説明

複合布

ハイブリッド複合布衣服10は第1の布部分20と第2の布部分40とを含む。第1の布部分は、第1の内側布層22と、第1の外側布層24と、それらの間に配置される第1のバリア層26とを含む。第1のバリアは第1の不織膜60、80、120、130を含み、第1の所定の透気度を有する。第2の布部分は、第2の内側布層42と、第2の外側布層44と、それらの間に配置される第2のバリア層46とを含む。第2のバリア層は第2の不織膜60、80、120、130を含み、第1の所定の透気度よりも実質的に大きい第2の所定の透気度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合布、とりわけ複合布から成る衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
複合布製品は、布体又は個々の材料だけでは得ることができない所望特性を得る目的で、布体において1つ又は複数の材料を共に接合させることによって実現されている。積層複合体、例えば接着剤によって接合される複数の層を有するものは往々にして、複合布体の耐熱性能を増大させるために形成されている。
【0003】
複合布は、風及び/又は水に対する耐性に対応するように設計することができる。この種の複合布は一般に、1つの布層に接着しているか、又は布層の間に接着しているか若しくは設けられるバリア膜を含む。かかる複合布のバリア膜は、空気及び風の布層の通過に耐えるか、又は実質的には通過を妨げるように構成され得る。しかしながら、この種の構造は、水蒸気がバリアを通じて外側に逃げるのを困難にし、とりわけエクササイズ又は他の身体運動中に着用者の皮膚上に液体を蓄積して、その結果、不快感を伴わせるおそれがある。
【0004】
他の複合布は、身体活動中の着用者に対する快適性レベルを改善するために、水蒸気透過性及びエアフローを高めるように設計されている。しかしながら、これらの布は一般に低断熱材料であり、結果として、静的身体条件、即ち、静止しているか又はほぼ静止しているときに、布を通じて冷たい空気が流れることにより、着用者が不快感を受けるおそれがある。
【発明の概要】
【0005】
一態様によれば、ハイブリッド複合布衣服は第1の布部分と第2の布部分とを含む。第1の布部分は、第1の内側布層と、第1の外側布層と、それらの間に配置される第1のバリア層とを含む。第1のバリア層は第1のナノファイバ膜を含む。第1のバリア層は第1の所定の透気度を有する。第2の布部分は、第2の内側布層と、第2の外側布層と、それらの間に配置される第2のバリア層とを含む。第2のバリア層は第2のナノファイバ膜を含む。第2のバリア層は、第1の所定の透気度よりも実質的に大きい第2の所定の透気度を有する。
【0006】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。第1の所定の透気度は、第1のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第1のナノファイバ膜は、約4グラム毎平方メートル〜約7グラム毎平方メートルの重量を有する。第1のナノファイバ膜は、約1マイクロメートル〜約50マイクロメートルの厚みを有する。第1の布部分の防水度は、約6000水柱mm〜約15000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。第1の布部分の透湿度は約2000g/m/24時間〜約6000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ(inverted cup))に従って試験される)。第1の布部分の透気度は、第1の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。場合によっては、第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、良好な伸縮性及び復元性(recovery)を有する。例によっては、第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、低い伸縮性を有するか又は伸縮性を有しない。第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、エレクトロスパンナノファイバ膜を含む。第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、複数のナノファイバから形成される不織ウェブを含む。ナノファイバは、約50ナノメートル〜約1000ナノメートルの範囲の繊維直径を有する。ナノファイバは高分子繊維(例えば、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維等)を含む。第1のバリア層は、接着剤により第1の内側布層及び第1の外側布層の少なくとも1つと結合する。接着剤は、第1のバリア層を介する透湿性を実質的に制限しないように塗布される。接着剤はドットコーティングパターンで塗布される。第2の所定の透気度は、第2のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第2のナノファイバ膜は、約1マイクロメートル〜約50マイクロメートルの厚みを有する。第2のナノファイバ膜は、約2グラム毎平方メートル〜約4グラム毎平方メートルの重量を有する。第2のバリア層は、接着剤により第2の内側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つと結合する。接着剤は、第2のバリア層を介する透湿性を実質的に制限しないように塗布される。接着剤はドットコーティングパターンで塗布される。第2の布部分の防水度は、約500水柱mm〜約4000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。第2の布部分の透湿度は、約6000g/m/24時間〜約12000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)。第2の布部分の透気度は、第2の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが織物構造を含む。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つがニット構造(例えば、シングルジャージー、添え糸編(plated)シングルジャージー、ダブルニット、トリコット及びテリーシンカーループ)を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが織物構造を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つがニット構造(例えば、シングルジャージー、添え糸編シングルジャージー、ダブルニット、トリコット及びテリーシンカーループ)を含む。ニット構造は、使用中に着用者の体側に面するように配される、起毛面又は毛羽立った面(brushed surface)を含む。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが、少なくとも一方向の伸縮性を有する。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つがスパンデックス糸を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つがスパンデックス糸を含む。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが、低い伸縮性を有するか又は伸縮性を有しない布を含む。第1の布部分は、使用中に風及び雨に曝される可能性の高い布衣服の1つ又は複数の第1の領域に配置される。第1の布部分は、着用者の体の上部胴体領域(例えば、少なくとも着用者の肩領域、上背部領域、及び/又は衣服の前面の上部領域、例えば、上胸部領域)を被覆するように構成される。場合によっては、第1の布部分は、着用者の背中の大部分、例えば背中全体を被覆するように構成される。第2の布部分は、使用中に風及び雨に曝される可能性の低い布衣服の1つ又は複数の第2の領域に配置される。第2の布部分は、着用者の体の下部胴体領域(例えば、少なくとも着用者の下胸部領域及びそれより下の領域)を被覆するように構成される。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが、耐久性撥水剤により処理される。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが吸湿性布(moisture wicking fabric)を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが、親水性となって吸湿を可能にする材料から形成される。第1の外側層及び第2の外側層の少なくとも1つが、撥水性を高め且つ/又は耐摩耗性を高めるように化学処理される。第1の布部分及び第2の布部分の少なくとも1つが、防水度を高めるように封止され且つ/又は貼り付けられる1つ又は複数の継目を含む。第1の布部分及び第2の布部分の少なくとも1つが、難燃性繊維又は難燃性混合繊維を含む。第1の内側布層、第1の外側布層、第2の内側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが、難燃性繊維又は難燃性混合繊維を含む。
