説明

補充/回収報知制御システム、補充報知制御システム、回収報知制御システム及び補充/回収報知制御方法

【課題】遊技用記録媒体の補充業務及び回収業務を効率良く行うことを課題とする。
【解決手段】補充/回収報知制御システム3では、遊技店の営業時期に応じてプリペイドカードの内部収納枚数と比較する補充不要範囲並びに回収不要範囲を変更できるように、遊技店の営業時期ごとに、その営業時期に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶管理し、遊技店の営業時期によってプリペイドカードの内部収納枚数と比較する補充不要範囲並びに回収不要範囲を適切に変更して逸脱可否判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が補充又は回収を不要とする補充不要範囲又は回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、補充不要範囲を逸脱すると判定した場合には、遊技用記録媒体の補充を促す報知を行うように所定の装置に指示し、回収不要範囲を逸脱すると判定した場合には、遊技用記録媒体の回収を促す報知を行うように所定の装置に指示する補充/回収報知制御システム、補充報知制御システム、回収報知制御システム及び補充/回収報知制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機として、投入された記録媒体の価値(例えば、貨幣の金額または金額に相当する価値を示す価値データ)に基づいて遊技媒体を貸し出すカード処理ユニットがよく知られている。
【0003】
これを具体的に説明すると、遊技客がカード発行機に貨幣を投入することによって購入した記録媒体(例えば、磁気カード、ICカード、ICコインなど)を用いるものであり、例えば、遊技客によってカード処理ユニットにプリペイドカードが投入されて所定の貸出ボタンが押下されると、プリペイドカードの価値から所定分の価値を減じつつ、該減じた価値分のパチンコ玉またはメダルを払い出すというものである。
【0004】
さらに、かかるプリペイドカード購入の手間を省き、遊技客の利便性を向上させる観点から、遊技客によって投入された紙幣を受け入れた際にユニット単体でカードを発行し、遊技客からのカードの読込要求を受けてそのカードを読み込み、さらに遊技媒体の貸出要求を受け付けて所定数量の遊技媒体を遊技機の上皿部分に投出するカード処理ユニットも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
このカード処理ユニットは、所定枚数(一般的には、「10枚」)のプリペイドカードが内部に収納できるように構成されており、残度数が存在するプリペイドカードを返却したり、また、他のユニットにて返却されたプリペイドカードの挿入を受け入れたりすることで、内部に保持するプリペイドカードの枚数が増減する。
【0006】
そして、このカード処理ユニットにおいて、プリペイドカードの内部収納枚数がエンプティ「0枚」になった場合には、プリペイドカードに残度数を価値付けて返却できなくなるので、高額紙幣を受け入れることが不可能になり、また、プリペイドカードの内部収納枚数がフル「10枚」になった場合には、それ以上のプリペイドカードの受入が不可能になるので、他のユニットにて返却されたプリペイドカードを用いて遊技を行うことができなくなる。
【0007】
このように、カード処理ユニットにてプリペイドカードの内部収納枚数がエンプティ又はフルになると、遊技客が遊技媒体を借り受けて遊技を行う際に不便が生じるので、プリペイドカードの内部収納枚数がエンプティ又はフルになる前にプリペイドカードの補充/回収が行われることが好ましい。
【0008】
このことから、プリペイドカードの内部収納枚数がエンプティ又はフルになる前にプリペイドカードの補充/回収を促し、従業員による補充業務及び回収業務を支援するために、カード処理ユニットの収納部にて収納されるプリペイドカードの内部収納枚数が補充を不要とする補充不要範囲並びに回収を不要とする回収不要範囲を逸脱する場合に、当該カード処理ユニットに対するプリペイドカードの補充又は回収を促す報知を行うように制御する補充/回収報知制御システムが導入されている。
【0009】
すなわち、かかる補充/回収報知制御システムでは、カード処理ユニットに収納されたプリペイドカードの内部収納枚数が回収不要上限値「7枚」を超える場合には、所定のランプを点滅させることでプリペイドカードの回収を促し、一方、プリペイドカードの内部収納枚数が補充不要下限値「3枚」よりも少ない場合には、ランプを点灯させることでプリペイドカードの補充を促すことにより、プリペイドカードの内部収納枚数が補充不要下限値「3枚」及び回収不要上限値「7枚」の適正範囲内に留まるようにプリペイドカードの補充/回収を従業員に促すことができるようにしている。
【0010】
【特許文献1】特開2000−140394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記したカード処理ユニット(特許文献1)にかかる補充/回収報知制御システムを適用したとしても、遊技用記録媒体の内部収納数が一義的な補充不要下限値及び回収不要上限値からなる適正範囲を逸脱するか否かによって補充又は回収が促されるに過ぎず、遊技店の運用状況と乖離した補充又は回収の報知制御が行われる事態が生じることとなるので、遊技用記録媒体の補充業務及び回収業務を効率良く行うことができないという問題点があった。
【0012】
これを具体的に説明すると、遊技店が開店中の時には、従業員がプリペイドカードの補充業務/回収業務を頻繁に行うことで他の業務に支障をきたすことがないように、プリペイドカードの内部収納枚数がエンプティ又はフルにならない程度に補充又は回収を促す必要があり、また、遊技店の閉店後は、プリペイドカードの補充業務及び回収業務以外の他の業務を並列的に行わねばならない開店中とは違い、全カード処理ユニットに対してプリペイドカードの補充業務及び回収業務を集中的に行うことができるので、プリペイドカードの内部収納枚数が翌日の営業に備えた理想値、すなわちエンプティ「0枚」及びフル「10枚」の双方から最も離れた理想値「5枚」に近づくように補充又は回収を促す必要がある。
【0013】
ところが、上記した補充/回収報知制御システムのように、プリペイドカードの内部収納枚数が補充不要下限値「3枚」及び回収不要上限値「7枚」からなる一義的な適正範囲を逸脱するか否かによって補充又は回収の報知制御を行うこととしたのでは、プリペイドカードの内部収納枚数を適正範囲「3枚以上〜7枚以下」に定常的に保つという開店中の運用目標を達成することはできるが、その反面、遊技店の閉店後においても、内部収納枚数が「3枚」、「4枚」、「6枚」並びに「7枚」である状態を許容する補充又は回収の報知制御を行うので、内部収納枚数を翌日の営業に備えた理想値「5枚」に近づけるという閉店後の運用目標と乖離した補充又は回収の報知制御を行うこととなる。
【0014】
このため、上記した補充/回収報知制御システムでは、補充又は回収を促す報知が行われていないカード処理ユニットについても内部収納枚数が「5枚」であるか否かを目視確認し、必要であれば補充又は回収を行うという判断を従業員に強いることとなり、プリペイドカードの補充業務及び回収業務の効率を著しく低下させてしまう。
【0015】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、遊技店の運用状況に適合した補充又は回収の報知制御を行い、もって遊技用記録媒体の補充業務及び回収業務を効率良く行うことができる補充/回収報知制御システム、補充報知制御システム、回収報知制御システム及び補充/回収報知制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明に係る補充/回収報知制御システムは、遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が補充不要とする補充不要範囲並びに回収を不要とする回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記補充不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の補充を促す報知を行うように所定の装置に指示し、前記回収不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の回収を促す報知を行うように所定の装置に指示する補充/回収報知制御システムであって、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶する補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段と、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2の発明に係る補充/回収報知制御システムは、請求項1の発明において、前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、前記遊技店の営業時期ごとに、当該営業時期に適合した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶するものであって、前記逸脱可否判定手段は、