複合タイルの製造方法
装飾的舗装タイルまたはパネルは予め定められた厚さのタイルまたはパネルを形成するように下地層またはベースに埋め込まれた同一または異なる厚さの複数の不規則に形成された石材素子を含み、石材素子の通常露出される表面が下地層またはベースの取り付け面に対して実質上平行な平面内に横たわっている。流動可能な変位材料は上塗りチャンネルを形成するように隣接する石材素子および/またはタイルまたはパネルモールドの境界壁との間の隙間に使用することができる。隣接するタイルまたはパネルの隣接する石材素子間の不規則な空間は上塗りされるとき視覚的に継ぎ目の無いタイル張りされたまたはパネル張りされた表面の形成を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合タイルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイル、スレート等(ここでは「石材素子」として記載する)を適切な位置に並べる従来の方法は石材素子が適用される表面上にモルタルを引き伸ばしかつ次いで各石材素子を手でモルタルに押し付けることを伴う。この舗装システムは石材素子が不規則な形状を有する「クレイジー舗装(不揃いの石による舗装)」として知られている。この敷設方法の欠点は、とくに石材素子が小さいサイズからなるとき、均等の仕上げが得られるように石材素子を適切な位置に並べるのにかなりの熟練が要求される。熟練した石工によって取り付けられるときクレイジー舗装は平方メートルあたり200ドルを超える費用が掛かる。さらに、石材素子自体が異なる形状およびサイズからなりかつ複雑なパターンで配置させねばならない場合に、多くの熟練が要求され、かつより大きなコストが掛かる。
【0003】
従来の敷設方法の他の欠点は全体の作業にわたってモルタルの色づけの差異を得ることが通常不可能であり、そしてモルタル色づけの変化が審美的な理由のため所望されでることにある。
【0004】
さらに他の欠点は垂直面上に装飾的な石仕上げを形成するのにこれらの従来の方法を有効に利用することはできないということにある。
【0005】
自然な外観の「クレイジー舗装」の石舗装表面を取り付けるのに熟練した石工への依存を減少するような努力において、浅い正方形のトレイにセメント質の上塗りを注入しかつ次いで天然の岩または石の断片を上塗りの上面に押し込みかつ次いでタイル素子をセットさせることによって1平方メートルある大きなタイル素子を形成することが提案されている。モールドから除去されるときタイル素子はその場合に各々500mm×500mmある4枚のタイルにダイアモンド鋸によって切断される。タイルは、取り付ける者が岩または石の断片の最初のレイアウトを維持するようにタイル縁部を正しく当接して整列させることができるように後面上で印しが付けられた。
【0006】
その意図された目的に全般的に適するけれども、「クレイジー舗装」タイルを製造するこの方法は2つの大きな欠点をこうむった。第1に、タイル素子内でかつまた他のタイル素子の隣接するタイル間で厚さの変化により均一な舗装面を維持するのが難しかった。
【0007】
第2に、より重要だけれども、これらのタイルの大きな問題は、上塗りされるときも同様に、隣接するタイル間の直線の交点が明瞭に認識でき、それは石工によって取り付けられたクレイジー舗装の自然な外観を阻止することにある。
【0008】
他の提案は、長さ約750mmで幅約500mmであるタイル素子を含みそのさい複数の任意に形成されて切断された石材素子がプラスチックメッシュまたはマットに接着剤によって結合された。
【0009】
タイル素子は、重なり合うタイル形状を形成するように平行な側壁を備えた部材六角形の大きな本体部分および長手方向軸線に沿って反対に延びているより小さいサイズの部分六角形の小さな本体端を有する形状を含んだ。それらの意図された目的を全般的に満足する一方、任意に形成された石材素子は特定の厚さに切断された薄いスラブから形成されかつ各タイルに関して3mmの差異内に断片を較正しなければならなかった。これは切断および較正工程において極めて労力の増大する方法だけでなく、適切な位置に並べられるとき隣接するタイル素子間の厚さの変化がその上を歩いている歩行者をつまずかせる必然的な危険により実質上変化する。そのうえ、これらのタイル素子は隣接するタイル間の均一な幅の継ぎ目が容易に認識できるように本当に規則的に形成された周辺縁部を有した。
【0010】
本発明の目的は、従来のクレイジー舗装スタイルのタイルと関連付けられる欠点の少なくとも幾つかを克服または改善することにある。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、上塗りされない複合タイルを製造する方法が提供され、前記方法は、
(a)その周辺のまわりに延びる境界壁を有するモールドキャビティ内の支持面上に1つまたはそれ以上の石材素子を配置し;
(b)石材素子と支持面との間の隙間が少なくとも部分的に充填されかつ石材素子の部分が流動可能な除去体層の上に突出するようにモールドキャビティに除去体層を付加し;
(c)石材素子および流動可能な除去体層を硬化可能な材料で予め定められた深さに覆い、そのさい硬化可能な材料は直接または接着剤で突出している部分を処理後石材素子の突出している部分に結合し;
(d)下地層を形成するように硬化可能な材料を硬化させ;
(e)モールドからタイルを除去し;そして
(f)タイルから不活性の除去体を除去する工程を含んでいる。
【0012】
石材素子は、粘土、スレート、石またはあらゆる他の天然または合成の硬い材料から選択され得る。石材素子はより大きな石材素子の断片であっても良く、石材素子は適当な大きさにするように切断させることもできる。
【0013】
不活性の除去体は溶融不能な粉末または石材素子とモールドとの間のギャップからセット可能な材料を除くことができ、かつ下地層が硬化した後ギャップから除去されることができるあらゆる液体を含むことができる。好ましくは、溶融不能な粉末はタルカムパウダー、粉末にされた石灰または微細な砂のごとき微細粉末である。好ましくは、液体は合成または鉱油、水ゲル、水性重合材料、水性セルロースゲル等のごとき粘性の液体である。
【0014】
石材素子と硬化可能な材料との間に良好な結合があることが重要である。接着剤が処理するのに使用されるかどうかはともかく、石材素子の突出している部分は硬化可能な材料の性質に依存する。硬化可能な材料がセメント質の混合物(かかる混合物はとうがい技術に熟練した者には良く知られている)を含む場合、接着剤がまず硬化可能な材料で覆う前に石材素子に塗布され得る。接着剤はエポキシ樹脂または1つまたはそれ以上の重合結合剤を含んでいるセメント質の材料のごとき結合剤を包含することができる。
【0015】
本発明の1つの形状において、エポキシ樹脂は、セメント質の混合物を含んでいる硬化可能な材料を添加する前に、セメント粉末とともに石材素子の突出している部分に塗布されることができる。セメント粉末はセット可能な材料への石材素子の結合を助ける。
【0016】
本発明の他の形状において、硬化可能な材料は重合結合剤を含んでいるセメント質の混合物を含むことができる。
【0017】
好ましくは、重合結合剤は石材素子と硬化可能な材料との間の異なる熱膨張係数を調節するように硬化可能な材料にある程度の弾性を与える。
【0018】
本発明のさらに他の形状において、セメントは硬化可能な材料から完全に除外されかつ好ましくは、不活性の充填剤とともに混合されるエポキシ樹脂または柔軟なセメント質のニカワのごとき結合剤で置き換えることができる。かかる充填剤は従来技術において良く知られている。硬化可能な材料からセメントを除外する利点はタイルがより軽量になるということにある。
【0019】
適切には、硬化可能な材料は、繊維ガラス、金属、または合成繊維メッシュ、拡大された端部繊維またはそのあらゆる組み合わせのごとき繊維補強を含むことができる。
【0020】
タイルはモールドの直接の反転によってモールドから取り除かれることができる。しかしながら、モールドからタイルを取り除くあらゆる他の適宜な手段、すなわち、取り外し可能なモールドが使用され得る。
【0021】
不活性の除去体は、吸い上げによって、ブラシ掛けによってまたは液体またはガスジェットによってタイルを洗浄/噴流吹き付けによってキャビティから取り除かれることができる。好ましくは、不活性の除去体は再使用のために回収される。
【0022】
不活性の除去体は、上塗りされないタイルが製造されるのを可能にし、かくしてタイルが適切に並べられるとき消費者に構造および上塗りカラーの選択を許容させる。
【0023】
モールドは三角形、矩形、五角形、六角形等のごときあらゆる適宜な形状からなることができる。
【0024】
変形例において、モールドはその中に形成されるタイルの組み合いを許容する不規則な形状からなることもできる。
【0025】
所望ならば、モールドはそれぞれ反対の縁部上に対応するソケット状の凹所を有する1対の隣接する縁部上に1つまたはそれ以上のスピゴット状の突起を含んでいる。
【0026】
モールドは石材素子が予め定められたパターンにしたがって配置され得るような型紙を含むことができる。
【0027】
この明細書の他の場所で記載されるような、突起システムは、パターンまたは型紙にしたがって石材素子に印し付け、切断および配置するのを助けるのに使用され得る。
【0028】
本発明の他の態様によれば、上記方法によって作られるとき上塗りされない複合タイルが提供される。
【0029】
石材素子は真っ直ぐ切断されるかまたは水洗される粘土、スイッチレート、石またはあらゆる他の天然または合成の硬い材料を含むことができる。好ましくは、タイルは複数の石材素子を有している。石材素子は可変の厚さからなることができる。石材素子は特定のパターンにしたがって位置され得る。
【0030】
不活性の除去体は溶融不能の粉末を含むことができかつ好ましくは、タルカムパウダー、粉末にされた石灰または微細な砂である。
【0031】
変形例において、不活性の除去体は油のごとき粘性の液体を含むことができる。
【0032】
第1の実施の形態において、下地層は硬化されたセメント質の混合物を含むことができかつ接着剤は重合樹脂およびセメント粉末を含むことができる。
