説明

製袋装置及びこれの製袋方法

【課題】簡単な機構で簡便に袋のサイズを変える。
【解決手段】 筒状にフォーミングした袋部の内部で4枚の内側山折り目ガイド板66〜69で袋部の内側から4箇所の山折り目をガイドし、袋部の外部から4枚の外側山折り目ガイド板70〜73で包材45を各内側山折り目ガイド板66〜69に向けて一定圧で押し付けることで山折り目を連続的に付け、この間に、袋部の外部から左・右谷折り目ガイド板74,75を、山折り目の間に挿入することで谷折り目を付けてガゼット折り込みを行う。内側山折り目ガイド板66〜69の左右の間隔と、左・右谷折り目ガイド板74,75の挿入量とを適宜変えることで袋部のサイズを変えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両側面をV字状に折り畳むことができるガゼット袋を作る製袋装置及び製袋方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
写真フイルムと簡単な撮影付与機構とを内蔵したレンズ付きフイルムユニットが市販されている。これらのレンズ付きフイルムユニットは、購入したその場ですぐに写真撮影ができ、また撮影後もそのまま現像取り扱い店に出せばよいという簡便性から一般に広く利用されている。
【0003】
このようなレンズ付きフイルムユニットは、その製造過程で写真フイルムが装填されてしまうため、製造後、実際にユーザーが使用するまでの間、装填された写真フイルムを湿気、塵埃から保護しておく必要がある。このためレンズ付きフイルムユニットは、メーカーから出荷されるときに包装袋(ガゼット袋)で1つ1つ包装され、使用時にはユーザーがこの包装袋を開封するようにしている。ガゼット袋は、アルミ蒸着フイルムを用いて光や空気、湿気を通さない袋であり、V字状に谷折れされる折れ目が両側面に付けられており、空袋の状態では袋部を薄く折り畳むことができる。
【0004】
包装袋としては、1枚のシート状の包装材にレンズ付きフイルムユニットを載置し、包装材の相対する端部を接着して管状にしてから、この管状になった包装材料の両開口端を封止する3方ピロー包装によって作られている(特許文献1)。
【0005】
3方ピロー包装では、帯状に搬送される包材を、幅方向の両端の合わせ目が被包装体の搬送方向に沿うように筒(チューブ)形状に曲成しながら被包装体を包み込み、その合わせ目を搬送方向に沿ってシール(センターシール)し、その後、袋単位毎に搬送方向に対して直交する方向にシール(クロスシール)してから切り離すことで包装袋を順に形成する。
【0006】
ピロー包装によって包装袋を形成する装置としては、フイルム製袋装置が知られている(特許文献1、特許文献2)。これらのフイルム製袋装置では、被包装体の幅、又は高さのサイズが変更され、それに合わせた包装袋を形成するために、製袋幅調節装置が設けられている。この製袋幅調節装置では、遮光包材を筒形状に曲成することができるように、遮光部材をガイドするガイド部材の位置を調整することができる。これによって、ガイド部材にガイドされた遮光包材は異なるサイズの包装袋となるように調節される。また、上記公報記載の他に、被包装体のサイズが変更されたときに包装袋のサイズを調節する方法としては、包材をガイドするガイド部材を変更したり、製袋装置ごと交換したり、あるいは、包装袋を形成する以前の段階で、包材ロールから包材を引き出すときの引き出し機構に調節を行うなどの方法で対応している。
【0007】
しかしながら、上記公報記載のフイルム製袋装置では、被包装体が異なるサイズに変更されたとき、生産ライン全体を停止させて製袋幅調節装置による調節を行うことによって対応しなければならず、作業者の手間や、調整に時間がかかることなどから、生産効率をアップする上での妨げとなる。さらに、ラインを停止させて、調整を行った場合、使用される包材に無駄な部分が発生するため、ローコスト化の妨げにもなる。また、同様にガイド部材や、製袋装置を交換したり、包材の引き出し機構を調節することも、非常に時間と手間が掛かってしまう。したがって、他品種少量生産で包装袋を作るには前述した製袋装置を使用するのは不便である。
【0008】
そこで、センターシールとなる合わせ目部を内側から外側に向かって引っ張る張力機構を備え、張力機構の張力を変更することで、被包装体のサイズに応じた包装袋を作ることができるシーリング機構が知られている(特許文献4)。
【特許文献1】特開平8−334869号公報
【特許文献2】特開平8−119209号公報
