補償形変換素子を有する発光ダイオードおよび相応する変換素子
ここに記載されているのは、発光ダイオードであり、この発光ダイオードには、− 動作時に青色光のスペクトル領域において1次ビームを放射する発光ダイオードチップ(1)と、− この1次ビームの一部を吸収して2次ビームを再放射する変換素子(34)とを有しており、ただし
− この変換素子(34)には第1の発光材料(3)および第2の発光材料(4)が含まれており、− 第1の発光材料(3)は、吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなり、第2の発光材料(4)は、同じ吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が大きくなり、
− 上記の1次ビームには、上記の吸収波長領域(Δλab)にある波長が含まれており、また − 上記の発光ダイオードは、1次ビームおよび2次ビームからなりかつ少なくとも4000Kの色温度を有する白色混合光を放射する。
− この変換素子(34)には第1の発光材料(3)および第2の発光材料(4)が含まれており、− 第1の発光材料(3)は、吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなり、第2の発光材料(4)は、同じ吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が大きくなり、
− 上記の1次ビームには、上記の吸収波長領域(Δλab)にある波長が含まれており、また − 上記の発光ダイオードは、1次ビームおよび2次ビームからなりかつ少なくとも4000Kの色温度を有する白色混合光を放射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに記載されているのは発光ダイオードである。さらにここには発光ダイオード用の変換素子が記載されている。
【0002】
刊行物WO 2008/020913 A2には、温白色混合光を形成するための変換素子が記載されている。
【0003】
本発明の解決すべき課題は、色位置が、上記の発光ダイオードの動作電流および/または動作温度における変動の影響を殊に受けにくい電磁ビームを形成する発光ダイオードを提供することである。ここでは殊にこの発光ダイオードが、冷白色光を形成するのに適しているようにする。
【0004】
この発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の発光ダイオードには1つの発光ダイオードチップが含まれている。この発光ダイオードチップは、例えば無機半導体材料からなる半導体基体を有する。この半導体基体には、電磁ビームを形成するために設けられた1つまたは複数の活性ゾーンが含まれている。上記の発光ダイオードチップは動作時に、有利には紫外線ビームおよび/または青色光のスペクトル領域における1次ビームを放射する。すなわち、上記の発光ダイオードチップの動作時にはこの発光ダイオードチップにより、紫外線ビームおよび/または青色光が放射され、ここでこの発光ダイオードによって放射される電磁ビームは、この発光ダイオードの1次ビームなのである。
【0005】
この発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、この発光ダイオードには1つ変換素子が含まれている。この変換素子は、この発光ダイオードチップの1次ビームの少なくとも1部分を吸収するように設けられている。すなわち、上記の発光ダイオードの動作時には発光ダイオードチップによって1次ビームが放射され、この1次ビームは少なくとも部分的に変換素子に到達し、この1次ビームそれ自体はこの変換素子によって部分的に吸収されるのである。この変換素子は、上記の吸収された1次ビームによって励起されて2次ビームを再放射する。すなわち、上記の発光ダイオード動作時には上記の変換素子によって2次ビームが再放射されるのである。ここでこの2次ビームは有利には、1次ビームの波長よりも長い波長を有する。
【0006】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の変換素子には、第1の発光材料および第2の発光材料が含まれている。すなわち、この変換素子は、電磁ビームの吸収および再放射に適したただ1つの発光材料によって構成されるのではなく、相異なる2つの発光材料によって構成されるのである。ここでこの変換素子は、2つ以上の発光材料によって構成することも可能であり、ここで重要であるのは、この変換素子が少なくとも第1の発光材料および第2の発光材料によって構成されることだけである。
【0007】
この発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、この変換素子は1つの吸収波長領域を有する。この吸収波長領域内にある電磁ビームは、上記の変換素子によって吸収される。この吸収されたビームは、上記の変換素子を励起して2次ビームを再放射することができる。ここでこの吸収波長領域は、上記の発光材料が1次ビームを吸収しかつ2次ビームを再放射できる波長領域全体である必要はなく、この波長領域の1部分とすることが可能である。
【0008】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の変換素子の第1の発光材料は、上記の吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなる。すなわち、上記の吸収波長領域内において第1の発光材料は、比較的高い吸収率と、比較的低い吸収率とを有しており、第1の発光材料は、波長が長くなった場合、比較的低い吸収率ではなく比較的高い吸収率の方を有するのである。例えば、第1の発光材料の吸収率は、吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って連続的に減少する。
【0009】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の第2の発光材料は、同じ吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が大きくなる。すなわち、上記の吸収波長領域内において第2の発光材料は、比較的高い吸収率と、比較的低い吸収率とを有しており、第2の発光材料は、波長が短くなった場合、比較的高い吸収率ではなく比較的低い吸収率の方を有するのである。例えば、第2の発光材料の吸収率は、吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って連続的に増大する。
【0010】
言い換えると、上記の2つの発光材料の、吸収波長領域における吸収特性は逆なのである。波長が長くなるのに伴って第1の発光材料の吸収率は減少するのに対し、第2の発光材料の吸収率は増大する。この場合に上記の吸収波長領域は少なくとも、上で述べたことが当てはまる波長領域の1つの区画によって構成される。
【0011】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の1次ビームには、上記の吸収波長領域内にある波長が含まれる。すなわち、上記の1次ビームには、第1および第2の発光材料の吸収特性が逆になっている波長領域内にある複数の波長が含まれるのである。
【0012】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の発光ダイオードにより、1次ビームおよび2次ビームからなる白色混合光が放射される。ここでこの混合光は、少なくとも4000Kの色温度を有する。この場合に色温度は、最大で7000Kである。すなわち、この白色混合光は冷白色光である。
【0013】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、この発光ダイオードには、その動作時に青色光のスペクトル領域にある1次ビームを放射する発光ダイオードチップが含まれている。さらに上記の発光ダイオードには変換素子が含まれており、この変換素子により、上記の1次ビームの一部が吸収されかつ2次ビームが再放射される。ここでこの変換素子には、第1の発光材料および第2の発光材料が含まれる。この第1の発光材料は、1つの吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が減少し、また第2の発光材料は、同じ吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が増大する。上記の1次ビームには、上記の吸収波長領域内にある波長が含まれており、また上記の発光ダイオードは、1次ビームおよび2次ビームからなりかつ少なくとも4000Kの色温度を有する白色混合光を放射する。
【0014】
さらに本発明では発光ダイオード用の変換素子が提供される。ここで説明する変換素子は、発光ダイオードチップと共に使用するのに適している。例えば、この変換素子はここで説明している発光ダイオードに適している。このことが意味するのは、上記の変換素子に対して示したすべての特徴的構成は、ここで説明する発光ダイオードに対しても示されているということであり、またこの逆も成り立つのである。
【0015】
この変換素子は、1次ビームを吸収しかつ2次ビームを放射するために設けられている。有利には上記の2次ビームは、1次ビームよりも長い波長を有する。
【0016】
上記の変換素子の少なくとも1つの実施形態によれば、この変換素子は、第1の発光材料および第2の発光材料を有しており、第1の発光材料は、1つの吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が減少し、また第2の発光材料は、同じ吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が増大する。
【0017】
この変換素子の少なくとも1つの実施形態によれば、第1および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、最大で20nmだけ異なる。言い換えると、第1の発光材料および第2の発光材料は、最大放射強度の波長が異なるのである。しかしながらこの最大放射強度の波長の違いは、最大で20nmである。有利にはこの違いは最大で10nmであり、殊に有利には最大で7nmである。
【0018】
