェースは、これが選択されたデザインであることを、この装飾パターン周囲のハロー(halo)または他の形態の視覚的強調を用いてデザインを目立たせることにより表示する。ここで顧客は、装置選択およびカバー選択のこの組合せを注文するように選択するか、異なる装飾パターンをクリックすることにより(例えば図14で「ビート(Beats)」と表示されたパターンをクリックすることにより)異なるパターンに戻って選択することができる。ここで顧客は、(例えば図14で「装置変更」と表示されたユーザインタフェース制御ボタンをクリックすることにより)異なる装置に戻って選択することができる。ユーザにより注文が確認されると(ステップ640)、システムは、製品注文を表わす製品注文データを生成し、これをメモリシステム502に保存する(ステップ645)。注文がステップ640で確認されない場合、システムは、ステップ625に戻って、様々な装飾パターンを仮想的に付加した装置イメージの1以上のページを再び表示する。製品注文が作成されると、システムは、レシートプリンタ128またはプリンタ335を用いて物理的媒体上に製品仕様書を印刷する(ステップ650)。
【0060】
製品仕様書は、図7に示すように、選択されたカバー(すなわち、選択された装飾パターン)を表わす人間が読取り可能な印刷されたパターンコード720を含む明細書420の形態であってもよい。明細書420は、装置選択に対応する裁断パターン、すなわちダイラインに関するジョブ番号を示す人間が読取り可能なダイラインコード730を有している。明細書420は、上記のように、小売施設110での製品仕様書の自動読取りを可能にするため、シートに関する製品識別子を含むバーコードなどの機械可読コード740の印刷表示を有している。コード740はジョブ番号を含んでもよい。
【0061】
装置用装飾カバーを作製するプロセス600では、図6Bに示すように、製品仕様書の機械可読コードが製品販売システム145またはサービスコンピュータ310により自動的に読み取られ、生成される製品注文に対応する支払処理が可能となるようになっている(ステップ655)。システムは、製品仕様書に基づき、またはネットワーク150、315を介して伝送されたデータに基づき製品注文データを受信してもよい。製品注文データが受信されると、例えば明細書420のパターンコード720に基づき、カバー選択に対応するシートが選択され、このシートが裁断装置130に供給される(ステップ660)。シートの選択および供給は、ロボット工学的な設備を用いた自動的なものであってもよく、あるいは店員、または裁断装置130を操作する販売技術者が行なってもよい。システムは、明細書420のダイラインコード730を用いるか、選択された装置に関係するダイライン記憶領域550内の裁断パターンデータに基づき、裁断装置に裁断パターンを提供する(ステップ665)。裁断装置は、システムの制御の下、裁断パターンに従ってシートを裁断する(ステップ670)。シートが裁断されると、個人専用の装飾カバーが、例えば小売施設110の顧客係により支払金額と交換に、選択された装置に関して顧客に提供される。
【0062】
在庫シート135におけるシートは、装置用装飾カバーを作製するプロセス800において作製され、これは図8に示すように、ある長さの印刷可能材料に印刷プライマを塗布することにより開始される(ステップ810)。上記長さの可撓性印刷可能材料は、接着剤を裏付けした基層と分離可能な裏当て層とを有する。
【0063】
基層上の接着剤は、例えば除去可能なアクリル接着剤であり、これは塗布後に除去しても装置上に事実上残留物が残らない。この接着剤は開放構造、すなわちハチの巣状の構造を形成するので、カバーを装置表面に押圧したままでカバーの下から空気流を通すことができ、これによりカバー下の気泡の形成が防止される。
【0064】
潜在的な装飾カバーの装飾に関連する装飾イメージは、印刷可能材料上に反復して印刷され(ステップ820)、第1の面に装飾イメージが反復した、ある長さの印刷可能材料が作製される。反復した装飾イメージは基層の第1の面に印刷される一方、第2の面は裏当て層に分離可能に接着される。基層の第1の面には装飾イメージを覆うように、片面に自己接着層を備えた透明な保護層が付加され、自己接着層が透明な保護層と装飾との間に存するようになる(ステップ830)。上記長さの材料は、均一な大きさおよび寸法の実質的に均一なシートに裁断され、在庫シート135のシートが作製される(ステップ840)。シートが作製されると、製品注文に基づく裁断のため裁断装置130に供給される(ステップ850)。裁断装置130は、シートを裏当て層まで裁断し、その結果、基層下側のアクリル接着剤層により選択された装置に接着付加される装飾層を形成するため、基層のある部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となる。
【0065】
在庫シート135の例示的シートは、図10に示すように、以下の順序で積層された以下の層を有する。
(i)透明保護層1010
(ii)自己接着層1020
(iii)装飾イメージが印刷されたプライマ層1030
(iv)基層1040
(v)基層および裏当て層を分離可能に接着させる接着層1050
(vi)非粘着裏当て層1060
