説明

製品に切り込みを形成するためのマイクロカット装置

カテーテル、ガイドワイヤおよび類似品中の切り込みを形成するためのマイクロカット装置であって、製品へとカットされる結果として得られたビームの寸法を直接制御し、フィードバック制御と正確な確認のために各切り込みの画像をキャプチャできる、マイクロカット装置を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<発明の簡単な説明>
カテーテル、ガイドワイヤおよび類似品中に切り込みを形成するためのマイクロカット装置であって、二重刃のマイクロカット装置を含む。該装置は、製品へ切り込みを入れることによって結果として得られるビームの直径を直接制御でき、フィードバック制御および正確な確認のために各切り込みの画像をキャプチャすることができ、一般に、材料の導電性と無関係の任意の材料(プラスチックなど)を切ることができる。
【0002】
<関連出願への相互参照>
この非仮出願は、2008年12月8日に出願された、仮出願シリアル番号61/120,703、2009年4月3日に出願された仮出願シリアル番号61/166,480に対する優先権を主張する。両方の仮出願は、引用することによって、ここに全て取り込まれる。
【0003】
<連邦政府による委託研究または進行下での本発明に対する権利についての申し立て>
該当せず。
【0004】
<コンパクトディスクで提出された「配列リスト」、表またはコンピュータープログラムへの言及>
該当せず。
【背景技術】
【0005】
医療分野は、人体の深部で微妙な処置を行なうために、非常に柔軟で、ねじることの可能なカテーテルおよびガイドワイヤを利用する。血管内の処置は、典型的には股から始められる。股は、カテーテルとガイドワイヤが大腿動脈へ差し込まれ、心臓、脳または所望の他の組織まで通される部分である。一度正しい位置で、ガイドワイヤが除去されると、カテーテルは薬物、ステント、様々な状態を治療する塞栓装置、または他の装置又は薬剤、の送達のために使用され得る。カテーテルは、それ自身によって、またはそれに予め装填されている、バルーンにより拡張可能なステントを備える、の何れかで直接治療を行うために使用されるバルーンカテーテルでもよい。X線不透過性色素が、しばしはカテーテルへと挿入され、この結果、血管が内部処置的に確認される。または、診断処置の場合、色素はカテーテルを通って送達された、主たるまたは唯一の薬剤であり得る。
【0006】
血管内処置は、定義によれば、しばしば、疾患によって傷つけられる柔らかな組織、すなわち血管それ自身のなかで、およびそれを用いて、作業される。血管に対する損傷は、回避することが特に重要な意味を持つ。血管内の血液が「漏れる」ことを許す場合、直接の損傷は、血液によって連絡されている正常な毛細血管の通路の外部の任意の組織にもたらされ得るものであり、及び/又は、瀉血(しゃ血)または「出血(bleed out)」の致命的な問題を結果として生じ得るものである。動脈瘤を治療するとき、カテーテルの先端の制御は、特に重要である。動脈瘤は、ガイドワイヤまたはカテーテルが正確に制御されないとき、容易に穴をあけられる、非常に脆弱な、膨らんだ血管壁である。
【0007】
(特許公報に記載されているような)現在の機械技術により生産されたガイドワイヤとカテーテルは、制限された機能を有している。そのようなマイクロカット装置の一例は、以下の特許文献1に記載されている。これらの既存の装置の一枚刃設計および他の態様に起因して、装置は、信頼できる方式で(略0.002インチ)小さな特徴を制御するのに必要な精度を欠く。また、それらは、正確により大きな特徴を制御し確認する能力を欠く。該能力は、これらの装置の安全性及び/又は性能に影響を与えるかもしれない。装置が、ストック材料の導電率に依存して、カット刃に対するストックの位置を決定するので、これらの装置は、また、導電性のストック材料を用いて働くことのみできる。刃によってストックに作られた各切り込みは、ストックの電磁気によって感知された表面の位置および所望の切り込みの予めプログラムされた深さに基づく。一旦切り込みが作られれば、ストック部分は、180度回転される。表面は、再び感知される。また、別の予めプログラムされた切り込みは、所望深さに作られる。カット装置は、カットされているストック材料の(カット位置での)正確な直径を測定できず、各切り込みは、その直径にかかわらず予めプログラムされた深さに作られる。ストック材料が必ずしも均一の形状および直径にあるとは限らず、即ち、任意の特定の位置で、ストック材料の真円度とストック材料の直径との両方に影響を与えることができるストックの長手方向に沿う欠陥が、多くの場合に存在するため、このことは問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】2000年1月18日にJacobsen等によって出願された、米国特許第6,014,919号
【0009】
ストック材料が現在のカット装置によって実行された方法でカットされるとき、(厚さを変える)残留材料の小さなビームは、連続し向かい合う切り込みによって形成される。このビームは、結果として得られたビームという。ストックの直径が切り込みの位置に予想されたより太ければ、結果として得られたビームは所望であるものよりも太く、それ故、それほど柔軟ではない。ストックの直径が切り込みの位置に予想されたより細ければ、結果として得られたビームは所望であるものよりも細く、それ故、より弱い。したがって、強さ(安全性)および柔軟性(性能)両方とも管理するクリティカルディメンションは、結果として得られたビームの幅である。該幅は、現在のマイクロカット装置で直接制御されず、それどころか2つの不正確な測定の結果のものであり、即ち、第1の切り込みのための、刃とストック材料との間の相対距離の測定値、および第2の切り込みのための、刃とストック材料との間の相対距離の測定値、である。ストック材料の表面の任意の欠陥、またはそのような材料の直径の不整合は、結果として得られたビームに直接変換される。このことは、ガイドワイヤ、カテーテル、他の装置であろうとなかろうと、最終製品の安全性と性能の両方の事項に問題がある。ストック材料のより大きな直径に対する許容可能な量が、結果として得られたビームのより小さな寸法と比べて許容しがたい程の大きさであるので、ストック材料のより大きな寸法に対し小さな寸法の結果として得られたビームを形成する時、そのことは、特に重大な意味を持つ。また、既存の技術は、プラスチック等の、任意の種類の非導電材料を切ることができない。既存のカット装置は、導電率に依存して、カットする材料の表面を感知し、その後カットする。
【0010】
それ故、両辺を同時にカットするために2枚の刃を利用し、結果として得られたビームの幅を直接制御することができ、プラスチックなど非導電性材料をマイクロカットできる、カテーテル、ガイドワイヤおよび他の装置を機械加工するためのマイクロカット装置を作成することは、有利である。そのような装置は、現在のマイクロカット装置よりも、より速く、より予測可能で、より汎用性を有している。
【発明の概要】
【0011】
製品を形成するためにストック材料の長手方向に沿って複数の切り込みを形成するためのシステムであって、ストック材料制御装置と、カット器具と、電子制御装置と、を含んでおり、前記ストック材料制御装置は、ストック材料を維持し、X軸に沿ってストック材料を供給し、前記カット器具は、第1のカット部材と、第2のカット部材と、第1のモータとを含んでおり、前記第1のモータは、第1のカット部材と第2のカット部材とを略平行に、Z軸方向に動かして、複数の切り込み内に各対の切り込みを形成し、前記カット器具は、第1のカット部材の第1のカットポイントと、第2のカット部材の第2のカットポイントとの間のY軸に沿う相対的な間隙を制御する1つ以上の第2のモータを含んでおり、各対の切り込みは、相対的な間隙距離に基づいてストック材料に結果として得られたビームを残し、前記電子制御装置は、ストック材料制御装置と、カット器具と、に通信可能に結合されており、該電子制御装置は、各対の切り込みが形成された後に、ストック材料をX軸に沿って供給するため、ストック材料制御装置の動作を制御し、かつ、各対の切り込みを形成するために第1のモータの動作を制御すると共に、相対的な間隙距離を制御するために1つ以上の第2のモータの動作を制御する、ことを特徴とするシステム。
【0012】
製品を形成するためにストック材料の長手方向に沿って複数の切り込みを形成するためのシステムであって、ストック材料制御装置と、カット器具と、電子制御装置と、を備えており、前記ストック材料制御装置は、ストック材料を維持し、X軸に沿ってストック材料を供給し、前記カット器具は、第1のカット刃と第2のカット刃とを含み、該カット器具は、第1のカット刃を駆動する第1スピンドルモータと、第2のカット刃を駆動する第2のスピンドルモータと、を含んでおり、該カット器具は、第1のカット刃と第2のカット刃の間にY軸に沿って相対的な間隙を作るために、Y軸に沿って第1のカット刃を移動させる第1のステッピングモータと、Y軸に沿って第2のカット刃を移動させる第2のステッピングモータと、を含んでおり、該カット器具は、第1カット部材と第2カット部材とをZ軸に略平行に移動して複数の切り込みの間に各々対になっている切り込みを形成する第1モータを含んでおり、各対の切り込みは、相対的な間隙距離に基づいてストック材料間に結果として得られたビームを残し、および、前記電子制御装置は、ストック材料制御装置と、カット器具と、に通信可能に結合されており、該電子制御装置は、各対の切り込みが形成された後に、X軸に沿ってストック材料を供給するように、ストック材料制御装置の動作を制御し、かつ、各対の切り込みを形成するように第1のモータの動作を制御すると共に、相対的な間隙距離を制御する、第1のステッピングモータと第2のステッピングモータとの動作を制御する、ことを特徴とするシステム。
【0013】
