説明

製袋機

【課題】トムソン刃によってプラスチックフィルムを切断し、プラスチック袋を製造する製袋機において、大きい力でトムソン刃を押し付けなくても、トムソン刃によってプラスチックフィルムを切断することができるようにする。
【解決手段】プラスチックフィルム1の厚さ方向一方側において、トムソン刃3がプラスチックフィルム1に接触し、プラスチックフィルム1の厚さ方向他方側において、ころがり部材4がプラスチックフィルム1に接触し、プラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動する。したがって、プラスチックフィルム1がトムソン刃3ところがり部材4間に挟まれ、トムソン刃3およびころがり部材4によってプラスチックフィルム1が切断され、プラスチック袋が製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラスチック袋を製造する製袋機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、プラスチック袋を製造する製袋機において、たとえば、プラスチック袋が両側縁を湾曲させた変形袋であるとき、プラスチックフィルムがその長さ方向に間欠送りされる。そして、プラスチックフィルムが停止しているとき、トムソン刃がプラスチックフィルムおよび受け台に向かって移動し、プラスチックフィルムおよび受け台に押し付けられ、プラスチックフィルムがトムソン刃と受け台間に挟まれ、トムソン刃および受け台によってプラスチックフィルムが切断され、プラスチック袋が製造されることが多い。
【0003】
さらに、特許文献1の製袋機では、複数の微小接続部分が切断線に沿って間隔を置いて形成される。微小接続部分はマイクロジョイントと呼ばれているところのものである。特許文献2に記載されているように、プラスチックフィルムが一定の深さをもってハーフカットされることもある。
【0004】
この場合、トムソン刃がプラスチックフィルムおよび受け台に押し付けられたとき、プラスチックフィルムが一度に切断されるが、これを達成するには、大きい力でトムソン刃を押し付けねばならない。その力は数トンのレベルに達する。
【0005】
さらに、普通、トムソン刃が可動台に取り付けられ、駆動機構によって可動台およびトムソン刃が移動するが、大きい力でトムソン刃を押し付けるには、駆動機構に容量の大きいものを使用する必要があることは当然である。しかも、問題はそれだけではない。プラスチックフィルムおよび受け台に押し付けられるとき、プラスチックフィルムの切断部分において、トムソン刃が均一に押し付けられるようにする必要があり、均一に押し付けられなかったとき、プラスチックフィルムを的確に切断することはできない。トムソン刃が局部的に強く押し付けられると、それによってトムソン刃が破損するという問題もある。したがって、トムソン刃と受け台の平行度が要求され、大きい力でトムソン刃が押し付けられても、それによって可動台および受け台がたわまず、トムソン刃と受け台の平行度が保たれるようにせねばならない。このため、可動台および受け台の剛性が要求され、重量が増大し、全体が大型化される。重量の大きい可動台が移動し、危険であるという問題もある。
【0006】
したがって、この発明は、トムソン刃によってプラスチックフィルムを切断し、プラスチック袋を製造する製袋機において、大きい力でトムソン刃を押し付けなくても、トムソン刃によってプラスチックフィルムを切断することができるようにすることを目的としてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3344958号公報
【特許文献2】特開2002−224994号公報
【発明の概要】
【0008】
この発明によれば、プラスチックフィルムがその長さ方向に間欠送りされる。そして、プラスチックフィルムが停止しているとき、プラスチックフィルムの厚さ方向一方側において、トムソン刃がプラスチックフィルムに接触し、プラスチックフィルムの厚さ方向他方側において、ころがり部材がプラスチックフィルムに接触し、プラスチックフィルムおよびトムソン刃に沿ってころがり、移動する。したがって、プラスチックフィルムがトムソン刃ところがり部材間に挟まれ、トムソン刃およびころがり部材によってプラスチックフィルムが切断され、プラスチック袋が製造される。
【0009】
好ましい実施例では、ころがり部材がプラスチックフィルムの幅方向または長さ方向にころがり、移動する。
【0010】
トムソン刃およびころがり部材をプラスチックフィルムに押し付け、その力を60kgf以下の力にとどめることが好ましい。
【0011】