(vii)補剛層1070、例えば紙または厚紙などのベースストック
【0066】
透明保護層1010および自己接着層1020は「オーバーラミネート(overlaminate)」として形成される。オーバーラミネートは例えば以下のものであってもよい。
【0067】
(i)エイブリィ・デニソン(Avery Dennison)社(URL: http://www.averygraphics.com)の「DOL1000」透明グロスキャストパーマネントオーバーラミネートなどの、最大寸法安定性約0.2mm、対ステンレス鋼極限粘着力約700N/mの50ミクロン厚透明グロスキャストビニルフィルム
(ii)エイブリィ・デニソン社(URL: http://www.averygraphics.com)の「DOL2000」透明グロス光沢オーバーラミネートなどの、最大寸法安定性約0.3mm、対ステンレス鋼極限粘着力約700N/mの80ミクロン厚透明グロスUV安定高分子光沢ビニルフィルム、または
(iii)スリーエム(3M)社(URL: http://www.scotchprint.com)の「スコッチカル(Scotchcal)8519」光沢オーバーラミネートまたは「スコッチカル8520」艶消しオーバーラミネートなどの、冷間ロール(cold roll)積層用に設計され寸法安定性が約0.4mmの2ミル(0.05ミリ)厚フィルム(または接着剤付き3ないし4ミル厚)
プライマ層1030を形成するプライマは、フレキソ、グラビア印刷、ロッドまたはロールシステムにより付加することが可能である。プライマの一例は、マイケルマン社(Michelman Inc.)(URL: http://www.michem.com)の「ディジプライム(DigiPrime)4431」プレスレディ(press ready)コーティングである。別の一例は、HP(URL: http://www.hp.com)により供給される「トパーズ(Topaz)」プライマである。
【0068】
印刷される装飾イメージは、例えば電子印刷プロセスおよびHP(URL: http://www.hp.com)の「HPエレクトロインク(ElectroInk)」インクなどの液体インクを用いて印刷される。
【0069】
基層1040はキャストビニルで形成され、接着層1050、裏当て層1060および補剛層1070を含む完成ビニル基層製品の一部分として供給される。ビニル基層製品は例えば以下を含んでもよい。
【0070】
(i)エイブリィ・デニソン社(URL: http://www.averygraphics.com)の「MPI1005EZ」易施工着脱可能キャストビニルなどの、最大寸法安定性0.2mm、伸び100%超、「グレイイージーアプライ(Grey Easy Apply)(EZ)1」リムーバブルアクリル接着剤を有する53ミクロン厚高光沢白色キャストビニル、または
(ii)スリーエム(3M)社(URL: http://www.scotchprint.com)の「コントロールタックプラス(Controltac Plus)IJ180C−10」グラフィックフィルム(「コンプライ(Comply)」性能接着剤付き)などの、残留がほとんど、あるいはまったくない迅速清潔な除去が可能な透明加圧活性型接着剤を含み、施工の容易性および気泡低減のため空気の外部への抜けが可能な接着剤内の流路を有する2ミル厚(または接着剤を含め3ないし4ミル厚)白色リムーバブルビニルフィルム
【0071】
上記長さの印刷可能材料は反復した装飾イメージが付加されると、図9に示すように、複数の印刷装飾イメージ910を有する、ある長さの印刷済み材料900を形成する。各印刷装飾イメージ910ごとに、上記長さの印刷済み材料900は、上記長さの印刷済み材料900の印刷面に識別標識920、例えば上記長さの印刷済み材料900上に印刷された印刷装飾イメージ910に関する機械可読コードまたは人間が読取り可能なコードを有する。識別標識920は、顧客による専用のカバー選択に対応する在庫シート135のビニルシートを選択するために用いられる。上記長さの印刷済み材料は裁断線931、933に沿って裁断され、図8に関して上記で説明した、装置用装飾カバーを作製する方法のステップ840における裁断のため、上記長さの印刷済み材料900が、在庫シート135のシートに対応する個々のシート935に分割される。
【0072】
装置用装飾カバーを作製するプロセス600、800において、裁断装置130は、裁断パターンに従って裁断されたシートを作製する。例えば、このシートは、図11に示すように、一例としての「アイポッド(iPod)」音楽プレーヤで使用するために裁断してもよい。裁断されたシート1135は、アイポッドの裏に接着される可視的な格子柄ないし市松模様の背面パネル74を含んでいる。背面パネル74は、アイポッドの物理的寸法に一致するような形状の、裁断パターンの一部分である裁断線72により、裁断されたシート1135の残りから分離される。裁断されたシート1135は、裁断パターンの一部分である裁断線68により、裁断されたシート1135の残りから分離される前面パネル70を含んでいる。ウィンドウパネル1182、1184は、裁断線1186、1188により画定される輪郭を有しており、これらの裁断線により前面パネル70からウィンドウパネル1182、1184を分離して、図12に示すように、ウィンドウ78、80、すなわち孔/隙間を備えた前面パネルを作製できる。ウィンドウ78、80により、装飾された装置76、例えば装飾ステッカーを備えたアイポッドのユーザインタフェース要素にアクセスが可能になる。例えば例示的アイポッドの前面パネル70および背面パネル74を含むカバーは、顧客によりカスタマイズされた個人専用の装置、例えば図12および13の装飾されたアイポッド76を装飾するような寸法を有する。