【0007】
別の態様では、ハイブリッド複合布衣服が第1の布部分と第2の布部分とを含む。第1の布部分は、撥水性、風耐性であり、透湿性を可能にする。第1の布部分は第1のナノファイバ膜を含む。第2の布部分は、低撥水性、低風耐性であり、第1のナノファイバ膜よりも高い透湿性を可能にする。第2の布部分は第2のナノファイバ膜を含む。
【0008】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。第1のナノファイバ膜は、約4グラム毎平方メートル〜約7グラム毎平方メートルの重量を有する不織ウェブを含む。第1のナノファイバ膜の透気度は、第1のナノファイバ膜を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第1の布部分の防水度は、約6000水柱mm〜約15000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。第1の布部分の透湿度は、約2000g/m/24時間〜約6000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)。第1の布部分の透気度は、第1の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第2のナノファイバ膜は、約2グラム毎平方メートル〜約4グラム毎平方メートルの重量を有する不織ウェブを含む。第2のナノファイバ膜の透気度は、第2のナノファイバ膜を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第2の布部分の防水度は、約500水柱mm〜約4000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。第2の布部分の透湿度は、約6000g/m/24時間〜約12000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)。第2の布部分の透気度は、第2の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、エレクトロスパンナノファイバ膜を含む。第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、約1マイクロメートル〜約50マイクロメートルの厚みを有する。第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、良好な伸縮性及び復元性を有する。第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、低い伸縮性を有するか又は伸縮性を有しない。第1のナノファイバ膜及び第2のナノファイバ膜の少なくとも1つが、複数のナノファイバから形成される不織ウェブを含む。ナノファイバは、約50ナノメートル〜約1000ナノメートルの範囲の繊維直径を有する。ナノファイバは高分子繊維(例えば、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維等)を含む。第1の布部分は、第1の外側布層と第1の内側布層とを含む第1の積層体を含み、第1のナノファイバ膜が、第1の内側布層と第1の外側布層との間に配置され、また第1の内側布層及び第1の外側布層の少なくとも1つと結合する。第1の内側布層は、第1のナノファイバ膜と逆側に、内側に面する、起毛面又は毛羽立った面を含む。第1のナノファイバ膜は、接着剤により第1の内側布層及び第1の外側布層の少なくとも1つと結合する。接着剤は、第1のナノファイバ膜を介する透湿性を実質的に制限しないように塗布される。第2の布部分は、第2の外側布層と第2の内側布層とを含む第2の積層体を含み、第2のナノファイバ膜が、第2の内側布層と第2の外側布層との間に配置され、また第2の内側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つと結合する。第2のナノファイバ膜は、接着剤により第2の内側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つと結合し、接着剤は、第2のナノファイバ膜を介する透湿性を実質的に制限しないように塗布される。第2の内側布層は、第2のナノファイバ膜と逆側に、内側に面する、起毛面又は毛羽立った面を含む。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが織物構造を含む。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが、耐久性撥水剤により処理される。第1の外側布層及び第2の外側布層は同じ構造を有する。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが、伸縮性、例えば、少なくとも一方向の伸縮性を有する。第1の外側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つがスパンデックス糸を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つがスパンデックス糸を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが、織物構造、例えば、シングルジャージーニット構造、添え糸編シングルジャージーニット構造、ダブルニット構造、トリコットニット構造、及びテリーシンカーループ構造から選択される構造を有する。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが吸湿性布を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが、親水性となって吸湿を可能にする材料から形成される。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが、内側、即ち使用中に着用者の体側に面する起毛面を含む。第1の内側布層及び第2の内側布層の少なくとも1つが、内側、即ち、使用中に着用者の体側に面する毛羽立った面を含む。第2の布部分は、外側布層と内側布層とを含む積層体を含み、第2のナノファイバ膜が、内側布層と外側布層との間に配置され、また接着剤により内側布層及び外側布層の少なくとも1つと結合する。第1の外側層及び第2の外側層の少なくとも1つが、撥水性を高め且つ/又は耐摩耗性を高めるように化学処理される。第1の布部分及び第2の布部分の少なくとも1つが、防水度を高めるように封止され且つ/又は貼り付けられる1つ又は複数の継目を含む。第1の布部分及び第2の布部分の少なくとも1つが難燃性繊維を含む。第1の布部分及び第2の布部分の少なくとも1つが難燃性混合繊維を含む。第1の内側布層、第1の外側布層、第2の内側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが難燃性繊維を含む。第1の内側布層、第1の外側布層、第2の内側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つが難燃性混合繊維を含む。