製品を形成するためにストック材料の長手方向に沿って複数の切り込みをカットする方法であって、(a)X軸に沿って第1の位置にストック材料を動かす工程と、(b)第1のカット部材と第2のカット部材との間の相対的な1つ以上の間隙距離をつくるために、第1のカット材料を、第1のY軸位置に動かし、第2のカット材料を、第2のY軸位置に動かす工程と、(c)複数の切り込みの内に各対の切り込みと、1つ以上の相対的な間隙距離と略等しい1つ以上の幅を有している結果として得られたビームと、を形成するようにストック材料に切り込みを入れるために、1つ以上の相対的な間隙距離を維持する一方で、Z軸に沿って第1のカット部材と第2のカット部材とを同時に動かす工程と、(d)ストック材料を後続のX軸位置へと動かす工程と、(e)各対の切り込みが形成されるまで、前記(b)から(d)の工程を繰り返し行う工程と、を含んでいることを特徴とする方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態のマイクロカット装置の一般的な外観を示す。
【図2A】実施形態の図1のマイクロカット装置のカットアセンブリの、部分切除された、平面図を示す。
【図2B】実施形態の図2Aのカットアセンブリの供給トラフ内に置かれる、1つの円筒状のストック材料の断面図を示す。
【図3】カットアセンブリによって一旦カットされたストック材料を描いている図1の画像処理システムおよびCPUによって生成されたデスクトップ画像を、示す。
【図4】図1の切断するカットアセンブリの画像処理システムを、示す。
【図5A】実施形態に従ってカットされた製品についての異なる図を、示す。
【図5B】実施形態に従ってカットされた製品についての異なる図を、示す。
【図5C】実施形態に従ってカットされた製品についての異なる図を、示す。
【図6A】実施形態に従って異なる製品を形成するために数個の円筒状のストック材料の切り込みの断面図を、示す。
【図6B】実施形態に従って異なる製品を形成するために数個の円筒状のストック材料の切り込みの断面図を、示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に開示されているマイクロカット装置は、円筒状のストック材料の向き合う側に、正確な切り込みを入れるために、一対のマイクロカット刃または他のカット部材を利用するものである。刃またはカット部材間の距離をしっかりと制御している間、両側を同時にカットすることによって、開示されているマイクロカット装置は、様々な付加的使用のための他の装置と同様に、介入型医療手法用の高性能カテーテル、ガイドワイヤおよび関連商品を生成することができる。実施形態は、ストック材料を柔軟でねじることが可能なガイドワイヤおよびカテーテルへとカットするために、主に設計されているが、開示されているマイクロカット装置は、確実に他の用途に使用することができ、および、種々様々な円筒材または、非円形の断面形状を有し得るおそらく均質な他の押し出し成型されたストック材料に正確なマイクロカットを作るのに適切なものである。マイクロカット装置は、ほとんどが、ガイドワイヤとカテーテルの切り込みに関して記載されるだろう。しかし、当業者は、実施形態のより広範囲の適用可能性を認識するだろう。
【0016】
図1は、実施形態によるマイクロカット装置の一般的なレイアウトを、示す。マイクロカット装置(101)は、カットアセンブリ(140)を含んでいる。該アセンブリは、一般に、少なくとも一対の刃またはカット部材と、2つ以上のストック材料制御装置と、を有している。該制御装置は、カットを行い次のカットの準備を行うように、円筒状のストック材料の角度を正確に進め、かつ、制御するための、供給または回転モータを含んでいる。アセンブリ(140)をカットすることは、より詳細に以下に説明される。刃の位置及び速度と、ストック材料の位置と角度と、を制御するため、正確な制御信号をカットアセンブリ(140)に与えるように、電子制御装置(110)(1つ以上の電子制御装置であり、それらは、電子制御ユニットと称される)は、カットアセンブリ(140)に通信可能に結合されている。電子制御装置は、また、カット前後でストック材料を画像処理し、該画像処理システムで生成されたデータを収集するために、ライトとカメラ(画像処理システム)とを制御する。中央処理装置(130)(ディスプレイ、入出力システム、記憶システムなど、または幾つかの他のタイプのCPUを含むパーソナルコンピュータ)は、ユーザ入力を受け取り、電子制御装置(110)およびカットアセンブリ(140)を制御し、および2枚の刃の間の相対的な間隙距離を調節するために画像処理システムによって生成されたデータを処理する。代わりに、CPU(130)は、画像処理システムと直接、および電子制御装置(110)をバイパスすることによって通信され得る。電源(120)は、少なくともカットアセンブリ(140)に、可能な場合には、マイクロカット装置(101)の他のコンポーネントに、給電を行う。
【0017】
図2Aは、カットアセンブリ(140)の実施形態の平面図を示す。カットアセンブリ(140)は、固定フレームアセンブリ(200)に取り付けられている。ストック材料(202)は、供給モータアセンブリ(204)によってカットアセンブリ(140)へと供給される。供給モータアセンブリ(204)は、X軸に対して固定位置で、スピンドル(206)に並行方向に、ストック材料を保持し、かつ、さらに後述されるように、ストック材料(202)をカット部材(140)へと適切に供給するため、非常に小さな、制御増分でX軸に沿ってストック材料を移動させ得る。供給モータアセンブリ(204)は、2つの供給モータを含み得る。1つは、後述されるように、カットされる間、ストック材料(202)を把持するためのものであり、1つは、ストック材料(202)が第1の供給モータによって解放されたときに、X軸に沿ってストック材料(202)を移動させるためのものである。
【0018】
図2Aに示されているストック材料(202)は、実際のサイズであらわされていない。ストック材料(202)の外径は、0.030インチ以下、または“フレンチ”カテーテル寸法で約3フレンチである。ここで、フレンチは、ミリメートルで測定したストック材料(202)の外径の三倍の値に等しい。インチに変換すると、3フレンチは、0.039インチと等しく、4フレンチは、0.053インチと等しく、5フレンチは、0.066インチと等しく、6フレンチは、0.079インチと等しい、などである。従って、図2Aで示されているカットアセンブリの相対的なサイズに基づいて、6フレンチ長さのストック材料(202)は、はっきり見ることがほとんど不可能である程に非常に小さい。その結果、図2Aで示されたストック材料(202)は、この実例のみの目的のため、その実測サイズよりはるかに大きい。
【0019】
供給モータアセンブリ(204)は、固定フレームアセンブリ(200)に取り付けられ、ブラケット(208)のベアリングで支持されるスピンドル(206)に取り付けられている。スピンドル(206)に取り付けられた滑車(210)は、ベルト(図示せず)によって駆動される。該ベルトは、順に、滑車(210)の下の別の滑車(図示せず)に接続される。他の滑車は、固定フレームアセンブリ(200)内に取り付けられた回転モータ(図示せず)に接続される。回転モータは、非常に正確なコンピュータ制御移動能力のあるステッピングモータ等のものである。電子制御装置(110)およびCPU(130)を通じて(ユーザが電子制御装置(110)の特定の動作パラメータを変え、それゆえ、カットアセンブリ(140)の種々のコンポーネントを変えることができるユーザインターフェースを通じてなど)与えられるプログラムに基づいて、回転モータは、滑車(210)を特定の回数回転させ、スピンドル(206)および供給モータ(210)を同じ特定の回数回転させるように、プログラムできる。故に、滑車(210)およびスピンドル(206)が回転モータによって回転されるとき、全供給モータアセンブリ(204)は、任意の把持されたストック材料(202)に沿って、回転する。他の実施形態は、供給モータアセンブリ(204)と回転モータとの異なる配置を含む。前記供給モータアセンブリは、ストック材料をX軸に沿ってのみ移動させ、前記回転モータは、ストック材料がX軸に沿って供給されているのではないときに、ストック材料(202)を把持し、回転させる、もの等である。
【0020】
カットアセンブリ(140)の様々なコンポーネントの関係をよりよく示すために、ストック材料(202)は、伸長供給トラフ(212)に支持された供給モータアセンブリ(204)を出るものが示されている。スタック材料(202)は、供給モータアセンブリ(204)から(ここで、ストック材料(202)は、後述するように、刃(214)によってカットされる)カットエリアの一方の側へ、そして、カットエリアの他方の側から出力エリア(216)へと伸びている。実際には、供給モータアセンブリ(204)とカットエリアとの間の供給トラフ(212)の長さは、相対的に短い。このことは、供給モータアセンブリ(204)がカットエリアにより近接することを可能にし、結果、ストック材料(202)は、供給モータアセンブリ(204)を出たらすぐにカットされるようにする。供給モータアセンブリ(204)とカットエリアとの間のストック材料(202)の長さを短く保つことは、ストック材料がカットされている間にストック材料(202)をよりよく制御することを助ける。即ち、ストック材料(202)がカットされている間、ストック材料(202)がY軸に沿って、スピンドル(206)に垂直な方向に移動し、または、回転することを防ぐことを助ける。
【0021】
ストック材料(202)のほとんどは、他の形状を使用することができるが、略角の取られた形状のものであることに、注目されるべきである。ストック材料(202)は、Y軸とZ軸とを与える、幅と高さの両方を有しており、ここで、Z軸は、X軸とY軸とを含む平面に垂直である。供給トラフ(212)は、それがX軸に沿って移動されるとともに、ストック材料(202)を受動的にガイドすることが意図されている。ガイドは、正確に位置決めされたガイドポストまたは伸長部材の利用、又はストック材料(202)をY軸、Z軸について所望の位置に維持するガイドパスを通る等の、種々の異なる方法で行うことができる。角の取られたストック材料(202)のための供給トラフ(212)のガイドパスは、好ましくは、図2Bに示されるように、V字型である。ここで、ストック材料(202)は、供給トラフ(212)内のV字型ガイドによって形成されたポイントの底に置かれる。