トムソン刃ところがり部材を互いに接近または接触させ、その間隔を0.06mm〜0mmの間隔に保つことが好ましい。
【0012】
好ましい実施例では、ころがり部材はころからなる。
【0013】
ころに補助ころを係合させ、両者をトムソン刃とベース間に配置し、補助ころをベースに係合させる。さらに、ベースをトムソン刃に平行に配置し、ころおよび補助ころを可動部材に連結する。そして、駆動機構によって可動部材を移動させ、補助ころをベースに沿ってころがし、移動させ、ころをプラスチックフィルムおよびトムソン刃に沿ってころがし、移動させるようにしてもよい。
【0014】
ころにピニオンを設け、ころをトムソン刃とベース間に配置し、ベースにラックを設け、ピニオンとラックを互いにかみ合わせる。さらに、ベースをトムソン刃に平行に配置し、駆動機構によってベースを移動させ、ピニオンとラックによってころを回転させ、ころがし、移動させるようにしてもよい。
【0015】
ころをトムソン刃とベース間に配置し、ベースに係合させる。さらに、ベースをトムソン刃に平行に配置し、駆動機構によってベースを移動させ、摩擦によってころを回転させ、ころがし、移動させるようにしてもよい。
【0016】
ころをガイドレールに係合させ、ガイドレールをトムソン刃に平行に配置し、ころをガイドレールに沿って移動させ、プラスチックフィルムおよびトムソン刃に沿ってころがすようにしてもよい。
【0017】
トムソン刃をプラスチックフィルムに向かって移動させ、トムソン刃およびころがり部材をプラスチックフィルムに接触させるようにしてもよい。
【0018】
反対に、ころがり部材をプラスチックフィルムに向かって移動させ、トムソン刃およびころがり部材をプラスチックフィルムに接触させるようにしてもよい。
【0019】
プラスチックフィルムの幅方向または長さ方向において、トムソン刃の両側にストッパを配置する。そして、トムソン刃またはころがり部材がプラスチックフィルムに向かって移動し、ストッパところがり部材が互いに係合し、トムソン刃およびころがり部材がプラスチックフィルムに接触するようにしてもよい。
【0020】
プラスチックフィルムの幅方向または長さ方向において、トムソン刃の両側にシリコンまたはウレタンゴムを配置し、プラスチックフィルムに向かう方向において、シリコンまたはウレタンゴムをトムソン刃よりも突出させる。そして、トムソン刃またはころがり部材がプラスチックフィルムに向かって移動し、シリコンまたはウレタンゴムところがり部材が互いに係合し、ころがり部材によってシリコンまたはウレタンゴムが圧縮され、弾性変形し、トムソン刃およびころがり部材がプラスチックフィルムに接触するようにしてもよい。
【0021】
プラスチックフィルムの長さ方向において、ころがり部材の両側に補助部材を配置し、ころがり部材がプラスチックフィルムに向かって移動するとき、補助部材をころがり部材に同期させ、プラスチックフィルムに向かって移動させ、プラスチックフィルムに係合させる。そして、補助部材によってプラスチックフィルムが変位し、その位置がトムソン刃に対応するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】Aはこの発明の実施例を示す側面図、BはAのトムソン刃およびころの平面図、CはAのトムソン刃およびころの正面図である。
【図2】Aは他の実施例を示す正面図、BはAのトムソン刃およびころの側面図、CはAのベースの位置調節機構を示す説明図である。
【図3】Aは他の実施例を示す正面図、BはAのトムソン刃およびころの側面図である。
【図4】Aは他の実施例を示す正面図、BはAのトムソン刃およびころの側面図である。
【図5】Aは他の実施例を示す正面図、BはAのトムソン刃およびころの側面図、CはAの変形例を示す説明図である。
【図6】Aは他の実施例を示す側面図、BはAの次の工程を示す側面図、CはBの次の工程を示す側面図、DはCの次の工程を示す側面図、EはAのころの駆動機構を示す説明図である。
【図7】他の実施例を示す側面図である。
【図8】他の実施例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0024】
図1はこの発明にかかる製袋機を示す。この製袋機はプラスチック袋を製造するためのもので、プラスチックフィルム1として2枚のフィルムが使用され、各フィルムが互いに重ね合わされ、その長さ方向Xに間欠送りされることは特許文献1のものと同様である。たとえば、送り機構に送りローラ2が使用され、プラスチックフィルム1が送りローラ2に導かれ、駆動モータによって送りローラ2が回転し、プラスチックフィルム1が間欠送りされる。プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、プラスチックフィルム1が停止しているとき、ヒートシール装置によってプラスチックフィルム1がヒートシールされることも特許文献1のものと同様である。