【0009】
さらに別の態様では、ハイブリッド複合布衣服が第1の布部分と第2の布部分とを含む。第1の布部分は、第1の内側布層と、第1の外側布層と、それらの間に配置される第1のバリア層とを含む。第1のバリア層は第1の不織膜を含む。第1のバリア層は第1の所定の透気度を有する。第2の布部分は、第2の内側布層と、第2の外側布層と、それらの間に配置される第2のバリア層とを含む。第2のバリア層は第2の不織膜を含む。第2のバリア層は、第1の所定の透気度よりも実質的に大きい第2の所定の透気度を有する。
【0010】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。第1の不織膜及び第2の不織膜の少なくとも1つがエレクトロスパン膜を含む。エレクトロスパン膜は、約50ナノメートル〜約1000ナノメートルの範囲の繊維直径を有する繊維から成る。第1の不織膜及び第2の不織膜の少なくとも1つがメルトブローン膜を含む。メルトブローン膜は、約500ナノメートル〜約2000ナノメートルの範囲の繊維直径を有する繊維から成る。第1のバリア層及び第2のバリア層の少なくとも1つが複数の不織膜層を含む。不織膜層の少なくとも1つがメルトブローン膜を含む。不織膜層の少なくとも1つがエレクトロスパン膜を含む。不織膜層の少なくとも1つがエレクトロスパンナノファイバ膜を含む。不織膜層は、1つ又は複数のメルトブローン膜層と、1つ又は複数のエレクトロスパン膜層とを含む。不織膜層は、ASTM D−737に従って試験される透気度が、メルトブローン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約10ft/ft/分〜約70ft/ft/分であるメルトブローン膜層を含む。不織膜層はまた、メルトブローン膜層と連結し、且つASTM D−737に従って試験される透気度が、エレクトロスパン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約2ft/ft/分〜約20ft/ft/分であるエレクトロスパン膜層を含む。エレクトロスパン膜層はナノファイバ膜を含む。エレクトロスパン膜層は、接着剤によりメルトブローン膜層と結合する。第1の所定の透気度は、第1のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第1の布部分の防水度は、約6000水柱mm〜約15000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。第1の布部分の透湿度は、約2000g/m/24時間〜約6000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)。第2の所定の透気度は、第2のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第2のバリア層は、接着剤により第2の内側布層及び第2の外側布層の少なくとも1つと結合する。第1のバリア層は、接着剤により第1の内側布層及び第1の外側布層の少なくとも1つと結合する。第2の布部分の防水度は、約500水柱mm〜約4000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。第2の布部分の透湿度は、約6000g/m/24時間〜約12000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)。第2の布部分の透気度は、第2の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。第1の布部分は、着用者の体の上部胴体領域(例えば、少なくとも着用者の肩領域、上背部領域、及び/又は衣服の前面の上方領域、例えば、上胸部領域)を被覆するように構成される。場合によっては、第1の布部分は、着用者の背中の大部分、例えば背中全体を被覆するように構成される。第2の布部分は、使用中に風及び雨に曝される可能性の低い布衣服の1つ又は複数の第2の領域に配置される。第2の布部分は、着用者の体の下部胴体領域(例えば、少なくとも着用者の下胸部領域及びそれより下の領域)を被覆するように構成される。
【0011】
別の態様では、複合布が、内側布層と、外側布層と、内側布層と外側布層との間に配置されるバリア層とを含む。バリア層は不織膜を含む。
【0012】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。不織膜はエレクトロスパン膜を含む。不織膜はメルトブローン膜を含む。バリア層の所定の透気度は、バリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約70ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。バリア層は複数の不織膜層を含む。不織膜層の少なくとも1つがメルトブローン膜を含む。不織膜層の少なくとも1つがエレクトロスパン膜を含む。不織膜層の少なくとも1つがエレクトロスパンナノファイバ膜を含む。不織膜層は、1つ又は複数のメルトブローン膜層と、1つ又は複数のエレクトロスパン膜層とを含む。不織膜層は、透気度がメルトブローン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約10ft/ft/分〜約70ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)メルトブローン膜層を含む。不織膜層はまた、メルトブローン膜層と連結し、且つ透気度がエレクトロスパン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約2ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)エレクトロスパン膜層を含み得る。エレクトロスパン膜層はナノファイバ膜を含む。エレクトロスパン膜層は、接着剤によりメルトブローン膜層と結合する。バリア層の透気度は、バリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。複合布の防水度は、約6000水柱mm〜約15000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。複合布の透湿度は、約2000g/m/24時間〜約6000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)。バリア層の所定の透気度は、バリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。バリア層は、接着剤により内側布層及び外側布層の少なくとも1つと結合する。複合布の防水度は、約500水柱mm〜約4000水柱mmである(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)。複合布の透湿度は、約6000g/m/24時間〜約12000g/m/24時間である(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)。複合布の透気度は、複合布を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である(ASTM D−737に従って試験される)。
【0013】
別の態様によれば、ハイブリッド複合布を製造する方法は、第1の布部分を形成すること、第2の布部分を形成すること、及び第1の布部分と第2の布部分とを共に接合させることであって、ハイブリッド複合布衣服を形成する、接合させることを含む。第1の布部分を形成することは、第1の所定の透気度を有する、第1の不織膜を含む第1のバリア層を、第1の内側布層と第1の外側布層との間に配置することを含む。第2の布部分を形成することは、第1の所定の透気度よりも実質的に大きい第2の所定の透気度を有する、第2の不織膜を含む第2のバリア層を、第2の内側布層と第2の外側布層との間に配置することを含む。