【0073】
在庫シート135におけるシートは、選択可能な装置に応じた寸法を有する。代表的な携帯電話、および大きさが同様の装置のカバーとするため、シートは例えば150mm平方の印刷装飾領域を有してもよい。例えばラップトップコンピュータなどの、より大型の装置をカバーするために使用される蓄積シート135は、かなり大きなものとなる。蓄積シート135は、シートの一辺に沿って幅が1ないし10mmの、標識付けまたは識別のための識別標識920を有するサイドバーを含んでもよい。
【0074】
蓄積シート135におけるシートは、記憶部内に記憶され、シートの大きさおよび装飾パターンに応じたグループに整理されることにより、裁断装置130に対し供給されるシートの効率的な検索が可能になる。
【0075】
いくつかの実施形態では、装飾カバーは、引っかき、小衝撃、液体浸透などの損傷から装置を保護する材料で構成される保護カバーでもある。
【0076】
いくつかの実施形態では、装飾カバーの装飾パターンは透明であり、それにより透明、すなわち透けて見えるカバーとなる。透明カバーは、例えば、携帯電話、PDA、ポータブルコンピュータ、腕時計等のスクリーンなどの装置のスクリーンを覆うような寸法を有する。透明スクリーンカバーは、保護用スクリーンカバーでもあり、スクリーンおよび場合によっては装置の周囲のケーシングを、引っかき、小衝撃、液体浸透などの損傷から保護するものである。
【0077】
上記実施形態の変更および改良は、附属図面に関連して記述された実施形態の精神を逸脱することなく、当業者にとって明白なものとなる。したがって記述された実施形態は、添付される特許請求の範囲の文脈で考慮した場合に、例示的かつ非制限的なものとして意図されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る装置用カバーを作成する方法およびシステムは、前述の装置に限らず、他の装置に適用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0079】
122:プロセッサ
124:メモリ
126:タッチスクリーン
128:レシートプリンタ
130:裁断装置
135:在庫ビニールシート
140:ユーザインターフェース
145:製品販売システム
150:ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置用装飾カバーを作製する方法において、前記装置の装置選択と前記装置に付加すべき装飾カバーのカバー選択とを含む選択入力をコンピュータ化されたインタフェースにおいて受信することと、選択入力に基づいて製品注文を作成することと、裁断装置にシートを供給することとを含み、シートの装飾的外観はカバー選択に対応しており、シートは装飾的外観が印刷され接着剤を裏付けした可撓性の基層と裏当て層とを有しており、装置に接着付加される装飾カバーを形成するため基層の少なくとも一部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となるように、製品注文に基づいて裁断装置に基層を裁断させることを含む方法。
【請求項2】
基層上の接着剤は、装置に付加してから除去しても装置上に事実上残留物が残らないように選択されることを特徴とする、請求項1の方法。
【請求項3】
シートの供給は、基層を含むある長さの材料の第1の面に装飾的外観を印刷することと、前面に透明な自己接着層を付加することと、上記長さの材料を裁断してシートを供給することとを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2の方法。
【請求項4】
裁断により複数のシートが供給されることを特徴とする、請求項3の方法。
【請求項5】
印刷前に第1の面にプライマを塗布することをさらに含む、請求項3または請求項4の方法。
【請求項6】
前記印刷が、前記長さの材料から裁断すべきシートごとに、前記長さの材料上に識別標識を印刷することを含み、前記裁断が、各シートが識別標識をその上に有するように前記長さの材料を裁断することを含むことを特徴とする、請求項3から5のいずれか1つの方法。
【請求項7】
識別標識がカバー選択に対応していることを特徴とする、請求項6の方法。
【請求項8】
前記作成が、製品注文に基づいて物理的媒体上に製品仕様書を印刷することを含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1つの方法。
【請求項9】
前記印刷が、物理的媒体上に機械可読コードと少なくとも1つの人間が読取り可能なコードとを印刷することを含むことを特徴とする、請求項8の方法。
【請求項10】
