説明

製品を手で運搬するための包装組立体及び工業用の製品包装設備

本発明は、製品を手で運搬するための包装組立体に関し、その特徴は、剛性平板上に順に上下に載せられたホイール部材20と一個以上の製品ユニット40とが含まれ、該ホイール部材20のホイール21が剛性平板10の外側に残され、包装組立体の部分が垂直方向の保持部材31,32によって固定的に相互位置に維持され、それにより、包装組立体100,101が前記ホイール21により運搬可能な点にある。本発明は、更に、本発明による包装組立体を製造する包装設備に係わる。該包装設備は、包装作業ライン260を含み、該ラインの上流で軸/ホイール組立体20が送入され、包装物の他の部分と組み合わされるためにライン260を滑り落とされ、前記包装設備が、更に、前記ライン260の予め定められた箇所に平板10を位置させるための手段210と、前記平板10及び前記軸/ホイール組立体20を一時停止させる手段270と、前記平板上に製品を載置して包装する手段240と、包装物を垂直に保持する手段31,32を付加するためのアプリケータ220,280とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を手で運搬するための包装組立体及び工業用の製品包装設備に関するものである。
より詳しく言えば、本発明は、通常の包装物より大きい包装物を作るために、またそれらの包装物を手で容易に運搬できるように、製品を包装できるシステムに関するものである。そのようにして作られた各包装物は、ホイールとハンドルとを備えているので、手で容易に運搬できる。本発明は、また関連する工業用の包装設備に関するものである。
【0002】
従来の製品包装では、(消費者が購入後に)運ぶさい手で製品を持ち上げる場合を考慮して、比重量の大きい製品は、寸法が制限される。例えば飲料やミネラルウォーターの分野では、伝統的な包装は、150cl.(センチリットル)のビン6本で総重量約9kgである。
従来の包装の欠点は、したがって、主として消費者が多量の製品を運ぶのが困難な点にあるが、この困難さは、重量と嵩の双方にある。つまり、水の包装物は、手では、せいぜい1個しか運べない。
したがって、より容易に運搬できる包装組立体と、関連包装設備とが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、先行技術の欠点が克服され、かつ問題点の少なくとも一部が解決された包装組立体を得ることである。
本発明の別の具体的な目的は、特に、本発明の目的である包装組立体の工業生産専用の、製品を手で運ぶための包装設備を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の客体は、製品を手で運ぶための包装組立体であって、特徴は、剛性の平板上に互いに上下にホイール部材と1つ以上の製品が載せられ、剛性平板の外側にホイール部材のホイールが残り、組立体の部材は、垂直の保持部材により固定的な相互位置に維持されることで、包装組立体が、前記ホイール上で運搬可能な点である。
本発明によれば、前記ホイール部材は、共通の軸を中心として回転可能な2個のホイールを含むのが好ましい。
本発明によれば、前記共通の軸は、端部にホイールを取付けた内側軸と、内部で内側軸が自由回転可能な外側軸とを含むのが好ましい。
本発明によれば、前記共通の軸は、平板の一端近くに位置するように配置されるのが好ましい。
本発明によれば、前記剛性平板は四辺形形状をなしているのが好ましい。
本発明によれば、前記保持部材は1個以上のストラップであるのが好ましい。
【0005】
本発明によれば、前記保持部材は熱収縮可能なフィルムであるのが好ましい。
本発明によれば、前記ホイールは5〜15cmの直径を有するのが好ましい。
本発明によれば、前記ホイールは8〜12cmの直径を有するのが好ましい。
本発明によれば、前記包装組立体は、更に、前記1個以上の製品ユニットの上端に手で掴む手段を設けるのが好ましい。
本発明によれば、前記手で掴む手段は、前記1個以上の製品ユニットに直接設けるのが好ましい。
本発明によれば、前記手で掴む手段は、予め開けた穴状ハンドルで構成するのが好ましい。
本発明によれば、前記手で掴む手段は、接着テープを付されたプラスチック又は板紙で構成するのが好ましい。
【0006】
本発明による別の独立的な客体は、本発明による包装組立体を製造するための包装設備であり、その特徴は、
