説明

製袋包装機

【課題】本体内部へのアクセスを容易にする製袋包装機を提供する。
【解決手段】物品をフィルムで連続的に袋状に包装する製袋包装機1において、本体2の後面に開口が設けられており、この開口を開閉するベース部材21を備える。そして、このベース部材21に、フィルムロールRを支持するロール支持ユニット3を取り付ける。その場合、ベース部材21を、水平面内で一側辺に設けられた支点3aを中心に操作面側Sに近寄るように矢印c方向に開く構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をフィルムで連続的に袋状に包装する製袋包装機に関し、物品包装の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポテトチップス等の物品をフィルムで連続的に袋状に包装する製袋包装機において、整備や保守を容易にする構成が知られており、例えば特許文献1に開示のものがある。この製袋包装機では、本体フレームの前面開口を開閉する扉が備えられ、この扉を開閉することで本体内部にアクセス可能とされており、内部に設置されてフィルムを帯状から筒状に成形するフォーマを取り外すことができるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−41576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したような製袋包装機には、駆動機構や制御機器を収容する本体周りに、この製袋包装機を構成するフィルムロール支持ユニットや電装ボックス等が組み付けられることがあり、例えば保守のために本体内部にアクセスするには、前記ユニットやボックスを取り外す必要があり、アクセスは容易ではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、本体内部へのアクセスを容易にする製袋包装機の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0007】
まず、請求項1に記載の発明は、物品をフィルムで連続的に袋状に包装する製袋包装機であって、本体の側面に開口が設けられていると共に、該開口を開閉する蓋部材が備えられており、該蓋部材に、当該製袋包装機を構成するユニットが取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の製袋包装機において、前記蓋部材は、水平面内で一側辺を支点に開閉することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の製袋包装機において、前記開口が設けられた側面と直交する一方の側面が当該製袋包装機の操作面とされており、前記蓋部材の支点は、該操作面側とは反対側に設定されていることを特徴とする。
【0010】
一方、請求項4に記載の発明は、前記請求項2に記載の製袋包装機において、前記開口が設けられた側面と直交する一方の側面が当該製袋包装機の操作面とされており、前記蓋部材の支点は、該操作面側に設定されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の製袋包装機において、前記操作面は、水平面内で前記蓋部材側の側辺を支点に開閉自在とされており、該操作面の支点は、前記蓋部材の支点を用いて構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項2に記載の製袋包装機において、前記ユニットは、フィルムロールを支持するロール支持ユニットであって、フィルムロールを支持する蓋部材が、水平面内で一側辺を支点に開閉することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の製袋包装機において、前記ロール支持ユニットは、フィルムロールを片持ち状に支持する水平方向の支持軸を有しており、該支持軸の基端部が、前記蓋部材の支点とは反対側の揺動端側に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項2から請求項7のいずれかに記載の製袋包装機において、前記蓋部材の支点とは反対側の揺動端の下面に、該蓋部材の開閉時に当該製袋包装機の設置床面との間で接地抵抗となる接地抵抗部材が備えられていることを特徴とする。
【0015】
