製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置
【課題】ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場の運用を実現すること。
【解決手段】置場運用支援処理装置3は、データベース4から製品情報ファイル41および在庫状況ファイル43を読み出して入力する。続いて、仮置場の運用条件を設定する。その後、運用条件に従って製品置場に到着する板状製品を仮置場に仮置きしながら本置場において板状製品を出荷ロット毎に本置きすることで推移する仮置場および本置場の将来の在庫状況を予測し、この将来の在庫状況を表す評価値と、仮置場に仮置きされた板状製品を本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する。そして、取得した将来の在庫状況を表す評価値およびハンドリング量を表す評価値を出力する。
【解決手段】置場運用支援処理装置3は、データベース4から製品情報ファイル41および在庫状況ファイル43を読み出して入力する。続いて、仮置場の運用条件を設定する。その後、運用条件に従って製品置場に到着する板状製品を仮置場に仮置きしながら本置場において板状製品を出荷ロット毎に本置きすることで推移する仮置場および本置場の将来の在庫状況を予測し、この将来の在庫状況を表す評価値と、仮置場に仮置きされた板状製品を本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する。そして、取得した将来の在庫状況を表す評価値およびハンドリング量を表す評価値を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼製品の製造設備では、工場内に設けられた製品置場において、最終的に製造された鉄鋼製品を出荷までの間保管する置場運用が行われている。一般に、製品置場は、その床面積を有効活用するため、製品のサイズに応じた広さに区画することでサイズ別の製品置場を設けている。このサイズ別の製品置場の面積割合は、例えば、各サイズの製品比率(プロダクトミックス)を前提に決定される。しかしながら、このプロダクトミックスは、市場ニーズによって変化するため、あるサイズの製品置場が一時的に足りなくなったり、逆に余ったりといったことが発生し得る。
【0003】
ここで、置場内に仮置場を設け、この仮置場を用いた置場運用を行うことで置場の不足に備えたものが知られている。例えば、特許文献1では、保管する物品(例えばコイル)のサイズ毎の置き台または棚を備えた倉庫内に、入庫され得る最大サイズの物品を置くことができる仮受け場を設けている。そして、置き台や棚に空きがないときに仮受け場に物品を一旦保管し、この仮受け場内の物品の入庫先の決定を繰り返し行うことで置き台や棚への物品の入庫制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3913579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、板状の鉄鋼製品(厚鋼板)を扱う製造設備では、製品置場に到着した鉄鋼製品を例えばその出荷先毎に別々の山として段積みして保管する置き場運用が行われている。ここで、このように鉄鋼製品が段積みされる製品置場に仮置場を設け、製品置場に到着した鉄鋼製品を一旦仮置場に段積みして仮置きする置場運用を行えば、仮置きの間その出荷先毎の置場(本置場)を空きの状態とすることができるので、この本置場を別の出荷先の鉄鋼製品の保管に用いることが可能となる。しかしながら、この場合、仮置場に段積みした鉄鋼製品をある時点で本置場に移動させなければならず、このためにクレーン等のハンドリング設備によるハンドリング操作が必要となる。仮置場から本置場へと移動させる鉄鋼製品の枚数が増えればその分ハンドリング操作の量(ハンドリング量)も増大し、結果ハンドリング設備に過剰な負荷がかかることとなる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場の運用を実現することができる製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援方法であって、前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力工程と、前記仮置場の運用条件を設定する条件設定工程と、前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理工程と、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用条件を変更する条件変更工程を含み、前記運用シミュレーション処理工程は、前記運用条件が変更された場合に、該変更後の前記運用条件に従って前記将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記ハンドリング量を表す評価値とを再度取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値とともに、前記運用条件の変更要否の選択依頼の通知を画面表示し、前記条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記運用条件を変更することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記条件変更工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が所定の目標値を超えない場合、または前記ハンドリング量を表す評価値が所定の目標値を超える場合に前記運用条件を変更し、前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が前記所定の目標値を超えた場合または前記ハンドリング量を表す評価値が前記所定の目標値を超えない場合の前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用条件は、前記製品置場に到着した前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きする仮置日数であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用シミュレーション処理工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値として、前記仮置場および/または前記本置場における前記鉄鋼製品の占有率を取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用シミュレーション処理工程は、前記ハンドリング量を表す評価値として、前記仮置場から前記本置場へと前記鉄鋼製品を移動させる際の移動枚数を取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる置場運用支援装置は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援処理装置であって、前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力手段と、前記仮置場の運用条件を設定する条件設定手段と、前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理手段と、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する結果出力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、仮置場の運用条件に従って製品置場に到着する鉄鋼製品を仮置きした場合の仮置場および本置場の将来の在庫状況を予測し、この将来の在庫状況を表す評価値と、仮置場に仮置きした鉄鋼製品を本置場に移動させる際のハンドリング量を表す評価値とを提示することができる。したがって、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場の運用を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、鉄鋼製品の製造設備の設備概要を示す図である。
【図2】図2は、製品置場運用システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、仮置きを行わない場合の本置場の在庫状況の推移を示す図である。
【図4】図4は、仮置きを行わない場合の本置場の在庫状況の推移を示す他の図である。
【図5】図5は、仮置きを行う場合の仮置場および本置場の在庫状況の推移を示す図である。
【図6】図6は、仮置きを行う場合の仮置場および本置場の在庫状況の推移を示す他の図である。
【図7】図7は、仮置日数を変化させて仮置場および本置場の将来の在庫状況を繰り返し予測して取得した占有率および移動枚数を示す図である。
【図8】図8は、置場運用支援処理装置が行う置場運用支援処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、製品情報ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図10】図10は、製品別ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図11】図11は、置場別状況ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図12】図12は、置場運用制約ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図13】図13は、運用指示ファイルのデータ構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0018】
先ず、本実施の形態の製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置を適用する鉄鋼製品の製造設備について説明する。図1は、鉄鋼製品の製造設備1の設備概要を示す図である。図1に示すように、鉄鋼製品の製造設備1は、鋼板を圧延する圧延機11と、この圧延機11によって圧延された鋼板を所定の寸法に切断する切断機13と、この切断機13によって切断された鉄鋼製品の検査を行う検査装置15と、検査装置15での検査に合格した鉄鋼製品を保管する製品置場17とがこの順番に直列に設置されて構成され、鉄鋼製品(厚鋼板;以下、「板状製品」と呼ぶ。)の製造を行う。
【0019】
製品置場17は、検査装置15から到着した板状製品を一旦仮置きしておくための仮置場171と、仮置場171を経由して、あるいは検査装置15から到着した板状製品を直接に、その板状製品が出荷されるまでの間本置きしておくための本置場173とを備える。本置場173は、そのスペースが複数に区画され、区画された複数の本置場173のそれぞれにおいて、この本置場173に搬入される板状製品が出荷ロット毎の別々の山として段積みされて保管される。本実施の形態では、例えば、出荷予定日が同じで、需要家や中継基地等の目的地(出荷先)が同じ同種の板状製品群を1つの出荷ロットとし、同一の本置場173において異なる出荷ロットの板状製品が混在しないように置場運用を行う。一方、仮置場171では、板状製品は、出荷ロットの異同に関係なく例えば仮置場171に搬入された順番で段積みされて保管される。この仮置場171についても、適宜複数の仮置場171が設けられる。
【0020】
なお、実際の製品置場17は、仮置場171と本置場173とが明確に区別されたものではない。すなわち、製品置場17は、そのスペースがこの製品置場17に到着する板状製品のサイズに応じて区画されることで複数の置場が設けられた構成となっており、これら複数の置場のうちの1つまたは複数が仮置場171として用いられ、それ以外の複数の置場が本置場173として用いられるようになっている。
【0021】