包装ライン、それも上流で送入された軸/ホイール組立体が、包装ラインを滑り落ち、包装物の他の部分と組合せられるようにされた包装ラインと、
前記ラインの予め定めた箇所で平板を位置決めする手段と、
前記平板と前記軸/ホイール組立体とを一時的に停止させる手段と、
前記平板上に製品を位置決めして包装するための手段と、
包装物を垂直保持する部材を取付ける手段とが組み合わされていることである。
【0007】
本発明によれば、包装物を垂直に保持する部材を取付ける前記手段はストラップ掛け機械により構成するのが好ましい。
本発明によれば、前記取付け手段は、包装物を垂直に保持する手段である熱収縮可能な部材用のオーブンにより構成するのが好ましい。
本発明によれば、包装設備は、更に、包装区域で軸/ホイール組立体の流れを調整する手段を含むのが好ましい。
本発明によれば、軸/ホイール組立体の流れを調整する手段は、歯付きホイールによって構成するのが好ましい。
本発明によれば、軸/ホイール組立体が送入される前記上流のラインは、上方へ傾斜しているので、前記軸/ホイール組立体が重力によってライン上を滑動するようにするのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下で添付図面を参照して本発明を説明するが、それにより本発明は制限されるものではない。
【図1】本発明によるシステムの第1実施例の図。
【図2】本発明によるシステムの第2実施例の図。
【図3】図1及び図2の実施例に共通の細部の図。
【図4】図1の実施例を非使用時(a)と使用時(b)の例で示した図。
【図5】本発明による工程に対応した包装ラインの一例の略示平面図(縮尺ではない)。
【図6】図5の包装ラインの長手方向の略示図(縮尺ではない)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び図2を参照すると、本発明の第1態様による手で包装物を運搬するための包装システム100,101が、剛性平板10と、同軸の両端に取付けられた2個のホイールの組立体20と、全製品をまとめて保持する部材31,32と、組立体20と、剛性平板10とを含んでいる。該保持部材は、ストラップ31(図1)又は熱収縮性フィルム製キャップ32である。
更に、手で掴む手段51,52が設けられるが、これらの手段は、とりわけ穴状のハンドル51、又は接着テープで接着されたプラスチック製か板紙製のハンドル52にすることができ、これにより、上方から包装物全体を掴んで、小ホイールで引きずることができる。図3には、軸/ホイール組立体20が、より詳細に示されている。この図から分かることは、2個のホイール21が同軸24の内側軸23の両端に固定されている点であり、これに対し剛性平板10(図示せず)は、前記包装作業により、同軸24の外側軸22と一体に形成される。
【0010】
図4には、本発明のシステムにより包装された製品の一例が示されている。図(a)は静止状態を、図(b)は運搬中の様子を示している。これらの図から、本発明のシステムの大きな利点は、例えば、ビンの別々の2個の標準包装物を上下に積んで、容易に運搬できる点にあることが分かる。
【0011】
以下では、包装された製品及び本発明によるシステム全体を「ロール‐バッグ」と呼ぶことにする。
図5及び図6を参照すると、本発明の一態様により、ロール‐バッグが直接に生産ライン内で実現される過程が示されている。
この目的のために、容易に市販品として入手できる次の部品が使用される:
固有の貯蔵庫230から取出される紙製平板10を扱うための真空吸引ヘッド(いわゆるスパイダ)210、
ロール‐バッグに組立てられる製品包装40をラインから取出すプログラム可能なロボット・アーム、
ストラップ掛け機械220、
収縮可能なフィルムを貯蔵し、ライン内オーブンを備えたアプリケータ280。
【0012】
この実現段階は以下の通りである。
通常の包装ラインからの製品は、待機ベルト(図示せず)上で停止し、光電セルにより過剰な流れと過少の流れが制御される。これらの製品は、束ねられている場合には、既にハンドル52を有しており、箱入りの場合には、予めカットされた掴み穴51を有している。
吸引ヘッドを有するスパイダ210は、板紙貯蔵庫230から平板10を吸着して、あまり離れていないところに位置する第2ベルト260上に下ろす。該第2ベルトは、スタート/ストップの論理に従い、同じように製品の有無を検出する光電セルによって制御される。この第2ベルトは、僅かに傾斜しているため、次のパラグラフで説明するように、軸/ホイール組立体20の転動が可能である。
