説明

製袋充填包装機の折り目付け装置

【課題】筒状フィルムに対して比較的大きな製袋チューブを使用し、正確且つ鮮明に折り目を付ける。
【解決手段】製袋チューブ2の周方向の4箇所に長孔11を設け、突起部13を有する突起板12を着脱可能に装着する。各突起部13に対向してヒータブロック14を有するヒータ部30を備える。ヒータブロック14はヒータ面と角部を有し、ヒータ位置調整機構16によってX−Y軸方向に位置調整可能にする。突起部13及びヒータ面とヒータブロック14の角部とによって、製袋チューブを通過する筒状フィルムを挟んで折り目を形成する。その際、突起部は断面三角形とし、筒状フィルムを挟んでヒータブロック14の接触面に線接触し、筒状フィルムの送り抵抗を小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包材を製袋して例えばガセット袋等の各種の袋を製袋し、好ましくは製袋の過程で袋内に粉体や粒体等の各種内容物を充填して封止等するようにした製袋充填包装機の製袋工程において、包材に折り目を形成するようにした折り目付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製袋充填包装機として例えば特許文献1、2、3に記載されたものがある。
特許文献1に記載された製袋充填包装機では、フィルムをフォーマーに供給する前段階で筋目付与装置に通すことでフィルムに筋目を付けている。そしてフォーマにフィルムを供給して製袋することになる。
特許文献2に記載の製袋充填包装機では、製袋充填包装機の製袋用筒体の角筒部に沿って角筒状に巻きつけた筒状ウエブが、角筒部の角部から突出するV形突起と対向するローラのV形溝との間を通過することで、V形突起とローラのV形溝とで筒状ウエブを挟み込んで外方に鋭角に折り曲げて折り目を形成するようにしている。
また、特許文献3に記載の充填包装機では、筒状に成形されたフィルムが製袋機構の筒部を通って下降する給送する過程で、折曲案内具の案内片頂部と摺接して隅角部が形成される。そして、更に筒状フィルムの隅角部はローラ成形具における二つのコロで弾性的に加圧挟持され、2つ折りされた折曲縁部が折り目線となる。
【特許文献1】実開平7−11509公報
【特許文献2】特開平9−95319公報
【特許文献3】特開昭55−163109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の筋目付与装置では、製袋前のシート状態でフィルムに折り目を形成するために、その後に筒状に製袋すると折り目の位置が周方向にずれてしまうことがあるという不具合があった。また、特許文献2記載のものでは、角形充填筒を用いてフィルムに折り目を形成するために、円筒形充填筒と比較して筒状フィルムの内側で充填物を供給する充填筒(オーガ)の径が小さくなり、単位時間当たりの充填量が低減するために製袋充填速度の高速化に向かなかった。
特許文献3に記載の製袋充填機では、充填筒の案内片で形成された筒状フィルムの隅角部を2つのコロで挟み込むため、その分だけ筒状フィルムに幅寸法の余裕が必要になり、相対的に充填筒の直径を小さくしなければならなかった。すると、それに伴って充填筒の直径も小さくなり、充填速度が遅くなる欠点があった。更に筒状フィルムのサイズ変更をする場合には、充填筒と共に案内片を交換し、4隅のコロの位置もそれぞれ変更しなければならず、その調整に手間がかかるという不具合もあった。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて、正確且つ鮮明に折り目を付けられて内容物の充填速度を向上させるようにした製袋充填包装機の折り目付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による折り目付け装置は、包材を製袋チューブに沿って筒状包材に形成し、該筒状包材の側面に折り目を形成するようにした製袋充填包装機の折り目付け装置において、製袋チューブの側面に設けられている突起部と、筒状包材を介して突起部に当接するヒータとを備え、突起部とヒータによって通過する筒状包材を挟んで折り目を形成するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、製袋チューブに設けた突起部に筒状包材を介してヒータを当接させて、筒状包材に折り目を付けて加熱することで、先鋭な折り目付けを行うことができる。しかも、折り目付けに際して製袋チューブを比較的大きくできて内容物の充填速度を高めることができる。
