説明

装飾部材

【課題】ソーラーセルの発電に充分な光量を供給でき、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色が目に見えないようにすることができるとともに、装飾性に優れた、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、窓枠部材、マーク、
銘板、または機器類のマーク、銘板などのように、機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材として、または、例えば、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材を提供する。
【解決手段】機器類、装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材であって、装飾部材が、少なくとも1個の反射型偏光板を有し、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、時計、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材、または、例えば、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材であって、より詳細には、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、窓枠部材、マーク、銘板、または機器類のマーク、銘板に
用いられる装飾部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、図40、図41に示したように、腕時計300においては、表示板302の一部分には、その外周に金属製の金属リング304が用いられ、日付などを表示する窓部310には、金属製の窓枠部材312が用いられている。
また、図41に示したように、表示板302の一部の秒針などを表示する部分306には、円形状またはC字形状の金属製のCリング308が用いられている。さらに、図41、図42に示したように、表示板302の一部には、時字などの金属製の植字314が植設されている。
さらに、図43に示したように、例えば、ブレスレットなどの装身具320には、金属製の銘板322が付設されている。
【0003】
一方、ソーラーセル(太陽電池)を備えた表示板は、受光した光を透過させて、その下面側に配設したソーラーセルに発電機能を起こさせるために光透過性が要求される。このためプラスチック、セラミック、ガラス等の透光性材料が使われる。特に、プラスチックは安価であること、成形や加工などが容易であること等から非常に多く使われている。
【0004】
図37は、一般的なソーラーセルを示す平面図である。
【0005】
図37に示したように、一般的なソーラーセルは4等分に分割された4面(A1、A2、A3、A4)に設けられていて、表示板の下面に配設される。そして、表示板を透過した透過光が4面(A1、A2、A3、A4)のそれぞれに均一量入射するのが最も発電効率を高める。このため、このソーラーセルの上面側に配設される表示板は、ソーラーセルの4面(A1、A2、A3、A4)に対応する部分、すなわち、12−6時ラインと9−3時ラインで4等分割した4面がそれぞれ均一量の光を透過するよう設計することが必要とされている。
【0006】
しかしながら、表示板の下面側に配設されるソーラーセルは、独特の濃紫色を示し、さらに、4等分割したところの十字線が材質の違いなどから非常に目立って見える。このために美観的にも良い感じを与えないので、この濃紫色を和らげたり、または、見えないようにするために、従来から表示板に様々の工夫が行われてきた。
【0007】
以下、ソーラーセルを備えた表示板の従来例について図を参照して説明する。
【0008】
図38は、従来技術における表示板としてのソーラーセルを備えた時計用文字板の構造を示す部分拡大断面図、図39は従来技術における表示板の構成部品で、複数の層が積層されてなる反射型偏光体を示す概略構成図である。
【0009】
図38に示したように、従来技術におけるソーラー時計用文字板100は、基材101と、基材101の太陽電池109と対向する面側に設けられた反射型偏光体103と、基
材101と反射型偏光体103との間に配された拡散層102とから構成されていて、基材101上に時字、装飾文字、マーク等を設けた構造になっている。
【0010】
基材101は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック、ガラス等の光透過性材料からなっており、平板状の形状で厚さが300〜600μm程度のものが用いられている。また、太陽電池109の自色が透けて見えるのを防止するために、基材101上には塗装法、印刷法、湿式メッキ法、乾式メッキ法等による光透過性着色層が設けられる場合もある。この光透過性着色層は白色のものが好ましいことが開示されている。
【0011】
拡散層102は、入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成されている。拡散層102を構成する拡散剤としては、例えば、粒状・(粉末状)、鱗片状、針状等の形状のもので、シリカ、ガラス、樹脂等が用いられ、粘着性、接着性を有する材料で構成されているものが開示されている。
【0012】
反射型偏光体103は、入射した光を偏光させる機能を有し、所定方向に振動する第1の光を透過し、かつ、振動方向が第1の光の振動方向に対して垂直な第2の光を反射する機能を有するものである。
【0013】
図39に示したように、反射型偏光体103は複数の層が積層された積層体で、異なる2種の層、すなわち、偏光性フィルム層(A層)131と、偏光性フィルム層(B層)132とが交互に複数層積層された構造をなしている。
【0014】
反射型偏光体103のA層131は、例えば、ポリエチレンナフタレートで横成されたフィルムを延伸したものが用いられ、B層132は、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルで構成されたものが開示されている。
【0015】
このように従来技術における表示板としてのソーラー時計用文字板100は、光透過性の基材101、拡散層102と反射型偏光体103とを有することにより、光透過性を十分に高いものとしつつ、太陽電池109の自色が透けて見えるのを防止することができるとともに、装飾性を有することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開第WO2006/006390号公報(第5―11頁、図13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、従来技術における表示板は、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩は得られず、高級感のある外観品質を有する表示板を得ることが困難であった。特に、従来技術における表示板は、金属独特の金属感が得られず、デザインバリエーションに乏しいという問題があった。
【0017】
従って、このような従来技術における表示板の構造を、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、窓枠部材、マーク、銘板、または機器
類のマーク、銘板などのように、機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材として、または、例えば、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として用いても、金属独特の金属感が得られず、デザインバリエーションに乏しいという問題があった。
また、例えば、ソーラー駆動の腕時計の金属リング304、機器類のソーラー部を覆う装飾部材などのように、ある程度大きさの有する装飾部材として用いた場合には、ソーラーセルの十字線、区分線が透けて見えてしまい、外観品質が低下してしまうことになる。
【0018】
また、図40〜図42に示したような、金属製の金属リング304、金属製のCリング308、金属製の窓枠部材312、金属製の植字314などの金属部材を装飾部材として用いた場合には、例えば、ソーラーセル駆動の腕時計では、ソーラー駆動を阻害してしまい、また、電波時計などでは、アンテナの受信感度を低下させてしまうことになる。
【0019】
本発明は、このような現状に鑑み、ソーラー駆動の機器類、装身具に用いても、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給でき、ソーラーセルの十字線や区分線、濃紫色が目に見えないようにすることができるとともに、金属同様の金属感が得られ、装飾性に優れた、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、窓枠部
材、マーク、銘板、または機器類のマーク、銘板などのように、機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材、さらには、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、例えば、電磁波を受信するアンテナ部材を有し、金属が使えない箇所、金属が付かない箇所などにも、電磁波の受信を阻害することなく、用いることができ、金属装飾部材と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供するとともに、機器類、装身具の視認側の一部分に用いられ、デサインバリエーションの拡大を図ることができる、装飾部材を提供することを目的とする。
【0021】
さらに、本発明は、上記装飾部材を、例えば、時計、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の装飾部材として用いた機器類、装身具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の装飾部材は、
機器類、装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材であって、
前記装飾部材が、少なくとも1個の反射型偏光板を有し、
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする。
【0023】
このように反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を形成することによって、例えば、ソーラー駆動の腕時計、電卓などの機器類に用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給できるとともに、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
しかも、樹脂部材であっても金属独特の金属感を有し、さらに、凹凸状の模様を有するので、デサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0024】
従って、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時
字、窓枠部材、マーク、銘板、または機器類のマーク、銘板などのように、機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材、さらには、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として使用することができる。
【0025】
また、例えば、電磁波を受信するアンテナ部材を有し、金属が使えない箇所、金属が付かない箇所などにも、電磁波の受信を阻害することなく用いることができ、金属装飾部材と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供するとともに、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの
拡大を図ることができる。
【0026】
また、本発明の装飾部材は、
