説明

製品の真正性の検証システム

製品の真正性を検証するための方法、システムおよび装置について記載される。データベースと通信することができる検証センタが維持される。検証番号または検証デバイスカードが、真正性が検証される製品に関連して消費者に供給される。消費者は検証センタと連絡をとり、一意の識別子を伝える。データベースに格納された記録が検証されて、一意の識別子が本物かどうか、および一意の識別子が以前に伝えられたかどうかが判断される。一意の識別子が本物ではないか、または以前に伝えられている場合、消費者は、製品が偽造である可能性があることを通知される。一意の識別子が本物であり、また以前に伝えられていない場合、消費者は、製品が本物であると通知され、一意の識別子が伝えられたことを示す記録が、データベース内で成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
製品の真正性を検証するためのシステム、方法および装置。
【背景技術】
【0002】
多くの製品は、その性質および起源を示すラベルを有する。消費者は、それが望む製品を確実に購入するために、こうしたラベル表示に依存する。しかし、印刷および複製技術の最近の進歩により、本物の商品と区別するのが難しい無許可の商品を偽造者が製造することが容易になった。偽造品の販売によって、正当なメーカおよび販売代理店は、毎年膨大な額の売上の損失を被る。さらに、これらの無許可の商品はしばしば、低品質のものである。したがって、市場にそれらが流通すると、真のメーカの信用および評判を損なうことがある。こうした定量化困難な無形の損害は、回復しまたは見つけることさえ非常に困難である。
【0003】
偽造の損害を被る業界の例は、娯楽、マルチメディア、製薬、健康および化粧品、アパレルおよびアクセサリ業界であるが、これらには限定されない。市場に出される製品が容易に複製可能であるので、これらの業界はすべて、偽造にさらされやすく、その多くが有名なスタイル、外見および/または商標にも関連する。メーカの最善の努力にも拘わらず、偽造は横行し続ける。
【0004】
「偽造」品の別の発生源は、限られた量の許可された商品を製造するライセンスまたは契約の下で営業するメーカである。こうした取決めは、ライセンスを受けた生産者が過剰な量の商品を製造し、許可された量を超えて製造された商品が、無許可または偽造と見なされる問題につながる。無許可の製品は、許可された製品と区別不可能であり、それと同じように見え、機能する。相手先商標製造会社(OEM)には、正規製品の製造のために完全な仕様書および技術支援が委ねられる必要に迫られる。残念ながら、悪徳OEMがこれらの仕様書を使用することを知らされており、許可するメーカのために生産されるものに加えて、製品の無許可のコピーをどのように生産するかを知っている。これらの無許可のコピーは、販売代理店または小売業者に割引価格で販売される。さらに、品質管理手順に失敗し、したがって無許可すなわち「偽造」である一部の許可製品が、販売代理店または小売業者に割引で販売されている。無許可のコピーは、消費者にとって、時として小売業者にとっても、本物の製品と区別不可能である。
【0005】
偽造品の問題は、上記で言及した業界に限定されない。ブランド名の本物の商品として一般に偽って売られる他の無許可のアイテムには、衣類、財布、時計、宝石、他のファッションアクセサリ、セルラまたは携帯電話などの電子機器、ラジオおよびパーソナルCDプレイヤー、CD、DVD、CD ROMの音楽、「録音書籍」、映画、コンピュータ・ソフトウェア、書籍、ならびに医薬品(処方と市販の両方)などの広告され、且つ評判のよい非耐久アイテム他が含まれる。本システムは、(製造超過(すなわち許可量を超過した量)を含めて)偽造品、品質管理手順からの不合格品、またさらには販売されずかつ/またはメーカに返品された、許可された量の商品(たとえば衣類)にさらされやすいこれらの製品および他の製品のいずれにも適用可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
商品の真正性の検証、および偽造の検出または防止のためのシステム、方法および装置。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本方法は、データベースと(直接的または間接的に)通信する検証センタを伴う。一意の識別子、および検証センタの連絡先情報を有する検証カード、または一意の検証情報を提供する他の何らかのモードが、真正性が検証される製品に関連して消費者に提供される。消費者は、検証センタと連絡をとり、一意の識別子を伝えるように喚起される。一意の識別子の受信に応じて、データベースに格納された記録が検証されて、一意の識別子が本物かどうか、および一意の識別子が以前に伝えられたかどうか判断される。一意の識別子が本物ではないか、または以前に伝えられている場合は、消費者は、製品が偽造である可能性があることを通知される。一意の識別子が本物であり、且つ以前に伝えられていない場合は、消費者は、製品が本物であると通知され、一意の識別子が伝えられたことを示す記録が、データベース内に記録される。