【0022】
上に特筆されたように、カットエリアは、一対の向かい合った刃(216)がストック材料(202)をカットする、供給トラフ(212)の(カットエリアより前と、後との)2つのセクション間の小さな間隙によって定義される。本願の実施形態では、2枚の刃(216)は、耐摩耗性を改善するために炭化タングステンなどカーバイド材料から作った、半導体ダイシングブレード、標準の「歯」状の刃の何れでもよい。ミクロン以下の粒子サイズの炭化タングステンおよび同様の合成材は、うまく加工できる。というのは、それらがそれほど脆くなく、非常に固く、そしてそれらは、非常に薄いブレード厚さのときでさえ、それらの鋭さを保ち得るためである。実施形態では、非金属ストック材料または、より柔軟な金属およびより少ない導電性金属など、他のタイプのストック材料をカットするとき、これらのシステムのすべてが使用に適切とは限らないが、ウォータージェットカットシステム、フレームまたは酸素燃焼カットシステム、プラズマ(アーク)カットシステムなどが、刃(216)のある場所で利用し得る。そのような追加のタイプのカットシステムの変数操作が与えられるとき、カットアセンブリ(140)及び/又はストック材料(202)の方向は、また、必要に応じて及び/又は所望により変更し、それゆえ、Z軸に沿って、刃又はシステムダウンのカット位置を移動する代わりに、ストック材料がカット位置に対して動かされている間、カット位置はX軸で動かされ又はカット位置は静止状態に保持され得る。そのような代替のカットシステムは、すべて本明細書中において予想されている。故に、「2重刃」システムが本明細書において述べられるとき、関係する用途に依存して、任意のタイプの代替カット部材またはカットシステムを使用し得ることが理解される。
【0023】
プラスチックをカットするための実施形態は、ほぼ56本の歯の歯型の刃を利用する。この刃タイプによりPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)および他のプラスチックをカットするとき、略0.006および0.008インチの刃の厚みは、うまく加工できる。ニチノール、ステンレス鋼、および他の超硬合金および複合材料をカットするとき、ダイヤモンド半導体ダイシングブレードは、略0.002インチの厚さで、うまく加工できる。そのような厚さが与えられる場合、図2Aに表わされた供給トラフ(212)の2つのセクション間の開いたカットエリアのサイズは、寸法通りではなく、カットエリアの開口をより明確に表すために誇張されている。もちろん、図2Aで示される刃(214)は、特にほとんどの場合、ストック材料(202)に非常に浅い切り込みを作るようにのみ要求されるので、それらが実際のものよりはるかに太い直径であらわされている。ストック材料(202)が任意のサイズの直径を有している任意のタイプの材料から形成され得るので、そのような、より大きなストック材料は、ガイドワイヤとカテーテルをカットするために使用されるものより大きな直径を有している厚い刃によってカットされる必要が明らかにある。
【0024】
さらに以下に特筆されるように、実施形態は、金属の組成物であることはストック材料(202)に要求しない。そのため、その位置は、切り込みが作られ得る前に、刃(214)によって電磁気によって検知できる。PEEK、半結晶物、およびねじる能力と形状を保つ能力を結果として生じる、弾性の高いモジュールにより、カテーテルに使用するのに理想的な、高温熱可塑性物等、金属か、非金属かにかかわらず、実施形態は、任意のタイプの材料をカットするために使用することができる。技術分野での一般論は、特にPEEKをカットするとき、ゆっくりとしたカット速度が必要であり、これによって各カットエリアに突起ができるのを防ぐものであったが、本願のものでは、そうではなかった。はるかに速い回転速度の刃(214)は、突起生成を低減し、かつ例外的な正確さを与えるのにうまく機能した。実施形態は、また、バリを伴わず、および例外的な正確さで、非常に高速でステンレス鋼および金属の合成材を含む他の材料をカットする。
【0025】
刃(214)は、刃囲い壁(218)(内部を見ることができるように図2Aでその頂部の無い状態で示されている)の内に位置しており、そこを通って、空気が刃(214)を冷却するために送られ得るとともに、ストック材料(202)から切り取られた破片は、除去され得る。空気処理システムのホース(220)は、刃囲い壁(218)から空気を送り及び/又は吸引するのに使用することができる。技術分野で知られているように、刃(214)は、また水冷され得る。
【0026】
より高価なモータおよび追加の複雑な構成物を必要とせずに、高速で刃(214)を直接運転するために、刃(214)の各々は、スピンドル(222)(それはX軸と平行に方向付けられる)に取り付けられている。スピンドル(222)の各々は、スピンドルモータ(226)に取り付けられた滑車によって回転されるベルト(224)によって運転される。スピンドルモータ(226)は、電子制御装置(110)およびCPU(130)によってプログラム制御される。刃(214)は、ダイレクトドライブ配置により可能な、または実用上可能な、ものよりも速い回転速度を達成するように、この手法で間接的に運転される。例えば、スピンドルモータ(226)は、スピンドルモータ(226)または滑車を支持している任意のベアリングにストレスをかけることなく、延長された期間にわたって、略4,000の毎分回転数(rpm)で動作する能力がある。滑車とスピンドル(222)間のアスペクト比は、ほぼ6:1である。それゆえ、より遅い回転スピンドルモータ(226)は、PEEKおよび他の材料をカットするための所望回転速度の、略24,000rpmでスピンドルを回転する能力がある。24,000rpmで動作する能力のあるダイレクトドライブモータは、かなりより高価で、異なる軸受アセンブリを要求し、恐らく、かなりより高い故障率を有するだろう。
【0027】
刃(214)、スピンドル(222)、スピンドルモータ(226)および滑車の組み合わせおよびベルト(224)は、「カットアセンブリ」と本明細書で称する。しかし、もし刃のない異なるカットシステムが同様に使用されるならば、同じ用語が適用される。各カットアセンブリは、各刃(214)のY軸位置を制御する刃ステッピングモータ(228)に取り付けられている。下記にさらに述べられているように、ステッピングモータ(228)は、可動フレームアセンブリ(230)に取り付けられる。ステッピングモータ(228)の各々は、電子制御装置(110)およびCPU(130)によってプログラム制御され、または制御ノブ(232)によって手動で調節され得る。
【0028】
後述するように、特定の寸法の結果として得られたビームを残すように、ストック材料をカットするため、各ステッピングモータ(228)は、予め定められた速度に調節され、その結果、刃(214)は、接近しているが接することなく、切り込みは同時に双方の刃によって未加工のストック材料(202)に作られる。両方の刃がストック材料(202)を同時にカットする方法はさらに下記に述べられる。一旦切り込みが作られれば、結果として得られたビームは、所望の寸法であるかどうかを測定するために測られる。ステッピングモータ(228)は、その後、カットアセンブリを互いに向きあう内方に動かすために、またはたがいに遠ざかる向きに動かすために、Y軸に沿って調節され、および、別の切り込みが、未加工のストック材料(202)に作られる。このプロセスは、所望の結果として得られたビーム寸法が達成されるまで、続けられる。その点で、未加工のストック材料(202)の一連のカットは、実行される。
【0029】
カットアセンブリをステッピングモータ(228)に取り付けることによって、各刃(214)のY軸位置を正確に制御し、未加工ワイヤ、管、および円筒状のストック材料(202)の他の形状およびサイズなど種々様々の異なるストック材料(202)を収容することが可能である。例えば、太い直径のカテーテルが比較的太い直径1片の管からカットされるとき、ステッピングモータ(228)は、通常のストック材料より大きなものを収容するためにカットアセンブリを別々に動かすことができる。別の実施例では、一方の端部で0.004インチの結果として得られたビームで、他方の端部で0.002インチの結果として得られたビームを有し、2つのビーム幅間で次第に変わるガイドワイヤのために、1片の金属ワイヤをマイクロカットすることをユーザが望むことは可能である。本実施例では、ステッピングモータ(228)は、0.002インチ、0.0025インチ、0.003インチ、0.004インチなどの所望の結果として得られたビーム幅を結果として生じるカットを行うため、刃(214)を位置決めする、電子制御装置(110)およびプロセッサ(130)によって正確に制御され得る。故に、ほとんど任意の所望の寸法は、任意の特定の位置で機械加工することができる。
【0030】
カットアセンブリおよびステッピングモータ(228)の両方は、可動フレームアセンブリ(230)と、固定フレームアセンブリ(200)の非可視部と、に順に取り付けられる。前記アセンブリ(230)は、アセンブリ(230)内に位置しているZ軸モータ(図示せず)によってZ軸に沿って上下動される。カットアセンブリおよびステッピングモータ(228)を可動フレームアセンブリ(230)に取り付けることによって、両方の刃(214)のZ軸位置を同時に正確に制御することができる。刃囲い壁(218)は、可動フレームアセンブリ(230)に取り付けられるように設計され得るもので、その結果、刃囲い壁(218)は、刃(214)に沿って動き、または、刃囲い壁(218)は、該刃囲い壁(218)とは別にスピンドル(222)が上下動できる、2つのスロットを含んでいる。よりよく刃囲い壁の内部を密閉するために、刃囲い壁(218)を刃(214)により移動させることが望ましい。