図2は、本実施の形態における製品置場運用システム2の全体構成例を示すブロック図である。図2に示すように、製品置場運用システム2は、置場運用支援処理装置3と、データベース4と、端末5と、物流機器6とを含み、データベース4、端末5および物流機器6が置場運用支援処理装置3と接続されて互いにデータの送受が可能に構成されている。
【0022】
置場運用支援処理装置3は、CPU、更新記録可能なフラッシュメモリ等のROMやRAM等の各種ICメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記憶媒体といった各種記憶装置、通信装置、表示装置や印刷装置等の出力装置、入力装置、各部を接続し、あるいは外部入力を接続するインターフェース装置等を備えた公知のハードウェア構成で実現でき、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いることができる。この置場運用支援処理装置3は、仮置場171および本置場173における板状製品の搬入出をシミュレーションすることで将来における仮置場171および本置場173の在庫状況の推移を予測し、後述するクレーン等のハンドリング設備のハンドリング量を考慮しつつ目標とする仮置場171および本置場173の在庫状況(空き数)に見合った仮置場171の運用を提案するための処理(置場運用支援処理)を行う。
【0023】
データベース4は、置場運用支援処理に用いるデータを記憶・管理する。このデータベース4には、図8等を参照して後述する製品情報ファイル41、在庫状況ファイル43、置場運用制約ファイル45、運用指示ファイル47が記憶される。
【0024】
端末5は、置場運用支援処理装置3との間でデータ通信を行い、置場運用支援処理装置3が行った置場運用支援処理の結果等を表示する。この端末5は、例えばパソコン等で実現される。
【0025】
物流機器6は、検査装置15での検査を終えて製品置場17に到着した板状製品を仮置場171や本置場173に搬入して段積みするためのクレーン等のハンドリング設備を含む。この物流機器6は、検査装置15に到着した板状製品をハンドリング設備によって仮置場171に搬入して段積み(仮置き)し、あるいは仮置場171に仮置きされた板状製品をハンドリング設備によって本置場173に搬入して段積み(本置き)する。
【0026】
次に、本実施の形態の置場運用支援処理の原理を説明する。簡明な説明のため、以下の原理の説明においては、製品置場17に到着する2つの出荷ロットAおよび出荷ロットBに着目する。ここで、この出荷ロットAおよび出荷ロットBは、それぞれ10枚の板状製品で構成されることとし、これら出荷ロットAの板状製品および出荷ロットBの板状製品が製品置場17に到着する1日当たりの枚数をそれぞれ1枚とする。そして、仮置場171を1つとし、本置場173を2つとして、一方の本置場173を出荷ロットAの保管に用い、他方の本置場173を出荷ロットBの保管に用いることとする。また、各仮置場171および本置場173においてそれぞれ段積み可能な板状製品の上限枚数を10枚とする。なお、実際の置場運用では、仮置場171および本置場173のそれぞれにおいて積み重ねることが可能な山の上限高さを制限している。
【0027】
先ず、仮置場171を用いた板状製品の仮置きを行わなずに、直接2つの本置場173に対してそれぞれ出荷ロットAの板状製品および出荷ロットBの板状製品を個別に段積みしていく場合の各本置場173の在庫状況の推移を説明する。図3は、仮置きを行わない場合において出荷ロットAの板状製品が段積みされる本置場173および出荷ロットBの板状製品が段積みされる本置場173の在庫状況の推移を示す図であり、経過日数に対して、出荷ロットAの本置場173および出荷ロットBの本置場173における山付枚数(該当する本置場173において該当する経過日数の時点で段積みされている出荷ロットAまたは出荷ロットBの板状製品の枚数)を示している。また、図4は、横軸を経過日数、縦軸を山付枚数として、図3に示す各本置場173の在庫状況をグラフ化した図である。
【0028】
図3および図4の例では、経過日数1日目に出荷ロットAの1枚目の板状製品が製品置場17に到着し、出荷ロットAの本置場173に搬入される。そしてその後、1日に1枚ずつ板状製品が搬入されて段積みされていき、出荷ロットAの本置場173は、10日目において出荷ロットAの荷が揃う。そして、出荷ロットAは、荷が揃った2日後の12日目に一括で目的地へと出荷され、11日目における出荷ロットAの本置場173の山付枚数は「0」となり、出荷ロットAの本置場173は空きの状態となる。
【0029】
一方、出荷ロットAの本置場173に対して板状製品の搬入を開始した1日後である経過日数2日目に出荷ロットBの1枚目の板状製品が製品置場17に到着し、出荷ロットBの本置場173に搬入される。この出荷ロットBの本置場173は、11日目に出荷ロットBの荷が揃い、出荷ロットBは、その2日後の13日目に一括で目的地へと出荷される。なお、図3では図示しないが、経過日数14日目における出荷ロットBの本置場173の山付枚数は「0」となり、出荷ロットBの本置場173は空きの状態となる。
【0030】
図3および図4に示すように、仮置きを行わない場合、出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品の各本置場173への搬入期間の前半は、山付枚数が少なく各本置場173における板状製品の占有率が低い。例えば、経過日数1日目〜13日目までの間で各本置場173に1枚以上の板状製品が存在する日の山付枚数を本置場173毎に集計して平均すると6.25(枚/日)となり、各本置場173における占有率は、62.5(%/日)となる。なお、各本置場173に板状製品が存在しない日を集計の分母から除いた理由は、ここでの原理の説明が、製品置場17に到着する板状製品の出荷ロットのうちの出荷ロットAおよび出荷ロットBに着目したものであり、例えば出荷ロットAの本置場173の13日目や出荷ロットBの本置場173の1日目のように空き状態(山付枚数が「0」)の本置場173は、実際には別の出荷ロットの保管のために利用される前提に基づく。
【0031】
ここで、各板状製品の製品置場17内における滞在期間は変わらないため、前述の占有率を高くすることができれば、各本置場173を出荷ロットAや出荷ロットBの保管のために用いる日数を短くできるので、その間各本置場173を別の出荷ロットの板状製品の保管に用いることができ、運用の自由度が増す。
【0032】
次に、図3および図4と同様に経過日数1日目〜10日目までの間出荷ロットAの板状製品が製品置場17に到着し、2日目〜11日目までの間出荷ロットBの板状製品が製品置場17に到着する場合において、仮置場171を用いた板状製品の仮置きを行いながら2つの本置場173を用いて出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を個別に段積み・保管する場合の仮置場171および2つの本置場173の在庫状況の推移を説明する。図5は、仮置きを行う場合における仮置場171、出荷ロットAの本置場173、および出荷ロットBの本置場173の在庫状況の推移を示す図であり、経過日数に対して、仮置場171、出荷ロットAの本置場173、および出荷ロットBの本置場173における山付枚数を示している。また、図6は、横軸を経過日数、縦軸を山付枚数として、図5に示す各仮置場171および本置場173の在庫状況をグラフ化した図である。ここで、例えば、仮置場171において出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を仮置きする仮置日数を「5日」とする。
【0033】
図5および図6に示すように、経過日数1日目では、出荷ロットAの1枚目の板状製品が製品置場17に到着し、仮置場171に搬入される。続く2日目では、出荷ロットAの2枚目の板状製品および出荷ロットBの1枚目の板状製品の2枚が製品置場17に到着し、仮置場171に搬入されて例えば搬入順に段積みされる。本例では、仮置日数が「5日」であるので、5日目までは、日毎に1枚ずつ製品置場17に到着する出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品が仮置場171に搬入されて段積みされていき、5日目の仮置場171の山付枚数は「9」となる。
【0034】
そして、続く6日目は、仮置日数を超過するため、仮置場171に段積みされている板状製品のうち、出荷ロットAの板状製品が出荷ロットAの本置場173に移動されて段積みされ、出荷ロットBの板状製品が出荷ロットBの本置場173に移動されて段積みされる。また、この6日目には、新たに出荷ロットAの6枚目の板状製品および出荷ロットBの5枚目の板状製品が製品置場17に到着するが、これらの板状製品は、仮置場171には搬入されずに、出荷ロットAの板状製品は直接出荷ロットAの本置場173に搬入されて段積みされ、出荷ロットBの板状製品は直接出荷ロットBの本置場173に搬入されて段積みされる。この結果、6日目の出荷ロットAの本置場173の山付枚数は「6」、出荷ロットBの本置場173の山付枚数は「5」となる。この6日目以降の各本置場173の在庫状況は、図3および図4と同じ在庫状況となる。
【0035】
以上のように、仮置場171を用い、仮置日数を「5日」として板状製品の仮置きを行うこととすると、経過日数5日目までは出荷ロットAおよび出荷ロットBの保管に仮置場171のみを用い、2つの本置場173は出荷ロットAおよび出荷ロットBの保管に用いないため、占有率は、72.3(%/日)に上昇する。この結果、図3中にハッチングを付して示すように、山付枚数が「0」であり、該当する仮置場171または本置場173が空きの状態となる日を、図5中にハッチングを付して示す仮置きしない場合と比べて大幅に増やすことが可能となる。したがって、図3および図4に示して説明したように、仮置きを行わない場合に占有率が低くなっていた搬入期間の前半に製品置場17に到着する出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を仮置場171に混在させて仮置きする置場運用を許容すれば、仮置場171および本置場173の占有率を上げることができ、仮置場171や本置場173が空き状態となる日を増やすことができる。
【0036】
ところで、仮置場171を用いた仮置きを行う場合、仮置日数を過ぎた時点で仮置場171から本置場173へと板状製品を移動させる必要がある。例えば、図5および図6の例では、経過日数6日目において9枚の出荷ロットAまたは出荷ロットBの板状製品を順次ハンドリング操作して仮置場171から該当する本置場173へと移動させる必要がある。このように、仮置場171を用いた置場運用では、ハンドリング量、具体的には、仮置場171の板状製品を出荷ロット毎の本置場173へと移動させるために行うハンドリング操作の回数が増大する。
【0037】
したがって、仮置場171を用いた仮置きを行うと、仮置場171および本置場173の占有率を上げることができ、製品置場17のスペースを効率良く利用した置場運用が実現できる反面、ハンドリング設備にかかる負荷が増大する。
【0038】
そこで、本実施の形態では、仮置場171の運用条件として仮置日数を用い、仮置場171および本置場173における板状製品の搬入出のシミュレーションを行う。本例では、仮置場171の上限枚数を10枚とし、出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品が1日に1枚ずつ製品置場17に到着することとしているので、仮置日数は最大で5日間となる。具体的には、仮置日数を超えない間に製品置場17に到着する出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を仮置場171に順次段積みして仮置きし、仮置日数を超えた時点で仮置場171内の板状製品を該当する本置場173に移動させて出荷ロット毎に本置きして、出荷予定日に出荷(本置場173から搬出)することで推移する仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測する。そして、予測した将来の在庫状況を表す評価値として、占有率を算出して取得するとともに、仮置場171内の出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を該当する出荷ロットの本置場173に移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値として移動枚数を算出して取得する。