【0013】
軸/ホイール組立体20は、特殊なプレスを備えた専門生産者に製造を外部委託した場合と全く同じように使用できる。これらの組立体は、ホイールのみを収容する僅かに傾斜した「U字形」2重案内(軌道)上に蓄えられ、該案内により、同じように傾斜した第2ベルトへ導かれる。軸/ホイール組立体20の貯蔵部の下方への移動は、歯付きホイール250又はウイング付きホイール(同軸24とは異なる)によって阻止されている。光電セルの配置箇所を横切ると、歯付きホイール250が1段動いて、1個だけ軸/ホイール組立体20をベルト260のほうへ押し落とす。軸/ホイール組立体20は、板紙製の平板10上に、それも平板10が占領しているスペースの外に配置されたストッパ270により決められた正確な位置に停止し、また、設けた限界を超える横揺れは両側のホイール21により防止される。ストッパの上下運動は、製品の有無を検出する光電セルによって調整される。
【0014】
ロボット・アーム240のヘッドが、待機ベルトから、ロール・バッグの形成に必要な包装物40を一度に1個取出して、第2ベルト260上の平板10及び軸/ホイール組立体20の上方から載置する(上下に)。
包装物を検出する光電セルは、上下に載置された包装物の数が予め決められた数かどうかを検出し、正しければストッパ270を下降させ、ベルト260をスタートさせ、ロール・バッグを完成させる。
目標ロール・バッグ100,101の特定の種類の場合、次のものが用いられる:
− 熱収縮性フィルム用のオーブン32を備えたアプリケータ280、
− ストラップ掛け機械20、
− 以上の両方。
【0015】
しかし、熱収縮性フィルム32を使用する場合、熱収縮したフィルムは、ホイール21の区域で切断して、ホイールを自由にする必要がある。事実、ホイールは、熱収縮性フィルムに包まれたまま残るが、これは包装物の底部も同じように包まねばならないからである。
この切断作業は、最終使用者が行うことができ、したがって、使用に先立つすべての取扱いや運搬の作業の間、1つの大きいロール・バッグ100,101が維持できる。
ストラップ掛け機械220又はオーブン260を出ると、ロール・バッグは完成し、パレット運搬機に向けられ、包装の原ラインで進行を続ける。
【0016】
以上のことから、本発明による方法で簡易な包装が可能になることが明らかであり、同じように、個別の複数包装物の可能になる量や、最終包装物の運搬の容易さも明らかである。
この方法及びシステムの費用は、多量の流通と関連して考えれば、ほとんど取るに足らない。
以上、本発明の複数好適実施例と、幾つかの変更態様を説明したが、当業者には、特許請求の範囲に定義された関連保護範囲を逸脱することなく、変化形や改変が可能と理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を手で運搬するための包装組立体において、
該包装組立体が、剛性の平板(10)上に、互いに上下の順に載せられたホイール部材(20)と1個以上の製品ユニット(40)とを含み、ホイール部材(20)のホイール(21)は剛性平板(10)の外側に残され、包装組立体の複数部分が、垂直の保持部材(31,32)によって固定的な相互位置に保持されることで、包装組立体(100,101)がホイール(21)上で運搬可能であることを特徴とする、製品を手で運搬するための包装組立体。
【請求項2】
前記ホイール部材(20)が、共通軸(24)を中心として回転可能な2個のホイール(21)を含むことを特徴とする、請求項1に記載された包装組立体。
【請求項3】
前記共通軸(24)が、端部にホイール(21)が固定された内側軸(23)と、内部で内側軸(23)が自由回転可能である外側軸(22)とを含むことを特徴とする、請求項2に記載された包装組立体。
【請求項4】
前記共通軸(24)が、平板(10)の一端近くに配置されることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載された包装組立体。
【請求項5】
前記剛性平板が4辺形の形状を有することを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された包装組立体。