【0031】
また図2Aに(下に位置するコンポーネントが目視できるように、点線によって)示されているものは、実施形態の画像処理システムであり、該システムは、上部のカウル(236)内に取り付けられているデジタルカメラ(234)と、上部下部ライト(図示せず)と、を主に含んでいる。上部カウル(236)は、固定フレームアセンブリ(200)に取り付けられており、その結果、刃(214)が移動するように、カメラ(234)はZ軸に沿って移動しない。カメラ(234)は、カットエリア上に直接位置決めされており、図3、4に図示されるように、ストック材料(202)の、切断時、切断後のものに焦点が合わされている。
【0032】
カメラ(234)は、高画質ビデオ映像データをキャプチャする能力がある限り、任意の数の市販の高速デジタルビデオカメラであり得る。実施形態では、カメラは、ニューヨークにあるニューハイドパークのSunriseDino社によって製造されているモデルAM−413Tデジタルマイクロスコープカメラである。画像処理システムの中でもっと所望の態様は、カットされたストック材料(202)のエッジ周りのコントラストを増加し、どのようにデジタル画像処理が切り込みと、結果として得られたビームとを正確に測定するのかを、バックライト照明する方法である。
【0033】
図3は、CPU(130)のディスプレイ上に生成されたデスクトップ画像(300)の実例である。デスクトップ画像(300)はイメージングウィンドウ(302)および制御ウィンドウ(304)を含む。イメージングウィンドウ(302)は、ストック材料(202)が、カットされているとき、画像処理システムによって測定されているときのデジタルビデオイメージを表示する。ストック材料(202)が刃(214)によってカットされ、刃(214)がカメラ(234)の焦点の合わされている領域を超えて動かされた直後の、ストック材料(202)を示している。図3に示されている実施例においてカットされているストック材料(202)は、カテーテルで用いられる管であり、各カット後に90度回転される。一旦切り込みが作られると、穴部(308)は、ストック材料(202)が次のカットをするために回転されると同時に、目に見えるようになるストック材料(202)の壁に形成される。ストック材料(202)はカットアセンブリのX軸に沿って進められると同時に、ストック材料(202)は、円(310)によって示されたバックライト前を通る。
【0034】
これより図4を簡潔に参照して、画像処理システム(400)のカメラ(234)は、ストック材料(202)の頂に直接置かれる。その結果、2つの切り込みによって形成されたストック材料(202)および結果として得られたビーム(314)を撮像し、測定することができる。上に述べられたように、供給トラフ(212)は、刃(214)が通ることのできる間隙を残す。バックライト(410)は、画像処理システムによって与えられる赤色LEDライト(420)がそこを通る、光ファイバ、または一束のいくつかの光ファイバである。バックライト(410)を与える光ファイバは、バックライト(410)がストック材料(202)周りで光り、かつカメラ(234)に見えるようにする分離しているドリル穴(図示せず)を介して通過する。ストック材料(202)は、また、カットされているときにイメージングウィンドウ(302)内に見ら得るが、バックライト(410)は、固定フレームアセンブリ(200)に固定され、ストック材料(202)がカットされているときにそれを照明する位置に置かれているアンビルによってカットエリア下の位置に保持されている。カメラ(234)は、ストック材料(202)がカットされている間フィードバックを与えるため、および1つ以上の結果として得られたビームの1つ以上の画像を記憶するため、プロセッサ(130)に通信可能に結合されている。
【0035】
1セットの1つ以上の緑および青色のLED(430)は、ストック材料(202)上に、およびカメラ(234)のまわりに位置を決めすることができ、これによって、ユーザが手作業の検査目的のためのストック材料のトップ側を見るために追加のライト(440)を与える。赤のバックライト(410)と緑及び青のLED(430)の組み合わせが選択された。というのは、カメラ(234)は、(赤、緑および青の)イメージデータの3色のイメージチャネルと、画像データを容易に分離できるようにする分離色のライトと、を与えるからである。画像データを受け取るCPU(130)(かつCPUを操作するソフトウェア)は、エッジ検出用に赤のイメージチャネルを使用する。というのは、赤のイメージチャネルは、各切り込みを測定するのにCPU(130)によって使用されている測定ソフトウェアを混乱させる前側側面反射を伴うことなく、切り込みのハイコントラストバックライト画像を与えるからである。緑と青のLED(430)とカメラ(234)とによって作られた緑と青の画像データは、緑のイメージチャネルと青のイメージチャネルとを通って送達された。
【0036】
画像処理システム(400)の目的は、ストック材料(202)に形成された切り込みの正確な位置およびサイズをモニタすることである。この情報(切り込みの画像と測定結果を意味する)は、多くの異なる方法で使用することができる。例えば、ストック材料(202)がカットされているときに、その時またはその付近で、マイクロカット装置の正確さと、画像はマイクロカット装置の正確さおよび繰返し精度を確認するために使用され得る。画像が運転しながら分析されているとき、即ち、1片のストック材料(202)をカテーテルまたはガイドワイヤへと加工するために必要な多くの切り込みを形成する行程中では、画像処理システム(400)は、カットが失敗に終るか、ストック材料(202)が許容差から外れているときに、その部分上の生産を止めるために使用することができる。
【0037】
図3を再度参照すると、カメラ(234)は、ストック材料(202)に作られたすべてのシングルカットの画像を理論上捕らえることができたが、ヒューマンオペレータによって合理的なコストで十分に検討することができない過剰量のデータを生成するだろう。代わりに、適切な品質管理を与えるために、下記に述べられるように、画像は、周期的に、または、ランダム(ランダム化されたテストサンプリングプロトコル)に、キャプチャまたは記録される。ストック材料(202)の画像がキャプチャされている間、図3に示されるように、2つの視覚的なオーバーレイ(312)が、図3内の「ウェブ」として示されている、各切り込みの長さと結果として得られたビーム(314)を測定するため、バックライト(310)の範囲内で、画像データに対して、画像処理システムによって適用される。オーバーレイ(312)は、少なくともストック材料(202)の幅及び厚みと、ウェブ又は結果として得られたビーム(308)の幅とを含め、2つ以上の異なる点でストック材料(202)の全体の測定を行う。
【0038】
オーバーレイ(312)によって得られた測定値は、その後、CPU(130)によって分析され、左の切り込み、右の切り込み、および結果として得られたビーム又はウェブ(314)の長さを測定するために利用される。例えば、キャプチャされている画像内の測定値の装置毎の画素数をあらかじめ測定し、その後、測定される対象物の長さのために、画像データ内に表示されている画素数を(CPU(130)によって操作されたリアルタイム画像処理ソフトウェアを使用して)計数することによって、機械的な測定手段を使用せずとも、画像データのみから正確な測定値を測定可能である。例えば、カットされるストック材料(202)の1片は、0.039インチの幅を有すべきであり、画像データは0.05インチ当たり500画素の解像度を有すべきであり、それゆえ、ストック材料(202)の幅に対応してほぼ390画素を有するべきである。切り込みが、その後、ストック材料(202)に結果として得られたビーム(314)を残す両側から作られ、その結果として得られたビーム(314)が359画素の測定値のとき、結果として得られたビーム(314)の幅は、0.0359インチである。同様の測定は、ストック材料(202)の各カットにおいて実行され得る。これらのリアルタイム測定値は、その後位置(316)に表示され、それゆえ、カット動作の進捗が、操作者またはCPU(130)によって、モニタされ得る。
【0039】
切り込み位置のストック材料(202)の幅が予想値より厚く又は薄いとき、結果として得られたビーム(314)は、依然として、その正常サイズの許容範囲内にある。というのは、ストック材料(202)に対する刃(214)の位置は、主としてストック材料(202)の中心位置を基準にしているからであり、これに対して、既知の技術は、各刃がカットに関与する、ストック材料の側面に対し、分離している各刃の相対的な距離に各カットが基づくからである。故に、より厚いストック材料(202)がカットされるとき、より多くのストック材料が切除され、より薄いストック材料がカットされるとき、より少量のストック材料が切除される。しかし、いずれの場合でも、結果として得られたビームは所望サイズである。これに対し、一般的な技術では、所望の結果として得られるビームよりも厚い又は薄いものが生成される。
【0040】
制御ウィンドウ(304)は、スクロール可能な制御ウィンドウのログセクション(318)中に各測定値を表示する。図3に示されるように、CPU(130)は、画像をキャプチャし、かつ周期的に、左の切り込み、右の切り込みおよびウェブを測定するように、画像処理システムに命じるようにプログラムされている。例えば、上で特筆されたように、示されている最初の切り込みは、グラインド(GRIND)995であり、結果は、左の切り込み(CUTL)が0.0018インチ、右の切り込み(CUTR)が0.0013インチであり、またウェブが0.0359インチである。グラインド995のための測定値および画像ファイルは、その後、A_133.JPGとラベル化されたデータファイルに記憶される。記録されているグラインドは、撮像され、測定され、記録された切り込みに比べて多くまたは少なく作られた同数の切り込みに対応する必要は、無い。故に、ログセクション(318)の一部として示された行程は、作られた切り込みの数の通路を保つ、分離してプログラムされたプロセスに相当し得る。