【0039】
図7は、仮置日数を0日〜5日の間で変化させて仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を繰り返し予測することで取得した各仮置日数での占有率および移動枚数を示す図であり、横軸を経過日数として占有率の変化曲線と移動枚数の変化曲線とを示している。また、図7では、比較のために、仮置場171を用いた仮置きを行わない場合、すなわち仮置日数が0日の場合の占有率62.5(%/日)のラインを一点鎖線で示している。
【0040】
図7に示すように、占有率に着目すれば、仮置日数を4日以上とした場合に、仮置きを行わない場合よりも高い値が得られた。具体的には、仮置日数を4日とした場合では、占有率が占有率66.0(%/日)、移動枚数が7枚であった。また、仮置日数が5日の場合は、図5および図6を参照して上記したように、占有率は72.3(%/日)、移動枚数は9枚であり、本例では、占有率6.3(%/日)が移動枚数2枚に相当する。
【0041】
このように、運用条件として仮置日数を用い、この仮置日数を変更(調整)しながら仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測して占有率と移動枚数との関係を取得することで、仮置日数を何日にすれば目標とする仮置場171や本置場173の空き数に見合った占有率が得られるかの判断が可能となる。ここで、目標とする空き数は、予想される製品置場17の混雑具合いによって変わる。例えば、今後製品置場17に到着する予定の板状製品の数が多い、あるいは今後構成枚数の多い出荷ロットが到着することが予定されている等の要因で製品置場17の混雑が予想される場合には、目標とする空き数は増える。このような場合には、仮置日数を長くして占有率を高くすることに重みを置くことで、ハンドリング設備にかかる負荷の増大をある程度許容する。一方、製品置場17が比較的すくことが予想され、製品置場17内の空き状態に余裕がある場合には、ある程度空き数を減らしても置場運用が可能である。このような場合には、仮置日数を短くして占有率を低くし、移動枚数を少なくすることに重みをおくことでハンドリング設備の負荷を低減するようにする。具体的には、例えば図7の例では、占有率および移動枚数のいずれに重みをおくのかによって、仮置日数を4日とする仮置場171の運用および仮置日数を5日とする仮置場171の運用のいずれが最良かを定量的に判断できる。この判断は、例えばユーザが行う。
【0042】
図8は、置場運用支援処理装置3が行う置場運用支援処理の処理手順を示すフローチャートである。置場運用支援処理装置3は、図8の処理手順に従って置場運用支援処理を行うことで置場運用支援方法を実施する。なお、ここで説明する処理は、置場運用支援処理を実現するためのプログラムを例えば置場運用支援処理装置3の記憶装置に記憶しておき、このプログラムを読み出して実行することで実現できる。
【0043】
図8に示すように、置場運用支援処理装置3は、先ず、データ入力手段として、データ入力処理を実行し、データベース4から製品情報ファイル41および在庫状況ファイル43を読み出して入力する(ステップS1)。
【0044】
図9は、製品情報ファイル41のデータ構成例を示す図である。図9に示すように、製品情報ファイル41には、製品置場17に到着する板状製品に固有に割り当てられる製品IDと対応付けて、該当する板状製品の板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)と、出荷予定日と、出荷ロットの識別番号と、この出荷ロットの目的地に割り当てられた目的地コードと、混在運用の可否(可=1/不可=0)とが設定されて登録される。ここで、混在運用の可否は、仮置場171において別の出荷ロットと混在させて仮置きした後、所定の本置場173において出荷ロット毎に本置きする置場運用が可能(可=1)か否か(不可=0)を設定したフラグ情報である。この混在運用が不可(=0)である板状製品については、仮置場171には搬入せずに直接該当する出荷ロットの本置場173に搬入することとなる。
【0045】
また、図8に示すように、在庫状況ファイル43には、製品別状況ファイル431と、置場別状況ファイル433とが記憶される。図10は、製品別状況ファイル431のデータ構成例を示す図である。この製品別状況ファイル431は、現時点で製品置場17内に保管されている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図10に示すように、製品別状況ファイル431には、製品置場17を構成する1つまたは複数の仮置場171および複数の本置場173のそれぞれに固有に割り当てられた置場IDと対応付けて、その置場区分と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の製品IDと、該当する板状製品の出荷ロットと、板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)とが設定されて登録される。置場区分には、対応する置場IDが仮置場171に割り当てられた置場IDなのか、本置場173に割り当てられた置場IDなのか、すなわち、該当する板状製品が現時点でどこにあるのか(仮置場171内なのか本置場173内なのか;本/仮)が設定される。
【0046】
また、図11は、置場別状況ファイル433のデータ構成例を示す図である。この置場別状況ファイル433は、1つまたは複数の仮置場171および複数の本置場173毎に、該当する仮置場171または本置場173に現時点で段積みされている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図11に示すように、置場別状況ファイル433は、置場IDと対応付けて、置場区分と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の合計枚数と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の板厚の合計(山の高さ)と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の幅(置場区分が「仮」の場合は、該当する仮置場171に段積みされている板状製品の最大の幅)と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の長さ(置場区分が「仮」の場合は、該当する仮置場171に段積みされている板状製品の最大の長さ)とが設定されて登録される。
【0047】
続いて、図8に示すように、置場運用支援処理装置3は、データベース4から置場運用制約ファイル45を読み出して入力し、制約入力処理を実行する(ステップS3)。図12は、置場運用制約ファイル45のデータ構成例を示す図である。この置場運用制約ファイル45は、仮置場171に対する板状製品の段積みに関する制約を記憶する。具体的には、図12に示すように、置場運用制約ファイル45には、山高さ上限(mm)および仮置日数上限の項目毎に、その数値、具体的には、仮置場171における山の上限高さと、仮置場171の運用条件として用いる仮置日数の上限日数とが設定されて登録される。
【0048】
続いて、図8に示すように、置場運用支援処理装置3は、条件設定手段として、条件設定処理を実行する(ステップS4)。本実施の形態では、仮置場171の運用条件として仮置日数を用いることとしているので、このステップS4の処理では、ステップS3で入力した置場運用制約ファイル45を参照し、仮置日数上限として設定されている数値を超えない範囲で仮置日数を設定する。この仮置日数は、例えば、ユーザ操作に従って設定する。具体的には、置場運用支援処理装置3は、仮置日数の入力を依頼するメッセージを端末5に送信することで端末5に画面表示させ、置場運用制約ファイル45において仮置日数上限として設定されている数値(図12の例では4日)を超えない範囲(例えば0日〜4日)で仮置日数の入力を受け付ける。ユーザは、端末5を操作して所望の仮置日数を入力する。入力された仮置日数は、置場運用支援処理装置3に送信され、置場運用支援処理装置3は、この仮置日数を運用条件として設定する。
【0049】
なお、ここでは、置場運用制約ファイル45に設定されている仮置日数上限を制約として用いることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、置場運用制約ファイル45は、図12に示して説明したように、仮置場171における山の上限高さを設定した山高さ上限を含む。ここで、仮置場171において仮置きが可能な最大の日数は、この山高さ上限と、今後製品置場17に日毎に到着する混在運用が可能な出荷ロットの板状製品の枚数とから定まる。したがって、山高さ上限を制約として用い、この山高さ上限から最大の仮置日数を算出してこの最大の仮置日数を超えない範囲で運用条件とする仮置日数を設定するようにしてもよい。
【0050】
続いて、置場運用支援処理装置3は、運用シミュレーション処理手段として、ステップS1で入力した製品情報ファイル41および在庫状況ファイル43を参照して運用シミュレーション処理を実行し、ステップS4で運用条件として設定した仮置日数に従って仮置場171および本置場173における板状製品の搬入出をシミュレーションする(ステップS5)。具体的には、置場運用支援処理装置3は、仮置日数を超過しない間に製品置場17に到着する板状製品を仮置場171に仮置きし、その後仮置場171の板状製品を本置場173に移動させて出荷ロット毎に本置きして、出荷予定日に出荷(本置場173から搬出)することで推移する仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測し、占有率と移動枚数とを算出して取得する。
【0051】
ここで、占有率は、例えば、次式(1)に従って、仮置場171に仮置きした板状製品を本置きする出荷ロット毎の各本置場173のそれぞれについて算出する。本置場173の平均枚数は、各本置場173において該当する出荷ロットの板状製品が存在する日の山付枚数の合計を、この該当する出荷ロットの板状製品が存在する日数で除した値である。本置場173の最大枚数は、該当する本置場173に段積み可能な最大の枚数である。なお、本置場173毎に山高さ上限が設定されている場合には、この山高さ上限と、該当する出荷ロットの板状製品の板厚とから最大枚数を算出して用いる。また、移動枚数は、仮置日数の間に仮置場171に段積みされる板状製品の枚数を計数して取得する。
本置場173の平均枚数/本置場173の最大枚数×100 ・・・(1)
【0052】
この運用シミュレーション処理の後、置場運用支援処理装置3は、運用条件の変更の要否を判定する。本実施の形態では、例えば、ユーザ操作に従って運用条件の変更要否を判定する。具体的には、置場運用支援処理装置3は、先ず、出力手段として、ステップS5の運用シミュレーション処理の結果取得した占有率および移動枚数をステップS4で運用条件として設定した仮置日数とともに端末5に送信することで端末5に画面表示させ、ユーザに提示する。このとき、運用条件である仮置日数の変更要否の選択を依頼するメッセージを併せて画面表示するようにし、仮置日数の変更指示とともに、仮置日数上限を超えない範囲で仮置日数の入力を受け付ける。これに応答して、ユーザは、提示された占有率および移動枚数を確認し、仮置日数の変更要否を検討する。そして、仮置日数の変更が必要と判断した場合には、端末5を操作して仮置日数の変更指示を入力するとともに、新たな仮置日数を入力する。
【0053】
入力された仮置日数の変更指示および仮置日数は置場運用支援処理装置3に送信され、置場運用支援処理装置3は、条件変更が必要と判定する(ステップS7:Yes)。この場合には、続いて、置場運用支援処理装置3は、条件変更処理を実行し、仮置場171の運用条件を端末5から送信された仮置日数として変更する(ステップS9)。その後は、ステップS5に戻り、変更後の仮置日数に従って再度運用シミュレーション処理を実行する。
【0054】