言い換えると、2つの発光材料によって同じ色の光が放射され、これらの2つの発光材料の放射における最大値は、互いにわずかにシフトし得るのである。
【0019】
以下の実施形態は、発光ダイオードにも変換素子にも共に関係するものである。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、上記の変換素子によって放射される2次ビームは、黄色光のスペクトル領域内にある。すなわち、殊に上記の変換素子の2つの発光材料により、黄色光のスペクトル領域の電磁ビームが放射され、ここで最大放射強度の波長は、上記のように互いにシフトし得るのである。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、上記の第2の発光材料の最大放射強度の波長は、第1発光材料のそれよりも長い。すなわち、第2の発光材料は、第2の発光材料が最大放射を有する波長よりも長い波長においてその最大放射を有するのである。
【0022】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の発光材料は、発光中心としてユーロピウムをベースとしており、また第2の発光材料は、発光中心としてCerをベースにしている。
【0023】
発光中心としてCerをベースにした第2の発光材料は有利には、発光中心としてEuをベースにした第1の発光材料の最大放射強度の波長よりもわずかに長い、最大放射強度の波長を有する。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、上記の1次ビームすなわち上記の発光ダイオードチップによって放射される電磁ビームの放射強度の最大値は、少なくとも440nmかつ最大で470nmであり、有利には445nmと460nmとの間にある。ここで1次ビームの波長領域は有利にはつぎのような吸収波長領域を構成する。すなわち、この吸収波長領域では、第1の発光材料は、波長が長くなるのに伴って吸収率が減少し、かつ第2の発光材料は波長が長くなるのに伴って吸収率が増大するような吸収波長領域を構成するのである。
【0025】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、変換素子の吸収率は、上記の吸収波長領域において、すなわち殊に少なくとも440nmかつ最大で470nmの波長領域において最大で35%だけ減少するのである。ここで上記の変換素子の吸収率とは、この変換素子の発光材料の合計した吸収率である。
【0026】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の発光材料および第2の発光材料は、発光中心としてCerをベースとしており、ここでは複数の発光材料のうちの1つの発光材料の吸収波長領域は、他の発光材料に対し、発光材料のホスト格子の構成を変化させることによってシフトされる。これによって全体として、個別の発光材料対する吸収帯域よりも幅の広い吸収帯域が得られる。例としては、ガリウム含有系YAG:CeおよびY(Ga, Al)G:Ceが対象となる。
【0027】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、変換素子における第2の発光材料に対する、変換素子における第1の発光材料の比は、少なくとも0.6かつ最大で1.5である。例えば、第2の発光材料に対する第1の発光材料のつぎの重量比、すなわち2:3,7:8,1:1,8:7,3:2が有利である。
【0028】
第2の発光材料に対する第1の発光材料の上記のような重量比によって可能になるのは、上記の変換素子の吸収波長領域における吸収率がほぼ一定の変換素子、すなわち例えば吸収率がまったく減少しない変換素子を得ることである。したがってこのような変換素子を有する発光ダイオードは、1次ビームの波長における変換に対して殊に影響を受けにくいのである。
【0029】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の発光ダイオードには少なくとも2つの発光ダイオードチップが含まれており、この発光ダイオードの複数の発光ダイオードチップのうちの2つの放射強度の最大値は、少なくとも5nmだけ互いに異なっている。すなわち、2つの発光ダイオードチップは、余り正確にはプリソートされておらず、その1次ビームの主波長は比較的大きく異なるのである。この発光ダイオードの発光ダイオードチップには、ここで説明する変換素子が後置されている。この変換素子の吸収率の幅が広くまた吸収率がほぼ均一であることにより、主波長が互いに大きく異なる発光ダイオードチップを使用しても、あらかじめ設定可能な明確に規定した色位置領域において白色混合光を放射することができる発光ダイオードが得られる。形成される白色光の色位置は、種々異なる発光ダイオードチップを使用したとしても、空間的な変動を有しない。
【0030】
以下では、複数の実施例およびこれに対応する図面に基づき、ここで説明する発光ダイオードおよびここで説明する変換素子を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するグラフである。
【図2】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明する別のグラフである。
【図3】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図4】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図5】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図6】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図7】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図8】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図9】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図10】本発明による発光ダイオードおよび変換素子の概略断面図である。
【0032】
図面において同じ構成素子、同種の構成素子または同じ機能の構成素子には同じ参照符号が付されている。図面に示した構成素子の互いの大きさの比およびこれらの図は、縮尺通りであると見なしてならない。むしろ図解および/または理解をより容易にするために個々の要素は、誇張して示されていることがある。
【0033】
白色を放射する発光ダイオードは、青色を放射する発光ダイオードチップ1と、黄色に発光する変換素子34とから作製することができる。これについては図10Aないし10Dも参照されたい。すなわち、発光ダイオードチップ1は、青色の1次ビームを放射するのに対して、変換素子34は、黄色の2次ビームを放射するのである。
【0034】
ここで変換素子34は青色光の一部を吸収し、この吸収された一部はつぎに黄色のスペクトル領域において再放射されるのである。これらが一緒になり、上記の青色光の透過した部分と、変換された黄色光とにより、白色の色印象が得られるのである。この青色発光ダイオードチップ1を変換素子34によってカプセリングした場合、この発光ダイオードの構造を極めてコンパクトの維持することができる。これについては殊に図10Bないし10Dを参照されたい。
【0035】
青色発光ダイオードチップ1は、例えば、材料系GaInNベースである。放射波長は、インジウムを含有することにより、例えば約360nmないし約600nmの可視スペクトルの広い領域において調整することができる。白色発光ダイオードに対し、本発明では有利には440nmないし470nmのスペクトル領域を使用する。
【0036】
LED発光材料において、殊に良好に適合した材料は、CerがドーピングされたYAG(Y3Al5O12)ないしはGd,TbまたはGaによる所定の変種である。Cerがドーピングされた発光材料は、青色のスペクトル領域において強い吸収帯域を有しておりかつ黄色を放射する。したがって白色発光ダイオードに極めて適している。しかしながら発光中心としてユーロピウムをベースした黄色を放射する別の発光材料も有利であることが判明している。これには、例えばオルトシリケート(Ca, Sr, Ba)SiO4:Euまたはオキシニトライド(Ca, Sr, Ba)Si2O2N2:Euが含まれる。
【0037】
人間の目は、小さな色の違いに極めて敏感に反応する。したがって白色の発光手段を製造する際には、色位置のばらつきをわずかな帯域幅内に維持することが試みられるのである。白色発光ダイオードにおいて、色位置のばらつきに重要な役割を果たすのは、発光ダイオードチップ1から放射される光のスペクトル的な変化である。製造プロセスにおける放射波長のばらつきには所定の幅はない。同様にロジスティック的に有利であり得るのは、製品において種々異なる放射波長を有する発光ダイオードを混ぜ合わせられることである。
【0038】
図1には、対象となるスペクトル領域において、青色発光ダイオードチップ1の一連のスペクトルが示されている。ここで青色発光ダイオードの放射スペクトルは、最大放射強度の波長にわたって延在しており、すなわち少なくとも440nmから最大で470nmまでの主波長λDにわたって延在している。図1では強度Iが波長λに対してプロットされている。
【0039】
第2のスペクトル的な変化は、発光ダイオードの適用そのものにおいて発生する。例えば、発光ダイオードチップの放射波長は、動作電流Iに伴ってずれると共に動作温度Tに伴ってずれるのである。
【0040】
これに加えて図2Aには、青色発光ダイオードチップ1が動作電流Iで動作する際のスペクトル的な変化が示されている。最大放射強度の波長は、電流Iが大きくなるのに伴って短い波長の方にシフトする。
【0041】
図2Bには、青色発光ダイオードチップ1が動作温度Tで動作する際のスペクトル的な変化が示されている。最大放射強度の波長は、温度Tが高くなるのに伴って長い波長の方にシフトし、スペクトルは拡がる。
【0042】
青色発光ダイオードチップ1のスペクトル変化は、白色発光ダイオードの色位置にも影響を及ぼす。使用する発光材料の吸収特性それ自体もスペクトルに依存する。これにより、吸収される青色光ないしは再放射される黄色光の量が変化し、このことは、白色LEDの白色混合光の青色シフトないしは黄色シフトに結び付く。
【0043】