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当営業時期の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項3の発明に係る補充/回収報知制御システムは、請求項1または2の発明において、前記遊技用記録媒体は、有価価値が関連付けられていなければ、前記収納部に収納され、有価価値が関連付けられているならば、所定の保持部にて一時的に保持されるものであって、前記逸脱可否判定手段は、前記収納部にて収納された内部収納数及び前記保持部にて保持された内部保持枚数の合算値が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱する否かを判定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項4の発明に係る補充/回収報知制御システムは、請求項1、2または3の発明において、前記逸脱可否判定手段によって遊技用記録媒体の内部収納数が補充不要範囲又は回収不要範囲を逸脱すると判定された場合に、前記遊技機、前記台間機、複数の台間機に接続される管理装置、複数の台間機に接続される島コントローラのうち少なくともいずか一つもしくはこれらの組合せとなる複数の装置に対して、前記遊技用記録媒体の補充又は回収を促す報知を行うように指示する報知制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項5の発明に係る補充/回収報知制御システムは、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、複数の台間機に接続される管理装置は、前記遊技店の運用態様を前記台間機に通知する運用態様通知手段を備え、前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段を有する台間機は、前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段によって関連付けて記憶された各運用態様の補充不要範囲及び回収不要範囲のうち、前記運用態様通知手段により通知された運用態様に該当する補充不要範囲及び回収不要範囲を前記内部収納数との比較対象として選定する比較対象選定手段と、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記比較対象選定手段により選定された補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項6の発明に係る補充/回収報知制御システムは、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、複数の台間機に接続される管理装置が有する第1の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段と、前記台間機が有する第2の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段とからなるものであって、前記第1の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶し、前記管理装置は、遊技店の運用態様を取得する運用態様取得手段と、前記第1の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段によって関連付けて記憶された各運用態様の補充不要範囲及び回収不要範囲のうち、前記運用態様取得手段により取得された運用態様に該当する補充不要範囲及び回収不要範囲を前記台間機に通知する補充不要範囲・回収不要範囲通知手段とを備え、前記第2の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、前記補充不要範囲・回収不要範囲通知手段により通知された補充不要範囲及び回収不要範囲を記憶し、前記台間機は、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記第2の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項7の発明に係る補充/回収報知制御システムは、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、前記台間機は、当該台間機にて収納する遊技用記録媒体の内部収納数を複数の台間機に接続される管理装置に通知する内部収納数通知手段を備え、前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段を有する管理装置は、前記内部収納数通知手段により通知された遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項8の発明に係る補充報知制御システムは、遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が補充を不要とする補充不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記補充不要範囲を逸脱すると判定した場合に、前記遊技用記録媒体の補充を促す報知を行うように所定の装置に指示する補充報知制御システムであって、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲を関連付けて記憶する補充不要範囲記憶手段と、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、請求項9の発明に係る回収報知制御システムは、遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が回収を不要とする回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記回収不要範囲を逸脱すると判定した場合に、前記遊技用記録媒体の回収を促す報知を行うように所定の装置に指示する回収報知制御システムであって、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した回収不要範囲を関連付けて記憶する回収不要範囲記憶手段と、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】
また、請求項10の発明に係る補充/回収報知制御方法は、遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が補充不要とする補充不要範囲並びに回収を不要とする回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記補充不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の補充を促す報知を行うように所定の装置に指示し、前記回収不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の回収を促す報知を行うように所定の装置に指示する補充/回収報知制御方法であって、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に登録する補充不要範囲・回収不要範囲登録工程と、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶し、遊技用記録媒体の内部収納数が記憶した該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することとしたので、遊技店の運用状況に適合した補充又は回収の報知制御を行うことができ、遊技用記録媒体の補充業務及び回収業務を効率良く行うことが可能な補充/回収報知制御システム及び補充/回収報知制御方法が得られるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、遊技店の営業時期ごとに、当該営業時期に適合した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶し、遊技用記録媒体の内部収納数が記憶した該当営業時期の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することとしたので、遊技店の開店中並びに閉店後の運用目標に適合した補充又は回収の報知制御を行うことができ、遊技用記録媒体の補充業務及び回収業務をより効率良く行うことが可能な補充/回収報知制御システムが得られるという効果を奏する。
【0028】