【特許文献3】特開平10−16906号公報
【特許文献4】特開2004−35084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年、ユーザーの多様化に合わせて多品種の製品が多い。多品種の場合、各品種ごとの生産は少なくなる傾向にある。
【0010】
前述したシーリング機構では、包材の合わせ目部を一対のピンチローラで挟持しながら被包装体の搬送方向に向けて送り、張力機構が一対のピンチローラの回転軸を傾けて、合わせ目に内側から外側に向けて張力を与えるようにしている。このため、一対のピンチローラを傾けるための張力機構が複雑な機構になる。
【0011】
また、前述したシーリング機構では、包材に被包装体を挿入しながら包装袋を作るため、被包装体を搬送して筒状で搬送される包材に同期して挿入する機構が必要になり、装置自体が大型化するばかりか、装置が高価なものになってしまう。
【0012】
本発明は、上述のような背景に鑑みてなされたもので、多品種少量生産の製品をローコストでかつ簡便に包装袋を作ることができる製袋装置をコンパクトで提供すること、及び、ローコストでかつ簡便に包装袋を作ることができる製袋方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の製袋装置では、上記目的を達成するために、袋部の内部でその搬送方向に伸びて配置され、前記袋部の内に当接する細幅先端で山折り目の位置を内側からガイドする上下左右にある内側山折り目ガイド板と;前記内側山折り目ガイド板に対して各々対向するように前記袋部の外部にその搬送方向に伸びて配されており、先端で前記包材を前記内側山折り目ガイド板に向けて押し付けることで前記山折り目を付ける上下左右にある外側山折り目ガイド板と;前記袋部の外部にその搬送方向に延びかつ対向して配されており、先端を前記左右に一対ある上・下の山折り目との間から内に向けて予め決めた長さだけ挿入することで前記谷折り目を付ける左・右谷折り目ガイド板と;を備えたものである。
【0014】
このように、包材の搬送方向に沿って延びた上下左右にある内側山折り目ガイド板を、筒状にフォーミングした状態で一方向に搬送される袋部の内部に中子として入り込むように配置し、包材の外から前記内側山折り目ガイド板に向けて上下左右にある外側山折り目ガイド板を各々押し付けて、断面矩形の四隅となる山折り目を連続的に付けていき、またこれと並行に、袋部の左右に一対ある山折り目の間に左右谷折り目ガイド板を包材の外から内に向けて挿入することで谷折り目を連続的に付けていく。
【0015】
被包装体のサイズに合わせた袋部を作る場合には、左・右にある谷折り目ガイド板の挿入量を均等に又は個別に変えることで、山折り目から谷折り目までの長さ、すなわち、断面矩形の袋部となったときの上下の山折り目の間の長さが変わる。また、上段及び下段とに一対ずつある左・右内側山折り目ガイド板の間隔を変えることで、袋部の左右に付ける山折り目の間隔が変わる。これにより、袋部の断面矩形のサイズを変えることができる。
【0016】
上段及び下段に一対ずつある左・右内側山折り目ガイド板の間隔を変える場合には、左・右内側山折り目ガイド板を個別に移動させる山折り目移動手段を設けるのが望ましい。また、上段及び下段に一対ずつある左・右内側山折り目ガイド板との間に、内側基準ガイド板を挟持させ、その内側基準ガイド板の厚みで前記左・右内側山折り目ガイド板との間隔を一定な間隔に位置決めするようにしてもよい。この場合、内側基準ガイド板を、厚みの異なるものに交換することで前記左・右内側山折り目ガイド板との間隔を変えることができる。
【0017】
多品種少量生産で包装袋を作るときには、予め被包装体が収まるサイズの空の包装袋を作り、後からその空の包装袋に被包装体を収納して封印する手順の方が装置自体の小型化が図れるため望ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明の製袋装置によれば、筒状にフォーミングした袋部の内側から上下左右にある内側山折り目ガイド板で4つの山折り目をガイドし、袋部の外側から上下左右にある外側山折り目ガイド板で包材を前記内側山折り目ガイド板に向けて各々押し付けることで4つの山折り目を連続的に付け、これと並行に、袋部の外側から左右の山折り目の間に左右谷折り目ガイド板を挿入することで左右に谷折り目を連続的に付けるようにしたから、複雑な機構を用いることなく、簡単でローコストでガゼット折り込みとなる製袋を作ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の製袋装置は、図1に示すように、3方のうちの2方をシール(センターシール11及びトップシール12)し、一方を開口した包装体13を作る。