そして、請求項9に記載の発明は、前記請求項2から請求項8のいずれかに記載の製袋包装機において、前記蓋部材の支点とは反対側の揺動端側の内面と前記本体内部の対応位置とに、前記蓋部材を閉じたときに互いに係合することにより、該蓋部材を本体に対して上下方向に位置決めする位置決め機構が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
まず、請求項1に記載の発明によれば、本体の側面の開口を開閉する蓋部材が備えられているので、この蓋部材を開閉することで、開口から本体内部に容易にアクセスすることができる。その場合、蓋部材にユニットを支持させるので、ユニットを支持するための部材を省略することができる。
【0017】
次に、請求項2に記載の発明によれば、蓋部材の開閉構造が具体化されて、例えば重量物とされた蓋部材であっても、上下方向ではなく水平面内で一側辺を支点に開閉するので、開閉作業は容易である。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、開口が設けられた側面と直交する側面が当該製袋包装機の操作面であり、且つ蓋部材の支点がこの操作面側とは反対側に設定されているので、蓋部材は、操作面側から遠ざかるように開かれることになる。したがって、蓋部材が開いた状態で、操作面側と開口との間の作業動線は短くて済む。
【0019】
一方、請求項4に記載の発明によれば、蓋部材は、操作面側に近寄るように開かれることになる。したがって、蓋部材に取り付けられたユニットが開いた状態で、このユニットに対して操作面側からの作業が容易となる。例えば蓋部材にロール支持ユニットが取り付けられている場合、開いた状態でフィルムロールの交換を行う際には、交換作業を操作面側からでも行うことができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、操作面が開閉自在とされており、操作面と蓋部材の開閉支点が共通化されるため、装置構成の簡素化を図ることができる。そして、操作面側の側面に開口が設けられていると、この開口から本体内部にアクセスすることができる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明によれば、ユニットがフィルムロールを支持するロール支持ユニットと具体化され、蓋部材をロール支持ユニットの支持に兼用することができる。さらに、ロール支持ユニットが取り付けられ、あるいはフィルムロールも装着されて重量物とされた蓋部材を、上下方向ではなく水平面内で一側辺を支点に開閉するので、重量負担は軽くて済み、開閉作業は容易である。
【0022】
また、請求項7に記載の発明によれば、ロール支持ユニットはフィルムロールを片持ち状に支持する構成であり、蓋部材を閉じた状態では、フィルムロールの支持軸の基端部は、蓋部材の支点とは反対側の揺動端側に位置すると共に、先端部は、前記支点側つまり前記操作面側を向くことになる。したがって、蓋部材を閉じた状態でフィルムロールの交換を行う場合、操作面側から交換作業を行うことができ、作業エリアを一つに集約することができる。
【0023】
さらに、支持軸の基端部が支点とは反対側の揺動端側に設けられていることから、例えば操作勝手が左右逆の2台の製袋包装機を隣接して並設したレイアウトの場合、双方の蓋部材の開閉状態に拘らず、フィルムロールの交換方向は互いに干渉しない向きとなり、フィルムロールの交換作業を不都合なく行うことができる。
【0024】
ところで、重量物のユニットが蓋部材に取り付けられている場合、一側辺を支点に開閉すると、慣性力で勢いよく開閉されるようになり、本体に衝撃を与える可能性があるが、請求項8に記載の発明によれば、蓋部材の支点とは反対側の揺動端の下面に接地抵抗部材が備えられているので、前記慣性力は効果的に抑制される。
【0025】
さらに、重量物のユニットが取り付けられた蓋部材は、揺動端側が下方から接地抵抗部材によって支持されるので、当該部位の下方への沈み込みが防止され、且つ当該部位とは反対側の支点部位の重量負担が軽減されて耐久性が維持される。
【0026】