【0008】
本方法は、検証センタが音声応答装置を含むシステムを使用して実施されることができ、この音声応答装置は、通信ネットワークを介してリモートユーザがアクセス可能である。データベースは、複数の一意の識別子、およびそれぞれの一意識別子が以前に伝えられたかどうかを示すデータをその中に格納している。このシステムは、複数の検証カードを含み得る。検証カードはそれぞれ、真正性が検証される本物の製品に関連付けられる。検証カードは、検証センタの連絡先情報と、およびデータベースに格納された一意の識別子のうちの1つに対応する一意の識別子とを含む。
【0009】
本方法、システムおよび装置は、複数レベルの検証でも実施され得る。たとえば、小売業者への製品出荷時に、出荷全体についてのマスタ検証カード、次いでその出荷内の各製品について別個の検証カードがある。小売業者は、消費者に製品を供給する前に、出荷全体を検証することができ、消費者は、その個々の購入を別個に検証することができる。この複数レベル検証は、いずれかの特定のタイプの製品に限定されず、検証は、様々なレベル、たとえば販売代理店、小売業者および消費者において行われる。
【0010】
このシステム、方法および装置はさらに、人(卸売業者、小売業者、消費者)が製品検証工程に参加することに対するインセンティブすなわち「報酬」を含む。製品検証を進める人には、将来の購入時の割引、購入の一部払い戻し、あるいは他のインセンティブまたは販促アイテムが提供される。検証カードがプリペイド式通話カードかどうかに拘らず、製品検証を進める人には、特定の額のプリペイド式通話カードが提供される。
【0011】
例示するためだけに、現在好まれている形が図面に示されているが、このシステム、方法および装置は、示された厳密な構成および手段に限定されないことが理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の説明は、図面に例示するために選択された特定の実施形態に言及するためのものであり、添付の特許請求の範囲において明示的に限定される場合を除き、このシステム、方法および装置を定義しまたは限定するためのものではないことが理解されよう。
【0013】
図面では、同じ参照番号は同様の要素を示しており、製品の真正性を検証するための好適な方法および好適なシステムが示されている。こうした製品は、上記で論じたものなど、偽造の傾向がある商品およびサービスであるが、それだけに限らない。本明細書では、用語「偽造の傾向」は、偽造されることが可能であることを意味する。用語「製品」、「消費者が購入した製品」などは、消費者は既に購入しており、または購入を検討しているもの、ならびに贈り物として受け取られ、または別のやり方で金銭を支払わずに合法的に取得されたものを含む。本明細書では、用語「偽造」は、本物でない製品だけでなく、品質管理手順の間で不合格とされた製品、故意または偶然の製造超過(過剰量)、返品、販売されなかった許可された量、特定の国についてだけ許可された(たとえば、後に別の国で販売された)製品、製品の量、品質または目的地、あるいは製品の任意の特徴他についての何らかの形の管理が行われる他の任意の状況を含む。
【0014】
図1は、第1の実施形態による様々な工程を示すフローチャートである。ボックス10に示されるように、検証センタは、本物の一意の識別子に対応する記録を有するデータベースと通信する状態で維持されている。検証センタは、真正性が検証される製品を消費者が購入する販売地点から離れて配置される。こうした製品は、インターネット販売を含めて、広い地理的領域に渡り、恐らく国全体で、さらには世界中の多様なタイプの店で販売される。したがって、検証センタは、広い領域全体に渡って位置する販売地点で製品を購入する消費者からアクセス可能である。検証センタは、電話システム、VOIP(ボイス・オーバ・インターネット・プロトコル)などの通信ネットワークを介して、たとえばコンピュータまたはインターネットを介して電子的にアクセス可能である。したがって、通信ネットワークとの連絡は、有線、無線、セルラ電話または組合せとすることができ、また公衆のネットワークであっても、私有のネットワークであってもよい。
【0015】
ボックス12に示されるように、検証カードは、真正性が検証される製品に関連して消費者に供給される。検証カードは、好適にはPIN(個人識別番号)の形の一意の識別子を含む。各検証カード上に設けられた一意の識別子は、検証センタと通信するデータベースに格納された一意の識別子に対応する。一意の識別子は、製品が購入されるときまで、除去可能なマスキングによって秘匿される。除去可能なマスキングは、たとえば、消費者によって容易に除去される従来のスクラッチ式の材料である。スクラッチ式の材料は、除去されると置換困難であり、購入時前に除去される場合、検証カードの改ざんを示す。