【0033】
第2の実施の形態において、下地層は硬化された重合樹脂を含有している硬化されたセメント質混合物を含むことができる。
【0034】
第2の実施の形態において、下地層は少なくとも硬化された重合樹脂を含むことができ、かつ好ましくはさらに、適切な充填剤を有する。
【0035】
好ましくは、タイルは平面で見られるとき実質上長方形または正方形でありかつ約1×2メートル、または1×1メートルの表面積を有している。
【0036】
本発明のさらに他の実施の形態において、
下地層、および
各石材素子の1部分が下地層に直接的にまたは間接的に結合されている複数の石材素子を含んでいる実質上均一な厚さの上塗りされない複合タイルが提供される。
【0037】
本発明のさらに他の態様によれば、
(a)その周辺のまわりに延びる境界壁を有するモールドキャビティ内の支持面上に1つまたはそれ以上の石材素子を配置し;
(b)石材素子と支持面との間の隙間が少なくとも部分的に充填されかつ石材素子の部分が流動可能な除去体層の上に突出するようにモールドキャビティに除去体層を付加し;
(c)石材素子および流動可能な除去体層を硬化可能な材料で予め定められた深さに覆い、そのさい硬化可能な材料は直接または接着剤で突出している部分を処理後石材素子の突出している部分に結合し;
(d)下地層を形成するように硬化可能な材料を硬化させ;
(e)モールドからタイルを除去し;そして
(f)タイルから不活性の除去体を除去する工程を含んでいる上塗りされない複合タイルを製造する方法が提供される。
【0038】
内方の除去体は記載されるように本発明の他の態様に関することができる。下地層はポリウレタンまたはエポキシ樹脂のごとき重合材料により接着されることができる。
【0039】
好ましくは、下地層は硬い合成メッシュを含んでいる。
【0040】
本発明のさらに他の態様によれば、
実質上同一の厚さの複数の石材素子;
石材素子の各々に接着される下地層;および
石材素子に隣接する取り除き可能な不活性の除去体を含んでいる上塗りされない複合タイルが提供される。
【0041】
不活性の除去体、接着剤および下地層は記載されるように本発明の第5の態様に関している。
【0042】
本発明のさらに他の態様によれば、切断するために石材素子を容易に印し付け可能にする投射システムが提供され、この投射システムは、
第1表面領域;
第2表面領域;および
第1表面領域から第2表面領域へパターンの画像を投射するように位置決めされ、そのさい画像が第2表面領域上に置かれた石材素子上に投射される投射カメラのごとき、画像投射手段を含んでいる。
【0043】
好ましくは、第1および第2の表面領域は水平に延びかつ投射カメラは表面領域の上方に位置決めされる。より好ましくは、表面領域は互いに対して異なる高さにある。
【0044】
投射カメラは当該技術に熟練した者に知られるあらゆる適宜な投射カメラを含むことができる。
【0045】
パターンは型紙のパターンであってもよく、かつ型紙はパン内に置かれることができる。投射システムはかくして石材素子を切断するために容易に印し付けを、かつ切断後、型紙によりパン内に置くのを可能にする。この方法において、経験を積んだ石工以外の者が複雑な石材素子の配置を容易に作り出すことができる。
【0046】
本発明の変形例の態様によれば、切断するために容易に印し付けされかつパターンにしたがって配置される石材素子を可能にする方法が提供され、この方法は、
(a)投射カメラのごとき画像投射手段を使用して第1表面領域から第2表面領域へパターンの画像を投射し;
(b)投射された画像の下に石材素子を置き、画像に一致するように印し付けしかつ切断し;そして
(c)パターン上に切断された石材素子を配置する工程を含んでいる。
【0047】
好ましくは、パターンは型紙のパターンでありかつ型紙はモールド内に置くことができる。この方法において、経験を積んでいない石工が複雑なパターンに応じて石材素子に印し付けし、それを切断しかつ配置することができる。
【0048】
本発明の他の態様によれば、継ぎ目なしの舗装構造用のタイルが提供され、このタイルは、
下地層またはベースの上に少なくとも部分的に延びている複数の不規則に形成された石材素子を含み、前記タイルは隣接するタイルと整列されて当接する関係にあるとき、隣接する石材素子間に延びる不規則に形成されたキャビティを隣接するタイルとともに形成し、そのさい使用において、隣接する石材素子間のグラウトで固められる(上塗りされる)接合部が視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように下地層またはベース間の接合部の各側に不規則に延びる。
【0049】
所望ならば、石材素子の縁部は下地層またはベースの縁部まで延びることができる。
変形例において、下地層またはベースの前記縁部はそれに結合される隣接する石材素子の縁部を越えて延びることができる。
【0050】
下地層またはベースは同一または異なる形状の隣接するタイルと重ね合わせ得る矩形、規則的な多角形または不規則な形状を含んでいるあらゆる適宜な形状からなることができる。
【0051】
好ましくは、タイルは反対のまたは隣接する縁部から延びる1つまたはそれ以上のスピゴット状の突起およびそれぞれの反対のまたは隣接する縁部上に対応するソケット状凹所を含んでいる。
【0052】
下地層またはベースは石材素子がそれに固定される堅固な材料を含むことができる。
【0053】
変形例において下地層またはベースは石材素子がそれに固定される柔軟な材料を含むことができる。
【0054】
下地層またはベースは重合結合剤を有するか有さないセメント質の混合物を含むことができる。
【0055】
相応しくは、下地層またはベースは重合混合物を含んでいる。
【0056】
好ましくは、下地層またはベースは補強材料を含んでいる。
【0057】
所望ならば、下地層またはベースは孔の明いたシート状材料を含んでいる。
【0058】
好ましくは、下地層またはベースはプラスチックメッシュを含んでいる。
【0059】
補強材料は拡大された端部を有するかまたは有さない細かく切り刻んだ繊維、織られたまたは織られない繊維マットまたは金属またはプラスチックメッシュから選択されることができる。
【0060】
好ましくは、タイルが形成され、そのさいタイルを含んでいる石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわっている。
【0061】
最も好ましくは、タイルは実質上一定の厚さで形成されそのさい隣接するタイルの石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわっている。
【0062】
本発明のさらに他の態様によれば、継ぎ目のない舗装構造用のタイルの製造方法が提供され、前記方法は、
石材素子のそれぞれの反対表面に、支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する下地層またはベースを固定する工程を含んでいる。
【0063】
相応しくは、取り付け面は予め定められた厚さのタイルを形成するように支持面から予め定められた距離に位置決めされる。
【0064】
所望ならば、下地層またはベースは孔の明いたシート状材料を含んでいる。
【0065】
相応しくは、下地層またはベースは柔軟な材料から構成される。
【0066】
好ましくは、下地層またはベースはメッシュ状材料を含んでいる。
【0067】
相応しくは、石材素子は基板または予め定められた形状および/または厚さに固定される。
【0068】
所望ならば、下地層またはベースは接着剤によって石材素子に固定し得る予め形成された部材を含むことができる。
【0069】
変形例において下地層またはベースは石材素子に接着で固定される流動可能で鋳造可能な材料を含むことができる。
【0070】
所望ならば、下地層またはベースは直立の境界壁を有するモールド内に形成されることができる。
【0071】
タイルは予め定められた境界形状内の実質上平らな支持面上に支持される流動可能で鋳造可能な材料の表面上に複数の不規則に形作られた石材素子を配置しかつ石材素子を支持面に対して実質上平行な平面内に横たわっている実質上平らな圧縮部材によって鋳造可能な材料に押し固めることによって形成することができる。
【0072】
変形例において、不規則な石材素子は予め定められた境界形状内で実質上平らな支持面上に置かれることができかつその後流動可能で鋳造可能な材料からなる層を支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する予め定められた厚さの下地層またはベースを形成するように石材素子上に加える。
【0073】
相応しくは、石材素子は直立の境界壁内の支持面に配置される。
【0074】
所望ならば、流動可能な変位材料が隣接する石材素子間に上塗りチャンネルを形成するように隣接する石材素子間の隙間に導入され得る。
【0075】
本発明は、また、継ぎ目なしの舗装構造用のタイルを取り付けるためのタイル取り付け方法を提供し、前記方法は、
タイルを整列された当接において平らな表面に接着し;そして
隣接する石材素子間のキャビティに上塗り混合物を導入しそれにより隣接するタイル間の接合部の領域の上塗り混合物が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように前記接合部の各側にわたって不規則に延びる工程を含んでいる。
【0076】
所望ならば、タイルは当接しているベース縁部により前記表面上に横たえられることができる。
【0077】
変形例において、ベース縁部は間隔が置かれかつ異なるサイズの石材素子が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように石材素子間の上塗りの表面に挿入される。
【0078】
舗装タイルに関連してここでは記載されたけれども、理解されるべきことは、表現「舗装タイル」は直立の壁面等を含んでいる他の表面用の装飾用パネルを包含するということである。
【0079】
