説明

製袋包装機

【課題】ひだ部を有する袋を製造する際に、袋に形成されるしわを減少させる製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機1は、製袋包装機構5と、ひだ部形成機構3とを備える。製袋包装機構は、被包装物を包装した袋10を製造する。ひだ部形成機構は、平面状態の包装材を、ひだ部保有状態へと変形させ、さらに前記製袋包装機構へと送る。ひだ部保有状態は、3つの折り目により形成されるひだ部FFを含む断面形状を持つ状態である。また、ひだ部形成機構は、包装材経路規定部を有する。包装材経路規定部は、包装材の搬送経路を規定する。包装材経路規定部は包装材の3つの折り目以外の部分を、複数回一時的に曲げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関し、特に、ひだ部を有する袋を製造する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シート状の包装材を用いて、袋を製造しながら袋の内部にスナック菓子等の被包装物を充填する製袋包装機が用いられている。製袋包装機が製造する袋として、図1Aおよび図1Bに示すようなスタンディングパウチや、図11に示すようなガセット型の袋など、自立型の袋がある。自立型の袋は、商品の陳列の容易性やディスプレイ効果が優れており、近年需要が伸びている。
【0003】
ところで、ガセット型の袋は、角筒状フィルムの四隅にヘム部を有する。当該ヘム部は、包装材が部分的に折り曲げられることにより形成される(例えば、特許文献1(国際公開WO01/24999号公報)参照)。また、図1Aおよび図1Bに示すようなスタンディングパウチの上部にも、一度開封した袋に再度封をすることを可能にするジッパーを取り付けるための、大きなひだ部が形成されている。そこで、スタンディングパウチの大きなひだ部も、ガセット型の袋のヘム部と同様の方法で形成することを想定しうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、スタンディングパウチに形成すべきひだ部は、ガセット型の袋に形成されるヘム部と比較して、包装材の重なり合う部分が大きいため、ガセット型の袋の製造方法と同様の方法で包装材を部分的に折り曲げると、製造された袋に余計なしわが形成され好ましくない。
【0005】
本発明の課題は、ひだ部を有する袋を製造する際に、袋に形成されるしわを減少させる製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る製袋包装機は、製袋包装機構と、ひだ部形成機構とを備える。製袋包装機構は被包装物を包装した袋を製造する。ひだ部形成機構は、平面状態の包装材を、ひだ部保有状態へと変形させ、さらに製袋包装機構へと送る。ひだ部保有状態とは、ひだ部を含む断面形状を持つ状態である。ひだ部は3つの折り目により形成される。また、ひだ部形成機構は、包装材経路規定部を有する。包装材経路規定部は、包装材の搬送経路を規定する。また、包装材経路規定部は包装材の3つの折り目以外の部分を、複数回一時的に曲げる。
【0007】
本発明に係る製袋包装機では、平面状態の包装材が3つの折り目により形成される大きなひだ部を有する形状に変形される。大きなひだ部を有する包装材が製袋包装機構に搬送され、被包装物を包装した袋が製造される。包装材は、搬送経路が規定され、包装材のひだ部以外の部分が複数回一時的に曲げられる。
【0008】
これにより、平面状態の包装材からひだ部のある袋を製造する際に、包装材の搬送経路が段階的に規定され、袋に形成されるしわを減少させることができる。
【0009】
第2発明に係る製袋包装機は、第1発明に係る製袋包装機であって、ひだ部形成機構は、第1搬送域と第2搬送域とに分かれている。第1搬送域は、ひだ部保有状態の包装材を搬送する。第2搬送域は、包装材の搬送方向に対して第1搬送域の上流に配置される。また、包装材経路規定部は、第2搬送域に配置される。
【0010】
本発明に係る製袋包装機では、ひだ部形成機構には、ひだ部を有する形状の包装材が搬送される第1搬送域と、第1搬送域の手前に配置される第2搬送域とがある。包装材は、ひだ部が形成される前に、複数回一時的に曲げられる。
【0011】
これにより、段階的にひだ部を形成することができる。
【0012】
第3発明に係る製袋包装機は、第2発明に係る製袋包装機であって、包装材経路規定部は、当接部を有する。当接部は、包装材に当接し、包装材の搬送角度を変更させる。
【0013】
本発明に係る製袋包装機では、包装材経路規定部の当接部が包装材に当接することにより、包装材が一時的に曲げられ、包装材の搬送角度が変更される。
【0014】
これにより、包装材の搬送経路を規定しながら、包装材の搬送角度を変更させることができる。
【0015】
第4発明に係る製袋包装機は、第3発明に係る製袋包装機であって、包装材経路規定部は、複数の当接部を有する。また、複数の当接部のうち少なくとも2つは、第1搬送域における包装材の搬送方向に対して45度傾いている。
【0016】
本発明に係る製袋包装機では、複数の当接部が包装材に当接し、包装材の搬送角度が変更される。複数の当接部のうち少なくとも2つがひだ部を有する包装材の搬送方向に対して45度傾いている。
【0017】
これにより、確実にひだ部を形成することができる。
【0018】
第5発明に係る製袋包装機は、第4発明に係る製袋包装機であって、第1搬送域における包装材は、ひだ部と、2つの隣接部とを有する。隣接部は、ひだ部に隣接する部分である。また、ひだ部形成機構は、第2搬送域において、2つの隣接部を2回曲げ、第2搬送域から第1搬送域への搬送途中で1回曲げる。
【0019】
本発明に係る製袋包装機では、包装材の隣接部は、第2搬送域において2回、第2搬送域から第1搬送域の搬送途中で1回、曲げられる。
【0020】
これにより、包装材の搬送角度を段階的に変更することができる。
