裏面紫外線照射を用いて半導体レーザの金属接触構造を作製する方法
【課題】半導体レーザの金属接触構造において、位置合わせエラーを除去する。
【解決手段】半導体レーザの金属接触構造を作製する方法が提供され、この方法は、紫外線透過性半導体基板と、エッチングによって形成されたエピ層エッジ間に配置されるリッジを画定し、紫外線透過性半導体基板を覆って配置される紫外線透過性半導体エピ層と、およびエピ層リッジを覆って配置される紫外線不透過性金属層とを提供する工程、不透過性金属層とエピ層エッジとを覆って少なくとも1つのフォトレジスト層(ポジ型フォトレジスト、画像反転フォトレジスト、またはネガ型フォトレジスト)を塗布する工程、およびフォトレジスト層の領域をフォトリソグラフィマスクとして用いられる不透過性金属層と共に紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程を含む。
【解決手段】半導体レーザの金属接触構造を作製する方法が提供され、この方法は、紫外線透過性半導体基板と、エッチングによって形成されたエピ層エッジ間に配置されるリッジを画定し、紫外線透過性半導体基板を覆って配置される紫外線透過性半導体エピ層と、およびエピ層リッジを覆って配置される紫外線不透過性金属層とを提供する工程、不透過性金属層とエピ層エッジとを覆って少なくとも1つのフォトレジスト層(ポジ型フォトレジスト、画像反転フォトレジスト、またはネガ型フォトレジスト)を塗布する工程、およびフォトレジスト層の領域をフォトリソグラフィマスクとして用いられる不透過性金属層と共に紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年5月31日に出願された米国特許出願第11/809,117号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に半導体レーザの金属接触構造の作製に関し、特に、半導体レーザのリッジを覆う金属接触部を、裏面紫外線フォトリソグラフィを用いて作製する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
本発明の発明者は、インデックスガイド式半導体レーザの製造における半導体ウエーハ上パターンとマスクパターンとの間の位置合わせエラーが、リッジ上面のp−コンタクト金属とコンタクト開口部との位置ずれの結果、リーク電流を引き起こす可能性があることを認識していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、半導体レーザの金属接触構造において、上記の位置合わせエラーを除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施の形態によると、位置合わせエラーを除去する、半導体レーザの金属接触構造を作製する方法が提供される。この方法は、紫外線透過性半導体基板と、エッチングによって形成されたエピ層のエッジ間に配置されるリッジを画定する紫外線透過性半導体エピ層とを提供する工程を含み、このときエピ層は紫外線透過性半導体基板を覆って配置される。また、紫外線不透明金属接触層がエピ層のリッジを覆って提供される。この方法はさらに、不透過性金属接触層およびエピ層のエッジを覆って少なくとも1つのポジ型フォトレジスト層を塗布する工程、およびポジ型フォトレジスト層のエピ層エッジを覆って配置された領域を紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程を含む。裏面紫外線照射では、紫外線光は最初に紫外線透過性半導体基板の底面を通して送られる。不透過性金属接触層により、ポジ型フォトレジスト層の不透過性金属を覆って配置された領域は紫外線光で照射されないため、選択的現像が促進される。この方法はまた、エピ層のエッジを覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、現像されていないフォトレジスト領域とエピ層のエッジとを覆って誘電体層を適用する工程、現像されていないフォトレジスト領域と、誘電体層のこの現像されていないフォトレジスト領域を覆って配置された部分とを除去する工程、および誘電体層と不透過性金属接触層とを覆って金属層を適用することにより金属接触構造を形成する工程を含む。
【0006】
別の実施の形態では、半導体レーザの金属接触構造を作製する別の方法が画像反転フォトレジスト層を用いて提供される。この方法は、不透過性金属接触層とエピ層のエッジとを覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つの画像反転フォトレジスト層を塗布する工程、画像反転フォトレジスト層のエピ層エッジを覆って配置された領域を紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程を含む。またこの方法は、エピ層のエッジを覆う現像されたフォトレジスト領域をフォトレジストベーキングによって安定化する工程、その後画像反転フォトレジスト層の不透過性金属を覆って配置された領域を画像反転フォトレジスト層の上面を紫外線光で照射することにより選択的に現像する工程を含む。フォトレジストベーキングの工程によって、エピ層のエッジを覆うフォトレジスト領域の紫外線感光性は失われる。さらにこの方法は、不透過性金属接触層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、エピ層のエッジを覆うフォトレジスト領域を除去する工程、および誘電体層と不透過性金属接触層とを覆って金属層を適用することにより半導体レーザのリッジ上に金属接触構造を形成する工程を含む。
【0007】
さらに別の実施の形態によれば、ネガ型フォトレジストを用いて半導体レーザの金属接触構造を作製する方法が提供される。この方法は、不透過性金属接触層とエピ層のエッジとを覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つのネガ型フォトレジスト層を塗布する工程、および紫外線光による裏面照射をエピ層のエッジを覆うフォトレジスト領域に限定し、かつ続くフォトレジストベーキングによって、ネガ型フォトレジスト層の不透過性金属接触層を覆って配置された領域を選択的に現像する工程を含む。この方法はさらに、不透過性金属接触層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、エピ層のエッジを覆う現像されていないフォトレジスト領域を除去する工程、および誘電体層と不透過性金属接触層とを覆って金属層を適用することにより半導体レーザの金属接触構造を形成する工程を含む。
【0008】
本発明の実施の形態により提供されるこれらおよび追加の特徴は、図面と共に以下の詳細な説明を考慮することでより完全に理解されるであろう。
【0009】