その後、別工程で包装体13に開口部14からレンズ付きフイルムユニット(被包装体)15が挿入される。挿入後には、開口部14がシールされる。このシールは、被包装体を挿入する工程と同じ工程で行っても良いし、別工程で行っても良い。これにより、図2に示すように、袋部16にレンズ付きフイルムユニット15を収納した状態で袋部16の3方11,12,17を密閉した包装袋(ガゼット袋)18が完成する。この包装袋18は、トップシール12の範囲に形成したハンガー穴19を利用して店頭で吊り下げて展示することができる。
【0020】
レンズ付きフイルムユニット15は、品種に応じて横長さ・幅・高さ(図1参照)が異なる。レンズ付きフイルムユニット用の包装袋18としては、タイト性を向上するために、袋部16を品種に合わせたサイズで作る。すなわち、レンズ付きフイルムユニット15のサイズに応じて袋部16の横方向(包材の搬送方向)の長さ(L)、幅方向の長さ(W)、及び、高さ方向の長さ(T)を変更した包装袋18を作る。包装袋18の両側面には、V字状に谷折りされる折り目(谷折り目)20,21が付けられており、空袋の状態では谷折り目20に沿って折ることで袋部16を薄く折り畳むことができる。袋部16の断面は、幅方向の長さ(W)と高さ方向の長さ(T)とで決まる。幅方向の長さ(W)は、センターシール11を挟んだ両側で山折りされる折り目(山折り目)22,23又は24,25の間の長さで決まり、また、高さ方向の長さ(T)は、山折り目22,25又は23,24から谷折り目20又は21までの折り込み長さで決まる。
【0021】
製袋装置10は、前述した包装体13を作る装置であり、図3に示すように、供給部28、蛇行調整部29、フォーミング部30、センターシール部31、ガゼット折り込み部32、折り目付け部33、ダンサー部34、画像処理部35、トップシール部36、冷却目付部37、パンチ穴部38、カット部39、検査部40、不良品リジェクト部41、及び、良品集積部42の順で包材45の搬送路46を一連に繋げた構成となっており、これらは1つの機枠43に収納されている。
【0022】
機枠43の内部は、仕切り板47により上・下段部48,49とに分かれており、下段部49には搬送路46の上流側となる供給部28、蛇行調整部29、フォーミング部30、センターシール部31、ガゼット折り込み部32、及び、折り目付け部33が収納され、また、上段部48には、搬送路46の下流側となるダンサー部34、画像処理部35、トップシール部36、冷却目付部37、パンチ穴部38、カット部39、検査部40、不良品リジェクト部41、及び、良品集積部42などが収納されている。仕切り板47には開口50が設けられ、包材45は、その開口50を通って下段部49から上段部48に向けて送られる。
【0023】
供給部28には、包材45を巻芯にロール状に巻回した包材ロール51がセットされる。包材ロール51には、予め化粧用の印刷が表面に施されている。印刷には、ハンガー穴19となる範囲にカットマークとなるレジマークも含んでいる。蛇行調整部29は、包材ロール51から帯状に引き出した包材45をフォーミング部30に向けて搬送する途中で、複数の巻き掛け用ローラによって包材45の蛇行を調整する。
【0024】
フォーミング部30は、帯状に搬送される包材45を裏面が内になるように筒状に丸めて筒状の両端同士を合わせた形状にしていく。センターシール部31には、ガゼット折り込み部32が設けられている。センターシール部31は、合わせ目をニップして位置決めしながら合わせ目を加熱及び加圧してセンターシール11を施す。ガゼット折り込み部32は、センターシール部31でセンターシール11を施す作業と並行して、筒状の袋部16を谷折り目20,21及び山折り目22〜25となる位置で位置決めしてゆき、その位置に谷折り目20,21及び山折り目22〜25を付ける。折り目付け部33は、加熱及び冷却処理を複数回行って谷折り目20,21及び山折り目22〜25に折れ癖を付ける。
【0025】
下段部49では、上流側駆動ローラ対52により包材45が連続的に搬送される。上流側駆動ローラ対52は、駆動ローラ52aとニップローラ52bとで構成されており、ダンサー部34と折り目付け部33との間の上段部48側に配されている。駆動ローラ一48aは、下段部49から上段部48に垂直方向に搬送される包材45を上段部48で下段部49の搬送方向に対してUターンするように屈曲して水平に搬送する位置に配されている。
