複合建築及びパネルシステム
建築パネル構造体が開示され、この建築パネル構造体では、複合建築パネルを用いて構造体を形成する。複合建築パネルが開示され、この複合建築パネルは、コア及びコアに被着された被覆材を有する。幾つかの実施形態では、コアは、骨組と、1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックとから成る。断熱構造ブロックは、エンキャプシュレートポリスチレン(encapsulated polystyrene:EPS)フォームブロックである。幾つかの実施形態では、被覆材は、内側スチラッチ層及び外側主中塗層を有する。内側下塗層は、少なくとも2つの層で形成されるのが良い。外側主中塗層は、外側主中塗層中に埋め込まれたガラス繊維メッシュを含むのが良い。建築パネル構造体を形成する方法が開示され、この方法は、骨組及び1つ又は2つ以上のブロックを用いてコアを形成するステップと、内側下塗層をコアに貼り付けるステップと、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、建物及び構造物又は構造体を建設する材料に関し、特に、複合建築パネルに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、ジョン・プロップスト(John Propst)名義で2010年1月20日付け出願された米国特許仮出願第61/296,616号(発明の名称:LAYERED BUILDING PANEL SYSTEM)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
建物は、歴史的に、煉瓦、セメントブロック、木材骨組、最近ではスチール骨組及びスタッコで建設されている。建物を建設する際に用いられる材料及び技術は、コストを減らし、エネルギー効率を高め、建物における木材の使用量を減少させると共に材料の無駄を減少させようとして進歩を遂げている。セメントブロック及び煉瓦による建設では、建物を構築する上で多大な労働力が必要であり、それにより建物のコストが上昇する。木材は、建物の建設において長い間主要な材料であったが、近年、森林資源を保存する要望が存在している。木材は、悪天候、湿気(水分)、カビ、火災及び虫食いによる被害を受けやすい。また、木材が建物を作るために用いられる場合、多量の屑又は無駄が生じる場合がある。これは、規格サイズの板が建設現場に運ばれ、これら板が切断されて建築現場で建物の状態に組み立てられなければならないからである。用材を所定サイズに合わせて切断する際の労力の結果として、高い労働費及び所定サイズに合わせた板の切断に起因して無駄となる多量の用材が生じる。
【0004】
また、建物の寿命の間にエネルギーコストを減少させるために建物のエネルギー効率を高めることが望ましい。セメントブロック、煉瓦並びに木材骨組及びスタッコによる建設では、新材料から得ることができる高いレベルのエネルギー効率を提供することはない。
【0005】
フォームブロックが人気のある代替手段となり、伝統的な木材、セメントブロック及び煉瓦建設材料と比較して、環境的に是認できる。フォームブロックシステムは、軽量であり、任意必要な形状に成型又は形成でき、結果的に熱的に効率の高い建物建設が得られ、しかも建造物の状態に形成するのに必要な熟練労働力が少ない。他の利点としては、湿気、カビ、火災及び虫食いによる被害に強いことが挙げられるが、これらには限定されない。フォームブロックは、再生利用可能であると共に再生可能な材料を用いて構成され、良好な断熱性をもたらし、そしてこれら自体再利用された材料で作られる場合が多い。変形例として、建設ブロックは又、他の環境に優しい材料、例えば藁、木繊維、紙及びガラスで作られても良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新建設材料のうちの幾つか、例えばフォームブロックに関する1つの問題は、建設要素、例えば壁の構造強度が建設要素を形成するために木材、煉瓦又はセメントブロックが用いられた場合ほど高くはない場合があるということにある。これは、建物が強風又は地震に耐えるのに必要な地域では特に重要な場合がある。建設時間を最小限にし、環境に優しい材料を使用し、結果的に高い構造強度及び構造的健全性を備えた建築パネルが得られるようにするあらかじめ製作された建築パネルシステムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般に、建物及び構造物を建設する材料、特に、複合建築パネルに関する。コアと、コアの一部分を覆っている被覆材とを有する複合建築パネルが開示される。コアは、前面、後面及び1つ又は2つ以上の側部又は側面を有する。被覆材は、前面又は後面の少なくとも一部分を覆っている被覆材とを有し、被覆材は、内側下塗層及び外側主中塗層を有する。外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、少なくとも2つの層から成る。幾つかの実施形態では、下塗層は、セメント、骨材及びアクリル系結合剤の第1の下塗層Aと、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む第2の下塗層Bとを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層は、金網を含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、コアは、骨組及び骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを含む。幾つかの実施形態では、断熱構造ブロックは、発泡ポリスチレンフォームで構成される。幾つかの実施形態では、骨組は、1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込まれる。幾つかの実施形態では、建築パネルは、制御接合部を含む。