前記反射型偏光板が、表裏両面に凹凸状の模様を有し、
前記表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なることを特徴とする。
【0027】
このように構成することによって、反射型偏光板の表裏両面の凹凸状の模様が互いに異なるので、これらの異なる模様が重なって、観者に対して、奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0028】
また、本発明の装飾部材は、
前記反射型偏光板が、表裏両面の一部に凹凸状の模様を有し、
前記表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なることを特徴とする。
【0029】
このように構成することによって、反射型偏光板が、表裏両面の一部に凹凸状の模様を有し、表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なるので、観者に対して、部分的に奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0030】
また、本発明の装飾部材は、
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有することを特徴とする。
【0031】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有するので、部分的に模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0032】
また、本発明の装飾部材は、
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有することを特徴とする。
【0033】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有するので、複数の模様によって、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0034】
また、本発明の装飾部材は、前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、光透過性着色層を有することを特徴とする。
【0035】
このように構成することによって、装飾部材をカラー化することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0036】
また、本発明の装飾部材は、前記凹凸状の模様が、前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、光透過性着色層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面を有することを特徴とする。
【0037】
このように構成することによって、予め模様を形成した反射型偏光板の表面に光透過性着色層を施す場合には、この光透過性着色層によって表面が平坦になったり、模様形状が
ぼやけるなどして、鮮明な模様が得られないが、本発明のように、模様表面が、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に光透過性着色層を施した後、凹凸状の模様を形成したものであれば、模様形状がぼやけることがなく、鮮明な模様が得られ、これにより、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
さらに、このような光透過性着色層を有することで、金属素材表面に、各種メッキ処理(例えば、金メッキ、銅メッキ、銀メッキ、ロジウムメッキなど)を施したような質感を付与することができる。
【0038】
また、本発明の装飾部材は、
前記反射型偏光板が、表裏両面に光透過性着色層を有し、
前記表裏両面の光透過性着色層は互いに異なることを特徴とする。
【0039】
このように構成することによって、反射型偏光板の表裏両面の光透過性着色層が互いに異なるので、これらの異なる光透過性着色層による着色が重なって、観者に対して、奥行きのある着色部分があって、しかも、斬新な色を呈する模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0040】
また、本発明の装飾部材は、
前記反射型偏光板が、表裏両面の一部に光透過性着色層を有し、
前記表裏両面の光透過性着色層は互いに異なることを特徴とする。
【0041】
このように構成することによって、反射型偏光板が、表裏両面の一部に光透過性着色層を有し、表裏両面の光透過性着色層は互いに異なるので、観者に対して、部分的に奥行きのある着色部分があって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0042】
また、本発明の装飾部材は、前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、光透過性着色層を有することを特徴とする。
【0043】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、光透過性着色層を有するので、部分的に着色された模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0044】
また、本発明の装飾部材は、前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の光透過性着色層を有することを特徴とする。
【0045】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の光透過性着色層を有するので、複数の光透過性着色層によって、複数の色の異なった斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
さらに、このような複数の光透過性着色層を有することで、金属素材表面に、2色以上のメッキ処理(例えば、金メッキ、銅メッキ、銀メッキ、ロジウムメッキなど)を施したような質感を付与することができる。
【0046】
また、本発明の装飾部材は、前記反射型偏光板の機器類側の表面に、光反射層を有することを特徴とする。
【0047】
このように構成することによって、光反射層によって、装飾部材の下方に配置される基板、機器類、ならびにこれらの部材に装飾部材を貼着するための接着剤などが透けて見えず、デザイン品質の低下を防止できるとともに、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
さらに、装飾部材の質感および模様により金属質感を向上し、模様を鮮明に見せることができるとともに、光透過性着色層を有する場合には、より明るく光沢感を向上することができる。
【0048】
また、本発明の装飾部材は、前記光反射層の少なくとも一部に、光透過性着色層を有することを特徴とする。
【0049】
このように構成することによって、光反射層の少なくとも一部に、光透過性着色層を有するので、光反射層の部分的な光透過性着色層によって、部分的に着色された模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0050】
また、本発明の装飾部材は、前記光反射層が、複数の光透過性着色層を有することを特徴とする。
【0051】
このように構成することによって、光反射層が、複数の光透過性着色層を有するので、複数の光透過性着色層によって、複数の色の異なった斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0052】
また、本発明の装飾部材は、前記光反射層に、光透過性着色層によって模様が形成されていることを特徴とする。
【0053】
このように構成することによって、光反射層の光透過性着色層によって形成された模様と、反射型偏光板の凹凸状の模様が重なって、着色された奥行きのある模様が形成された極めて斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0054】
また、本発明の装飾部材は、前記装飾部材が、基板の少なくとも一方の表面に貼着されていることを特徴とする。
【0055】
このように構成することによって、基板が貼着された装飾部材をそのまま、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、マーク、銘板、ま
たは機器類のマーク、銘板に用いることができ、また、基板自体を、例えば、機器類とすることもできる。
【0056】
また、本発明の装飾部材は、前記基板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする。
【0057】
このように構成することによって、基板の少なくとも一方の表面に形成された凹凸状の模様と、反射型偏光板の凹凸状の模様が重なって、奥行きのある模様が形成された極めて斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0058】
また、本発明の装飾部材は、
前記基板が、表裏両面に凹凸状の模様を有し、
前記表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なることを特徴とする。
【0059】
このように構成することによって基板の表裏両面の凹凸状の模様が互いに異なるので、これらの異なる模様が重なって、観者に対して、奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0060】
また、本発明の装飾部材は、
前記基板が、表裏両面の一部に凹凸状の模様を有し、
前記表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なることを特徴とする。
【0061】
このように構成することによって、基板が、表裏両面の一部に凹凸状の模様を有し、表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なるので、観者に対して、部分的に奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0062】
また、本発明の装飾部材は、前記基板の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有することを特徴とする。
【0063】
このように構成することによって、基板の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有するので、部分的に模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0064】
また、本発明の装飾部材は、前記基板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有することを特徴とする。
【0065】
このように構成することによって、基板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有するので、複数の模様によって、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0066】
また、本発明の装飾部材は、
前記反射型偏光板が、光反射軸と光透過容易軸とを有し、
前記光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光を反射し、
前記光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光を透過する特性を有することを特徴とする。
【0067】