機械可読コードが、シートを識別してシートの販売を処理するため製品販売システムにより使用可能であることを特徴とする、請求項9の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの人間が読取り可能なコードが、裁断装置によって裁断すべきシートの人間による識別を可能にするためのシート識別子を含むことを特徴とする、請求項9または請求項10の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの人間が読取り可能なコードおよび機械可読コードの1つ以上がジョブ識別子を含み、裁断装置が、ジョブ識別子に基づいて基層を裁断するように構成されることを特徴とする、請求項9から11のいずれか1つの方法。
【請求項13】
前記作成が、基層のある部分を裁断するためのジョブ識別子および裁断パターンを含む製品注文ファイルを、裁断装置がアクセス可能なメモリ内に記憶させることを含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1つの方法。
【請求項14】
前記裁断装置に裁断させることが、裁断装置にジョブ識別子を供給することと、供給されたジョブ識別子と記憶されたジョブ識別子との照合に基づいてメモリから製品注文ファイルを検索することとを含むことを特徴とする、請求項13の方法。
【請求項15】
コンピュータ化されたインタフェースにおいて複数の装置表示を提示することと、装置表示の1つの選択に応答して装置選択を決定することとをさらに含む、請求項1から14のいずれか1つの方法。
【請求項16】
コンピュータ化されたインタフェースにおいて複数の装飾イメージを提示することと、装飾イメージの1つの選択に応答してカバー選択を決定することとをさらに含む、請求項1から15のいずれか1つの方法。
【請求項17】
選択された装置の表示に付加された装飾イメージの1つを含むプレビューイメージを表示することをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項18】
プレビューイメージが、基層の少なくとも1つの分離可能部分に対応する少なくとも1つの装飾イメージ部分を含み、少なくとも1つの装飾イメージ部分が、装置に対する装飾カバーの付加を視覚的にシミュレートするように、選択された装置の表示に関連して配置されることを特徴とする、請求項17の方法。
【請求項19】
前記受信および作成が、小売施設内の、顧客がアクセス可能なコンピュータ化されたキオスクで行なわれ、前記供給および、前記裁断装置に裁断させることが、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない1以上の場所で行なわれることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1つの方法。
【請求項20】
前記方法が、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない1以上の場所で実施されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1つの方法。
【請求項21】
前記受信および作成が、前記供給および前記裁断装置に裁断させることが行なわれる小売施設から離れたクライアントシステムと通信するサーバシステムにより行なわれることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1つの方法。
【請求項22】
装置用装飾カバーを作製するシステムであって、前記装置の装置選択と前記装置に付加すべき装飾カバーのカバー選択とを含む選択入力の受信を可能にするように構成され、さらに、選択入力に基づいて製品注文を作成するように構成されたコンピュータ化されたインタフェースと、複数のシートにおいて、各シートが装飾的外観を有し、少なくとも1枚のシートの装飾的外観がカバー選択に対応しており、各シートが、装飾的外観が印刷され接着剤を裏付けした可撓性の基層と裏当て層とを有することを特徴とする複数のシートと、前記装置に接着付加される装飾カバーを形成するため基層の少なくとも一部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となるように、製品注文に基づいてシートの選択された1つの基層を裁断するように構成された裁断装置とを備えるシステム。
【請求項23】
複数のシートが各々、装飾的外観が印刷されたシートの面を覆う透明な自己接着層を有することを特徴とする、請求項22のシステム。
【請求項24】
各シートに識別標識が印刷されていることを特徴とする、請求項22または請求項23のシステム。
【請求項25】
製品注文に基づいて物理的媒体上に製品仕様書を印刷するための、コンピュータ化されたインタフェースに動作可能に接続されたプリンタをさらに備える、請求項22から24のいずれか1つのシステム。
【請求項26】
製品仕様書が機械可読コードと、少なくとも1つの人間が読取り可能なコードとを含むことを特徴とする、請求項25のシステム。
【請求項27】
機械可読コードが、シートを識別してシートの販売を処理するため製品販売システムにより使用可能であることを特徴とする、請求項26のシステム。
【請求項28】
少なくとも1つの人間が読取り可能なコードは、裁断装置によって裁断すべきシートの人間による識別を可能にするためのシート識別子を含むことを特徴とする、請求項26または請求項27のシステム。