そして、請求項9に記載の発明によれば、位置決め機構が備えられたことにより、閉じた状態で蓋部材を本体に対して上下方向に正しく位置決めすることができる。特に蓋部材にロール支持ユニットが取り付けられている場合に効果的で、支点側から反対側までにわたってフィルムロールを上下方向に正しい位置に支持することができるので、フィルム蛇行等の不具合が回避されて包装不良品の発生が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1及び図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る製袋包装機1は、上方の組合せ計量装置(図示せず)から目標重量に計量されたポテトチップス等の物品をフィルムで連続的に袋状に包装するもので、その中核となるフォーマ、プルダウンベルト、縦シール装置、横シール装置等が収容された箱型の本体2と、本体2の後面に取り付けられてフィルムロールRを支持するロール支持ユニット3及び前後のフィルムの端部同士を接続するスプライサ4と、本体2の一側面の操作面に取り付けられて電装品を収容する電装ボックス5とを有している。
【0029】
本体2の前面には開口が設けられており、例えば本体2内部のフォーマ等を取出可能に上側開口を開閉する扉11と、製造された袋を本体2内部から排出するための下側開口から突出する排出コンベア(図示せず)を上方から覆うカバー12とが備えられている。
【0030】
本体2の上面には開口が設けられている。そして、この上面開口を覆うカバー13が備えられており、このカバー13の略中央には、上方の組合せ計量装置のシュート下部が挿入される穴13aが設けられている。
【0031】
さらに、前記カバー13の一方の側辺に、組合せ計量装置に対して当該製袋包装機1を前後左右方向に位置決めするための位置決め部材14が立設されている。この位置決め部材14は、前後方向に延びており、且つ下部は本体フレーム2a上にちょうど載置される寸法に形成されると共に上部は下部に比較して幅広とされており、また、長手方向の2箇所に係合凹部14a,14aが設けられている。
【0032】
すなわち、組合せ計量装置側から垂下する一対の脚部材A,Aに前記係合凹部14a,14aを係合させるように製袋包装機1を配置すれば、組合せ計量装置に対して製袋包装機1を前後左右方向に位置決めすることができる。これにより、組合せ計量装置の下方に製袋包装機1を正しく設置する場合の作業効率が向上し、さらに、床面から例えば位置決めのための突起物をなくすることができ、床面の清掃性が向上する。
【0033】
本体2の下部の四隅には、この製袋包装機1を移動可能にするキャスタ15…15(図1及び図2では図示しないが符号を付す)と高さ調整可能に固定するアジャスタ16…16とが備えられている。
【0034】
そして、本体2の後面には開口が設けられており、この後面開口を開閉自在に板状のベース部材21が備えられている。そして、このベース部材21の外面に前記ロール支持ユニット3が取り付けられている。
【0035】
ロール支持ユニット3は、フィルムロールRを片持ち状態で支持する形式のもので、ベース部材21に固定された平面視L字状の支持フレーム22と、この支持フレーム22の後端近傍に基端部23aを有して操作面側に延びる支持軸23とを有しており、この支持軸23に先端部23bからフィルムロールRを装着することにより、フィルムの繰り出しが行われるようになっている。
【0036】
前記ベース部材21は、一側辺に設けられた支点3aを中心に水平面内で開閉する形式のもので、この支点3aは、本体フレーム2aの後端の操作面側Sに設けられている。なお、前記電装ボックス5は、本体2の側面に設けられた開口を開閉自在に備えられており、前記支点3aは、この電装ボックス5の開閉支点も兼ねている。
【0037】
そして、この製袋包装機1におけるロール交換は、通常は図例のロール支持ユニット3が閉じた状態で行われ、その場合のロール交換は矢印D1で示す方向から行われる。したがって、製袋包装機1の長手方向にロール交換のためのスペースが必要なくなる。
【0038】
図2〜図4に示すように、ベース部材21と本体2との間に、ベース部材21ひいてはロール支持ユニット3の上下位置を所定高さに維持するための上下位置決め機構30が設けられている。すなわち、ベース部材21の内面の前記支点3aとは反対側つまり揺動端3b側に支持部材31が固定されており、この支持部材31にローラ32が回転自在に備えられている。
【0039】
一方、本体フレーム2aの内面において前記ローラ32に対応する位置関係で、上方の調整ブロック33と下方の固定ブロック34とがボルト35,35,36,36で取り付けられている。その場合、調整ブロック33の上面は、前方の基準高さHを設定する水平面33aと後方の下方へ傾斜する傾斜面33bとで形成されており、この調整ブロック33は、前記固定ブロック34に下方から螺合する調整ボルト37を操作することにより、所定範囲内で矢印a方向に移動可能とされている。