【0021】
第6発明に係る製袋包装機は、第5発明に係る製袋包装機であって、当接部は、第1当接部と、第2当接部と、第3当接部と、第4当接部とを含む。第1当接部は、第2搬送域において最初に包装材に当接し、包装材の搬送角度を変更する。第2当接部は、第2搬送域において第1当接部の後で包装材に当接し、包装材の搬送角度をさらに変更する。第3当接部は、第2当接部の後、第2搬送域から第1搬送域への搬送途中で包装材のひだ部に相当する部分に当接する。第4当接部は、第2当接部の後、第2搬送域から第1搬送域への搬送途中で包装材の隣接部に相当する部分に当接する。
【0022】
本発明に係る製袋包装機では、包装材は、第1当接部に当接して搬送角度が変更された後、さらに第2当接部に当接して搬送角度が変更される。その後、包装材のひだ部に相当する部分は、第2搬送域から第1搬送域への搬送途中で第3当接部に当接して搬送角度が変更される。また、包装材の隣接部に相当する部分は、第2搬送域から第1搬送域への搬送途中で第4当接部に当接され、搬送角度が変更される。
【0023】
これにより、包装材にひだ部に相当する部分と、隣接部に相当する部分とを形成することができる。
【0024】
第7発明に係る製袋包装機は、第6発明に係る製袋包装機であって、第1当接部と第2当接部との距離は、ひだ部の長さを決定する。
【0025】
本発明に係る製袋包装機では、第1当接部と第2当接部との距離に応じてひだ部の長さが決定される。
【0026】
これにより、ひだ部の長さを適宜変更することができる。
【0027】
第8発明に係る製袋包装機は、第1発明に係る製袋包装機であって、傾け部材と、ローラとを備える。傾け部材は、ひだ部を、非ひだ部と同程度の傾きに傾ける。なお、非ひだ部は、ひだ部以外の包装材の部分である。ローラは、包装材の搬送方向に対して傾け部材の下流に配置される。また、ローラは、ひだ部形成機構における非ひだ部の搬送面を包装材の搬送方向に仮想的に延長した面である仮想面から、包装材のひだ部が形成される側にずらした位置に配置される。さらに、ローラは、包装材の搬送角度を変更させる。
【0028】
本発明に係る製袋包装機では、平面状態の包装材が、大きなひだ部を有する断面形状を有する状態に変形され、その後、包装材のひだ部が非ひだ部と同程度の傾きに傾けられる。また、ひだ部が非ひだ部と同程度の傾きに傾けられた状態の包装材が、ひだ部形成機構における非ひだ部の搬送面よりもひだ部が形成される側にずれた位置に配置されたローラに向けて搬送される。包装材はローラによって搬送角度が変更される。
【0029】
これにより、搬送過程で包装材に生じるしわを減少させることができる。
【0030】
第9発明に係る製袋包装機は、第8発明に係る製袋包装機であって、仮想面からローラまでのずれの距離寸法は、ひだ部の高さ寸法の半分より少し大きい。
【0031】
本発明に係る製袋包装機では、ローラは、ひだ部形成機構における非ひだ部の搬送面を包装材の搬送方向に仮想的に延長した仮想面から、ひだ部の高さ寸法の半分より少し大きくずらした位置に配置される。
【0032】
これにより、ひだ部の高さに応じて、適当な位置にローラを設置することができる。
【0033】
第10発明に係る製袋包装機は、第9発明に係る製袋包装機であって、誘導部をさらに備える。誘導部は、包装材の搬送方向に沿って、ひだ部形成機構の下流からローラの手前にまで伸びる。また、誘導部は、非ひだ部に接して非ひだ部をローラに導く。
【0034】
本発明に係る製袋包装機では、ひだ部形成機構においてひだ部が形成された包装材は、ひだ部形成機構の下流からローラの手前まで伸びる誘導部に沿って搬送される。
【0035】
これにより、搬送される包装材のたるみを防止することができる。
【0036】
第11発明に係る製袋包装機は、第10発明に係る製袋包装機であって、誘導部は、二枚の平板部材を含む。少なくとも二枚の平板部材は、ひだ部を通過させるように所定の間隙を空けて配置される。
【0037】
本発明に係る製袋包装機では、ひだ部を挟んだ両側に二枚の平板部材が配置される。非ひだ部は二枚の平板部材に沿ってローラに向けて搬送される。
【0038】
これにより、包装材の流れを安定させることができる。
【0039】
第12発明に係る製袋包装機は、製袋包装機構と、ひだ部形成機構と、傾け部材と、ローラとを備える。製袋包装機構は、被包装物を包装した袋を製造する。ひだ部形成機構は、平面状態の包装材をひだ部保有状態へと変形させ、さらに製袋包装機構へ送る。ひだ部保有状態とは、大きなひだ部を含む断面形状を持つ状態である。大きなひだ部は、3つの折り目により形成される。傾け部材は、ひだ部を、非ひだ部と同程度の傾きに傾ける。非ひだ部は、ひだ部以外の包装材の部分である。ローラは、包装材の搬送方向に対して傾け部材の下流に配置される。且つ、ローラは、ひだ部形成機構における非ひだ部の搬送面を、包装材の搬送方向に仮想的に延長した面である仮想面から、包装材のひだ部が形成される側にずらした位置に配置される。また、ローラは、包装材の搬送角度を変更させる。
【0040】
本発明に係る製袋包装機では、平面状態の包装材が、大きなひだ部を有する断面形状を有する状態に変形され、その後、包装材のひだ部が非ひだ部と同程度の傾きに傾けられる。また、ひだ部が非ひだ部と同程度の傾きに傾けられた状態の包装材が、ひだ部形成機構における非ひだ部の搬送面よりもひだ部が形成される側にずれた位置に配置されたローラに向けて搬送される。包装材はローラによって搬送角度が変更される。
【0041】
これにより、搬送過程で包装材に生じるしわを減少させることができる。
【0042】
第13発明に係る製袋包装機は、第12発明に係る製袋包装機であって、仮想面からローラまでのずれの距離寸法は、ひだ部の高さ寸法の半分より少し大きい。
【0043】
本発明に係る製袋包装機では、ローラは、ひだ部形成機構における非ひだ部の搬送面を包装材の搬送方向に仮想的に延長した仮想面から、ひだ部の高さ寸法の半分より少し大きくずらした位置に配置される。