このように構成することによって、反射型偏光板の光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光を反射し、光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光を透過することによって、例えば、時計、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の装飾部材として用いて、ソーラーセルの上面に覆うように用いた場合にも、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給でき、しかも、ソーラーセルからの反射光が少なくなるとともに、凹凸状の模様の作用で散乱が生じることによってソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色は完全に消し去られて全く視認されなくなる。
【0068】
従って、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色を完全に消し去ることができるとともに、金属装飾部材と同様の金属感が得られ、鮮明な模様が視認されるので装飾性に優れた装飾部材を得ることができる。
【0069】
また、本発明の装飾部材は、前記複数の反射型偏光板を有し、それぞれの光透過容易軸の方向が互いに異なる方向となるように配置されていることを特徴とする。
【0070】
このように複数の反射型偏光板を備え、それぞれの光透過容易軸の方向が互いに異なる方向となるように配置することによって、ソーラーセルに供給する光量を容易に調整することができる。この結果、装飾部材に形成する金属色および白調色がより強く現れるように調整が可能となる。
【0071】
また、本発明の装飾部材は、前記装飾部材が、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、マーク、銘板、または機器類のマーク、銘板に用いられ
るものであることを特徴とする。
【0072】
また、本発明の機器類は、前述のいずれかに記載の装飾部材を備えることを特徴とする機器類である。
また、本発明の機器類は、前述のいずれかに記載の装飾部材を備えることを特徴とする装身具である。
また、本発明の表示板は、前述のいずれかに記載の装飾部材を備えることを特徴とする表示板である。
【0073】
このように構成することによって、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、マーク、銘板などの時計用の装飾部材、機器類のマーク、
銘板などの卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材として、さらには、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として、特に、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。しかも、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるなど、デサインバリエーションの拡大を実現することができる。
【0074】
また、金属装飾部材と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある装飾部材を備えた機器類を提供することができる。
【発明の効果】
【0075】
本発明によれば、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を形成することによって、例えば、ソーラー駆動の腕時計、電卓などの機器類に用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給できるとともに、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
しかも、樹脂部材であっても金属独特の金属感を有し、さらに、凹凸状の模様を有するので、デサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0076】
従って、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時
字、窓枠部材、マーク、銘板、または機器類のマーク、銘板などのように、機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材、さらには、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として使用することができる。
【0077】
また、例えば、電磁波を受信するアンテナ部材を有し、金属が使えない箇所、金属が付かない箇所などにも、電磁波の受信を阻害することなく用いることができ、金属装飾部材と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供するとともに、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの
拡大を図ることができる。
さらに、装飾部材に光透過性着色層を設けることで、装飾部材は、あたかも金属素材表面に各種メッキ処理を施したような質感を付与することができる。
【0078】
また、本発明によれば、反射型偏光板の光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光を反射し、光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光を透過することによって、例えば、時計、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の装飾部材として用いて、ソーラーセルの上面に覆うように用いた場合にも、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給でき、しかも、ソーラーセルからの反射光が少なくなるとともに、凹凸状の模様の作用で散乱が生じることによってソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色は完全に消し去られて全く視認されなくなる。
【0079】
従って、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色を完全に消し去ることができるとともに、金属装飾部材と同様の金属感が得られ、鮮明な模様が視認されるので装飾性に優れた装飾部材を得ることができる。
【0080】
従って、本発明によれば、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、マーク、銘板などの時計用の装飾部材、機器類のマーク、銘板など
の卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材として、さらには、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として、特に、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。しかも、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるなど、デサインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
【0081】
また、金属装飾部材と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある装飾部材を備えた機器類を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0082】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
【0083】
図1は、本発明の実施例の装飾部材の断面図、図2は、反射型偏光板を示す斜視図、図3は、本発明の装飾部材の光路図を示している。
【0084】
図1に示したように、この実施例の装飾部材10は、一例として、基板12として、ソーラーセルに貼着した実施例を示しており、このソーラーセルの視認側に反射型偏光板14を備えている。
【0085】
そして、この反射型偏光板14の表面に凹凸状の模様16を形成することによって、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色が目に見えないようにするとともに、装飾性に優れた薄型の装飾部材を実現したものである。さらに、金属装飾部材と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩を有し高級感のある装飾部材を実現したものである。
【0086】
すなわち、反射型偏光板14の視認側の表面には、ストライプ状をなす凹凸状の模様16が形成されている。
【0087】
また、反射型偏光板14とソーラーセルとは、互いの表面が、透明性の粘着材または接
着剤等からなる固定部材18で固定されている。
【0088】
なお、この実施例では、固定部材18として、透明性の粘着材または接着剤等を全面に設けたが、部分的に設けることも、また、溶着や、カシメ加工、また別部材からなる固定部材、両面接着テープで固定することもできる(以下の実施例においても同様である)。
【0089】
反射型偏光板14の材料としての反射型偏光板基材は、偏光性が異なる2種類のフィルムを交互に複数層積層した積層体が好ましく、この実施例においては、住友3M社製の商品名「DBEF」を用いた。
【0090】
図2に示したように、「DBEF」からなる反射型偏光板基材15は、光反射軸Nと光透過容易軸Mを有していて、光反射軸Nと平行な振動面を持つ直線偏光成分の光は、反射し、光透過容易軸Mと平行な振動面を持つ直線偏光成分の光は、透過する特性を持っている。また、約50%の光を透過し、約50%の光を反射する特性を持っている。
【0091】
この反射型偏光板基材15の厚さtの値は、130〜400μm程度のものが各種市販されており、必要に応じて選択可能である。
【0092】
なお、反射型偏光板基材15の表面に、例えば、エンボスのような凹凸形状を有するものを用いれば、ソーラーセルと反射型偏光板14を配置した際に、干渉縞を防ぐことも可能である。
【0093】
この実施例においては、厚さtの値が、140μmの反射型偏光板基材15を用いた。この実施例においては、この反射型偏光板基材15の表面に、ストライプ状の凹凸状の模様16を形成し、その後、装飾部材形状に打ち抜き、図1に示す反射型偏光板14としたものである。
【0094】
反射型偏光板14の表面に形成されているストライプ状の凹凸状の模様16は、切削加工等の機械加工によって彫刻して形成したものである。ストライプ状の凹凸状の模様16は、凹部の深さや幅、凸部の幅などは目に視認できる程度の大きさに形成してあり、上面側からははっきりと模様が視認できる。
【0095】
この切削加工による凹凸状の模様16の幅bの値は、特に限定されるものではないが、40〜60μmの範囲に設定することが好ましい。また、模様の深さdの値についても適宜設定できるが、10〜20μmの範囲に設定することが好ましい。
【0096】
さらに、このストライプ状の凹凸状の模様16は、下からの反射光を屈折させて散乱させる作用もある。この結果、反射型偏光板14の反射光によりストライプ模様と金属感が明るく鮮明に視認されてくる。また、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色は全く消し去られて視認されなくなる。
【0097】
この実施例の凹凸状の模様16は、ストライプ状に形成しているが、凹凸のある他のパターン模様を形成しても良い。例えば、サークル、渦巻、梨地模様、格子状模様、略ピラミッド形状の模様、幾何学模様、編目模様、石調模様、砂目模様、波紋模様、旭光目付等、色々な模様が選択でき、それぞれ求めるデザインに応じて選択することができる。
【0098】
また、ストライプ状の凹凸状の模様16は、切削加工等による機械加工で形成したが、この他、選択する模様によって熱転写加工、プレス加工、サンドブラスト加工等、様々な加工方法を用いることができる。また、凹凸状の模様の断面形状はV字状、U字状、角形形状等適宜選択することができる。
【0099】
次に、反射型偏光板14の作用について、図3に基づいて説明する。なお、図3は、説明の便宜上、透明性の粘着材または接着剤等からなる固定部材18を省略しているとともに、基板12としてソーラーセルを用いた実施例について、その作用を説明する。