【0016】
検証カードは、製品梱包内にカードを含めるか、または販売地点への出荷前に製品または製品梱包にカードを添付することによって製品に関連付けられる。検証カードが梱包に添付される場合、除去する試みまたは検証カードの改ざんがあればそれを示す方法で添付されるのが好適である。取り付け器具を利用する不正開封防止方法は、パッケージング技術の分野において公知である。たとえば、パッケージまたは検証カードには、カードがパッケージから取り外される場合は裂層する、不正開封防止用の印刷が施される。別例で、パッケージングまたは検証カードは、多層構造であり、この構造では、パッケージにカードを添付するために使用される接着剤は、カードが梱包から分離される場合は空洞の層が損なわれるように、カードまたはパッケージ内の空洞層または他の弱い内部層より強力である。他の不正開封防止の添付方法も公知である。
【0017】
消費者は、検証センタと連絡をとるように喚起されて、購入された製品が本物であるか否かが判断される。喚起メッセージに加えて、検証カードがないことが偽造製品を示している可能性があるという警告が、消費者に提供される。喚起メッセージは、検証カードについての指示、梱包上に印刷されたメッセージ、パッケージに関連する別個のラベルの形態、あるいはテレビ、ラジオ、刊行物などでの宣伝によるものである。喚起メッセージは、たとえば、「検証カードに示された番号を呼び出して下さい」などの単純なメッセージであり、あるいは電話番号が後に続いた「電話」や、ウェブサイトURLが後に続いた「訪問」または「連絡」など、検証センタの連絡先情報を含む。消費者が検証センタと連絡をとる可能性を向上させるために、検証センタの連絡先情報は、検証カード上に印刷されたフリーダイヤル電話番号またはURLであってもよい。
【0018】
ボックス14に示されるように、連絡先情報を使用して、消費者は検証センタと連絡をとり、検証カード上に含まれる一意の識別子を伝える。検証センタが一意の識別子を受信するとき、ボックス16にあるように、データベースがポーリングされて、一意の識別子に対応して格納された記録があるかどうか検証される。対応する記録がデータベース内に検出される場合、一意の識別子は、本物と見なされる。一意の識別子が対応する記録をデータベース内に有していない場合は、一意の識別子は、本物でないと見なされる。判断ボックス18に示されるように、データベースは、一意の識別子が以前に伝えられたかどうか判断するためにもポーリングされる。
【0019】
一意の識別子が本物と分かり、また以前に伝えられていない場合、ボックス20にあるように、消費者は、製品が本物であると通知される。さらに、同じ識別子が続いて伝えられる場合には、ボックス22にあるように、一意の識別子が以前に伝えられたことがデータベースのポーリングによって明らかにされるように、一意の識別子が伝えられたことを示す記録がデータベース内に記録される。
【0020】
一意の識別子が本物でないか、または一意の識別子が以前に伝えられたと判断される場合は、ボックス24に示されるように、消費者は、購入された(または贈り物などにより取得された)製品が偽造である可能性があることを通知される。消費者が、製品が本物であることを示すメッセージを受信するためには(ボックス20)、両方の条件(すなわち、一意の識別子が本物であり、且つ以前に伝えられていない)が満たされなければならないので、消費者は、製品が実際には本物であっても、製品が偽造であることを示すメッセージを受信する可能性がある(ボックス24)。代替のメッセージは、一意の識別子が以前に使用されたということである。このことは、消費者が同じ一意の識別子を使用して検証センタに2度連絡をとる場合、または消費者が後で他者に製品を販売するかまたは与え、次いでこの他者が検証センタを呼び出し、一意の識別子を提供する場合に当てはまる。したがって、この趣旨についての説明が、検証センタを呼び出し、または別のやり方でそれと連絡をとると消費者に提供されるボックス24のメッセージおよび/または一般的な指示、および/または任意の喚起メッセージに含められることが好適である。
【0021】
本方法の1実施形態が図2a及び図2bに示されており、検証センタを維持する工程が、ボックス30内に示されている。この実施形態によれば、検証カードは、プリペイド式通話カードである。ボックス32に示されるように、本方法は、事前に選択された発呼時間を通話カードに関連付けることを含む。これは、5分、または与えられることが所望される他の何らかの発呼時間である。ボックス34に示されるように、通話カードは、製品に関連して消費者に供給される。この実施形態では、検証センタの連絡先情報は、フリーダイヤル電話番号である。製品と共に提供された情報によって、消費者が選択した友達、家族、同僚他などの知人に電話するために通話カードが使用されてもよいことを消費者に通知することができる。製品の真正性を検証するために下記の方法に従って通話カードがどのように使用されるかに関して、さらなる情報が提供されてもよい。