【0044】
これにより、ひだ部の高さに応じて、適当な位置にローラを設置することができる。
【0045】
第14発明に係る製袋包装機は、第13発明に係る製袋包装機であって、誘導部をさらに備える。誘導部は、包装材の搬送方向に沿って、ひだ部形成機構の下流からローラの手前にまで伸びる。また、誘導部は、非ひだ部に接して非ひだ部をローラに導く。
【0046】
本発明に係る製袋包装機では、ひだ部形成機構においてひだ部が形成された包装材は、ひだ部形成機構の下流からローラの手前まで伸びる誘導部に沿って搬送される。
【0047】
これにより、搬送される包装材のたるみを防止することができる。
【0048】
第15発明に係る製袋包装機は、第14発明に係る製袋包装機であって、誘導部は、少なくとも二枚の平板部材を含む。少なくとも二枚の平板部材は、ひだ部を通過させるように所定の間隙を空けて配置される。
【0049】
本発明に係る製袋包装機では、ひだ部を挟んだ両側に二枚の平板部材が配置される。非ひだ部は二枚の平板部材に沿ってローラに向けて搬送される。
【0050】
これにより、包装材の流れを安定させることができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係る製袋包装機では、平面状態の包装材からひだ部のある袋を製造する際に、包装材の搬送経路が段階的に規定され、袋に形成されるしわを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1A】スタンディングパウチの斜視図である。
【図1B】スタンディングパウチの側面図である。
【図2】製袋包装機の外観斜視図である。
【図3】フィルムの搬送経路を示す概略側面図である。
【図4】ひだ部形成ユニットの模式図である。
【図5A】搬送経路規定部を示す模式図である。
【図5B】搬送経路規定部を通過するフィルムを示す模式図である。
【図5C】ひだ部形成ユニットの主要部の拡大図である。
【図5D】搬送経路規定部のチャンネル部材およびカバー部材の配置を示す図である。
【図6】ひだ部形成ユニットの部分拡大図である。
【図7】図4Aの破線7−7から見た各部材の位置関係を示す図である。
【図8】フィルム誘導部の部分拡大図である。
【図9A】図4Aの破線9A−9Aから見た各部材の位置関係を示す図である。
【図9B】図4Aの破線9B−9Bから見た各部材の位置関係を示す図である。
【図9C】図4Aの破線9C−9Cから見た各部材の位置関係を示す図である。
【図9D】図4Aの破線9D−9Dから見た各部材の位置関係を示す図である。
【図10】製袋包装ユニットの概略模式図である。
【図11】ガセット型の袋を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る製袋包装機1について説明する。なお、以下の説明において、製袋包装機1の正面とは、後述する図2に示す製袋包装機1の液晶ディスプレイ7が取り付けられている側を指す。また、製袋包装機1について「左」、「右」とは、正面側から製袋包装機1を見た場合を基準とする。また、製袋包装機1について、「上流」、「下流」とは、フィルムFの搬送方向に対する上流または下流を意味する。
【0054】
本実施形態に係る製袋包装機1は、図1Aおよび図1Bに示す袋10を製造する。図1Aは、袋10の斜視図であり、図1Bは、袋10の側面図である。袋10は、袋の上部に形成される大きなひだ部FFと、底面部11および底面部11を取り囲むヘム部FH,FHとを有する底部FTと、袋10のその他の部分である中間部FMとからなる。袋10は、底部FTを支持部として自立可能なスタンドパウチである。ひだ部FFは、トップシール部位H1と、切り取り部位H2と、ジッパー取り付け部位H3とを有する。トップシール部位H1は熱シールがされている。切り取り部H2にはミシン目が形成されている。当該ミシン目が破られることにより、トップシール部位H1をひだ部FFの他の部分から切り離すことができる。ジッパー取り付け部位H3には、ジッパーZPが取り付けられている。これにより、袋10を一旦開封した場合にも、再度袋10に封をすることができる。
【0055】
本実施形態に係る製袋包装機1は、シート状のフィルムFの所定の位置を折り曲げ、ひだ部FFと、ヘム部FH,FHとを形成する。さらに、製袋包装機1は、フィルムFを筒状に成形し、フィルムFの重なり合う部分L1と、左右のシール部位12,12とを熱シール(熱溶着)することにより袋10を形成する。
【0056】
<製袋包装機の全体構成>
まず、図2を用いて、製袋包装機1の全体構成を説明する。製袋包装機1は、スナック菓子等の商品を袋詰めする機械である。製袋包装機1は、主として、商品の袋詰めを行う製袋包装ユニット5と、製袋包装ユニット5に袋10となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット2と、フィルム供給ユニット2で供給されるフィルムFを製袋包装ユニット5に搬送するためのフィルム搬送ユニットと、フィルム供給ユニット2から製袋包装ユニット5までの、フィルムが搬送される経路に設置されるひだ部形成ユニット3とから構成されている。また、製袋包装ユニット5には、正面に向かって右側に操作スイッチ類6が配置されている。さらに、操作スイッチ類6を操作するユーザーが視認できる位置に、操作状態を示す液晶ディスプレイ7が配置されている。以下に、製袋包装機1の各部の構成について説明する。
【0057】
<各部の構成>
(1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット2は、後述する製袋包装ユニット5の成形機構50に対してシート状のフィルムFを供給する。フィルム供給ユニット2は、フィルムローラ20を有する。フィルムローラ20には、フィルムFを巻きつけたフィルムロール2aがセットされる。フィルムローラ20は、図示しないモータによって回転する。その結果、フィルムロール2aからフィルムFが繰り出される。フィルム供給ユニット2から製袋包装ユニット5へ供給されるフィルムFは、後述するフィルム搬送ユニットの動作により、製袋包装ユニット5側に搬送される。