また、本発明によれば、遊技用記録媒体は、有価価値が関連付けられていなければ、収納部に収納され、有価価値が関連付けられているならば、所定の保持部にて一時的に保持されるものであって、収納部にて収納された内部収納数及び保持部にて保持された内部保持枚数の合算値が記憶した該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱する否かを判定することとしたので、記録媒体読取部に保持される内部保持数を含めた逸脱可否判定を行うことができ、台間機の実情を加味した補充又は回収の報知制御を行うことが可能な補充/回収報知制御システムが得られるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明によれば、遊技用記録媒体の内部収納数が補充不要範囲又は回収不要範囲を逸脱すると判定した場合に、遊技機、台間機、複数の台間機に接続される管理装置、複数の台間機に接続される島コントローラのうち少なくともいずか一つもしくはこれらの組合せとなる複数の装置に対して、遊技用記録媒体の補充又は回収を促す報知を行うように指示することとしたので、従業員が遊技用記録媒体の補充又は回収の報知を察知するのを支援することが可能な補充/回収報知制御システムが得られるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明によれば、複数の台間機に接続される管理装置が、遊技店の運用態様を台間機に通知し、台間機が、関連付けて記憶した各運用態様の補充不要範囲及び回収不要範囲のうち、通知された運用態様に該当する補充不要範囲及び回収不要範囲を内部収納数との比較対象として選定し、遊技用記録媒体の内部収納数が選定した補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することとしたので、上位装置は運用態様を下位装置に通知するだけでよく、上位装置に負荷をかけることなく、遊技店の運用状況に適合した補充又は回収の報知制御を行うことが可能な補充/回収報知制御システムが得られるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明によれば、複数の台間機に接続される管理装置が、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶する一方で、遊技店の運用態様を取得し、関連付けて記憶した各運用態様の補充不要範囲及び回収不要範囲のうち、取得した運用態様に該当する補充不要範囲及び回収不要範囲を台間機に通知し、台間機が、通知された補充不要範囲及び回収不要範囲適正範囲を記憶し、遊技用記録媒体の内部収納数が記憶した補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することとしたので、上位装置に比較して装置性能が劣る下位装置に内部保持枚数との比較対象となる補充不要下限値及び回収不要上限値を記憶させればよく、下位装置の記憶容量を圧迫せずに逸脱可否判定を行うことが可能な補充/回収報知制御システムが得られるという効果が得られる。
【0032】
また、本発明によれば、台間機が、当該台間機にて収納する遊技用記録媒体の内部収納数を複数の台間機に接続される管理装置に通知し、管理装置が、通知された遊技用記録媒体の内部収納数が記憶した該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することとしたので、上位装置に比較して装置性能が劣る下位装置に逸脱可否判定を行わせる必要がなく、下位装置の処理負荷を圧迫せずに逸脱可否判定を行うことが可能な補充/回収報知制御システムが得られるという効果を奏する。
【0033】
また、本発明によれば、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲を関連付けて記憶し、遊技用記録媒体の内部収納数が記憶した該当運用態様の補充不要範囲を逸脱するか否かを判定することとしたので、遊技店の運用状況に適合した補充の報知制御を行うことができ、遊技用記録媒体の補充業務を効率良く行うことが可能な補充報知制御システムが得られるという効果を奏する。
【0034】
また、本発明によれば、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した回収不要範囲を関連付けて記憶し、遊技用記録媒体の内部収納数が記憶した該当運用態様の回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することとしたので、遊技店の運用状況に適合した回収の報知制御を行うことができ、遊技用記録媒体の回収業務を効率良く行うことが可能な回収報知制御システムが得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下の添付図面を参照して、本発明に係る補充/回収報知制御システム及び補充/回収報知制御方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る補充/回収報知制御システム(補充/回収報知制御方法)を実施例1として説明した後に、本発明に含まれる他の実施例を実施例2として説明する。
【実施例1】
【0036】
以下の実施例1では、実施例1に係る補充/回収報知制御システムの概要および特徴、システムを構成する各装置の構成および処理の流れを順に説明する。
【0037】
[概要および特徴(実施例1)]
まず最初に、図1及び図2を用いて、実施例1に係る補充/回収報知制御システムの概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示すシステム構成図である。また、図2は、実施例1に係る補充/回収報知制御システムの特徴を説明するための説明図である。
【0038】
図1に示すように、遊技店内に設置される遊技システム1は、プリペイドカードに関連付けられた度数の残数を管理するための管理装置、ターミナルコントローラ(以下、プリペイドカード管理T/Cと称す。)10を頂点にして、「島」と呼ばれるグループごとに設けられた島コントローラ20、カード発行機50及びカード精算機60が接続された構成となる。さらに、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40それぞれに併設されたカード処理ユニット30が接続されている。
【0039】
この遊技システム1では、プリペイドカードPC(カード処理ユニット30及びカード発行機50により遊技者に対して発行され、発行店の識別情報、カード固有の識別コード、発行額、カード種別などが記録される)を記録媒体として用いることができる。
【0040】
カード処理ユニット30は、プリペイドカードPCに関連付けられた度数の残数(以下、残度数と言う)を上限としてパチンコ玉の貸し出し処理をおこなうことを主機能とするものであり、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者が遊技を行うパチンコ機40それぞれに対して1台ずつペアとなるように用意され、パチンコ機40の相互間に挟まれる形で設置してある。
【0041】
また、このカード処理ユニット30は、遊技客の利便性を向上させる観点から、遊技客によって投入された紙幣を受け入れた際に、内部のカード収納部にて収納する内蔵カードをプリペイドカードPCとして発行する機能が付加されており、このカード収納部は、内部収納容量として最大「10枚」の内蔵カードを収納することができるように構成されている。なお、カード収納部には、残度数が価値付けられていないプリペイドカードのみが収納されている。
【0042】
カード発行機50は、現金が入金された場合に、該入金金額に応じた有価価値(度数)が関連付けられるプリペイドカードPCの発行処理並びにプリペイドカードPCに関連付けられた度数に対する加算処理を主機能とするものであり、遊技店に数台設置されている。また、カード精算機60は、プリペイドカードPCに関連付けられた残度数の精算処理を主機能とするものであり、具体的には、プリペイドカードPCの回収と引き換えに残度数に相当する現金を払出す。
【0043】
遊技者は、カード発行機50から発行されたプリペイドカードPCをカード処理ユニット30に挿入して、パチンコ玉の貸出操作を行うことに加え、カード処理ユニット30に現金を投入することにより、カード処理ユニット単体でのプリペイドカードPCの発行を受けて、パチンコ玉を借り受けることができ、もってパチンコ遊技を行うことが可能となる。
【0044】
これらのカード処理ユニット30、パチンコ機40、カード発行機50及びカード精算機60は、各島に設けた島コントローラ20を通じてプリペイドカード管理T/C10と称される管理装置の制御下にある。
【0045】
プリペイドカード管理T/C10は、プリペイドカードの識別情報(プリペイドカードID)及びこのプリペイドカードの残度数を記憶管理する装置である。例えば、カード処理ユニット30にて高額紙幣が挿入された場合には、カード処理ユニット30から発行対象となる内蔵カードのプリペイドカードIDとともに挿入紙幣の金額を受け付け、当該プリペイドカードIDに挿入紙幣分の金額を価値付けた後、カード処理ユニット30に「価値付け完了通知」を返信する。なお、本実施例では、カードに記録した磁気データを改ざんするなどの不正行為を防止する観点から、プリペイドカードには「度数」を記録せず、プリペイドカードの識別情報のみを記録する構成を採用することとする。
【0046】
この遊技システム1内には、パチンコ機40に併設されたカード処理ユニット30のカード収納部にて収納されるプリペイドカードの内部収納枚数が補充又は回収を不要とする補充不要範囲又は回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、補充不要範囲を逸脱すると判定した場合には、プリペイドカードの補充を促す報知を行うように当該カード処理ユニットに指示し、回収不要範囲を逸脱すると判定した場合には、プリペイドカードの回収を促す報知を行うように当該カード処理ユニットに指示する補充/回収報知制御システム3が設けられている。
【0047】