製造においてこの問題を解決することが試みられており、ここでこれは、放射波長にしたがって半導体をプレソートすることによって行われる(いわゆるビニング)。しかしながらこのようなソーティング(選別)には時間と費用がかかり、さらに使用できない発光ダイオードチップによって収益が損なわれてしまう。狭い範囲でソーティングされたグループに対する要求が増大すると、将来的に供給不足が生じ得る。
【0044】
さらに発光ダイオードテクノロジの領域では、波長によるソーティングが不可能なウェハ面におけるプロセスも考えられる。それは、例えば、多数の発光ダイオードチップを有する1つのウェハを共通の1つの変換素子によってコーティングしたいからである。したがってここでは、必要な精度を容認するプロセスを提供しなければならないのである。
【0045】
発光ダイオード応用の領域においても上記の色位置変化によって問題が拡大する。例えば明るさのディミングにパルス幅変調が使用されて、電流密度作用による色位置ドリフトが回避される。
【0046】
色位置に対して一層安定な構成部材であれば、一層簡単な電流駆動の駆動制御に戻すことも可能になる。上記の構成部材の温度調節も簡単に設計することができる。
【0047】
図3Aには、Cerをドーピングした第2の発光材料4の吸収および放射特性が詳しく示されている。曲線a)には吸収率Kが波長λに対してプロットされている。曲線b)には放射強度Eが波長λに対してプロットされている。
【0048】
図3Bには、Euをドーピングした第1のオキシニトライド発光材料3の吸収および放射特性が詳しく示されている。曲線a)には吸収率Kが波長λに対してプロットされている。曲線b)には放射強度Eが波長λに対してプロットされている。
スペクトルを求めるためには以下のようにした。すなわち、
青色発光ダイオードチップのこのスペクトルは、(Ga,In)Nベースの発光ダイオードにおいて測定した。この発光材料の放射スペクトルは、粉末試料において測定した。反射率測定から上記の吸収度を求めることができた。上記のデータを評価するため、クベルカ−ムンク法を使用した。上記の吸収度は、クベルカ−ムンクパラメタKに基づくものであり、これは伝搬方向における減衰を表す。
【0049】
発光ダイオードチップ1の放射が変化した場合の白色−色位置の変化は、ある程度、青色光の色シフトそれ自体に基づいている。しかしながら色位置シフトの大部分は、上記の発光材料による吸収の、スペクトル的な依存性によって生じる。図3Aおよび3Bに示されているように上記の発光材料は、まさに関連する青色のスペクトル領域において急峻に上昇する吸収率のエッジを有する。したがって上記の励起のスペクトル的な小さな変化は、後で色位置に大きく影響するのである。この依存性は、発光材料の原子構造によって決まり、また放射波長とは異なり、まったく変更することできない。上記の吸収帯域のわずかなシフトは、YAGベースの発光材料において、例えばガリウムを添加することによって可能であるが、吸収率曲線の基本的な形状を変化させない。
【0050】
図4には、同じ変換層において種々異なる放射波長を使用した際の色シフトが示されている。ここで図4には、変換素子の構成が同じ場合に、青色放射波長が異なる発光ダイオードチップ1に対して、計算した色位置が示されている。曲線a)は第1の発光材料3に対して、曲線b)は第2の発光材料4に対して計算したものである。
【0051】
カバーされる色空間は、許容できないほどに大きいため、変換素子のソーティングおよび制御が必要である。しかしながらこうすることによっても所要の精度を達成することは難しい。
【0052】
Cerがドーピングされたガーネットである発光材料4に対しては、放射波長が長くなるのに伴って黄色の割合が増大する。その一方、Euがドーピングされたオキシニトライドである第1の発光材料3に対しては、黄色の割合が減少する。このことは、種々異なる青色発光ダイオードチップ1に対する放射スペクトルを有する、曲線a)の第1の発光材料3に対する吸収帯域と、曲線b)の第2の発光材料4に対する吸収帯域とを並べて示したものからもわかる。図5を参照されたい。
【0053】
ここで説明している変換素子およびここで説明している発光ダイオードのアイデアは、使用される青色発光ダイオードチップの波長の領域において、成分が吸収の逆の特性を有する発光材料混合物を使用することである。したがって濃度比を適切に選択することにより、幅の広い一定の吸収帯域を調整することができる。2つの発光材料の発光色は互いに接近しているため、白点を変化させることなくほとんど任意の濃度を使用することができる。
【0054】
この点が約3000Kの色温度を有する温白色発光ダイオードと異なる。ここでは黄色の発光材料と赤色の発光材料とからなる発光材料混合物を使用することができる。しかしながら濃度は自由に選択できない。それはこの比により、同時に上記の色位置も調整されることになるはずだからである。ここでは、例えば、Euがドーピングされた赤色の発光材料の割合を格段に小さく選択して、ここで説明している吸収特性の変化が生じないようにする。
【0055】
図6には曲線b)のCerをドーピングした第2の発光材料と、曲線a)のEuをドーピングした第1の発光材料との組み合わせが示されている。曲線a+b)の混合物では、460nm未満の波長に対してほぼ一定の吸収率Kを設定することができる。吸収波長領域Δλabにおいて、例えば少なくとも440nmでありかつ最大で470nmである波長領域において、すなわち吸収波長領域にΔλabにおいて、第1の発光材料3および第2の発光材料4を有する変換素子34の吸収率Kは、最大で35%減少する。
【0056】
上記の色位置のばらつきに対するプラスの影響は図7からわかる。曲線c1,c6は、純粋な発光材料に関するものである。図示した色フィールドに存在するのは、可能な励起波長のわずかな部分だけである。このことは、発光材料混合物を使用した場合には異なる。ここでは使用したすべての放射波長に対し、色位置はこの線図内にある。ここでは色温度を約100Kの領域内に維持することさえも可能である(記入した同じ色温度のJudd直線は100Kの間隔を有する)。この色位置は、Δcx=0.005の窓内にあり、これは極めて狭い分布を示している。曲線c2,c3,c4およびc5はそれぞれ、第1の発光材料に対する第2の発光材料の重量混合比7:8,1:1,8:7および3:2を示している。曲線a)はプランクの曲線である。図7において2つのマークの間の波長間隔はそれぞれ2.5nmである。
【0057】
上記の動作電流による色位置シフトも、発光材料混合物を使用することによって格段に減少することができる。Δcx=0.001ではシフトはまだ全く測定できない。したがって発光ダイオードのディミングは、付加的な手段がなくても可能であり、その際に白色混合光の色位置は目につくようにはシフトしない。
【0058】
狭い分布を達成するための濃度は、使用した発光材料において、第2の発光材料4の体積に対する第1の発光材料3の体積の1:1の比を中心として移動する。例えばYAG:Ceである第2の発光材料4をわずかに多くすることにより、全体領域にわたってばらつきを最小にすることができる。青色波長領域を制限した場合、すなわち極端に長い波長および短い波長のダイオードを使用することなしに青色波長領域を制限した場合、例えばSiON:Euである第1の発光材料3がわずかに多くすることにより、狭い分布を達成することもできる。
【0059】
濃度のこのデータは当然のことながら、どのような吸収強度を発光材料が備えているかに依存する。ここで示した例では、2つの発光材料は、関連する波長領域において、発光材料体積に対して同じ最大吸収強度を有する。したがって同じ濃度によって最善の結果が得られる。しかしながら発光材料のドーピング濃度を変化させることも有利になり得る。Cerドーピングを比較的少なくすることにより、例えばYAG:Ceにおける高温特性が改善される。同様にドーピング濃度により、発光材料色が調整される。したがってここで示した濃度データは、発光材料の全質量にあまり関連せず、発光中心の含有量に関連するのである。
【0060】
図8には第1の発光材料3(曲線a))と、第2の発光材料4(曲線b))と、第1および第2の発光材料(曲線a+b))とを有するそれぞれの変換素子に対し、動作電流Iを変更した場合の色位置シフトが示されている。
【0061】
ここで考察する実施例は、有利には「冷白色」と称される色領域に関連しており、これはプランクの色展開の領域において4000Kと7000Kとの間の色温度を有する。ここで変換素子34の固有色は、約+/-5nmの変化幅を伴い、570nmを中心とした領域内にある。低い色温度には比較的長い放射波長が必要であり、また冷白色には比較的短い波長が必要である。上記の発光ダイオードチップの発光色は、440nmから470nmまでの領域内で移動すべきであり、有利には約445nmから460nmの制限された領域である。ここでも比較的低い色温度に対し、比較的長い波長の領域の発光ダイオードを選択する。
【0062】
上記の発光材料の選択に対し、第2の発光材料4として、Cerがドーピングされたガーネット発光材料が対象となる。典型的な代表例は、例えば572nmの放射波長を有するYAG:Ceである。この色は、Cer含有量によって決まり、低濃度にドーピングされた発光材料により、波長の短い方にシフトされる。別の代表例は、短い波長の方に放射および吸収がシフトされる(Lu, Y)(Ga, Al)G:Ce、および長い波長の方に放射がシフトされる(Gd, Y)AlG:Ceである。Cerの代わりにテルビウムまたはプラセオジムにより、イットリウムを置き換えることができる。上記の組成の複数の組み合わせが可能である。
【0063】
最大放射強度の波長を有する第1の発光材料3として、Eu2+をドーピングした発光材料の種々異なるクラスが対象となる。ここで上記の波長は、第2の発光材料4の波長よりも低い。考えられ得る材料は、チオガレート(MG, Ba, Sr)Ga2S4であるが、有利には緑色の発光色を有する。オルトシリケート(Ca, Mg, Ba, Sr)SiO4は、黄色を発光する代表例を有する。オキシニトライド(Ba, Sr, Ca)Si2O2N2:Eu2+のクラスは有利である。この発光材料は、黄色のスペクトル領域において発光する。これに対する重要な選択判定基準は、高温時の変換効率である(温度消失)。YAG:Ce0.02は150℃においても、室温におけるその変換効率の90%を有する。上記のチオガレートおよびオルトシリケートは約80%であり、さらに高い温度では格段に低くなる。これに対して上記のオキシニトライドは、150℃においてもなおその室温時の能力の95%であるため、ガーネットとオキシニトライドとを組み合わせることにより、高い温度においても使用可能な系を形成することができる。