【0008】
建築パネル溝を備えた複合建築パネルと、一体形フッタ舌部を備えたフッタとを有する複合建築パネル構造体が開示される。建築パネル溝は、複合建築パネル構造体を形成するようフッタ舌部に結合される。幾つかの実施形態では、フッタとフッタ舌部は両方とも、コンクリートで作られる。幾つかの実施形態では、建築パネルは、前面、後面及び側面を備えたコア及びコアの一部分を覆っている被覆材を有する。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体は、コアに結合された軌道を更に有し、軌道は、側部の一部分を覆っているベース部分と、ベース部分内に形成された雨水ドレン溝形材とを有する。幾つかの実施形態では、軌道は、シールスペーサ溝形材を更に有する。幾つかの実施形態では、軌道は、スクリード境界部を更に有する。幾つかの実施形態では、コアは、骨組と、骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックとから成る。幾つかの実施形態では、被覆材は、内側下塗層及び外側主中塗層を有する。内側下塗層は、幾つかの実施形態では、セメント、骨材及びアクリル系結合剤から成る第1の下塗層A及びセメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する第2の下塗層Bを含む。外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。
【0009】
建築パネルが開示され、この建築パネルは、前面、後面及び1つ又は2つ以上の側面を備えたコア及びコアに結合された軌道を有する。軌道は、側部の一部分を覆っているベース部分と、ベース部分内に形成された雨水ドレン溝形材とを有する。幾つかの実施形態では、軌道は、シールスペーサ溝形材を更に有する。幾つかの実施形態では、軌道は、スクリード境界部を更に有する。幾つかの実施形態では、軌道は、ベース部分から延びる第1及び第2の互いに反対側のアームを更に有し、第1及び第2の互いに反対側のアームは、それぞれ、コアの前面及び後面に摩擦係合する。
【0010】
建築パネル構造体を形成する方法であって、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップと、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップと、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップとを有することを特徴とする方法が開示される。外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成することは、骨組を1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込むことを意味している。
【0011】
幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、追加のステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤及び水を含む第1の下塗層A混合物を作るステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第1の下塗層A混合物をコアの一部分に吹き付けるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第1の下塗層A混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む第2の下塗層B中塗混合物を作るステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第2の下塗層B中塗混合物を第1の下塗層A上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第2の下塗層B中塗混合物がまだ濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを第2の下塗層B中塗混合物中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第2の下塗層B中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、追加のステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む主中塗層中塗混合物を作るステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物を内側下塗層上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを主中塗層中塗混合物中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、バーミキュライトを含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、内側下塗層を貼り付けるステップは、金網を内側下塗層中に埋め込むステップを更に含む。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体を形成する方法は、一体形フッタ舌部と共にフッタにコンクリートを流し込むステップと、コアをフッタ舌部に結合するステップとを更に含み、コアは、建築パネル溝を有する。