ここで、本実施例1に係る補充/回収報知制御システム3は、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶し、プリペイドカードの内部収納枚数が該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する「逸脱可否判定処理」に主たる特徴があり、かかる「逸脱可否判定処理」によって、遊技店の運用状況に適合した補充又は回収の報知制御を行い、もってプリペイドカードの補充業務及び回収業務を効率良く行うことができるようにしている。
【0048】
すなわち、実施例1に係る補充/回収報知制御システム3では、プリペイドカードの内部収納枚数が補充不要範囲及び回収不要範囲を逸脱するか否かの逸脱可否判定を行うが、プリペイドカードの内部収納枚数と、一義的に定めた補充不要範囲並びに回収不要範囲とを画一的に比較することはしない。つまり、遊技店の運用状況によってプリペイドカードの内部収納枚数と比較する補充不要範囲並びに回収不要範囲を適切に変更して逸脱可否判定を行う。
【0049】
これを具体的に説明すると、実施例1に係る補充/回収報知制御システム3は、遊技店の運用状況に応じてプリペイドカードの内部収納枚数と比較する補充不要範囲並びに回収不要範囲を変更できるように、遊技店の運用態様ごとに、その運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶している。例えば、開店期比較値として、補充不要下限値「3枚」及び回収不要上限値「7枚」を記憶するとともに、閉店期比較値として、補充不要下限値「5枚」及び回収不要上限値「5枚」を記憶している。
【0050】
そして、かかる補充/回収報知制御システム3では、プリペイドカードの内部収納枚数が遊技店の運用状況に該当する運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する。
【0051】
例えば、遊技店の営業状態が「開店状態」である場合には、カード処理ユニット30のカード収納部にて収納されるプリペイドカードの内部収納枚数が、開店期比較値、すなわち補充不要下限値「3枚」並びに回収不要上限値「7枚」を逸脱するか否かを判定し、遊技店の営業状態が「閉店状態」である場合には、プリペイドカードの内部収納枚数が、閉店期比較値、すなわち補充不要下限値「5枚」並びに回収不要上限値「5枚」を逸脱するか否かを判定している。
【0052】
その後、この補充/回収報知制御システム3は、かかる判定結果に応じてプリペイドカードの補充又は回収を促す報知をカード処理ユニット30の所定のランプ(後述するカード状態表示LED302)にて行うように制御する。
【0053】
例えば、図2に示すように、遊技店の営業状態が「開店状態」であれば、プリペイドカードの内部収納枚数が補充不要下限値「3枚」よりも少ない場合に、カード処理ユニット30に付設されたランプを点灯させることでプリペイドカードの補充を促し、また、回収不要上限値「7枚」よりも多い場合に、ランプを点滅させることでプリペイドカードの回収を促す。
【0054】
このため、カード処理ユニット30のカード収納部における内部収納枚数を補充不要下限値「3枚」以上かつ回収不要上限値「7枚」以下の範囲内に保つように従業員に補充又は回収の報知を行うことができ、エンプティ又はフルにならない程度にカード処理ユニット30の内部収納枚数を担保するという遊技店の開店中の運用目標に適合した補充又は回収の報知制御を行うことが可能になる。
【0055】
一方、遊技店の営業状態が「閉店状態」であれば、プリペイドカードの内部収納枚数が補充不要下限値「5枚」よりも少ない場合に、カード処理ユニット30に付設されたランプを点灯させることでプリペイドカードの補充を促し、また、回収不要上限値「5枚」よりも多い場合に、ランプを点滅させることでプリペイドカードの回収を促す。
【0056】
このため、カード処理ユニット30のカード収納部における内部収納枚数を補充不要下限値「5枚」及び回収不要上限値「5枚」が重複する一点の値「5枚」に保つように従業員に補充又は回収の報知を行うことができ、翌日の営業に備えた理想値になるようにカード処理ユニット30の内部収納枚数を調節するという遊技店の閉店後の運用目標に適合した補充又は回収の報知制御を行うことが可能になる。
【0057】
したがって、本実施例1に係る補充/回収報知制御システム3によれば、遊技店の運用状況によってプリペイドカードの内部収納枚数と比較する補充不要範囲並びに回収不要範囲を適切に変更して逸脱可否判定を行うので、遊技店の運用状況に適合した補充又は回収の報知制御を行うことができ、上記した主たる特徴のように、プリペイドカードの補充業務及び回収業務を効率良く行うことが可能である。
【0058】
[補充/回収報知制御システムの構成]
続いて、実施例1に係る補充/回収報知制御システムを構成する各装置の構成を説明する。なお、以下では、システムの中でも「概要および特徴」と重複する部分の説明は省略し、本発明に密接に関連するカード処理ユニット30の外観構成を説明した後に、このカード処理ユニットの内部構成を説明する。
【0059】
(カード処理ユニットの外観構成)
次に、図3を用いて、実施例1に係るカード処理ユニット30の外観構成を説明する。図3は、実施例1に係るカード処理ユニット30の外観構成を示す正面図である。同図に示すように、このカード処理ユニット30は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、その本体部前面の上寄りには、下方に向かって順に、状態表示ランプ301、カード状態表示LED302、リモコン受光部310、入金可能表示LED303が付設されている。
【0060】
状態表示ランプ301は、当該カード処理ユニット30が運用可能であるか否かを点灯色の切換えによって表すランプであり、例えば、「緑点灯」により運用可能な旨を表し、「赤点灯」により運用不能な旨を表す。
【0061】
カード状態表示LED302は、当該カード処理ユニット30に内蔵するプリペイドカードの補充又は回収の要否を点灯/点滅によって表すLEDであり、例えば、「点灯」によりプリペイドカードの補充が必要な旨を表し、「点滅」によりプリペイドカードの回収が必要な旨を表し、また、「消灯」によりプリペイドカードの補充及び回収が不要な旨を表す。
【0062】
リモコン受光部310は、図示しない専用のリモコンから照射される赤外線を受光するものであり、リモコンから照射される赤外線を通じてカード処理ユニット30に対する各種操作(例えば、プリペイドカードの補充操作及び回収操作など)を受け付ける。
【0063】
入金可能表示LED303は、当該カード処理ユニット30に紙幣の入金が可能であるか否かを点灯/点滅によって表すLEDであり、例えば、「点灯」により紙幣の入金が可能である旨を表し、また、「点滅」により紙幣の入金が不可能な旨を表す。
【0064】
また、本体部前面の中央部には、高額紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」など)を含む紙幣を挿入する紙幣挿入口308、及び、プリペイドカードや会員カードなどの各種カードを挿入するカード挿入口309が設けられている。
【0065】
さらに、本体部前面の下寄りには、下方に向かって順に、7SEG表示部304、モード表示部305、各種ボタン群、末尾同列に貸出ボタン306及び返却ボタン307が設けられている。
【0066】
7SEG表示部304は、7セグメントのLEDから形成される表示部であり、当該カード処理ユニット30のランニング表示を行うものである。例えば、挿入紙幣の金額、プリペイドカードの残度数、貯玉数、再プレイ回数やポイントを表示したり、或いは、専用のリモコンによってプリペイドカードの補充操作又は回収操作が行われている場合には、補充すべき枚数又は回収すべき枚数を表示したりする。
【0067】
モード表示部305は、7SEG表示部304にてどのモードの情報が表示されているかを表示するものである。例えば、「残度数」、「貯玉数」、「再プレイ回数」または「ポイント」のうちいずれの情報を7SEG表示部304に表示しているかを該当ランプを点灯させることで表す。
【0068】
貸出ボタン306は、遊技客による玉貸し要求を受け付ける操作ボタンであり、この貸出ボタン306が押下されると後述する玉貸し処理部39aにて「玉貸し処理」が行われる。また、返却ボタン307は、遊技客によるプリペイドカードの返却要求を受け付ける操作ボタンであり、この返却ボタン307が押下されると挿入中のプリペイドカードがカード挿入口309から返却される。
【0069】
(カード処理ユニットの内部構成)
続いて、図4を用いて、図3に示したカード処理ユニット30の内部構成について説明する。図4は、実施例1に係るカード処理ユニット30の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、このカード処理ユニット30は、表示部31と、入力部32と、通信制御IF部33と、BVユニット部34と、カードリーダ(C/R)35と、カード収納部36と、搬送/繰出機構部37と、記憶部38と、制御部39とを備える。
【0070】
表示部31は、図3に示した状態表示ランプ301、カード状態表示LED302、入金可能LED303、7SEG表示部304及びモード表示部305などの総称であり、また、入力部32は、各種ボタン群、貸出ボタン306及び返却ボタン307などの総称である。
【0071】