【0100】
反射型偏光板14に入射した光P1は、第1の凹凸状の模様16を設けた反射型偏光板14に入射する。
【0101】
反射型偏光板14に入射した光の内、反射型偏光板14の光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光n1は、反射型偏光板14から反射されて、反射光P2となって外に放射される。
【0102】
反射型偏光板14の光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光m1は、反射型偏光板14を透過して、ソーラーセル12に入射する。
【0103】
ソーラーセル12に入射した光は、そこで吸収される光と、そこから反射される光とに分けられる。ソーラーセル12から反射される光は、その内の反射型偏光板14の光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光m2は、反射型偏光板14を透過して反射光P3となって外に放射される。
【0104】
一方、反射型偏光板14の光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光n2は、反射型偏光板14から反射されて、反射光P4となってソーラーセル12側に戻ってくる。このことによって、反射型偏光板14に入射した光で、ソーラーセル12から反射されて反射型偏光板14に戻ってくる光の量は非常に少なくなる。
【0105】
さらに、反射型偏光板14の表面には、凹凸状の模様16が形成されているので、反射型偏光板14の表面での反射光P2や、ソーラーセル12で反射し反射型偏光板14を透過した反射光P3は、一様な方向への反射にならず、四方に分散・散乱した状態の反射光になって外に放射される。
【0106】
このように、ソーラーセル12からの反射光が少なくなること、さらに凹凸状の模様16の作用で散乱が生じることによって、ソーラーセル12の十字線、区分線や濃紫色は完全に消し去られて全く視認されなくなる。
【0107】
以上のように、この実施例の装飾部材によれば、ソーラーセル12の十字線、区分線や濃紫色を完全に消し去るとともに、金属装飾部材と同様の金属感が得られ鮮明な模様が視認されるので、装飾性に優れた装飾部材を得ることができる。さらに、この実施例においては反射型偏光板14の厚さの値を140μmとすることにより、薄型で高級感のある装飾部材を得ることができた。
【0108】
なお、この実施例では、基板12として、ソーラーセルを用いた実施例について説明したが、基板12として、樹脂、ガラス、セラミックを用いても良く、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、マーク、銘板などの時計用
の装飾部材、機器類のマーク、銘板などの卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材として、さらには、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として用いることができ、また、基板自体を、例えば、機器類、装身具とすることもできる。
【0109】
例えば、本発明の装飾部材は、図4、図5で示したような無線機能付き時計200に適
用することが可能である。
【0110】
図4、図5に示したように、時計ケース202は、複数の部品に分割されており、この実施例では、時計ケース胴体204と、見返しリング206とに分割されている。
【0111】
また、表示板212には、時字214が貼着され、時計ケース202の側部には、銘板216が貼着されている。さらに、裏蓋210の表面(図4、図5で下方側)には、銘板217が貼着されている。
【0112】
本発明の装飾部材は、このようなソーラーセル駆動の無線機能付き時計200において、装飾部材として、見返しリング206、時字214、銘板216(特に、樹脂製の時計ケース202に使用した場合に、金属感が出せる効果がある)、銘板217として視認側の一部分に用いた場合に、特に、デザインバリエーションの拡大を図ることができる。
また、図40〜図42に示したような、金属製の金属リング304、金属製のCリング308、金属製の窓枠部材312、金属製の植字314などの金属部材の代わりに、本発明の装飾部材を用いることができる。
さらに、図43に示したように、例えば、ブレスレットなどの装身具320において、銘板322として、本発明の装飾部材を用いることができる。
【0113】
なお、図4、図5において、符号208は、裏蓋210と時計ケース胴体204との間を、密封状態で封止するための防水パッキン、218は、ソーラーセル、220は、アンテナ、222は、風防、224は、風防222と時計ケース胴体204と見返しリング206との間を、密封状態で封止するための防水パッキンをそれぞれ示している。
【0114】
すなわち、本発明の装飾部材は、上記のようにソーラーセル駆動の無線機能付き時計などにおいて、見返しリング206、時字214などに用いた場合、金属質感を有しながら、金属素材でないので、受信特性を低下させることがない。
【0115】
また、図6に示したように、例えば、電卓240において、点線で示したソーラーセル242を覆うように、例えば、ロゴマーク244などを備えた銘板246として本発明の装飾部材10を用いれば、ソーラーセル242が外部から視認されることなく、デザイン上も見栄えが良く、デザインのバリエーションの拡大を図ることができる。
【0116】
従って、このような時計、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の装飾部材として用いて、ソーラーセルの上面に覆うように用いた場合にも、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給でき、しかも、ソーラーセルからの反射光が少なくなるとともに、凹凸状の模様の作用で散乱が生じることによってソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色は完全に消し去られて全く視認されなくなる。
【0117】
これにより、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色を完全に消し去ることができるとともに、金属装飾部材と同様の金属感が得られ、鮮明な模様が視認されるので装飾性に優れた装飾部材を得ることができる。
【0118】
従って、基板12の材質、大きさ、形状などは、特に限定されるものではなく、例えば、樹脂、ガラス、セラミックなど、これらを組み合わせた複合部材などを用いることができる。
【0119】
なお、この場合、本発明の装飾部材10は、図1に示したように、装飾部材10の機器類側の表面に、基板12が貼着されている。
【0120】
このように構成することによって、基板12が貼着された装飾部材をそのまま、例えば、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時字、マーク、銘板
、または機器類のマーク、銘板などのように、機器類の視認側の一部分に設けられる装飾部材、さらには、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として用いることができ、また、基板自体を、例えば、機器類、装身具とすることもできる。すなわち、基板のない装飾部材を機器類、装身具の視認側の一部分に取り付けるように構成することもできる。
【0121】
また、この場合、図7に示したように、本発明の装飾部材10は、基板12の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様11を有するようにすることもできる。
なお、この実施例では、基板12の視認側の表面に模様11を設けたが、図示しないが、基板12の視認側と反対側の表面に模様を形成することもできる。
【0122】
このように構成することによって、基板の少なくとも一方の表面に形成された凹凸状の模様11と、反射型偏光板の凹凸状の模様16が重なって、奥行きのある模様が形成された極めて斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0123】
また、図8に示したように、本発明の装飾部材10は、基板12が、表裏両面に凹凸状の模様11a、13aを有し、この表裏両面の凹凸状の模様11a、13aは互いに異なるようにすることもできる。
【0124】
このように構成することによって基板の表裏両面の凹凸状の模様が互いに異なるので、これらの異なる模様が重なって、観者に対して、奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
なお、この場合、図示しないが、この表裏両面の凹凸状の模様11a、13aは互いに同じ模様とすることもできる。
【0125】
また、図9に示したように、本発明の装飾部材10は、基板12が、表裏両面の一部に凹凸状の模様11a、13aを有し、これらの表裏両面の凹凸状の模様11a、13aは互いに異なるようにすることもきる。
【0126】
この場合には、図9に示したように、これらの一部の凹凸状の模様11a、13aを、重なるようにすることも、図10に示したように、これらの模様11a、13aを部分的に重なるようにすることも、さらには、図11に示したように、これらの模様11a、13aが重ならないように配置することもできる。
【0127】
このように構成することによって、基板12が、表裏両面の一部に凹凸状の模様11a、13aを有し、表裏両面の凹凸状の模様11a、13aは互いに異なるので、観者に対して、部分的に奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0128】
また、図12に示したように、本発明の装飾部材10は、基板12の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様11aを有するようにすることもできる。なお、この実施例では、基板12の視認側の表面の模様11aに適用したが、反射型偏光板14の視認側と反対側の表面の模様13aに適用することもできる。
【0129】
このように構成することによって、基板12の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有するので、部分的に模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0130】
また、図13に示したように、本発明の装飾部材10は、基板12の少なくとも一方の表面に、複数の模様11a、11bを有するようにすることもできる。なお、この実施例では、基板12の視認側の表面の模様11a、11bに適用したが、基板12の視認側と反対側の表面の模様13に適用することもできる。
【0131】
このように構成することによって、基板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有するので、複数の模様によって、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
なお、この場合、複数の模様11a、11bを全面に設けたが、図示しないが、複数の模様11a、11bを部分的に設けることももちろん可能である。
【0132】
なお、特に言及しないが、以上については、下記の実施例においても同様である。
(実施例2)
【0133】
図14は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【0134】
図14に示したように、この実施例の装飾部材は、反射型偏光板14の基板12と対向する側、すなわち、図14において下側の表面に、梨地状の凹凸状の模様22を、金型からの転写し形成した点が実施例1と異なっており、その他は実施例1と同様である。
【0135】
なお、この実施例の反射型偏光板14の光の透過と反射の作用は、前述の実施例1で説明した反射型偏光板14と同様である。
【0136】
この反射型偏光板14に設ける梨地状の凹凸状の模様22は、凹凸の大きさを変化させることによって、装飾部材の金属色感や白色感を調整することができる。