【0041】
制御ウィンドウ(304)は、また、オペレータにカットプロセスを停止または一時停止することを可能にする、選択可能なボタン320を含む。オペレータは、また、各カットジョブにタイトルを割り当て、カットジョブに関与するデータをCPU(130)の特定のフォルダに記憶させるオプションを有している。
【0042】
前に特筆したように、CPU(130)は、電子制御装置(110)と回転モータと供給モータアセンブリ(204)とに、フィードストック(202)の動きをX軸に沿うカットアセンブリ(140)へのものにする制御を与える、プログラム制御を与える。一旦、ストック材料(202)がカットアセンブリへと供給され、供給モータアセンブリ(204)によって把持されると、CPU(130)は、ストック材料(202)を現在の向きに置き、または、CPU(130)によって特定されたある角度にストック材料(202)を回転させるように、回転モータに命令を出す。一旦、ストック材料(202)がカットされると、供給モータアセンブリ(204)は、ストック材料(202)を次にカットし、把持するために、X軸に沿ってある特定量だけストック材料(202)を前進させるだろう。回転モータは、その後、供給モータアセンブリ(204)を回転する。そして、ストック材料(202)は、再びカットされるだろう。このプロセスは、その後、ストック材料(202)の全部が所望するようにカットされるまで、繰り返されるだろう。
【0043】
各切り込みの間にストック材料(202)を回転させることによって、カットアセンブリ(140)は、マイクロ機械加工製品の長手方向に沿う同じ向きに全て位置合わせされていない結果として得られたビーム(314)を備えるカットされたストック材料(202)を生成することができる。例えば、ストック材料(202)は、最後のカットの時にその角度を90度回転され得る。または、種々の回転角、例えば、最後のカットの角度から90度より5度以上少ない(たとえば85度)だけ回転させ、または、最後のカットの角度に対して不規則な角度でさらにカットされ得る。
【0044】
実施形態の更なる特徴は、カットする前、および切り込み深さをガイドするため結果測定を用いる前に、ストック材料(202)を測定する能力があることである。もしストック材料(202)が直径0.039インチであると仮定され、厚さが約0.008インチである結果として得られたビーム(314)を作成することが所望されるならば、各切り込みは、深さ0.0155インチである必要がある。もしストック材料(202)が0.039インチの代わりに直径わずか0.032インチであると画像処理システムが測定すれば、カット装置は、0.008インチの所望の結果として得られたビーム(314)を残すように0.012インチに各切り込みの深さを減らす必要があることを認識する。しかしながら、上述したように、2枚の刃(214)がストック材料(202)の対向面からカットダウンする実施形態は、必要ではない。というのは、一度、刃(214)の間の相対的な間隙(それは、2枚の刃(214)または他の切削部材のカットポイントに関連する)が確立されると、間隙は、ストック材料(202)の外径にかかわらず結果として得られるビーム(314)を正確に規定するからである。材料または「切り込みの深さ」の量が実際は異なっている一方で、結果として得られたビーム(314)の幅に違いはない。
【0045】
特定の場合では、しかしながら、「オフセットカット」モードで刃(214)を操作することが望ましいかもしれない。ここで、刃(214)は、同じ面で位置合わせされず、また、より深い切り込みが作られる。この場合、切り込みは、両側(同時にカットされたが)から独立した切り込みとしてあらわされる。深さは、その後、個々の結果として得られたビームおよびこの種の構造の柔軟性および安定のように重要である、管の反対側に対する切り込みの端部から距離によって測定されている。このタイプの構造は、実施形態を用いることによって作られ得るが、それは非常に実用的というものではない。というのは、カット装置は、各切り込みが作られる前に、および、ストック材料(202)がカットの作られる深さを変える不適当な直径であることを測定するイベント中に急いでステッピングモータ(228)を位置合わせするために、ストック材料(202)を画像処理し、測定する必要があるからである。
【0046】
従って、実施形態は、現在、全てのカットの代わりに、ほんの幾つかのカットが作られた後に測定する品質管理技術に依存する。このことは、システムがストック材料(202)の質およびシステムの他の様子をモニタ可能にする。しかし、システムがカットからカットまでどのように動作しているかを変更することを必要としない。例えば、イベントで、ストック材料(202)は、仕様から外れている場合、その直径が単一の孤立点で変化するのとは異なる。むしろ、もしストック材料(202)が1つの点で仕様から外れている場合、材料の長手方向に沿う仕様から外れている、または、1つ以上の品質管理技術により検出可能な、複数の個々の点で仕様から外れているのだろう。ストック材料(202)の直径の大きな変化は、ストック材料を特定用途に所望しないものとし得るものである。それゆえ、この変化が測定された場合、カットアセンブリ(140)は停止され、一度廃棄された製品が検知された。
【0047】
述べたように、マイクロカット装置の主な目的は、円筒状のストック材料上に(向かい合う必要はないが)複数対の切り込みを形成し、本明細書で「製品」と称する、ガイドワイヤ、カテーテル及び他の同様の装置等、柔軟かつねじることが可能な製品を形成することである。一方で、ストック材料(金属ワイヤ及び/又は管)の円筒状部分の側部へと刃を用いて単一の切り込みを形成し、次に、材料を回転し、同じ刃を用いてストック材料の反対側に向かい合う切り込みを形成することによって、柔軟かつねじることが可能なガイドワイヤおよびカテーテルを形成することは、当業者に既知である。このプロセスが、ストック材料の長手方向の全部または一部に沿って実行されるとき、ストック材料の直径は、多数の場所で減少される。この減少は、結果として生じる製品の柔軟性を高めるが、製品は、依然として同じ全体の外径を保つため、結果として生じる製品は、そのねじる能力の大半を保持している。一方で、この方法でカットされたストック材料は、通常の円筒状であり、切り込みは、中心に向けて、向かい合う側またはほぼ向かい合う側に作られるため、たとえ実際、ストック材料が実質円形で、片面のみに有している場合であっても、第1の側面および第2の側面を有しているとしてストック材料について考えることは有用である。
【0048】
図5Aは、円形刃によって生成された結果として得られたビームを示している。円形刃は、第1の側そして第2の側をカットする。結果として得られたビームは、また、実施例の利用により生成される。図5Bおよび5Cは、実施例のみの利用により生成された結果として得られたビームを示す。固体ストック材料(202)の断面図が、図5A、5Bおよび5Cに示されている。既存の技術に基づいて、固体ストック材料(202)が(現在開示されるように、一度に、または、技術分野に既知のように第1の側面そして第2の側面の順に、の何れかで)第1の側面および第2の側面をカットされたとき、結果として得られたビーム(510)がのこるだろう。この種の結果として得られたビーム(510)は、半径カットビームとして技術分野で知られている。というのは、それが周面から中央点まで先細りになっているからである。既存の技術は、個体ストック材料(202)を前述したY軸に沿って進めることによってカットする。結果、円形刃は、常に半径カットビーム(510)に結果として生じる、外側エリアよりも中心エリアでよりストック材料(202)をカットする。
【0049】
半径カットビーム(510)は、いくつかの用途に適切であるが、それはねじる能力と安全性の観点から理想的ではない。半径カットビーム(510)の中心エリアの減少された厚みは、製品がねじられると同時に、エリア内に(製品を壊してしまうという結果を生じ得る)ストレスを生じる。製品は、しばしば、血管内の処置に使用されることから、任意の切断は非常に望ましくない。同様に、製品の直径に、カット装置では感知できない何らかのふぞろいがあれば、カット装置は、そのプログラムのみに基づいて製品に切り込みを作るだろう。故に、上述の実施例を用いて、ガイドワイヤが直径0.039インチで、中心エリアに約0.008インチの厚みを有している結果として得られたビームを生成することが所望されている場合、各切り込みは、0.0155インチ深さであることが必要である。ガイドワイヤは、しかしながら、直径0.032インチしかなく、カット装置は、リアルタイム画像処理の代わりに、電磁センシングを使用した場合、それゆえ、各側面は、0.0155インチカットされるだけで、0.001インチの結果として得られたビームを残す。これは、また、単純な曲線に挿入された時に結果として生じる切断部と同様のものである。
【0050】
現在開示されているカット装置は、しかしながら、Y軸とZ軸の両方に沿って2重の刃(214)を動かすことによって動作し、図5Aの半径カットビームと同様に、図5Bの直線カットビームおよび図5Cの凸状カットビームを含む、様々な違った形状の結果として得られたビームを作ることができる。直線カットビームを作成するために、カットアセンブリは、Z軸に沿ってストック材料(202)上を移動されると共に、刃の間または所望の厚さの結果として得られたビームをカットするのに十分な他の使用されるカット部材の間の距離を作成するようにY軸に沿って調節され、その後、カットアセンブリは、Z軸に沿ってかつストック材料(202)を横切って下げられる。故に装置は、結果として得られたビーム(520)のような直線カットをもたらすことができる。直線カットの結果として得られたビーム(520)は、切断能力を増すことなく、半径カットビームと同じねじり能力を少なくとも保持しつつ、直線状の結果として得られたビームにより、より大きくかつ安定した柔軟性を可能にする。