【0058】
(2)フィルム搬送ユニット
フィルム搬送ユニットは、主として、一対のプルダウンベルト14,14と、フィルム搬送ローラ15a,15bと、テンションローラとからなる。
【0059】
図2に示すように、一対のプルダウンベルト14,14は、後述する製袋包装ユニット5に配置され、支持部材によって支持されている。プルダウンベルト14,14は、縦方向に延びるチューブ501を軸として左右対称に配置されており、チューブ501に巻き付けられた状態の筒状フィルムに当接して筒状フィルムを吸着しながら下方に搬送する役割を果たす。
【0060】
フィルム搬送ローラ15a,15bおよびテンションローラは、フィルムFの搬送経路に設けられる。フィルム搬送ローラ15a,15bおよびテンションローラには、フィルム供給ユニット2のフィルムロール2aから繰り出されたフィルムが掛け渡される。これにより、フィルムFは、所定のテンションがかけられた状態で、フィルム供給ユニット2から製袋包装ユニット5に搬送される(図3参照)。また、フィルムFの搬送角度は、フィルム搬送ローラ15a,15bを通過するたびに変更される。
【0061】
なお、フィルム搬送ローラ15bは、ひだ部形成ユニット3の下流側において支持機構(図示せず)に支持されている。支持機構は、ひだ部形成ユニット3の下流側で、フィルムFの幅方向両端に配置される支持部材により、フィルム搬送ローラ15bを支持する。また、支持機構は、フィルム搬送ローラ15bの支持位置を、フィルムFのひだ部FFの高さ方向に変更することができる。本実施形態では、フィルム搬送ローラ15bが支持される位置は、フィルムFのひだ部FFの高さ寸法H1に応じて決定される。詳細な説明は、後述するフィルム誘導部34の説明に併せて行う。
【0062】
(3)ひだ部形成ユニット
次に、図4〜図8を用いて、ひだ部形成ユニット3を説明する。
【0063】
ひだ部形成ユニット3は、シート状のフィルムFにひだ部FFを形成するユニットである。さらに、ひだ部形成ユニット3は、シート状のフィルムFにヘム部FH,FHを形成する。
【0064】
図4に示すように、ひだ部形成ユニット3は、大きく二つの領域R1,R2にわかれている。領域R1は、ひだ部FFまたはひだ部FFに相当する部分(以下、ひだ部相当部)を有するフィルムFが搬送される領域である。具体的には、領域R1は、略平行に並ぶ3本の折り目により折り曲げられた、ひだ部FFまたはひだ部相当部を含む断面形状を有するフィルムFが搬送される領域である。領域R2は、領域R1の上流に配置され、領域R1におけるフィルムFの搬送方向に対して大きく傾いた面を有している。具体的には、領域R2は、領域R1において水平方向に搬送されるフィルムFの搬送面に対して45度の角度で傾いている。ひだ部形成ユニット3は、主として、搬送経路規定部31と、ひだ部形成部32と、ヘム部形成部33と、フィルム誘導部34とを備える。
【0065】
a)搬送経路規定部
搬送経路規定部31は、図4に示すように、領域R2に配置される。搬送経路規定部31は、フィルムFの搬送経路を規定する。搬送経路規定部31は、図5Aに示すように、主として、複数のブロックB1,B2,B3からなる。ブロックB1,B2,B3には、5角形の直方体のブロックB1と、3角形の直方体のブロックB2,B3とが含まれ、それぞれのブロックB1,B2,B3は、所定高さhの側面を有する。すなわち、5角形ブロックB1は、5角形の底面および上面と、底面から上面に垂直に伸びる高さhの側面とを有し,3角形ブロックB2,B3は、3角形の底面および上面と、底面から上面に垂直に伸びる高さhの側面とを有する。なお、各ブロックB1,B2,B3は、領域R1のひだ部形成部32に対して45度傾いて設置される。
【0066】
5角形ブロックB1は、搬送経路規定部31の上流側に配置されている。3角形ブロックB2,B3は、それぞれ5角形ブロックB1よりも下流に配置されている。また、3角形ブロックB2の辺S22と、3角形ブロックB3の辺S32とは、後述するフィルム誘導部34の上流誘導部材341と同じ高さになるように設置される。5角形ブロックB1と3角形ブロックB2,B3とは、フィルムFの搬送方向に、狭小な隙間を空けて配置されている。当該狭小な隙間は、フィルムFが通過できる程度に空けられている。
【0067】
さらに、5角形ブロックB1と3角形ブロックB2,B3とは、その高さh方向をずらして配置される。詳細には、3角形ブロックB2,B3の底面が、5角形ブロックB1の上面を仮想的に伸ばした面より、高さh方向上側に位置するように配置される(図5Aおよび図5B参照)。
【0068】
また、図5Dに示すように、搬送経路規定部31には、複数のブロックB1,B2,B3の上底にチャンネル部材C1と、カバー部材C2が設けられる。チャンネル部材C1は、搬送経路規定部31の幅方向に伸び、3角形ブロックB2の辺S22および3角形ブロックB3の辺S32に対向するように配置される。これにより、フィルムFは、チャンネル部材C1と、3角形ブロックB2の辺S22および3角形ブロックB3の辺S32とに接し、3角形ブロックB2の辺S22および3角形ブロックB3の辺S32で搬送角度が変更される。カバー部材C2は、チャンネル部材C1の上流に配置され、3角形ブロックB2,B3の上底S212,S312を搬送されるフィルムFに当接し、フィルムFの流れを安定させる。
【0069】