【0006】
また、ヒータは突起部に当接するヒータ面と該ヒータ面の角部とを備えており、突起部はヒータ面の角部から微少距離離れたヒータ面で筒状包材の搬送方向に線接触して折り目を形成することが好ましい。
折り目付けに際して、筒状包材には突起部とヒータ面の角部とで微少間隔の二本の折り目が形成されることになり、二本の折り目は微少間隔のために1本の折り目線に見える。そのため突起部とヒータ面とで折り目線を作る際に、突起部と角部で筒状包材を挟持する場合と比較して筒状包材を損傷させない。また筒状包材が柔軟なために一方の折り目線が不十分であっても他方の折り目線で折り目を確保できる。しかも、筒状包材を二つのコロで挟んだり、V字の凸部と凹部で嵌合したりしないで折り目を形成できるため、筒状包材を搬送しつつ折り目付けをする際に搬送抵抗と摩耗を少なく、鮮明な折り目を形成できる。
また、製袋チューブには装着孔が形成され、突起部は突起部材に形成され、該突起部材には装着孔に係合する係合部を設けることが好ましい。突起部材を着脱交換することによって、筒状包材に形成する折り目位置を変更できる。
また、突起部材には突起部が複数設けられていると共に、ヒータを複数の突起部のいずれかに選択的に当接するように位置調整する位置調整手段を備えていてもよい。
複数の突起部のいずれかを選択して、これにヒータが当接するように位置調整手段を操作すれば、製袋チューブを交換することなく袋のサイズや折り目位置や袋底形状の変更等に対応した折り目を形成できる。
また、製袋チューブには装着孔が複数形成され、該装着孔には突起部材に代えて、突起部を設けない閉鎖部材を製袋チューブに装着可能としてもよい。
全ての突起部材を閉鎖部材に取り替えることで折り目を付けない筒状包材を形成でき、例えばガセット袋から平袋に変更して製袋する場合でも、製袋チューブを交換しなくても製造できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、筒状包材の形成後に折り目を形成するから、製袋の過程で折り目位置がずれることがなく正確に形成できる。しかも、製袋チューブを筒状包材と共に略円筒形状に形成することができるため、製袋チューブを角筒状にする場合よりも大きく設定できて充填作業を高速化できる。また、折り目の形成に際してコロで包材を挟むこともないので、折り目形成のために筒状包材の幅方向長さを取られることが少なく筒状包材の内部空間を確保でき、製袋充填速度を高速化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態による製袋充填包装機を図1乃至図8により説明する。図1は本発明の実施の形態による製袋充填包装機の斜視図、図2は図1に示す製袋充填包装機の折り目付け装置部分の正面図、図3は図2に示す折り目付け装置の水平断面図、図4は製袋チューブに装着する突起板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、図5は図3のA方向矢視図、図6は図3のB方向矢視図、図7は突起部とヒータブロックの位置関係を示す部分水平断面図、図8は図7のC部拡大図である。
図1に示す製袋充填包装機1は、例えば断面略円形をなす製袋チューブ2が上下方向に配設され、製袋チューブ2の上部近傍にはフィルムf′(包材)を円筒形状に形成する製袋ガイド3が取付けられている。製袋チューブ2の外周面と製袋ガイド3の内周面との間にはフィルムf′を通過させる平面視略円形状の空間が設けられている。
製袋チューブ2において、製袋ガイド3の下方には筒状フィルムfの四隅に折り目を形成するための折り目付け装置4と、筒状フィルムの両端縁を縦シールするための縦シーラ5とが設けられている。そして、その下方には製袋チューブ2の外周面に沿って、筒状フィルムfを吸着して間欠的(または連続的)に下方に繰り出し搬送するための繰り出しベルト6が設けられている。
【0009】
繰り出しベルト6の下方には、製袋チューブ2の下端の下側に角筒状に形成されたフィルムfの下端(及び上端)を平板状に折り畳んで角筒状の袋Fとするためのガセット爪8が設けられ、その下側には袋Fの上下を水平方向に横シールする横シーラ9と横シール部の中間を水平方向に切断するカッタ(図示せず)とが設けられている。
なお、図1に示す製袋充填装置1は、製袋チューブ2内を通して底部を横シールされた袋F内に内容物を搬送充填するようになっている。内容物として粉粒体を充填する場合には袋F内の底部まで製袋チューブ2が延びている。