本発明の特定の実施形態を示す以下の詳細な説明は、ここに添付する図面と共に読むとよく理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の1つ以上の実施の形態による、ポジ型フォトレジスト層を裏面紫外線照射と共に用いることにより半導体レーザの金属接触構造を作製する工程を示す図
【図1B】図1Aの次の工程を示す図
【図1C】図1Bの次の工程を示す図
【図1D】図1Cの次の工程を示す図
【図1E】図1Dの次の工程を示す図
【図1F】図1Eの次の工程を示す図
【図1G】図1Fの次の工程を示す図
【図1H】図1Gの次の工程を示す図
【図2A】本発明の1つ以上の実施の形態による、画像反転フォトレジスト層を裏面紫外線照射と共に用いることにより半導体レーザの金属接触構造を作製する工程を示す図
【図2B】図2Aの次の工程を示す図
【図2C】図2Bの次の工程を示す図
【図2D】図2Cの次の工程を示す図
【図2E】図2Dの次の工程を示す図
【図2F】図2Eの次の工程を示す図
【図2G】図2Fの次の工程を示す図
【図2H】図2Gの次の工程を示す図
【図2I】図2Hの次の工程を示す図
【図3A】本発明の1つ以上の実施の形態による、ネガ型フォトレジスト層を裏面紫外線照射と共に用いることにより半導体レーザの金属接触構造を作製する工程を示す図
【図3B】図3Aの次の工程を示す図
【図3C】図3Bの次の工程を示す図
【図3D】図3Cの次の工程を示す図
【図3E】図3Dの次の工程を示す図
【図3F】図3Eの次の工程を示す図
【図3G】図3Fの次の工程を示す図
【図3H】図3Gの次の工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面において説明される実施の形態は実際の例であって、請求項により画定される本発明を制限する意図はない。さらに、図面および本発明の個々の特徴は、この詳細な説明を考慮することでより完全に明白になりかつ理解されるであろう。
【0012】
本発明は、半導体レーザのリッジを覆う金属接触構造を、紫外線不透過性金属接触部を覆う感光性フォトレジスト層を利用して作製する方法に関し、この金属接触構造は紫外線透過性ウエーハを覆って形成される。
【0013】
本書で用いられる「ウエーハ」は、紫外線透過性半導体基板1、エピ層2を称し、また当業者に公知の他の適切な層を含んでもよい。さらに本書で用いられる「覆う(over)」という用語は、ある層をその上に適用することを意味するが、必ずしも別の層の上に直接適用することを意味するものではない。本発明において、介在する層、例えばクラッド層の付加がここでは考えられる。さらに「覆う」という用語は、その層がその表面全体を被覆することを求めているのではなく、単に一部分を含んでいるものでもよい。フォトレジスト層はウエーハの裏面から照射されるので、フォトレジストパターンはフォトリソグラフィマスクとして用いられる不透過性金属のパターンに正確に従うことができる。本出願ではフォトレジスト層に光子を送るために用いられる光源として紫外線に焦点を合わせているが、赤外線、マイクロ波、および他の適切な光源が紫外線光の代替に適しているであろうと考えられる。本発明の種々の実施形態による工程は、透過性基板、例えばIII−N基板上に狭リッジレーザの金属接触構造を作製するために用いることができ、同時に位置合わせエラーを除去することができる。さらに、本発明の種々の実施形態による方法は、接触金属層を半導体レーザの狭リッジ上に約2μm未満のエッジ幅で作製するために用いることができるが、本発明の概念は、より大きいまたはより小さい様々な寸法の不透過性層の作製に適用することができる。
【0014】
図1A〜1Hに示したポジ型フォトレジストの実施形態を参照すると、紫外線透過性半導体基板1が提供され、かつ少なくとも1つの紫外線透過性エピ層2がその上に形成されている。例えば、これに限定されないが、紫外線透過性半導体基板1はサファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、またはこれらの組合せを含むものでもよく、また紫外線透過性エピ層2はAlGaInN合金を含むものでもよい。他の適切な紫外線透過性組成物もまた基板1および/またはエピ層2として考えられる。図1Aに(同様に、図2Aおよび図3Aに)示すように、紫外線不透過性金属層3がエピ層2上に成膜される。紫外線不透過性金属層3は任意の不透過性金属、例えば、Pd、Pt、Au、Ni、またはこれらの組合せを含むものでもよい。金属に加えて、不透過性セラミックやポリマーなど他の不透過性組成物もまた適していると考えられる。不透過性金属層3は、用いられる金属材料次第でいろいろな厚さを有することができる。いくつかの例示的な実施の形態では、不透過性金属層3を、それぞれ50nm、100nm、250nm、または100nmの厚さを有するPd、Pt、Au、またはNiを含むとしてもよい。
【0015】
不透過性金属層3の成膜の後、図1Bに(同様に、図2Bおよび図3Bに)示すように、エッチング工程を行って上部リッジおよびエッチングエッジを形成してもよい。本書で用いられる「エッジ」とはエピ層2のエッチングされた切欠き領域を示し、これに対し「リッジ」とはエピ層2のエッチングされていない領域の上面を示す。このエッチングは、ウェットまたはドライエッチング(例えば、反応性イオンビームエッチング、化学支援(chemical assistant)イオンビームエッチング、または誘導結合型プラズマエッチング)を含むものでもよい。図1Bの実施形態に示されているように、不透過性金属層3をリッジ上に配置してもよい。図1Bでリッジが形成されると、図1Cに示すように、ポジ型フォトレジスト層4がエピ層2のエッジおよび不透過性金属層3の上に(例えばスピンコーティングによって)塗布される。フォトレジストの紫外線光に照射された部分はフォトレジスト現像液に対して溶性となり、紫外線光に照射されていない部分はフォトレジスト現像液に対して不溶性である。適切なポジ型フォトレジスト材料の一例としては、AZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ(登録商標)4210ポジ型フォトレジスト材料が挙げられる。
【0016】
図1Dは、裏面照射フォトリソグラフィを受けているポジ型フォトレジスト層4を描いたものである。この工程では、紫外線が紫外線透過性基板1の底面を通って、紫外線透過性エピ層2、さらにその後フォトレジスト層4へと送られる。不透過性金属層3はフォトリソグラフィマスクとして働き、このためポジ型フォトレジスト層4の不透過性金属層3を覆う領域は光エネルギを受けない。結果として、このポジ型フォトレジスト層4の不透過性金属層3を覆う領域は現像されない。しかし、ポジ型フォトレジスト層4のエピ層2を覆う領域は、紫外線照射によって光エネルギを受けるため現像される。本書で使用される「現像される」とはフォトレジスト部分がフォトレジスト現像液に対して溶性に作られることを意味し、「現像されない」とはフォトレジスト部分がフォトレジスト現像液に対して不溶性であることを意味する。
【0017】