【0026】
一方、上段部48では、パンチ穴部38やカット部39があるために、下流側駆動ローラ対53により包材45が間欠搬送される。下流側駆動ローラ対53は、駆動ローラとニップローラとで構成されており、パンチ穴部38とカット部39との間に配されている。ダンサー部34は、垂直方向に向けて弛ませる移動自在なダンサローラ34aで包材45を弛ませ、そのたるみ量を可変することで下流側と上流側との間の搬送速度の差を吸収する。
【0027】
画像処理部35は、カメラと画像処理部とを備え、カメラで撮影した画像を画像処理回路に取り込み、包材45に印刷したレジマークを画像認識処理により検出して、検出するごとに制御部54に検出信号を送る。制御部54は、検出信号に基づいて下流側駆動ローラ対53を間欠駆動する。レジマークは、1枚の包装体13の搬送方向に沿った長さごとの間隔で記されている。この間隔を変えることで、袋部16の横方向の長さを変えることができる。そこで、画像処理部35、トップシール部36、冷却目付部37、パンチ穴部38、及び、カット部39の位置は、前記間隔に合うように、包材45の搬送方向に沿って個別に移動することができる。制御部54は、上流側と下流側との駆動ローラ対52,53の駆動を同期して制御するとともに、各部の制御も統括的に行っている。
【0028】
トップシール部36では、ガゼット折りをした包材45の一方をバーシールしてトップシール12を作る。冷却目付部37では、編み目付きの冷却バーでトップシール12を施した範囲を冷却しながら加圧して、その範囲に編み目を付けて見栄えを良くする。
【0029】
パンチ穴部38では、ダイセット刃を用いてトップシール12の範囲にハンガー穴19を作る。カット部39では、ダイセット刃を用いてカットして1枚の包装体13ごとに分離する。検査部40には、カメラ、及び、画像認識処理回路を備え、カメラで撮影した包装体13の画像をパターン認識により良否の判定を行い、不良と判断したときには不良信号を送出する。不良品リジェクト部41には、可動コンベア55を備えている。可動コンベア55は、検査部40から送られてくる包装体13を良品集積部42に配した良品集積箱42aに搬送する通常位置と、不良品集積箱56に払い出す払い出し位置との間で、一端を軸に回転自在となっており、不良信号を受け取ることで払い出し位置に移動して不良品の包装体13を不良品集積箱56に集積する。
【0030】
センターシール部31には、裏面を内にして筒状にフォーミングされた包材45が搬送されてくる。このセンターシール部31は、図4及び図5に示すように、一対の加熱板60,61と、ピンチローラ対62,63とで構成されている。ピンチローラ対62,63は、一対の加熱板60,61に挟んだ搬送方向の前後にそれぞれ設けられている。一対の加熱板60,61は、対向する隙間に包材45の合わせ目が入り込み、合わせ目を加熱して熱溶着する。前ピンチローラ62は、包材45の合わせ目を挟持して一対の加熱板60,61の間に送り込む。後ピンチローラ63は、一対の加熱板60,61で熱溶着した合わせ目を加圧してセーターシール11を施す。
【0031】
ガゼット折り込み部32は、一対の上基準ガイド板64,65、下基準ガイド板77、上・下・左・右内側山折り目ガイド板66〜69、上・下・左・右外側山折り目ガイド板70〜73、左・右谷折り目ガイド板74,75、及び、内側基準ガイド板76とで構成されている。これらガイド板64〜76は、包材45の搬送方向に延びた長板形状となっている。このうち4枚の内側山折り目ガイド板66〜69は、中子となるように筒状の内部に配されており、筒状の内部から左右に突出した各先端66a〜69aは先細形状となっている。なお、図示してはいないが、4枚の内側山折り目ガイド板66〜69及び外側山折り目ガイド板70〜73には、これらの間に筒状にフォーミングされた包材45が引っ掛かることなくスムーズに入り込むように、搬送方向の上流側の端に丸み部が施されている。
【0032】
一対の上基準ガイド板64,65は、包材45の合わせ目79が通る一定の隙間を保った状態で水平方向に沿って固定されており、下面とその下面に対峙する上側の左・右内側山折り目ガイド板66,67との間に包材45が通り、包装体13のうちのセンターシール11側の上面をガイドする。これら一対の上基準ガイド板64,65の上に、前述したセンターシール部31のシーリング機構60〜63が配置されている。下基準ガイド板77は、上基準ガイド板64,65に対して高さ方向に所定間隔離した位置に固定されており、上面とその上面に対峙する下側の左・右内側山折り目ガイド板68,69との間に包材45が通り、包装体13のうちの袋部16の底面をガイドする。