【0051】
刃またはカット部材の間の相対的な間隙距離(あるいは結果として得られたビーム)を調節するために、切り込みは作られ得、結果として得られたビームは測定され、および所望幅の結果として得られたビームが作られるまでカットアセンブリはさらにY軸に沿って調節される。代わりに、既知の幅の基準ストックは、両方の刃/カット部材が基準ストックに触れるまで、刃/カット部材の間に置くことができる。
【0052】
特筆したように、半径カットビーム(510)または凸状カットビーム(530)は、本明細書に開示のマイクロカット装置を切り込みが作られるようにY軸に沿って内外にカットアセンブリを動かすことによって作り得る。また、それは、同時に組み合わせる要素を変更することによって、例えば、切り込みが作られると同時に回転モータとともにストック材料(202)を回転させることによって、または、ストック材料(202)を回転すると同時に、カットアセンブリをY軸に沿って移動することによって、種々のほかのタイプの切り込みと結果として得られたビームを作ることができる。例えば、ストック材料(202)が回転モータによって回転されている間に、カットアセンブリを1組のY軸位置に置くことによって、螺旋状の切り込みが作られ得る。これらのタイプの切り込みは、以前に可能でなかったので、異なる切り込みの利点は、まだ完全には知られていない。しかし、凸状カットビーム(530)は、直線カットビーム(520)または半径カットビーム(510)の何れかよりもより良い柔軟性とねじり特性とを有しているだろう。
【0053】
前に特筆したように、画像処理システム(400)およびプロセッサ(130)によって行なわれた自動フィードバックまたは制御プロセスは、カット刃変化量による軽微な変動量、またはストック材料自体の変化量または欠陥を説明することができる。結果として得られたビームは、上に述べられたように、クリティカルディメンションであり、単一刃変化量(長すぎる単一刃等)でさえによって、またはその長手方向にわたるストック材料の直径の変化量によって影響され得る。これらのすべての因子は、当然、結果として得られたビーム寸法へ統合され、結果として得られたビーム寸法自身に現れる。実施形態の正確な測定および調節能力は、無比の精度を結果として生じる。結果として得られたビーム、配置されたストック表面に対する結果として得られたビームのセンタリング、および互いに対する2つの切り込みの整列、の測定によって、プロセッサ(130)は、全てのパラメータを揃えて正確な結果として得られたビーム幅を作るように調節を行うことができる。製造の開始時、セットアッププロセスと同時、1つ以上の切り込みが作られると同時、定期点検と同時、または、各々の及びすべての切り込みが作られているとき同時に、このプロセスは実行され得る。プロセッサ(130)上で実行されたソフトウェアは、マイクロカット装置の反復能力、1個をカットしている間に必要な測定の数を減少する、または不必要な連続測定をレンダリングする可能性を確認するのに、使用され得る。
【0054】
実施形態のマイクロカット装置は、前に特筆したように、種々様々のストック材料をマイクロカットすることができる。従来の単一刃マイクロカット装置は、単一の刃に対するストック材料の正確な位置の電磁気による検知を利用し、そのため、伝導性のストック材料の使用を要求する。この条件は、プラスチック管製ストック材料または任意の他の非伝導性あるいは最小の導電性の材料(たとえ、前述の装置でカットするのに十分な比較的低い幾つかの導電性を有していても、本明細書では“非導電性”という)の使用を除外する。
【0055】
議論されたように、画像処理システムの高精細画像および測定能力、および実施形態のカットアセンブリの正確な位置決めは、ストック材料がそれ自身不完全又は一貫しない直径を有するので、ストック材料の表面を検知することに依存するよりもはるかに正確である。それ故、本明細書に開示されているマイクロカット装置は、はるかにより正確で、それ故、より高い信頼度によってより細かな寸法で結果として得られたビームをカットできる。カットアセンブリ(140)のコンポーネントと、ストック材料(202)の物理的配置は、ステンレス鋼のようなもともと柔軟性の少ないかたい材料をカット可能にする。というのは、結果として得られたビームは、精度を保ちつつ、非常に狭い幅でカットされ得るからである。実施例の2重刃マイクロカット装置は、それゆえ、(形状を保つ能力が外科医に強く望まれ、即ち、使用前に患者の血管系に合うようにステンレス鋼のガイドワイヤの先を個人の形状に合わすことを外科医に可能にする)ステンレス鋼カテーテル及びガイドワイヤ、(比較的幅広の直径で高い柔軟性が望まれる)プラスチックカテーテル及びガイドワイヤ、および全てのタイプの製品のための他の非磁性ストック材料を、カットする完全な能力を有している。
【0056】
柔軟であり、またねじることが可能な製品は、1個のストック材料の長手方向全てにわたり、または該1個のストック材料の1つ以上の部分に沿って、その何れかを通じてマイクロカットを繰り返すことによって形成される。理想的には、対の切り込み(例え切り込みが向かい合っていなくとも、一対の切り込みは、2重刃による1回の通過を指す)は、円筒状のストック材料の長手方向の軸に沿う回転パターンで理想的に作られる。回転パターンが好ましい。というのは、同じ角度で全ての切り込みを作ることは、結果として得られたビームに垂直な、一方向に屈曲するように偏向付けられた製品を作るからである。ストック材料が、前の切り込みと次の切り込みの間、または前の一対の切り込みと次の一対の切り込みの間、にその長手方向の軸回りに回転されるならば、結果として得られたビームは、同じ面内で必ずしも全て位置合わせされず、屈曲バイアスは、減少又は除去される。切り込み間のこの回転は、図2に示されるように、供給モータ(210)および回転モータによって促進される。供給モータ(210)は、ストック材料(202)を把持すると同時に、回転モータは、電子制御装置(110)によって受け取られ、プロセッサ(130)によって測定された方向に従って、X軸(ストック材料の長手方向の軸)に沿ってストック材料(202)を回転させる。対の切り込み間の回転は、変動量と呼ばれ、該変動量は、ストック材料の長手方向の軸周りの回転量で測られる。
【0057】
図6Aおよび6Bは、対の切り込みと、結果として得られたビームとの回転パターンの2つの実施例を示す。図6Aは、実施形態の2重刃マイクロカット装置を使用してマイクロカットされた、90度の変動量のガイドワイヤ(601)を示す。断面図620は、ストック材料がカットの間に90度回転されるときに、対の切り込みが作られる2つの異なる角度を示す。平面図(630)は、そのようなガイドワイヤ(601)がその長手方向に沿って、どのように表れるのかを示す。図6Bは、実施形態の2重刃マイクロカット装置を使用してマイクロカットされた45度の変動量のガイドワイヤ(602)を示す。断面図(640)は、ストック材料がカットの間に45度回転されるときに、対の切り込みが作られる5つの角度を示す。平面図(630)は、そのようなガイドワイヤがその長手方向に沿って、どのように現われるかを示す。
【0058】
90度の変動量、図6Aのガイドワイヤ(601)によって示されるように、同じ面内の全ての結果として得られたビームを位置合わせするよりもかなりよいが、まだ理想値ではない。90度の変動量は、結果として、結果として得られたビームを生じるが、該結果として得られたビームは、互いに完全に直交しており、ガイドワイヤが図6Aのガイドワイヤ(601)のように位置合わせされるならば、全体のガイドワイヤを2方向、即ち、上下又は左右に屈曲するように偏向つけられる。カット間に45度の変動量を用いることは、図6Bのガイドワイヤ(602)と同様に、屈曲状態を改善し得る。というのは、結果として得られたビームは、2つの面のみにもはや向かい合うように位置合わせされているのではないからである。この切り込み形状は、ガイドワイヤの屈曲特性を均一にし、その結果、ガイドワイヤが2つの別個の方角に偏向されないようにしている。事実、典型的な実施形態は、95度又は40度など、カット間に不均一な変動量を利用することができ、その結果、対の切り込み、それ故結果として得られたビームは、事実、長手方向の軸周りに螺旋状に進み、ある1方向の屈曲偏向を完全に削除する。もちろん、製品をカットするのに使用される変動量は、より多くの複雑なものになり得る。例えば、有利な結果は、次の手法により得ることができる。すなわち、第1及び第2の切り込み間で90度の変動量を使用し、次に、第3及び第4の切り込みを作る前に、5度等ストック材料をわずかに回転させ、第3及び第4の切り込みは、再度90度の変動量を使用する、ことにより得ることができる。
【0059】
実施形態の2重刃マイクロカット装置の追加機構は、最終製品を個々に確認できるように、カットアセンブリ(140)、電子制御装置(110)およびCPU(130)によって制御されるような刃(234)又はカット部材を用いて、シリアル番号をストック材料(202)へとカットする能力を有している。確認のためのシリアル番号または他の形態は、バーコードと同様に手法で読むことができる幅を変更し、間隔を変更して、ストック材料に一連のカットを(ストック材料(202)の回転によらず読むことができるように、可能であれば周囲に)作ることによって形成され得る。
【0060】
最後に、明細書の全体にわたって、マイクロカット装置は同時にカットする一対のカット刃を利用すると記載されたが、一方で、同時に動作する2つ以上の対のカット刃又は部材を利用するマイクロカット装置を構成することも可能かもしれない、ことに注意すべきである。この方法によれば、一度に、複数の結果として得られたビーム全てを動作することは可能かもしれない。そのような構成では、カット部材の対は、全て電子制御装置(110)およびプロセッサ(130)に通信できるように接続され、その結果、それらは各々その所望結果として得られたビームパラメータを満たす製品を機械加工するために同時に調節され得る。