用語「comprise(含む)」または「その単数形」または「進行形」のごとき用語の変形は述べられた1つのおよび複数の完全なものの包含を示すようにここでは使用されるが、文脈または使用において用語の排他的な解釈が要求されないならば、あらゆる他の1つのまたは複数の完全なものを除外しない。
【0080】
本発明の好適な実施の形態は次に以下の図面に関連して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0081】
図1は、図2および図3に示されるタイル21のごとき、上塗りされてない複合タイルを製造する工程を示すフロー図である。符号2ないし19は図1においてのみ示されている。
【0082】
500mm×500mmのベース面積を有する浅いモールドまたはパン1が型オイルのごとき離型剤を噴霧されたコンベヤベルト2上に置かれかつレイアウトステーション3へ搬送される。いったんパン1がレイアウトステーション3に達すると、石材素子(スレートのごとき)20が任意のパターンを達成するようにパン1内に配置される。
【0083】
石材素子20は適当な大きさに切断され得るが、好ましくは石の任意に形作られた断片が任意のパターンを達成するようにパン1に簡単に嵌め込まれる。石材素子20は互いから僅かに間隔が置かれ、そして各石材素子20の好適な面はパン1内で表を下にして置かれる。
【0084】
いったん石材素子20がパン1内に配置されると、パン1は、不活性の除去体24、代表的にはタルカムパウダーまたは微細な砂を隣接する石材素子20とパン1との間の隙間が或る範囲まで除去体24(図2参照)で充填されるようにパン1に添加する塗布器8に搬送される。除去体24は、図2および図3から明らかなように、タイルの敷設の前に除去されかつ上塗りされないタイルを作る。
【0085】
塗布器8は、また、各石材素子20の露出される表面(図2参照)に、接着剤の被覆22、代表的には結合剤を加えたエポキシ樹脂またはセメント粉末を塗布する。接着剤層22は下地層23を形成する連続して添加される硬化可能な材料に各石材素子20を結合するのを助ける。
【0086】
石材素子20および除去体24は次いで硬化可能なセメント質材料(図2参照)を含んでいる下地層23で被覆される。下地層23は除去体24で充填された空間から除外される。下地層23はセメント(セメントホッパ6からの)、ポリスチレンビーズ、塩化カルシウム、水ならびに他の良く知られた成分(符号4において)の混合物(前記ホッパ5からの)を含有するボウルミキサ7から分配(符号9において)される。
【0087】
下地層23はかなり軽量であり、それは石材素子20をともに保持し、かつタイルが精密なかつ均一な厚さに作られるのを可能にする。
【0088】
タイルが硬化されたときそれらはそれぞれのパンから取り除かれかつ空のパン18は他のタイルの製造に再使用される。
【0089】
除去体24は、図3に示されるように並べられるとき上塗り(グラウト)25の構造およびカラーの選択を消費者に許容する上塗りされないタイル19,21を製造する。そのうえ、複合タイル21を敷設することは個々の石材素子を敷設するよりそれほど難しくない。
【0090】
図4は石材素子が切断のために容易に印し付けされかつ予め定められた複雑なパターン35にしたがって配置されるのを可能にするような投射システム30の詳細を示している。
【0091】
投射システム30は第1の表面領域31、この第1の表面領域31に対して異なる高さで第2の表面領域32、および表面領域31,32の上方に位置決めされる投射カメラ33を有している。表面領域31,32は脚部34によって地面の上方に支持される。投射カメラ33は第2の表面領域32に対して第1の表面領域31上に配置されたパターン35の画像36を投射するように位置決めされる。
【0092】
パターンは芸術的な作業、型紙、または同様な他の複合タイルにすることができ、そのパターンは再生されることができる。パターンは石材素子の容易な配置のためにパン内に置かれることができる。
【0093】
画像36は第2の表面領域32上に置かれた石材素子(図示せず)上に投射される。石材要素は次いで印し付けされかつ切断される。切断後、石材素子はジグゾーパズルを嵌め込むのと同様に、パターン35に嵌め込まれる。この方法において、石材素子は容易に印し付けされ、切断されかつ経験を積んだ石工以外の者によって配置されることができる。
【0094】
図5ないし図7は視覚的に継ぎ目の無い接合部が隣接するタイル間に得られる方法を示している。
【0095】
図5は本発明によって作られたタイル40の平面図を示している。タイルは、タイルの反対の縁部上のスピゴット状突起41,42および隣接する反対の縁部上の対応するソケット状の凹所43,44によって示される非直線の縁部を有する示されるような上塗りされないタイルを得るように不規則に形作られたモールド40a内に置かれる。
【0096】
タイルが互いに接触して隣接するタイルのタイルベース45の縁部45aと置かれているとき、それぞれのスプロケット状凹所43,44はスピゴット状突起41,42を重ね合わせて収容する。
【0097】
実際に隣接するタイル間の接合部で目視し得る鋭い直線がなくかつ上塗りの幅が隣接する石材素子間の可変の上塗り幅と同様な方法において変化するため、接合部は図6に示されるように、効果的に、視覚的に目視できなくなる。
【0098】
図7に示されるように、得られた不規則な形状および任意のパターンのため石材素子46がモールド内に置かれるとき、隣接する石材素子46の上方縁部47によって示されるタイルの上方縁部は非常に不規則でありかつ滑らかに形成されたベース縁部から、タイルが現場で上塗りされるとき上塗り50が可変幅を有する任意の方法において隣接するタイルベース45間の接合部48の上にあるような不規則な方法に置かれる。
【0099】
本発明により形成された長方形または正方形のタイルは隣接するタイル間に非直線の上塗り隙間を生じるけれども、タイルの形状は大きなタイル張りされた区域に現れている部分的に目視可能な格子状パターンを回避するように正方形または長方形以外であることが好ましい。図5に示したタイルの非直線縁部は図6に示されるような大きな舗装区域における格子状パターン上の接合部の出現を回避するのに非常に有効である。
【0100】
タイルは、隣接するタイル間に非直線接合を設けるように第2対の対向側部または端部において1つまたはそれ以上の補完のソケット状凹所により補完する1対の対向端部または側部において1またはそれ以上のスピゴット状突起を形成することができる。変形例において、スピゴット状突起は1対の隣接する端部または側部上に、かつソケット状凹所は隣接する端部または側部の他の対上にあってもよい。
【0101】
図8は本発明によるタイルの代替の製造方法を示している。
【0102】
プラスチック補強メッシュ60からなる層が成形トレイ61上に置かれかつセメント質の材料62からなる層がトレイ内に置かれる。可変厚さのまたは同一厚さの複数の石材断片63がまだ硬化されてない材料62の表面にレイアウトされかつその後平らなプラテン64が半流体材料62に押し込まれる石材断片63と接触して押圧される。プラテン64がトレイ61の境界壁65と接触するとき略平らな上面により一定の厚さのタイルが形成される。
【0103】
図9は図8により作られたタイルの取り付けを示しており、そのさい所望ならば、さらに他の小さい石材断片66が隣接するタイル間に視覚的に継ぎ目の無い接合部を得るように接合部68の上にあるまだ硬化されてない上塗り67に押し込められることができる。
【0104】
図10は代替の取り付け方法を示し、そのさい本発明によって作られた正方形または長方形のタイル70が、約50mmまたはそれ以上のギャップ71が隣接するタイル間に残される場合に有効に使用されることができる。タイル70が現場で上塗りされるとき、隣接するタイル間の領域72は均一な厚さを得るようなガイドとしてタイルの隣接する石材素子74を使用して湿った上塗り75の表面に押し込まれる不規則に形作られた石材素子73を有することができる。
【0105】
タイルに間隔を置く代替として、タイルは図11に示されるようなタイルベースの縁部から約25mmに置かれる石材素子で形成することができる。これは、タイルが上塗りされた後不規則に形作られた石材素子を収容するようにタイル接合部にわたって広い上塗りチャンネルをまだ設けながら、タイルが正確に当接されるのを可能にする。この実施の形態において、舗装タイル80は平らな支持面82上に所望の形状のプラスチックメッシュ補強パッド81を置くことによって形成される。流動可能で硬化可能なセメント質の材料83が露出される縁部領域84を残してパッド81の主要部分にわたってほとんど均一に広げられる。その後石材断片85がセメント質の材料81からなる層の表面上に置かれかつ平らなプラテン86上に予め定められた深さに対して均一の厚さを形成するように石材部片85と接触して押圧されかつそのさい石材部片85の露出される上面は支持面88に対して実質上平行な平面にある。
【0106】
前述された実施の形態に対する適切な変形によれば、上塗りされたタイルを製造することができる。
【0107】
不活性の除去体は、好ましくは隣接する石材要素の十分な深さに対して、上塗り層がその上に置かれる公知の型の化学的上塗り遅延剤からなる層によって置き換えられる。プラスチックまたは金属メッシュは接着剤によって露出された石表面に固定される。
【0108】
遅延剤は24ないし36時間まで上塗りの通常最上の層の硬化量を著しく遅くする。複合タイルがモールドから除去されるとき、硬化されてない/部分的に硬化された頂部の上塗り層は、隣接する石材要素間の隙間に残っている上塗り(例えば、石材素子の厚さの50ないし80%の深さに)を取り去るような、例えば、加圧水によって、除去される。
さらに他の変形例の実施形態において、石材素子は上塗り(グラウト)内に押し込められることができる。例えば、遅延剤からなる層はモールドの底部上に置かれかつ上塗りの層は遅延剤の上に重ね合わされる。石材素子はそれらがモールドのベースに接触するまで上塗りに置かれかつそれに押し込められることができそれによって上塗りは隣接する石材素子間の隙間に「押し出される」。
【0109】