したがって、フィルムFは、図5Bに示すように、搬送経路規定部31において複数のブロックB1,B2,B3の隙間を通ることにより、一時的に曲げられ、搬送角度が変えられながら、ひだ部相当部と、その他の部分(非ひだ部に相当)とを形成していく。具体的に、まず、フィルムFは5角形ブロックB1の底面に沿って搬送される。フィルムFは、5角形ブロックB1の辺S11,S12によって一時的に曲げられ、搬送角度が変更される(搬送角度変更1回目)。フィルムFは、その後、5角形ブロックB1の側面S111および3角形ブロックB2の側面S211の隙間と、5角形ブロックB1の側面S121および3角形ブロックB3の側面S311の隙間とを通される。すなわち、5角形のブロックB1の側面S111およびS121と、3角形ブロックB2の側面S211および3角形ブロックB3の側面S311に沿いながら搬送される。なお、フィルムFは、プルダウンベルト14,14によって矢印D1方向に引っ張られているため(図5B参照)、5角形ブロックB1の辺S11と辺S12とが交わる頂点付近のフィルムFの部分は、3角形ブロックB2の辺S23および3角形ブロックB3の辺S33と、3角形ブロックB2,B3のそれぞれの下底から延びるロッド38,38の隙間を通り抜ける(図5Bおよび図5C参照)。これにより、フィルムFにひだ部相当部が形成される。
【0070】
3角形ブロックB2,B3の側面S211,S311に沿って搬送されたフィルムFのひだ部相当部以外の部分は、3角形ブロックB2の辺S21と、3角形ブロックB3の辺S31とに当接して一時的に曲げられ、さらに搬送角度が変更される(搬送角度変更2回目)。その後、フィルムFのひだ部相当部以外の部分は、3角形ブロックB2,B3の上底S212,S312に沿って搬送される。また、フィルムFのひだ部相当部以外の部分は、3角形ブロックB2,B3の辺S22,S32において、チャンネル部材C1に当接することで、さらに搬送角度が変更される(搬送角度変更3回目)。
【0071】
b)ひだ部形成部
ひだ部形成部32は、図4に示す領域R1に配置される。ひだ部形成部32は、上述の搬送経路規定部31において形成されたひだ部相当部をひだ部FFに形成する。ひだ部形成部32は、図6に示すように、主として、ヒータ321と、ジッパー挿入部材322と、図示しない上流ローラおよび下流ローラとを有する。ヒータ321は、ひだ部形成部32に搬送されたフィルムFのひだ部相当部の所定の箇所に熱を加える。ヒータ321は、上端ヒータ321a,321aと、基端ヒータ321b,321bとを有する。上端ヒータ321a,321aは、ひだ部相当部の上端であって、ひだ部FFのトップシール部位H1に相当する部分に熱を加える。基端ヒータ321b,321bは、ひだ部相当部の基端であって、ひだ部FFのジッパー取り付け部位H3に相当する部分に熱を加える。ジッパー挿入部材322は、図6に示すように、ひだ部形成部32において、上流から下流に伸びる部材である。ジッパー挿入部材322は、図6の矢印D2で示す位置から差し込まれるジッパーZPを、ひだ部相当部のフィルムFの重なり合う部分に挿入する。上流ローラは、搬送経路規定部31から送られるフィルムFのひだ部相当部を挟み込んで折り曲げ、下流へ送り出す。下流ローラは、ヒータ321によって熱が加えられたフィルムFのひだ部相当部を両側から挟みこんで接着させる。
【0072】
c)ヘム部形成部
ヘム部形成部33もまた、図4に示す領域R1に配置される。ヘム部形成部33は、図7に示すように、主として、折り込みローラ331,331と、ヒータ332,332とからなる。折り込みローラ331,331は、フィルムFを部分的に折り曲げる。ヒータ332,332は、折り込みローラ331,331によって折り曲げられた部分に両側から熱を加える。その後、当該熱を加えられた部分は、図示しないローラによって挟み込まれ接着される。これにより、フィルムFにヘム部FH,FHが形成される。
【0073】
d)フィルム誘導部
フィルム誘導部34もまた、図4に示す領域R1に配置される。フィルム誘導部34は、フィルムFを製袋包装ユニット5に誘導する。フィルム誘導部34は、主として、上流誘導部材341と、下流誘導部材342と、傾け部材343とを有する。
【0074】
上流誘導部材341は、フィルムFの搬送方向上流から下流に伸びる複数の平板部材である。本実施形態において当該複数の平板部材は、製袋包装機1の設置面に対して水平になるように、フィルムFの幅方向に所定の間隔を空けて配置される。ひだ部FFまたはひだ部相当部およびヘム部FH,FHまたはヘム部相当部は、所定の間隔で配置された平板部材と平板部材との間の形成される間隙を通過する(図7参照)。上流誘導部材341は、ひだ部FFまたはひだ部相当部と、ヘム部FH,FHまたはヘム部相当部とを除くフィルムFの部分である本体部FBに接する。
【0075】
下流誘導部材342は、図4および図8に示すように、上述の上流誘導部材341の下流に配置され、フィルム搬送ローラ15bに向けて伸びる複数の平板部材である。下流誘導部材342は、上流誘導部材341と同様、フィルムFの幅方向に所定の間隔を空けて配置される。ひだ部FFまたはひだ部相当部およびヘム部FH,FHまたはヘム部相当部は、所定の間隔で配置された平板部材と平板部材との間に形成される間隙を通過する。
【0076】
下流誘導部材342は、上流誘導部材341に対して、所定の傾きを有して配置される。所定の傾きは、フィルム搬送ローラ15bの支持位置に応じて決定される。上述したように、フィルム搬送ローラ15bは、フィルムFのひだ部FFの高さH1方向の移動を可能にする支持機構によって支持され、フィルム搬送ローラ15bが支持される、ひだ部FFの高さ方向の支持位置は、フィルムFに形成されるひだ部FFの高さ寸法H1に基づいて調整されている。詳細には、フィルム搬送ローラ15bの支持位置は、図8に示すように、フィルム搬送ローラ15bにフィルムFが接する位置FRが、仮想面FBHおよび仮想位置FFHの間であって、位置FRから仮想位置FFHまでの距離寸法H3に対して、位置FRから仮想面FBHまでの距離寸法H2が長くなるような位置に調整される。ここで、仮想面FBHとは、上流誘導部材341によって誘導されるフィルムFの本体部FBの搬送面を搬送方向に仮想的に延長した面である。また、仮想位置FFHとは、フィルムFのひだ部FFの上端を搬送方向に仮想的に延長した位置である。より詳細には、位置FRから仮想面FBHまでの距離寸法H2が、ひだ部FFの高さ寸法H1の半分より少し大きくなる位置(H2>H1÷2)でフィルム搬送ローラ15bが支持される。