通信制御IF部33は、当該カード処理ユニット30と他の装置(例えば、プリペイドカード管理T/C10、島コントローラ20およびパチンコ機40などの装置)の間で各種通信の制御を行う処理部である。
【0072】
BVユニット部34は、紙幣挿入口308に挿入された紙幣の金種を識別する紙幣識別機であり、識別した挿入紙幣の金種を制御部39に出力する。なお、挿入紙幣が偽造紙幣である場合には、当該紙幣を返却する。
【0073】
C/R35は、カード挿入口309に挿入されたプリペイドカードや会員カードなどの各種カードに記録された情報を読み込むカードリーダであり、具体的には、これら各種カードからプリペイドカードの識別情報や会員カードの識別情報を読み込み、該読み込んだ情報を制御部39に出力する。
【0074】
カード収納部36は、残度数が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部であり、遊技客がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、事前に複数枚のプリペイドカードを収納したものである。例えば、遊技客によって紙幣が挿入されると、複数枚のプリペイドカードうちの一枚がC/R35の位置に繰り出され、現金による度数関連付けの対象とされる。
【0075】
搬送/繰出機構部37は、各種カードの搬送/繰出を行う機構部である。具体的には、カード挿入口309から挿入されたプリペイドカードをC/R35に搬送したり、C/R35内に保持されたプリペイドカードをカード収納部36に搬送したり、また、カード収納部36に収納された内蔵プリペイドカードをC/R35に繰り出したり、C/R35に保持されたプリペイドカードをカード挿入口309に繰り出したりする。
【0076】
記憶部38は、制御部39による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、本発明に関連する情報として、比較値情報38a及び内部枚数情報38bを記憶している。
【0077】
比較値情報38aは、当該カード処理ユニット30のプリペイドカードの内部収納枚数と比べるための比較値の情報を指し、具体的には、遊技店の営業時期ごとに、当該営業時期に適合した補充不要範囲及び回収不要範囲が対応付けられた情報である。例えば、図5に示すように、営業時期「開店期」に補充不要下限値「3枚」及び回収不要上限値「7枚」が対応付けられ、また、営業時期「閉店期」に補充不要下限値「5枚」及び回収不要上限値「5枚」が対応付けられた情報が記憶されている。なお、閉店期の補充不要下限値及び回収不要上限値の双方が「5枚」であることは、エンプティ「0枚」及びフル「10枚」の双方から最も離れた理想値「5枚」のみが閉店期の適正値として補充及び回収の報知対象範囲から除外されることを指す。
【0078】
制御部39は、カード処理ユニット30の全体制御を司る制御部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、玉貸し処理部39a、逸脱可否判定部39b及び報知制御部39cを備える。
【0079】
このうち、玉貸し処理部39aは、パチンコ玉を貸出す「玉貸し処理」を行う処理部である。具体的には、残度数が存在するプリペイドカードが挿入された状態で、貸出ボタン306の押下を受け付けた場合に、パチンコ機40に玉貸し指示を行ってパチンコ機40内部の玉投出機構から所定度数分のパチンコ玉を投出させる。
【0080】
玉貸し処理部39aは、主機能である「玉貸し処理」の他、カード収納部36に収納された内蔵プリペイドカードの枚数を管理する機能も付加機能として有する。例えば、図6に示すように、遊技客によって紙幣が挿入され(1)、カード収納部36に収納された内蔵のプリペイドカード100を発行した場合(2)には、記憶部38に記憶された内部枚数情報38bを「1枚」減算する更新を行う(3)ことで、カード収納部36に収納されたプリペイドカードの枚数、すなわち「内部収納枚数」が減少する事例を管理することができるようにしている。
【0081】
また、図7に示すように、貸出ボタン306の押下を通じて遊技客から玉貸し要求を受け付け(1)、C/R35に保持されたプリペイドカード110の残度数を減じて「玉貸し処理」を行った際に残度数が「0」になった場合(2)には、C/R35に保持されたプリペイドカード110をカード収納部36に収納し(3)、記憶部38に記憶された内部枚数情報38bを「1枚」加算する更新を行う(4)ことで、カード収納部36に収納されたプリペイドカードの枚数、すなわち「内部収納枚数」が増加する事例を管理することができるようにしている。
【0082】
逸脱可否判定部39bは、カード収納部36におけるプリペイドカードの内部収納枚数が記憶部38に記憶された該当営業時期の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する処理部である。
【0083】
これを具体的に説明すると、逸脱可否判定部39bは、プリペイドカード管理T/C10から営業時期が通知された場合に、記憶部38から比較値情報38a及び内部枚数情報38bを読み出し、読み出した比較値情報38aのうち当該営業時期に該当するものを内部収納枚数との比較値として選定する。なお、このプリペイドカード管理T/C10には、プリペイドカードID及びこのプリペイドカードの残度数を記憶管理することを主機能の他、遊技店の営業時期をカード処理ユニット30に定期的(例えば、「15秒」ごと)に通知する運用態様通知機能が付加されている。
【0084】
ここで、逸脱可否判定部39bは、開店期比較値(補充不要下限値「3枚」及び回収不要上限値「7枚」)を選定したならば、記憶部38から読み出した内部枚数情報38b、すなわちカード収納部36に収納されたプリペイドカードの内部収納枚数「X枚」が補充不要下限値「3枚」よりも少ないか否かを判定し、内部収納枚数「X枚」が補充不要下限値「3枚」以上である場合には、内部収納枚数「X枚」が回収不要上限値「7枚」よりも多いか否かを判定する。
【0085】
一方、閉店期比較値(補充不要下限値及び回収不要上限値が理想値「5枚」)を選定したならば、記憶部38から読み出した内部枚数情報38b、すなわちカード収納部36に収納されたプリペイドカードの内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」よりも少ないか否かを判定し、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」以上である場合には、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」よりも多いか否かを判定する。
【0086】
報知制御部39cは、逸脱可否判定部39bによって内部収納枚数が補充不要範囲又は回収不要範囲を逸脱する場合に、プリペイドカードの補充又は回収を促す報知を行うように制御する処理部である。具体的には、逸脱可否判定部39bによって内部収納枚数「X枚」が開店期比較値である補充不要下限値「3枚」よりも少ないと判定された場合には、カード状態表示LED302を点灯させ、回収不要上限値「7枚」よりも多いと判定された場合には、カード状態表示LED302を点滅させ、また、内部保持枚数「X枚」が補充不要下限値「3枚」及び回収不要上限値「7枚」からなる開店期の適正範囲「3枚〜7枚」内にある場合には、カード状態表示LEDを点灯及び点滅させずに消灯させる。
【0087】
一方、報知制御部39cは、逸脱可否判定部39bによって内部収納枚数「X枚」が閉店期比較値である理想値「5枚」よりも少ないと判定された場合には、カード状態表示LED302を点灯させ、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」よりも多いと判定された場合には、カード状態表示LED302を点滅させ、また、内部保持枚数「X枚」が開店期の理想値「5枚」である場合には、カード状態表示LEDを点灯及び点滅させずに消灯させる。
【0088】
また、報知制御部39cによって補充報知又は回収報知が行われた場合には、遊技店の従業員によって専用のリモコンを用いて補充作業又は回収作業が行われる。例えば、カード状態表示LED302が点灯しているカード処理ユニット30では、専用のリモコンからリモコン受光部310を通じて、カード処理ユニット30を「カード補充モード」に移行させる操作を受け付け、カード挿入口309から残度数が「0」のプリペイドカードが挿入される度にそのプリペイドカードをカード収納部36に搬送し、一方、カード状態表示LED302が点滅しているカード処理ユニット30では、専用のリモコンからリモコン受光部310を通じて、カード処理ユニット30を「カード回収モード」に移行させる操作を受け付け、カード挿入口309からカード収納部36に収納されたプリペイドカードを順次繰り出す。
【0089】
さらに、報知制御部39cは、「通常モード」から「カード補充モード」又は「カード回収モード」に移行した場合には、補充不要下限値に至るまでに必要なプリペイドカードの補充枚数又は回収不要上限値に至るまでに必要なプリペイドカードの回収枚数を7SEG表示部304に表示させるようにしている。
【0090】
(処理の流れ)
次に、本実施例1に係るカード処理ユニットの各種処理の流れを説明する。なお、ここでは、玉貸し処理部39aにて行われる(1)カード処理ユニット30の基本制御処理を説明してから、逸脱可否判定部39b及び報知制御部39cにて行われる(2)報知制御処理を説明する。