本実施の形態によって製造される内容物を充填した袋Fは、図1に示すように略四角筒形状で上部と底部に横シール部101、102,側面に縦シール部103が形成されて密封されている。そして、側面の四つの角部には外側に突出する折り目104がそれぞれ形成され、角筒部分の対向する二つの側面において、角部をなす二つの折り目104,104間には内側に突出する折り目105が形成されている。
【0010】
次に折り目付け装置4について図2乃至図8により説明する。
図2及び図3に示す折り目付け装置4において、製袋チューブ2における製袋ガイド3の下側には、周方向の所定間隔に複数、例えば4つの長孔11(装着孔)がそれぞれ上下方向に延びて穿孔されている。各長孔11には突起板12が嵌合されている。
突起板12は、図4に示すように長円板状で、上面には断面視で例えば直角三角形状の突起部13が突出形成され、上面の両側に設けた係止部12a、12aは長孔11の幅よりも若干広く形成されている。また、突起板12の長手方向の両端部には上面より一段下がる段差部12b、12cが形成されている。一方の段差部12bは他方の段差部12cより長い寸法に設定され、重力方向上側に位置する。
【0011】
そして、突起板12は製袋チューブ2の長孔11に嵌合された状態で、上面の両係止部12a,12aは長孔11の両側に係止され、段差部12b、12c(係合部)は長孔11の両端部の内側に当接した状態で係止される。長孔11は突起板12から段差部12bを除いた長さより長く、段差部12cを除いた長さより短い。突起板12の装着に当たっては長い方の端部12bから先に長孔11内に挿入し、重力方向に下げて係止させる。
そして、図3に示すように、製袋チューブ2の4つの長孔11に装着した各突起板12の突起部13に対向する位置にはヒータブロック14が接離可能(進退可能)に配設されている。ヒータブロック14は、突起部13の長手方向に沿って棒状または板状に形成されている。そのため、製袋チューブ2の外周を降下する筒状フィルムfは、各突起部13に接触して通過する際に、突起部13とヒータブロック14とに挟持・押圧されると共にヒータ14の輻射熱によって筒状フィルムfの外側に略V字状に突出する折り目104が付けられることになる。
ヒータブロック14は、例えば図7,図8に示すように例えば直角をなすヒータ面14aと側面14bとの交差部に角部14cを有しており、ヒータ面14aに対して筒状フィルムfを挟んで突起部13が角部14cと微少間隔Dだけ離れた位置で線接触して折り目104を形成する。折り目104は、突起部13と角部14cとで形成される2条の線からなるが、間隔Dが微少なのでほぼ一本の線のように見える。また間隔Dがあることで突起部13と角部14cの位置の誤差等に対応できる。しかも、突起部13とヒータ面14aとで筒状フィルムfを挟んで折り目を形成する場合と比較して、筒状フィルムfの変形が集中しないので筒状フィルムfを傷めない。その際、突起部13の逃げ面はヒータ面14aに対して逃げ角θを以て離間するよう傾斜している。この逃げ角θによって筒状フィルムfの送り抵抗を低減している。
【0012】
次に折り目付け装置4のヒータ位置調整機構16(位置調整手段)について図2,3,5、6により説明する。
図3及び図5に示すヒータ位置調整機構16において、製袋チューブ2の一方の側面には上下方向に2本のガイドロッド17,18が略平行に配設され、その両端は製袋充填包装機1の全体フレーム21a、21bに固定された固定板19、20に支持されている。図3において、2本のガイドロッド17,18に直交する方向には、製袋チューブ2を挟んで、それぞれ2つのヒータブロック14,14を支持する一対のヒータユニット23、23が対向して配設されている。しかも各ヒータユニット23は図5に示す二つの軸受24a、24bによってガイドロッド17、18に摺動可能に保持されている。
また、図3において、各ヒータユニット23は、二つの軸受24a、24bがガイドロッド17,18に直交する方向に延びるステー25に連結されている。ステー25は平面視で略コの字形に形成され、コの字形の両側腕部25a、25bには回転軸27が回転可能に嵌挿されている。しかもこの回転軸27は両側腕部25a、25bを外れない範囲で軸方向に移動可能とされている。
【0013】