【0025】
さらに、この製袋機では、ヒートシール後、プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、プラスチックフィルム1が停止しているとき、プラスチックフィルム1の厚さ方向一方側において、トムソン刃3がプラスチックフィルム1に接触し、プラスチックフィルム1の厚さ方向他方側において、ころがり部材がプラスチックフィルム1に接触し、プラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動する。トムソン刃3はプラスチックフィルム1の幅方向Yにのびる。ころがり部材はころ4からなり、プラスチックフィルム1の長さ方向Xにのび、幅方向Yにころがり、移動する。
【0026】
この実施例では、プラスチックフィルム1が水平面に沿って間欠送りされる。そして、プラスチックフィルム1の上側にトムソン刃3が配置されている。さらに、トムソン刃3が可動台5に取り付けられ、駆動機構が可動台5に連結され、プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、プラスチックフィルム1が停止しているとき、駆動機構によって可動台5およびトムソン刃3が移動し、下降する。駆動機構は駆動モータ6からなる。さらに、たとえば、クランクおよびリンクによって駆動モータ6と可動台5が連結され、駆動モータ6によってクランクが回転し、リンクによって可動台5およびトムソン刃3が移動し、下降する。したがって、トムソン刃3がプラスチックフィルム1およびころ4に向かって移動し、プラスチックフィルム1の上側において、トムソン刃3がプラスチックフィルム1に接触する。
【0027】
一方、ころ4はプラスチックフィルム1よりも下方に配置され、プラスチックフィルム1の幅方向外側に第1および第2待機位置が選定されており、最初、ころ4は第1待機位置(実線の位置)で待機する。ころ4は一定長さのもので、外周面を有し、プラスチックフィルム1が水平面に沿って間欠送りされるとき、外周面はその水平面に接する。さらに、駆動機構がころ4に連結されており、トムソン刃3とプラスチックフィルム1の接触後、駆動機構によってころ4が移動し、プラスチックフィルム1の下側において、ころ4がプラスチックフィルム1に接触する。さらに、ころ4がプラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動する。ころ4は第1待機位置から移動し、第2待機位置(鎖線の位置)に達する。
【0028】
したがって、プラスチックフィルム1がトムソン刃3ところ4間に挟まれ、トムソン刃3およびころ4によってプラスチックフィルム1が切断され、プラスチック袋が製造される。
【0029】
さらに、プラスチックフィルム1の外側に第1および第2待機位置が選定されていることは前述したとおりであり、第2待機位置に達したとき、ころ4がプラスチックフィルム1から離れる。その後、可動台5がもとの位置に移動し、上昇し、トムソン刃3もプラスチックフィルム1から離れる。その後、ころ4が第2待機位置で待機し、プラスチックフィルム1が再度間欠送りされる。そして、プラスチックフィルム1が停止しているとき、トムソン刃3がプラスチックフィルム1およびころ4に向かって移動し、プラスチックフィルム1の上側において、トムソン刃3がプラスチックフィルム1に接触する。さらに、プラスチックフィルム1の下側において、ころ4がプラスチックフィルム1に接触し、プラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動する。ころ4は第2待機位置から移動し、第1待機位置に達する。
【0030】
したがって、プラスチックフィルム1が再度切断され、プラスチック袋が再度製造される。その後、各工程が順次交互に繰り返され、プラスチック袋が連続的に製造される。
【0031】
プラスチック袋は両側縁を湾曲させた変形袋である。トムソン刃3はプラスチック袋に対応する形状のものである。この点は特許文献1の製袋機と同様である。
【0032】