【0033】
内側基準ガイド板76、4枚の内側山折り目ガイド板66〜69は、筒状の袋部16の内部に入り込むように保持されている。この保持手段は、図示していないが、フォーミング部30で包材45の両端を合わせる前の位置から搬送方向の下流側に沿って伸びた腕部により各々を保持している。
【0034】
上段の左・右内側山折り目ガイド板66、67、及び、下段の左・右内側折り目ガイド板69,68は、袋部16のうちの山折り目22〜25となる部位を内側からガイドする板であり、センターシール11を挟んだ左右の山折り目22,23及び24,25の間隔(幅方向の長さ)を自由に調節することができるように、幅方向に向けて個別に移動自在に支持されている。前述したように先端66a〜69aは、上下で対向する面にテーパを付けて各々が先細形状となっている。
【0035】
上段の左・右外側山折り目ガイド板70,71、及び、下段の左・右外側山折り目ガイド板72,73は、袋部16のうちの山折り目22〜25となる部位を外側からガイドする板である。これら各ガイド板70〜73は、幅方向に移動自在に取り付けられており、各エアーシリンダ78〜81により包材45を各内側山折り目ガイド板66〜69に向けて一定圧で個別に押し付けられる。
【0036】
内側基準ガイド板76は、上左内側山折り目ガイド板66と上右内側山折り目ガイド板67との間、及び、下左内側山折り目ガイド板69と下右内側山折り目ガイド板68との間に交換自在に配されている。この内側基準ガイド板76には、上左内側山折り目ガイド板66と上右内側山折り目ガイド板67との後端が、また、下左内側山折り目ガイド板69と下右内側山折り目ガイド板68との後端がそれぞれ当接し、センターシール11を挟んだ左右の山折り目22,23の間隔(袋部16の幅方向の長さ(W))を板厚で決める。すなわち、板厚の異なる内側基準ガイド板76を、袋部16の幅方向の長さ(W)に応じて複数枚予め用意しておき、袋部16の幅方向の長さ(W)に対応する板厚の内側基準ガイド板76に交換することで、上左内側山折り目ガイド板66と上右内側山折り目ガイド板67との間隔、及び、下左内側山折り目ガイド板69と下右内側山折り目ガイド板68との間隔を同時に変えることができる。
【0037】
なお、一般的には、袋部16の断面形状を矩形にするため、上左内側山折り目ガイド板66と上右内側山折り目ガイド板67との間隔(A1)と、下左内側山折り目ガイド板69と下右内側山折り目ガイド板68との間隔(A2)とを同じ間隔にしているが、被包装体の形状によっては袋部16を断面台形にすることも考えられる。この場合には、上側と下側とで厚みの異なる内側基準ガイド板76を用いて前記間隔(A1)と前記間隔(A2)とを変えることで対応することができる。また、内側基準ガイド板76の代わりに、内側山折り目ガイド板66〜69を幅方向に個別に移動させる山折り目位置移動機構を備えてもよい。
【0038】
上段の左右内側山折り目ガイド板66,67と、下段の左右内側山折り目ガイド板69,68との間(高さ方向に沿った間)には、隙間が設けられている。この隙間には、左・右谷折り目ガイド板74,75が包材45の左右外側からそれぞれ入り込んで袋部16に谷折り目20,21を付ける。左・右谷折り目ガイド板74,75は、幅方向に移動自在に支持されており、個別に設けた移動機構(谷折り目位置移動機構)82,83の駆動により山折り目22〜25からV字状に折り込む分だけ移動される。この折り込み量を変えることで、袋部16の高さ方向の長さ(T)を変更することができる。
【0039】
次に上記構成の作用を説明する。まず、製袋装置10の準備作業として包装体13の幅方向の長さ(W)に対応する厚みの内側基準ガイド板76をガゼット折り込み部32にセットする。その後、供給部28に包装体13に対応する幅の包材ロール51をセットする。そして、包材ロール51から包材45を帯状に引き出し、蛇行調整部29、フォーミング部30、センターシール部31、折り目付け部33を順に通して上流側駆動ローラ対52にニップさせる。
【0040】