【0022】
ボックス36に示されるように、消費者は、通話カードと共にまたはそれ上に提供されたフリーダイヤル電話番号をダイヤルすることによって検証センタと連絡をとり、知人への呼を開始する。ボックス38にあるように、フリーダイヤル番号への呼に、検証センタが応答する。次いで、消費者は、電話キーパッドで番号を入力し、または適切な音声認識ソフトウェアを備えた音声応答装置が検証センタに設けられている場合は、番号を話すことにより一意の識別子を伝えるように喚起される。消費者は、この時に、または知人への呼を接続する前のいずれかの他の時に、呼び出したい知人の電話番号を入力するように喚起される(後述のボックス50参照)。NMS(ナチュラル・マイクロシステムIVRおよびICS(産業用コンピュータ・ソース)IVRなど、上記内容(たとえば音声応答装置、またはプリペイド式通話カード用のIVR)を実施するための装置が存在する。しかし、こうした装置は、以前は製品真正性の検証のために使用されていない。
【0023】
ボックス42で示されるように、データベースが照会されて、一意の識別子が本物であるかどうか、および一意の識別子が以前に伝えられたかどうかが判断される。ボックス44で、一意の識別子が本物であり、且つ以前に伝えられていないと判断される場合は、消費者は、ボックス46で示されるように、消費者が購入した製品が本物であると通知される。次いで、それは、48にあるように、一意の識別子が伝えられたことがデータベース内に記録され、ボックス50で示されるように、知人への呼が接続される。さらに、呼が終了すると、工程52で、呼の間に使用された通話時間量を示す記録が、一意の識別子に関連してデータベース内に入力される。
【0024】
プリペイド式通話カード技術において公知であるように、このデータベースは、アクティブPIN(すなわちアクティブな一意の識別子)、域内、長距離および国際通話の「費用」を示すためのレート・デッキまたは料金表、プリペイド式通話カードに残っている「金額」の量などについての情報を含む。本方法、装置およびシステムを使用することを望むメーカは、アクティブな「PIN」を示すために、すなわち本物の識別子を示すために、データベースと通信する。次いで、消費者による使用に応答して、データベース・ソフトウェアは、識別子が本物であることを確認する。既存のシステムは、以前は製品の検証用に使用されていないが、シナプシス・ニュークレアス(Synapsys Nucleons)プリペイド式通話カード・プラットフォーム、およびシリリウム・ワールドトーク・ネット(Cirilium Worldtalk Net)プリペイド式ソフトウェアを含む。
【0025】
判断ボックス44で、両方の条件が満たされてはいないと判断される場合、本方法の次の工程は、どちらの条件が満たされないかに依存する。一意の識別子が本物でない場合は、消費者は、ボックス56で示されるように、製品が偽造である可能性があることを通知される。さらにボックス64に示されるように、消費者は、知人への呼の接続が断られたと通知される。
【0026】
一方で、一意の識別子が本物である(たとえば、それが、データベースに格納された一意の識別子のうちの1つに一致する)場合、ボックス58に示されるように、消費者は、消費者が以前に通話カードを使用していないならば、製品が偽造で可能性があることを通知される。ボックス24に関連して上述されたのと類似の説明が提供されてもよい。所望であれば、データベースは、カードに関連してどれだけの通話時間が残っているか判断するために照会され、ボックス60に示されるように、消費者は残りの量が通知される。判断ボックス62で、カードに関連して通話時間が残っていないと判断される場合は、このシステムは、ボックス64で示されるように、呼の接続を断り、それに応じて消費者に知らせる。もちろん、カードに関連して通話時間が残っていると判断される場合は、ボックス50および52に示されるように、呼は知人に接続され、呼の継続時間がデータベースに記録される。
【0027】
図2a及び図2bに示される方法は、様々な工程を伴ってさらに向上されることが当業者には理解されよう。たとえば、カードに関連した残りの通話時間が知人への呼の間に時間切れになる場合、呼は終了される。切迫した終了についての警告は、消費者のカードに関連した残りの時間の終了に近づくときに消費者に提供される。
【0028】
いずれかの方法によっても、消費者は、許可するメーカの代表である。代表は、別の消費者として製品を購入し、検証センタと連絡をとり、関連する検証カード上の一意の識別子を伝える。したがって、製品メーカは小売業者をテストして、小売業者が偽造品を販売しているか、それとも本物の製品を販売しているか判断することができる。
【0029】