【0014】
構造体を形成する方法が開示され、この方法は、建築パネルを形成するステップと、雨水ドレン溝形材を備えた軌道を建築パネルに結合するステップと、多数の建築パネルを互いに連結して構造体を作るステップとを有する。幾つかの実施形態では、建築パネルを形成するステップは、骨組を備えたコア及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを形成するステップと、被覆材をコアの一部分に被着させるステップとを有する。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、内側下塗層Aをコアの一部分に被着させるステップと、外側下塗層Bを内側下塗層Aに被着させるステップとを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層Aは、セメント、骨材及びアクリル系結合剤を含む。幾つかの実施形態では、外側下塗層Bは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層を被着させるステップは、金網を内側下塗層中に埋め込むステップを更に含む。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、外側主中塗層をコアの一部分に被着させるステップを含み、外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、構造体を形成する方法は、軌道をフッタに結合するステップを有する。幾つかの実施形態では、多数の建築パネルを互いに連結するステップは、第1の建築パネル軌道を第2の建築パネル軌道に結合するステップを含む。
【0015】
本発明の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示されている本発明の特定の実施形態の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態としての複合建築パネル112の斜視図である。
【図2】図1の建築パネル112のコア158の斜視図である。
【図3】本発明の建築パネル112に用いることができる断熱構造ブロック140の一実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の建築パネル112に用いることができる断熱構造ブロック140の別の実施形態の斜視図であり、図4の断熱構造ブロック140がインターロック特徴部150を有している状態を示す図である。
【図5】図1の建築パネル112の2つのインターロックされた断熱構造部材140の平面図であり、断熱構造ブロック140がインターロック特徴部150を有している状態を示す図である。
【図6】被覆材160が被着されたコア158の斜視図であり、本発明の建築パネル構造体110の建築パネル112が形成されている状態を示す図である。
【図7】図6の建築パネル112の7‐7線矢視横断面図である。
【図8】図6の建築パネル112の8‐8線矢視縦断面図である。
【図9】図8の円で囲んだ部分9の被覆材160の拡大断面図である。
【図10】本発明の建築パネル112の一実施形態の横断面図であり、建築パネル112がコア158の中に埋め込まれた金網272を有する状態を示す図である。
【図11】本発明の建築パネル112の別の実施形態の横断面図であり、建築パネル112がコア158の中に埋め込まれた金網272を有している状態を示す図である。
【図12】建築パネル112の一実施形態の縦断面図であり、建築パネル112がコア158の断熱構造ブロック舌部152の中に埋め込まれたC字形溝形材136を有している状態を示す図である。
【図13】建築パネル112が建築パネル舌部154の追加の実施形態を有し、フッタ190がフッタ舌部194の追加の実施形態を有する建築パネル構造体110の実施形態を示す図である。
【図14】本発明の制御接合部142を用いた本発明の建築パネル112の実施形態の横断面図である。
【図15】本発明の制御接合部142の追加の実施形態を備えた本発明の建築パネル112の実施形態の横断面図である。
【図16】本発明の実施形態としての建築パネル212の斜視図である。
【図17】図14の建築パネル212のコア258の斜視図である。
【図18】図14の建築パネル212に用いられている軌道228の端面図である。
【図19】図14の建築パネル212に用いられている軌道228の斜視図である。
【図20】コア258及び被覆材260を用いた図14の建築パネル212の横断面図である。
【図21】コア258及び被覆材260を用いた図14の建築パネル212の縦断面図である。
【図22】本発明に従って軌道と軌道が連結された状態の2つの建築パネル212の断面図である。
【図23】本発明のコンクリート基礎192に連結された建築パネル212の断面図である。
【図24】本発明の建築パネル312の斜視図である。
【図25】図22の建築パネル312のコア358の斜視図である。
【図26】図22の建築パネル312の横断面図である。
【図27】図22の建築パネル312の縦断面図である。
【図28】本発明の建築パネル構造体を形成する方法400を示す図である。
【図29】本発明の構造体を形成する方法440を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述したように、本発明の実施形態は、建物を建設する際に用いられる材料、特に、複合建築パネル及び複合建築パネル構造体に関する。
【0018】