このとき、ガゼット折り込み部32では、包材45の合わせ目79となる一端を、下基準ガイド板77と下段の左・右内側山折り目ガイド板69,68との間、下右内側山折り目ガイド板68と下右外側山折り目ガイド板72との間、右谷折り目ガイド板75の内側、上右内側山折り目ガイド板67と上右外側山折り目ガイド板71との間、及び、一対の上基準ガイド板64,65との隙間を通してピンチローラ対62に挟み込む。合わせ目79の他端は、下基準ガイド板77と下左・右内側山折り目ガイド板69,68との間から、下左内側山折り目ガイド板69と下左外側山折り目ガイド板73との間、左谷折り目ガイド板74の内側、上左内側山折り目ガイド板66と上左外側山折り目ガイド板70との間、及び、一対の上基準ガイド板64,65との隙間を通してピンチローラ対62に挟み込む。
【0041】
その後、山折り目22〜25から谷折り目20,21までの折り込み量が袋部16の高さ方向の長さ(T)に応じた折り込み量となるように各移動機構82,83を駆動して左・右谷折り目ガイド板74,75の挿入量が決められる。最後に、各エアーシリンダ78〜81を駆動して上下左右の外側山折り目ガイド板70〜73を、包材45を介して上下左右の内側山折り目ガイド板66〜69に向けて一定圧で押し付けることで、包材45に対して山折り目22〜25及び谷折り目20,21の位置決めが完了する。
【0042】
製袋装置10に開始指示を与えると、上流側駆動ローラ対52が駆動して包材45の先端がダンサー部34を通って下流側に向けて搬送されるとともに、センターシール部31及びガゼット折り込み部32では、図6(A)に示すように、山折り目22〜25及び谷折り目20,21を付けながら合わせ目79にセンターシール11が施される。
【0043】
センターシール部及びガゼット折り込み部32から送り出される包材45は、上流側駆動ローラ対52の引っ張りと、蛇行調整部29のバックテンションにより山折り目22〜25及び谷折り目20,21で折られて袋部16が薄く畳まれ、かつセンターシール11を横に倒した状態、すなわち図6(B)に示すガゼット折りの状態で折り目付け部33に搬送される。
【0044】
折り目付け部33では、ガゼット折りされた包材45の山折り目22〜25及び谷折り目20,21に加熱、冷却、加熱、冷却を繰り返し与えて折れ目に癖を付け、このガゼット折りの状態で下流に送られる。
【0045】
下流部は、画像処理部35に対して包装体13の搬送方向の長さに合わせた間隔になるように、トップシール部36、冷却目付部37、パンチ穴部38、及びカット部39が位置決めされている。画像処理部35では、ハンガー穴19の範囲に印字されているレジマーク85(図7参照)を監視する。制御部54は、画像処理部35でレジマーク85を検知することに応答して下流側駆動ローラ対53の駆動を一定時間停止する間欠搬送の制御を行う。なお、上段部48では、センターシール11が裏面に位置した向きで包材45が搬送される。
【0046】
この間欠搬送の停止中に、トップシール部36では、包材45の搬送方向に対して直行する方向にヒートバーを押し当てることでトップシール12を施す。冷却目付部37では、トップシール12の範囲に編み目付きの冷却バーを押し当ててトップシール12の範囲を冷却するとともに、そのときの加圧によりトップシール12の範囲に編み目を付ける。
【0047】
また、パンチ穴部38では、図7に示すように、ハンガー穴19の形状をしたダイセット刃86でトップシール12の範囲の一部を打ち抜いてハンガー穴19を作る。そして、カット部39では、袋部16の後端と次の包装体13のトップシール12との間をダイセット刃87により打ち抜いて1枚ずつに切り離す。これにより、図8に示すように、一方に開口部14を有する包装体13が完成する。この包装体13の表面には予め印刷が施されている。
【0048】
完成した包装体13は、検査部40に送られ、検査部40で良品又は不良品の判定が行われ、良品は良品集積箱42aに、また不良品は不良品集積箱56に分別される。
【0049】
良品の包装体13は、別の工程に運ばれる。そして、別の工程で、包装体13の開口部14にレンズ付きフイルムユニット15を挿入してその開口部14をシールすることで包装袋18が完成する。出来上がった包装袋18は、図6(C)に示すように、幅方向の長さ(W)及び高さ方向の長さ(T)とで構成される断面四角形の袋部16となっている。
【0050】