図1Eを参照すると、ポジ型フォトレジスト層4の現像された領域が現像液を加えることにより除去されている。現像されたフォトレジスト領域は現像液内で溶解しその後洗い流されるが、これに対し現像されていない領域は現像液内で不溶性である。従って、現像液は現像されていない領域を溶解せずに現像された領域を溶解することができるものでなければならない。適切なポジ型フォトレジスト現像液の例としては、AZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ400K、およびAZ421K現像液が挙げられる。図1Eを参照すると、フォトレジスト層4の不透過性金属層3を覆う現像されていない領域のみが、現像されたフォトレジスト領域が現像液によって除去された後にそのまま残存している。
【0018】
次に、図1Fの実施形態に示されているように、誘導体層5、例えば、紫外線透過性のSiO2またはSi3N4を、残存しているフォトレジスト層4およびエピ層2を覆って適用してもよい。この誘導体層5は、様々な従来の、あるいは未だ開発されていない工程を通して適用することができる。例えば、これに限定されないが、誘導体層5は蒸着手段またはスパッタリングにより不動態化層として適用される。図1Gのように、残存しているフォトレジスト層4領域およびその上の誘導体層5を、フォトレジスト剥離液を用いて除去してもよい。このフォトレジスト剥離液は現像されていないフォトレジスト領域を溶解する溶剤であり、さらに加えて、任意の残存している現像されたフォトレジスト材料や有機残渣を除去することもできる。適切なフォトレジスト剥離液組成物として、アセトンやAZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ400Tなど、様々な有機および無機溶剤を挙げることができる。現像されていないフォトレジスト領域が溶解すると、このフォトレジスト領域を覆う誘導体層5を除去することもできる。この除去工程は時に「リフトオフ(liftoff)」と呼ばれることもある。
【0019】
図1Gを参照すると、不透過性金属層3がこの時点では露出している。図1Hに示すように、半導体レーザのリッジを覆う金属接触構造の作製を完了するために、上部金属層6をその後不透過性金属層3と誘導体層5を覆って適用してもよい。上部金属層6は、チタニウム、金、パラジウム、プラチナ、ニッケル、およびこれらの組合せを含むものでもよい。
【0020】
図2A〜2Iを参照すると、リッジ半導体レーザは画像反転フォトレジスト14を用いて作製することもできる。リッジおよびエッチングエッジが図2Bに示すように形成された後、誘導体層5、例えばSiO2またはSi3N4を、蒸着手段またはスパッタリングによって図2Cに示すように成膜することもできる。図2Dを参照すると、画像反転フォトレジスト14の層が誘導体層5上にスピンコートされている。この画像反転フォトレジスト14は種々の材料、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ社によって流通されているAZ5214EやAZ5218Eを含むものでもよい。
【0021】
図2Eを参照すると、裏面照射フォトリソグラフィが行われている。画像反転フォトレジスト14のうちエピ層2のエッジを覆う領域は、光エネルギを受けて安定化されている。続いてこの方法では、フォトレジストのうちエピ層2のエッジを覆う紫外線照射された領域を安定化するだけではなく、この領域の感光性を失わせるフォトレジストベーキング工程を使用する。ベーキング工程の後、図2Fに示すように、フォトレジスト層14はその上面から紫外線光で照射される。ベーキング工程がフォトレジストのうちエピ層2のエッジを覆う領域の感光性を失わせるため、フォトレジスト14の不透過性金属層3を覆う領域のみが紫外線照射により現像される。その時、フォトレジスト14の不透過性金属層3を覆う現像された領域は現像液により溶解されて除去され、このため図2Gに示すように不透過性金属上には窓が開口する。現像液はAZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ400K、AZ351Bを含むものでもよく、他の適切な従来のあるいは未だ開発されていない現像液でもよい。
【0022】
図2Hに示すように、不透過性金属層3を覆う誘電体層5を除去するためにエッチング工程を行ってもよい。残存しているフォトレジスト14のうちエピ層2のエッジを覆う領域は、上述したようにフォトレジスト剥離液を付与することによって除去される。図2Iを参照すると、金属層6が不透過性金属層3および誘電体層5を覆って成膜され、半導体レーザの金属接触構造の作製が終了する。
【0023】
図3Aから図3Hを参照すると、金属接触構造を、ネガ型フォトレジスト層を用いて作製する方法が提供されている。図3Bに示すようにリッジおよびエッチングエッジがエピ層2に形成された後、図3Cに示すように誘電体層5が成膜される。その後、図3Dに示すように、ネガ型フォトレジスト24の層がスピンコーティングによって塗布される。ネガ型レジストは、光に照射された部分はフォトレジスト現像液に対して相対的に不溶性であり、照射されていない部分はフォトレジスト現像液により溶解するフォトレジストである。適切なネガ型フォトレジストとしては、これに限定されないが、Futurrex社製のFuturrexNR7−1000Pネガ型フォトレジストを挙げることができる。図3Eを参照すると、裏面照射フォトリソグラフィがその後行われる。ネガ型フォトレジスト24のうちエピ層2のエッジを覆う領域は紫外線に照射されて現像されず、これに対しネガ型フォトレジスト24の不透過性金属層3を覆う領域は紫外線に照射されず現像される。さらに別の実施の形態では、本発明の方法は、フォトレジストのうちエピ層2のエッジを覆う紫外線照射された領域を安定化するためにフォトレジストベーキング工程を使用してもよい。フォトレジスト24の不透過性金属を覆う現像された領域は、その後現像液の下で溶解される。ネガ型フォトレジスト24のための現像液はFuturrex社製のFuturrexRD6を含むものでもよく、他の適切な従来のあるいは未だ開発されていない現像液でもよい。図3Fは、フォトレジスト24の現像された領域が除去された後、不透過性金属層3の上に窓が開口した状態を示している。図3Gでは、不透過性金属層3を覆う誘電体層5を除去するエッチング工程が行われる。最終的に、エピ層2のエッジを覆うフォトレジスト24は除去され(例えば、フォトレジスト剥離液により)、図3Hに示すように、別の厚い金属層6が成膜されて金属接触構造の作製が終了する。
【0024】
本発明について詳細にかつその特定の実施形態を参照してここまで説明してきたが、添付の請求項において画定される本発明の範囲から逸脱することなく変更および変形が可能であることは明らかであろう。特に、本発明の態様のいくつかは本書で好適あるいは特に有益であると特定されているものもあるが、本発明は必ずしもこれらの好適な態様に限定されるものではないと意図される。
【符号の説明】
【0025】
1 紫外線透過性半導体基板
2 エピ層
3 紫外線不透過性金属層
4 ポジ型フォトレジスト層