【0077】
傾け部材343は、下流誘導部材342が設けられた領域に設置される。また、傾け部材343は、図9A〜図9Dに示すように、ひだ部形成部32で形成されたひだ部FFに当接し、フィルムFの本体部FBと同程度の傾きに傾ける。
【0078】
(4)製袋包装ユニット
次に、図10を用いて、製袋包装ユニット5を説明する。製袋包装ユニット5は、主として、成形機構50と、鉛直シール機構18と、水平シール機構17と、これらの各機構を支える支持フレーム11とから構成されている。支持フレーム11の周囲には、ケーシング12が取り付けられている(図2参照)。
【0079】
a)成形機構
成形機構50は、フィルム供給ユニット2から送られてくるフィルムFを筒状に成形する。成形機構50は、主として、チューブ501と、フォーマ502とを有する。
【0080】
チューブ501は、縦方向に延びる筒状の部材であり、上下端に開口を有する。チューブ501は、支持フレーム11の天板29の中央付近に形成されている開口を上下方向に貫通するように配置され、図示されないブラケットを介してフォーマ502に固定されている。このチューブ501の上端の開口には、製袋包装ユニット5の上方に設けられているコンピュータスケール9から所定量ずつ落下してくる商品が投入される。なお、コンピュータスケール9は、ひだ、プールホッパ、軽量ホッパ、集合排出シュート等から構成される組合せ計量装置である。
【0081】
フォーマ502は、チューブ501を取り囲むように配置される。このフォーマ502の形状は、フィルム供給ユニット2から送られてくるフィルムFがフォーマ502とチューブ501との隙間を通過するときに筒状に成形されるような形状である。フォーマ502は、支持フレーム11に支持されている成形機構支持部材503の基板に固定されている。
【0082】
b)鉛直シール機構
鉛直シール機構18は、製造された袋10に延びるジッパーZPの長手方向に沿って、袋10を熱シールする。鉛直シール機構18は、支持フレーム11の天板29から吊り下げられている支持部材(図示されない)に支持されている。鉛直シール機構18は、ヒータおよびヒータにより加熱されるヒータベルト等を有している。鉛直シール機構18は、チューブ501に巻き付けられている筒状フィルムの上流から下流に延びて重なり合う部位L1を、一定の加圧力でチューブ501の表面に押しつけながら加熱してシールする。
【0083】
また、鉛直シール機構18には、図示しないカッターが備えられており、当該カッターにより、ひだ部FFの切り取り部位H2に、ミシン目が形成される。
【0084】
c)水平シール機構
水平シール機構17は、製造された袋10に延びるジッパーZPの長手方向に直交する方向に、袋10を熱シールする。水平シール機構17は、鉛直シール機構18の下流に配置され、支持フレーム11に支持されている。水平シール機構17は、一対のシールジョーを有する。シールジョーは、互いに同期を取りながら、近接したり離反したりするように水平面内を前後方向に往復運動し、互いに最も近接する状態において筒状フィルムFを挟み込む。シールジョーは、内部にヒータを有しており、挟み込んだ筒状フィルムの被シール部位12,12を、当該ヒータによって熱シールする。シールジョーは、一回の挟み込み動作により、製袋包装機1により連続して製造される2つの袋10,10のうち、先に製造される袋10(第1袋)の片側のシール部位12と、その次に製造される袋10(第2袋)の片側のシール部位12とを同時に形成する。さらに、一対のシールジョーのうち一方には、図示されないカッターが内蔵されており、一回の挟み込み動作により熱シールされた部位の中央がカッターで横方向に切断される。この切断により、横方向に延びる筒状フィルムから、袋10が1つ1つ切り離される。
【0085】
(5)製袋包装機の動作
プルダウンベルト14,14が駆動されると、フィルム供給ユニット2のフィルムロールからフィルムFが繰り出される。当該フィルムFは、複数のフィルム搬送ローラ15a,15bに渡し掛けられて、製袋包装ユニット5の成形機構50へと送られる(図3参照)。フィルムFは、成形機構50に搬送される途中で、ひだ部形成ユニット3を通過する。
【0086】
ひだ部形成ユニット3を通過するフィルムFは、搬送経路規定部31において包装材の搬送角度が変更される。また、搬送経路規定部31において、フィルムFの一部が3角形ブロックB2の辺S23およびその下底側に取り付けられたロッド38と、3角形ブロックB3の辺S33およびその下底側に取り付けられたロッド38との隙間を通り抜ける(図5Bおよび図5C参照)。これにより、フィルムFにひだ部相当部が形成される。その後、フィルムFは、ひだ部形成部32とヘム部形成部33とを通過する。詳細には、図7に示すように、フィルムFの一部分がひだ部形成部32を通過し、フィルムFの別の一部分がヘム部形成部33を通過する。これにより、フィルムFの幅方向にひだ部FFとヘム部FH,FHとが形成される。この時、フィルムFのひだ部FFおよびヘム部FH,FH以外の部分である本体部FBは、上流誘導部材341に沿って搬送される。その後、フィルムFの本体部FBは、下流に設けられたフィルム搬送ローラ15bに向けて、下流誘導部材342に沿いながら下流に搬送される。また、フィルムFのひだ部FFは、傾け部材343によってフィルムFの本体部FBと同程度の傾きに傾けられる。フィルムFは、フィルム搬送ローラ15bを通過することで、搬送角度が変更され、その後、製袋包装ユニット5に搬送される。
【0087】