【0137】
例えば、凹凸の大きさが、サンドペーパの粗さを表示する#180番以上であると、金属色感と白色感が半々に混ざり合った色感が得られ、#400番で白さの中に少し金属色が疎ら現れて綺麗な白色感が得られる。
【0138】
さらに、凹凸の大きさを細かくするにしたがって白色感の効果が顕著になる。但し、#2000番を越えると模様が転写されず白色感よりも金属色感に曇りが生じたように視認される。
【0139】
また、#120では白色感より金属色感が強く現れてくる。
【0140】
従って、白色感を得るためには、凹凸の大きさを#180番から#2000番の粗さの範囲に設定することが好ましい。
【0141】
また、金属色感を強調したい場合は、凹凸の大きさを#120番の粗さより粗く設定することが好ましい。
【0142】
なお、金型に梨地模様を形成する場合、一般的に、砂などを高圧力で吹きかけるサンドブラスト法が用いられ、用いる砂の粒径の大きさを調整することによって梨地模様の粗さ
を選択することができる。
【0143】
実施例2のように、熱転写を行った反射型偏光板(縦波模様)では、模様を有していない反射型偏光板に比較しても、光透過率が48.8%で低下しなかった。
【0144】
さらに、実施例1のように、マシニングによって、模様を作製した反射型偏光板(縦波模様)では、光透過率が64.6%であり、模様を有していない反射型偏光板の光透過率に比較して、光透過率が向上していることが分かる。
【0145】
なお、この場合、光透過率は、一般に太陽電池時計用文字盤を透過した光により太陽電池が発電した発電量により求められる。すなわち、外光が入らないようにした装置内で、光源から一定の距離に置かれた太陽電池に光を当て、光エネルギーから電気エネルギーに変換したときの電流値をAoとし、前記太陽電池の上に太陽電池時計用文字板を載せ、上記と同様にして測定した電流値をA1として、A1をAoに対する百分率として表される。
【0146】
この実施例の装飾部材は、反射型偏光板14の基板12と対向する側の表面に、凹凸状の模様22を梨地状に形成しているが、前述の実施例1に記載したように、凹凸のある他のパターン模様を形成しても良い。また、凹凸状の模様22は金型から転写し形成したが、この他、選択する模様によって切削加工、プレス加工、サンドブラスト加工等、様々な加工方法を用いることができる。
【0147】
以上のように、この実施例の装飾部材によれば、金属装飾部材と同様の白色感が得られる。また、この実施例においても、実施例1と同様の効果を得ることができる。さらに、凹凸状の模様を反射型偏光板14の基板12と対向する側の表面に設けることにより、透明感のある模様が視認されることにより高級感のある装飾部材を得ることができる。
(実施例3)
【0148】
図15は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図であり、反射型偏光板14の両表面に凹凸状の模様を形成した実施例を示している。
【0149】
図15に示したように、この実施例の装飾部材10は、反射型偏光板14の視認側の表面に、格子状の凹凸状の模様24を形成し、基板12と対向する側、すなわち、図15において下側の表面に、サークル状または渦巻き状の凹凸状の模様26を形成した実施例であり、何れも金型から転写して形成したものであり、両面同時に加工することができる。
【0150】
その他は、実施例1と同様であり、この実施例の反射型偏光板14の光の透過と反射の作用は、前述の実施例1で説明した反射型偏光板14と同様である。
【0151】
反射型偏光板14の視認側の表面に形成されている格子状の凹凸状の模様24は、凹部の深さや幅、凸部の幅などは、目に視認できる程度の大きさに形成してあり、上面側からは、はっきりと模様が視認できる。
【0152】
この凹凸状の模様24の幅bの値は、特に限定されるものではないが、40〜60μmの範囲に設定することが好ましい。また、模様の深さdの値についても適宜設定できるが、10〜20μmの範囲に設定することが好ましい。
【0153】
反射型偏光板14の基板12と対向する側の表面に形成されているサークル状または渦巻き状の凹凸状の模様26は、断面形状が三角形の形状をなしており、サークル模様状または渦巻き模様状に形成する。三角形の角度は、凹部、凸部のいずれも、75〜100度の範囲内に形成している。また、高さhの値は、10〜20μm、ピッチpの値は、略1
00μm位に形成している。この高さやピッチは、金型の加工が容易で、且つ目に見える程度の寸法に形成するのが好ましい。
【0154】
この実施例の装飾部材は、反射型偏光板14の両面のそれぞれに、格子状の凹凸模様と、サークル模様状または渦巻き模様状の凹凸模様を形成した例で説明したが、両面に形成する模様が互いに異なる模様であれば、他の凹凸模様を形成しても良い。
【0155】
また、凹凸状の模様24、26は、いずれも金型から転写し形成したが、この他、選択する模様によって切削加工、プレス加工、サンドブラスト加工等、様々な加工方法を用いても良く、また組み合わせて用いることもできる。
【0156】
以上のように、この実施例の装飾部材10は、反射型偏光板14の両面にそれぞれ異なる凹凸状の模様24、26を形成すことにより、凹凸状の模様24、26が重なって視認される。さらに、この凹凸状の模様24、26は反射光を屈折させて散乱させる作用もある。
【0157】
従って、このように構成することによって、反射型偏光板14の表裏両面の凹凸状の模様24、26が互いに異なるので、これらの異なる模様が重なって、観者に対して、奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0158】
なお、図16に示したように、反射型偏光板14が、表裏両面の一部に凹凸状の模様24a、26aを有し、この表裏両面の凹凸状の模様24a、26aを互いに異なるようにすることもできる。
【0159】
この場合には、図16に示したように、これらの一部の凹凸状の模様24a、26aを、重なるようにすることも、図17に示したように、これらの模様24a、26aを部分的に重なるようにすることも、さらには、図18に示したように、これらの模様24a、26aが重ならないように配置することもできる。
【0160】
このように構成することによって、反射型偏光板が、表裏両面の一部に凹凸状の模様を有し、表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なるので、観者に対して、部分的に奥行きがあって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0161】
また、図19に示したように、反射型偏光板14の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様24aを有するようにすることもできる。なお、この実施例では、反射型偏光板14の視認側の表面の模様24aに適用したが、反射型偏光板14の視認側と反対側の表面の模様26aに適用することもできる。
【0162】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有するので、部分的に模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0163】
さらには、図20に示したように、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の模様24a、24bを有するようにすることもできる。なお、この実施例では、反射型偏光板14の視認側の表面の模様24a、24bに適用したが、反射型偏光板14の視認側と
反対側の表面の模様26に適用することもできる。
【0164】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有するので、複数の模様によって、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
なお、この場合、複数の模様24a、24bを全面に設けたが、図示しないが、複数の模様24a、24bを部分的に設けることももちろん可能である。
(実施例4)
【0165】
図21は、本発明の別の実施例の装飾部材を示す断面図である。
【0166】
図21に示したように、この実施例の装飾部材10は、反射型偏光板14の視認側の表面に、格子状の凹凸状の模様28を形成し、基板12と対向する側、すなわち、図21において下側の表面にも、同じ格子状の凹凸状の模様30を形成した実施例である。
【0167】
すなわち、凹凸状の模様28の凸部28aに対応する位置に、凹凸状の模様30の凹部30aが配置されるように、凹凸状の模様28、30を形成したものである。
【0168】
その他は、実施例3と同様である。この実施例の装飾部材は、格子状の凹凸模様の深さが強調され、立体感のある凹凸模様が視認され、より高級感のある装飾部材を得ることができる。
(実施例5)
【0169】
図22は、本発明の別の実施例の装飾部材10の断面図を示しており、反射型偏光板14に凹凸状の模様32を形成するとともに、光透過性着色層34を設けた実施例を示している。
【0170】
すなわち、図22に示したように、この実施例の装飾部材10は、反射型偏光板14の視認側の表面に、サークル状の凹凸状の模様32を形成し、この凹凸状の模様32の表面に、光透過性着色層34を設けた例である。
【0171】
サークル状の凹凸状の模様32は、金型から転写して形成したものであり、凹凸状の模様32の幅、深さの値は、特に限定されるものではないが10〜15μmの範囲に設定することが好ましい。
【0172】
その他は、実施例1と同様であり、この実施例の反射型偏光板14の光の透過と反射の作用は、前述の実施例1で説明した反射型偏光板14と同様である。
【0173】
光透過性着色層34は、微細な銅金属粉を透明なウレタン樹脂に混ぜ合わせてインク化し、印刷方法で形成している。そして、反射型偏光板14の反射光と光透過性着色層34との色とで全体的に赤みを帯びた金色感が現れるように仕上げている。
【0174】
このように、この実施例の装飾部材10は、サークル状の凹凸状の模様32が視認側からはっきりと視認できる。また、このサークル状の凹凸状の模様32は、下からの反射光を屈折させて散乱させる作用もあり、反射型偏光板14の強い反射光によりサークル状の凹凸状の模様32と金色感が明るく鮮明に視認される。この結果、金属素材表面に赤みを帯びた金メッキ処理を施したごとくの質感をだせ、よって、貴金属感を感じさせ、高級感のある装飾部材を得ることができる。また、基板12としてソーラーセルを用いた場合にもソーラーセルの色は全く消し去られて視認されることはない。
【0175】
このように構成することによって、装飾部材をカラー化することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0176】
また、光透過性着色層34は、微細な銅金属粉を透明なウレタン樹脂に混ぜ合わせてインク化し、印刷方法で形成している。そして、反射型偏光板14の反射光と光透過性着色層34との色とで全体的に金属装飾部材と同様の金属感が現れるように仕上げている。
【0177】
この場合、光透過性着色層34の色は、特に限定されるものではなく、例えば、白色、黒色、グレーなどとすることができる。
【0178】
また、この場合、この光透過性着色層34は、上記のように、金属粉を透明なウレタン樹脂に混ぜ合わせてインク化し、印刷方法で形成する代わりに、様々な光透過性着色層34を用いることができ、何ら限定されるものではない。
【0179】
例えば、白色顔料を樹脂に混ぜ合わせ印刷方法で形成することもできる。白色顔料を用いている理由は、装飾部材に白色感を出すためで、膜厚を厚くすると白さは出るが透過率が悪くなる。
【0180】
従って、約7〜10μm程度の薄い膜厚にしてこれによる透過率が約10%程度低下する位にしてある。他の色を出したい場合は他の顔料を用いる。
【0181】