【0061】
実施形態が示され、本明細書に記載されたが、一方で、本明細書に記載されている技術は、多くの付加的使用および用途を有し得ることが理解される。従って、本発明は、1つ以上の実施形態、および本発明の原理の適用を単に示す、本明細書に含まれていた特定の記載および様々な図面だけに限定されるべきものではない。
【符号の説明】
【0062】
110 電子制御装置
120 電源
130 CPU(プロセッサ)
140 カットアセンブリ
202 ストック材料
226、228 スピンドルモータ
214 刃
400 画像処理システム
510 半径カットビーム
520 直線カットビーム
530 凸状カットビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を形成するためにストック材料の長手方向に沿って複数の切り込みを形成するためのシステムであって、ストック材料制御装置と、カット器具と、電子制御装置と、を含んでおり、
前記ストック材料制御装置は、ストック材料を維持し、X軸に沿ってストック材料を供給し、
前記カット器具は、第1のカット部材と、第2のカット部材と、第1のモータとを含んでおり、前記第1のモータは、第1のカット部材と第2のカット部材とを略平行に、Z軸方向に動かして、複数の切り込み内に、各対の切り込みを形成し、前記カット器具は、第1のカット部材の第1のカットポイントと、第2のカット部材の第2のカットポイントとの間のY軸に沿う相対的な間隙を制御する1つ以上の第2のモータを含んでおり、各対の切り込みは、相対的な間隙距離に基づいて、ストック材料に結果として得られたビームを残し、
前記電子制御装置は、ストック材料制御装置と、カット器具と、に通信可能に結合されており、該電子制御装置は、各対の切り込みが形成された後に、ストック材料をX軸に沿って供給するように、ストック材料制御装置を制御し、かつ、各対の切り込みを形成するように、第1のモータの動作を制御すると共に、相対的な間隙距離を制御するために、1つ以上の第2のモータの動作を制御する、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ストック材料制御装置は、少なくとも供給モータを含んでおり、該供給モータは、複数の切り込みの内、第1の対の切り込み用にストック材料を保持し、X軸に沿って予め定めた距離前方にストック材料を供給し、そして、複数の切り込みの内、第2の対の切り込み用にストック材料を保持するものであり、前記ストック材料制御装置は、更に、回転モータを含んでおり、該回転モータは、第1の対の切り込みと第2の対の切り込みとの間にX軸周りに予め定めた角度によってストック材料を回転させ、その結果、第1の対の切り込みは、予め定めた角度で第2の対の切り込みからオフセットされており、前記予め定めた距離と予め定めた角度とは、電子制御装置によって制御される、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
第1のカット部材と第2のカット部材とが各対の切り込みを形成するため、ストック材料を同時にカットする、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
結果として得られたビームは、半径カットビーム、直線カットビーム、凸状カットビームおよび螺旋状カットビームから成るグループから選択されていることを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
画像処理システムと、プロセッサとを更に備えており、
前記画像処理システムは、ストック材料に1つ以上の各対の切り込みが作られた後、ストック材料と結果として得られたビームとの画像データを収集し、画像データを送信するものであり、
前記プロセッサは、画像処理システムに通信可能に結合されており、画像処理システムから画像データを受け取り、少なくともストック材料の未カットの直径と結果として得られたビームの幅とを測定するものである、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項6】
画像処理システムは、撮像エリアの第1の側に位置しているカメラと、撮像エリアの第1の側であって向かい合う位置に位置している1つ以上の光源と、を含んでおり、該1つ以上の光源は、撮像エリア内のストック材料と結果として得られたビームとを照らすとともに、該カメラは、ストック材料と結果として得られたビームとが照らされているような画像データをキャプチャする、ことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
1つ以上の光源は、撮像エリア内のストック材料と結果として得られたビームとをバックライトで照らし、未カットの直径及び幅の測定を可能にするために、ストック材料の1つ以上のエッジの映像コントラストを高める、ことを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項8】
カメラは、赤のイメージチャネルと、緑のイメージチャネルと、青のイメージチャネルとを含んでおり、ここで、1つ以上の光源は、ストック材料をバックライトで照らす赤色ライトと、操作者によって目視検査するためストック材料を照らす緑色ライト及び青色ライトと、を含んでおり、赤色ライトは、画像処理システムによって赤のイメージチャネルを通ってプロセッサへと搬送され、緑色ライトは、画像処理システムによって緑のイメージチャネルを通ってプロセッサへと搬送され、青色ライトは、画像処理システムによって青のイメージチャネルを通ってプロセッサに搬送される、ことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
プロセッサは、1つ以上のオーバーレイ内に位置する画素数と、既知の距離に関与する既知の画素数とを比較することによって、撮像エリア内の画像データに重ねられる1つ以上のオーバーレイによって、未カットの直径及び幅を測定する、ことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項10】
プロセッサは、時間外の品質管理をモニタするため、画像データを記憶する記憶システムを含む、ことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項11】
第1のカット部材と第2のカット部材とは、各対の切り込みを形成するためストック材料を同時にカットし、画像処理システムは、定期的基準または不定期基準で1つ以上の各対の切り込みのために、画像をキャプチャし、プロセッサは、記憶システムに画像を記憶する、ことを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項12】
第1のカット部材と第2のカット部材とは、マイクロカット刃であり、カット器具は、第1のカット部材を保持するための第1のスピンドルと、第2のカット部材を保持するための第2のスピンドルと、を含んでおり、第1のスピンドルは、第1のスピンドルモータによって駆動され、第2のスピンドルは、第2のスピンドルモータによって駆動され、第1のスピンドルモータと第2のスピンドルモータはマイクロカット刃の回転速度を制御する、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項13】
ストック材料が非導電性材料から形成されているとき、回転速度は、1分あたり略24000回転である、ことを特徴とする請求項12記載のシステム。
【請求項14】
ストック材料は、導電性材料又は非導電性材料から成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項15】
導電性材料は、ステンレス鋼とニッケルチタンとから成るグループから選択されたものである、ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項16】
非導電性材料がポリエーテルエーテルケトンから形成されている、ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項17】
ストック材料を支持し、ガイドする、供給トラフをさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項18】
製品は、ガイドワイヤまたはカテーテルであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項19】
第1のカット部材と第2のカット部材とが各対の切り込みを形成するため、ストック材料を同時にカットし、各対の切り込みが異なる面上にあることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項20】
製品を形成するためにストック材料の長手方向に沿って複数の切り込みを形成するためのシステムであって、ストック材料制御装置と、カット器具と、電子制御装置と、を含んでおり、
前記ストック材料制御装置は、ストック材料を維持し、X軸に沿ってストック材料を供給し、
前記カット器具は、第1のカット刃と第2のカット刃とを含んでおり、該カット器具は、第1のカット刃を駆動する第1のスピンドルモータと、第2のカット刃を駆動する第2のスピンドルモータと、を含んでおり、該カット器具は、第1のカット刃と第2のカット刃の間にY軸に沿って相対的な間隙を作るために、Y軸に沿って第1のカット刃を移動させる第1のステッピングモータと、Y軸に沿って第2のカット刃を移動させる第2のステッピングモータと、を含んでおり、該カット器具は、第1のカット部材と第2のカット部材とをZ軸に略平行に移動して複数の切り込み内に各対の切り込みを形成する第1のモータを含んでおり、各対の切り込みは、相対的な間隙距離に基づいてストック材料間に結果として得られたビームを残し、