各回転軸27には互いに離間する二つの逆ねじで形成された雄ねじ部27a、27bが形成され、これら雄ねじ部27a、27bにはそれぞれナット部28a、28bが螺合している。更に各ナット部28a、28bにはホルダ部29,29が連結されている(図6参照)。各ホルダ部29,29にはシリンダ32、32が固着され、各シリンダ32のアーム部32a、32aには上述したヒータブロック14、14が連結されている。
そして回転軸27の一端に固着した調整グリップ33を回転させることで、ナット部28a、28b及びホルダ部29,29、シリンダ32、32及びヒータブロック14、14からなるヒータ部30、30が互いに接近または離間する方向に移動する。これによって各突起部13に対するヒータブロック14のY軸方向位置を調整できる。
【0014】
また、図2において、ステー25に連結したホルダには略L字状のアーム35が揺動可能に接続され、その先端部には突起円板36(第二突起部材)が回転自在に支持されている。突起円板36はその外周面に断面略三角形の突起部36a(第二突起部)が全周に亘って突出して形成されている。そして、突起円板36に対向する製袋チューブ2の表面には筒状フィルムfを挟んで突起部36aを受入れるV溝37が上下方向に形成されている(図7参照)。この突起円板36は、図3に示すように製袋チューブ2を挟んで対向して一対配設され、しかも隣合う突起部13、13間の中央部の下側に設けられている。
そのため、製袋チューブ2の外周面を降下する筒状フィルムfについて、隣接する二つの突起部13、13及び一対のヒータ部30のヒータブロック14、14とで、外側に凸をなす折り目104,104を形成した後、その中間に突起円板36の突起部36aと製袋チューブ2のV溝37とで内側に凸をなす折り目105を形成することになる。
【0015】
また、図6に示すヒータユニット23において、回転軸27を挟んでその上下に2本の支持ロッド39、40が平行に配設され、それぞれステー25の両側腕部25a、25bに支持されている。支持ロッド39、40は各ホルダ部29、29内部の貫通孔に装着された軸受41、41に嵌挿されており、各ホルダ部29、29を支持ロッド39、40に沿って摺動に支持している。
また、回転軸27の調整グリップ33側の腕部25aには、回転軸27で支持された各ホルダ部29を微少移動させるための移動グリップ42付きの軸部43が回転可能に支持されている。そして、この軸部43に形成された雄ねじ部43aに押動部材44が螺合している。押動部材44は回転軸27に設けた段部27cとストップリング27dに挟まれて回転軸27に固定されている。そして、移動グリップ42を回転させることで押動部材44を回転軸27の長手方向に移動させると、回転軸27が押動されてヒータ部30、30を製袋チューブ2の径方向に横移動させて位置調整を行うことができる。
なお、移動グリップ42に設けたロックレバー45は回転軸27及び一対のヒータ部30,30を適宜位置で固定するために軸部43をロックするものである。同様に回転軸27の回転および位置をロックするロックレバー46が腕部25a近傍に設けられている。
【0016】
また、図3において、各ヒータユニット23に設けたステー25には、ガイドロッド17,18と略平行なガイドロッド48の一端が連結され、他端は固定板19、20内の孔19a、20aを貫通して摺動可能に支持されている。そのため、各ヒータユニット23を手動操作で押動することで、ガイドロッド17,18及び固定板19,20の孔19a、20aに沿って製袋チューブ2を挟んでX軸方向に接近または離間させることができる。
これによってヒータユニット23、23の間隔を調整することができる。しかも図6に示すように、各ヒータユニット23にはガイドロッド18にヒータユニット23を係脱するためのロックレバー49がステー25の外側にそれぞれ取り付けられている。ロックレバー49はガイドロッド18を挟持する部材で構成され、ガイドロッド18に対して、締め込むことで各ヒータユニット23を固定し、緩めることで各ヒータユニット23と一体に移動可能となる。
また、各ヒータユニット23のステー25には、ガイドロッド17,18と平行にL字ホルダ50が設けられ、L字ホルダ50の自由端部側には目盛り部51が設けられている(図5参照)。この目盛り部51は例えば固定板19、20をそれぞれ基準として、手動操作する各ヒータユニット23のX軸方向の移動量即ちヒータユニット23、23の製袋チューブ2を挟む距離を測定し調整可能としている。
【0017】
本実施の形態による製袋充填包装機1の折り目付け装置4は上述の構成を備えており、次にその作用を説明する。
