説明

補助端子付ボルト

【課題】装置等の入力電源線(外部配線)の取替時に、既設入力電源線(外部配線)の被覆を短絡防止のために一定間隔をあけて剥く作業、C型コネクタ等を介して圧着し、既設入力電源線を切断し、圧着箇所を絶縁テープ等で養生処理をするという煩雑な作業を不必要にする。
【解決手段】中継端子台の内部配線側のボルト等をボルト等の頭部にナット機能3を有する補助端子付ボルト2に取替ることにより補助端子機能を備えた中継端子台を形成し、中継端子台に予備端子を設ける必要をなくし分電盤内部の中継端子台設置スペースが少なくし、前記装置等の入力電源線の取替においては、仮線が確実に固定可能となり、前記装置等を停止することなく入力電源線(外部配線)の取替を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受配電盤や分電盤などの装置及び電気器具に用いられる、外部配線の圧着端子との接続用の中継端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
例として、分電盤などの装置及び電気器具(以下、装置等)は、筐体等の内部に備えられた、外部配線を接続するための図2、あるいは図3に示す中継端子に、内部配線(図示せず)が圧着接続された圧着端子1がボルト等止めされる。装置等は中継端子台のボルト等を外してから外部配線の圧着端子をボルト等で、中継端子に締め付け固定され接続されて装置等が構成される。
【0003】
従来の中継端子台は、図2に示すように配線用の導線(図示せず)を圧着接続した、丸型、あるいはY型の1対の圧着端子1を、機械的に固定し電気的に接続させる1対の独立したボルト等止め接続部を、複数個並べて絶縁樹脂製の基台7に装着した、装置等の内部配線と外部配線をそれぞれ別々にボルト等止めする独立接続型の中継端子台が用いられている。
【0004】
このような、装置等の内部配線と外部配線をそれぞれ別々にボルト等止めする、1対の独立したボルト等止め接続部を備えた独立接続型の中継端子台は、装置等筐体内部に装着後に内部配線はそのままに、直接外部配線を接続することができるが、装置等の負荷回路の増加による、又は、装置等の入力側電源装置等の取替による、装置等の入力電源線(外部配線)の取替には、装置等を停止し、配線替えを行うので、その間、装置等に収容されている負荷回路は使用することはできなかった。
【0005】
一方、どうしても装置等に収容されている負荷の重要性から、装置等が停止出来ない場合には、既設入力電源線(外部配線)の被覆を短絡防止のために一定間隔をあけて剥き、入力電源が直流のものにあっては、新設入力電源線の極性及び電位差等を確認後に、入力電源が交流のものにあっては、新設入力電源線の極性、電位差、周波数、位相等を確認後に、既設入力電源線の被覆剥き取り箇所へC型コネクタ等を介して圧着し、既設入力電源線を切断し、圧着箇所を絶縁テープ等で養生処理をする煩雑な作業が必要であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、装置等の負荷回路増設時および入力電源装置等の取替時において、中継端子台より入力電源線(外部配線)を取替るときに、装置等を停止させ、あるいは装置等を停止出来ない場合、被覆を短絡防止のために一定間隔をあけて剥き、入力電源が直流のものにあっては、新設入力電源線の極性及び電位差等を確認後に、入力電源が交流のものにあっては、新設入力電源線の極性、電位差、周波数、位相等を確認後に、C型コネクタ等を介して圧着し、既設入力電源線を切断し、圧着箇所を絶縁テープ等で養生処理をする煩雑な作業を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
導線が接続された2つの圧着端子を、同心状に重ねてボルト又はネジ(以下、ボルト等)締め固定する、複数の接続部を備える中継端子台において、又は導線が接続された2つの圧着端子を、上下及び左右に配置してボルト等締め固定する、複数の接続部を備える中継端子台において、端子台に圧着端子を固定するボルト等はボルト等の頭部にせん孔処理を施し、ナット機能を備え、ボルト等の頭部に導線接続機能(補助端子)を備える。
【0008】
装置等の中継端子台の内部配線側に補助端子付ボルトを使用し内部配線を固定し、入力側電源装置等から装置等の中継端子台(補助端子付ボルト)へ仮配線(以下、仮線という)を行う。入力電源が直流のものにあっては、仮線の極性及び電位差等を確認後に、入力電源が交流のものにあっては、仮線の極性、電位差、周波数、位相等を確認後に補助端子付ボルト頭部へボルト等にて接続し締付け固定する。
【0009】
これにより、入力電源と装置等の中継端子台が仮線と既設入力電源線によって並列接続となるので、装置等を停止することなく、中継端子台より既設入力電源線を取り外すことが可能となる。
【0010】
中継端子台にて、既設入力電源線を取り外した同一箇所へ新設入力電源線を入力電源が直流のものにあっては、新設入力電源線の極性及び電位差等を確認後に、入力電源が交流のものにあっては、新設入力電源線の極性、電位差、周波数、位相等を確認後に中継端子台の外部配線側へボルト等にて接続し締付け固定し、入力電源と装置等の間の仮線を取り外す。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、従来の中継端子台の内部配線側のボルト等をボルト等の頭部にナット機能を有する補助端子付ボルトに取替ることにより補助端子機能を備えた中継端子台が形成でき、装置等の入力電源線(外部配線)の取替時には、既設入力電源線(外部配線)の被覆を短絡防止のために一定間隔をあけて剥く作業、C型コネクタ等を介して圧着し、既設入力電源線を切断し、圧着箇所を絶縁テープ等で養生処理をする煩雑な作業が不必要となった。
【0012】
本発明により、既設入力電源線の部分再用がなくなるため、入力電源線の機械的強度の向上、接続箇所の電圧降下の軽減、既設入力電源線の太さによる許容電流値のボトルネックが解消された。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
図1に示す補助端子付ボルトを図2に示す従来の独立型中継端子台、図3に示す従来の一体型中継端子台の圧着端子取付用ボルト等として使用し、図4に示す分電盤の内部に装着する。図1に示す補助端子付ボルトは中継端子台の内部配線側に使用する。これにより中継端子台に予備端子を設ける必要がなくなり分電盤内部の中継端子台設置スペースが少なくてすむ。前記装置等の入力電源線の取替においては、仮線が確実に固定可能となり、前記装置等を停止することなく入力電源線(外部配線)の取替が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による補助端子付ボルトの平面図と断面図
【図2】従来の独立型中継端子台の平面図と断面図
【図3】従来の一体型中継端子台の平面図と断面図
【図4】実施例1の分電盤内部の平面図と断面図
【符号の説明】
1・・・・圧着端子
2・・・・補助端子付ボルト
3・・・・ナット機能
4・・・・配線用遮断機
5・・・・入力電源線
6・・・・仮配線
7・・・・中継端子台の基台部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線が接続された2つの圧着端子を、同心状に重ねてボルト又はネジ(以下、ボルト等)締め固定する、複数の接続部を備える中継端子台において、又は導線が接続された2つの圧着端子を、上下及び左右に配置してボルト等締め固定する、複数の接続部を備える中継端子台において、端子台に圧着端子を固定するボルト等はボルト等の頭部にせん孔処理を施し、ナット機能を備え、ボルト等の頭部に導線接続機能(補助端子)を備えたことを特徴とする、中継端子台用ボルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−216521(P2006−216521A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59614(P2005−59614)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(505079291)
【Fターム(参考)】