5 誘導体層
6 上部金属層
14 画像反転フォトレジスト
24 ネガ型フォトレジスト
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年5月31日に出願された米国特許出願第11/809,117号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に半導体レーザの金属接触構造の作製に関し、特に、半導体レーザのリッジを覆う金属接触部を、裏面紫外線フォトリソグラフィを用いて作製する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
本発明の発明者は、インデックスガイド式半導体レーザの製造における半導体ウエーハ上パターンとマスクパターンとの間の位置合わせエラーが、リッジ上面のp−コンタクト金属とコンタクト開口部との位置ずれの結果、リーク電流を引き起こす可能性があることを認識していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、半導体レーザの金属接触構造において、上記の位置合わせエラーを除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施の形態によると、位置合わせエラーを除去する、半導体レーザの金属接触構造を作製する方法が提供される。この方法は、紫外線透過性半導体基板と、エッチングによって形成されたエピ層のエッジ間に配置されるリッジを画定する紫外線透過性半導体エピ層とを提供する工程を含み、このときエピ層は紫外線透過性半導体基板を覆って配置される。また、紫外線不透明金属接触層がエピ層のリッジを覆って提供される。この方法はさらに、不透過性金属接触層およびエピ層のエッジを覆って少なくとも1つのポジ型フォトレジスト層を塗布する工程、およびポジ型フォトレジスト層のエピ層エッジを覆って配置された領域を紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程を含む。裏面紫外線照射では、紫外線光は最初に紫外線透過性半導体基板の底面を通して送られる。不透過性金属接触層により、ポジ型フォトレジスト層の不透過性金属を覆って配置された領域は紫外線光で照射されないため、選択的現像が促進される。この方法はまた、エピ層のエッジを覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、現像されていないフォトレジスト領域とエピ層のエッジとを覆って誘電体層を適用する工程、現像されていないフォトレジスト領域と、誘電体層のこの現像されていないフォトレジスト領域を覆って配置された部分とを除去する工程、および誘電体層と不透過性金属接触層とを覆って金属層を適用することにより金属接触構造を形成する工程を含む。
【0006】
別の実施の形態では、半導体レーザの金属接触構造を作製する別の方法が画像反転フォトレジスト層を用いて提供される。この方法は、不透過性金属接触層とエピ層のエッジとを覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つの画像反転フォトレジスト層を塗布する工程、画像反転フォトレジスト層のエピ層エッジを覆って配置された領域を紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程を含む。またこの方法は、エピ層のエッジを覆う現像されたフォトレジスト領域をフォトレジストベーキングによって安定化する工程、その後画像反転フォトレジスト層の不透過性金属を覆って配置された領域を画像反転フォトレジスト層の上面を紫外線光で照射することにより選択的に現像する工程を含む。フォトレジストベーキングの工程によって、エピ層のエッジを覆うフォトレジスト領域の紫外線感光性は失われる。さらにこの方法は、不透過性金属接触層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、エピ層のエッジを覆うフォトレジスト領域を除去する工程、および誘電体層と不透過性金属接触層とを覆って金属層を適用することにより半導体レーザのリッジ上に金属接触構造を形成する工程を含む。
【0007】
さらに別の実施の形態によれば、ネガ型フォトレジストを用いて半導体レーザの金属接触構造を作製する方法が提供される。この方法は、不透過性金属接触層とエピ層のエッジとを覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つのネガ型フォトレジスト層を塗布する工程、および紫外線光による裏面照射をエピ層のエッジを覆うフォトレジスト領域に限定し、かつ続くフォトレジストベーキングによって、ネガ型フォトレジスト層の不透過性金属接触層を覆って配置された領域を選択的に現像する工程を含む。この方法はさらに、不透過性金属接触層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、エピ層のエッジを覆う現像されていないフォトレジスト領域を除去する工程、および誘電体層と不透過性金属接触層とを覆って金属層を適用することにより半導体レーザの金属接触構造を形成する工程を含む。
【0008】
本発明の実施の形態により提供されるこれらおよび追加の特徴は、図面と共に以下の詳細な説明を考慮することでより完全に理解されるであろう。
【0009】
本発明の特定の実施形態を示す以下の詳細な説明は、ここに添付する図面と共に読むとよく理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の1つ以上の実施の形態による、ポジ型フォトレジスト層を裏面紫外線照射と共に用いることにより半導体レーザの金属接触構造を作製する工程を示す図
【図1B】図1Aの次の工程を示す図
【図1C】図1Bの次の工程を示す図
【図1D】図1Cの次の工程を示す図
【図1E】図1Dの次の工程を示す図
【図1F】図1Eの次の工程を示す図
【図1G】図1Fの次の工程を示す図
【図1H】図1Gの次の工程を示す図
【図2A】本発明の1つ以上の実施の形態による、画像反転フォトレジスト層を裏面紫外線照射と共に用いることにより半導体レーザの金属接触構造を作製する工程を示す図
【図2B】図2Aの次の工程を示す図
【図2C】図2Bの次の工程を示す図
【図2D】図2Cの次の工程を示す図
【図2E】図2Dの次の工程を示す図
【図2F】図2Eの次の工程を示す図
【図2G】図2Fの次の工程を示す図
【図2H】図2Gの次の工程を示す図
【図2I】図2Hの次の工程を示す図
【図3A】本発明の1つ以上の実施の形態による、ネガ型フォトレジスト層を裏面紫外線照射と共に用いることにより半導体レーザの金属接触構造を作製する工程を示す図
【図3B】図3Aの次の工程を示す図
【図3C】図3Bの次の工程を示す図
【図3D】図3Cの次の工程を示す図
【図3E】図3Dの次の工程を示す図
【図3F】図3Eの次の工程を示す図
【図3G】図3Fの次の工程を示す図