この製袋機の場合、ころ4がプラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動し、それによってプラスチックフィルム1が切断される。したがって、プラスチックフィルム1が一度に切断されるのではなく、進行的に切断されるものである。そして、集中荷重がころ4とプラスチックフィルム1の接触点に作用し、集中荷重によってプラスチックフィルム1が切断される。この結果、大きい力をトムソン刃3に加え、トムソン刃3およびころ4をプラスチックフィルム1に押し付ける必要はない。大きい力でトムソン刃3およびころ4を押し付けなくても、トムソン刃3およびころ4によってプラスチックフィルム1を切断することができる。
【0033】
したがって、大きい力でトムソン刃3およびころ4を押し付ける必要がなく、駆動モータ6に容量の大きいものを使用する必要はない。大きい力によって可動台5がたわむこともない。この結果、プラスチックフィルム1の切断部分において、トムソン刃3およびころ4を均一に押し付けることができ、プラスチックフィルム1を的確に切断することができる。可動台5の剛性は要求されず、重量は増大せず、全体が大型化されることもない。重量の大きい可動台5が移動し、危険であるという問題もない。
【0034】
この製袋機の場合、トムソン刃3およびころ4がプラスチックフィルム1に接触し、押し付けられたとき、その力が60kgf以下の力であっても、それによってプラスチックフィルム1が切断される。したがって、この実施例では、押し付けられる力が60kgf以下の力にとどめられる。
【0035】
さらに、この製袋機の場合、トムソン刃3ところ4を互いに接触させず、接近させるだけでも、その間隔が0.06mm以下の間隔であれば、それによってプラスチックフィルム1が切断される。したがって、この実施例では、トムソン刃3ところ4が互いに接近または接触し、その間隔が0.06mm〜0mmの間隔にとどめられる。
【0036】
図2の実施例では、ころ4に補助ころ7が係合し、両者がトムソン刃3とベース8間に配置され、補助ころ7がベース8に係合する。ころ4は補助ころ7の上側に位置し、ベース8は補助ころ7の下側に位置する。さらに、ベース8がトムソン刃3に平行に配置されており、ころ4および補助ころ7がリンク9および可動部材10に連結されている。たとえば、ピン4a,7aによってころ4および補助ころ7とリンク9が連結され、ピン9aによってリンク9と可動部材10が連結されている。ころ4および補助ころ7はプラスチックフィルム1の長さ方向Xにのび、ピン4a,7aのまわりを回転可能である。リンク9はプラスチックフィルム1の幅方向Yにのび、ピン9aのまわりを揺動可能である。さらに、駆動機構に駆動モータ11、タイミングベルト12およびタイミングプーリ13が使用され、これが可動部材10に連結されている。さらに、ベース8にリニアガイド14が設けられ、リニアガイド14によって可動部材10が案内され、可動部材10はリニアガイド14に沿って移動可能である。リニアガイド14もプラスチックフィルム1の幅方向Yにのびる。
【0037】
したがって、重力がころ4および補助ころ7に作用し、ころ4が補助ころ7に係合し、支持され、補助ころ7はベース8に係合し、支持される。そして、トムソン刃3とプラスチックフィルム1の接触後、駆動モータ11、タイミングベルト12およびタイミングプーリ13によって可動部材10が移動し、可動部材10およびリンク9によってころ4および補助ころ7が移動する。可動部材10はリニアガイド14に沿って移動し、プラスチックフィルム1の幅方向Yに移動し、ころ4および補助ころ7もプラスチックフィルム1の幅方向Yに移動する。したがって、補助ころ7がベース8に沿ってころがり、移動し、一方向に回転し、ころ4が補助ころ7に連動し、逆方向に回転し、プラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動する。ころ4が第1待機位置から移動し、第2待機位置に達し、その後、ころ4が第2待機位置から移動し、第1待機位置に達することは図1の実施例と同様である。
【0038】
さらに、この実施例では、位置調節機構がベース8に設けられており、プラスチックフィルム1に向かう方向およびプラスチックフィルム1から離れる方向において、位置調節機構によってベース8を移動させ、その位置を調節することができる。たとえば、位置調節機構にテーパ面式のものが使用され、ベース8がテーパ面15に係合し、調節ねじ16によってベース8が移動し、これがテーパ面15に沿ってスライドする。したがって、プラスチックフィルム1に向かう方向およびプラスチックフィルム1から離れる方向において、テーパ面15によってベース8を移動させ、その位置を調節することができる。そして、あらかじめベース8の位置が調節され、トムソン刃3およびころ4がプラスチックフィルム1に接触し、押し付けられたとき、その力が60kgf以下の力にとどめられる。トムソン刃3ところ4が互いに接近または接触し、その間隔が0.06mm〜0mmの間隔に保たれるようにしてもよい。したがって、小さい力でトムソン刃3およびころ4が押し付けられるものである。