【0091】
(1)基本制御処理
前述したように、ここでは、図8を用いて、実施例1に係るカード処理ユニット30の基本制御処理を説明する。図8は、実施例1に係るカード処理ユニット30の基本制御処理の手順を示すフローチャートである。この「基本制御処理」は、カード処理ユニットの電源がON状態である限り、再帰的に行われる処理である。
【0092】
図8に示すように、紙幣挿入口308より紙幣が挿入されると(ステップS801肯定)、搬送/繰出機構部37は、カード収納部36に収納された内蔵のプリペイドカードをC/R35に繰り出し、玉貸し処理部39aは、BVユニット34にて判別された挿入紙幣の金額を当該プリペイドカードに価値付けた後に(ステップS802)、記憶部38に記憶された内部枚数情報38bを「1枚」減算する更新を行い(ステップS803)、プリペイドカードに価値付けた金額に相当する残度数を7SEG表示部304に表示させる(ステップS804)。なお、ここで言う「価値付け」とは、内蔵のプリペイドカードのプリペイドカードID及び挿入紙幣の金額に相当する残度数をプリペイドカード管理T/C10に通知し、プリペイドカード管理T/C10にて当該プリペイドカードIDに残度数を対応付けて記憶させる処理を指す。
【0093】
また、カード挿入口309よりプリペイドカードが挿入されると(ステップS805肯定)、玉貸し処理部39aは、挿入されたプリペイドカードのプリペイドカードIDに対応する残度数をプリペイドカード管理T/C10に問合せ、当該プリペイドカードの残度数が「0」であれば(ステップS806肯定)、搬送/繰出機構部37に対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口309に繰り出させ(ステップS807)、一方、当該プリペイドカードの残度数が「0」でなければ(ステップS806否定)、玉貸し処理部39aは、問合せ結果として得た残度数を7SEG表示部304に表示させる(ステップS804)。
【0094】
その後、貸出ボタン306の押下を通じて玉貸し要求を受け付けずに返却ボタン307の押下を通じてプリペイドカードの返却要求を受け付けたならば(ステップS808否定かつステップS809肯定)、玉貸し処理部39aは、搬送/繰出機構部37に対してプリペイドカードの返却指示を行って当該プリペイドカードをカード挿入口309に繰り出させる(ステップS807)。
【0095】
また、貸出ボタン306の押下を通じて玉貸し要求を受け付けた場合(ステップS808肯定)に、玉貸し処理部39aは、C/R35に保持されたプリペイドカードのプリペイドカードIDに対応する残度数を所定の度数分について減算するようにプリペイドカード管理T/C10に指示し、この度数減算が完了した後にパチンコ機40に所定の度数分のパチンコ玉を投出するように指示する「玉貸し処理」を行う(ステップS810)。
【0096】
このとき、C/R35に保持されたプリペイドカードの残度数を減じて「玉貸し処理」を行った際に残度数が「0」になった場合(ステップS811肯定)には、玉貸し処理部39aは、搬送/繰出機構部37にプリペイドカードの収納指示を行ってC/R35に保持されたプリペイドカードをカード収納部36に搬送させ(ステップS812)、記憶部38に記憶された内部枚数情報38bを「1枚」加算する更新を行い(ステップS813)、上記のステップS801〜ステップS813までの処理を繰り返し行う。
【0097】
また、C/R35に保持されたプリペイドカードの残度数を減じて「玉貸し処理」を行った際に残度数が「0」にならなかった場合(ステップS811否定)には、上記のステップS804〜ステップS810までの処理を繰り返し行う。
【0098】
このように、カード収納部36に収納されたプリペイドカードの枚数が増加する事例、並びに、プリペイドカードの枚数が減少する事例を管理することで、「内部収納枚数」を正確に管理することができる。
【0099】
(2)報知制御処理
次に、図9を用いて、実施例1に係る報知制御処理を説明する。図9は、実施例1に係る報知制御処理の手順を示すフローチャートである。この「報知制御処理」は、プリペイドカード管理T/C10から営業時期が通知された場合に開始されることとなる。
【0100】
図9に示すように、プリペイドカード管理T/C10から営業時期(開店期あるいは閉店期)が通知されると(ステップS901肯定)、逸脱可否判定部39bは、記憶部38から比較値情報38a及び内部枚数情報38bを読み出し(ステップS902)、読み出した比較値情報38aのうち当該営業時期に該当するものを内部収納枚数との比較値として選定する(ステップS903)。
【0101】
ここで、逸脱可否判定部39bは、開店期比較値(補充不要下限値「3枚」及び回収不要上限値)を選定したならば(ステップS904肯定)、記憶部38から読み出した内部枚数情報38b、すなわちカード収納部36に収納されたプリペイドカードの内部収納枚数「X枚」が補充不要下限値「3枚」よりも少ないか否かを判定する(ステップS905)。
【0102】
このとき、内部収納枚数「X枚」が補充不要下限値「3枚」よりも少ない場合(ステップS905肯定)には、報知制御部39cは、カード状態表示LED302を点灯させてプリペイドカードの補充を促す(ステップS906)。なお、この補充報知は、内部収納枚数が補充不要下限値「3枚」以上になるまで継続される。
【0103】
また、内部収納枚数「X枚」が補充不要下限値「3枚」以上である場合(ステップS905否定)には、逸脱可否判定部39bは、さらに、内部収納枚数「X枚」が回収不要上限値「7枚」よりも多いか否かを判定する(ステップS907)。
【0104】
このとき、内部収納枚数「X枚」が回収不要上限値「7枚」よりも多い場合(ステップS907肯定)には、報知制御部39cは、カード状態表示LED302を点滅させてプリペイドカードの回収を促す(ステップS908)。なお、この回収報知は、内部収納枚数が回収不要上限値「7枚」になるまで継続される。
【0105】
なお、内部収納枚数「X枚」が回収不要上限値「7枚」以下である場合(ステップS907否定)には、報知制御部39cによるカード状態表示LED302の点灯及び点滅を行わずに、上記のステップS901からの処理を繰り返し行う。
【0106】
一方、逸脱可否判定部39bは、閉店期比較値(補充不要下限値及び回収不要上限値が理想値「5枚」)を選定したならば(ステップS904否定)、記憶部38から読み出した内部枚数情報38b、すなわちカード収納部36に収納されたプリペイドカードの内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」よりも少ないか否かを判定する(ステップS909)。
【0107】
このとき、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」よりも少ない場合(ステップS909肯定)には、報知制御部39cは、カード状態表示LED302を点灯させてプリペイドカードの補充を促す(ステップS906)。なお、この補充報知は、内部収納枚数が理想値「5枚」になるまで継続される。
【0108】
また、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」以上である場合(ステップS909否定)には、逸脱可否判定部39bは、さらに、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」よりも多いか否かを判定する(ステップS910)。
【0109】
このとき、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」よりも多い場合(ステップS910肯定)には、報知制御部39cは、カード状態表示LED302を点滅させてプリペイドカードの回収を促す(ステップS908)。なお、この回収報知は、内部収納枚数が理想値「5枚」になるまで継続される。
【0110】
なお、内部収納枚数「X枚」が理想値「5枚」である場合(ステップS910否定)には、報知制御部39cによるカード状態表示LED302の点灯及び点滅を行わずに、上記のステップS901からの処理を繰り返し行う。
【0111】
上述してきたように、本実施例1に係る補充/回収報知制御システム3によれば、遊技店の営業時期ごとに、当該営業時期に適合した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶し、プリペイドカードの内部収納枚数が該当営業時期の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定するように構成したので、遊技店の開店中並びに閉店後の運用目標に適合した補充又は回収の報知制御を行うことができ、プリペイドカードの補充業務及び回収業務をより効率良く行うことが可能である。
【0112】
また、本実施例1に係る補充/回収報知制御システム3によれば、複数のカード処理ユニット30に接続されるプリペイドカード管理T/C10が遊技店の営業時期をカード処理ユニット30に通知し、カード処理ユニット30が記憶した各営業時期の補充不要範囲及び回収不要範囲のうち、通知された営業時期に該当する補充不要範囲及び回収不要範囲を内部収納枚数との比較対象として選定し、プリペイドカードの内部収納枚数が選定した補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定するように構成したので、上位装置(プリペイドカード管理T/C10)は運用態様を下位装置(カード処理ユニット30)に通知するだけでよく、上位装置に負荷をかけることなく、遊技店の運用状況に適合した補充又は回収の報知制御を行うことが可能である。