一方、条件変更の必要がない場合、すなわち、端末5において仮置日数の変更指示が入力されない場合には(ステップS7:No)、置場運用支援処理装置3は、結果出力処理を実行し、ステップS5で行った運用シミュレーション処理の結果をデータベース4に出力して運用指示ファイル47として記録する(ステップS11)。
【0055】
図13は、運用指示ファイル47のデータ構成例を示す図である。図13に示すように、運用指示ファイル47は、製品IDと、出荷予定日と、目的地コードと、出荷ロットと、混在運用の可否と、仮置きした置場IDと、仮置開始日とが対応付けられたデータテーブルである。仮置きした置場IDには、該当する板状製品の仮置きに用いた仮置場171の置場IDが設定される。仮置開始日には、該当する板状製品の仮置きを開始した日付が設定される。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、運用条件として設定した仮置日数に従って製品置場17に到着する板状製品を仮置きした場合の仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測し、仮置場171および本置場173の占有率と、仮置場171に仮置きした板状製品を本置場173に移動させる際の移動枚数とを取得して、例えば端末5に画面表示して提示することができる。したがって、ユーザは、予想される製品置場17の混雑具合い等を判断材料として、今後製品置場17に到着する板状製品を出荷ロット毎に保管するために必要となる仮置場171および本置場173の空き数に見合った仮置日数を決定することができる。これによれば、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する板状製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場171の運用を実現することが可能となる。
【0057】
なお、上記した実施の形態では、ユーザ操作に従って仮置日数を変更しながら仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測し、仮置日数に応じた占有率および移動枚数を取得することとした。これに対し、置場運用制約ファイル45において仮置日数上限として設定されている数値を超えない範囲で仮置日数を自動的に変更しながら、各仮置日数における占有率と移動枚数とを取得するようにしてもよい。例えば、図12の例では、仮置日数上限が4日であるので、仮置日数を0日〜4日の間で変更しながら、各仮置日数での占有率および移動枚数を取得するようにしてもよい。あるいは、置場運用制約ファイル45から山高さ上限として設定されている数値を読み出し、この山高さ上限と、今後製品置場17に日毎に到着する混在運用が可能な出荷ロットの板状製品の枚数とから定まる最大の仮置日数をもとに、この最大の仮置日数を超えない範囲で仮置日数を変更しながら各仮置日数での占有率および移動枚数を取得するようにしてもよい。また、この場合には、例えば図7に例示したように、各仮置日数に対する占有率の変化や移動枚数の変化をグラフ化して端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。
【0058】
あるいは、占有率の目標値を事前に設定しておき、取得した占有率の値が目標値を超えた仮置日数での占有率および移動枚数のみを端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。この目標値は適宜設定することとしてよいが、例えば、仮置場171を用いた仮置きを行わない場合、すなわち仮置日数が0日の場合の占有率の値を用いる。この場合には、例えば、図7の例では、占有率が図7中に一点鎖線で示すラインよりも高い値となった仮置日数が4日の場合の占有率および移動枚数と、仮置日数が5日の場合の占有率および移動枚数とを端末5に画面表示してユーザに提示するようにしてもよい。
【0059】
また、同様に占有率の目標値を事前に設定しておき、取得した占有率の値が目標値を超えない場合に仮置日数を自動的に変更し(例えば長くし)、変更後の仮置日数についての占有率と移動枚数とを取得するようにしてもよい。そして、取得した占有率の値が目標値を超えた場合に、その仮置日数での占有率および移動枚数を端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。
【0060】
また、占有率に限らず、移動枚数の目標値を事前に設定しておき、取得した移動枚数の値が目標値を超えない仮置日数での占有率および移動枚数を端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。この目標値は、適宜設定してよい。また、同様に移動枚数の目標値を事前に設定しておき、取得した移動枚数の値が目標値を超えた場合に仮置日数を自動的に変更し(例えば短くし)、変更後の仮置日数についての占有率と移動枚数とを取得するようにしてもよい。そして、取得した移動枚数の値が目標値を超えない場合に、その仮置日数での占有率および移動枚数を端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。
【0061】
また、上記した実施の形態では、置場運用制約ファイル45に設定されている仮置日数上限を制約として用い、仮置日数上限を超えない範囲で運用条件とする仮置日数を設定することとした。これに対し、この他の制約として、混在運用が可能な出荷ロットの種類、あるいはこの混在運用が可能な出荷ロットの数の上限を用いることとしてもよい。この場合には、置場運用制約ファイル45において、該当する数値を設定しておけばよい。そして、仮置場171に仮置きする板状製品の出荷ロットを制限し、あるいは、仮置場171において混在させる板状製品の出荷ロットの数を制限して仮置場171に対する板状製品の仮置きを行うようにしてもよい。そして、混在運用が可能な出荷ロットの種類、あるいはこの混在運用が可能な出荷ロットの数を運用条件として用い、該当する数値を超えない範囲で適宜仮置場171に仮置きする板状製品の出荷ロットの種類を変更し、あるいは仮置場171において混在させる板状製品の出荷ロットの数を変更しながら占有率等の将来の在庫状況を表す評価値や移動枚数等のハンドリング量を表す評価値を取得するようにしてもよい。また、実施の形態として上記した仮置日数に加えて仮置場171に仮置きする板状製品の出荷ロットの種類あるいは数を運用条件として用い、これら運用条件をもとに占有率等の将来の在庫状況を表す評価値や移動枚数等のハンドリング量を表す評価値を取得するようにしてもよい。
【0062】
また、上記した実施の形態では、ハンドリング量を表す評価値として移動枚数を例示したが、該当するハンドリング操作に要する時間を算出してハンドリング量を表す評価値として用いることとしてもよい。例えば、予め1枚の板状製品を仮置場171と本置場173との間で移動させるのに要する時間を移動サイクルタイムとして設定しておき、この移動サイクルタイムに移動枚数を乗じたハンドリング作業時間を算出してハンドリング量を表す評価値として用いることとしてもよい。また、この場合には、置場運用制約ファイル45においてハンドリング作業時間の上限を設定しておくようにしてもよい。そして、仮置日数に加えてハンドリング作業時間をさらに運用条件として用い、ハンドリング作業時間がその上限を超えない範囲で仮置日数を適宜変更し、該当する数値を超えない範囲で適宜仮置日数を変更しながら占有率等の将来の在庫状況を表す評価値や移動枚数等のハンドリング量を表す評価値を取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明の製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置は、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場の運用を実現するのに適している。
【符号の説明】
【0064】
1 製造設備
11 圧延機
13 切断機
15 検査装置
17 製品置場
171 仮置場
173 本置場
2 製品置場運用システム
3 置場運用支援処理装置
4 データベース
41 製品情報ファイル
43 在庫状況ファイル
431 製品別状況ファイル
433 置場別状況ファイル
45 置場運用制約ファイル
47 運用指示ファイル
5 端末
6 物流機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼製品の製造設備では、工場内に設けられた製品置場において、最終的に製造された鉄鋼製品を出荷までの間保管する置場運用が行われている。一般に、製品置場は、その床面積を有効活用するため、製品のサイズに応じた広さに区画することでサイズ別の製品置場を設けている。このサイズ別の製品置場の面積割合は、例えば、各サイズの製品比率(プロダクトミックス)を前提に決定される。しかしながら、このプロダクトミックスは、市場ニーズによって変化するため、あるサイズの製品置場が一時的に足りなくなったり、逆に余ったりといったことが発生し得る。
【0003】
ここで、置場内に仮置場を設け、この仮置場を用いた置場運用を行うことで置場の不足に備えたものが知られている。例えば、特許文献1では、保管する物品(例えばコイル)のサイズ毎の置き台または棚を備えた倉庫内に、入庫され得る最大サイズの物品を置くことができる仮受け場を設けている。そして、置き台や棚に空きがないときに仮受け場に物品を一旦保管し、この仮受け場内の物品の入庫先の決定を繰り返し行うことで置き台や棚への物品の入庫制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3913579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、板状の鉄鋼製品(厚鋼板)を扱う製造設備では、製品置場に到着した鉄鋼製品を例えばその出荷先毎に別々の山として段積みして保管する置き場運用が行われている。ここで、このように鉄鋼製品が段積みされる製品置場に仮置場を設け、製品置場に到着した鉄鋼製品を一旦仮置場に段積みして仮置きする置場運用を行えば、仮置きの間その出荷先毎の置場(本置場)を空きの状態とすることができるので、この本置場を別の出荷先の鉄鋼製品の保管に用いることが可能となる。しかしながら、この場合、仮置場に段積みした鉄鋼製品をある時点で本置場に移動させなければならず、このためにクレーン等のハンドリング設備によるハンドリング操作が必要となる。