【0039】
図2の位置調節機構において、重力によってベース8とテーパ面18を係合させてもよい。ベース8とテーパ面18間において、スプリングをベース8に作用させ、ベース8とテーパ面18を係合した状態に保つようにしてもよい。
【0040】
図3の実施例では、ころ4にピニオン17が設けられている。さらに、ころ4がトムソン刃3とベース18間に配置され、ベース18に係合し、支持され、ベース18にラック19が設けられ、ピニオン17とラック19が互いにかみ合わされている。さらに、ベース18がトムソン刃3に平行に配置されており、トムソン刃3とプラスチックフィルム1の接触後、駆動機構によってベース18が移動し、ピニオン17とラック19によってころ3が回転し、ころがり、移動する。ベース18はガイドレール20に沿って移動する。したがって、トムソン刃3およびころ4によってプラスチックフィルム1が切断される。
【0041】
ころ4をトムソン刃3とベース18間に配置し、ころ4をベース18に係合させる。さらに、ベース18をトムソン刃3に平行に配置し、駆動機構によってベース18を移動させ、摩擦によってころ4を回転させ、ころがし、移動させるようにしてもよい。
【0042】
図4の実施例では、ころ4がガイドレール21に係合し、支持され、ガイドレール21がトムソン刃3に平行に配置される。たとえば、ころ4の両端において、それぞれ耳軸が突出し、耳軸にベアリング22が設けられる。さらに、一対のレール21がベース23に設けられ、各ベアリング22が各レール21に係合し、支持され、各レール21がトムソン刃3に平行に配置される。そして、トムソン刃3がプラスチックフィルム1に向かって移動し、プラスチックフィルム1に接触する。その後、ころ4がガイドレール21に沿って移動し、プラスチックフィルム1に接触し、プラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがる。したがって、トムソン刃3およびころ4によってプラスチックフィルム1が切断される。
【0043】
さらに、図3および図4の実施例でも、プラスチックフィルム1に向かう方向および離れる方向において、位置調節機構によってベース18およびガイドレール21が移動し、その位置が調節され、小さい力でトムソン刃3が押し付けられることは図2の実施例と同様である。
【0044】
各実施例において、ころ4がプラスチックフィルム1の幅方向Yではなく、長さ方向Xにころがり、移動するようにしてもよい。そして、トムソン刃3およびころ4によってプラスチックフィルム1が切断されるようにすることもできる。
【0045】
図5の実施例では、プラスチックフィルム1の幅方向Yにおいて、トムソン刃3の両側にストッパ24が配置され、プラスチックフィルム1に向かう方向およびプラスチックフィルム1から離れる方向において、位置調節機構によってストッパ24が移動し、その位置がトムソン刃3に対応する。図2の実施例と同様、位置調節機構にテーパ面式のものを使用してもよい。トムソン刃3はプラスチックフィルム1の幅方向Yにのび、ころ4もプラスチックフィルム1の幅方向Yにのびる。そして、トムソン刃3がプラスチックフィルム1に向かって移動し、ストッパ24ところ4が互いに係合し、トムソン刃3およびころ4がプラスチックフィルム1に接触する。その後、ころ4がプラスチックフィルム1の長さ方向Xに移動し、プラスチックフィルム1に接触する。さらに、ころ4がプラスチックフィルム1の長さ方向Xにころがり、移動する。したがって、小さい力でトムソン刃3およびころ4が押し付けられ、プラスチックフィルム1が的確に切断される。
【0046】
プラスチックフィルム1の長さ方向Xにおいて、トムソン刃3の両側にストッパ24を配置し、プラスチックフィルム1に向かう方向およびプラスチックフィルム1から離れる方向において、位置調節機構によってストッパ24を移動させ、その位置をトムソン刃3に対応させる。そして、トムソン刃3をプラスチックフィルム1に向かって移動させ、ストッパ24、プラスチックフィルム1およびころ4を互いに係合させる。その後、ころ4をプラスチックフィルム1の幅方向Yにころがし、移動させるようにしてもよい。
【0047】