補強メッシュを有するかまたは有さない硬化可能な材料が塗布されかつ下地層を形成するように硬化する。複合タイルがモールドから除去されるとき、まだ硬化されない/部分的に硬化された上塗りは石材素子の頂部面(および石材要素間の上塗り)を露出するように除去される。
【0110】
熟練した受け手に容易に明らかであるのは、多くの変形および変化がその精神および範囲から逸脱することなく本発明になされ得るということである。
【0111】
例えば、タイルは形状において三角形、多角形または同様に円形であってもよくそしてさらにまた隣接するタイル間に視覚的に継ぎ目の無い接合部を達成する。
【0112】
図12に略示されるように、上記方法のいずれかにより作られた円形のタイル90は風化に抗するポリウレタンまたは他の耐久力のある重合接着財を使用して表面上に固定される。隣接する石材断片92間の隙間91を上塗りした(グラウトを詰めた)後、不規則に形作られた石材部片93は隣接するタイル間の領域において死滅例えば上塗りに押し込められそれによって視覚的に継ぎ目の無い仕上げが得られる。
【0113】
壁、支柱等のごとき直立面用の装飾的パネルが、また、本発明により可能である。上記方法のいずれかにより作られたタイルは耐久力のある重合接着剤に関連して公知の型の石工用固定具により直立面に固定されることができかつその後隙間は視覚的に継ぎ目の無い仕上げを形成するように上塗りされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態による、上塗りされない複合タイルを製造する工程を示すフロー図である。
【図2】図1の方法によって作られた上塗りされない複合タイルの横方向断面図である。
【図3】横たえられるときの図2のタイルの横方向断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態による投射システムを示す斜視図である。
【図5】継ぎ目なし舗装構造用のタイルを示す図である。
【図6】図5のタイルにより形成された継ぎ目なし舗装構造を示す部分図である。
【図7】隣接するタイル間の上塗りされた接合部を示す部分断面図である。
【図8】本発明による舗装タイルを製造する代替の方法を示す概略図である。
【図9】上塗りされたタイル取り付けを示す部分断面図である。
【図10】図9のタイルの代替の取り付け方法を示す図である。
【図11】本発明による舗装タイルのさらに他の製造方法を示す図である。
【図12】本発明による円形の舗装タイルの取り付けを示す図である。
【符号の説明】
【0115】
1 パン
2 コンベヤベルト
3 レイアウトステーション
20 石材素子
21 タイル
22 接着剤層
23 下地層
24 除去体
30 投射システム
33 投射カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は複合タイルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイル、スレート等(ここでは「石材素子」として記載する)を適切な位置に並べる従来の方法は石材素子が適用される表面上にモルタルを引き伸ばしかつ次いで各石材素子を手でモルタルに押し付けることを伴う。この舗装システムは石材素子が不規則な形状を有する「クレイジー舗装(不揃いの石による舗装)」として知られている。この敷設方法の欠点は、とくに石材素子が小さいサイズからなるとき、均等の仕上げが得られるように石材素子を適切な位置に並べるのにかなりの熟練が要求される。熟練した石工によって取り付けられるときクレイジー舗装は平方メートルあたり200ドルを超える費用が掛かる。さらに、石材素子自体が異なる形状およびサイズからなりかつ複雑なパターンで配置させねばならない場合に、多くの熟練が要求され、かつより大きなコストが掛かる。
【0003】
従来の敷設方法の他の欠点は全体の作業にわたってモルタルの色づけの差異を得ることが通常不可能であり、そしてモルタル色づけの変化が審美的な理由のため所望されでることにある。
【0004】
さらに他の欠点は垂直面上に装飾的な石仕上げを形成するのにこれらの従来の方法を有効に利用することはできないということにある。
【0005】
自然な外観の「クレイジー舗装」の石舗装表面を取り付けるのに熟練した石工への依存を減少するような努力において、浅い正方形のトレイにセメント質の上塗りを注入しかつ次いで天然の岩または石の断片を上塗りの上面に押し込みかつ次いでタイル素子をセットさせることによって1平方メートルある大きなタイル素子を形成することが提案されている。モールドから除去されるときタイル素子はその場合に各々500mm×500mmある4枚のタイルにダイアモンド鋸によって切断される。タイルは、取り付ける者が岩または石の断片の最初のレイアウトを維持するようにタイル縁部を正しく当接して整列させることができるように後面上で印しが付けられた。
【0006】
その意図された目的に全般的に適するけれども、「クレイジー舗装」タイルを製造するこの方法は2つの大きな欠点をこうむった。第1に、タイル素子内でかつまた他のタイル素子の隣接するタイル間で厚さの変化により均一な舗装面を維持するのが難しかった。
【0007】
第2に、より重要だけれども、これらのタイルの大きな問題は、上塗りされるときも同様に、隣接するタイル間の直線の交点が明瞭に認識でき、それは石工によって取り付けられたクレイジー舗装の自然な外観を阻止することにある。
【0008】
他の提案は、長さ約750mmで幅約500mmであるタイル素子を含みそのさい複数の任意に形成されて切断された石材素子がプラスチックメッシュまたはマットに接着剤によって結合された。
【0009】
タイル素子は、重なり合うタイル形状を形成するように平行な側壁を備えた部材六角形の大きな本体部分および長手方向軸線に沿って反対に延びているより小さいサイズの部分六角形の小さな本体端を有する形状を含んだ。それらの意図された目的を全般的に満足する一方、任意に形成された石材素子は特定の厚さに切断された薄いスラブから形成されかつ各タイルに関して3mmの差異内に断片を較正しなければならなかった。これは切断および較正工程において極めて労力の増大する方法だけでなく、適切な位置に並べられるとき隣接するタイル素子間の厚さの変化がその上を歩いている歩行者をつまずかせる必然的な危険により実質上変化する。そのうえ、これらのタイル素子は隣接するタイル間の均一な幅の継ぎ目が容易に認識できるように本当に規則的に形成された周辺縁部を有した。
【0010】
本発明の目的は、従来のクレイジー舗装スタイルのタイルと関連付けられる欠点の少なくとも幾つかを克服または改善することにある。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、上塗りされない複合タイルを製造する方法が提供され、前記方法は、
(a)その周辺のまわりに延びる境界壁を有するモールドキャビティ内の支持面上に1つまたはそれ以上の石材素子を配置し;
(b)石材素子と支持面との間の隙間が少なくとも部分的に充填されかつ石材素子の部分が流動可能な除去体層の上に突出するようにモールドキャビティに除去体層を付加し;
(c)石材素子および流動可能な除去体層を硬化可能な材料で予め定められた深さに覆い、そのさい硬化可能な材料は直接または接着剤で突出している部分を処理後石材素子の突出している部分に結合し;
(d)下地層を形成するように硬化可能な材料を硬化させ;
(e)モールドからタイルを除去し;そして
(f)タイルから不活性の除去体を除去する工程を含んでいる。
【0012】
石材素子は、粘土、スレート、石またはあらゆる他の天然または合成の硬い材料から選択され得る。石材素子はより大きな石材素子の断片であっても良く、石材素子は適当な大きさにするように切断させることもできる。
【0013】
不活性の除去体は溶融不能な粉末または石材素子とモールドとの間のギャップからセット可能な材料を除くことができ、かつ下地層が硬化した後ギャップから除去されることができるあらゆる液体を含むことができる。好ましくは、溶融不能な粉末はタルカムパウダー、粉末にされた石灰または微細な砂のごとき微細粉末である。好ましくは、液体は合成または鉱油、水ゲル、水性重合材料、水性セルロースゲル等のごとき粘性の液体である。
【0014】
石材素子と硬化可能な材料との間に良好な結合があることが重要である。接着剤が処理するのに使用されるかどうかはともかく、石材素子の突出している部分は硬化可能な材料の性質に依存する。硬化可能な材料がセメント質の混合物(かかる混合物はとうがい技術に熟練した者には良く知られている)を含む場合、接着剤がまず硬化可能な材料で覆う前に石材素子に塗布され得る。接着剤はエポキシ樹脂または1つまたはそれ以上の重合結合剤を含んでいるセメント質の材料のごとき結合剤を包含することができる。
【0015】
本発明の1つの形状において、エポキシ樹脂は、セメント質の混合物を含んでいる硬化可能な材料を添加する前に、セメント粉末とともに石材素子の突出している部分に塗布されることができる。セメント粉末はセット可能な材料への石材素子の結合を助ける。
【0016】
本発明の他の形状において、硬化可能な材料は重合結合剤を含んでいるセメント質の混合物を含むことができる。
【0017】
好ましくは、重合結合剤は石材素子と硬化可能な材料との間の異なる熱膨張係数を調節するように硬化可能な材料にある程度の弾性を与える。
【0018】
本発明のさらに他の形状において、セメントは硬化可能な材料から完全に除外されかつ好ましくは、不活性の充填剤とともに混合されるエポキシ樹脂または柔軟なセメント質のニカワのごとき結合剤で置き換えることができる。かかる充填剤は従来技術において良く知られている。硬化可能な材料からセメントを除外する利点はタイルがより軽量になるということにある。
【0019】
適切には、硬化可能な材料は、繊維ガラス、金属、または合成繊維メッシュ、拡大された端部繊維またはそのあらゆる組み合わせのごとき繊維補強を含むことができる。
【0020】
タイルはモールドの直接の反転によってモールドから取り除かれることができる。しかしながら、モールドからタイルを取り除くあらゆる他の適宜な手段、すなわち、取り外し可能なモールドが使用され得る。
【0021】