袋部16の断面形状を変えるためには、高さ方向の長さ(T)、幅方向の長さ(W)、及び横方向の長さ(L)のうちのいずれかを変えることが必要になる。高さ方向の長さ(T)を変える場合には、各移動機構82,83を駆動して左・右谷折り目ガイド板74,75を幅方向に向けて移動して山折り目22〜25からの谷折り目20,21の折り込み量を変更する。例えば、その折り込み量を減らすと、図5で説明した左・右谷折り目ガイド板74,75の位置から図9に示す長さαの分だけ左・右谷折り目ガイド板74,75を左右に広げると、これらガイド板74,75の間隔が広がってB1×2の間隔となる。したがって、このときに付けられる折り目により生成される袋部16の断面形状は、図10に示す高さ方向の長さ(T1)が、図6(C)で説明した袋部16の高さ方向の長さ(T)よりも短くなる。逆に左・右谷折り目ガイド板74,75の挿入量を増やすと、ガイド板74,75の間隔が狭められて袋部16の高さ方向の長さが図6(C)で説明した袋部の厚み方向の長さ(T)よりも長くなる。
【0051】
なお、図9及び図10では、一定幅の包材45を利用して袋部16のサイズを変更して、袋部16のサイズ変更によりそのしわ寄せがセンターシール11の長さに影響するように分かりやすく記載しているが、通常は、センターシール11の長さが一定になるように袋部16のサイズに応じた幅の包材45を使う。
【0052】
幅方向の長さ(W)を変える場合には、内側基準ガイド板76を厚みの異なるものに変更して、上・下左内側山折り目ガイド板66,69と上・下右内側山折り目ガイド板67,68との間隔を変える。例えば、図11に示すように、厚みの厚い内側基準ガイド板76を用いると、上・下左内側山折り目ガイド板66,69と上・下右内側山折り目ガイド板67,68とが図5で説明した位置から長さβの長さ分だけ左右に広げられ、上・下左内側山折り目ガイド板66,69と上・下右内側山折り目ガイド板67,68との間隔が前記間隔B1よりも長いB2の間隔となる。このときに付けられる折り目により生成される袋部16の断面形状は、図12に示す幅方向の長さ(W1)が、図6(C)で説明した袋部の幅方向の長さ(W)よりも長くなる。逆に薄厚の内側基準ガイド板76を用いると、上・下左内側山折り目ガイド板66,69と上・下右内側山折り目ガイド板67,68との間隔が狭くなり、幅方向の長さ(W1)が図6(C)で説明した袋部16の幅方向の長さ(W)よりも短くなる。
【0053】
最後に、袋部16の横方向の長さ(L)、すなわち、包材45の搬送方向に沿った長さを変える場合には、デザイン及びレジマーク85をその長さに合わせて印刷した包材45を用いる。こうすれば、レジマーク85の間隔ごとにハンガー穴19が作られ、さらにデザインの境となるカット位置で切断されるので、袋部16の横方向の長さ(L)を変えることができる。
【0054】
上記実施形態では、被包装体をレンズ付きフイルムユニット15として説明しているが、勿論これに限ることはない。また、トップシール12やハンガー穴19の形状も図示した形状に限らない。また、ハンガー穴19を省略することも可能である。
【0055】
また、上記実施形態の製袋装置10では、ガゼット袋を作っているが、ガゼット折り込み無しの袋も作ることができる。この場合には、左・右谷折り目ガイド板74,75、上左・上右外側山折り目ガイド板70,71、及び、上左・上右内側山折り目ガイド板69、68を省略し、下段のみのガイド板73,69,68,72を用いて作ればよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の製袋装置で作った包装体にレンズ付きフイルムユニットを収納する状態を示す分解斜視図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットを挿入後に挿入した開口をシールして作った包装袋を示す斜視図である。
【図3】本発明の製袋装置の概略を示す説明図である。
【図4】ガゼット折り込み部の概略を示す斜視図であり、搬送方向の上流側を断面して記載している。
【図5】ガゼット折り込み部の断面図である。
【図6】(A)はガゼット折り込み部で折り目が付けられる包材の断面図を示し、(B)は、折り目付け部で折られた状態の包材の断面図を示し、(C)は包装体となったときに袋部を広げた状態の断面図をそれぞれ示している。
【図7】パンチ穴部及びカット部を示す平面図である。
【図8】製袋装置で作られる包装体を示す斜視図である。
【図9】袋部の厚み方向の長さを長くするために、左・右谷折り目ガイド板との間隔を広げたガゼット折り込み部を示す断面図である。
【図10】図9で説明したガゼット折り込み部で折り目を付けた袋部を示す断面図である。