【0064】
古典的な発光材料に対する択一的な選択肢として、半導体ないしは半導体ナノ粒子を使用することも可能である。それは、半導体ないしは半導体ナノ粒子は、波長が短くなるのに伴って増大する吸収率を示すからである。黄色を発光するのは、例えば、II/VI化合物半導体(Zn, Mg, Cd)(S, Se)のクラスであり、または(Ga, In)Nも黄色を発光する。
【0065】
上記の相異なる2つの発光材料の発光色は、1つの実施形態において黄色のスペクトル領域内に配置することができる。第1の実施形態において、2つの発光材料の放射波長をできるだけ良好に互いに調整しようとする場合、どちらの発光材料が放射を増大するのに寄与するかはあまり関係ない。この手法の欠点は、青色発光ダイオードチップの色位置シフトにより、赤色−緑色−方向におけるある程度の色位置の拡がりを回避できないことである。したがってこの手法は有利には低い色温度において、比較的高い変換率で使用することができる。それはここでは上記の拡がりが低減されるからである。
【0066】
第2の実施例では、上記の複数の放射波長を数ナノメートルだけ、有利には7nm以下だけ互いにシフトする。有利には第2の発光材料を波長の長い方にシフトさせる。これにより、長い波長で放射するチップの色位置が下方に引っ張られるため、赤色−緑色−軸において色位置を制限することもできる。
【0067】
一層正確な色位置制御を行うため、3つまたはそれ以上の発光材料の混合物を使用することも可能である。ここではこれらの付加的な発光材料も、Cerがドーピングされた発光材料またはEuがドーピングされた発光材料のクラスに属することができる。
図9には、個別発光材料ないしは混合物(曲線a+b))に対し、白色発光ダイオードのスペクトル経過が示されている。第2の発光材料のスペクトル(曲線b))は、約100nmの半値幅を有する。
【0068】
第1の発光材料のスペクトル(曲線a))は、やや狭帯域である(約70−80nm)。このことは視覚的な有効作用にプラスに作用する。それは555nmに視感度の最大値があるからである。
【0069】
上記の発光ダイオードに対する色位置計算はここでも、完全にスペクトル的に依存する散乱、吸収および放射を考慮してクベルカ−ムンク法によって行われる。
【0070】
図10Aないし10Dには、ここで説明する発光ダイオードおよび変換素子34の実施例が概略断面図で示されている。
【0071】
図10Aの第1実施例において、混合物の発光材料対を使用する。このために発光材料粉末を正しい比率で重さを量って一緒にして変換素子43を構成し、引き続き、例えばシリコーン樹脂またはエポキシ樹脂またはガラスなどのマトリクス材料2に混ぜる。この変換素子43は、LEDの空洞部に充填され、上記の発光材料混合物の全体濃度は、ケーシング基体5によって定められる空洞部の高さに調整される。
【0072】
図10Bに示した別の応用形態において変換素子34は、発光ダイオードチップ1の周りに配置されている。このため、例えば上記の変換素子34の高濃度の薄い層を作製する。この発光材料は、発光ダイオードチップ1の周りに射出成形、印刷、ラミネートまたはセディメンテーションすることができる。また上記の層を別個に作製し、引き続いて接着することも可能である。この層は、図10Cに示したように混合物として載置することも可能である。
【0073】
混合物を使用するのに加えて積層化を使用することも可能である。これについては図10Dを参照されたい。この際には、例えば発光材料3,4を有する2つのシートをまとめる。
【0074】
またコーティングと3次元モールドとからなる組み合わせも使用可能である。発光材料の順番は大きく影響しない。それは、発光材料は互いに吸収し合わないからである。
【0075】
さらに変換素子34に対して上記の発光材料のうちの1つの発光材料からなる支持体を使用することも可能であり、この支持体の上には別の1つの発光材料が配置される。例えば、CerがドーピングされたYAGセラミックから上記の支持体を構成することができ、この支持体の上に第2の発光材料がデポジットされるかまたはマトリクス材料に入れられる。
【0076】
本発明は、実施例に基づく上記の説明によってこれらの実施例に限定されることはない。むしろ本発明には、あらゆる新規の特徴ならびにこれらの特徴のあらゆる組み合わせを含まれており、これには殊に特許請求の範囲の特徴のあらゆる組み合わせが含まれ、またこのことはこれらの組み合わせそのものが特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には示されていないとしてもあてはまるものである。
【0077】
本願は、独国特許出願公開第102009035100.0号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照によって本願に取り入れられるものとする。
【技術分野】
【0001】
ここに記載されているのは発光ダイオードである。さらにここには発光ダイオード用の変換素子が記載されている。
【0002】
刊行物WO 2008/020913 A2には、温白色混合光を形成するための変換素子が記載されている。
【0003】
本発明の解決すべき課題は、色位置が、上記の発光ダイオードの動作電流および/または動作温度における変動の影響を殊に受けにくい電磁ビームを形成する発光ダイオードを提供することである。ここでは殊にこの発光ダイオードが、冷白色光を形成するのに適しているようにする。
【0004】
この発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の発光ダイオードには1つの発光ダイオードチップが含まれている。この発光ダイオードチップは、例えば無機半導体材料からなる半導体基体を有する。この半導体基体には、電磁ビームを形成するために設けられた1つまたは複数の活性ゾーンが含まれている。上記の発光ダイオードチップは動作時に、有利には紫外線ビームおよび/または青色光のスペクトル領域における1次ビームを放射する。すなわち、上記の発光ダイオードチップの動作時にはこの発光ダイオードチップにより、紫外線ビームおよび/または青色光が放射され、ここでこの発光ダイオードによって放射される電磁ビームは、この発光ダイオードの1次ビームなのである。
【0005】
この発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、この発光ダイオードには1つ変換素子が含まれている。この変換素子は、この発光ダイオードチップの1次ビームの少なくとも1部分を吸収するように設けられている。すなわち、上記の発光ダイオードの動作時には発光ダイオードチップによって1次ビームが放射され、この1次ビームは少なくとも部分的に変換素子に到達し、この1次ビームそれ自体はこの変換素子によって部分的に吸収されるのである。この変換素子は、上記の吸収された1次ビームによって励起されて2次ビームを再放射する。すなわち、上記の発光ダイオード動作時には上記の変換素子によって2次ビームが再放射されるのである。ここでこの2次ビームは有利には、1次ビームの波長よりも長い波長を有する。
【0006】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の変換素子には、第1の発光材料および第2の発光材料が含まれている。すなわち、この変換素子は、電磁ビームの吸収および再放射に適したただ1つの発光材料によって構成されるのではなく、相異なる2つの発光材料によって構成されるのである。ここでこの変換素子は、2つ以上の発光材料によって構成することも可能であり、ここで重要であるのは、この変換素子が少なくとも第1の発光材料および第2の発光材料によって構成されることだけである。
【0007】
この発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、この変換素子は1つの吸収波長領域を有する。この吸収波長領域内にある電磁ビームは、上記の変換素子によって吸収される。この吸収されたビームは、上記の変換素子を励起して2次ビームを再放射することができる。ここでこの吸収波長領域は、上記の発光材料が1次ビームを吸収しかつ2次ビームを再放射できる波長領域全体である必要はなく、この波長領域の1部分とすることが可能である。
【0008】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の変換素子の第1の発光材料は、上記の吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなる。すなわち、上記の吸収波長領域内において第1の発光材料は、比較的高い吸収率と、比較的低い吸収率とを有しており、第1の発光材料は、波長が長くなった場合、比較的低い吸収率ではなく比較的高い吸収率の方を有するのである。例えば、第1の発光材料の吸収率は、吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って連続的に減少する。
【0009】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の第2の発光材料は、同じ吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が大きくなる。すなわち、上記の吸収波長領域内において第2の発光材料は、比較的高い吸収率と、比較的低い吸収率とを有しており、第2の発光材料は、波長が短くなった場合、比較的高い吸収率ではなく比較的低い吸収率の方を有するのである。例えば、第2の発光材料の吸収率は、吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って連続的に増大する。
【0010】
言い換えると、上記の2つの発光材料の、吸収波長領域における吸収特性は逆なのである。波長が長くなるのに伴って第1の発光材料の吸収率は減少するのに対し、第2の発光材料の吸収率は増大する。この場合に上記の吸収波長領域は少なくとも、上で述べたことが当てはまる波長領域の1つの区画によって構成される。