【0014】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。本方法は、第1のバリア層及び第2のバリア層の少なくとも1つを形成することを含み得る。第1のバリア層及び第2のバリア層の少なくとも1つを形成することは、複数の不織膜を相互に積み重ねること、及び不織膜のスタックを機械加工することを含み得る。不織膜のスタックを機械加工することは、不織膜のスタックに圧力を印加することを含む。圧力は、不織膜のスタックを複数のローラに通過させることによって印加される。ローラは加熱されていてもよい。本方法はまた、複数の不織膜の間に接着剤を配置することを含み得る。複数の不織膜を積み重ねることは、キャリア不織膜上に不織膜をエレクトロスピニングすることを含み得る。本方法はまた、メルトブロー操作(melt blowing operation)を用いてキャリア膜を形成することを含み得る。
【0015】
別の態様では、ハイブリッド複合布衣服が第1の布部分と第2の布部分とを含む。第1の布部分は、第1の内側布層と、第1の外側布層と、それらの間に配置される第1のバリア層とを含む。第1バリア層は第1の膜を含む。第1の膜は実質的にゼロの透気度を有する。第2の布部分は、第2の内側布層と、第2の外側布層と、それらの間に配置される第2のバリア層とを含む。第2のバリア層は不織膜を含む。第2のバリア層の不織膜は、第1の膜の透気度よりも実質的に大きい透気度を有する。
【0016】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。ASTM D−737に従って試験される第1のバリア層の透気度は、第1のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である。第1の膜はフィルム膜(例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム膜又はポリウレタンフィルム膜)である。第1の膜は不織膜である。第1の膜が1つ又は複数のメルトブローン膜層を含んでいてもよい。第1の膜が1つ又は複数のエレクトロスパン膜層を含んでいてもよい。第1の膜が1つ又は複数のエレクトロスパンナノファイバ膜層を含んでいてもよい。第1の膜が複数の不織膜層を含んでいてもよい。第1の膜が、1つ又は複数のメルトブローン膜層と、1つ又は複数のエレクトロスパン膜層とを含んでいてもよい。第1の膜が複数のメルトブローン膜層を含む。第1の膜が複数のエレクトロスパン膜層を含んでいてもよい。第1の膜が複数のエレクトロスパンナノファイバ膜層を含んでいてもよい。第1の膜が、第1の繊維直径を有するナノファイバから形成される第1のエレクトロスパンナノファイバ膜層と、第1の繊維直径よりも細い第2の繊維直径を有するナノファイバから形成される第2のエレクトロスパンナノファイバ膜層とを含んでいてもよい。第1の膜が、約500ナノメートルの繊維直径を有するナノファイバから形成される第1のエレクトロスパンナノファイバ膜層と、約200ナノメートルの繊維直径を有するナノファイバから形成される第2のエレクトロスパンナノファイバ膜層とを含んでいてもよい。第1の膜が、約800ナノメートルの繊維直径を有するナノファイバから形成される第1のエレクトロスパンナノファイバ膜層と、約300ナノメートルの繊維直径を有するナノファイバから形成される第2のエレクトロスパンナノファイバ膜層とを含んでいてもよい。第2のバリア層の不織膜は1つ又は複数のメルトブローン膜層を含んでいてもよい。第2のバリア層の不織膜が1つ又は複数のエレクトロスパン膜層を含んでいてもよい。第2のバリア層の不織膜が複数の不織膜層を含んでいてもよい。第2のバリア層の不織膜は、1つ又は複数のメルトブローン膜層と、1つ又は複数のエレクトロスパン膜層とを含む。第2のバリア層の不織膜が複数のメルトブローン膜層を含んでいてもよい。第2のバリア層の不織膜が複数のエレクトロスパン膜層を含んでいてもよい。第2のバリア層の不織膜が複数のエレクトロスパンナノファイバ膜層を含んでいてもよい。第2のバリア層の不織膜が、第1の繊維直径を有するナノファイバから形成される第1のエレクトロスパンナノファイバ膜層と、第1の繊維直径よりも細い第2の繊維直径を有するナノファイバから形成される第2のエレクトロスパンナノファイバ膜層とを含んでいてもよい。ASTM D−737に従って試験される第2のバリア層の透気度は、第2のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である。
【0017】
1つ又は複数の実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の明細書において記載する。他の特徴、目的及び利点は明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ハイブリッド複合布衣服の一例の正面図である。
【図2】図1のハイブリッド複合布衣服の第1の布部分に用いられる布積層体の一例の横断面図である。
【図3】図1のハイブリッド複合布衣服の第2の布部分に用いられる布積層体の一例の横断面図である。
【図4A】不織ナノファイバ膜の拡大平面図である。
【図4B】不織ナノファイバ膜の拡大横断面図である。
【図5】不織ナノファイバ膜を作製するエレクトロスピニングプロセスの概略図である。
【図6】不織膜を作製するメルトブロープロセスの概略図である。
【図7】複合布に用いられる不織膜を加工するシステムの配置図である。
【図8】複合布に用いられる不織膜を加工するシステムの配置図である。
【図9】複合布に用いられる不織膜を加工するシステムの配置図である。
【0019】
種々の図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、ジャケット形態のハイブリッド複合布衣服10が、第1の布部分20と第2の布部分40とを含む。第1の布部分20は、第1の外側布層と第1の内側布層とを、それらの間に配置される第1のバリア層と併せて含む複合布(例えば、積層体)から成る。第1のバリア層は、第1の膜、例えばフィルム膜、又は不織膜、例えばエレクトロスパン不織膜及び/又はメルトブローン不織膜を含む。この構造は、布積層体に、高い防水度、例えば約6000水柱mm〜約15000水柱mm(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)、及び良好な透湿度(MVT)、例えば24時間当たり約2000グラム毎平方メートル(g/m/24時間)〜24時間当たり約6000グラム毎平方メートル(ASTM E96(逆カップ)に従って試験される)をもたらすように構成される。構造はまた、風の侵入に対する高い耐性を、極めて低い透気度、例えば約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分(ASTM D−737に従って試験される、第1の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下)と共にもたらすように構成される。ここに挙げた全試験方法、例えば、AATCC 127−2003、ASTM E−96及びASTM D−737の包括的な開示は、参照により本明細書中に援用される。
【0021】
第2の布部分40は、第2の外側布層と第2の内側布層とを、それらの間に配置される第2のバリア層(例えば、第2の膜、例えば不織膜、例えばエレクトロスパン不織膜及び/又はメルトブローン不織膜)と併せて含む複合布から成る。第2のバリア層は概して、低撥水性、低風耐性であり、第1のバリア層のナノファイバ膜よりも高い透湿性を可能にする。この構造は、布積層体に、より高い透気度、例えば約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分(ASTM D−737に従って試験される、第2の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下)、低度〜中程度の防水度、例えば、約500水柱mm〜約4000水柱mm(AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される)、及び高い透湿度、例えば24時間当たり約6000グラム毎平方メートル(g/m/24時間)〜24時間当たり約12000グラム毎平方メートル(ASTM E−96(逆カップ)に従って試験される)をもたらすように構成することができる。
【0022】