不活性の除去体は、吸い上げによって、ブラシ掛けによってまたは液体またはガスジェットによってタイルを洗浄/噴流吹き付けによってキャビティから取り除かれることができる。好ましくは、不活性の除去体は再使用のために回収される。
【0022】
不活性の除去体は、上塗りされないタイルが製造されるのを可能にし、かくしてタイルが適切に並べられるとき消費者に構造および上塗りカラーの選択を許容させる。
【0023】
モールドは三角形、矩形、五角形、六角形等のごときあらゆる適宜な形状からなることができる。
【0024】
変形例において、モールドはその中に形成されるタイルの組み合いを許容する不規則な形状からなることもできる。
【0025】
所望ならば、モールドはそれぞれ反対の縁部上に対応するソケット状の凹所を有する1対の隣接する縁部上に1つまたはそれ以上のスピゴット状の突起を含んでいる。
【0026】
モールドは石材素子が予め定められたパターンにしたがって配置され得るような型紙を含むことができる。
【0027】
この明細書の他の場所で記載されるような、突起システムは、パターンまたは型紙にしたがって石材素子に印し付け、切断および配置するのを助けるのに使用され得る。
【0028】
本発明の他の態様によれば、上記方法によって作られるとき上塗りされない複合タイルが提供される。
【0029】
石材素子は真っ直ぐ切断されるかまたは水洗される粘土、スイッチレート、石またはあらゆる他の天然または合成の硬い材料を含むことができる。好ましくは、タイルは複数の石材素子を有している。石材素子は可変の厚さからなることができる。石材素子は特定のパターンにしたがって位置され得る。
【0030】
不活性の除去体は溶融不能の粉末を含むことができかつ好ましくは、タルカムパウダー、粉末にされた石灰または微細な砂である。
【0031】
変形例において、不活性の除去体は油のごとき粘性の液体を含むことができる。
【0032】
第1の実施の形態において、下地層は硬化されたセメント質の混合物を含むことができかつ接着剤は重合樹脂およびセメント粉末を含むことができる。
【0033】
第2の実施の形態において、下地層は硬化された重合樹脂を含有している硬化されたセメント質混合物を含むことができる。
【0034】
第2の実施の形態において、下地層は少なくとも硬化された重合樹脂を含むことができ、かつ好ましくはさらに、適切な充填剤を有する。
【0035】
好ましくは、タイルは平面で見られるとき実質上長方形または正方形でありかつ約1×2メートル、または1×1メートルの表面積を有している。
【0036】
本発明のさらに他の実施の形態において、
下地層、および
各石材素子の1部分が下地層に直接的にまたは間接的に結合されている複数の石材素子を含んでいる実質上均一な厚さの上塗りされない複合タイルが提供される。
【0037】
本発明のさらに他の態様によれば、
(a)その周辺のまわりに延びる境界壁を有するモールドキャビティ内の支持面上に1つまたはそれ以上の石材素子を配置し;
(b)石材素子と支持面との間の隙間が少なくとも部分的に充填されかつ石材素子の部分が流動可能な除去体層の上に突出するようにモールドキャビティに除去体層を付加し;
(c)石材素子および流動可能な除去体層を硬化可能な材料で予め定められた深さに覆い、そのさい硬化可能な材料は直接または接着剤で突出している部分を処理後石材素子の突出している部分に結合し;
(d)下地層を形成するように硬化可能な材料を硬化させ;
(e)モールドからタイルを除去し;そして
(f)タイルから不活性の除去体を除去する工程を含んでいる上塗りされない複合タイルを製造する方法が提供される。
【0038】
内方の除去体は記載されるように本発明の他の態様に関することができる。下地層はポリウレタンまたはエポキシ樹脂のごとき重合材料により接着されることができる。
【0039】
好ましくは、下地層は硬い合成メッシュを含んでいる。
【0040】
本発明のさらに他の態様によれば、
実質上同一の厚さの複数の石材素子;
石材素子の各々に接着される下地層;および
石材素子に隣接する取り除き可能な不活性の除去体を含んでいる上塗りされない複合タイルが提供される。
【0041】
不活性の除去体、接着剤および下地層は記載されるように本発明の第5の態様に関している。
【0042】
本発明のさらに他の態様によれば、切断するために石材素子を容易に印し付け可能にする投射システムが提供され、この投射システムは、
第1表面領域;
第2表面領域;および
第1表面領域から第2表面領域へパターンの画像を投射するように位置決めされ、そのさい画像が第2表面領域上に置かれた石材素子上に投射される投射カメラのごとき、画像投射手段を含んでいる。
【0043】
好ましくは、第1および第2の表面領域は水平に延びかつ投射カメラは表面領域の上方に位置決めされる。より好ましくは、表面領域は互いに対して異なる高さにある。
【0044】
投射カメラは当該技術に熟練した者に知られるあらゆる適宜な投射カメラを含むことができる。
【0045】
パターンは型紙のパターンであってもよく、かつ型紙はパン内に置かれることができる。投射システムはかくして石材素子を切断するために容易に印し付けを、かつ切断後、型紙によりパン内に置くのを可能にする。この方法において、経験を積んだ石工以外の者が複雑な石材素子の配置を容易に作り出すことができる。
【0046】
本発明の変形例の態様によれば、切断するために容易に印し付けされかつパターンにしたがって配置される石材素子を可能にする方法が提供され、この方法は、
(a)投射カメラのごとき画像投射手段を使用して第1表面領域から第2表面領域へパターンの画像を投射し;
(b)投射された画像の下に石材素子を置き、画像に一致するように印し付けしかつ切断し;そして
(c)パターン上に切断された石材素子を配置する工程を含んでいる。
【0047】
好ましくは、パターンは型紙のパターンでありかつ型紙はモールド内に置くことができる。この方法において、経験を積んでいない石工が複雑なパターンに応じて石材素子に印し付けし、それを切断しかつ配置することができる。
【0048】
本発明の他の態様によれば、継ぎ目なしの舗装構造用のタイルが提供され、このタイルは、
下地層またはベースの上に少なくとも部分的に延びている複数の不規則に形成された石材素子を含み、前記タイルは隣接するタイルと整列されて当接する関係にあるとき、隣接する石材素子間に延びる不規則に形成されたキャビティを隣接するタイルとともに形成し、そのさい使用において、隣接する石材素子間のグラウトで固められる(上塗りされる)接合部が視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように下地層またはベース間の接合部の各側に不規則に延びる。
【0049】
所望ならば、石材素子の縁部は下地層またはベースの縁部まで延びることができる。
変形例において、下地層またはベースの前記縁部はそれに結合される隣接する石材素子の縁部を越えて延びることができる。
【0050】
下地層またはベースは同一または異なる形状の隣接するタイルと重ね合わせ得る矩形、規則的な多角形または不規則な形状を含んでいるあらゆる適宜な形状からなることができる。
【0051】
好ましくは、タイルは反対のまたは隣接する縁部から延びる1つまたはそれ以上のスピゴット状の突起およびそれぞれの反対のまたは隣接する縁部上に対応するソケット状凹所を含んでいる。
【0052】
下地層またはベースは石材素子がそれに固定される堅固な材料を含むことができる。
【0053】
変形例において下地層またはベースは石材素子がそれに固定される柔軟な材料を含むことができる。
【0054】
下地層またはベースは重合結合剤を有するか有さないセメント質の混合物を含むことができる。
【0055】
相応しくは、下地層またはベースは重合混合物を含んでいる。
【0056】
好ましくは、下地層またはベースは補強材料を含んでいる。
【0057】
所望ならば、下地層またはベースは孔の明いたシート状材料を含んでいる。
【0058】
好ましくは、下地層またはベースはプラスチックメッシュを含んでいる。
【0059】
補強材料は拡大された端部を有するかまたは有さない細かく切り刻んだ繊維、織られたまたは織られない繊維マットまたは金属またはプラスチックメッシュから選択されることができる。
【0060】
好ましくは、タイルが形成され、そのさいタイルを含んでいる石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわっている。
【0061】
最も好ましくは、タイルは実質上一定の厚さで形成されそのさい隣接するタイルの石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわっている。
【0062】
本発明のさらに他の態様によれば、継ぎ目のない舗装構造用のタイルの製造方法が提供され、前記方法は、
石材素子のそれぞれの反対表面に、支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する下地層またはベースを固定する工程を含んでいる。
【0063】
相応しくは、取り付け面は予め定められた厚さのタイルを形成するように支持面から予め定められた距離に位置決めされる。
【0064】
所望ならば、下地層またはベースは孔の明いたシート状材料を含んでいる。
【0065】
相応しくは、下地層またはベースは柔軟な材料から構成される。
【0066】
好ましくは、下地層またはベースはメッシュ状材料を含んでいる。
【0067】
相応しくは、石材素子は基板または予め定められた形状および/または厚さに固定される。
【0068】
所望ならば、下地層またはベースは接着剤によって石材素子に固定し得る予め形成された部材を含むことができる。
【0069】
変形例において下地層またはベースは石材素子に接着で固定される流動可能で鋳造可能な材料を含むことができる。
【0070】
所望ならば、下地層またはベースは直立の境界壁を有するモールド内に形成されることができる。
【0071】
タイルは予め定められた境界形状内の実質上平らな支持面上に支持される流動可能で鋳造可能な材料の表面上に複数の不規則に形作られた石材素子を配置しかつ石材素子を支持面に対して実質上平行な平面内に横たわっている実質上平らな圧縮部材によって鋳造可能な材料に押し固めることによって形成することができる。