【図3H】図3Gの次の工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面において説明される実施の形態は実際の例であって、請求項により画定される本発明を制限する意図はない。さらに、図面および本発明の個々の特徴は、この詳細な説明を考慮することでより完全に明白になりかつ理解されるであろう。
【0012】
本発明は、半導体レーザのリッジを覆う金属接触構造を、紫外線不透過性金属接触部を覆う感光性フォトレジスト層を利用して作製する方法に関し、この金属接触構造は紫外線透過性ウエーハを覆って形成される。
【0013】
本書で用いられる「ウエーハ」は、紫外線透過性半導体基板1、エピ層2を称し、また当業者に公知の他の適切な層を含んでもよい。さらに本書で用いられる「覆う(over)」という用語は、ある層をその上に適用することを意味するが、必ずしも別の層の上に直接適用することを意味するものではない。本発明において、介在する層、例えばクラッド層の付加がここでは考えられる。さらに「覆う」という用語は、その層がその表面全体を被覆することを求めているのではなく、単に一部分を含んでいるものでもよい。フォトレジスト層はウエーハの裏面から照射されるので、フォトレジストパターンはフォトリソグラフィマスクとして用いられる不透過性金属のパターンに正確に従うことができる。本出願ではフォトレジスト層に光子を送るために用いられる光源として紫外線に焦点を合わせているが、赤外線、マイクロ波、および他の適切な光源が紫外線光の代替に適しているであろうと考えられる。本発明の種々の実施形態による工程は、透過性基板、例えばIII−N基板上に狭リッジレーザの金属接触構造を作製するために用いることができ、同時に位置合わせエラーを除去することができる。さらに、本発明の種々の実施形態による方法は、接触金属層を半導体レーザの狭リッジ上に約2μm未満のエッジ幅で作製するために用いることができるが、本発明の概念は、より大きいまたはより小さい様々な寸法の不透過性層の作製に適用することができる。
【0014】
図1A〜1Hに示したポジ型フォトレジストの実施形態を参照すると、紫外線透過性半導体基板1が提供され、かつ少なくとも1つの紫外線透過性エピ層2がその上に形成されている。例えば、これに限定されないが、紫外線透過性半導体基板1はサファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、またはこれらの組合せを含むものでもよく、また紫外線透過性エピ層2はAlGaInN合金を含むものでもよい。他の適切な紫外線透過性組成物もまた基板1および/またはエピ層2として考えられる。図1Aに(同様に、図2Aおよび図3Aに)示すように、紫外線不透過性金属層3がエピ層2上に成膜される。紫外線不透過性金属層3は任意の不透過性金属、例えば、Pd、Pt、Au、Ni、またはこれらの組合せを含むものでもよい。金属に加えて、不透過性セラミックやポリマーなど他の不透過性組成物もまた適していると考えられる。不透過性金属層3は、用いられる金属材料次第でいろいろな厚さを有することができる。いくつかの例示的な実施の形態では、不透過性金属層3を、それぞれ50nm、100nm、250nm、または100nmの厚さを有するPd、Pt、Au、またはNiを含むとしてもよい。
【0015】
不透過性金属層3の成膜の後、図1Bに(同様に、図2Bおよび図3Bに)示すように、エッチング工程を行って上部リッジおよびエッチングエッジを形成してもよい。本書で用いられる「エッジ」とはエピ層2のエッチングされた切欠き領域を示し、これに対し「リッジ」とはエピ層2のエッチングされていない領域の上面を示す。このエッチングは、ウェットまたはドライエッチング(例えば、反応性イオンビームエッチング、化学支援(chemical assistant)イオンビームエッチング、または誘導結合型プラズマエッチング)を含むものでもよい。図1Bの実施形態に示されているように、不透過性金属層3をリッジ上に配置してもよい。図1Bでリッジが形成されると、図1Cに示すように、ポジ型フォトレジスト層4がエピ層2のエッジおよび不透過性金属層3の上に(例えばスピンコーティングによって)塗布される。フォトレジストの紫外線光に照射された部分はフォトレジスト現像液に対して溶性となり、紫外線光に照射されていない部分はフォトレジスト現像液に対して不溶性である。適切なポジ型フォトレジスト材料の一例としては、AZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ(登録商標)4210ポジ型フォトレジスト材料が挙げられる。
【0016】
図1Dは、裏面照射フォトリソグラフィを受けているポジ型フォトレジスト層4を描いたものである。この工程では、紫外線が紫外線透過性基板1の底面を通って、紫外線透過性エピ層2、さらにその後フォトレジスト層4へと送られる。不透過性金属層3はフォトリソグラフィマスクとして働き、このためポジ型フォトレジスト層4の不透過性金属層3を覆う領域は光エネルギを受けない。結果として、このポジ型フォトレジスト層4の不透過性金属層3を覆う領域は現像されない。しかし、ポジ型フォトレジスト層4のエピ層2を覆う領域は、紫外線照射によって光エネルギを受けるため現像される。本書で使用される「現像される」とはフォトレジスト部分がフォトレジスト現像液に対して溶性に作られることを意味し、「現像されない」とはフォトレジスト部分がフォトレジスト現像液に対して不溶性であることを意味する。
【0017】
図1Eを参照すると、ポジ型フォトレジスト層4の現像された領域が現像液を加えることにより除去されている。現像されたフォトレジスト領域は現像液内で溶解しその後洗い流されるが、これに対し現像されていない領域は現像液内で不溶性である。従って、現像液は現像されていない領域を溶解せずに現像された領域を溶解することができるものでなければならない。適切なポジ型フォトレジスト現像液の例としては、AZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ400K、およびAZ421K現像液が挙げられる。図1Eを参照すると、フォトレジスト層4の不透過性金属層3を覆う現像されていない領域のみが、現像されたフォトレジスト領域が現像液によって除去された後にそのまま残存している。
【0018】
次に、図1Fの実施形態に示されているように、誘導体層5、例えば、紫外線透過性のSiO2またはSi3N4を、残存しているフォトレジスト層4およびエピ層2を覆って適用してもよい。この誘導体層5は、様々な従来の、あるいは未だ開発されていない工程を通して適用することができる。例えば、これに限定されないが、誘導体層5は蒸着手段またはスパッタリングにより不動態化層として適用される。図1Gのように、残存しているフォトレジスト層4領域およびその上の誘導体層5を、フォトレジスト剥離液を用いて除去してもよい。このフォトレジスト剥離液は現像されていないフォトレジスト領域を溶解する溶剤であり、さらに加えて、任意の残存している現像されたフォトレジスト材料や有機残渣を除去することもできる。適切なフォトレジスト剥離液組成物として、アセトンやAZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ400Tなど、様々な有機および無機溶剤を挙げることができる。現像されていないフォトレジスト領域が溶解すると、このフォトレジスト領域を覆う誘導体層5を除去することもできる。この除去工程は時に「リフトオフ(liftoff)」と呼ばれることもある。