第1の布部分20及び第2の布部分40の布積層体は、ハイブリッド複合布衣服10を形成するように所定パターンで共に縫い合わされている。図1に例示される実施形態では、第1の布部分20が、着用者の体の上部胴体領域、例えば上胸部及び肩を被覆するように構成される。第2の布部分40は、着用者の体の下部胴体領域、例えば着用者の下胸部領域及びそれよりも下を被覆するように構成される。また、衣服の継目は、さらなる対風及び対水性を付加するように封止されていてもよい。例えば、継目を貼り付けるために、ポリウレタンから成る熱可塑性フィルムを使用することができる。この構造は、風及び雨に曝される可能性の比較的高い衣服領域における比較的高度な水及び風に対する耐性により着用者を保護すると同時に、それらの領域に或る程度の透湿性がもたらされるように構成される。この構造は、風及び雨に曝される可能性の比較的低い衣服10の領域において比較的高度な透湿性及び透気度ももたらすため、着用者の快適性レベルが上がる。
【0023】
第1の布部分
図1及び図2を参照すると、上述されるように、第1の布部分20が、第1の内側布層22と、第1の外側布層24と、第1の内側布層と第1の外側布層との間に位置付けられ且つそれらと結合する第1のバリア層26とを含む第1の布積層体21から成る。第1の布積層体21の構造に起因して、第1の布部分20は、液体水、例えば雨、及び風による侵入に対する耐性がある。例えば、第1のバリア層26は、風のある状況で断熱性能を上げるために、比較的低量のエアフロー、例えば約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分(ASTM D−737に従って試験される、第1のバリア層26を介する1/2水柱インチの差圧下)を可能にするだけでよい。
【0024】
図2を参照すると、第1の内側布層22は、織物構造又はニット構造(例えば、シングルジャージーニット、添え糸編シングルジャージーニット、ダブルニット、トリコットニット、及び/又はテリーシンカーループニット)を有する。第1の内側布層22は、使用中に着用者の体Bに面する第1の面27と、第1のバリア層26と結合する第2の面28とを含む。第1の面27は、使用者の高い快適性、例えば、より柔らかな感触及び高い水管理のために起毛していてもよく且つ/又は毛羽立っていてもよい。
【0025】
第1の内側布層22は、水分、例えば汗を吸い取ると共に、熱損失を最低限に抑えるように設計されている。使用中、使用者から発生する汗は、第1の内側布層22を通って吸い取られ、例えば蒸気として、第1のバリア層26及び第1の外側布層24を通って逃される。場合によっては、例えば、第1の内側布層22が吸湿性布から形成されていてもよい。代替的に又は付加的には、第1の内側布層22が、親水性となって吸湿を促す材料から形成されていてもよい。結果として、液体水分、例えば汗が、着用者の体から衣服の外面30側へと運び取られる。
【0026】
さらに図2を参照すると、第1の外側布層24は織物材料であってもよい。場合によっては、第1の外側布層24が、少なくとも1つの方向における伸縮性、例えば、一方向の伸縮性又は二方向の伸縮性を有していてもよい。例によっては、第1の外側布層24は、低い伸縮性を有するか又は伸縮性を有しない。場合によっては、第1の外側布層24を耐久性撥水剤により処理することにより、衣服10の外面30から内面27側への液体水の移行を阻害する。
【0027】
上述されるように、第1のバリア層26は、第1の内側布層22と第1の外側布層24との間に位置付けられる。第1のバリア層26は水蒸気、例えば着用者の体の湿気を通すが、同時に、第1のバリア層26を通して着用者の体B側へと空気及び液体水を内側に通さない液体バリアとして作用する。
【0028】
第1のバリア層26は、約4グラム毎平方メートル〜約7グラム毎平方メートルの重量、約1マイクロメートル〜約50マイクロメートルの厚み、及び約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分の範囲の透気度(ASTM D−737)を有する。
【0029】
再度図2を参照すると、第1の接着剤層23及び第2の接着剤層25によって、第1の内側布層22及び第1の外側布層24の対向面に第1のバリア層26が固定されている。第1の接着剤層23及び第2の接着剤層25は、層を接合する前に、第1の内側布層22及び第1の外側布層24の対向面に且つ/又は第1のバリア層26に塗布することができる。第1の接着剤層23は、第1のバリア層26を第1の外側布層24に接着させるように、第1のバリア層26と第1の外側布層24との間に位置付けられる。同様に、第2の接着剤層25は、第1のバリア層26を第1の内側布層22に接着させるように、第1のバリア層26と第1の内側布層22との間に位置付けられる。第1の接着剤層23及び第2の接着剤層25は、第1のバリア層26の透湿性及び/又は透気度を制限しないように塗布される。例えば、第1の接着剤層23及び第2の接着剤層25はドットコーティングパターンで塗布することができる。第1の接着剤層23及び第2の接着剤層25は、例えば、ロータリー印刷(rotary printing)及び/又はグラビア圧延(gravure rolling)によって塗布することができる。
【0030】
第2の布部分
上述されるように、ハイブリッド複合布衣服10の第2の布部分40は、第1の布部分20に比べて比較的高度な透気度をもたらすように構成される。第2の布部分40は、(第1の布部分20に比して)使用中に風及び雨に曝される可能性の低いハイブリッド複合布衣服10の領域に配され、高い通気性及び透気度をもたらして着用者に対する快適性を高めるように構成される。
【0031】
図3に示され且つ上記で論じられるように、第2の布部分40は、第2の内側布層42と、第2の外側布層44と、それらの間に配置される第2のバリア層46(例えば、エレクトロスパン膜及び/又はメルトブローン膜)とから成る第2の積層体41から成る。使用中、液体水分、例えば汗は、第2の内側布層42によって吸収され、例えば蒸気形態で、第2のバリア層46及び第2の外側布層44を通じて移行する。第2の布部分40の構造に起因して、例えば冷却のために、布を通じて着用者の体側へと空気(例えば風)を侵入させることも可能とされる。
【0032】
第2の内側布層42は、図2に関して上記で説明された第1の内側布層22と同様のものである。とりわけ、第2の内側布層42は、織物構造又はニット構造(例えば、シングルジャージーニット、添え糸編シングルジャージーニット、ダブルニット、トリコットニット、及び/又はテリーシンカーループニット)を有する。第2の内側布層42は、使用中に着用者の体Bに面する第1の面47と、第2のバリア層46と結合する第2の面48とを含む。第1の面47は、使用者の高い快適性、例えば、より柔らかな感触及び高い吸湿性のために起毛していてもよく且つ/又は毛羽立っていてもよい。
【0033】
第2の内側布層42は、吸湿性布、及び/又は親水性となって吸湿を促す材料から形成される。結果として、液体水分、例えば汗が、着用者の体から第2のバリア層46側へと運び取られる。
【0034】
第2の外側布層44は、第1の外側布層24と同様のものである。第2の外側布層44は織物材料である。第1の外側布層24と同様に、第2の外側布層44を耐久性撥水剤により処理して、衣服10の第2の布部分40の外面50から内面47側への液体水の移動を阻害してもよい。
【0035】
第2の布部分40のバリア層46は、第1のバリア層26よりも低い防水度、高い透湿度及び高い透気性を有する。第2のバリア層46は、約2グラム毎平方メートル〜約3グラム毎平方メートルの重量、約1マイクロメートル〜約50マイクロメートルの厚み、及び約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分の範囲の透気度(ASTM D−737、膜を介する1/2水柱インチの差圧下)を有する。少なくとも一つには第2のバリア層46の構造に起因して、冷却のために、且つ着用者の体から液体水分、例えば汗を直接的に蒸発させるために、第2の布部分40を通じて空気をより容易に侵入させることが可能とされる。
【0036】