【0011】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の1次ビームには、上記の吸収波長領域内にある波長が含まれる。すなわち、上記の1次ビームには、第1および第2の発光材料の吸収特性が逆になっている波長領域内にある複数の波長が含まれるのである。
【0012】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の発光ダイオードにより、1次ビームおよび2次ビームからなる白色混合光が放射される。ここでこの混合光は、少なくとも4000Kの色温度を有する。この場合に色温度は、最大で7000Kである。すなわち、この白色混合光は冷白色光である。
【0013】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、この発光ダイオードには、その動作時に青色光のスペクトル領域にある1次ビームを放射する発光ダイオードチップが含まれている。さらに上記の発光ダイオードには変換素子が含まれており、この変換素子により、上記の1次ビームの一部が吸収されかつ2次ビームが再放射される。ここでこの変換素子には、第1の発光材料および第2の発光材料が含まれる。この第1の発光材料は、1つの吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が減少し、また第2の発光材料は、同じ吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が増大する。上記の1次ビームには、上記の吸収波長領域内にある波長が含まれており、また上記の発光ダイオードは、1次ビームおよび2次ビームからなりかつ少なくとも4000Kの色温度を有する白色混合光を放射する。
【0014】
さらに本発明では発光ダイオード用の変換素子が提供される。ここで説明する変換素子は、発光ダイオードチップと共に使用するのに適している。例えば、この変換素子はここで説明している発光ダイオードに適している。このことが意味するのは、上記の変換素子に対して示したすべての特徴的構成は、ここで説明する発光ダイオードに対しても示されているということであり、またこの逆も成り立つのである。
【0015】
この変換素子は、1次ビームを吸収しかつ2次ビームを放射するために設けられている。有利には上記の2次ビームは、1次ビームよりも長い波長を有する。
【0016】
上記の変換素子の少なくとも1つの実施形態によれば、この変換素子は、第1の発光材料および第2の発光材料を有しており、第1の発光材料は、1つの吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が減少し、また第2の発光材料は、同じ吸収波長領域において、波長が長くなるのに伴って吸収率が増大する。
【0017】
この変換素子の少なくとも1つの実施形態によれば、第1および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、最大で20nmだけ異なる。言い換えると、第1の発光材料および第2の発光材料は、最大放射強度の波長が異なるのである。しかしながらこの最大放射強度の波長の違いは、最大で20nmである。有利にはこの違いは最大で10nmであり、殊に有利には最大で7nmである。
【0018】
言い換えると、2つの発光材料によって同じ色の光が放射され、これらの2つの発光材料の放射における最大値は、互いにわずかにシフトし得るのである。
【0019】
以下の実施形態は、発光ダイオードにも変換素子にも共に関係するものである。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、上記の変換素子によって放射される2次ビームは、黄色光のスペクトル領域内にある。すなわち、殊に上記の変換素子の2つの発光材料により、黄色光のスペクトル領域の電磁ビームが放射され、ここで最大放射強度の波長は、上記のように互いにシフトし得るのである。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、上記の第2の発光材料の最大放射強度の波長は、第1発光材料のそれよりも長い。すなわち、第2の発光材料は、第2の発光材料が最大放射を有する波長よりも長い波長においてその最大放射を有するのである。
【0022】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の発光材料は、発光中心としてユーロピウムをベースとしており、また第2の発光材料は、発光中心としてCerをベースにしている。
【0023】
発光中心としてCerをベースにした第2の発光材料は有利には、発光中心としてEuをベースにした第1の発光材料の最大放射強度の波長よりもわずかに長い、最大放射強度の波長を有する。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、上記の1次ビームすなわち上記の発光ダイオードチップによって放射される電磁ビームの放射強度の最大値は、少なくとも440nmかつ最大で470nmであり、有利には445nmと460nmとの間にある。ここで1次ビームの波長領域は有利にはつぎのような吸収波長領域を構成する。すなわち、この吸収波長領域では、第1の発光材料は、波長が長くなるのに伴って吸収率が減少し、かつ第2の発光材料は波長が長くなるのに伴って吸収率が増大するような吸収波長領域を構成するのである。
【0025】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、変換素子の吸収率は、上記の吸収波長領域において、すなわち殊に少なくとも440nmかつ最大で470nmの波長領域において最大で35%だけ減少するのである。ここで上記の変換素子の吸収率とは、この変換素子の発光材料の合計した吸収率である。
【0026】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の発光材料および第2の発光材料は、発光中心としてCerをベースとしており、ここでは複数の発光材料のうちの1つの発光材料の吸収波長領域は、他の発光材料に対し、発光材料のホスト格子の構成を変化させることによってシフトされる。これによって全体として、個別の発光材料対する吸収帯域よりも幅の広い吸収帯域が得られる。例としては、ガリウム含有系YAG:CeおよびY(Ga, Al)G:Ceが対象となる。
【0027】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、変換素子における第2の発光材料に対する、変換素子における第1の発光材料の比は、少なくとも0.6かつ最大で1.5である。例えば、第2の発光材料に対する第1の発光材料のつぎの重量比、すなわち2:3,7:8,1:1,8:7,3:2が有利である。
【0028】
第2の発光材料に対する第1の発光材料の上記のような重量比によって可能になるのは、上記の変換素子の吸収波長領域における吸収率がほぼ一定の変換素子、すなわち例えば吸収率がまったく減少しない変換素子を得ることである。したがってこのような変換素子を有する発光ダイオードは、1次ビームの波長における変換に対して殊に影響を受けにくいのである。
【0029】
上記の発光ダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、上記の発光ダイオードには少なくとも2つの発光ダイオードチップが含まれており、この発光ダイオードの複数の発光ダイオードチップのうちの2つの放射強度の最大値は、少なくとも5nmだけ互いに異なっている。すなわち、2つの発光ダイオードチップは、余り正確にはプリソートされておらず、その1次ビームの主波長は比較的大きく異なるのである。この発光ダイオードの発光ダイオードチップには、ここで説明する変換素子が後置されている。この変換素子の吸収率の幅が広くまた吸収率がほぼ均一であることにより、主波長が互いに大きく異なる発光ダイオードチップを使用しても、あらかじめ設定可能な明確に規定した色位置領域において白色混合光を放射することができる発光ダイオードが得られる。形成される白色光の色位置は、種々異なる発光ダイオードチップを使用したとしても、空間的な変動を有しない。
【0030】
以下では、複数の実施例およびこれに対応する図面に基づき、ここで説明する発光ダイオードおよびここで説明する変換素子を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するグラフである。
【図2】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明する別のグラフである。
【図3】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図4】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図5】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図6】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図7】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図8】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図9】本発明による発光ダイオードおよび変換素子を説明するさらに別のグラフである。
【図10】本発明による発光ダイオードおよび変換素子の概略断面図である。
【0032】
図面において同じ構成素子、同種の構成素子または同じ機能の構成素子には同じ参照符号が付されている。図面に示した構成素子の互いの大きさの比およびこれらの図は、縮尺通りであると見なしてならない。むしろ図解および/または理解をより容易にするために個々の要素は、誇張して示されていることがある。
【0033】
白色を放射する発光ダイオードは、青色を放射する発光ダイオードチップ1と、黄色に発光する変換素子34とから作製することができる。これについては図10Aないし10Dも参照されたい。すなわち、発光ダイオードチップ1は、青色の1次ビームを放射するのに対して、変換素子34は、黄色の2次ビームを放射するのである。
【0034】
ここで変換素子34は青色光の一部を吸収し、この吸収された一部はつぎに黄色のスペクトル領域において再放射されるのである。これらが一緒になり、上記の青色光の透過した部分と、変換された黄色光とにより、白色の色印象が得られるのである。この青色発光ダイオードチップ1を変換素子34によってカプセリングした場合、この発光ダイオードの構造を極めてコンパクトの維持することができる。これについては殊に図10Bないし10Dを参照されたい。