製袋包装ユニット5の成形機構50では、ひだ部FFおよびヘム部FH,FHを有するフィルムFがフォーマ502の表面に沿って搬送され、チューブ501に巻きつけられる。チューブ501に巻きつけられたフィルムFは、鉛直シール機構18によって鉛直シール部位L1となる部位に熱シールが施される。その後、水平シール機構17によって、筒状フィルムの左右のシール部位12,12となる部位に熱シールが施される。
【0088】
<特徴>
(1)上記実施形態に係る製袋包装機1は、ひだ部形成ユニット3において複数回一時的にフィルムFを曲げ、フィルムFの搬送角度を変更する。これにより、フィルムFがひだ部形成部32に移行する際に、フィルムFの所定部分が大きく曲げられ、ひだ部FFへと形成されていく。フィルムFの搬送角度を段階的に変化させて搬送経路が規定されるため、袋10に形成されるしわを減少させることができる。
【0089】
(2)また、ひだ部形成ユニット3では、5角形ブロックB1の底面および側面S111,S121と、3角形ブロックB2の側面S211および上面S212と、3角形ブロックB3の側面S311および上面S312に沿って、フィルムFが搬送される。また、各ブロックB1,B2,B3の辺S11,S12,S21,S31,・・・に当接することにより、フィルムFの搬送角度が変更される。フィルムFが面に沿って搬送されるので、フィルムFの流れを安定させることができる。
【0090】
さらに、フィルムFに当接する部分が第1搬送域R1に対して45度の角度を有している。これにより、フィルムFに確実にひだ部FFを形成することができる。
【0091】
(3)また、搬送経路規定部31に含まれる5角形ブロックB1と3角形ブロックB2,B3との位置を5角形ブロックB1および3角形ブロックB2,B3の側面の高さh方向にずらすことにより、または、側面の高さhを増減させることにより、ひだ部形成部32において形成されるひだ部FFの大きさ(高さ)を変化させることができる。
【0092】
(4)上記実施形態に係る製袋包装機1では、ひだ部形成部32に対して、搬送経路規定部31を傾けて設けられる。したがって、ひだ部形成ユニット3全体の長さを短くすることができ、省スペース化を図ることができる。
【0093】
(5)上記実施形態に係る製袋包装機1では、所定の位置D2からジッパーZPを差し込み、ジッパー挿入部材322を用いて、ひだ部相当部に挿入する。これにより、袋の大きさに合わせたジッパーZPを準備する必要がなく、連続した長いジッパーZPを用いることができる。
【0094】
(6)上記実施形態に係る製袋包装機1は、製袋包装ユニット5の手前に配置されたひだ部形成ユニット3において、フィルムFに大きなひだ部FFが形成される。ひだ部FFは、フィルムFの所定の部分に3つの折り目を形成し、熱を加えることで形成される。製袋包装ユニット5に、ひだ部FFを有するフィルムFを搬送する際、製袋包装機1は、ひだ部FFをフィルムFの本体部FBと同程度の傾きに傾け、製袋包装ユニット5の手前でフィルム搬送ローラ15bによりフィルムFの搬送角度を変える。
【0095】
ここで、フィルム搬送ローラ15bの配置位置を、上流誘導部材341によって誘導されるフィルムFの本体部FBの搬送面を延長した位置にした場合、フィルムFが有するひだ部FFの高さH1が大きいため、フィルムFの本体部FBにしわがよってしまう。その結果、製袋包装ユニット5への搬送過程でフィルムFにしわがよったり、その結果、フィルムFの流れに異常が生じたりすることがある。
【0096】
しかし、上記実施形態では、フィルム搬送ローラ15bは、フィルムFのひだ部FFの高さ方向の移動を可能にする支持機構に支持されており、フィルム搬送ローラ15bの支持位置は、フィルムFのひだ部FFの高さ寸法H1に応じて調整される。すなわち、フィルムFがフィルム搬送ローラ15bに接する位置FRが、ひだ部FFの高さ寸法H1の半分より下にくるようにフィルム搬送ローラ15bの位置が調整される。これにより、フィルムFの搬送過程で、フィルムFにしわがよりにくくなる。
【0097】
(7)上記実施形態に係る製袋包装機1は、ジッパーZPがフィルムFのジッパー取り付け部位H3に取り付けられる。フィルムFにジッパーZPが取り付けられると、ジッパー取り付け部位H3のフィルムFの伸びと、その他の部位におけるフィルムFの伸びとが異なり、フィルムが突っ張りやすくなる。また、その影響によりフィルムFのその他の部分にしわがよりやすくなる。しかし、上記実施形態に係る製袋包装機1は、フィルムFの本体部FBを上流誘導部材341および下流誘導部材342に沿わせながらフィルム搬送ローラ15bに搬送する。これにより、搬送過程でフィルムFに生じるしわを低減させることができる。
【0098】
また、上記実施形態に係る製袋包装機1は、ひだ部FFを傾けつつ、所定の位置に配置されたフィルム搬送ローラ15bに向けてフィルムFを搬送する。これにより、フィルムFの突っ張りを解消することができる。
【0099】
<変形例>
(A)上記実施形態では、搬送経路規定部31において、5角形ブロックB1と3角形ブロックB2,B3とを用い、フィルムFは、各ブロックB1,B2,B3の所定の辺S11,S12,S21,S22,S23,S31,S32,S33で搬送角度が変えられたが、ブロックB1,B2,B3の代わりに、当該所定の辺の位置にロッド等を配置することで、フィルムFの搬送角度を変更することもできる。
【0100】
さらに、上記実施形態で用いた複数のブロックB1,B2,B3の代わりに、フィルムFを同様の搬送角度でひだ部形成部32に誘導する金型等を用いても構わない。当該金型を曲線形状で形成し、フィルムFがひだ部形成部32に入る手前で複数回フィルムFの搬送角度を変更させるようにしてもよい。
【0101】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、ひだ部を有する袋を製造する際に、袋に形成されるしわを減少させる製袋包装機として有用である。
【符号の説明】
【0103】
1 製袋包装機
2 フィルム供給ユニット