仮置場から本置場へと移動させる鉄鋼製品の枚数が増えればその分ハンドリング操作の量(ハンドリング量)も増大し、結果ハンドリング設備に過剰な負荷がかかることとなる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場の運用を実現することができる製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援方法であって、前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力工程と、前記仮置場の運用条件を設定する条件設定工程と、前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理工程と、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用条件を変更する条件変更工程を含み、前記運用シミュレーション処理工程は、前記運用条件が変更された場合に、該変更後の前記運用条件に従って前記将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記ハンドリング量を表す評価値とを再度取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値とともに、前記運用条件の変更要否の選択依頼の通知を画面表示し、前記条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記運用条件を変更することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記条件変更工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が所定の目標値を超えない場合、または前記ハンドリング量を表す評価値が所定の目標値を超える場合に前記運用条件を変更し、前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が前記所定の目標値を超えた場合または前記ハンドリング量を表す評価値が前記所定の目標値を超えない場合の前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用条件は、前記製品置場に到着した前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きする仮置日数であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用シミュレーション処理工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値として、前記仮置場および/または前記本置場における前記鉄鋼製品の占有率を取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる製品置場の置場運用支援方法は、上記の発明において、前記運用シミュレーション処理工程は、前記ハンドリング量を表す評価値として、前記仮置場から前記本置場へと前記鉄鋼製品を移動させる際の移動枚数を取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる置場運用支援装置は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援処理装置であって、前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力手段と、前記仮置場の運用条件を設定する条件設定手段と、前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理手段と、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する結果出力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、仮置場の運用条件に従って製品置場に到着する鉄鋼製品を仮置きした場合の仮置場および本置場の将来の在庫状況を予測し、この将来の在庫状況を表す評価値と、仮置場に仮置きした鉄鋼製品を本置場に移動させる際のハンドリング量を表す評価値とを提示することができる。したがって、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場の運用を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、鉄鋼製品の製造設備の設備概要を示す図である。
【図2】図2は、製品置場運用システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、仮置きを行わない場合の本置場の在庫状況の推移を示す図である。
【図4】図4は、仮置きを行わない場合の本置場の在庫状況の推移を示す他の図である。
【図5】図5は、仮置きを行う場合の仮置場および本置場の在庫状況の推移を示す図である。
【図6】図6は、仮置きを行う場合の仮置場および本置場の在庫状況の推移を示す他の図である。
【図7】図7は、仮置日数を変化させて仮置場および本置場の将来の在庫状況を繰り返し予測して取得した占有率および移動枚数を示す図である。
【図8】図8は、置場運用支援処理装置が行う置場運用支援処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、製品情報ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図10】図10は、製品別ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図11】図11は、置場別状況ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図12】図12は、置場運用制約ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図13】図13は、運用指示ファイルのデータ構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0018】
先ず、本実施の形態の製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置を適用する鉄鋼製品の製造設備について説明する。図1は、鉄鋼製品の製造設備1の設備概要を示す図である。図1に示すように、鉄鋼製品の製造設備1は、鋼板を圧延する圧延機11と、この圧延機11によって圧延された鋼板を所定の寸法に切断する切断機13と、この切断機13によって切断された鉄鋼製品の検査を行う検査装置15と、検査装置15での検査に合格した鉄鋼製品を保管する製品置場17とがこの順番に直列に設置されて構成され、鉄鋼製品(厚鋼板;以下、「板状製品」と呼ぶ。)の製造を行う。
【0019】
製品置場17は、検査装置15から到着した板状製品を一旦仮置きしておくための仮置場171と、仮置場171を経由して、あるいは検査装置15から到着した板状製品を直接に、その板状製品が出荷されるまでの間本置きしておくための本置場173とを備える。本置場173は、そのスペースが複数に区画され、区画された複数の本置場173のそれぞれにおいて、この本置場173に搬入される板状製品が出荷ロット毎の別々の山として段積みされて保管される。本実施の形態では、例えば、出荷予定日が同じで、需要家や中継基地等の目的地(出荷先)が同じ同種の板状製品群を1つの出荷ロットとし、同一の本置場173において異なる出荷ロットの板状製品が混在しないように置場運用を行う。一方、仮置場171では、板状製品は、出荷ロットの異同に関係なく例えば仮置場171に搬入された順番で段積みされて保管される。この仮置場171についても、適宜複数の仮置場171が設けられる。
【0020】
なお、実際の製品置場17は、仮置場171と本置場173とが明確に区別されたものではない。すなわち、製品置場17は、そのスペースがこの製品置場17に到着する板状製品のサイズに応じて区画されることで複数の置場が設けられた構成となっており、これら複数の置場のうちの1つまたは複数が仮置場171として用いられ、それ以外の複数の置場が本置場173として用いられるようになっている。
【0021】
図2は、本実施の形態における製品置場運用システム2の全体構成例を示すブロック図である。図2に示すように、製品置場運用システム2は、置場運用支援処理装置3と、データベース4と、端末5と、物流機器6とを含み、データベース4、端末5および物流機器6が置場運用支援処理装置3と接続されて互いにデータの送受が可能に構成されている。
【0022】
置場運用支援処理装置3は、CPU、更新記録可能なフラッシュメモリ等のROMやRAM等の各種ICメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記憶媒体といった各種記憶装置、通信装置、表示装置や印刷装置等の出力装置、入力装置、各部を接続し、あるいは外部入力を接続するインターフェース装置等を備えた公知のハードウェア構成で実現でき、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いることができる。この置場運用支援処理装置3は、仮置場171および本置場173における板状製品の搬入出をシミュレーションすることで将来における仮置場171および本置場173の在庫状況の推移を予測し、後述するクレーン等のハンドリング設備のハンドリング量を考慮しつつ目標とする仮置場171および本置場173の在庫状況(空き数)に見合った仮置場171の運用を提案するための処理(置場運用支援処理)を行う。
【0023】
データベース4は、置場運用支援処理に用いるデータを記憶・管理する。このデータベース4には、図8等を参照して後述する製品情報ファイル41、在庫状況ファイル43、置場運用制約ファイル45、運用指示ファイル47が記憶される。
【0024】
端末5は、置場運用支援処理装置3との間でデータ通信を行い、置場運用支援処理装置3が行った置場運用支援処理の結果等を表示する。この端末5は、例えばパソコン等で実現される。
【0025】
物流機器6は、検査装置15での検査を終えて製品置場17に到着した板状製品を仮置場171や本置場173に搬入して段積みするためのクレーン等のハンドリング設備を含む。この物流機器6は、検査装置15に到着した板状製品をハンドリング設備によって仮置場171に搬入して段積み(仮置き)し、あるいは仮置場171に仮置きされた板状製品をハンドリング設備によって本置場173に搬入して段積み(本置き)する。
【0026】
次に、本実施の形態の置場運用支援処理の原理を説明する。簡明な説明のため、以下の原理の説明においては、製品置場17に到着する2つの出荷ロットAおよび出荷ロットBに着目する。ここで、この出荷ロットAおよび出荷ロットBは、それぞれ10枚の板状製品で構成されることとし、これら出荷ロットAの板状製品および出荷ロットBの板状製品が製品置場17に到着する1日当たりの枚数をそれぞれ1枚とする。そして、仮置場171を1つとし、本置場173を2つとして、一方の本置場173を出荷ロットAの保管に用い、他方の本置場173を出荷ロットBの保管に用いることとする。また、各仮置場171および本置場173においてそれぞれ段積み可能な板状製品の上限枚数を10枚とする。なお、実際の置場運用では、仮置場171および本置場173のそれぞれにおいて積み重ねることが可能な山の上限高さを制限している。
【0027】
先ず、仮置場171を用いた板状製品の仮置きを行わなずに、直接2つの本置場173に対してそれぞれ出荷ロットAの板状製品および出荷ロットBの板状製品を個別に段積みしていく場合の各本置場173の在庫状況の推移を説明する。図3は、仮置きを行わない場合において出荷ロットAの板状製品が段積みされる本置場173および出荷ロットBの板状製品が段積みされる本置場173の在庫状況の推移を示す図であり、経過日数に対して、出荷ロットAの本置場173および出荷ロットBの本置場173における山付枚数(該当する本置場173において該当する経過日数の時点で段積みされている出荷ロットAまたは出荷ロットBの板状製品の枚数)を示している。また、図4は、横軸を経過日数、縦軸を山付枚数として、図3に示す各本置場173の在庫状況をグラフ化した図である。
【0028】
図3および図4の例では、経過日数1日目に出荷ロットAの1枚目の板状製品が製品置場17に到着し、出荷ロットAの本置場173に搬入される。そしてその後、1日に1枚ずつ板状製品が搬入されて段積みされていき、出荷ロットAの本置場173は、10日目において出荷ロットAの荷が揃う。そして、出荷ロットAは、荷が揃った2日後の12日目に一括で目的地へと出荷され、11日目における出荷ロットAの本置場173の山付枚数は「0」となり、出荷ロットAの本置場173は空きの状態となる。
【0029】
一方、出荷ロットAの本置場173に対して板状製品の搬入を開始した1日後である経過日数2日目に出荷ロットBの1枚目の板状製品が製品置場17に到着し、出荷ロットBの本置場173に搬入される。この出荷ロットBの本置場173は、11日目に出荷ロットBの荷が揃い、出荷ロットBは、その2日後の13日目に一括で目的地へと出荷される。なお、図3では図示しないが、経過日数14日目における出荷ロットBの本置場173の山付枚数は「0」となり、出荷ロットBの本置場173は空きの状態となる。
【0030】