【0035】
青色発光ダイオードチップ1は、例えば、材料系GaInNベースである。放射波長は、インジウムを含有することにより、例えば約360nmないし約600nmの可視スペクトルの広い領域において調整することができる。白色発光ダイオードに対し、本発明では有利には440nmないし470nmのスペクトル領域を使用する。
【0036】
LED発光材料において、殊に良好に適合した材料は、CerがドーピングされたYAG(Y3Al5O12)ないしはGd,TbまたはGaによる所定の変種である。Cerがドーピングされた発光材料は、青色のスペクトル領域において強い吸収帯域を有しておりかつ黄色を放射する。したがって白色発光ダイオードに極めて適している。しかしながら発光中心としてユーロピウムをベースした黄色を放射する別の発光材料も有利であることが判明している。これには、例えばオルトシリケート(Ca, Sr, Ba)SiO4:Euまたはオキシニトライド(Ca, Sr, Ba)Si2O2N2:Euが含まれる。
【0037】
人間の目は、小さな色の違いに極めて敏感に反応する。したがって白色の発光手段を製造する際には、色位置のばらつきをわずかな帯域幅内に維持することが試みられるのである。白色発光ダイオードにおいて、色位置のばらつきに重要な役割を果たすのは、発光ダイオードチップ1から放射される光のスペクトル的な変化である。製造プロセスにおける放射波長のばらつきには所定の幅はない。同様にロジスティック的に有利であり得るのは、製品において種々異なる放射波長を有する発光ダイオードを混ぜ合わせられることである。
【0038】
図1には、対象となるスペクトル領域において、青色発光ダイオードチップ1の一連のスペクトルが示されている。ここで青色発光ダイオードの放射スペクトルは、最大放射強度の波長にわたって延在しており、すなわち少なくとも440nmから最大で470nmまでの主波長λDにわたって延在している。図1では強度Iが波長λに対してプロットされている。
【0039】
第2のスペクトル的な変化は、発光ダイオードの適用そのものにおいて発生する。例えば、発光ダイオードチップの放射波長は、動作電流Iに伴ってずれると共に動作温度Tに伴ってずれるのである。
【0040】
これに加えて図2Aには、青色発光ダイオードチップ1が動作電流Iで動作する際のスペクトル的な変化が示されている。最大放射強度の波長は、電流Iが大きくなるのに伴って短い波長の方にシフトする。
【0041】
図2Bには、青色発光ダイオードチップ1が動作温度Tで動作する際のスペクトル的な変化が示されている。最大放射強度の波長は、温度Tが高くなるのに伴って長い波長の方にシフトし、スペクトルは拡がる。
【0042】
青色発光ダイオードチップ1のスペクトル変化は、白色発光ダイオードの色位置にも影響を及ぼす。使用する発光材料の吸収特性それ自体もスペクトルに依存する。これにより、吸収される青色光ないしは再放射される黄色光の量が変化し、このことは、白色LEDの白色混合光の青色シフトないしは黄色シフトに結び付く。
【0043】
製造においてこの問題を解決することが試みられており、ここでこれは、放射波長にしたがって半導体をプレソートすることによって行われる(いわゆるビニング)。しかしながらこのようなソーティング(選別)には時間と費用がかかり、さらに使用できない発光ダイオードチップによって収益が損なわれてしまう。狭い範囲でソーティングされたグループに対する要求が増大すると、将来的に供給不足が生じ得る。
【0044】
さらに発光ダイオードテクノロジの領域では、波長によるソーティングが不可能なウェハ面におけるプロセスも考えられる。それは、例えば、多数の発光ダイオードチップを有する1つのウェハを共通の1つの変換素子によってコーティングしたいからである。したがってここでは、必要な精度を容認するプロセスを提供しなければならないのである。
【0045】
発光ダイオード応用の領域においても上記の色位置変化によって問題が拡大する。例えば明るさのディミングにパルス幅変調が使用されて、電流密度作用による色位置ドリフトが回避される。
【0046】
色位置に対して一層安定な構成部材であれば、一層簡単な電流駆動の駆動制御に戻すことも可能になる。上記の構成部材の温度調節も簡単に設計することができる。
【0047】
図3Aには、Cerをドーピングした第2の発光材料4の吸収および放射特性が詳しく示されている。曲線a)には吸収率Kが波長λに対してプロットされている。曲線b)には放射強度Eが波長λに対してプロットされている。
【0048】
図3Bには、Euをドーピングした第1のオキシニトライド発光材料3の吸収および放射特性が詳しく示されている。曲線a)には吸収率Kが波長λに対してプロットされている。曲線b)には放射強度Eが波長λに対してプロットされている。
スペクトルを求めるためには以下のようにした。すなわち、
青色発光ダイオードチップのこのスペクトルは、(Ga,In)Nベースの発光ダイオードにおいて測定した。この発光材料の放射スペクトルは、粉末試料において測定した。反射率測定から上記の吸収度を求めることができた。上記のデータを評価するため、クベルカ−ムンク法を使用した。上記の吸収度は、クベルカ−ムンクパラメタKに基づくものであり、これは伝搬方向における減衰を表す。
【0049】
発光ダイオードチップ1の放射が変化した場合の白色−色位置の変化は、ある程度、青色光の色シフトそれ自体に基づいている。しかしながら色位置シフトの大部分は、上記の発光材料による吸収の、スペクトル的な依存性によって生じる。図3Aおよび3Bに示されているように上記の発光材料は、まさに関連する青色のスペクトル領域において急峻に上昇する吸収率のエッジを有する。したがって上記の励起のスペクトル的な小さな変化は、後で色位置に大きく影響するのである。この依存性は、発光材料の原子構造によって決まり、また放射波長とは異なり、まったく変更することできない。上記の吸収帯域のわずかなシフトは、YAGベースの発光材料において、例えばガリウムを添加することによって可能であるが、吸収率曲線の基本的な形状を変化させない。
【0050】
図4には、同じ変換層において種々異なる放射波長を使用した際の色シフトが示されている。ここで図4には、変換素子の構成が同じ場合に、青色放射波長が異なる発光ダイオードチップ1に対して、計算した色位置が示されている。曲線a)は第1の発光材料3に対して、曲線b)は第2の発光材料4に対して計算したものである。
【0051】
カバーされる色空間は、許容できないほどに大きいため、変換素子のソーティングおよび制御が必要である。しかしながらこうすることによっても所要の精度を達成することは難しい。
【0052】
Cerがドーピングされたガーネットである発光材料4に対しては、放射波長が長くなるのに伴って黄色の割合が増大する。その一方、Euがドーピングされたオキシニトライドである第1の発光材料3に対しては、黄色の割合が減少する。このことは、種々異なる青色発光ダイオードチップ1に対する放射スペクトルを有する、曲線a)の第1の発光材料3に対する吸収帯域と、曲線b)の第2の発光材料4に対する吸収帯域とを並べて示したものからもわかる。図5を参照されたい。
【0053】
ここで説明している変換素子およびここで説明している発光ダイオードのアイデアは、使用される青色発光ダイオードチップの波長の領域において、成分が吸収の逆の特性を有する発光材料混合物を使用することである。したがって濃度比を適切に選択することにより、幅の広い一定の吸収帯域を調整することができる。2つの発光材料の発光色は互いに接近しているため、白点を変化させることなくほとんど任意の濃度を使用することができる。
【0054】
この点が約3000Kの色温度を有する温白色発光ダイオードと異なる。ここでは黄色の発光材料と赤色の発光材料とからなる発光材料混合物を使用することができる。しかしながら濃度は自由に選択できない。それはこの比により、同時に上記の色位置も調整されることになるはずだからである。ここでは、例えば、Euがドーピングされた赤色の発光材料の割合を格段に小さく選択して、ここで説明している吸収特性の変化が生じないようにする。
【0055】
図6には曲線b)のCerをドーピングした第2の発光材料と、曲線a)のEuをドーピングした第1の発光材料との組み合わせが示されている。曲線a+b)の混合物では、460nm未満の波長に対してほぼ一定の吸収率Kを設定することができる。吸収波長領域Δλabにおいて、例えば少なくとも440nmでありかつ最大で470nmである波長領域において、すなわち吸収波長領域にΔλabにおいて、第1の発光材料3および第2の発光材料4を有する変換素子34の吸収率Kは、最大で35%減少する。
【0056】
上記の色位置のばらつきに対するプラスの影響は図7からわかる。曲線c1,c6は、純粋な発光材料に関するものである。図示した色フィールドに存在するのは、可能な励起波長のわずかな部分だけである。このことは、発光材料混合物を使用した場合には異なる。ここでは使用したすべての放射波長に対し、色位置はこの線図内にある。ここでは色温度を約100Kの領域内に維持することさえも可能である(記入した同じ色温度のJudd直線は100Kの間隔を有する)。この色位置は、Δcx=0.005の窓内にあり、これは極めて狭い分布を示している。曲線c2,c3,c4およびc5はそれぞれ、第1の発光材料に対する第2の発光材料の重量混合比7:8,1:1,8:7および3:2を示している。曲線a)はプランクの曲線である。図7において2つのマークの間の波長間隔はそれぞれ2.5nmである。
【0057】
上記の動作電流による色位置シフトも、発光材料混合物を使用することによって格段に減少することができる。Δcx=0.001ではシフトはまだ全く測定できない。したがって発光ダイオードのディミングは、付加的な手段がなくても可能であり、その際に白色混合光の色位置は目につくようにはシフトしない。
【0058】
狭い分布を達成するための濃度は、使用した発光材料において、第2の発光材料4の体積に対する第1の発光材料3の体積の1:1の比を中心として移動する。例えばYAG:Ceである第2の発光材料4をわずかに多くすることにより、全体領域にわたってばらつきを最小にすることができる。青色波長領域を制限した場合、すなわち極端に長い波長および短い波長のダイオードを使用することなしに青色波長領域を制限した場合、例えばSiON:Euである第1の発光材料3がわずかに多くすることにより、狭い分布を達成することもできる。