なお、ころ4は金属製のもので、ストッパ24も金属製である。したがって、ストッパ24ところ4が互いに係合するとき、クッション材によって衝撃が吸収されるようにすることが好ましい。たとえば、クッション材としてシリコンまたはウレタンゴム24aを使用し、プラスチックフィルム1の幅方向Yまたは長さ方向Xにおいて、トムソン刃3の両側にストッパ24だけではなく、シリコンまたはウレタンゴム24aを配置する。そして、トムソン刃3がプラスチックフィルム1に向かって移動し、まず、シリコンまたはウレタンゴム24aところ4が互いに係合する。その後、ころ4によってシリコンまたはウレタンゴム24aが圧縮され、弾性変形し、ストッパ24ところ4が互いに係合するようにすると、シリコンまたはウレタンゴム24aによって衝撃を吸収することができる。
【0048】
各実施例において、トムソン刃3をプラスチックフィルム1に向かって移動させるようにしたものを説明したが、必ずしもその必要はない。反対に、ころ4をプラスチックフィルム1に向かって移動させ、トムソン刃3およびころ4をプラスチックフィルム1に接触させるようにしてもよい。
【0049】
図6の実施例では、ころ4の駆動機構にシリンダ25およびベルクランク26が使用され、ピン27によってシリンダ25と架台28が連結され、ピン29によってベルクランク26と架台28が連結され、シリンダ25およびベルクランク26が架台28に支持されている。ベルクランク26はピン29のまわりを揺動可能である。さらに、ベルクランク26の一端にころ4が支持され、ベルクランク26の他端において、ピン30によってシリンダ25とベルクランク26が連結されている。さらに、駆動機構にシリンダ31が使用され、架台28がベース32に取り付けられ、支持され、ベース32がシリンダ31に取り付けられ、支持されている。さらに、シリンダ31にリニアガイドが設けられており、リニアガイドによってベース32が案内され、ベース32はリニアガイドに沿って移動可能である。ころ4はプラスチックフィルム1の幅方向Yにのび、シリンダ31はプラスチックフィルム1の長さ方向Xにのび、そのリニアガイドもプラスチックフィルム1の長さ方向Xにのびる。
【0050】
さらに、図6の実施例では、プラスチックフィルム1の長さ方向Xにおいて、トムソン刃3の両側にシリコンまたはウレタンゴム33が配置されており、プラスチックフィルム1に向かう方向において、シリコンまたはウレタンゴム33がトムソン刃3よりも突出する。シリコンまたはウレタンゴム33はスポンジゴムからなる。
【0051】
そして、プラスチックフィルム1の間欠送り毎に、プラスチックフィルム1が停止しているとき、シリンダ25によってベルクランク26が揺動し、ピン29のまわりにおいて、ベルクランク26は反時計方向に揺動する。したがって、ベルクランク26によってころ4が持ち上げられ、ころ4がプラスチックフィルム1に向かって移動し、上昇し、トムソン刃3の一方側において、シリコンまたはウレタンゴム33、プラスチックフィルム1およびころ4が互いに係合し、ころ4によってシリコンまたはウレタンゴム33が圧縮され、弾性変形し、トムソン刃3およびころ4がプラスチックフィルム1に接触する(図6A)。
【0052】
その後、シリンダ31によって架台28およびベース32が移動し、ころ4がプラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動する。ベース32はリニアガイドに沿って移動する。したがって、ころ4がプラスチックフィルム1の長さ方向Xに移動し、トムソン刃3の他方側に達し、トムソン刃3およびころ4によってプラスチックフィルム1が切断される。さらに、トムソン刃3の他方側において、シリコンまたはウレタンゴム33、プラスチックフィルム1およびころ4が互いに係合し、ころ4によってシリコンまたはウレタンゴム33が圧縮され、弾性変形する(図6B)。
【0053】
その後、シリンダ25によってベルクランク26が揺動し、ピン29のまわりにおいて、ベルクランク26は時計方向に揺動する。したがって、ころ4がプラスチックフィルム1から下降し、離れ、シリコンまたはウレタンゴム33がもとの状態に復元し、シリコンまたはウレタンゴム33によってプラスチックフィルム1が押し下げられ、プラスチックフィルム1がトムソン刃3から剥がされる(図6C)。
【0054】
その後、シリンダ31によって架台28およびベース32が移動し、ころ4がもとの位置に復帰し、もとの位置で待機する(図6D)。
【0055】
さらに、図6の実施例では、垂直軸によって架台28とベース32が連結されている。したがって、架台28を垂直軸のまわりに揺動させ、トムソン刃3に対しころ4を傾斜させることができ、これによってその切断作用を高めることもできる。
【0056】