【請求項29】
少なくとも1つの人間が読取り可能なコードおよび機械可読コードの1つがジョブ識別子を含み、裁断装置が、ジョブ識別子に基づいて基層を裁断するように構成されることを特徴とする、請求項26から28のいずれか1つのシステム。
【請求項30】
コンピュータ化されたインタフェースが、裁断装置がアクセス可能なメモリ内に各製品注文に関する製品注文ファイルを記憶させるように構成され、製品注文ファイルが、基層の前記部分を裁断するためのジョブ識別子および裁断パターンを含むことを特徴とする、請求項22から29のいずれか1つのシステム。
【請求項31】
裁断装置が、裁断装置に対するジョブ識別子の入力に応答して製品注文ファイル内のジョブ識別子に基づき、シートの裁断パターンを検索するように構成されることを特徴とする、請求項30のシステム。
【請求項32】
コンピュータ化されたインタフェースが、複数の装置表示を提示して、装置表示の中からの装置選択の受信を可能とするように構成されることを特徴とする、請求項22から31のいずれか1つのシステム。
【請求項33】
コンピュータ化されたインタフェースが、複数の装飾イメージを提示して、装飾イメージの中からのカバー選択の受信を可能とするように構成されることを特徴とする、請求項22から32のいずれか1つのシステム。
【請求項34】
コンピュータ化されたインタフェースが、選択された装置の表示に付加された装飾イメージの1つを含むプレビューイメージを表示するように構成されることを特徴とする、請求項33のシステム。
【請求項35】
プレビューイメージが、基層の少なくとも1つの分離可能部分に対応する少なくとも1つの装飾イメージ部分を含み、少なくとも1つの装飾イメージ部分が、装置に対する装飾カバーの付加を視覚的にシミュレートするように、選択された装置の表示に関連して配置されることを特徴とする、請求項34のシステム。
【請求項36】
コンピュータ化されたインタフェースが、小売施設内の、顧客がアクセス可能なキオスク内に構成され、裁断装置が、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない場所に配置されることを特徴とする、請求項22から35のいずれか1つのシステム。
【請求項37】
コンピュータ化されたインタフェースおよび裁断装置が、小売施設内の、顧客がアクセス可能でない領域に配置されることを特徴とする、請求項22から35のいずれか1つのシステム。
【請求項38】
コンピュータ化されたインタフェースが、複数のシートおよび裁断装置が配置された小売施設から離して配置され、コンピュータ化されたインタフェースが、裁断装置が製品注文にアクセスできるようにサーバシステムと通信することを特徴とする、請求項22から35のいずれか1つのシステム。
【請求項39】
請求項22から37のいずれか1つのシステムを備える小売施設。
【請求項40】
少なくとも1つの処理装置により実行されると、少なくとも1つの処理装置に請求項1から21のいずれか1つの方法を実施させるプログラムコードを記憶するコンピュータ可読記憶装置。
【請求項41】
請求項1から21のいずれか1つの方法により作製される、装置用装飾カバー。
【請求項42】
装置用装飾カバーを作製する方法であって、前記装置の装置選択と前記装置に付加すべき保護カバーのカバー選択とを含む選択入力をコンピュータ化されたインタフェースにおいて受信することと、選択入力に基づいて製品注文を作成することと、裁断装置にシートを供給することとを含み、シートはカバー選択に対応するとともに、接着剤を裏付けした可撓性の保護基層と裏当て層とを有しており、
前記装置に接着付加される保護カバーを形成するため基層の少なくとも一部分が基層の残りおよび裏当て層から分離可能となるように、製品注文に基づいて裁断装置に基層を裁断させることを含む方法。
【請求項43】
保護カバーが、装置のディスプレイスクリーンを保護するための透明スクリーン保護具であることを特徴とする、請求項42の方法。
【請求項44】
基層上の接着剤が、装置に付加してから除去しても装置上に事実上残留物が残らないように選択されることを特徴とする、請求項42または43のいずれか1つの方法。
【請求項45】
請求項42から44のいずれか1つの方法を実施するように構成された構成要素を有するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−532020(P2010−532020A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509630(P2010−509630)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000777
【国際公開番号】WO2008/144839
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(509331618)グラフィックス・ラベルス・プロプライエタリー・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GRAPHIX LABELS PTY LTD
【Fターム(参考)】