【0072】
変形例において、不規則な石材素子は予め定められた境界形状内で実質上平らな支持面上に置かれることができかつその後流動可能で鋳造可能な材料からなる層を支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する予め定められた厚さの下地層またはベースを形成するように石材素子上に加える。
【0073】
相応しくは、石材素子は直立の境界壁内の支持面に配置される。
【0074】
所望ならば、流動可能な変位材料が隣接する石材素子間に上塗りチャンネルを形成するように隣接する石材素子間の隙間に導入され得る。
【0075】
本発明は、また、継ぎ目なしの舗装構造用のタイルを取り付けるためのタイル取り付け方法を提供し、前記方法は、
タイルを整列された当接において平らな表面に接着し;そして
隣接する石材素子間のキャビティに上塗り混合物を導入しそれにより隣接するタイル間の接合部の領域の上塗り混合物が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように前記接合部の各側にわたって不規則に延びる工程を含んでいる。
【0076】
所望ならば、タイルは当接しているベース縁部により前記表面上に横たえられることができる。
【0077】
変形例において、ベース縁部は間隔が置かれかつ異なるサイズの石材素子が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように石材素子間の上塗りの表面に挿入される。
【0078】
舗装タイルに関連してここでは記載されたけれども、理解されるべきことは、表現「舗装タイル」は直立の壁面等を含んでいる他の表面用の装飾用パネルを包含するということである。
【0079】
用語「comprise(含む)」または「その単数形」または「進行形」のごとき用語の変形は述べられた1つのおよび複数の完全なものの包含を示すようにここでは使用されるが、文脈または使用において用語の排他的な解釈が要求されないならば、あらゆる他の1つのまたは複数の完全なものを除外しない。
【0080】
本発明の好適な実施の形態は次に以下の図面に関連して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0081】
図1は、図2および図3に示されるタイル21のごとき、上塗りされてない複合タイルを製造する工程を示すフロー図である。符号2ないし19は図1においてのみ示されている。
【0082】
500mm×500mmのベース面積を有する浅いモールドまたはパン1が型オイルのごとき離型剤を噴霧されたコンベヤベルト2上に置かれかつレイアウトステーション3へ搬送される。いったんパン1がレイアウトステーション3に達すると、石材素子(スレートのごとき)20が任意のパターンを達成するようにパン1内に配置される。
【0083】
石材素子20は適当な大きさに切断され得るが、好ましくは石の任意に形作られた断片が任意のパターンを達成するようにパン1に簡単に嵌め込まれる。石材素子20は互いから僅かに間隔が置かれ、そして各石材素子20の好適な面はパン1内で表を下にして置かれる。
【0084】
いったん石材素子20がパン1内に配置されると、パン1は、不活性の除去体24、代表的にはタルカムパウダーまたは微細な砂を隣接する石材素子20とパン1との間の隙間が或る範囲まで除去体24(図2参照)で充填されるようにパン1に添加する塗布器8に搬送される。除去体24は、図2および図3から明らかなように、タイルの敷設の前に除去されかつ上塗りされないタイルを作る。
【0085】
塗布器8は、また、各石材素子20の露出される表面(図2参照)に、接着剤の被覆22、代表的には結合剤を加えたエポキシ樹脂またはセメント粉末を塗布する。接着剤層22は下地層23を形成する連続して添加される硬化可能な材料に各石材素子20を結合するのを助ける。
【0086】
石材素子20および除去体24は次いで硬化可能なセメント質材料(図2参照)を含んでいる下地層23で被覆される。下地層23は除去体24で充填された空間から除外される。下地層23はセメント(セメントホッパ6からの)、ポリスチレンビーズ、塩化カルシウム、水ならびに他の良く知られた成分(符号4において)の混合物(前記ホッパ5からの)を含有するボウルミキサ7から分配(符号9において)される。
【0087】
下地層23はかなり軽量であり、それは石材素子20をともに保持し、かつタイルが精密なかつ均一な厚さに作られるのを可能にする。
【0088】
タイルが硬化されたときそれらはそれぞれのパンから取り除かれかつ空のパン18は他のタイルの製造に再使用される。
【0089】
除去体24は、図3に示されるように並べられるとき上塗り(グラウト)25の構造およびカラーの選択を消費者に許容する上塗りされないタイル19,21を製造する。そのうえ、複合タイル21を敷設することは個々の石材素子を敷設するよりそれほど難しくない。
【0090】
図4は石材素子が切断のために容易に印し付けされかつ予め定められた複雑なパターン35にしたがって配置されるのを可能にするような投射システム30の詳細を示している。
【0091】
投射システム30は第1の表面領域31、この第1の表面領域31に対して異なる高さで第2の表面領域32、および表面領域31,32の上方に位置決めされる投射カメラ33を有している。表面領域31,32は脚部34によって地面の上方に支持される。投射カメラ33は第2の表面領域32に対して第1の表面領域31上に配置されたパターン35の画像36を投射するように位置決めされる。
【0092】
パターンは芸術的な作業、型紙、または同様な他の複合タイルにすることができ、そのパターンは再生されることができる。パターンは石材素子の容易な配置のためにパン内に置かれることができる。
【0093】
画像36は第2の表面領域32上に置かれた石材素子(図示せず)上に投射される。石材要素は次いで印し付けされかつ切断される。切断後、石材素子はジグゾーパズルを嵌め込むのと同様に、パターン35に嵌め込まれる。この方法において、石材素子は容易に印し付けされ、切断されかつ経験を積んだ石工以外の者によって配置されることができる。
【0094】
図5ないし図7は視覚的に継ぎ目の無い接合部が隣接するタイル間に得られる方法を示している。
【0095】
図5は本発明によって作られたタイル40の平面図を示している。タイルは、タイルの反対の縁部上のスピゴット状突起41,42および隣接する反対の縁部上の対応するソケット状の凹所43,44によって示される非直線の縁部を有する示されるような上塗りされないタイルを得るように不規則に形作られたモールド40a内に置かれる。
【0096】
タイルが互いに接触して隣接するタイルのタイルベース45の縁部45aと置かれているとき、それぞれのスプロケット状凹所43,44はスピゴット状突起41,42を重ね合わせて収容する。
【0097】
実際に隣接するタイル間の接合部で目視し得る鋭い直線がなくかつ上塗りの幅が隣接する石材素子間の可変の上塗り幅と同様な方法において変化するため、接合部は図6に示されるように、効果的に、視覚的に目視できなくなる。
【0098】
図7に示されるように、得られた不規則な形状および任意のパターンのため石材素子46がモールド内に置かれるとき、隣接する石材素子46の上方縁部47によって示されるタイルの上方縁部は非常に不規則でありかつ滑らかに形成されたベース縁部から、タイルが現場で上塗りされるとき上塗り50が可変幅を有する任意の方法において隣接するタイルベース45間の接合部48の上にあるような不規則な方法に置かれる。
【0099】
本発明により形成された長方形または正方形のタイルは隣接するタイル間に非直線の上塗り隙間を生じるけれども、タイルの形状は大きなタイル張りされた区域に現れている部分的に目視可能な格子状パターンを回避するように正方形または長方形以外であることが好ましい。図5に示したタイルの非直線縁部は図6に示されるような大きな舗装区域における格子状パターン上の接合部の出現を回避するのに非常に有効である。
【0100】
タイルは、隣接するタイル間に非直線接合を設けるように第2対の対向側部または端部において1つまたはそれ以上の補完のソケット状凹所により補完する1対の対向端部または側部において1またはそれ以上のスピゴット状突起を形成することができる。変形例において、スピゴット状突起は1対の隣接する端部または側部上に、かつソケット状凹所は隣接する端部または側部の他の対上にあってもよい。
【0101】
図8は本発明によるタイルの代替の製造方法を示している。
【0102】
プラスチック補強メッシュ60からなる層が成形トレイ61上に置かれかつセメント質の材料62からなる層がトレイ内に置かれる。可変厚さのまたは同一厚さの複数の石材断片63がまだ硬化されてない材料62の表面にレイアウトされかつその後平らなプラテン64が半流体材料62に押し込まれる石材断片63と接触して押圧される。プラテン64がトレイ61の境界壁65と接触するとき略平らな上面により一定の厚さのタイルが形成される。
【0103】
図9は図8により作られたタイルの取り付けを示しており、そのさい所望ならば、さらに他の小さい石材断片66が隣接するタイル間に視覚的に継ぎ目の無い接合部を得るように接合部68の上にあるまだ硬化されてない上塗り67に押し込められることができる。
【0104】
図10は代替の取り付け方法を示し、そのさい本発明によって作られた正方形または長方形のタイル70が、約50mmまたはそれ以上のギャップ71が隣接するタイル間に残される場合に有効に使用されることができる。タイル70が現場で上塗りされるとき、隣接するタイル間の領域72は均一な厚さを得るようなガイドとしてタイルの隣接する石材素子74を使用して湿った上塗り75の表面に押し込まれる不規則に形作られた石材素子73を有することができる。
【0105】