図6のプラスチックフィルム1の幅方向Yにおいて、トムソン刃3の両側にストッパを配置し、ころ4がプラスチックフィルム1に向かって移動し、ストッパところ4が互いに係合し、トムソン刃3およびころ4がプラスチックフィルム1に接触するようにしてもよい。さらに、プラスチックフィルム1の幅方向Yにおいて、トムソン刃3の両側にクッション材を配置し、ストッパところ4が互いに係合するとき、クッション材によって衝撃が吸収されるようにしてもよい。
【0057】
図6の実施例において、ころ4がプラスチックフィルム1の幅方向Yにころがり、移動し、トムソン刃3およびころ4によってプラスチックフィルム1が切断されるようにしてもよい。プラスチックフィルム1の長さ方向Xにおいて、トムソン刃3の両側にストッパを配置し、ころ4がプラスチックフィルム1に向かって移動し、ストッパところ4が互いに係合するようにしてもよい。さらに、プラスチックフィルム1の長さ方向Xにおいて、トムソン刃3の両側にクッション材を配置してもよい。
【0058】
図6の実施例において、トムソン刃3をプラスチックフィルム1に向かって移動させ、シリコンまたはウレタンゴム33ところ4を互いに係合させるようにしてもよい。
【0059】
プラスチックフィルム1の長さ方向Xではなく、幅方向Yにおいて、トムソン刃3の両側にシリコンまたはウレタンゴムを配置し、プラスチックフィルム1に向かう方向において、シリコンまたはウレタンゴムをトムソン刃3よりも突出させる。そして、トムソン刃3またはころ4がプラスチックフィルム1に向かって移動し、シリコンまたはウレタンゴムところ4が互いに係合し、ころ4によってシリコンまたはウレタンゴムが圧縮され、弾性変形し、トムソン刃3およびころ4がプラスチックフィルム1に接触するようにしてもよい。
【0060】
図7の実施例では、プラスチックフィルム1の長さ方向Xにおいて、ころ4の両側に補助部材34が配置されており、ころ4がプラスチックフィルム1およびトムソン刃3に向かって移動するとき、補助部材34がころ4に同期し、プラスチックフィルム1に向かって移動し、プラスチックフィルム1に係合する。そして、補助部材34によってプラスチックフィルム1が変位し、その位置がトムソン刃3に対応する。補助部材34はガイドローラからなる。
【0061】
したがって、トムソン刃3、プラスチックフィルム1およびころ4を的確に接触させることができる。そして、プラスチックフィルム1の切断後、ころ4および補助部材34がプラスチックフィルム1から離れ、テンションによってプラスチックフィルム1が引き下げられ、トムソン刃3もプラスチックフィルム1から離れる。その後、プラスチックフィルム1が再度間欠送りされる。
【0062】
図8の実施例では、ころがり部材にころ4ではなく、円弧状部材35が使用される。そして、円弧状部材35がプラスチックフィルム1およびトムソン刃3に沿ってころがり、移動し、トムソン刃3および円弧状部材35によってプラスチックフィルム1が切断される。
【0063】
各実施例において、特許文献1の製袋機と同様、複数の微小くぼみをトムソン刃3に沿って間隔を置いて形成し、複数の微小接続部分を切断線に沿って間隔を置いて形成することもできる。微小接続部分はマイクロジョイントと呼ばれているところのものである。特許文献2の製袋機と同様、プラスチックフィルム1を一定の深さをもってハーフカットすることもできる。ハーフカットする場合、トムソン刃3ところ4を互いに接近させ、その間隔をプラスチックフィルム1の厚さの30〜70%に保つことが好ましい。
【符号の説明】
【0064】
1 プラスチックフィルム
3 トムソン刃
4 ころ
6 駆動モータ
7 補助ころ
8 ベース
10 可動部材
11 駆動モータ
17 ピニオン
18 ベース
19 ラック
21 ガイドレール
24 ストッパ
25,31 シリンダ
33 シリコンまたはウレタンゴム
34 補助部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムをその長さ方向に間欠送りする送り機構と、
前記プラスチックフィルムが停止しているとき、前記プラスチックフィルムの厚さ方向一方側において、前記プラスチックフィルムに接触するトムソン刃と、
前記プラスチックフィルムが停止しているとき、前記プラスチックフィルムの厚さ方向他方側において、前記プラスチックフィルムに接触し、前記プラスチックフィルムおよびトムソン刃に沿ってころがり、移動するころがり部材とからなり、
前記プラスチックフィルムを前記トムソン刃ところがり部材間に挟み、前記トムソン刃およびころがり部材によって前記プラスチックフィルムを切断し、プラスチック袋を製造するようにしたことを特徴とする製袋機。
【請求項2】
前記ころがり部材が前記プラスチックフィルムの幅方向または長さ方向にころがり、移動するようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項3】