【実施例2】
【0113】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0114】
(1)補充不要範囲及び回収不要範囲の記憶管理
例えば、上記の実施例1では、カード処理ユニット30にて営業時期ごとの比較値、すなわち補充不要下限値及び回収不要上限値をすべて記憶することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、逸脱可否判定に用いる比較値のみを記憶するようにしても良い。
【0115】
すなわち、プリペイドカード管理T/C10が、遊技店の営業時期ごとに、当該営業時期に対応した補充不要下限値及び回収不要上限値を関連付けて記憶する一方で、遊技店の運用態様を取得し、関連付けて記憶した各営業時期の補充不要下限値及び回収不要上限値のうち、取得した営業時期に該当する補充不要下限値及び回収不要上限値をカード処理ユニット30に通知し、カード処理ユニット30が、プリペイドカード管理T/C10により通知された補充不要下限値及び回収不要上限値を記憶し、プリペイドカードの内部収納枚数が記憶した補充不要下限値よりも少ないか、並びに、回収不要上限値より多いかを判定することで、上位装置(プリペイドカード管理T/C10)に比較して装置性能が劣る下位装置(カード処理ユニット30)に内部保持枚数との比較対象となる補充不要下限値及び回収不要上限値を記憶させればよく、下位装置の記憶容量を圧迫せずに逸脱可否判定を行うことが可能になる。
【0116】
(2)逸脱可否判定
また、上記した実施例1では、カード処理ユニット30にて内部収納枚数の逸脱可否判定及び補充/回収の報知制御を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの機能をプリペイドカード管理T/C10が備えるようにしてもよい。
【0117】
例えば、図10に示すように、カード処理ユニット80では、内部収納枚数通知部81がカード収納部36にて収納するプリペイドカードの内部収納枚数をプリペイドカード管理T/C70に通知し、また、プリペイドカード管理T/C70では、カード枚数管理部76aが内部収納枚数通知部81により通知されたプリペイドカードの内部収納枚数を内部収納枚数管理テーブル75bに登録することで記憶管理する一方、内部収納枚数管理テーブル75bに記憶された内部収納枚数が比較値管理テーブル75aに記憶された該当営業時期の補充不要下限値よりも少ないか、並びに、回収不要上限値よりも多いかを逸脱可否判定部76bにて判定し、報知制御部76cが逸脱可否判定の判定結果に応じてプリペイドカードの補充又は回収を促す報知を行うようにカード処理ユニット80に指示する補充/回収報知制御システムを構成する。
【0118】
このように補充/回収報知制御システムを構成すれば、上位装置(プリペイドカード管理T/C10)に比較して装置性能が劣る下位装置(カード処理ユニット80)に逸脱可否判定を行わせる必要がなく、下位装置の処理負荷を圧迫せずに逸脱可否判定を行うことが可能になる。
【0119】
さらに、上記した実施例1では、逸脱可否判定部39bによる逸脱可否判定を定期的に行う例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の時機、例えば記憶部38に記憶される内部枚数情報38bが更新される度に逸脱可否判定を行うようにしてもよい。
【0120】
また、上記した実施例1では、内部収納枚数と補充不要下限値及び回収不要上限値を比較して逸脱可否判定を行うこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、内部収納枚数と内部保持枚数の合算値と、補充不要下限値及び回収不要上限値を比較して逸脱可否判定を行うようにしてもよい。すなわち、これによって、記録媒体読取部に保持される内部保持枚数を含めた逸脱可否判定を行うことができ、カード処理ユニットの実情を加味した補充又は回収の報知制御を行うことができる。
【0121】
さらに、その際に、挿入中のプリペイドカードの残度数の多寡に応じて内部保持枚数を内部収納枚数に加えるようにしてもよい。例えば、残度数が「20」未満の場合には、残度数がなくなるまで遊技される可能性が高いので、内部保持枚数を内部収納枚数に加えて逸脱可否判定を行い、残度数が「20」以上の場合には、残度数がなくなるまで遊技される可能性が低いので、内部保持枚数を内部収納枚数に加えずに逸脱可否判定を行う。
【0122】
(3)報知先となる対象
また、上記した実施例1では、カード処理ユニット30のカード状態表示LED302にて補充又は回収を促す報知を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ機40、島コントローラ20やプリペイドカード管理T/C10などの他の装置で行ってよいし、これらの装置にて組合せて行ってもよい。すなわち、これによって、従業員がプリペイドカードの補充又は回収の報知を察知するのを支援することができる。
【0123】
(4)その他
また、上記した実施例1では、運用態様として営業時期ごとに補充不要下限値及び回収不要上限値を記憶管理し、これらを用いた逸脱可否判定を行う実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の運用態様に対応した補充不要下限値及び回収不要上限値を記憶管理し、これらを用いた逸脱可否判定を行うようにしてもよい。
【0124】
すなわち、カード処理ユニット30に併設されるパチンコ機40の遊技機種ごとに、当該遊技機種に対応した補充不要下限値及び回収不要上限値を記憶し、カード処理ユニット30のカード収納部36にて収納されたプリペイドカードの枚数が該当遊技機種の補充不要下限値よりも少ない場合にプリペイドカードの補充を促す報知を行い、また、回収不要上限値よりも多い場合にプリペイドカードの回収を促す報知を行うようにしてもよい。
【0125】
例えば、高額紙幣を挿入された場合に最後まで遊技される人気機種には他のパチンコ機40にて返却されたプリペイドカードが挿入されるので、回収不要上限値を低めにし、高額紙幣を挿入された場合に最後まで遊技されない不人気機種には他のパチンコ機40で遊技するために返却要求されるので、補充不要下限値を高めにするといった設定を行うことで、遊技機種に適合した補充又は回収の報知制御を行うことができる。
【0126】
また、上記した実施例1では、補充報知制御及び回収報知制御の双方を行うカード処理ユニット30を説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、補充報知制御或いは回収報知制御のいずれかのみを行うように構成してもよい。
【0127】
なお、実施例1で用いた「理想値」とは、エンプティ「0枚」及びフル「10枚」の双方から最も離れているという観点から理想という相対的なものであり、さらなる要因を加味することを妨げるものではない。たとえば、プリペイドカードの増加傾向並びに減少傾向を加味したものであってもかまわない。
【0128】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0129】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上のように、本発明に係る補充/回収報知制御システム、補充報知制御システム、回収報知制御システム及び補充/回収報知制御方法は、遊技店の運用状況に適合した補充又は回収の報知制御を行い、もって遊技用記録媒体の補充業務及び回収業務を効率良く行うことができる補充/回収報知制御システム、補充報知制御システム、回収報知制御システム及び補充/回収報知制御方法に適している。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】実施例1に係る補充/回収報知制御システムの特徴を説明するための説明図である。
【図3】実施例1に係るカード処理ユニット30の外観構成を示す正面図である。
【図4】実施例1に係るカード処理ユニット30の内部構成を示すブロック図である。
【図5】比較値情報38aの構成例を示す図である。
【図6】プリペイドカードの内部収納枚数が減少する事例を説明するための図である。
【図7】プリペイドカードの内部収納枚数が増加する事例を説明するための図である。
【図8】実施例1に係るカード処理ユニット30の基本制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】実施例1に係る報知制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】変形例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0132】
1 遊技システム
3 補充/回収報知制御システム
10 プリペイドカード管理T/C
20 島コントローラ
30 カード処理ユニット
31 表示部
32 入力部
33 通信制御IF部
34 BVユニット部
35 C/R(カードリーダ)
36 カード収納部
37 搬送/繰出機構部
38 記憶部