タイルに間隔を置く代替として、タイルは図11に示されるようなタイルベースの縁部から約25mmに置かれる石材素子で形成することができる。これは、タイルが上塗りされた後不規則に形作られた石材素子を収容するようにタイル接合部にわたって広い上塗りチャンネルをまだ設けながら、タイルが正確に当接されるのを可能にする。この実施の形態において、舗装タイル80は平らな支持面82上に所望の形状のプラスチックメッシュ補強パッド81を置くことによって形成される。流動可能で硬化可能なセメント質の材料83が露出される縁部領域84を残してパッド81の主要部分にわたってほとんど均一に広げられる。その後石材断片85がセメント質の材料81からなる層の表面上に置かれかつ平らなプラテン86上に予め定められた深さに対して均一の厚さを形成するように石材部片85と接触して押圧されかつそのさい石材部片85の露出される上面は支持面88に対して実質上平行な平面にある。
【0106】
前述された実施の形態に対する適切な変形によれば、上塗りされたタイルを製造することができる。
【0107】
不活性の除去体は、好ましくは隣接する石材要素の十分な深さに対して、上塗り層がその上に置かれる公知の型の化学的上塗り遅延剤からなる層によって置き換えられる。プラスチックまたは金属メッシュは接着剤によって露出された石表面に固定される。
【0108】
遅延剤は24ないし36時間まで上塗りの通常最上の層の硬化量を著しく遅くする。複合タイルがモールドから除去されるとき、硬化されてない/部分的に硬化された頂部の上塗り層は、隣接する石材要素間の隙間に残っている上塗り(例えば、石材素子の厚さの50ないし80%の深さに)を取り去るような、例えば、加圧水によって、除去される。
さらに他の変形例の実施形態において、石材素子は上塗り(グラウト)内に押し込められることができる。例えば、遅延剤からなる層はモールドの底部上に置かれかつ上塗りの層は遅延剤の上に重ね合わされる。石材素子はそれらがモールドのベースに接触するまで上塗りに置かれかつそれに押し込められることができそれによって上塗りは隣接する石材素子間の隙間に「押し出される」。
【0109】
補強メッシュを有するかまたは有さない硬化可能な材料が塗布されかつ下地層を形成するように硬化する。複合タイルがモールドから除去されるとき、まだ硬化されない/部分的に硬化された上塗りは石材素子の頂部面(および石材要素間の上塗り)を露出するように除去される。
【0110】
熟練した受け手に容易に明らかであるのは、多くの変形および変化がその精神および範囲から逸脱することなく本発明になされ得るということである。
【0111】
例えば、タイルは形状において三角形、多角形または同様に円形であってもよくそしてさらにまた隣接するタイル間に視覚的に継ぎ目の無い接合部を達成する。
【0112】
図12に略示されるように、上記方法のいずれかにより作られた円形のタイル90は風化に抗するポリウレタンまたは他の耐久力のある重合接着財を使用して表面上に固定される。隣接する石材断片92間の隙間91を上塗りした(グラウトを詰めた)後、不規則に形作られた石材部片93は隣接するタイル間の領域において死滅例えば上塗りに押し込められそれによって視覚的に継ぎ目の無い仕上げが得られる。
【0113】
壁、支柱等のごとき直立面用の装飾的パネルが、また、本発明により可能である。上記方法のいずれかにより作られたタイルは耐久力のある重合接着剤に関連して公知の型の石工用固定具により直立面に固定されることができかつその後隙間は視覚的に継ぎ目の無い仕上げを形成するように上塗りされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態による、上塗りされない複合タイルを製造する工程を示すフロー図である。
【図2】図1の方法によって作られた上塗りされない複合タイルの横方向断面図である。
【図3】横たえられるときの図2のタイルの横方向断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態による投射システムを示す斜視図である。
【図5】継ぎ目なし舗装構造用のタイルを示す図である。
【図6】図5のタイルにより形成された継ぎ目なし舗装構造を示す部分図である。
【図7】隣接するタイル間の上塗りされた接合部を示す部分断面図である。
【図8】本発明による舗装タイルを製造する代替の方法を示す概略図である。
【図9】上塗りされたタイル取り付けを示す部分断面図である。
【図10】図9のタイルの代替の取り付け方法を示す図である。
【図11】本発明による舗装タイルのさらに他の製造方法を示す図である。
【図12】本発明による円形の舗装タイルの取り付けを示す図である。
【符号の説明】
【0115】
1 パン
2 コンベヤベルト
3 レイアウトステーション
20 石材素子
21 タイル
22 接着剤層
23 下地層
24 除去体
30 投射システム
33 投射カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
継ぎ目のない舗装構造用のタイルにおいて、下地層またはベースの上に少なくとも部分的に延びている複数の不規則に形成された石材素子を含み、隣接するタイルと整列されて当接する関係にあるとき、隣接する石材素子間に延びる不規則に形成されたキャビティを隣接するタイルとともに形成し、そのさい使用において、隣接する石材素子間のグラウトで固められる接合部が視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように下地層またはベース間の接合部の各側に不規則に延びることを特徴とするタイル。
【請求項2】
石材素子のそれぞれの縁部が下地層またはベースの縁部まで延び得ることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項3】
下地層またはベースのそれぞれの縁部がそれに結合される隣接する石材素子の縁部を越えて延び得ることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項4】
下地層またはベースは同一または異なる形状の隣接するタイルと重ね合わせ得る矩形、規則的な多角形または不規則な形状を含んでいるあらゆる適宜な形状からなることができることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項5】
反対のまたは隣接する縁部から延びる1つまたはそれ以上のスピゴット状の突起およびそれぞれの反対のまたは隣接する縁部の対応するソケット状凹所を有する矩形の下地層またはベースを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項6】
下地層またはベースが石材素子を固定させる堅固な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項7】
下地層またはベースが石材素子を固定させる柔軟な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項8】
下地層またはベースが重合結合剤を有するか有さないセメント質の混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項9】
下地層またはベースが重合混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項10】
下地層またはベースが補強材料を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項11】
下地層またはベースが孔の明いたシート状材料を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項12】
下地層またはベースがプラスチックメッシュを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項13】
補強材料が金属またはプラスチックメッシュで覆っている拡大された端部を有するかまたは有さない細かく切り刻んだ繊維から選択されることを特徴とする請求項10に記載のタイル。
【請求項14】
タイルを含んでいる石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわるようにタイルが形成されることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項15】
タイルが実質上一定の厚さで形成され、それにより隣接するタイルの石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項16】
継ぎ目のない舗装構造用のタイルの製造方法において、実質上平らな支持面上に、複数の不規則に形成された石材素子を支持し、石材素子の通常露出される表面が支持面と接触しており、石材素子のそれぞれの反対表面に、支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する下地層またはベースを固定することを特徴とするタイルの製造方法。
【請求項17】
取り付け面が予め定められた厚さのタイルを形成するように支持面から予め定められた距離に位置決めされることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項18】
石材素子が予め定められた形状および/または厚さの基板に固定されることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項19】
石材素子が接着剤によって基板に固定されることを特徴とする請求項18に記載のタイルの製造方法。
【請求項20】
下地層またはベースが石材素子に接着で固定し得る流動可能で鋳造可能な材料によって形成されることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項21】
下地層またはベースが直立の境界壁を有するモールド内に形成されることを特徴とする請求項20に記載のタイルの製造方法。
【請求項22】
タイルが予め定められた境界形状内の実質上平らな支持面上に支持される流動可能で鋳造可能な材料の表面上に複数の不規則に形成された石材素子を配置しかつ石材素子を支持面に対して実質上平行な平面内に横たわっている実質上平らな圧縮部材によって鋳造可能な材料に押し固めることによって形成されることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項23】