前記トムソン刃およびころがり部材を前記プラスチックフィルムに押し付け、その力を60kgf以下の力にとどめるようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項4】
前記トムソン刃ところがり部材を互いに接近または接触させ、その間隔を0.06mm〜0mmの間隔に保つようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項5】
前記ころがり部材はころからなる請求項1に記載の製袋機。
【請求項6】
前記ころに補助ころを係合させ、両者を前記トムソン刃とベース間に配置し、前記補助ころを前記ベースに係合させるとともに、前記ベースを前記トムソン刃に平行に配置し、前記ころおよび補助ころを可動部材に連結し、駆動機構によって前記可動部材を移動させ、前記補助ころを前記ベースに沿ってころがし、移動させ、前記ころを前記プラスチックフィルムおよびトムソン刃に沿ってころがし、移動させるようにした請求項5に記載の製袋機。
【請求項7】
前記ころにピニオンを設け、前記ころを前記トムソン刃とベース間に配置し、前記ベースにラックを設け、前記ピニオンとラックを互いにかみ合わせるとともに、前記ベースを前記トムソン刃に平行に配置し、駆動機構によって前記ベースを移動させ、前記ピニオンとラックによって前記ころを回転させ、ころがし、移動させるようにした請求項5に記載の製袋機。
【請求項8】
前記ころを前記トムソン刃とベース間に配置し、前記ころを前記ベースに係合させるとともに、前記ベースを前記トムソン刃に平行に配置し、駆動機構によって前記ベースを移動させ、摩擦によって前記ころを回転させ、ころがし、移動させるようにした請求項5に記載の製袋機。
【請求項9】
前記ころをガイドレールに係合させ、前記ガイドレールを前記トムソン刃に平行に配置し、前記ころを前記ガイドレールに沿って移動させ、前記プラスチックフィルムおよびトムソン刃に沿ってころがすようにした請求項5に記載の製袋機。
【請求項10】
前記トムソン刃を前記プラスチックフィルムに向かって移動させ、前記トムソン刃およびころがり部材を前記プラスチックフィルムに接触させるようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項11】
前記ころがり部材を前記プラスチックフィルムに向かって移動させ、前記トムソン刃およびころがり部材を前記プラスチックフィルムに接触させるようにした請求項1に記載の製袋機。
【請求項12】
前記プラスチックフィルムの幅方向または長さ方向において、前記トムソン刃の両側にストッパを配置し、前記トムソン刃またはころがり部材が前記プラスチックフィルムに向かって移動し、前記ストッパところがり部材が互いに係合し、前記トムソン刃およびころがり部材が前記プラスチックフィルムに接触するようにした請求項10または11に記載の製袋機。
【請求項13】
前記プラスチックフィルムの幅方向または長さ方向において、前記トムソン刃の両側にシリコンまたはウレタンゴムを配置し、前記プラスチックフィルムに向かう方向において、前記シリコンまたはウレタンゴムを前記トムソン刃よりも突出させ、前記トムソン刃またはころがり部材が前記プラスチックフィルムに向かって移動し、前記シリコンまたはウレタンゴムところがり部材が互いに係合し、前記ころがり部材によって前記シリコンまたはウレタンゴムが圧縮され、弾性変形し、前記トムソン刃およびころがり部材が前記プラスチックフィルムに接触するようにした請求項10または11に記載の製袋機。
【請求項14】
前記プラスチックフィルムの長さ方向において、前記ころがり部材の両側に補助部材を配置し、前記ころがり部材が前記プラスチックフィルムに向かって移動するとき、前記補助部材を前記ころがり部材に同期させ、前記プラスチックフィルムに向かって移動させ、前記プラスチックフィルムに係合させ、前記補助部材によって前記プラスチックフィルムを変位させ、その位置を前記トムソン刃に対応させるようにした請求項11に記載の製袋機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−245687(P2011−245687A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119541(P2010−119541)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000110192)トタニ技研工業株式会社 (31)
【Fターム(参考)】