図3および図4に示すように、仮置きを行わない場合、出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品の各本置場173への搬入期間の前半は、山付枚数が少なく各本置場173における板状製品の占有率が低い。例えば、経過日数1日目〜13日目までの間で各本置場173に1枚以上の板状製品が存在する日の山付枚数を本置場173毎に集計して平均すると6.25(枚/日)となり、各本置場173における占有率は、62.5(%/日)となる。なお、各本置場173に板状製品が存在しない日を集計の分母から除いた理由は、ここでの原理の説明が、製品置場17に到着する板状製品の出荷ロットのうちの出荷ロットAおよび出荷ロットBに着目したものであり、例えば出荷ロットAの本置場173の13日目や出荷ロットBの本置場173の1日目のように空き状態(山付枚数が「0」)の本置場173は、実際には別の出荷ロットの保管のために利用される前提に基づく。
【0031】
ここで、各板状製品の製品置場17内における滞在期間は変わらないため、前述の占有率を高くすることができれば、各本置場173を出荷ロットAや出荷ロットBの保管のために用いる日数を短くできるので、その間各本置場173を別の出荷ロットの板状製品の保管に用いることができ、運用の自由度が増す。
【0032】
次に、図3および図4と同様に経過日数1日目〜10日目までの間出荷ロットAの板状製品が製品置場17に到着し、2日目〜11日目までの間出荷ロットBの板状製品が製品置場17に到着する場合において、仮置場171を用いた板状製品の仮置きを行いながら2つの本置場173を用いて出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を個別に段積み・保管する場合の仮置場171および2つの本置場173の在庫状況の推移を説明する。図5は、仮置きを行う場合における仮置場171、出荷ロットAの本置場173、および出荷ロットBの本置場173の在庫状況の推移を示す図であり、経過日数に対して、仮置場171、出荷ロットAの本置場173、および出荷ロットBの本置場173における山付枚数を示している。また、図6は、横軸を経過日数、縦軸を山付枚数として、図5に示す各仮置場171および本置場173の在庫状況をグラフ化した図である。ここで、例えば、仮置場171において出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を仮置きする仮置日数を「5日」とする。
【0033】
図5および図6に示すように、経過日数1日目では、出荷ロットAの1枚目の板状製品が製品置場17に到着し、仮置場171に搬入される。続く2日目では、出荷ロットAの2枚目の板状製品および出荷ロットBの1枚目の板状製品の2枚が製品置場17に到着し、仮置場171に搬入されて例えば搬入順に段積みされる。本例では、仮置日数が「5日」であるので、5日目までは、日毎に1枚ずつ製品置場17に到着する出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品が仮置場171に搬入されて段積みされていき、5日目の仮置場171の山付枚数は「9」となる。
【0034】
そして、続く6日目は、仮置日数を超過するため、仮置場171に段積みされている板状製品のうち、出荷ロットAの板状製品が出荷ロットAの本置場173に移動されて段積みされ、出荷ロットBの板状製品が出荷ロットBの本置場173に移動されて段積みされる。また、この6日目には、新たに出荷ロットAの6枚目の板状製品および出荷ロットBの5枚目の板状製品が製品置場17に到着するが、これらの板状製品は、仮置場171には搬入されずに、出荷ロットAの板状製品は直接出荷ロットAの本置場173に搬入されて段積みされ、出荷ロットBの板状製品は直接出荷ロットBの本置場173に搬入されて段積みされる。この結果、6日目の出荷ロットAの本置場173の山付枚数は「6」、出荷ロットBの本置場173の山付枚数は「5」となる。この6日目以降の各本置場173の在庫状況は、図3および図4と同じ在庫状況となる。
【0035】
以上のように、仮置場171を用い、仮置日数を「5日」として板状製品の仮置きを行うこととすると、経過日数5日目までは出荷ロットAおよび出荷ロットBの保管に仮置場171のみを用い、2つの本置場173は出荷ロットAおよび出荷ロットBの保管に用いないため、占有率は、72.3(%/日)に上昇する。この結果、図3中にハッチングを付して示すように、山付枚数が「0」であり、該当する仮置場171または本置場173が空きの状態となる日を、図5中にハッチングを付して示す仮置きしない場合と比べて大幅に増やすことが可能となる。したがって、図3および図4に示して説明したように、仮置きを行わない場合に占有率が低くなっていた搬入期間の前半に製品置場17に到着する出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を仮置場171に混在させて仮置きする置場運用を許容すれば、仮置場171および本置場173の占有率を上げることができ、仮置場171や本置場173が空き状態となる日を増やすことができる。
【0036】
ところで、仮置場171を用いた仮置きを行う場合、仮置日数を過ぎた時点で仮置場171から本置場173へと板状製品を移動させる必要がある。例えば、図5および図6の例では、経過日数6日目において9枚の出荷ロットAまたは出荷ロットBの板状製品を順次ハンドリング操作して仮置場171から該当する本置場173へと移動させる必要がある。このように、仮置場171を用いた置場運用では、ハンドリング量、具体的には、仮置場171の板状製品を出荷ロット毎の本置場173へと移動させるために行うハンドリング操作の回数が増大する。
【0037】
したがって、仮置場171を用いた仮置きを行うと、仮置場171および本置場173の占有率を上げることができ、製品置場17のスペースを効率良く利用した置場運用が実現できる反面、ハンドリング設備にかかる負荷が増大する。
【0038】
そこで、本実施の形態では、仮置場171の運用条件として仮置日数を用い、仮置場171および本置場173における板状製品の搬入出のシミュレーションを行う。本例では、仮置場171の上限枚数を10枚とし、出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品が1日に1枚ずつ製品置場17に到着することとしているので、仮置日数は最大で5日間となる。具体的には、仮置日数を超えない間に製品置場17に到着する出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を仮置場171に順次段積みして仮置きし、仮置日数を超えた時点で仮置場171内の板状製品を該当する本置場173に移動させて出荷ロット毎に本置きして、出荷予定日に出荷(本置場173から搬出)することで推移する仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測する。そして、予測した将来の在庫状況を表す評価値として、占有率を算出して取得するとともに、仮置場171内の出荷ロットAおよび出荷ロットBの板状製品を該当する出荷ロットの本置場173に移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値として移動枚数を算出して取得する。
【0039】
図7は、仮置日数を0日〜5日の間で変化させて仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を繰り返し予測することで取得した各仮置日数での占有率および移動枚数を示す図であり、横軸を経過日数として占有率の変化曲線と移動枚数の変化曲線とを示している。また、図7では、比較のために、仮置場171を用いた仮置きを行わない場合、すなわち仮置日数が0日の場合の占有率62.5(%/日)のラインを一点鎖線で示している。
【0040】
図7に示すように、占有率に着目すれば、仮置日数を4日以上とした場合に、仮置きを行わない場合よりも高い値が得られた。具体的には、仮置日数を4日とした場合では、占有率が占有率66.0(%/日)、移動枚数が7枚であった。また、仮置日数が5日の場合は、図5および図6を参照して上記したように、占有率は72.3(%/日)、移動枚数は9枚であり、本例では、占有率6.3(%/日)が移動枚数2枚に相当する。
【0041】
このように、運用条件として仮置日数を用い、この仮置日数を変更(調整)しながら仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測して占有率と移動枚数との関係を取得することで、仮置日数を何日にすれば目標とする仮置場171や本置場173の空き数に見合った占有率が得られるかの判断が可能となる。ここで、目標とする空き数は、予想される製品置場17の混雑具合いによって変わる。例えば、今後製品置場17に到着する予定の板状製品の数が多い、あるいは今後構成枚数の多い出荷ロットが到着することが予定されている等の要因で製品置場17の混雑が予想される場合には、目標とする空き数は増える。このような場合には、仮置日数を長くして占有率を高くすることに重みを置くことで、ハンドリング設備にかかる負荷の増大をある程度許容する。一方、製品置場17が比較的すくことが予想され、製品置場17内の空き状態に余裕がある場合には、ある程度空き数を減らしても置場運用が可能である。このような場合には、仮置日数を短くして占有率を低くし、移動枚数を少なくすることに重みをおくことでハンドリング設備の負荷を低減するようにする。具体的には、例えば図7の例では、占有率および移動枚数のいずれに重みをおくのかによって、仮置日数を4日とする仮置場171の運用および仮置日数を5日とする仮置場171の運用のいずれが最良かを定量的に判断できる。この判断は、例えばユーザが行う。
【0042】
図8は、置場運用支援処理装置3が行う置場運用支援処理の処理手順を示すフローチャートである。置場運用支援処理装置3は、図8の処理手順に従って置場運用支援処理を行うことで置場運用支援方法を実施する。なお、ここで説明する処理は、置場運用支援処理を実現するためのプログラムを例えば置場運用支援処理装置3の記憶装置に記憶しておき、このプログラムを読み出して実行することで実現できる。
【0043】
図8に示すように、置場運用支援処理装置3は、先ず、データ入力手段として、データ入力処理を実行し、データベース4から製品情報ファイル41および在庫状況ファイル43を読み出して入力する(ステップS1)。
【0044】
図9は、製品情報ファイル41のデータ構成例を示す図である。図9に示すように、製品情報ファイル41には、製品置場17に到着する板状製品に固有に割り当てられる製品IDと対応付けて、該当する板状製品の板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)と、出荷予定日と、出荷ロットの識別番号と、この出荷ロットの目的地に割り当てられた目的地コードと、混在運用の可否(可=1/不可=0)とが設定されて登録される。ここで、混在運用の可否は、仮置場171において別の出荷ロットと混在させて仮置きした後、所定の本置場173において出荷ロット毎に本置きする置場運用が可能(可=1)か否か(不可=0)を設定したフラグ情報である。この混在運用が不可(=0)である板状製品については、仮置場171には搬入せずに直接該当する出荷ロットの本置場173に搬入することとなる。
【0045】
また、図8に示すように、在庫状況ファイル43には、製品別状況ファイル431と、置場別状況ファイル433とが記憶される。図10は、製品別状況ファイル431のデータ構成例を示す図である。この製品別状況ファイル431は、現時点で製品置場17内に保管されている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図10に示すように、製品別状況ファイル431には、製品置場17を構成する1つまたは複数の仮置場171および複数の本置場173のそれぞれに固有に割り当てられた置場IDと対応付けて、その置場区分と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の製品IDと、該当する板状製品の出荷ロットと、板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)とが設定されて登録される。置場区分には、対応する置場IDが仮置場171に割り当てられた置場IDなのか、本置場173に割り当てられた置場IDなのか、すなわち、該当する板状製品が現時点でどこにあるのか(仮置場171内なのか本置場173内なのか;本/仮)が設定される。