先ず最初に、製袋充填包装機1で連続的に製造される袋Fに縦方向の折り目104,105を形成するため、折り目付け装置4の調整を行う。図4及び図7に示すように、製袋チューブ2の4つの長孔11に所定間隔に折り目104を形成するための突起板12をそれぞれ装着する。各突起板12は長孔11内に両端部12b、12cが順次挿入されて内側に当接し、長孔11の外側両側に係止部12a、12aを係合させることで製袋チューブ2に装着する。さらに突起板12、12の間には、折り目105を形成するために突起部36aを設けた突起円板36が製袋チューブ2を挟んで対向する位置に配設されている。
【0018】
次に、図3及び図5において製袋チューブ2を挟んだ一対のヒータユニット23、23のロックレバー49,49の締め込みを緩めて、手動操作によって各ヒータユニット23、23をガイドロッド17、18と固定板19,20の貫通孔19a、20aに挿通されたガイドロッド48、48とでガイドして互いに接近または離間する方向に移動する。そして、製袋チューブ2の各突起部13に対するヒータブロック14の距離(図3でX軸方向)を調整して設定する。
この場合、突起部13、13の外側(Y軸方向)に各ヒータユニット23のヒータブロック14、14のヒータ面14a、14aが対向して位置するようにする(図3参照)。そして、ロックレバー49,49を締め込むことで、各ヒータユニット23,23をガイドロッド17,18に対して位置決め固定する。
【0019】
次に、シリンダ32をON作動させ、ヒータブロック14が突出した状態で各ヒータユニット23、23の調整グリップ33、33を回転させることで、回転軸27の逆ねじをなす雄ねじ部27a、27bに噛合するナット部28a、28b及びホルダ部29,29が互いに接近する方向に移動させる。すると、これと一体にシリンダ32、32、ヒータブロック14、14が移動し、ヒータ面14a、14aを突起部13、13に当接させる(図7参照)。このとき、一方のヒータブロック14は突起部13に当接するが、他方のヒータブロックが他の突起部13に当接しない場合には、一対の突起部13,13に対してヒータブロック14、14が位置ずれしていることになる。
この場合には、図5及び図6に示す移動グリップ42を回転操作することで、連動する押動部材44によって回転軸27をその長手方向に移動させる。これによって、一対のヒータブロック14、14を連動させることになり、一対の突起部13、13に対する各ヒータブロック14,14の相互間隔がそれぞれ同等になるように調整する。
このようにして、製袋チューブ2から径方向外側に突出する4つの突起部13と4つのヒータブロック14のヒータ面14aが図7に示すように筒状フィルムfを挟んでそれぞれ正確に当接するように設定できる。
【0020】
この状態で、製袋充填包装機1を駆動させる。すると、図1において、フィルムロールから繰り出されたシート状の連続するフィルムfは、製袋ガイド3で折り曲げられて製袋チューブ2との間を通過することで、円筒状フィルムfに成形される。これに先だって、各ヒータ部30のシリンダ32をOFF作動させて、製袋チューブの各突起部13からヒータブロック14のヒータ面14aを離間させておく。
そして、繰り出しベルト6を間欠作動させて、筒状フィルムfが製袋チューブ2の外周面を走行して各突起部13とヒータブロック14のヒータ面14aとの間に位置する状態で停止させる。このとき、図7に示すように、突部円板36の突起部36aは筒状フィルムfを挟んで製袋チューブ2のV溝37内に押圧する。また、シリンダ32をON作動させることでヒータブロック14を前進させ、ヒータ面14aは筒状フィルムfを突起部13と挟持する。
その後は、繰り出しベルト6を間欠的に作動させることで、筒状フィルムfは下方に引張られ、図8に示すように、突起部13とヒータブロック14のヒータ面14aとで挟持して折り目104aを形成する。これと同時にヒータブロック14の角部14cによっても折り目104bが形成される。これら2本の折り目104a、14bは微少間隔Dであるために、目視では1本の折り目104に見えて見栄えがよい。
しかも、各ヒータブロック14の輻射熱で折り目104a、bが定着する。このときヒータ面14aに対して突起部13は逃げ面θを有しているために、折り目104a付近の筒状フィルムfに過度の摩擦負荷がかかることはなく、スムーズに搬送される。また、対向する一対の突部円板36の突起部36aと製袋チューブ2のV溝37とで、筒状フィルムfは内側に凸をなす折り目105が形成される。