さらに図3を参照すると、第2のバリア層46は、第1の接着剤層43及び第2の接着剤層45によって第2の内側布層42及び第2の外側布層44と結合する。第1の接着剤層43は、第2のバリア層46を第2の外側布層44に接着させるように、第2のバリア層46と第2の外側布層44との間に位置付けられる。同様に、第2の接着剤層45は、第2のバリア層46を第2の内側布層42に接着させるように、第2のバリア層46と第2の内側布層42との間に位置付けられる。第2の布部分40の接着剤層43及び接着剤層45は、第2のバリア層46の透湿性及び/又は透気度を実質的に制限しないように塗布される。
【0037】
バリア層
第1のバリア層26及び/又は第2のバリア層46は、1つ又は複数のエレクトロスパン膜層、例えば、Finetex Technology, Inc.(Hudson, New
Hampshire)から市販されているもの等の1つ又は複数のエレクトロスパンナノファイバ膜を含み得る。例えば、図4A及び図4Bは、第1のバリア層22及び第2のバリア層46のいずれか又は両方に用いられるのに好適なエレクトロスパンナノファイバ膜60を示す。図4A及び図4Bに示されるように、エレクトロスパンナノファイバ膜60は、複数の交絡したナノファイバ62を含み、それらの間に小孔64を有する。ナノファイバ62は、約50ナノメートル〜約1000ナノメートルの範囲の繊維直径を有する高分子繊維、例えば、ナイロン、ポリウレタン、及び/又は他の合成繊維である。それは、ナノファイバ膜にその風及び水に対する耐性、並びに蒸気透過性をもたらす繊維状構造及び多孔質構造である。膜60の複雑な孔64は、着用者の体から発生する水蒸気を逃すのに十分大きく、最小の水滴が膜に侵入して着用者の体に達しないようにするのには十分小さい。
【0038】
エレクトロスピニングプロセスは、ナノファイバ膜60の透気度、透湿性及び防水度に関する細かい制御が可能である。図5に例示されるように、エレクトロスピニングプロセス70では、ポリマー溶液又は溶融物を、供給源72から、高電圧が(例えば、第1の電極74を介して)溶液又は溶融物に印加されるナノファイバノズル73へとポンプ送りされる。溶液又は溶融物のジェット75を、基体(grounded source)、例えば回転ドラム76に向けて延伸することによって、ナノサイズの繊維が生成される。複数のナノファイバノズルを同時に運転させて、ナノ不織膜を生成してもよい。回転ドラム76上でナノファイバを回収して、連続不織膜を生成する。プロセス制御によって、孔径、厚み及び繊維直径に関する多くの設定値(command)が可能となるため、不織膜の透気性及び撥水性に関する制御が可能である。
【0039】
エレクトロスパンナノファイバ膜は、約2グラム毎平方メートル〜約7グラム毎平方メートルの範囲の重量、約1マイクロメートル〜約50マイクロメートルの厚み、及び約0ft/ft/分〜約20ft/ft/分の範囲の透気度(ASTM D−737、膜を介する1/2水柱インチの差圧下)を有し得る。
【0040】
代替的に又は付加的に、第1のバリア層26及び/又は第2のバリア層46のいずれか又は両方が、1つ又は複数のメルトブローン膜層を含んでいてもよい。示されるように、例えば、図6中、メルトブローン不織膜80は、溶融ポリマーをダイ90に通して押し出した後、高温の高速エア92によって押出フィラメント91を細くすると共に破断させて、例えば約500ナノメートル〜約2000ナノメートルの直径及び数センチメートルの長さを有する繊維93を形成することによって、形成することができる。繊維93は、冷却中に繊維93が結合する可動スクリーン94上で回収される。メルトブローン膜80は、約10ft/ft/分〜約70ft/ft/分の透気度(permeability)(ASTM D−737に従って試験される、第1の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下)を有し得る。
【0041】
図7を参照すると、各々の布層との積層前に、第1のバリア層26及び/又は第2のバリア層46は、カレンダ100(ホットロール)によって圧縮してもよく、且つ/又は接着剤をバリア層26及びバリア層46に塗布し、極細繊維間を良好に結合させ、バリア層26及びバリア層46の堅牢性を制御し、且つ使用時及び洗浄後におけるその結合性を維持させてもよい。図7に示されるように、カレンダ加工操作では、バリア層26及びバリア層46を、一対の加熱ロール102に圧力をかけながら通過させる。
【0042】
図8を参照すると、場合によっては、第1のバリア層26及び/又は第2のバリア層46が、2つ以上の膜層60及び膜層80(例えば、メルトブローン膜層及び/又はエレクトロスパン膜層)を含んでいてもよい。例示を目的として、1つのエレクトロスパン膜60及び1つのメルトブローン膜80を図8に示す。図8に例示されるように、膜層120は、相互に積み重ねた後で、加熱及び圧力下で共に加圧することができ(例えば、カレンダ加工)、その結果、膜層60及び膜層80の間のより良好な結合性(integrity bond)がもたらされる。膜層60及び膜層80の間の結合強度をさらに高めるために、接着剤110、例えば、熱硬化性接着剤又は熱可塑性接着剤を、カレンダ加工前に膜層60及び膜層80の間に塗布してもよい。このように、単一の不織膜120をもたらすために、複数の膜層60及び膜層80を選択的に積み重ねてもよい。個々の膜層を積み重ねることにより、不織膜120の透気度の正確な制御がもたらされる。
【0043】
図9を参照すると、実施形態によっては、エレクトロスパン膜60を堆積することのできるキャリアとして、メルトブローン不織膜80(例えば、1つ又は複数のメルトブローン不織膜層)を用いることができ、このキャリアは、一体型メルトブローン−エレクトロスパン膜130を形成するために生成することとする。一体型メルトブローン−エレクトロスパン膜130はその後、カレンダ100によって圧縮され得る。
【0044】
多くの実施形態を説明してきた。それでもなお、本開示の精神及び範囲を逸脱しない限り種々の変更が為され得ることが理解されるであろう。例えば、実施形態によっては、第1のバリア層26が、フィルム膜、例えば、ASTM D−737に従って試験される透気度が、極めて低い、例えば、フィルム膜を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分であるポリウレタンフィルム又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムから形成される。
【0045】
ハイブリッド複合布衣服の第1の布部分及び第2の布部分のパターンデザインは、図に示され且つ上記に説明される特定の組合せに限定されるものではない。むしろ、所望の結果を達成するために、多種多様な異なるパターンを採用することができる。例えば、他の実施形態では、第1の布部分が、身体の高発汗部分、例えば脇の下以外の布衣服面を完全に被覆するものであってもよい。第1の布部分によるより広範な被覆率は、極めて湿気の多い環境及び/又は極めて風の強い環境で高い耐性をもたらすハイブリッド衣服を提供し得る。
【0046】
実施形態によっては、米国特許第6,927,182号明細書(2005年8月9日発行、この開示全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されているようなチャネリング効果を発生させるように選択される格子、ボックス等のチャネルによって分けられる起毛領域を有する三次元パターンの起毛面で、第1の布部分及び/又は第2の布部分の内側布層を仕上げてもよい。内側布層に沿って形成されるこのようなパターンは、着用者の体に沿った空気のクッションの維持を促し、静的身体条件中の保温力を増大させ且つ身体活動中のエアフローを高め、熱放散効果又は冷却効果をもたらす。
【0047】
実施態様によっては、ハイブリッド複合布衣服の第1の布部分及び/又は第2の布部分が、例えば、外側布層及び/又は内側布層の1つ又は複数におけるスパンデックス材料の組込みによって、一方向の伸縮性又は二方向の伸縮性を与えられ得る。
【0048】
実施形態によっては、第1のナノファイバ膜及び/又は第2のナノファイバ膜が、良好な伸縮性及び復元性、又は極めて低い(例えば、ほとんどない)伸縮性及び復元性を有していてもよい。
【0049】
実施態様によっては、ハイブリッド複合布衣服(hybrid fabric
composite garment)が、難燃性繊維又は難燃性混合繊維を含む、例えば、それらから形成されていてもよい。例えば、第1の布部分及び第2の布部分のいずれか又は両方が、難燃性繊維又は難燃性混合繊維を含み得る。難燃性繊維は、布衣服の両側(即ち、内面及び外面)に、又は外側だけに(即ち、第1の外側布層及び/又は第2の外側布層)、又は内側だけに(即ち、第1の内側層及び/又は第2の内側層)存在し得る。