【0046】
また、図11は、置場別状況ファイル433のデータ構成例を示す図である。この置場別状況ファイル433は、1つまたは複数の仮置場171および複数の本置場173毎に、該当する仮置場171または本置場173に現時点で段積みされている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図11に示すように、置場別状況ファイル433は、置場IDと対応付けて、置場区分と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の合計枚数と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の板厚の合計(山の高さ)と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の幅(置場区分が「仮」の場合は、該当する仮置場171に段積みされている板状製品の最大の幅)と、該当する仮置場171または本置場173に段積みされている板状製品の長さ(置場区分が「仮」の場合は、該当する仮置場171に段積みされている板状製品の最大の長さ)とが設定されて登録される。
【0047】
続いて、図8に示すように、置場運用支援処理装置3は、データベース4から置場運用制約ファイル45を読み出して入力し、制約入力処理を実行する(ステップS3)。図12は、置場運用制約ファイル45のデータ構成例を示す図である。この置場運用制約ファイル45は、仮置場171に対する板状製品の段積みに関する制約を記憶する。具体的には、図12に示すように、置場運用制約ファイル45には、山高さ上限(mm)および仮置日数上限の項目毎に、その数値、具体的には、仮置場171における山の上限高さと、仮置場171の運用条件として用いる仮置日数の上限日数とが設定されて登録される。
【0048】
続いて、図8に示すように、置場運用支援処理装置3は、条件設定手段として、条件設定処理を実行する(ステップS4)。本実施の形態では、仮置場171の運用条件として仮置日数を用いることとしているので、このステップS4の処理では、ステップS3で入力した置場運用制約ファイル45を参照し、仮置日数上限として設定されている数値を超えない範囲で仮置日数を設定する。この仮置日数は、例えば、ユーザ操作に従って設定する。具体的には、置場運用支援処理装置3は、仮置日数の入力を依頼するメッセージを端末5に送信することで端末5に画面表示させ、置場運用制約ファイル45において仮置日数上限として設定されている数値(図12の例では4日)を超えない範囲(例えば0日〜4日)で仮置日数の入力を受け付ける。ユーザは、端末5を操作して所望の仮置日数を入力する。入力された仮置日数は、置場運用支援処理装置3に送信され、置場運用支援処理装置3は、この仮置日数を運用条件として設定する。
【0049】
なお、ここでは、置場運用制約ファイル45に設定されている仮置日数上限を制約として用いることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、置場運用制約ファイル45は、図12に示して説明したように、仮置場171における山の上限高さを設定した山高さ上限を含む。ここで、仮置場171において仮置きが可能な最大の日数は、この山高さ上限と、今後製品置場17に日毎に到着する混在運用が可能な出荷ロットの板状製品の枚数とから定まる。したがって、山高さ上限を制約として用い、この山高さ上限から最大の仮置日数を算出してこの最大の仮置日数を超えない範囲で運用条件とする仮置日数を設定するようにしてもよい。
【0050】
続いて、置場運用支援処理装置3は、運用シミュレーション処理手段として、ステップS1で入力した製品情報ファイル41および在庫状況ファイル43を参照して運用シミュレーション処理を実行し、ステップS4で運用条件として設定した仮置日数に従って仮置場171および本置場173における板状製品の搬入出をシミュレーションする(ステップS5)。具体的には、置場運用支援処理装置3は、仮置日数を超過しない間に製品置場17に到着する板状製品を仮置場171に仮置きし、その後仮置場171の板状製品を本置場173に移動させて出荷ロット毎に本置きして、出荷予定日に出荷(本置場173から搬出)することで推移する仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測し、占有率と移動枚数とを算出して取得する。
【0051】
ここで、占有率は、例えば、次式(1)に従って、仮置場171に仮置きした板状製品を本置きする出荷ロット毎の各本置場173のそれぞれについて算出する。本置場173の平均枚数は、各本置場173において該当する出荷ロットの板状製品が存在する日の山付枚数の合計を、この該当する出荷ロットの板状製品が存在する日数で除した値である。本置場173の最大枚数は、該当する本置場173に段積み可能な最大の枚数である。なお、本置場173毎に山高さ上限が設定されている場合には、この山高さ上限と、該当する出荷ロットの板状製品の板厚とから最大枚数を算出して用いる。また、移動枚数は、仮置日数の間に仮置場171に段積みされる板状製品の枚数を計数して取得する。
本置場173の平均枚数/本置場173の最大枚数×100 ・・・(1)
【0052】
この運用シミュレーション処理の後、置場運用支援処理装置3は、運用条件の変更の要否を判定する。本実施の形態では、例えば、ユーザ操作に従って運用条件の変更要否を判定する。具体的には、置場運用支援処理装置3は、先ず、出力手段として、ステップS5の運用シミュレーション処理の結果取得した占有率および移動枚数をステップS4で運用条件として設定した仮置日数とともに端末5に送信することで端末5に画面表示させ、ユーザに提示する。このとき、運用条件である仮置日数の変更要否の選択を依頼するメッセージを併せて画面表示するようにし、仮置日数の変更指示とともに、仮置日数上限を超えない範囲で仮置日数の入力を受け付ける。これに応答して、ユーザは、提示された占有率および移動枚数を確認し、仮置日数の変更要否を検討する。そして、仮置日数の変更が必要と判断した場合には、端末5を操作して仮置日数の変更指示を入力するとともに、新たな仮置日数を入力する。
【0053】
入力された仮置日数の変更指示および仮置日数は置場運用支援処理装置3に送信され、置場運用支援処理装置3は、条件変更が必要と判定する(ステップS7:Yes)。この場合には、続いて、置場運用支援処理装置3は、条件変更処理を実行し、仮置場171の運用条件を端末5から送信された仮置日数として変更する(ステップS9)。その後は、ステップS5に戻り、変更後の仮置日数に従って再度運用シミュレーション処理を実行する。
【0054】
一方、条件変更の必要がない場合、すなわち、端末5において仮置日数の変更指示が入力されない場合には(ステップS7:No)、置場運用支援処理装置3は、結果出力処理を実行し、ステップS5で行った運用シミュレーション処理の結果をデータベース4に出力して運用指示ファイル47として記録する(ステップS11)。
【0055】
図13は、運用指示ファイル47のデータ構成例を示す図である。図13に示すように、運用指示ファイル47は、製品IDと、出荷予定日と、目的地コードと、出荷ロットと、混在運用の可否と、仮置きした置場IDと、仮置開始日とが対応付けられたデータテーブルである。仮置きした置場IDには、該当する板状製品の仮置きに用いた仮置場171の置場IDが設定される。仮置開始日には、該当する板状製品の仮置きを開始した日付が設定される。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、運用条件として設定した仮置日数に従って製品置場17に到着する板状製品を仮置きした場合の仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測し、仮置場171および本置場173の占有率と、仮置場171に仮置きした板状製品を本置場173に移動させる際の移動枚数とを取得して、例えば端末5に画面表示して提示することができる。したがって、ユーザは、予想される製品置場17の混雑具合い等を判断材料として、今後製品置場17に到着する板状製品を出荷ロット毎に保管するために必要となる仮置場171および本置場173の空き数に見合った仮置日数を決定することができる。これによれば、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する板状製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場171の運用を実現することが可能となる。
【0057】
なお、上記した実施の形態では、ユーザ操作に従って仮置日数を変更しながら仮置場171および本置場173の将来の在庫状況を予測し、仮置日数に応じた占有率および移動枚数を取得することとした。これに対し、置場運用制約ファイル45において仮置日数上限として設定されている数値を超えない範囲で仮置日数を自動的に変更しながら、各仮置日数における占有率と移動枚数とを取得するようにしてもよい。例えば、図12の例では、仮置日数上限が4日であるので、仮置日数を0日〜4日の間で変更しながら、各仮置日数での占有率および移動枚数を取得するようにしてもよい。あるいは、置場運用制約ファイル45から山高さ上限として設定されている数値を読み出し、この山高さ上限と、今後製品置場17に日毎に到着する混在運用が可能な出荷ロットの板状製品の枚数とから定まる最大の仮置日数をもとに、この最大の仮置日数を超えない範囲で仮置日数を変更しながら各仮置日数での占有率および移動枚数を取得するようにしてもよい。また、この場合には、例えば図7に例示したように、各仮置日数に対する占有率の変化や移動枚数の変化をグラフ化して端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。
【0058】
あるいは、占有率の目標値を事前に設定しておき、取得した占有率の値が目標値を超えた仮置日数での占有率および移動枚数のみを端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。この目標値は適宜設定することとしてよいが、例えば、仮置場171を用いた仮置きを行わない場合、すなわち仮置日数が0日の場合の占有率の値を用いる。この場合には、例えば、図7の例では、占有率が図7中に一点鎖線で示すラインよりも高い値となった仮置日数が4日の場合の占有率および移動枚数と、仮置日数が5日の場合の占有率および移動枚数とを端末5に画面表示してユーザに提示するようにしてもよい。
【0059】
また、同様に占有率の目標値を事前に設定しておき、取得した占有率の値が目標値を超えない場合に仮置日数を自動的に変更し(例えば長くし)、変更後の仮置日数についての占有率と移動枚数とを取得するようにしてもよい。そして、取得した占有率の値が目標値を超えた場合に、その仮置日数での占有率および移動枚数を端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。
【0060】
また、占有率に限らず、移動枚数の目標値を事前に設定しておき、取得した移動枚数の値が目標値を超えない仮置日数での占有率および移動枚数を端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。この目標値は、適宜設定してよい。また、同様に移動枚数の目標値を事前に設定しておき、取得した移動枚数の値が目標値を超えた場合に仮置日数を自動的に変更し(例えば短くし)、変更後の仮置日数についての占有率と移動枚数とを取得するようにしてもよい。そして、取得した移動枚数の値が目標値を超えない場合に、その仮置日数での占有率および移動枚数を端末5に画面表示させてユーザに提示するようにしてもよい。
【0061】