【0021】
このようにして、筒状フィルムfは、4つの角部に相当する位置に折り目104を形成し、且つ2つの折り目104,104の中間で折り目105を形成しながら、間欠搬送される。
そして図1に示すように、次工程で、縦シーラ5によって搬送される筒状フィルムfの両端縁部に縦シール103が形成される。更に筒状フィルムfの送りを一時停止させた状態で横シーラ9によって横シールすると共にその中間をカッタで切断する。切断された横シール部の下部は先に製造された袋Fの上面シール部101となり、上部の横シール部は次に製袋する袋Fの底部シール部102になる。そして、底部シール部102を形成された袋Fの上部開口内に製袋チューブ2を通して内容物が充填される。更に次の横シールとカッタによる切断で角筒状の袋Fが製袋される。
【0022】
上述のように本実施の形態による製袋充填包装機1によれば、筒状フィルムfの形成後に折り目104、105を形成するから、製袋の過程で折り目位置がずれることがなく正確に形成できる。しかも、略円筒形状の製袋チューブ2を用いて筒状フィルムfを円筒状に形成するため、内容物を袋F内に充填するオーガとしての製袋チューブ2を角筒状のものよりも大きく設定できて充填作業を高速化できる。
しかも折り目104の形成に際してコロでフィルムを挟むこともないので筒状フィルムfの幅方向寸法に余裕があり、比較的大径の製袋チューブ2を使用でき、この点からも製袋充填速度を高速化できる。折り目104は微少間隔Dの2本の折り目104a、bによって形成されているために、折り目付けのために筒状フィルムfの損傷が少ない。突起部13とヒータ面14aの角部14cに多少の間隔誤差があっても吸収できる。また、筒状フィルムfの柔軟性が高くて折り目が付きにくくてもも2本の折り目104a、bのいずれかを形成することができる。
また、袋Fのサイズ変更を行う際にも、突起板12を交換すると共にヒータ部30の位置調整を行うことで対応できる。更に突起板12を後述する閉鎖板61に交換すると共にヒータ部30を退避位置に移動させることにより、製袋チューブ2を交換することなく平袋を製造できる。
【0023】
次に本実施の形態による折り目付け装置4のヒータ位置調整機構16の変形例について図9及び図10により説明するが、上述の実施の形態と同一または同様の部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
図9は第一の変形例による製袋チューブ2の要部水平断面図である。本第一変形例による折り目付け装置54は、袋Fの折り目104の位置を変更できる構成を備えている。図中、製袋チューブ2の長孔11に突起板55が装着されている。突起板55は図4に示す第一の実施の形態による突起板12と同様の形状を有しており、しかも突起板55の表面には複数本、図では3本の突起部56、57,58が互いに平行に突出形成されている。
各突起部56、57、58は断面視略三角形状をなし、突起板55の長手方向に延びている。突起板55を長孔11に装着した状態で、各突起部56,57,58は製袋チューブ2の周方向に所定間隔をおいて配列されている。
そのため、各ヒータブロック14のX−Y軸方向位置をヒータ位置調整機構16によって調整することによって、突起部56,57,58のいずれかとヒータブロック14のヒータ面14aとを筒状フィルムfを介して当接させることができる。これによって、袋Fの折り目104の形成位置を適宜選択できる。
なお、1つの突起板55に形成する突起部は1本または3本に限定されることなく、2本または4本以上でもよい。
【0024】
上述した第一の変形例によれば、複数の突起部56,57,58を有する突起板55が製袋チューブ2の周方向の適宜の複数箇所、例えば4箇所に設けられ、当接するヒータブロック14の位置を調整して選択することで、製袋チューブ2を交換することなく袋Fの折り目104の位置を変更でき、袋底形状を変更できる。
【0025】
また、図10は本実施の形態の第二変形例による製袋チューブ2の要部水平断面図である。本第二変形例による折り目付け装置60は、折り目104の位置を変更できる構成を備えている。図中、製袋チューブ2には製造すべき袋に形成する折り目104の数の複数倍の長孔11が周方向に穿孔されている。そして、袋底形状に対応する位置の長孔11に突起板12または55を装着し、その他の長孔には突起部のない略平板状の閉鎖板61(閉鎖部材)がそれぞれ装着されている。そしてヒータブロック14の位置を突起板12または55に対応する位置に設定する。