本方法を実施するために使用されるシステムの実施形態が図3に示されており、この図は、データベース72と通信する検証センタ70を示している。データベース72は、複数の一意の識別子、および該一意の識別子のそれぞれが消費者によって検証センタに伝えられたかどうかを示すデータをその中に格納している。一意の識別子は、メーカまたは信頼できるソースによってデータベースに伝えられ、または通信される。この実施形態では、このデータベースはさらに、各一意の識別子に関連してどれだけの通話時間が残っているかを示す情報を含む。
【0030】
検証センタは、中央処理装置(CPU)および音声応答装置76である論理装置74を含む。検証カードがプリペイド式通話カードである実施形態では、検証センタは、消費者からその知人への呼を接続するための電話交換機78も含む。
【0031】
検証センタ70のハードウェアは、検証カードに関連した一意の識別子を消費者から受信するように適応される。さらに、このハードウェアはデータベースをポーリングして、一意の識別子が有効かどうか、および一意の識別子が以前に伝えられたかどうか判断するように適応される。このハードウェアは、音声応答装置に、ポーリングが実施された後、製品の真正性に関して消費者に適切な応答を提供するように喚起するように適応される。
【0032】
検証カードとしてプリペイド式通話カードを伴う実装では、論理装置74、音声応答装置76および電話交換機78は共に働いて、2002年10月8日に発行され、バンジャニら(Vanjani et al.)により米国特許第6463137号明細書に記載されたものと類似のやり方で、呼に応答し且つ接続する。この文献全体は参照によって本願明細書に組み込まれる。検証センタは電話会社から提供されたANI情報に応答して、着信の電話番号を記録する。データベースが照会されて、無効な識別子に関連するすべてのANI情報を含むが、それだけに限定されない様々な情報を判断して、偽造製品の潜在的な発生源を判断するために、調査が行われる。
【0033】
検証センタの構成は、図面に示されたものから変更され得ることに留意されたい。たとえば、データベース72は、検証センタ内にあってもよい。したがって、用語「通信して」は、参照されるエンティティに有線または無線通信によって接続された内部装置ならびに外部装置を包含する。反対に、論理装置74、応答装置76または電話交換機78を検証センタ70の外部に配置することも、満足な通信がこれらの要素と検証センタ70との間で維持され得る限り可能である。
【0034】
検証センタ70は、通信ネットワーク80、および通信デバイス82を介して消費者78からアクセス可能であり、これらは一般に消費者に対してローカルである。通信ネットワーク80は、域内および長距離通信事業者が関与する公衆電話システムとすることができ、または1999年9月9日に申請され、米国出願第09/392474号明細書に記載されたものなどの私有のシステムであり、その全体が本願明細書に組み込まれる。通信デバイス82は、標準の電話機、セルラ電話、または音声対応コンピュータ(VOIP)など、電話通信ネットワークと接続することができる他の任意の装置であり、インターネット通信用に適切に修正されてもよい。実際、(たとえばインターネットを介した)非音声通信も企図されている。
【0035】
この実装システムは好適には、製品生産者86とは異なる検証カード生産者84をも含む。ここでは、製品生産者は、ライセンスを受けた相手先商標製造会社、または許可するメーカ88のために製品を生産する他の生産者である。検証カードが、製品が生産される場所と異なる場所で生産される場合、偽造の問題を緩和しまたは防止することを望む許可するメーカ88は、検証カードを製品に関連付ける。これによって、製品生産者86が超過、または別のやり方で無許可の製品が有効な検証カードを伴って商売の流れに入ることを生じさせる可能性を除去することができる。
【0036】
代案は、製品を製品生産者86から検証カード生産者84に出荷させることであり、この検証カード生産者において、検証カードが製品に関連付けられる。別の代案は、検証カードを製品に関連付けるための第三機関を使用することである。さらなる代案は、製品と共に含めるために検証カードを製品生産者に提供することである。しかし、検証カードを製品に関連付ける権限が製品生産者に与えられるならば、製品との関連付けのため製品生産者に提供された検証カードの数を追跡するための厳密な会計システムが実装されることが好適である。
【0037】
特定の実装に拘らず、それぞれの製品94が、検証カード92に関連して小売業者または他の販売地点90に提供される。したがって、消費者が販売地点90で製品94を購入する場合、消費者には、関連する検証カード92が供給される。
【0038】