【0019】
図1Gを参照すると、不透過性金属層3がこの時点では露出している。図1Hに示すように、半導体レーザのリッジを覆う金属接触構造の作製を完了するために、上部金属層6をその後不透過性金属層3と誘導体層5を覆って適用してもよい。上部金属層6は、チタニウム、金、パラジウム、プラチナ、ニッケル、およびこれらの組合せを含むものでもよい。
【0020】
図2A〜2Iを参照すると、リッジ半導体レーザは画像反転フォトレジスト14を用いて作製することもできる。リッジおよびエッチングエッジが図2Bに示すように形成された後、誘導体層5、例えばSiO2またはSi3N4を、蒸着手段またはスパッタリングによって図2Cに示すように成膜することもできる。図2Dを参照すると、画像反転フォトレジスト14の層が誘導体層5上にスピンコートされている。この画像反転フォトレジスト14は種々の材料、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ社によって流通されているAZ5214EやAZ5218Eを含むものでもよい。
【0021】
図2Eを参照すると、裏面照射フォトリソグラフィが行われている。画像反転フォトレジスト14のうちエピ層2のエッジを覆う領域は、光エネルギを受けて安定化されている。続いてこの方法では、フォトレジストのうちエピ層2のエッジを覆う紫外線照射された領域を安定化するだけではなく、この領域の感光性を失わせるフォトレジストベーキング工程を使用する。ベーキング工程の後、図2Fに示すように、フォトレジスト層14はその上面から紫外線光で照射される。ベーキング工程がフォトレジストのうちエピ層2のエッジを覆う領域の感光性を失わせるため、フォトレジスト14の不透過性金属層3を覆う領域のみが紫外線照射により現像される。その時、フォトレジスト14の不透過性金属層3を覆う現像された領域は現像液により溶解されて除去され、このため図2Gに示すように不透過性金属上には窓が開口する。現像液はAZエレクトロニックマテリアルズ社製のAZ400K、AZ351Bを含むものでもよく、他の適切な従来のあるいは未だ開発されていない現像液でもよい。
【0022】
図2Hに示すように、不透過性金属層3を覆う誘電体層5を除去するためにエッチング工程を行ってもよい。残存しているフォトレジスト14のうちエピ層2のエッジを覆う領域は、上述したようにフォトレジスト剥離液を付与することによって除去される。図2Iを参照すると、金属層6が不透過性金属層3および誘電体層5を覆って成膜され、半導体レーザの金属接触構造の作製が終了する。
【0023】
図3Aから図3Hを参照すると、金属接触構造を、ネガ型フォトレジスト層を用いて作製する方法が提供されている。図3Bに示すようにリッジおよびエッチングエッジがエピ層2に形成された後、図3Cに示すように誘電体層5が成膜される。その後、図3Dに示すように、ネガ型フォトレジスト24の層がスピンコーティングによって塗布される。ネガ型レジストは、光に照射された部分はフォトレジスト現像液に対して相対的に不溶性であり、照射されていない部分はフォトレジスト現像液により溶解するフォトレジストである。適切なネガ型フォトレジストとしては、これに限定されないが、Futurrex社製のFuturrexNR7−1000Pネガ型フォトレジストを挙げることができる。図3Eを参照すると、裏面照射フォトリソグラフィがその後行われる。ネガ型フォトレジスト24のうちエピ層2のエッジを覆う領域は紫外線に照射されて現像されず、これに対しネガ型フォトレジスト24の不透過性金属層3を覆う領域は紫外線に照射されず現像される。さらに別の実施の形態では、本発明の方法は、フォトレジストのうちエピ層2のエッジを覆う紫外線照射された領域を安定化するためにフォトレジストベーキング工程を使用してもよい。フォトレジスト24の不透過性金属を覆う現像された領域は、その後現像液の下で溶解される。ネガ型フォトレジスト24のための現像液はFuturrex社製のFuturrexRD6を含むものでもよく、他の適切な従来のあるいは未だ開発されていない現像液でもよい。図3Fは、フォトレジスト24の現像された領域が除去された後、不透過性金属層3の上に窓が開口した状態を示している。図3Gでは、不透過性金属層3を覆う誘電体層5を除去するエッチング工程が行われる。最終的に、エピ層2のエッジを覆うフォトレジスト24は除去され(例えば、フォトレジスト剥離液により)、図3Hに示すように、別の厚い金属層6が成膜されて金属接触構造の作製が終了する。
【0024】
本発明について詳細にかつその特定の実施形態を参照してここまで説明してきたが、添付の請求項において画定される本発明の範囲から逸脱することなく変更および変形が可能であることは明らかであろう。特に、本発明の態様のいくつかは本書で好適あるいは特に有益であると特定されているものもあるが、本発明は必ずしもこれらの好適な態様に限定されるものではないと意図される。
【符号の説明】
【0025】
1 紫外線透過性半導体基板
2 エピ層
3 紫外線不透過性金属層
4 ポジ型フォトレジスト層
5 誘導体層
6 上部金属層
14 画像反転フォトレジスト
24 ネガ型フォトレジスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザの金属接触構造を作製する方法であって、
紫外線透過性半導体基板を提供する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の上に、紫外線透過性半導体エピ層を形成する工程、
前記紫外線透過性半導体エピ層の上に、紫外線不透過性金属層をパターン状に成膜する工程、
前記紫外線不透過性金属層の成膜の後、前記紫外線不透過性金属層の上面と、前記紫外線透過性半導体エピ層のうち前記紫外線不透過性金属層のパターンで覆われていない部分の上面とが露出した状態でエッチングを行い、エピ層エッジと、該エピ層エッジ間に配置され前記紫外線不透過性金属層で覆われたエピ層リッジとを形成する工程、
前記不透過性金属層と前記エピ層エッジとの露出した上面を覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、
前記紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つの画像反転フォトレジスト層を塗布する工程、
前記画像反転フォトレジスト層の前記エピ層エッジを覆って配置された領域を、最初に前記紫外線透過性半導体基板の底面を通して送られた紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程であって、前記画像反転フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された領域は該不透過性金属層によって紫外線光で照射されないものである工程、