【0040】
ところで、前記ロール支持ユニット3のような重量物を、一側辺に設けられた支点3aを中心に開閉する場合、支点3a側の高さは安定するものの揺動端3b側は重量負荷のため下方に沈みがちとなる。例えば、ロール支持ユニット3側のローラ32の下端が、開いた状態で高さΔHだけ基準高さHより沈み込んでいるとすると、ロール支持ユニット3が矢印b方向に閉じられるときには、まず、二点鎖線で示すように本体フレーム2a側の水平面33aが基準高さHに調整済みの調整ブロック33の傾斜面33bに乗り上げ、次いで、閉めるにしたがってローラ32は傾斜面33bを駆け上がり、そして、水平面33aに乗り上げることになる。
【0041】
図4に示すように、ベース部材21の内面の前記支点3aとは反対側の揺動端3b側の下面に、取付部材41を介してキャスタ42が取り付けられている。そして、このキャスタ42は、床面Fとの間で適度の接地抵抗を示す車輪42aを有している。
【0042】
図5に示すように、キャスタ15は車輪15aを有し、本体フレーム2aの下部に備えられている。一方、アジャスタ16も本体フレーム2aの下部に備えられており、床面Fに接地する接地部材51と、上下に延びるねじ棒52と、このねじ棒52に螺合するナット53と、上部に大径のストッパ部54aが設けられた昇降部材54とを有している。また、昇降部材54は、本体フレーム2a下面に取り付けられたブロック部材2bに挿通自在とされている。そして、この昇降部材54は、図示しない機構によってワンタッチで昇降及びロックされるようになっている。
【0043】
そして、最初にこの製袋包装機1を設置するときには、図5(a)に示すように、図示しないレバーまたはペダルを操作することにより、ワンタッチでストッパ部54aがブロック部材2b上面に当接するまで昇降部材54を下降させ、接地部材51を床面Fに着地させると共にキャスタ15の車輪15aを床面Fから離反させる。その状態で、ナット53を操作して昇降部材54を微細に昇降させ、製袋包装機1の平行調整を行う。
【0044】
一方、製袋包装機1を移動するときには、図5(b)に示すように、ワンタッチで昇降部材54を上昇させてロックし、接地部材51を床面Fから離反させると共にキャスタ15の車輪15aを床面Fに着地させる。なお、前述したナット53による平行調整は済んでいるため、次回の設置時からは、ストッパ部54aがブロック部材2b上面に当接するまで昇降部材54を下降させるだけでよい。このように、前記アジャスタ16を用いると、保守点検等に際し、製袋包装機1の移動が容易となり、また、所定高さへの設置が容易且つ確実となる。
【0045】
以上のように構成したことにより、図6に示すように、本体2の後面の開口を開閉するベース部材21が備えられているので、このベース部材21を開くことで、矢印D2で示すように開口から本体2内部に容易にアクセスすることができる。その場合、ベース部材21にロール支持ユニット3を支持させるので、ロール支持ユニット3を支持するための部材を省略することができる。さらに、ロール支持ユニット3が取り付けられ、あるいはフィルムロールRも装着されて重量物とされたベース部材21を、上下方向ではなく水平面内で一側辺に設けられた支点3aを中心に矢印cで示すように開閉するので、重量負担は軽くて済み、開閉作業は容易である。
【0046】
また、前記ベース部材21は、電装ボックス5が備えられた操作面側Sに近寄るように矢印c方向に開かれることになる。したがって、ベース部材21に取り付けられたロール支持ユニット3が開いた状態でフィルムロールRの交換を行う際には、交換作業を矢印D3で示すように操作面側Sからでも行うことができる。
【0047】
また、図7に示すように、電装ボックス5は前記支点3aを中心に開閉自在とされているので、つまりこの電装ボックス5と前記ベース部材21ひいてはロール支持ユニット3の支点3aが共通化されるため、装置構成の簡素化を図ることができる。そして、この電装ボックス5を矢印d方向に開くことにより、矢印D4で示すように前記開口から本体2内部にアクセスすることができる。
【0048】
また、図2に示したように、ロール支持ユニット3はフィルムロールRを片持ち状に支持する構成であり、ベース部材21を閉じた状態では、フィルムロールRの支持軸23の基端部23aは、ベース部材21の支点3aとは反対側の揺動端3b側に位置する一方、先端部23bは、前記支点3a側つまり前記操作面側Sを向くことになる。したがって、ベース部材21を閉じた状態でフィルムロールRの交換を行う場合、矢印D1で示すように操作面側Sから交換作業を行うことができ、作業エリアを一つに集約することができる。