また、例えば、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVDなどの化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングなどのドライメッキ処理、溶射など、さらには、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法で、非常に薄い金属膜や塗装膜を形成しても良く、求める色に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0182】
この場合、光透過性着色層34は、金属被覆層、金属酸化物被覆層、金属窒化物被覆層、樹脂被覆層、ガラス被覆層から選択した1種以上の光透過性着色層34から形成することができる。
【0183】
金属被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、チタンから選択した1種以上の金属、または、これらの金属から選択した2種以上の金属の合金から形成することができる。
【0184】
さらに、金属酸化物被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化シリコン、酸化アルミニウムから選択した少なくとも1種の金属酸化物から形成することができる。
【0185】
また、金属窒化物被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ジルコニウムから選択した少なくとも1種の金属窒化物から形成することができる。
【0186】
また、樹脂被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂からから選択した少なくとも1種の樹脂から形成することができる。
【0187】
この場合、樹脂被覆層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、印刷、スピンコート、または、塗装により形成することができる。
【0188】
また、樹脂層としては、上記の樹脂層に用いた樹脂からなるラミネート樹脂フィルムにより形成することもできる。
【0189】
なお、光透過性着色層34として、拡散層を設けても同様の白色感を得ることができる。拡散層は粘着剤や接着剤等に入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を混入したもので、拡散剤の材料としては粒状、粉末状、鱗片状、針状等のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。
【0190】
また、光透過性着色層34として、UV光反射層、UV吸収層を設けても同様の白色感を得ることができる。
【0191】
この場合、UV光反射層としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、窒化ケイ素のそれぞれ単層、または、これらの組み合わせによる多層のUV光反射層を用いることができる。
【0192】
また、UV吸収層としては、特に限定されるものではないが、UV吸収層として、ラミネート材を用いる場合には、例えば、リンテック株式会社製の「ラグ プロテクト(製品名)」を用いることができる。さらに、UV吸収層として、インキを用いる場合には、株式会社セイコーアドバンス製の「SG429B オーバーコートクリヤー(製品名)」を用いることができる。
【0193】
この場合、本発明の装飾部材10では、凹凸状の模様32が、反射型偏光板14の少なくとも一方の表面に、光透過性着色層34を施した後、凹凸状の模様32を形成した模様表面を有するのが望ましい。
【0194】
このように構成することによって、予め模様32を形成した反射型偏光板14の表面に光透過性着色層34を施す場合には、この光透過性着色層34によって表面が平坦になったり、模様形状がぼやけるなどして、鮮明な模様が得られないが、本発明のように、模様表面が、反射型偏光板14の少なくとも一方の表面に光透過性着色層34を施した後、凹凸状の模様32を形成したものであれば、模様形状がぼやけることがなく、鮮明な模様が得られ、これにより、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0195】
このような反射型偏光板14の少なくとも一方の表面に光透過性着色層34を施した後、凹凸状の模様32を形成するには、図23に示したように製造すれば良い。
【0196】
すなわち、先ず、図23(a)に示したように、装飾部材形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用意し、図23(b)に示したように、この反射型偏光板14の視認側の表面14aに、光透過性着色層34を、例えば、印刷などによって形成する。
【0197】
次に、図23(c)に示したように、表面にサークル状の凹凸状の転写模様36を有する熱転写用押し型(金型)38を準備して、図23(c)の矢印で示したように、反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層34に加熱下で押圧する(図23(d)参照)。
【0198】
そして、図23(e)の矢印で示したように、熱転写用押し型(金型)38を反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層34から離間する方向に移動
させる。
【0199】
これにより、図22、図23(e)に示したように、反射型偏光板14の視認側の表面のサークル状の凹凸状の模様40と、この凹凸状の模様40の表面の光透過性着色層34において、この模様40と同じサークル状の凹凸状の模様42とが一体的に形成される。
【0200】
これによって、光透過性着色層34から反射型偏光板14の表面にわたって、サークル状の凹凸状の模様32が形成された模様表面が構成される。
【0201】
なお、上記実施例では、予め装飾部材形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用いたが、例えば、多数個の装飾部材10を一度で製造する場合には、多数個分の大きさの反射型偏光板14を用いて、上記の製造工程を実施した後に、最後に、多数個の装飾部材形状に打ち抜いて製造するようにしても良い(以下の実施例においても同様である)。
【0202】
この場合、図24に示したように、本発明の装飾部材10は、反射型偏光板14が、表裏両面に光透過性着色層34を有し、表裏両面の光透過性着色層34a、35aを互いに異なるようにすることもできる。
【0203】
このように構成することによって、反射型偏光板14の表裏両面の光透過性着色層34a、35aが互いに異なるので、これらの異なる光透過性着色層34a、35aによる着色が重なって、観者に対して、奥行きのある着色部分があって、しかも、斬新な色を呈する模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
なお、図示しないが、光透過性着色層34a、35aは、同じ模様とすることができる。
【0204】
また、図25に示したように、本発明の装飾部材10は、反射型偏光板14が、表裏両面の一部に光透過性着色層34a、35aを有し、表裏両面の光透過性着色層34a、3
5aは互いに異なるようにすることもできる。
【0205】
この場合には、図25に示したように、これらの一部の光透過性着色層34a、35a
を、重なるようにすることも、図26に示したように、部分的に重なるようにすることも、さらには、図27に示したように、これらの光透過性着色層34a、35aが重ならな
いように配置することもできる。
【0206】
このように構成することによって、反射型偏光板14が、表裏両面の一部に光透過性着色層34b、35bを有し、表裏両面の光透過性着色層34b、35bは互いに異なるので、観者に対して、部分的に奥行きのある着色部分があって、しかも、斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0207】
また、図28に示したように、本発明の装飾部材10は、反射型偏光板14の少なくとも一方の表面の一部に、光透過性着色層34aを有するようにすることもできる。なお、この実施例では、反射型偏光板14の視認側の表面の光透過性着色層34aに適用したが、反射型偏光板14の視認側と反対側の表面の光透過性着色層35aに適用することもできる。
【0208】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、光透過性着色層を有するので、部分的に着色された模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾
部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0209】
さらには、図29に示したように、反射型偏光板14の少なくとも一方の表面に、複数の光透過性着色層34a、34bを有するようにすることもできる。なお、この実施例では、反射型偏光板14の視認側の表面の光透過性着色層34a、34bに適用したが、反射型偏光板14の視認側と反対側の表面の光透過性着色層35に適用することもできる。
また、複数の光透過性着色層34a、34bは、図29に示したように、平面的に設けることもできるが、図示しないが、これら複数の光透過性着色層34a、34bを積層状態で形成することもできる。
【0210】
このように構成することによって、反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の光透過性着色層を有するので、複数の光透過性着色層によって、複数の色の異なった斬新な模様を提供でき、あたかも金属素材表面に2種類のメッキ処理(例えば、金メッキと銀メッキの組み合わせ、銅メッキとロジウムメッキの組み合わせなど)を施したごとくの質感を出すことができ、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
なお、この場合、複数の光透過性着色層34a、34bを全面に設けたが、図示しないが、複数の光透過性着色層34a、34bを部分的に設けることももちろん可能である。
また、図24〜図28の実施例では、光透過性着色層35a、35bは、模様を有するように形成したが、光透過性着色層34と同様に、一部に模様を有するようにすることも、複数の模様を有するようにすることも可能であり、さらには、模様を有しないようにすることも可能である。
(実施例6)
【0211】
図30は、本発明の別の実施例の装飾部材10の断面図であり、反射型偏光板の視認側の表面に凹凸状の模様を形成し、基板12と対向する側、すなわち、図30において下側の表面に光反射層44を設けた実施例である。
【0212】
図30に示したように、この実施例の装飾部材10は、反射型偏光板14の視認側の表面に中心部から放射状の凹凸状の模様46が形成されていて、いわゆる旭光目付が施されている。凹凸状の模様46は旭光目付専用装置を用いて形成した。
【0213】
この凹凸状の模様46の幅、深さの値は、特に限定されるものではないが5μm程度に設定することが好ましい。また、反射型偏光板14の基板12と対向する側の表面には光反射層44が設けられている。
【0214】
この光反射層44は、白色顔料を樹脂に混ぜ合わせ印刷方法で形成している。白色顔料を用いている理由は、光反射層44の反射効果を上げるためであり、また、装飾部材10に白色感を出すためで、膜厚を厚くすると白さは出るが透過率が悪くなる。
【0215】
従って、約7〜10μm程度の薄い膜厚にしてこれによる透過率が約10%程度低下する位にしてある。他の色を出したい場合は他の顔料を用いる。また、蒸着方法で非常に薄い金属膜を形成しても良く、求める色に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0216】
この場合、光反射層44としては、光反射層44によって、装飾部材10の下方に配置される基板、機器類、ならびにこれらの部材に装飾部材を貼着するための接着剤などが透けて見えず、デザイン品質の低下を防止するためであって、白っぽく、反射効果を有するものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、光反射層44として、拡散層を設けても同様の白色感を得ることができる。拡散層は粘着剤や接着剤等に入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を混入したもので、