39 制御部
39a 玉貸し処理部
39b 逸脱可否判定部
39c 報知制御部
40 遊技機(パチンコ機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が補充不要とする補充不要範囲並びに回収を不要とする回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記補充不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の補充を促す報知を行うように所定の装置に指示し、前記回収不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の回収を促す報知を行うように所定の装置に指示する補充/回収報知制御システムであって、
遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶する補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段と、
前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段と
を備えたことを特徴とする補充/回収報知制御システム。
【請求項2】
前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、前記遊技店の営業時期ごとに、当該営業時期に適合した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶するものであって、
前記逸脱可否判定手段は、前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当営業時期の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の補充/回収報知制御システム。
【請求項3】
前記遊技用記録媒体は、有価価値が関連付けられていなければ、前記収納部に収納され、有価価値が関連付けられているならば、所定の保持部にて一時的に保持されるものであって、
前記逸脱可否判定手段は、前記収納部にて収納された内部収納数及び前記保持部にて保持された内部保持枚数の合算値が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱する否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の補充/回収報知制御システム。
【請求項4】
前記逸脱可否判定手段によって遊技用記録媒体の内部収納数が補充不要範囲又は回収不要範囲を逸脱すると判定された場合に、前記遊技機、前記台間機、複数の台間機に接続される管理装置、複数の台間機に接続される島コントローラのうち少なくともいずか一つもしくはこれらの組合せとなる複数の装置に対して、前記遊技用記録媒体の補充又は回収を促す報知を行うように指示する報知制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の補充/回収報知制御システム。
【請求項5】
複数の台間機に接続される管理装置は、
前記遊技店の運用態様を前記台間機に通知する運用態様通知手段を備え、
前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段を有する台間機は、
前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段によって関連付けて記憶された各運用態様の補充不要範囲及び回収不要範囲のうち、前記運用態様通知手段により通知された運用態様に該当する補充不要範囲及び回収不要範囲を前記内部収納数との比較対象として選定する比較対象選定手段と、
前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記比較対象選定手段により選定された補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の補充/回収報知制御システム。
【請求項6】
前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、複数の台間機に接続される管理装置が有する第1の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段と、前記台間機が有する第2の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段とからなるものであって、
前記第1の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて記憶し、
前記管理装置は、
遊技店の運用態様を取得する運用態様取得手段と、
前記第1の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段によって関連付けて記憶された各運用態様の補充不要範囲及び回収不要範囲のうち、前記運用態様取得手段により取得された運用態様に該当する補充不要範囲及び回収不要範囲を前記台間機に通知する補充不要範囲・回収不要範囲通知手段とを備え、
前記第2の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段は、前記補充不要範囲・回収不要範囲通知手段により通知された補充不要範囲及び回収不要範囲を記憶し、
前記台間機は、
前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記第2の補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の補充/回収報知制御システム。
【請求項7】
前記台間機は、
当該台間機にて収納する遊技用記録媒体の内部収納数を複数の台間機に接続される管理装置に通知する内部収納数通知手段を備え、
前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段を有する管理装置は、
前記内部収納数通知手段により通知された遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の補充/回収報知制御システム。
【請求項8】
遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が補充を不要とする補充不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記補充不要範囲を逸脱すると判定した場合に、前記遊技用記録媒体の補充を促す報知を行うように所定の装置に指示する補充報知制御システムであって、
遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲を関連付けて記憶する補充不要範囲記憶手段と、
前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段と
を備えたことを特徴とする補充報知制御システム。
【請求項9】
遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が回収を不要とする回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記回収不要範囲を逸脱すると判定した場合に、前記遊技用記録媒体の回収を促す報知を行うように所定の装置に指示する回収報知制御システムであって、
遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した回収不要範囲を関連付けて記憶する回収不要範囲記憶手段と、
前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定手段と
を備えたことを特徴とする回収報知制御システム。
【請求項10】
遊技機に併設された台間機の収納部にて収納される遊技用記録媒体の内部収納数が補充不要とする補充不要範囲並びに回収を不要とする回収不要範囲を逸脱するか否かを判定し、前記補充不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の補充を促す報知を行うように所定の装置に指示し、前記回収不要範囲を逸脱すると判定した場合には、前記遊技用記録媒体の回収を促す報知を行うように所定の装置に指示する補充/回収報知制御方法であって、
遊技店の運用態様ごとに、当該運用態様に対応した補充不要範囲及び回収不要範囲を関連付けて補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に登録する補充不要範囲・回収不要範囲登録工程と、
前記遊技用記録媒体の内部収納数が前記補充不要範囲・回収不要範囲記憶手段に記憶された該当運用態様の補充不要範囲並びに回収不要範囲を逸脱するか否かを判定する逸脱可否判定工程と
を含んだことを特徴とする補充/回収報知制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−533(P2008−533A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175263(P2006−175263)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】