前記エピ層エッジを覆う現像されたフォトレジスト領域をフォトレジストベーキングにより安定化する工程、
前記画像反転フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された前記領域を、該画像反転フォトレジスト層の上面を紫外線光で照射することにより選択的に現像し、前記エピ層エッジを覆うフォトレジスト領域の紫外線感光性は前記フォトレジストベーキング工程により失われている工程、
前記不透過性金属層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、
前記誘電体層の前記不透過性金属層を覆う部分をエッチングする工程、
前記エピ層エッジを覆う前記フォトレジスト領域を除去する工程、および、
前記誘電体層と前記不透過性金属層とを覆って金属層を適用することにより、半導体レーザの金属接触構造を形成する工程、
を備えたことを特徴とする半導体レーザの金属接触構造を作製する方法。
【請求項2】
半導体レーザの金属接触構造を作製する方法であって、
紫外線透過性半導体基板を提供する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の上に、紫外線透過性半導体エピ層を形成する工程、
前記紫外線透過性半導体エピ層の上に、紫外線不透過性金属層をパターン状に成膜する工程、
前記紫外線不透過性金属層の成膜の後、前記紫外線不透過性金属層の上面と、前記紫外線透過性半導体エピ層のうち前記紫外線不透過性金属層のパターンで覆われていない部分の上面とが露出した状態でエッチングを行い、エピ層エッジと、該エピ層エッジ間に配置され前記紫外線不透過性金属層で覆われたエピ層リッジとを形成する工程、
前記不透過性金属層と前記エピ層エッジとの露出した上面を覆って少なくとも1つのポジ型フォトレジスト層を塗布する工程、
前記ポジ型フォトレジスト層の前記エピ層エッジを覆って配置された領域を、最初に前記紫外線透過性半導体基板の底面を通して送られた紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程であって、前記ポジ型フォトレジスト層の前記不透過性金属を覆って配置された領域は該不透過性金属層によって紫外線光で照射されないものである工程、
前記エピ層エッジを覆う前記現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、
前記現像されていないフォトレジスト領域と前記エピ層エッジとを覆って誘電体層を適用する工程、
現像されていないフォトレジスト領域と、前記誘電体層の該現像されていないフォトレジスト領域を覆って配置された部分とを除去する工程、および、
前記誘電体層と前記不透過性金属層とを覆って金属層を適用することにより、半導体レーザの金属接触構造を形成する工程、
を備えたことを特徴とする半導体レーザの金属接触構造を作製する方法。
【請求項3】
半導体レーザの金属接触構造を作製する方法であって、
紫外線透過性半導体基板を提供する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の上に、紫外線透過性半導体エピ層を形成する工程、
前記紫外線透過性半導体エピ層の上に、紫外線不透過性金属層をパターン状に成膜する工程、
前記紫外線不透過性金属層の成膜の後、前記紫外線不透過性金属層の上面と、前記紫外線透過性半導体エピ層のうち前記紫外線不透過性金属層のパターンで覆われていない部分の上面とが露出した状態でエッチングを行い、エピ層エッジと、該エピ層エッジ間に配置され前記紫外線不透過性金属層で覆われたエピ層リッジとを形成する工程、
前記不透過性金属層と前記エピ層エッジとの露出した上面を覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、
前記紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つのネガ型フォトレジスト層を塗布する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の底面を最初に通して送られた紫外線光による裏面照射を、前記エピ層エッジを覆うフォトレジスト領域に限定することにより、前記ネガ型フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された領域を選択的に現像する工程であって、前記ネガ型フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された領域は該不透過性金属層によって紫外線光で照射されないものである工程、
前記不透過性金属層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、
前記誘電体層の前記不透過性金属層を覆う部分をエッチングする工程、
前記エピ層エッジを覆う安定化されたフォトレジスト領域を除去する工程、および、
前記誘電体層と前記不透過性金属層とを覆って金属層を適用することにより、半導体レーザのリッジ上に金属接触構造を形成する工程、
を備えたことを特徴とする半導体レーザの金属接触構造を作製する方法。
【請求項4】
前記エッジが、反応性イオンビームエッチング、化学支援イオンビームエッチング、誘導結合型プラズマエッチング、またはこれらの組合せによりエッチングされたものであり、前記現像されたフォトレジスト領域はフォトレジスト現像液で溶解することにより除去され、かつ前記現像されていないフォトレジスト領域はフォトレジスト剥離液で溶解することにより除去されることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
請求項1から4いずれか1項記載の方法により製造される半導体レーザの金属接触構造。
【請求項1】
半導体レーザの金属接触構造を作製する方法であって、
紫外線透過性半導体基板を提供する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の上に、紫外線透過性半導体エピ層を形成する工程、
前記紫外線透過性半導体エピ層の上に、紫外線不透過性金属層をパターン状に成膜する工程、
前記紫外線不透過性金属層の成膜の後、前記紫外線不透過性金属層の上面と、前記紫外線透過性半導体エピ層のうち前記紫外線不透過性金属層のパターンで覆われていない部分の上面とが露出した状態でエッチングを行い、エピ層エッジと、該エピ層エッジ間に配置され前記紫外線不透過性金属層で覆われたエピ層リッジとを形成する工程、
前記不透過性金属層と前記エピ層エッジとの露出した上面を覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、