【0049】
ところで、生産性向上のため、1台の組合せ計量装置を例えば左右に2分割し、図8に示すように、下方に前記製袋包装機1と同様の構成且つ操作勝手が左右逆の製袋包装機1′を隣接して並設することがある。その場合、各製袋包装機1,1′のロール支持ユニット3,3′では、支持軸23,23′の基端部23a,23a′が支点3a,3a′とは反対側の揺動端側に設けられていることから、双方のベース部材21,21′の開閉状態に拘らず、フィルムロールRの交換方向D1,D1′は互いに干渉しない向きとなり、フィルムロールRの交換作業を不都合なく行うことができる。
【0050】
なお、図9に示すように、各製袋包装機1,1′のロール支持ユニット3,3′を支点3a,3a′を中心に矢印c,c′方向に開くことにより、矢印D2,D2′で示すように本体2,2′内部へのアクセスが容易となるのはいうまでもない。
【0051】
ところで、重量物のロール支持ユニット3がベース部材21に取り付けられている場合、一側辺に設けられた支点3aを中心に開閉すると、慣性力で勢いよく開閉されるようになり、本体2に衝撃を与える可能性があるが、図4に示したように、ベース部材21の支点3aとは反対側の揺動端3bの下面に接地抵抗部材としての車輪42aが備えられているので、前記慣性力は効果的に抑制される。
【0052】
さらに、重量物のロール支持ユニット3が取り付けられたベース部材21は、揺動端3b側が下方から前記車輪42aによって支持されるので、当該部位3bの下方への沈み込みが防止され、且つ当該部位3bとは反対側の支点3a部位の重量負担が軽減されて耐久性が維持される。
【0053】
そして、図3に示したように、上下位置決め機構30が備えられたことにより、ロール支持ユニット3側のローラ32が高さΔHだけ基準高さHより沈み込んでいたとしても、閉めるにしたがってローラ32は調整ブロック33の傾斜面33bを駆け上がったのち水平面33aに乗り上げることになり、ロール支持ユニット3の上下位置が基準高さHに保持されるようになり、閉じた状態でベース部材21を本体フレーム2aひいては本体2に対して上下方向に正しく位置決めすることができる。特にベース部材21にロール支持ユニット3が取り付けられている場合に効果的で、支点3a側から反対側までにわたってフィルムロールRを上下方向に正しい位置に支持することができるので、フィルム蛇行等の不具合が回避されて包装不良品の発生が防止される。
【0054】
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0055】
図10に示すように、この場合の製袋包装機1″では、操作面に電装ボックス5″が取り付けられており、且つ本体2″の後面開口を開閉自在とするベース部材21″に取り付けられたロール支持ユニット3″は、操作面側S″とは反対側に位置する支点3a″を中心に矢印c″で示すように、つまり操作面側S″から遠ざかるように開かれる構成とされている。
【0056】
この場合、ロール支持ユニット3″が二点鎖線で示す閉じた状態では、支持軸23″の基端部23a″は支点3a″にあり、先端部23a″は操作面側S″に向くため、矢印D1″方向がロール交換方向であり、実線で示す開いた状態では、矢印D2″で示すように本体2″内部へのアクセスが容易となる。さらに、ロール支持ユニット3″が開いた状態で、操作面側S″と本体2の後面開口との間の作業動線は短くて済む。
【0057】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。
【0058】
例えば、前記第1及び第2の実施の形態では、ロール支持ユニット3,3′,3″をフィルムロールRを片持ち状態で支持する構成としたが、両持ち状態で支持する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上説明したように、本発明によれば、本体内部へのアクセスを容易にする製袋包装機が実現され、物品包装の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る製袋包装機の概略斜視図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】上下位置決め機構を説明するための要部側面図であり、ベース部材を閉める直前の揺動端側の本体内面を示す。