拡散剤の材料としては粒状、粉末状、鱗片状、針状等のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。
【0217】
このように、この実施例の装飾部材10は、基板12の色を完全に消し去るとともに、反射効果と、白さが一層増し白色感が強調され旭光目付を鮮明に視認することができる。この結果、高級感のある装飾部材10を得ることができる。
【0218】
このように構成することによって、光反射層44によって、装飾部材10の下方に配置される基板、機器類、ならびにこれらの部材に装飾部材を貼着するための接着剤などが透けて見えず、デザイン品質の低下を防止できるとともに、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0219】
この場合、光反射層44としては、例えば、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVDなどの化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングなどのドライメッキ処理、溶射など、さらには、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法で、非常に薄い金属膜を形成しても良く、求める色に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0220】
この場合、光反射層44は、金属被覆層、金属酸化物被覆層、金属窒化物被覆層、樹脂被覆層、拡散層、UV光反射層、または、UV吸収層から選択した1種以上の光反射層44から形成することができる。
【0221】
金属被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、チタンから選択した1種以上の金属、または、これらの金属から選択した2種以上の金属の合金から形成することができる。
【0222】
さらに、金属酸化物被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化シリコン、酸化アルミニウムから選択した少なくとも1種の金属酸化物から形成することができる。
【0223】
また、金属窒化物被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ジルコニウムから選択した少なくとも1種の金属窒化物から形成することができる。
【0224】
また、樹脂被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂からから選択した少なくとも1種の樹脂から形成することができる。
【0225】
この場合、樹脂層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、印刷、スピンコート、または、塗装により形成することができる。
【0226】
また、樹脂層としては、上記の樹脂層に用いた樹脂からなるラミネート樹脂フィルムにより形成することもできる。
【0227】
なお、光反射層44として、拡散層を設けても同様の白色感を得ることができる。拡散層は粘着剤や接着剤等に入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を混入したもので、拡散剤の材料としては粒状、粉末状、鱗片状、針状等のシリカ、ガラス、樹脂等を用いるこ
とができる。
【0228】
また、光反射層44として、UV光反射層、UV吸収層を設けても同様の、反射効果と白色感を得ることができる。
【0229】
この場合、UV光反射層としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、窒化ケイ素のそれぞれ単層、または、これらの組み合わせによる多層のUV光反射層を用いることができる。
【0230】
また、UV吸収層としては、特に限定されるものではないが、UV吸収層として、ラミネート材を用いる場合には、例えば、リンテック株式会社製の「ラグ プロテクト(製品名)」を用いることができる。さらに、UV吸収層として、インキを用いる場合には、株式会社セイコーアドバンス製の「SG429B オーバーコートクリヤー(製品名)」を用いることができる。
【0231】
また、この場合、図31に示したように、本発明の装飾部材10は、光反射層44の少なくとも一部に、光透過性着色層48を有するようにしても良い。
【0232】
このように構成することによって、光反射層44の少なくとも一部に、光透過性着色層48を有するので、光反射層の部分的な光透過性着色層によって、部分的に着色された模様が形成された斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0233】
なお、この場合、光透過性着色層48としては、前述の実施例で説明した光透過性着色層34と同様なものを使用することができる。
【0234】
また、この場合、図32に示したように、本発明の装飾部材10は、光反射層44が、複数の光透過性着色層48a、48bを有するようにしてもよい。
【0235】
このように構成することによって、光反射層44が、複数の光透過性着色層48a、48bを有するので、複数の光透過性着色層によって、複数の色の異なった斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
また、複数の光透過性着色層48a、48bは、図32に示したように、平面的に設けることもできるが、図示しないが、これら複数の光透過性着色層48a、48bを積層状態で形成することもできる。
【0236】
また、この場合、図33に示したように、本発明の装飾部材10は、光反射層44に、光透過性着色層48によって模様50が形成されていてもよい。
【0237】
このように構成することによって、光反射層44の光透過性着色層によって形成された模様と、反射型偏光板の凹凸状の模様が重なって、着色された奥行きのある模様が形成された極めて斬新な模様を提供でき、高級感のある外観品質を有する装飾部材を提供することができ、機器類、装身具、装飾部材のデサインバリエーションの拡大を図ることができる。
(実施例7)
【0238】
図34から図35は、本発明の別の実施例の装飾部材10の断面図を示しており、2枚の反射型偏光板を積層配置し、視認側に配置されている反射型偏光板の表面に、凹凸状の
模様を形成した実施例を示している。
【0239】
図34に示したように、この実施例の装飾部材10は、基板12と、この基板12の視認側に設ける第1の反射型偏光板52と、基板12に対向する側に設ける第2の反射型偏光板54とを備えている。
【0240】
第1の反射型偏光板52の視認側の表面には、ストライプ状をなす凹凸状の模様56が形成されている。また、第1の反射型偏光板52と第2の反射型偏光板54とは、互いに全面で透明性の粘着材または接着剤等からなる固定部材58で固定されている。
【0241】
さらに、第2の反射型偏光板54と基板12とは、互いに全面で透明性の粘着材または接着剤等からなる固定部材60で固定されている。
なお、第2の反射型偏光板54と基板12とは、互いに外周部分で、固定部材60で固定してもよい。
【0242】
第1の反射型偏光板52および凹凸状の模様56については、実施例1の反射型偏光板14、凹凸状の模様16と同様であるため説明を省略する。
【0243】
また、第2の反射型偏光板54は、表面に凹凸状の模様が形成されていない点が異なるだけで、光の透過と反射の作用等、その他の点については、実施例1で説明した反射型偏光板14と同様であるため説明を省略する。
【0244】
また、実施例1で記載したように、第1、第2の反射型偏光板52、54は、それぞれ光反射軸と光透過容易軸とを備えているが、この実施例においては、図36に示したように、第1、第2の反射型偏光板52、54のそれぞれの光透過容易軸52a、54aの方向が互いに異なる方向となるように積層配置されている。
【0245】
この光透過容易軸52a、54aの交差角sの値を変化させることにより、第1、第2の反射型偏光板52、54の2枚の反射型偏光板を透過する光量を調整することができる。
【0246】
この交差角sの値は、2枚の反射型偏光板を透過する光量を確保する必要から、5度から45度の範囲に設定することが好ましい。
【0247】
この実施例においては、交差角sの値を約20度に設定した。なお、第1、第2の反射型偏光板52、54の形状は、特に限定されるものではないが、図36においては、説明を分かり易くするため模擬的に四辺形形状で描いたものである。
【0248】
この実施例の第1の反射型偏光板52は、実施例1と同様に、反射型偏光板の表面に、ストライプ状の凹凸状の模様56を形成し、その後、装飾部材10の形状に打ち抜いて形成した。
【0249】
また、第2の反射型偏光板54も同様に、反射型偏光板52から装飾部材10の形状に打ち抜いて形成したものである。その後、第1の反射型偏光板52の凹凸状の模様56の形成されていない表面と、第2の反射型偏光板54の表面とを重ね合わせ、互いの全面で透明性を有する粘着材または接着剤等の固定部材60で固定し、一体としたものである。
【0250】
このようにこの実施例の装飾部材10は、第1、第2の反射型偏光板52、54の2枚の反射型偏光板の光透過容易軸52a、54aの交差角sの値を変化させることにより、2枚の反射型偏光板を透過する光量を、簡単に、かつ容易に調整することができる。
【0251】
この結果、製造コストを低減することができる。また、ストライプ模様を鮮明に視認することができる。
【0252】
図35は、この実施例の装飾部材10の他の実施例を示しており、図35に示したように、第1、第2の反射型偏光板52、54は、互いの表面の外周部分で粘着材または接着剤等からなる固定部材58で固定しても良い。
なお、上記の実施例では、第1、第2の反射型偏光板52、54の2枚の反射型偏光板を積層配置したが、複数枚であればよく、3枚以上の反射型偏光板を積層することも可能である。
【0253】
以上説明したように、本発明の装飾部材は、図4、図5に示したようなソーラーセル駆動の無線機能付き時計において、装飾部材として用いた場合に、特に、デザインバリエーションの拡大を図ることができる。
また、リング部材に金属を使用しないため、ソーラーはもちろん、文字板から電波が入り易いため、アンテナ受信感度の低下の原因になりにくく、アンテナの配置位置の制約も小さくなる。
【0254】
すなわち、本発明の装飾部材は、上記のようにソーラーセル駆動の無線機能付き時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線、区分線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0255】
しかも、本発明の装飾部材を構成する基板などが、例えば、透明なポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの非導電性材料から構成されるので、電波受信を阻害することがなく、アンテナの受信性能を高く維持することができ、無線機能付き時計としての機能を確保することができる。
【0256】
なお、上記の無線機能付き時計では、見返しリングを有するタイプの無線機能付き時計について説明したが、見返しリングを有しないタイプの無線機能付き時計にも適用できる。
【0257】
また、ソーラーセルを有しない通常の腕時計にも、また、無線機能を有しない、ソーラーセルを有するソーラー駆動タイプの腕時計にも適用することができる。
【0258】
上述した実施例では、時刻情報を含む長波標準電波(搬送波)を受信し、その時刻情報に基づいて時刻を修正する無線機能を備えた電波時計について説明したが、本発明の装飾部材を適用する無線機能付き時計の構造は、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式ICカード機能などの無線機能を備える時計にも適用され得る。
【0259】