本方法、システムおよび装置によって企図される別の代案は、消費者が検証特徴を使用する可能性を向上させるためのインセンティブベースの手法である。したがって、消費者が電話、VOIP、インターネットまたは他のやり方で検証センタに連絡しているか否かに関係なく、このシステムは、将来の購入のための割引、部分的なリベート、またはプリペイド式通話カードの形で消費者にインセンティブを提供することができる。したがって、(電子的に操作される検証センタ、またはコールセンタ、あるいはその組合せなどである)検証センタを呼び出す消費者に、インセンティブを選択する機会が与えられる。同様に、消費者がフリーダイヤル番号を呼び出し、且つPINを使用する場合、消費者は所定のプリペイド式通話量の間、同じPINで使用するための第2のフリーダイヤル番号が電話回線を介して提供されることが企図されている。確かに、このタイプのインセンティブは、消費者がどのように検証センタに連絡をとるかに関係なく使用され、且つデータベースはANI情報(または検証センタへのインターネットアクセスが使用される場合のコンピュータ情報)を追跡して、システムの誤用を示唆する状況が発生しているかどうか判断することができる。
【0039】
図4は、卸売業者、販売代理店または小売業者が出荷の真正性を検証するために呼び出しを行う要件など、追加の代案を示しており、次いでこの呼は、特定の出荷に関連する識別子を検証するのに役立つ。ボックス10で、検証センタは、本物の一意の識別子に対応する記録を有するデータベース16と通信した状態で維持されている。ボックス96に示されるように、検証カードが、非消費者、たとえば卸売業者、販売代理店、小売業者他に供給される。ボックス98で、卸売業者、販売代理店または小売業者は、検証センタに連絡をとり、検証カードからの一意の識別子を伝える。ボックス16にあるように、データベース記録がポーリングされる。一意の識別子が有効であり、以前に伝えられていない場合、ボックス100で、特定の出荷内のすべての商品に関連する一連の追加の一意識別子が検証される。(一意の識別子の検証、すなわち特定の識別子が有効であることの情報をシステムに提供することは、特定の製品の有効性(真正性)を検証することと同じではない。一意の識別子を検証するのはメーカであり、すなわちメーカは、許可された製品が出荷されたことをシステムに示し、許可された製品または本物の製品に関連する一意の識別子を示す。その後、消費者がその個人の購入の真正性を検証するために検証センタと連絡をとるとき、データベースは既に更新されていて、卸売業者の識別子の検証に基づいて識別子を検証する。このやり方では、一意の識別子は、ランダムに生成されるにも拘らず、複数段階の工程で検証されることができ、この工程では、卸売業者、販売代理店および/または小売業者がまず識別子を検証しなければならず、次に、後の検証のために識別子のサブグループが解放される。したがって、複数工程または複数層または複数レベルの検証の文脈では、最終ユーザは、製品の第1の購入者でなく、むしろ、卸売業者が、第1の購入者と見なされる。
【0040】
記載された諸実施形態への様々な修正が、本明細書で示された開示から当業者には明らかであろう。したがって、このシステム、装置および方法は、その技術思想または本質的な属性から逸脱せずに他の特定の形で実施されることができ、したがって、言及は、本発明の範囲を示すものとして、上記明細ではなく、添付の特許請求の範囲に対してなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】1実施形態による商品の真正性の検証を示すフローチャート。
【図2a】第2の実施形態による検証を示すフローチャート。
【図2b】第2の実施形態による検証を示すフローチャート。
【図3】本発明の1実施形態による概略図。
【図4】商品の真正性の複数レベル検証を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の真正性を検証する方法であって、
真正性が検証される製品に関連して、識別子を有する検証コードまたは検証デバイスを受け取ること、
検証センタに該識別子を伝えること、
受信者によって、該製品が本物か否か該受信者に通知する応答を受信すること、
を備える、製品の真正性を検証する方法。
【請求項2】
真正性が検証される製品に関連して、第2の受信者によって、一意の識別子を有する検証コードまたは検証デバイスを受け取ること、
検証センタに該識別子を伝えること、
該製品が本物か否か該第2の受信者に通知する応答を受信すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別子が、電話、インターネット、コンピュータ、無線、セルラ電話、VOIPまたはその組合せを介して前記検証センタに伝えられる、請求項1乃至2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記識別子が、個々の製品に一意である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記識別子が、1群の製品に一意である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記識別子が本物であり、且つ以前に伝えられていない場合は、前記製品が本物であると前記受信者に通知することをさらに含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記識別子が本物であり、且つ以前に伝えられている場合は、前記製品が偽造である可能性があることを前記受信者に通知することをさらに含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記識別子が本物であり、且つ以前に伝えられている場合は、前記受信者が前記識別子を以前に伝えていないならば、前記製品が偽造である可能性があることを前記受信者に通知することをさらに含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記受信者に、製品の真正性を検証することへのインセンティブが提供される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記受信者に、製品の真正性を検証することへのインセンティブとしてプリペイド式電話使用の事前選択された時間量が提供される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記受信者に、製品の真正性を検証することへのインセンティブとしてプリペイド式通話カードが提供される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記検証デバイスがプリペイド式通話カードであるか、または前記検証コードがプリペイド式通話カード上に配置される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
プリペイド式通話カードの額をデータベース内に記録すること、
該プリペイド式通話カードで使用可能な時間量を前記受信者に通知すること
をさらに備える、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記検証装置が、前記製品と共に梱包される、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記受信者が、メーカまたは消費者の代表である、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の受信者が1群の製品を取得し、且つ前記受信者が該第1の製品群からの1つの製品を取得する、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記製品の一意の識別子が、前記製品群の前記一意の識別子が検証センタに伝えられている場合にのみ検証される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記検証センタに前記識別子を伝えるように前記受信者に喚起することをさらに含む、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記一意の識別子をマスキングすることをさらに含む、請求項1乃至18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
一意の識別子のデータベースを維持すること、
前記一意の識別子が前記検証センタに伝えられたことに応答して、前記データベースを検証して、前記一意の識別子が本物か否か判断すること
をさらに含む、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記一意の識別子が伝えられたことを示す記録を前記データベース内に記録することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記データベースを検証して、一意の識別子が前記検証センタに以前に伝えられているかどうか判断することをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
検証センタを維持することをさらに含む、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法を実施するためのシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−538018(P2008−538018A)
【公表日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552304(P2007−552304)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/002152
【国際公開番号】WO2006/078965
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(507288866)バリデート エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】VALIDATE,LLC
【Fターム(参考)】