3 ひだ部形成ユニット
5 製袋包装ユニット
10 スタンドパウチ
31 搬送経路規定部
32 ひだ部形成部
33 ヘム部形成部
34 フィルム誘導部
F フィルム(包装材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】国際公開WO01/24999号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を包装した袋を製造する製袋包装機構と、
平面状態の包装材を、3つの折り目により形成されるひだ部を含む断面形状を持つひだ部保有状態へと変形させ、さらに前記製袋包装機構へと送るひだ部形成機構と、
を備え、
前記ひだ部形成機構は、前記包装材の搬送経路を規定する包装材経路規定部を有し、
前記包装材経路規定部は前記包装材の前記3つの折り目以外の部分を、複数回一時的に曲げる、
製袋包装機。
【請求項2】
前記ひだ部形成機構は、
前記ひだ部保有状態の包装材を搬送する第1搬送域と、
前記包装材の搬送方向に対して前記第1搬送域の上流に配置され、前記包装材経路規定部が配置される第2搬送域と、
を有する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記包装材経路規定部は、前記包装材に当接し、前記包装材の搬送角度を変更させる当接部を有する、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記包装材経路規定部は、複数の前記当接部を有し、
前記複数の当接部のうち少なくとも2つは、前記第1搬送域における前記包装材の搬送方向に対して45度傾いている、
請求項3に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記第1搬送域における前記包装材は、前記ひだ部と、前記ひだ部に隣接する2つの隣接部とを有し、
前記ひだ部形成機構は、前記第2搬送域において、前記2つの隣接部を2回曲げ、前記第2搬送域から前記第1搬送域への搬送途中で1回曲げる、
請求項4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記当接部は、
前記第2搬送域において最初に前記包装材に当接し、前記包装材の搬送角度を変更する第1当接部と、
前記第2搬送域において前記第1当接部の後で前記包装材に当接し、前記包装材の搬送角度をさらに変更する第2当接部と、
前記第2当接部の後、前記第2搬送域から前記第1搬送域への搬送途中で前記包装材の前記ひだ部に相当する部分に当接する第3当接部と、
前記第2当接部の後、前記第2搬送域から前記第1搬送域への搬送途中で前記包装材の前記隣接部に相当する部分に当接する第4当接部と
を含む、
請求項5に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記第1当接部と前記第2当接部との距離は、前記ひだ部の長さを決定する、
請求項6に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記ひだ部を、前記ひだ部以外の前記包装材の部分である非ひだ部と同程度の傾きに傾ける傾け部材と、
前記包装材の搬送方向に対して前記傾け部材の下流に配置され、且つ、前記ひだ部形成機構における前記非ひだ部の搬送面を前記包装材の搬送方向に仮想的に延長した面である仮想面から、前記包装材の前記ひだ部が形成される側にずらした位置に配置され、前記包装材の搬送角度を変更させるローラと、
をさらに備える、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項9】
前記仮想面から前記ローラまでのずれの距離寸法は、前記ひだ部の高さ寸法の半分より少し大きい、
請求項8に記載の製袋包装機。
【請求項10】
前記包装材の搬送方向に沿って、前記ひだ部形成機構の下流から前記ローラの手前にまで伸び、前記非ひだ部に接して前記非ひだ部を前記ローラに導く誘導部をさらに備える、
請求項9に記載の製袋包装機。
【請求項11】
前記誘導部は、前記ひだ部を通過させるように所定の間隙を空けて配置される少なくとも二枚の平板部材を含む
請求項10に記載の製袋包装機。
【請求項12】
被包装物を包装した袋を製造する製袋包装機構と、
平面状態の包装材を、3つの折り目により形成される大きなひだ部を含む断面形状を持つひだ部保有状態へと変形させ、さらに前記製袋包装機構へ送るひだ部形成機構と、
前記ひだ部を、前記ひだ部以外の前記包装材の部分である非ひだ部と同程度の傾きに傾ける傾け部材と、
前記包装材の搬送方向に対して前記傾け部材の下流に配置され、且つ、前記ひだ部形成機構における前記非ひだ部の搬送面を、前記包装材の搬送方向に仮想的に延長した面である仮想面から、前記包装材の前記ひだ部が形成される側にずれた位置に配置され、前記包装材の搬送角度を変更させるローラと、
を備える、
製袋包装機。
【請求項13】
前記仮想面から前記ローラまでのずれの距離寸法は、前記ひだ部の高さ寸法の半分より少し大きい、
請求項12に記載の製袋包装機。
【請求項14】
前記包装材の搬送方向に沿って、前記ひだ部形成機構の下流から前記ローラの手前にまで伸び、前記非ひだ部に接して前記非ひだ部を前記ローラに導く誘導部をさらに備える、
請求項13に記載の製袋包装機。
【請求項15】
前記誘導部は、前記ひだ部を通過させるように所定の間隙を空けて配置される少なくとも二枚の平板部材を含む、
請求項14に記載の製袋包装機。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−1126(P2011−1126A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135649(P2010−135649)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】