【0050】
場合によっては、第1の外側布層(複数可)及び/又は第2の外側布層(複数可)が、撥水性を改善させ且つ/又は耐摩耗性を高めるように化学処理される。
【0051】
さらに、ジャケット形態のハイブリッド複合布衣服の1つの具体例を上記に説明してきたが、本明細書中に記載の布積層体構造は、コート、オーバーブラウス(shells)、プルオーバー、ベスト、シャツ、ズボン等を含むが、これらに限定されない種々のタイプの衣料製品のいずれの布衣服にも適用することができることに留意されたい。
【0052】
したがって、他の実施形態も以下の特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド複合布衣服(10)であって、
第1の布部分(20)であって、
第1の内側布層(22)と、
第1の外側布層(24)と、
前記第1の内側布層と前記第1の外側布層との間に配置される第1のバリア層(26)であって、該第1のバリア層が、第1の不織膜(60、80、120、130)を含み、且つ第1の所定の透気度を有する、第1のバリア層(26)と、
を含む、第1の布部分(20)と、
第2の布部分(40)であって、
第2の内側布層(42)と、
第2の外側布層(44)と、
前記第2の内側布層と前記第2の外側布層との間に配置され、且つ第2の不織膜(60、80、120、130)を含む第2のバリア層(46)であって、該第2のバリア層が、前記第1の所定の透気度よりも実質的に大きい第2の所定の透気度を有する、第2のバリア層(46)と、
を含む、第2の布部分(40)と、
を含み、第1の不織膜及び第2の不織膜の少なくとも1つが、エレクトロスパンナノファイバ膜を含む、ハイブリッド複合布衣服。
【請求項2】
前記エレクトロスパンナノファイバ膜が、約50ナノメートル〜約1000ナノメートルの範囲の繊維直径を有する繊維(62)から成る、請求項1に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項3】
前記第1の不織膜及び前記第2の不織膜の少なくとも1つがメルトブローン膜(80)を含む、請求項1又は2に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項4】
前記メルトブローン膜が、約500ナノメートル〜約2000ナノメートルの範囲の繊維直径を有する繊維(93)から成る、請求項3に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項5】
前記第1のバリア層及び前記第2のバリア層の少なくとも1つが複数の不織膜層を含む、請求項1に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項6】
前記不織膜層の少なくとも1つがメルトブローン膜(80)を含む、請求項5に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項7】
前記不織膜層の少なくとも1つがエレクトロスパン膜(60)を含む、請求項5又は6に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項8】
前記不織膜層の少なくとも1つが前記エレクトロスパンナノファイバ膜(60)を含む、請求項5又は6に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項9】
前記不織膜層が、
メルトブローン膜層であって、ASTM D−737に従って試験される透気度が、該メルトブローン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約10ft/ft/分〜約70ft/ft/分である、メルトブローン膜層と、
エレクトロスパン膜層であって、前記メルトブローン膜層と連結し、且つASTM D−737に従って試験される透気度が、該エレクトロスパン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約2ft/ft/分〜約20ft/ft/分である、エレクトロスパン膜層と、
を含む、請求項5に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項10】
前記エレクトロスパン膜層が前記エレクトロスパンナノファイバ膜(60)を含む、請求項9に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項11】
前記エレクトロスパン膜層が前記メルトブローン膜層と結合する、請求項9又は10に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項12】
ASTM D−737に従って試験される前記第1の所定の透気度が、前記第1のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項13】
AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される前記第1の布部分の防水度が、約6000水柱mm〜約15000水柱mmである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項14】
ASTM E96(逆カップ)に従って試験される前記第1の布部分の透湿度が、約2000g/m/24時間〜約6000g/m/24時間である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項15】
ASTM D−737に従って試験される前記第2の所定の透気度が、前記第2のバリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項16】
前記第2のバリア層が、接着剤(43、45)により前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の少なくとも1つと結合する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項17】
前記第1のバリア層が、接着剤(23、25)により前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の少なくとも1つと結合する、請求項1〜16のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項18】
AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される前記第2の布部分の防水度が、約500水柱mm〜約4000水柱mmである、請求項1〜17のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項19】
ASTM E96(逆カップ)に従って試験される前記第2の布部分の透湿度が、約6000g/m/24時間〜約12000g/m/24時間である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項20】
ASTM D−737に従って試験される前記第2の布部分の透気度が、該第2の布部分を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である、請求項1〜19のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項21】
前記第1の布部分が、着用者の体の上部胴体領域を被覆するように構成される、請求項1〜20のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項22】
前記第1の布部分が、着用者の肩領域を少なくとも被覆するように構成される、請求項1〜21のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項23】
前記第2の布部分が、着用者の体の下部胴体領域を少なくとも被覆するように構成される、請求項1〜22のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項24】