前記紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つの画像反転フォトレジスト層を塗布する工程、
前記画像反転フォトレジスト層の前記エピ層エッジを覆って配置された領域を、最初に前記紫外線透過性半導体基板の底面を通して送られた紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程であって、前記画像反転フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された領域は該不透過性金属層によって紫外線光で照射されないものである工程、
前記エピ層エッジを覆う現像されたフォトレジスト領域をフォトレジストベーキングにより安定化する工程、
前記画像反転フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された前記領域を、該画像反転フォトレジスト層の上面を紫外線光で照射することにより選択的に現像し、前記エピ層エッジを覆うフォトレジスト領域の紫外線感光性は前記フォトレジストベーキング工程により失われている工程、
前記不透過性金属層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、
前記誘電体層の前記不透過性金属層を覆う部分をエッチングする工程、
前記エピ層エッジを覆う前記フォトレジスト領域を除去する工程、および、
前記誘電体層と前記不透過性金属層とを覆って金属層を適用することにより、半導体レーザの金属接触構造を形成する工程、
を備えたことを特徴とする半導体レーザの金属接触構造を作製する方法。
【請求項2】
半導体レーザの金属接触構造を作製する方法であって、
紫外線透過性半導体基板を提供する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の上に、紫外線透過性半導体エピ層を形成する工程、
前記紫外線透過性半導体エピ層の上に、紫外線不透過性金属層をパターン状に成膜する工程、
前記紫外線不透過性金属層の成膜の後、前記紫外線不透過性金属層の上面と、前記紫外線透過性半導体エピ層のうち前記紫外線不透過性金属層のパターンで覆われていない部分の上面とが露出した状態でエッチングを行い、エピ層エッジと、該エピ層エッジ間に配置され前記紫外線不透過性金属層で覆われたエピ層リッジとを形成する工程、
前記不透過性金属層と前記エピ層エッジとの露出した上面を覆って少なくとも1つのポジ型フォトレジスト層を塗布する工程、
前記ポジ型フォトレジスト層の前記エピ層エッジを覆って配置された領域を、最初に前記紫外線透過性半導体基板の底面を通して送られた紫外線光で裏面照射することにより選択的に現像する工程であって、前記ポジ型フォトレジスト層の前記不透過性金属を覆って配置された領域は該不透過性金属層によって紫外線光で照射されないものである工程、
前記エピ層エッジを覆う前記現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、
前記現像されていないフォトレジスト領域と前記エピ層エッジとを覆って誘電体層を適用する工程、
現像されていないフォトレジスト領域と、前記誘電体層の該現像されていないフォトレジスト領域を覆って配置された部分とを除去する工程、および、
前記誘電体層と前記不透過性金属層とを覆って金属層を適用することにより、半導体レーザの金属接触構造を形成する工程、
を備えたことを特徴とする半導体レーザの金属接触構造を作製する方法。
【請求項3】
半導体レーザの金属接触構造を作製する方法であって、
紫外線透過性半導体基板を提供する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の上に、紫外線透過性半導体エピ層を形成する工程、
前記紫外線透過性半導体エピ層の上に、紫外線不透過性金属層をパターン状に成膜する工程、
前記紫外線不透過性金属層の成膜の後、前記紫外線不透過性金属層の上面と、前記紫外線透過性半導体エピ層のうち前記紫外線不透過性金属層のパターンで覆われていない部分の上面とが露出した状態でエッチングを行い、エピ層エッジと、該エピ層エッジ間に配置され前記紫外線不透過性金属層で覆われたエピ層リッジとを形成する工程、
前記不透過性金属層と前記エピ層エッジとの露出した上面を覆って紫外線透過性誘電体層を適用する工程、
前記紫外線透過性誘電体層を覆って少なくとも1つのネガ型フォトレジスト層を塗布する工程、
前記紫外線透過性半導体基板の底面を最初に通して送られた紫外線光による裏面照射を、前記エピ層エッジを覆うフォトレジスト領域に限定することにより、前記ネガ型フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された領域を選択的に現像する工程であって、前記ネガ型フォトレジスト層の前記不透過性金属層を覆って配置された領域は該不透過性金属層によって紫外線光で照射されないものである工程、
前記不透過性金属層を覆う現像されたフォトレジスト領域を除去する工程、
前記誘電体層の前記不透過性金属層を覆う部分をエッチングする工程、
前記エピ層エッジを覆う安定化されたフォトレジスト領域を除去する工程、および、
前記誘電体層と前記不透過性金属層とを覆って金属層を適用することにより、半導体レーザのリッジ上に金属接触構造を形成する工程、
を備えたことを特徴とする半導体レーザの金属接触構造を作製する方法。
【請求項4】
前記エッジが、反応性イオンビームエッチング、化学支援イオンビームエッチング、誘導結合型プラズマエッチング、またはこれらの組合せによりエッチングされたものであり、前記現像されたフォトレジスト領域はフォトレジスト現像液で溶解することにより除去され、かつ前記現像されていないフォトレジスト領域はフォトレジスト剥離液で溶解することにより除去されることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
請求項1から4いずれか1項記載の方法により製造される半導体レーザの金属接触構造。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【公開番号】特開2013−77853(P2013−77853A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−16597(P2013−16597)
【出願日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【分割の表示】特願2010−510313(P2010−510313)の分割
【原出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【分割の表示】特願2010−510313(P2010−510313)の分割
【原出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
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