前記電子制御装置は、ストック材料制御装置と、カット器具と、に通信可能に結合されており、該電子制御装置は、各対の切り込みが形成された後に、X軸に沿ってストック材料を供給するように、ストック材料制御装置の動作を制御し、かつ、各対の切り込みを形成するように第1のモータの動作を制御すると共に、相対的な間隙距離を制御する、第1のステッピングモータと第2のステッピングモータとの動作を制御する、ことを特徴とするシステム。
【請求項21】
前記ストック材料制御装置は、少なくとも1つの供給モータを含んでおり、該供給モータは、複数の切り込みの内、第1の対の切り込み用にストック材料を保持し、X軸に沿って予め定めた距離前方にストック材料を供給し、そして、複数の切り込みの内、第2の対の切り込み用にストック材料を保持するものであり、前記ストック材料制御装置は、更に、回転モータを含んでおり、該回転モータは、第1の対の切り込みと第2の対の切り込みとの間にX軸周りに予め定めた角度によってストック材料を回転させ、その結果、第1の対の切り込みは、予め定めた角度で第2の対の切り込みからオフセットされており、前記予め定めた距離と予め定めた角度とは、電子制御装置によって制御される、ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項22】
第1のカット刃と第2のカット刃とは、各対の切り込みを形成するため、ストック材料を同時にカットする、ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項23】
結果として得られたビームは、半径カットビーム、直線カットビーム、凸状カットビームおよび螺旋状カットビームから成るグループから選択されていることを特徴とする請求項22記載のシステム。
【請求項24】
画像処理システムと、プロセッサとを更に備えており、
前記画像処理システムは、ストック材料に1つ以上の各対の切り込みが作られた後、ストック材料と結果として得られたビームとの画像データを収集し、画像データを送信するものであり、
前記プロセッサは、画像処理システムに通信可能に結合されており、画像処理システムから画像データを受け取り、少なくともストック材料の未カットの直径と結果として得られたビームの幅とを測定するものである、ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項25】
画像処理システムは、撮像エリアの第1の側に位置しているカメラと、撮像エリアの第1の側であって向かい合う位置に位置している1つ以上の光源と、を含んでおり、該1つ以上の光源は、撮像エリア内のストック材料と結果として得られたビームとを照らすとともに、該カメラは、ストック材料と結果として得られたビームとが照らされているような画像データをキャプチャする、ことを特徴とする請求項24記載のシステム。
【請求項26】
1つ以上の光源は、撮像エリア内のストック材料と結果として得られたビームとをバックライトで照らし、未カットの直径及び幅の測定を可能にするために、ストック材料の1つ以上のエッジの映像コントラストを高める、ことを特徴とする請求項25記載のシステム。
【請求項27】
カメラは、赤のイメージチャネルと、緑のイメージチャネルと、青のイメージチャネルとを含んでおり、ここで、1つ以上の光源は、ストック材料をバックライトで照らす赤色ライトと、操作者によって目視検査するためストック材料を照らす緑色ライト及び青色ライトと、を含んでおり、赤色ライトは、画像処理システムによって赤のイメージチャネルを通ってプロセッサへと搬送され、緑色ライトは、画像処理システムによって緑のイメージチャネルを通ってプロセッサへと搬送され、青色ライトは、画像処理システムによって青のイメージチャネルを通ってプロセッサに搬送される、ことを特徴とする請求項26記載のシステム。
【請求項28】
プロセッサは、1つ以上のオーバーレイ内に位置する画素数と、既知の距離に関与する既知の画素数とを比較することによって、撮像エリア内の画像データに重ねられる1つ以上のオーバーレイによって、未カットの直径及び幅を測定する、ことを特徴とする請求項24記載のシステム。
【請求項29】
プロセッサは、時間外の品質管理をモニタするため、画像データを記憶する記憶システムを含む、ことを特徴とする請求項24記載のシステム。
【請求項30】
第1のカット刃と第2のカット刃とは、各対の切り込みを形成するためストック材料を同時にカットし、画像処理システムは、定期的基準または不定期基準で1つ以上の各対の切り込みのために、画像をキャプチャし、プロセッサは、記憶システムに画像を記憶する、ことを特徴とする請求項29記載のシステム。
【請求項31】
第1のスピンドルモータと第2のスピンドルモータは、第1のカット刃と第2のカット刃の回転速度を制御する、ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項32】
ストック材料が非導電性材料で形成されているとき、回転速度は、1分あたり略24000回転である、ことを特徴とする請求項31記載のシステム。
【請求項33】
ストック材料は、導電性材料又は非導電性材料から成ることを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項34】
導電性材料は、ステンレス鋼とニッケルチタンとから成るグループから選択されたものである、ことを特徴とする請求項33記載のシステム。
【請求項35】
非導電性材料がポリエーテルエーテルケトンで形成されている、ことを特徴とする請求項33記載のシステム。
【請求項36】
ストック材料を支持し、ガイドする、供給トラフをさらに含んでいることを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項37】
システムであって、製品は、ガイドワイヤまたはカテーテルであることを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項38】
第1のカット刃と第2のカット刃とが各対の切り込みを形成するため、ストック材料を同時にカットし、各対の切り込みが異なる面にある、ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項39】
ストック材料制御装置は、少なくとも供給モータを含んでおり、該供給モータは、予め定めた速度でX軸に沿う前方にストック材料を供給し、ストック材料制御装置は、回転モータを含んでおり、該回転モータは、第1のカット刃と第2のカット刃が各対の切り込みを同時に形成するように、X軸周りに予め定めた速度でストック材料を回転する、ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項40】
製品を形成するためにストック材料の長手方向に沿って複数の切り込みをカットする方法であって、
(a)X軸に沿って第1の位置にストック材料を動かす工程と、
(b)第1のカット部材と第2のカット部材との間の相対的な1つ以上の間隙距離をつくるため、第1のカット材料を、第1のY軸位置に動かし、第2のカット材料を、第2のY軸位置に動かす工程と、
(c)複数の切り込みの内の各対の切り込みと、1つ以上の相対的な間隙距離と略等しい1つ以上の幅を有している結果として得られたビームと、を形成するようにストック材料に切り込みを入れるために1つ以上の相対的な間隙距離を維持する一方で、Z軸に沿って第1のカット部材と第2のカット部材とを同時に動かす工程と、
(d)ストック材料を後続のX軸位置へと動かす工程と、
(e)各対の切り込みが形成されるまで、前記(b)から(d)の工程を繰り返し行う工程と、を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項41】
前記(c)の工程の結果として得られたビームの画像を記録する工程と、
結果として得られたビームの1つ以上の幅が結果として得られたビームの1つ以上の所望の幅に十分近似するか否かを決定するため、画像を測定する工程と、を更に含んでいることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
結果として得られたビームの1つ以上の幅が結果として得られたビームの1つ以上の所望の幅に十分近似していないときに第1のカット部材と第2のカット部材との動作を止める工程を更に含んでいることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項43】
第1のカット部材及び/又は第2のカット部材により、シリアル番号をストック材料にカットする工程を更に含むことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項44】
ストック材料の角度の制御を行う工程と、
後に続くX軸位置の各々を予想して、所望の変動量でストック材料の角度を回転させる工程と、を更に含むことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項45】
結果として得られたビームは、半径カットビーム、直線カットビーム、凸状カットビームおよび螺旋状カットビームから成るグループから選択されていることを特徴とする請求項40記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−512750(P2012−512750A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539800(P2011−539800)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/067217
【国際公開番号】WO2010/077692
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511138308)サイエンティア バスキュラー エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】