【図4】ベース部材の揺動端側の内面を示す図である。
【図5】製袋包装機下部のキャスタ及びアジャスタを示す一部を破断した要部側面図であり、(a)は設置時、(b)は移動時である。
【図6】ロール支持ユニットを開いた状態を示す平面図である。
【図7】電装ボックスを開いた状態を示す平面図である。
【図8】操作勝手が左右逆の製袋包装機を2台並設した場合の後部部分の平面図であり、ロール支持ユニットを閉じた状態である。
【図9】同じくロール支持ユニットを開いた状態である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る製袋包装機の平面図である。
【符号の説明】
【0061】
1,1′,1″ 製袋包装機
2,2′,2″ 本体
3,3′,3″ ロール支持ユニット
3a,3a′,3a″ 支点
3b 揺動端
21,21′,21″ ベース部材(蓋部材)
23,23′,23″ 支持軸
23a,23a′,23a″ 基端部
30 位置決め機構
42a 車輪(接地抵抗部材)
F 床面
R フィルムロール
S,S″ 操作面側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品をフィルムで連続的に袋状に包装する製袋包装機であって、
本体の側面に開口が設けられていると共に、
該開口を開閉する蓋部材が備えられており、
該蓋部材に、当該製袋包装機を構成するユニットが取り付けられていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項2】
前記請求項1に記載の製袋包装機において、
前記蓋部材は、水平面内で一側辺を支点に開閉することを特徴とする製袋包装機。
【請求項3】
前記請求項2に記載の製袋包装機において、
前記開口が設けられた側面と直交する一方の側面が当該製袋包装機の操作面とされており、
前記蓋部材の支点は、該操作面側とは反対側に設定されていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項4】
前記請求項2に記載の製袋包装機において、
前記開口が設けられた側面と直交する一方の側面が当該製袋包装機の操作面とされており、
前記蓋部材の支点は、該操作面側に設定されていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項5】
前記請求項4に記載の製袋包装機において、
前記操作面は、水平面内で前記蓋部材側の側辺を支点に開閉自在とされており、
該操作面の支点は、前記蓋部材の支点を用いて構成されていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項6】
前記請求項2に記載の製袋包装機において、
前記ユニットは、フィルムロールを支持するロール支持ユニットであって、
フィルムロールを支持する蓋部材が、水平面内で一側辺を支点に開閉することを特徴とする製袋包装機。
【請求項7】
前記請求項6に記載の製袋包装機において、
前記ロール支持ユニットは、フィルムロールを片持ち状に支持する水平方向の支持軸を有しており、
該支持軸の基端部が、前記蓋部材の支点とは反対側の揺動端側に設けられていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項8】
前記請求項2から請求項7のいずれかに記載の製袋包装機において、
前記蓋部材の支点とは反対側の揺動端の下面に、該蓋部材の開閉時に当該製袋包装機の設置床面との間で接地抵抗となる接地抵抗部材が備えられていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項9】
前記請求項2から請求項8のいずれかに記載の製袋包装機において、
前記蓋部材の支点とは反対側の揺動端側の内面と前記本体内部の対応位置とに、前記蓋部材を閉じたときに互いに係合することにより、該蓋部材を本体に対して上下方向に位置決めする位置決め機構が備えられていることを特徴とする製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−265779(P2008−265779A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108099(P2007−108099)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】