さらに、本発明は、上記装飾部材を、例えば、時計用の装飾部材、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の装飾部材として用いた機器類に適用することも可能である。
また、本発明は、例えば、時計、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの表示板として適用することももちろん可能である。
【産業上の利用可能性】
【0260】
本発明は、本発明の装飾部材を、例えば、時計用の装飾部材、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の一部分に設けられる装飾部材、または、例えば、ブレスレット、ネックレス、イヤリング、補聴器などの装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材として用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0261】
【図1】図1は、本発明の実施例の装飾部材の断面図である。
【図2】図2は、反射型偏光板を示す斜視図である。
【図3】図3は、図3は、本発明の装飾部材の光路図である。
【図4】図4は、本発明の装飾部材を無線機能付き時計に適用した分解斜視図である。
【図5】図5は、図4の無線機能付き時計を組み立てた状態のA−A線の部分断面図である。
【図6】図6は、図本発明の装飾部材を電卓に適用した状態を説明する平面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図10】図10は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図14】図14は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図15】図15は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図16】図16は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図17】図17は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図18】図18は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図19】図19は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図20】図20は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図21】図21は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図22】図22は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図23】図23は、本発明の装飾部材の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
【図24】図24は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図25】図25は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図26】図26は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図27】図27は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図28】図28は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図29】図29は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図30】図30は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図31】図31は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図32】図32は、本発明の装飾部材の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
【図33】図33は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図34】図34は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図35】図35は、本発明の別の実施例の装飾部材の断面図である。
【図36】図36は、図35の実施例の第1、第2の反射型偏光板を示す斜視図である。
【図37】図37は、一般的なソーラーセルを示す図である。
【図38】図38は、従来技術の表示板を示す概略断面図である。
【図39】図39は、従来技術の反射型偏光体を示す概略構成図である。
【図40】図40は、従来技術の腕時計を示す概略平面図である。
【図41】図41は、従来技術の腕時計を示す概略平面図である。
【図42】図42は、従来技術の腕時計の表示板の植字を示す部分拡大断面図である。
【図43】図43は、従来技術の装身具としてブレスレットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0262】
10 装飾部材
11 模様
11a 模様
12 ソーラーセル(基板)
13 模様
13a 模様
14 反射型偏光板
14a 表面
15 反射型偏光板基材
16 模様
18 固定部材
22 模様
24 模様
24a 模様
26 模様
26a 模様
28 模様
28a 凸部
30 模様
30a 凹部
32 模様
34 光透過性着色層
34a 光透過性着色層
34b 光透過性着色層
35 光透過性着色層
35a 光透過性着色層
36 転写模様
40 模様
42 模様
44 光反射層
46 模様
48 光透過性着色層
48a 光透過性着色層
50 模様
52 反射型偏光板
52a 光透過容易軸
54 反射型偏光板
54a 光透過容易軸
56 模様
58 固定部材
60 固定部材
100 ソーラー時計用文字板
101 基材
102 拡散層
103 反射型偏光体
109 太陽電池
131 偏光性フィルム層(A層)
132 偏光性フィルム層(B層)
200 時計
202 時計ケース
204 時計ケース胴体
206 リング
208 防水パッキン
210 裏蓋
212 表示板
214 時字
216 銘板
240 電卓
242 ソーラーセル
244 銘板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器類、装身具の視認側の一部分に設けられる装飾部材であって、
前記装飾部材が、少なくとも1個の反射型偏光板を有し、
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする装飾部材。
【請求項2】
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有することを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
【請求項3】
前記反射型偏光板が、表裏両面に、または、表裏両面の一部に凹凸状の模様を有し、
前記表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項4】
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有することを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
【請求項5】
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、光透過性着色層を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項6】
前記凹凸状の模様が、前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、光透過性着色層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面を有することを特徴とする請求項5に記載の装飾部材。
【請求項7】
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面の一部に、光透過性着色層を有することを特徴とする請求項5から6のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項8】
前記反射型偏光板が、表裏両面に、または、表裏両面の一部に光透過性着色層を有し、
前記表裏両面の光透過性着色層は互いに異なることを特徴とする請求項5から6のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項9】
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、複数の光透過性着色層を有することを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項10】
前記反射型偏光板の機器類側の表面に、光反射層を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項11】
前記光反射層の少なくとも一部に、光透過性着色層を有することを特徴とする請求項10に記載の装飾部材。
【請求項12】
前記光反射層が、複数の光透過性着色層を有することを特徴とする請求項10から11のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項13】
前記光反射層に、光透過性着色層によって模様が形成されていることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項14】
前記装飾部材が、基板の少なくとも一方の表面に貼着されていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項15】
前記基板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする請求項1
4に記載の装飾部材。
【請求項16】
前記基板の少なくとも一方の表面の一部に、凹凸状の模様を有することを特徴とする請求項14に記載の装飾部材。
【請求項17】
前記基板が、表裏両面に、または、表裏両面の一部に凹凸状の模様を有し、
前記表裏両面の凹凸状の模様は互いに異なることを特徴とする請求項14に記載の装飾部材。
【請求項18】
前記基板の少なくとも一方の表面に、複数の模様を有することを特徴とする請求項14から17のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項19】
前記装飾部材が、時計の金属リング、見返しリング、レジスターリング、Cリング、時
字、マーク、銘板、または機器類のマーク、銘板に用いられるものであることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の装飾部材。
【請求項20】
請求項1から19のいずれかに記載の装飾部材を備えることを特徴とする機器類。
【請求項21】
請求項1から19のいずれかに記載の装飾部材を備えることを特徴とする装身具。
【請求項22】
請求項1から19のいずれかに記載の装飾部材を備えることを特徴とする表示板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2009−216670(P2009−216670A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63274(P2008−63274)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】