【請求項6】
前記保持部材(31,32)が1個以上のストラップであることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の包装組立体。
【請求項7】
前記保持部材(31,32)が熱収縮性フィルム(32)であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の包装組立体。
【請求項8】
前記ホイール(21)が5‐15cmの直径を有することを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか1項記載の包装組立体。
【請求項9】
前記ホイール(21)が8‐12cmの直径を有することを特徴とする、請求項1から請求項8までのいずれか1項記載の包装組立体。
【請求項10】
包装組立体が、更に、前記1個以上の製品ユニット(40)の上端に設けられた手で掴む手段(51,52)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項記載の包装組立体。
【請求項11】
前記手で掴む手段(51,52)が前記1個以上の製品ユニット(40)に直接設けられていることを特徴とする、請求項10記載の包装組立体。
【請求項12】
前記手で掴む手段(51,52)が予め開けた穴状ハンドル(51)により構成されることを特徴とする、請求項11記載の包装組立体。
【請求項13】
前記手で掴む手段(51,52)が、接着テープ(52)で貼着されたプラスチック又は板紙で構成されていることを特徴とする、請求項11記載の包装組立体。
【請求項14】
請求項1から請求項13までのいずれか1項で定義された包装組立体を製造するための包装設備において、
包装ライン(260)、それも、包装物の他の部分と組み合わせるために包装ライン(260)を滑り落とされる軸/ホイール組立体(20)が上流から送入される包装ライン(260)と、
前記包装ライン(260)上の予め定めた箇所に平板(10)を位置させるための手段(210)と、
前記平板と前記軸/ホイール組立体(20)とを一時停止させるための手段(270)と、
包装のために前記平板(10)上に製品を載置するための手段(240)と、
包装物を垂直方向に保持する手段(31,32)を付加するための付加手段(220,280)との組合わせを含むことを特徴とする、請求項1から請求項13までのいずれか1項で定義された包装組立体を製造するための包装設備。
【請求項15】
包装物を垂直方向に保持する部材(31,32)を付加するための前記付加手段(220,280)が、ストラップ掛け機械によって構成されることを特徴とする、請求項14記載の包装設備。
【請求項16】
前記付加手段(31,32)が、包装物の垂直保持手段(31,32)である熱収縮性部材(31,32)用のオーブンにより構成されることを特徴とする、請求項14に記載された包装設備。
【請求項17】
前記包装設備が、更に、包装作業区域内で軸/ホイール組立体(20)の流れを調整するための手段(250)を含むことを特徴とする、請求項14から請求項16までのいずれか1項に記載された包装設備。
【請求項18】
軸/ホイール組立体(20)の流れを調整するための前記手段(250)が、歯付きホイールにより構成されることを特徴とする、請求項17記載の包装設備。
【請求項19】
軸/ホイール組立体(20)が送入される包装ライン(260)の上流部分が、上方へ傾斜しており、このため前記軸/ホイール組立体(20)が重力により包装ライン(260)上を滑り落ちることを特徴とする、請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載された包装設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−504890(P2010−504890A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529858(P2009−529858)
【出願日】平成19年1月8日(2007.1.8)
【国際出願番号】PCT/IT2007/000012
【国際公開番号】WO2008/038318
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(509089834)
【Fターム(参考)】