【図11】袋部の幅方向の長さを長くするために、上・下左外側山折り目ガイド板と上・下右外側山折り目ガイド板との間隔を広げたガゼット折り込み部を示す断面図である。
【図12】図11で説明したガゼット折り込み部で折り目を付けた袋部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
10 製袋装置
13 包装体
66〜69 上・下・左・右の4枚の内側山折り目ガイド板
70〜73 上・下・左・右の4枚の外側山折り目ガイド板
74,75 左・右谷折り目ガイド板
76 内側基準ガイド板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に搬送される包材を筒状に曲成するフォーミング部と、
前記曲成した筒状の両端同士を互いに合わせた合わせ目にシールを施すシール部と、
前記合わせ目を除く筒状の袋部の両側をV字状に折り込むための谷折り目と、前記谷折り目に繋がる両端を山折りすることで前記袋部を断面四角形にするための山折り目とを、前記シールを施しながら連続的に付けてガゼット形状を形成するガゼット折り込み部と、を備えた製袋装置において、
前記袋部の内部でその搬送方向に伸びて配置され、前記袋部の内に当接する細幅先端で前記山折り目の位置を内側からガイドする上下左右にある内側山折り目ガイド板と、
前記内側山折り目ガイド板に対して各々対向するように前記袋部の外部にその搬送方向に伸びて配されており、各先端で前記包材を各内側山折り目ガイド板に向けて押し付けることで前記山折り目を付ける上下左右にある外側山折り目ガイド板と、
前記袋部の外部にその搬送方向に延びかつ対向して配されており、先端を前記左右に一対ある上・下の山折り目との間から内に向けて予め決めた長さだけ挿入することで前記谷折り目を付ける左・右谷折り目ガイド板と、
を備えたことを特徴とする製袋装置。
【請求項2】
前記左・右谷折り目ガイド板とをその挿入量が変わるように各々移動する谷折り目位置移動手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の製袋装置。
【請求項3】
前記上段及び下段に一対ある左・右内側山折り目ガイド板とを、前記包材の搬送路のセンターを中心に左右方向に均等に移動させる山折り目位置移動手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の製袋装置。
【請求項4】
前記上段及び下段に一対ある左・右内側山折り目ガイド板との間に挟持され、自身の厚みで前記左・右内側山折り目ガイド板との間隔を一定な間隔に位置決めする内側基準ガイド板を有し、前記内側基準ガイド板を厚みの異なるものに交換することで前記左・右内側山折り目ガイド板との間隔を変えることを特徴とする請求項1又は2記載の製袋装置。
【請求項5】
帯状に搬送される包材を筒状に曲成し、前記筒状の両端同士を互いに合わせた合わせ目にシールを施しながら、前記合わせ目を除く筒状の袋部の両側をV字状に折り込むための谷折り目と、前記谷折り目を挟んだ両端を山折りすることで前記袋部を断面四角形にするための山折り目とを連続的に付けてガゼット折り込みを行う製袋方法において、
前記袋部の内部でその搬送方向に伸びて配置した上下左右にある内側山折り目ガイド板の先端で前記袋部の内側から前記山折り目の位置をガイドし、
前記内側山折り目ガイド板に対して各々対向するように前記袋部の外部にその搬送方向に伸びて配した上下左右にある外側山折り目ガイド板の先端で前記包材を前記内側山折り目ガイド板に向けて押し付けることで前記山折り目を付け、
前記山折り目を付けながら、前記袋部の外部に対向しかつその搬送方向に延びて配した左・右谷折り目ガイド板の各先端を、前記左右に一対ある上・下外側山折り目ガイド板との間から内に向けて予め決めた長さだけ挿入することで前記谷折り目を付けるとともに、
前記上段及び下段に各々一対ある左・右内側山折り目ガイド板との間隔と、前記左・右谷折り目ガイド板の挿入量とを適宜変えることで前記袋部のサイズを変えるようにしたことを特徴とする製袋方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−8083(P2007−8083A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193765(P2005−193765)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】