不規則な石材素子が予め定められた境界形状内で実質上平らな支持面上にありかつその後流動可能で鋳造可能な材料からなる層が支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する予め定められた厚さの下地層またはベースを形成するように石材素子上に加えられることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項24】
石材素子が直立の境界壁内の支持面に配置されることを特徴とする請求項23に記載のタイルの製造方法。
【請求項25】
流動可能な変位材料が隣接する石材素子間に上塗りチャンネルを形成するようにその上に下地層またはベースの形成の前に隣接する石材素子間の隙間に導入されることを特徴とする請求項23に記載のタイルの製造方法。
【請求項26】
継ぎ目なしの舗装構造用のタイルを取り付けるためのタイル取り付け方法において、タイルを整列された当接において平らな表面に接着し;そして隣接する石材素子間のキャビティに上塗り混合物を導入しそれにより隣接するタイル間の接合部の領域の上塗り混合物が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように接合部の各側にわたって不規則に延びることを特徴とするタイル取り付け方法。
【請求項27】
タイルが当接しているベース縁部により表面上に横たえられることを特徴とする請求項26に記載のタイル取り付け方法。
【請求項28】
間隔が置かれかつ異なるサイズの石材素子が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するようにベース縁部が石材素子間の上塗りの表面に挿入されることを特徴とする請求項26に記載のタイル取り付け方法。
【請求項1】
継ぎ目のない舗装構造用のタイルにおいて、下地層またはベースの上に少なくとも部分的に延びている複数の不規則に形成された石材素子を含み、隣接するタイルと整列されて当接する関係にあるとき、隣接する石材素子間に延びる不規則に形成されたキャビティを隣接するタイルとともに形成し、そのさい使用において、隣接する石材素子間のグラウトで固められる接合部が視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように下地層またはベース間の接合部の各側に不規則に延びることを特徴とするタイル。
【請求項2】
石材素子のそれぞれの縁部が下地層またはベースの縁部まで延び得ることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項3】
下地層またはベースのそれぞれの縁部がそれに結合される隣接する石材素子の縁部を越えて延び得ることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項4】
下地層またはベースは同一または異なる形状の隣接するタイルと重ね合わせ得る矩形、規則的な多角形または不規則な形状を含んでいるあらゆる適宜な形状からなることができることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項5】
反対のまたは隣接する縁部から延びる1つまたはそれ以上のスピゴット状の突起およびそれぞれの反対のまたは隣接する縁部の対応するソケット状凹所を有する矩形の下地層またはベースを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項6】
下地層またはベースが石材素子を固定させる堅固な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項7】
下地層またはベースが石材素子を固定させる柔軟な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項8】
下地層またはベースが重合結合剤を有するか有さないセメント質の混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項9】
下地層またはベースが重合混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項10】
下地層またはベースが補強材料を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項11】
下地層またはベースが孔の明いたシート状材料を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項12】
下地層またはベースがプラスチックメッシュを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項13】
補強材料が金属またはプラスチックメッシュで覆っている拡大された端部を有するかまたは有さない細かく切り刻んだ繊維から選択されることを特徴とする請求項10に記載のタイル。
【請求項14】
タイルを含んでいる石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわるようにタイルが形成されることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項15】
タイルが実質上一定の厚さで形成され、それにより隣接するタイルの石材素子の通常露出される表面が実質上共通の平面に横たわることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
【請求項16】
継ぎ目のない舗装構造用のタイルの製造方法において、実質上平らな支持面上に、複数の不規則に形成された石材素子を支持し、石材素子の通常露出される表面が支持面と接触しており、石材素子のそれぞれの反対表面に、支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する下地層またはベースを固定することを特徴とするタイルの製造方法。
【請求項17】
取り付け面が予め定められた厚さのタイルを形成するように支持面から予め定められた距離に位置決めされることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項18】
石材素子が予め定められた形状および/または厚さの基板に固定されることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項19】
石材素子が接着剤によって基板に固定されることを特徴とする請求項18に記載のタイルの製造方法。
【請求項20】
下地層またはベースが石材素子に接着で固定し得る流動可能で鋳造可能な材料によって形成されることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項21】
下地層またはベースが直立の境界壁を有するモールド内に形成されることを特徴とする請求項20に記載のタイルの製造方法。
【請求項22】
タイルが予め定められた境界形状内の実質上平らな支持面上に支持される流動可能で鋳造可能な材料の表面上に複数の不規則に形成された石材素子を配置しかつ石材素子を支持面に対して実質上平行な平面内に横たわっている実質上平らな圧縮部材によって鋳造可能な材料に押し固めることによって形成されることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項23】
不規則な石材素子が予め定められた境界形状内で実質上平らな支持面上にありかつその後流動可能で鋳造可能な材料からなる層が支持面に対して実質上平行な取り付け面を有する予め定められた厚さの下地層またはベースを形成するように石材素子上に加えられることを特徴とする請求項16に記載のタイルの製造方法。
【請求項24】
石材素子が直立の境界壁内の支持面に配置されることを特徴とする請求項23に記載のタイルの製造方法。
【請求項25】
流動可能な変位材料が隣接する石材素子間に上塗りチャンネルを形成するようにその上に下地層またはベースの形成の前に隣接する石材素子間の隙間に導入されることを特徴とする請求項23に記載のタイルの製造方法。
【請求項26】
継ぎ目なしの舗装構造用のタイルを取り付けるためのタイル取り付け方法において、タイルを整列された当接において平らな表面に接着し;そして隣接する石材素子間のキャビティに上塗り混合物を導入しそれにより隣接するタイル間の接合部の領域の上塗り混合物が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するように接合部の各側にわたって不規則に延びることを特徴とするタイル取り付け方法。
【請求項27】
タイルが当接しているベース縁部により表面上に横たえられることを特徴とする請求項26に記載のタイル取り付け方法。
【請求項28】
間隔が置かれかつ異なるサイズの石材素子が実質上視覚的に継ぎ目の無い接合部を形成するようにベース縁部が石材素子間の上塗りの表面に挿入されることを特徴とする請求項26に記載のタイル取り付け方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−502325(P2006−502325A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542105(P2004−542105)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001345
【国際公開番号】WO2004/033799
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(505132323)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001345
【国際公開番号】WO2004/033799
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(505132323)
【Fターム(参考)】
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