【0059】
濃度のこのデータは当然のことながら、どのような吸収強度を発光材料が備えているかに依存する。ここで示した例では、2つの発光材料は、関連する波長領域において、発光材料体積に対して同じ最大吸収強度を有する。したがって同じ濃度によって最善の結果が得られる。しかしながら発光材料のドーピング濃度を変化させることも有利になり得る。Cerドーピングを比較的少なくすることにより、例えばYAG:Ceにおける高温特性が改善される。同様にドーピング濃度により、発光材料色が調整される。したがってここで示した濃度データは、発光材料の全質量にあまり関連せず、発光中心の含有量に関連するのである。
【0060】
図8には第1の発光材料3(曲線a))と、第2の発光材料4(曲線b))と、第1および第2の発光材料(曲線a+b))とを有するそれぞれの変換素子に対し、動作電流Iを変更した場合の色位置シフトが示されている。
【0061】
ここで考察する実施例は、有利には「冷白色」と称される色領域に関連しており、これはプランクの色展開の領域において4000Kと7000Kとの間の色温度を有する。ここで変換素子34の固有色は、約+/-5nmの変化幅を伴い、570nmを中心とした領域内にある。低い色温度には比較的長い放射波長が必要であり、また冷白色には比較的短い波長が必要である。上記の発光ダイオードチップの発光色は、440nmから470nmまでの領域内で移動すべきであり、有利には約445nmから460nmの制限された領域である。ここでも比較的低い色温度に対し、比較的長い波長の領域の発光ダイオードを選択する。
【0062】
上記の発光材料の選択に対し、第2の発光材料4として、Cerがドーピングされたガーネット発光材料が対象となる。典型的な代表例は、例えば572nmの放射波長を有するYAG:Ceである。この色は、Cer含有量によって決まり、低濃度にドーピングされた発光材料により、波長の短い方にシフトされる。別の代表例は、短い波長の方に放射および吸収がシフトされる(Lu, Y)(Ga, Al)G:Ce、および長い波長の方に放射がシフトされる(Gd, Y)AlG:Ceである。Cerの代わりにテルビウムまたはプラセオジムにより、イットリウムを置き換えることができる。上記の組成の複数の組み合わせが可能である。
【0063】
最大放射強度の波長を有する第1の発光材料3として、Eu2+をドーピングした発光材料の種々異なるクラスが対象となる。ここで上記の波長は、第2の発光材料4の波長よりも低い。考えられ得る材料は、チオガレート(MG, Ba, Sr)Ga2S4であるが、有利には緑色の発光色を有する。オルトシリケート(Ca, Mg, Ba, Sr)SiO4は、黄色を発光する代表例を有する。オキシニトライド(Ba, Sr, Ca)Si2O2N2:Eu2+のクラスは有利である。この発光材料は、黄色のスペクトル領域において発光する。これに対する重要な選択判定基準は、高温時の変換効率である(温度消失)。YAG:Ce0.02は150℃においても、室温におけるその変換効率の90%を有する。上記のチオガレートおよびオルトシリケートは約80%であり、さらに高い温度では格段に低くなる。これに対して上記のオキシニトライドは、150℃においてもなおその室温時の能力の95%であるため、ガーネットとオキシニトライドとを組み合わせることにより、高い温度においても使用可能な系を形成することができる。
【0064】
古典的な発光材料に対する択一的な選択肢として、半導体ないしは半導体ナノ粒子を使用することも可能である。それは、半導体ないしは半導体ナノ粒子は、波長が短くなるのに伴って増大する吸収率を示すからである。黄色を発光するのは、例えば、II/VI化合物半導体(Zn, Mg, Cd)(S, Se)のクラスであり、または(Ga, In)Nも黄色を発光する。
【0065】
上記の相異なる2つの発光材料の発光色は、1つの実施形態において黄色のスペクトル領域内に配置することができる。第1の実施形態において、2つの発光材料の放射波長をできるだけ良好に互いに調整しようとする場合、どちらの発光材料が放射を増大するのに寄与するかはあまり関係ない。この手法の欠点は、青色発光ダイオードチップの色位置シフトにより、赤色−緑色−方向におけるある程度の色位置の拡がりを回避できないことである。したがってこの手法は有利には低い色温度において、比較的高い変換率で使用することができる。それはここでは上記の拡がりが低減されるからである。
【0066】
第2の実施例では、上記の複数の放射波長を数ナノメートルだけ、有利には7nm以下だけ互いにシフトする。有利には第2の発光材料を波長の長い方にシフトさせる。これにより、長い波長で放射するチップの色位置が下方に引っ張られるため、赤色−緑色−軸において色位置を制限することもできる。
【0067】
一層正確な色位置制御を行うため、3つまたはそれ以上の発光材料の混合物を使用することも可能である。ここではこれらの付加的な発光材料も、Cerがドーピングされた発光材料またはEuがドーピングされた発光材料のクラスに属することができる。
図9には、個別発光材料ないしは混合物(曲線a+b))に対し、白色発光ダイオードのスペクトル経過が示されている。第2の発光材料のスペクトル(曲線b))は、約100nmの半値幅を有する。
【0068】
第1の発光材料のスペクトル(曲線a))は、やや狭帯域である(約70−80nm)。このことは視覚的な有効作用にプラスに作用する。それは555nmに視感度の最大値があるからである。
【0069】
上記の発光ダイオードに対する色位置計算はここでも、完全にスペクトル的に依存する散乱、吸収および放射を考慮してクベルカ−ムンク法によって行われる。
【0070】
図10Aないし10Dには、ここで説明する発光ダイオードおよび変換素子34の実施例が概略断面図で示されている。
【0071】
図10Aの第1実施例において、混合物の発光材料対を使用する。このために発光材料粉末を正しい比率で重さを量って一緒にして変換素子43を構成し、引き続き、例えばシリコーン樹脂またはエポキシ樹脂またはガラスなどのマトリクス材料2に混ぜる。この変換素子43は、LEDの空洞部に充填され、上記の発光材料混合物の全体濃度は、ケーシング基体5によって定められる空洞部の高さに調整される。
【0072】
図10Bに示した別の応用形態において変換素子34は、発光ダイオードチップ1の周りに配置されている。このため、例えば上記の変換素子34の高濃度の薄い層を作製する。この発光材料は、発光ダイオードチップ1の周りに射出成形、印刷、ラミネートまたはセディメンテーションすることができる。また上記の層を別個に作製し、引き続いて接着することも可能である。この層は、図10Cに示したように混合物として載置することも可能である。
【0073】
混合物を使用するのに加えて積層化を使用することも可能である。これについては図10Dを参照されたい。この際には、例えば発光材料3,4を有する2つのシートをまとめる。
【0074】
またコーティングと3次元モールドとからなる組み合わせも使用可能である。発光材料の順番は大きく影響しない。それは、発光材料は互いに吸収し合わないからである。
【0075】
さらに変換素子34に対して上記の発光材料のうちの1つの発光材料からなる支持体を使用することも可能であり、この支持体の上には別の1つの発光材料が配置される。例えば、CerがドーピングされたYAGセラミックから上記の支持体を構成することができ、この支持体の上に第2の発光材料がデポジットされるかまたはマトリクス材料に入れられる。
【0076】
本発明は、実施例に基づく上記の説明によってこれらの実施例に限定されることはない。むしろ本発明には、あらゆる新規の特徴ならびにこれらの特徴のあらゆる組み合わせを含まれており、これには殊に特許請求の範囲の特徴のあらゆる組み合わせが含まれ、またこのことはこれらの組み合わせそのものが特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には示されていないとしてもあてはまるものである。
【0077】
本願は、独国特許出願公開第102009035100.0号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照によって本願に取り入れられるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードにおいて、
該発光ダイオードは、
− 動作時に青色光のスペクトル領域において1次ビームを放射する発光ダイオードチップ(1)と、
− 当該1次ビームの一部を吸収して2次ビームを再放射する変換素子(34)とを有しており、
ただし、
− 当該変換素子(34)には、第1の発光材料(3)および第2の発光材料(4)が含まれており、
− 前記第1の発光材料(3)は、吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなり、前記第2の発光材料(4)は、同じ吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が大きくなり、
− 前記1次ビームには、前記吸収波長領域(Δλab)内にある複数の波長が含まれており、
− 前記発光ダイオードは、1次ビームおよび2次ビームからなりかつ少なくとも4000Kの色温度を有する白色混合光を放射することを特徴とする
発光ダイオード。
【請求項2】
前記第1の発光材料(3)および第2の発光ダイオード(4)は同じ色の光を放射し、
当該第1の発光材料および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、互いわずかにずれている、
請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項3】
前記第1の発光材料および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、最大で20nm、有利に最大10nm、殊に有利に最大7nmだけ異なる、
請求項1または2に記載の発光ダイオード。
【請求項4】
前記2次ビームは、黄色光のスペクトル領域内にある、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項5】