また、上記した実施の形態では、置場運用制約ファイル45に設定されている仮置日数上限を制約として用い、仮置日数上限を超えない範囲で運用条件とする仮置日数を設定することとした。これに対し、この他の制約として、混在運用が可能な出荷ロットの種類、あるいはこの混在運用が可能な出荷ロットの数の上限を用いることとしてもよい。この場合には、置場運用制約ファイル45において、該当する数値を設定しておけばよい。そして、仮置場171に仮置きする板状製品の出荷ロットを制限し、あるいは、仮置場171において混在させる板状製品の出荷ロットの数を制限して仮置場171に対する板状製品の仮置きを行うようにしてもよい。そして、混在運用が可能な出荷ロットの種類、あるいはこの混在運用が可能な出荷ロットの数を運用条件として用い、該当する数値を超えない範囲で適宜仮置場171に仮置きする板状製品の出荷ロットの種類を変更し、あるいは仮置場171において混在させる板状製品の出荷ロットの数を変更しながら占有率等の将来の在庫状況を表す評価値や移動枚数等のハンドリング量を表す評価値を取得するようにしてもよい。また、実施の形態として上記した仮置日数に加えて仮置場171に仮置きする板状製品の出荷ロットの種類あるいは数を運用条件として用い、これら運用条件をもとに占有率等の将来の在庫状況を表す評価値や移動枚数等のハンドリング量を表す評価値を取得するようにしてもよい。
【0062】
また、上記した実施の形態では、ハンドリング量を表す評価値として移動枚数を例示したが、該当するハンドリング操作に要する時間を算出してハンドリング量を表す評価値として用いることとしてもよい。例えば、予め1枚の板状製品を仮置場171と本置場173との間で移動させるのに要する時間を移動サイクルタイムとして設定しておき、この移動サイクルタイムに移動枚数を乗じたハンドリング作業時間を算出してハンドリング量を表す評価値として用いることとしてもよい。また、この場合には、置場運用制約ファイル45においてハンドリング作業時間の上限を設定しておくようにしてもよい。そして、仮置日数に加えてハンドリング作業時間をさらに運用条件として用い、ハンドリング作業時間がその上限を超えない範囲で仮置日数を適宜変更し、該当する数値を超えない範囲で適宜仮置日数を変更しながら占有率等の将来の在庫状況を表す評価値や移動枚数等のハンドリング量を表す評価値を取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明の製品置場の置場運用支援方法および置場運用支援処理装置は、ハンドリング量を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な在庫状況に見合った仮置場の運用を実現するのに適している。
【符号の説明】
【0064】
1 製造設備
11 圧延機
13 切断機
15 検査装置
17 製品置場
171 仮置場
173 本置場
2 製品置場運用システム
3 置場運用支援処理装置
4 データベース
41 製品情報ファイル
43 在庫状況ファイル
431 製品別状況ファイル
433 置場別状況ファイル
45 置場運用制約ファイル
47 運用指示ファイル
5 端末
6 物流機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援方法であって、
前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力工程と、
前記仮置場の運用条件を設定する条件設定工程と、
前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理工程と、
前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする製品置場の置場運用支援方法。
【請求項2】
前記運用条件を変更する条件変更工程を含み、
前記運用シミュレーション処理工程は、前記運用条件が変更された場合に、該変更後の前記運用条件に従って前記将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記ハンドリング量を表す評価値とを再度取得することを特徴とする請求項1に記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項3】
前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値とともに、前記運用条件の変更要否の選択依頼の通知を画面表示し、
前記条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記運用条件を変更することを特徴とする請求項2に記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項4】
前記条件変更工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が所定の目標値を超えない場合、または前記ハンドリング量を表す評価値が所定の目標値を超える場合に前記運用条件を変更し、
前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が前記所定の目標値を超えた場合または前記ハンドリング量を表す評価値が前記所定の目標値を超えない場合の前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力することを特徴とする請求項2に記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項5】
前記運用条件は、前記製品置場に到着した前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きする仮置日数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項6】
前記運用シミュレーション処理工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値として、前記仮置場および/または前記本置場における前記鉄鋼製品の占有率を取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項7】
前記運用シミュレーション処理工程は、前記ハンドリング量を表す評価値として、前記仮置場から前記本置場へと前記鉄鋼製品を移動させる際の移動枚数を取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項8】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援処理装置であって、
前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力手段と、
前記仮置場の運用条件を設定する条件設定手段と、
前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理手段と、
前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する結果出力手段と、
を備えることを特徴とする置場運用支援処理装置。
【請求項1】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援方法であって、
前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力工程と、
前記仮置場の運用条件を設定する条件設定工程と、
前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理工程と、
前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする製品置場の置場運用支援方法。
【請求項2】
前記運用条件を変更する条件変更工程を含み、
前記運用シミュレーション処理工程は、前記運用条件が変更された場合に、該変更後の前記運用条件に従って前記将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記ハンドリング量を表す評価値とを再度取得することを特徴とする請求項1に記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項3】
前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値とともに、前記運用条件の変更要否の選択依頼の通知を画面表示し、
前記条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記運用条件を変更することを特徴とする請求項2に記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項4】
前記条件変更工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が所定の目標値を超えない場合、または前記ハンドリング量を表す評価値が所定の目標値を超える場合に前記運用条件を変更し、
前記出力工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値が前記所定の目標値を超えた場合または前記ハンドリング量を表す評価値が前記所定の目標値を超えない場合の前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力することを特徴とする請求項2に記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項5】
前記運用条件は、前記製品置場に到着した前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きする仮置日数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項6】
前記運用シミュレーション処理工程は、前記将来の在庫状況を表す評価値として、前記仮置場および/または前記本置場における前記鉄鋼製品の占有率を取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項7】
前記運用シミュレーション処理工程は、前記ハンドリング量を表す評価値として、前記仮置場から前記本置場へと前記鉄鋼製品を移動させる際の移動枚数を取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の製品置場の置場運用支援方法。
【請求項8】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の置場運用支援処理装置であって、
前記製品置場には、出荷ロットの異なる鉄鋼製品の混在を許容して前記鉄鋼製品が段積みされる仮置場と、前記鉄鋼製品が前記出荷ロット毎に別個に段積みされる本置場とが設けられ、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の少なくとも前記出荷ロットおよび該出荷ロットとして前記製品置場から出荷される出荷予定日を含む製品情報と、前記仮置場および前記本置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況とを入力するデータ入力手段と、
前記仮置場の運用条件を設定する条件設定手段と、
前記運用条件に従って前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品を前記仮置場に仮置きしながら前記本置場において前記鉄鋼製品を前記出荷ロット毎に本置きすることで推移する前記仮置場および前記本置場の将来の在庫状況を予測し、前記将来の在庫状況を表す評価値と、前記仮置場に仮置きされた前記鉄鋼製品を前記本置場へと移動させるのに必要なハンドリング量を表す評価値とを取得する運用シミュレーション処理手段と、
前記将来の在庫状況を表す評価値および前記ハンドリング量を表す評価値を出力する結果出力手段と、
を備えることを特徴とする置場運用支援処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−71974(P2012−71974A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219905(P2010−219905)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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