前記第2の布部分が、着用者の下胸部領域及びそれより下の領域を少なくとも被覆するように構成される、請求項1〜23のいずれか一項に記載のハイブリッド複合布衣服。
【請求項25】
複合布(21、41)であって、
内側布層(22、42)と、
外側布層(24、44)と、
前記内側布層と前記外側布層との間に配置され、且つ不織膜(60、80、120、130)を含むバリア層(26、46)であって、該不織膜がエレクトロスパンナノファイバ膜を含む、バリア層(26、46)と、
を含む、複合布。
【請求項26】
ASTM D−737に従って試験される前記バリア層の所定の透気度が、該バリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約70ft/ft/分である、請求項25に記載の複合布。
【請求項27】
前記バリア層が複数の不織膜層を含む、請求項25に記載の複合布。
【請求項28】
前記不織膜層の少なくとも1つがメルトブローン膜(80)を含む、請求項27に記載の複合布。
【請求項29】
前記不織膜層の少なくとも1つがエレクトロスパンナノファイバ膜(60)を含む、請求項27に記載の複合布。
【請求項30】
前記不織膜層が、
メルトブローン膜層であって、ASTM D−737に従って試験される透気度が、該メルトブローン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約10ft/ft/分〜約70ft/ft/分である、メルトブローン膜層と、
エレクトロスパン膜層であって、前記メルトブローン膜層と連結し、且つASTM D−737に従って試験される透気度が、該エレクトロスパン膜層を介する1/2水柱インチの差圧下で約2ft/ft/分〜約20ft/ft/分である、エレクトロスパン膜層と、
を含む、請求項27に記載の複合布。
【請求項31】
前記エレクトロスパン膜層が前記エレクトロスパンナノファイバ膜(60)を含む、請求項30に記載の複合布。
【請求項32】
前記エレクトロスパン膜層が前記メルトブローン膜層と結合する、請求項30又は31に記載の複合布。
【請求項33】
ASTM D−737に従って試験される前記バリア層の透気度が、該バリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約0ft/ft/分〜約2ft/ft/分である、請求項25〜32のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項34】
AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される前記複合布の防水度が、約6000水柱mm〜約15000水柱mmである、請求項25〜33のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項35】
ASTM E96(逆カップ)に従って試験される前記複合布の透湿度が、約2000g/m/24時間〜約6000g/m/24時間である、請求項25〜34のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項36】
ASTM D−737に従って試験される前記バリア層の所定の透気度が、該バリア層を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である、請求項25〜35のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項37】
前記バリア層が、接着剤(23、25、43、45)により前記内側布層及び前記外側布層の少なくとも1つと結合する、請求項25〜36のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項38】
AATCC 127−2003(オプション2)に従って試験される前記複合布の防水度が、約500水柱mm〜約4000水柱mmである、請求項25〜32又は37のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項39】
ASTM E96(逆カップ)に従って試験される前記複合布の透湿度が、約6000g/m/24時間〜約12000g/m/24時間である、請求項25〜32、37又は38のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項40】
ASTM D−737に従って試験される前記複合布の透気度が、該複合布を介する1/2水柱インチの差圧下で約3ft/ft/分〜約20ft/ft/分である、請求項25〜32又は37〜39のいずれか一項に記載の複合布。
【請求項41】
請求項25〜40のいずれか一項に記載の複合布を含む、布衣服。
【請求項42】
ハイブリッド複合布衣服(10)を製造する方法であって、
第1の布部分(20)を形成することであって、
第1の所定の透気度を有する第1の不織膜(60、80、120、130)を含む第1のバリア層(26)を、第1の内側布層(22)と第1の外側布層(24)との間に配置することを含む、第1の布部分(20)を形成すること、
第2の布部分(40)を形成することであって、
前記第1の所定の透気度よりも実質的に大きい第2の所定の透気度を有する第2の不織膜(60、80、120、130)を含む第2のバリア層(46)を、第2の内側布層(42)と第2の外側布層(44)との間に配置することを含む、第2の布部分(40)を形成すること、及び
前記第1の布部分と、前記第2の布部分とを共に接合させることであって、ハイブリッド複合布衣服を形成する、接合させること、
を含み、第1の不織膜及び第2の不織膜の少なくとも1つが、エレクトロスパンナノファイバ膜を含む、ハイブリッド複合布衣服(10)を製造する方法。
【請求項43】
前記第1のバリア層及び前記第2のバリア層の少なくとも1つを形成することをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のバリア層及び前記第2のバリア層の少なくとも1つを形成することが、複数の不織膜を相互に積み重ねること、及び不織膜のスタックを機械加工することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
不織膜のスタックを機械加工することが、該不織膜のスタックに圧力を印加することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記不織膜のスタックを複数のローラ(102)に通過させることによって圧力を印加する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ローラを加熱する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記複数の不織膜の間に接着剤(110)を配置することをさらに含む、請求項44〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記複数の不織膜を積み重ねることが、キャリア不織膜上に不織膜をエレクトロスピニングすることを含む、請求項44〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
メルトブロー操作を用いて前記キャリア不織膜を形成することをさらに含む、請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−511887(P2011−511887A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543267(P2010−543267)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/031201
【国際公開番号】WO2009/091947
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510187071)エムエムアイ−アイピーシーオー、エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】MMI−IPCO,LLC
【Fターム(参考)】