前記第2の発光材料(4)の最大放射強度の波長は、前記第1の発光材料(3)の最大放射強度の波長よりも長い、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項6】
前記第1の発光材料(3)は、発光中心としてユーロピウムをベースとしており、
前記第2の発光材料(4)は、発光中心としてCerをベースにしている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項7】
前記第2の発光材料(4)には(Gd, Lu, Y)(Al, Ga)G:Cer3+が含まれている、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項8】
前記第1の発光材料(3)には(Ca, Sr, Ba)SiO4:Eu2+および/または(Ca, Sr, Ba)Si2O2N2:Eu2+が含まれている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項9】
前記第1次ビームの放射強度の最大値(λD)は、少なくとも440nmでありかつ最大で470nmである、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項10】
前記第1の発光材料(3)および前記第2の発光材料(4)は、発光中心としてCerをベースとしており、
ただし、前記発光材料(3,4)のうちの1つの発光材料の吸収波長(Δλab)は、当該発光材料(3,4)のホスト格子の構成を変化させることによって他方の発光材料(4,3)に対してシフトされる、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項11】
前記発光材料(3,4)のうちの1つの発光材料は、YAG:Ceであるかまたはこれを含有しており、
他方の発光材料は、Y(GA,Al)G:Ceであるかまたはこれを含有する、
請求項1から10までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項12】
前記吸収波長領域(Δλab)における前記変換素子の吸収率は、殊に少なくとも440nmでありかつ最大で470nmである波長領域において最大35%だけ減少する、
請求項1から11までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項13】
前記第2の発光材料(4)に対する前記第1の発光材料(3)の重量比は、少なくとも0.60でありかつ最大で1.5である、
請求項1から12までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項14】
2つの発光ダイオードチップ(1)を有しており、
動作時に当該2つの発光ダイオードチップ(1)によって形成される電磁ビームの放射強度最大値は、少なくとも5nmだけ異なっている、
請求項1から13までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項15】
1次ビームを吸収しかつ2次ビームを放射するために設けられている、発光ダイオード用の変換素子(34)において、
該変換素子は、
− 第1の発光材料(3)および第2の発光材料(4)を有しており、
ただし、
− 前記第1の発光材料(3)は、吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなり、前記第2の発光材料(4)は、同じ吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなると共に吸収率が大きくなり、
− 第1の発光材料および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、最大で20nmだけ互いに異なることを特徴とする、
発光ダイオード用の変換素子。
【請求項1】
発光ダイオードにおいて、
該発光ダイオードは、
− 動作時に青色光のスペクトル領域において1次ビームを放射する発光ダイオードチップ(1)と、
− 当該1次ビームの一部を吸収して2次ビームを再放射する変換素子(34)とを有しており、
ただし、
− 当該変換素子(34)には、第1の発光材料(3)および第2の発光材料(4)が含まれており、
− 前記第1の発光材料(3)は、吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなり、前記第2の発光材料(4)は、同じ吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が大きくなり、
− 前記1次ビームには、前記吸収波長領域(Δλab)内にある複数の波長が含まれており、
− 前記発光ダイオードは、1次ビームおよび2次ビームからなりかつ少なくとも4000Kの色温度を有する白色混合光を放射することを特徴とする
発光ダイオード。
【請求項2】
前記第1の発光材料(3)および第2の発光ダイオード(4)は同じ色の光を放射し、
当該第1の発光材料および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、互いわずかにずれている、
請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項3】
前記第1の発光材料および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、最大で20nm、有利に最大10nm、殊に有利に最大7nmだけ異なる、
請求項1または2に記載の発光ダイオード。
【請求項4】
前記2次ビームは、黄色光のスペクトル領域内にある、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項5】
前記第2の発光材料(4)の最大放射強度の波長は、前記第1の発光材料(3)の最大放射強度の波長よりも長い、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項6】
前記第1の発光材料(3)は、発光中心としてユーロピウムをベースとしており、
前記第2の発光材料(4)は、発光中心としてCerをベースにしている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項7】
前記第2の発光材料(4)には(Gd, Lu, Y)(Al, Ga)G:Cer3+が含まれている、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項8】
前記第1の発光材料(3)には(Ca, Sr, Ba)SiO4:Eu2+および/または(Ca, Sr, Ba)Si2O2N2:Eu2+が含まれている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項9】
前記第1次ビームの放射強度の最大値(λD)は、少なくとも440nmでありかつ最大で470nmである、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項10】
前記第1の発光材料(3)および前記第2の発光材料(4)は、発光中心としてCerをベースとしており、
ただし、前記発光材料(3,4)のうちの1つの発光材料の吸収波長(Δλab)は、当該発光材料(3,4)のホスト格子の構成を変化させることによって他方の発光材料(4,3)に対してシフトされる、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項11】
前記発光材料(3,4)のうちの1つの発光材料は、YAG:Ceであるかまたはこれを含有しており、
他方の発光材料は、Y(GA,Al)G:Ceであるかまたはこれを含有する、
請求項1から10までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項12】
前記吸収波長領域(Δλab)における前記変換素子の吸収率は、殊に少なくとも440nmでありかつ最大で470nmである波長領域において最大35%だけ減少する、
請求項1から11までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項13】
前記第2の発光材料(4)に対する前記第1の発光材料(3)の重量比は、少なくとも0.60でありかつ最大で1.5である、
請求項1から12までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項14】
2つの発光ダイオードチップ(1)を有しており、
動作時に当該2つの発光ダイオードチップ(1)によって形成される電磁ビームの放射強度最大値は、少なくとも5nmだけ異なっている、
請求項1から13までのいずれか1項に記載の発光ダイオード。
【請求項15】
1次ビームを吸収しかつ2次ビームを放射するために設けられている、発光ダイオード用の変換素子(34)において、
該変換素子は、
− 第1の発光材料(3)および第2の発光材料(4)を有しており、
ただし、
− 前記第1の発光材料(3)は、吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなるのに伴って吸収率が小さくなり、前記第2の発光材料(4)は、同じ吸収波長領域(Δλab)において、波長が長くなると共に吸収率が大きくなり、
− 第1の発光材料および第2の発光材料の最大放射強度の波長は、最大で20nmだけ互いに異なることを特徴とする、
発光ダイオード用の変換素子。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【公表番号】特表2013−500596(P2013−500596A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522060(P2012−522060)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059180
【国際公開番号】WO2011/012388
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059180
【国際公開番号】WO2011/012388
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】
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