これにより、製袋チューブ2を変更することなく袋底形状を変更できる。
【0026】
なお、上述した実施の形態では、突起部13を有する突起板12を製袋チューブ2の長孔に着脱可能に装着するようにしたが、本発明はこのような構成に限定されることなく、製袋チューブ2の周囲に突起部13を直接形成するようにしてもよい。この場合でも製袋チューブ2の周囲の4箇所に突起部13を形成する際に、それぞれ2以上の複数の突起部13を配列・形成すれば、ヒータ14の位置を調整することで当接する突起部13を選択でき、袋サイズや袋底形状を変更できる。
また、上述の実施の形態では、ヒータブロック14と突起部13によって微少間隔の二本の折り目104a、104bを形成して1本の折り目104に見えるようにしたが、本発明はこのような構成に限定されない。ヒータブロック14と突起部13によって1本の折り目104を形成してもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態による製袋充填包装機の斜視図である。
【図2】図1に示す製袋充填包装機の折り目付け装置の正面図である。
【図3】図2に示す折り目付け装置の水平断面図である。
【図4】製袋チューブに装着する突起板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】図3のA方向矢視図である。
【図6】図3のB方向矢視図である。
【図7】突起部とヒータブロックの位置関係を示す部分水平断面図である。
【図8】図8は図7のC部拡大図である。
【図9】突起部の第一変形例を示す製袋チューブの要部水平断面図である。
【図10】突起部の第二変形例を示す製袋チューブの要部水平断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 製袋充填包装機
2 製袋チューブ
4、54、60 折り目付け装置
11 長孔(装着孔)
12、55 突起板(突起部材)
13、56,57,58 突起部
14 ヒータブロック(ヒータ)
14a ヒータ面
14c 角部
16 ヒータ位置調整機構(位置調整手段)
30、60 ヒータ部
61 閉鎖板(閉鎖部材)
f 筒状フィルム(筒状包材)
f′ フィルム(包材)
F 袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を製袋チューブに沿って筒状包材に形成し、該筒状包材の側面に折り目を形成するようにした製袋充填包装機の折り目付け装置において、
前記製袋チューブの側面に設けられている突起部と、前記筒状包材を介して突起部に当接するヒータとを備え、前記突起部とヒータによって通過する筒状包材を挟んで折り目を形成するようにしたことを特徴とする折り目付け装置。
【請求項2】
前記ヒータは、前記突起部に当接するヒータ面と該ヒータ面の角部とを備えており、
前記突起部は、ヒータ面の角部から微少距離離れたヒータ面で筒状包材の搬送方向に線接触して折り目を形成することを特徴とする請求項1に記載の折り目付け装置。
【請求項3】
前記製袋チューブには装着孔が形成され、前記突起部は突起部材に形成され、該突起部材には前記装着孔に係合する係合部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の折り目付け装置。
【請求項4】
前記突起部材には突起部が複数設けられていると共に、前記ヒータを複数の突起部のいずれかに選択的に当接するように位置調整する位置調整手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の折り目付け装置。
【請求項5】
前記製袋チューブには前記装着孔が前記折り目の数の整数倍形成され、前記突起部材を装着しない装着孔には突起部を設けない閉鎖部材を装着したことを特徴とする請求項3または4に記載の折り目付け装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−103718(P2006−103718A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290213(P2004−290213)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】