環境に優しい断熱軽量のブロック材料を壁、屋根、床及び他の構造体として用いることは、人気がますます高まっている。材料のブロックは、コンクリートブロック並びに断熱木材及びスタッコ壁にとって代わるものとして用いられている。これらブロックは、断熱性及び建築されるべき構造体の形状を定める造形塊状体を提供する構造要素である。発泡ポリスチレン(EPS)フォームブロックは、人気のある材料であるが、他の材料、例えば藁、プラスチック及び再利用要素も又、断熱構造ブロックを作るために用いられている。これら新建築材料は、用いる木材の量が少なく、建築の無駄を減少させ、再利用材料を用いる場合が多く、しかも標準の木材骨組及びプラスタ建設建物よりもエネルギー効率の高い建物を作る。断熱構造ブロック、例えばEPSフォームブロックは、軽量である場合が多く、所望の形状を作るのに容易に成型又は造形可能である。EPSフォームブロックを含むこれら新ブロック材料は、特定の建物構造体に必要な構造強度を備えていない。これらの場合、追加の構造要素を断熱構造ブロック材料で作られた建物建築パネルに付加することが必要である。本明細書において、複合建築パネル並びに断熱構造ブロック、骨組及びブロック及び骨組に施された被覆材を用いて複合建築パネルを作る方法が開示され、それにより構造的に強固な構造体及び建築パネルが作られる一方で、断熱構造ブロックの軽量であり且つ環境に優しくしかもエネルギー効率の高い特性が依然として保たれる。
【0019】
図1は、本発明の複合建築パネルの一実施形態の斜視図である。複合建築パネルは、多数のコンポーネントで形成されていて、型、構造体、建物又は大型建造物を建設する際に用いられる建築パネル(建築要素)を意味している。複合建築パネル112は、コア158及びコア158の一部分を覆っている被覆材160を有している状態で示されている。複合建築パネル112は、壁、床、天井、梁又は構造体、大型建造物又は建物を作る際に用いられる他の要素を形成するために使用される。
【0020】
複合建築パネル(建築パネル又は単にパネルとも言う)112が、例えば壁又はブロックフェンス構造体として用いられる長方形の形を有するものとして図1に示されている。建築パネル112を建築すべき構造体の必要性に応じて任意の寸法形状で形成することができる。幾つかの実施形態では、建築パネル112は、正方形、長方形、丸形、卵形、長円形又は細長い形状をしている。建築パネル112は、湾曲していても良く、或いは部分的に湾曲すると共に部分的に長方形であっても良い。建築パネル112は、任意形状を取ることができる。建築パネル112は、建築すべき構造体の形状に応じた形状を取る。コア158が基本的形状を形成し、被覆材160が強度を建築パネル112に追加するようコア158の一部分を覆い、それによりコア158の一部分上に不浸透性層が形成されると共に/或いは外部仕上げのための見栄えの良い表面が提供される。建築パネル112は、被覆材160を備えた第1の表面114及び被覆材160を備えた第2の表面116を有する。被覆材160について短く詳細に説明する。
【0021】
図2は、図1の建築パネル112のコア158の斜視図である。建築パネル112は、コア158及び被覆材160で形成されており、被覆材160は、コア158の一部分を覆っている。コア158は、図2に示されているように前面124、後面126及び多数の側面又は側部180(4つの側部180のうちの2つが示されている)を有する。本発明の被覆材160は、コア158の前面124又は後面126の少なくとも一部分を覆っている。この実施形態では、被覆材160は、前面124と後面126の両方を覆っている。コア158は、この実施形態では、図2〜図5に示されているように、骨組130及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック140で形成されている。この実施形態では、コア158は、2つ以上の断熱構造ブロック140を有する。幾つかの実施形態では、コア158は、1つの断熱構造ブロック140を有する。図3は、本発明の建築パネル112に使用することができる断熱構造ブロック140の斜視図である。図4は、本発明の複合建築パネル112に用いることができる別の断熱構造ブロック140の斜視図である。図4では、断熱構造ブロック140は、インターロック要素150を有している。インターロック要素150は、多数の断熱構造ブロック140を互いにインターロックすると共に断熱構造ブロック140を骨組130にインターロックするために用いられる。図5は断熱構造ブロック140と骨組130を図6〜図8に詳細に示されているようにインターロックしたインターロック特徴部150を備えた図1の建築パネル112の2つのインターロックされた断熱構造ブロック140の平面図である。
【0022】
建築パネル112の幾つかの実施形態では、コア158は、断熱構造ブロック140だけで作られている。幾つかの実施形態では、コア158は、図2に示されているように断熱構造ブロック140及び骨組130で作られている。幾つかの実施形態では、コア158は、断熱構造ブロック140及び骨組130に加えて、他の要素で作られている。コア158は、必要な建物形要素を提供すると共に本発明の建築パネル112を形成するために被覆材160を受け入れる任意の1種類又は複数種類の材料で形成できる。断熱構造ブロックを本明細書において、単に「ブロック」とも言う。
【0023】
骨組130は、この実施形態では、壁、床、天井、梁又は建物パネル112を用いて構造体を形成するのに必要な他の建築要素のための骨組構造体を形成する。骨組130は、図2に示されている実施形態では、垂直部材132及び水平部材134を有する。この実施形態では、骨組130は、亜鉛めっき鋼板(トタン板)で形成されている。本発明の骨組130は、他の構造材料、例えば木材、アルミニウム、他の金属、プラスチック等で構成できる。この実施形態では、骨組130は、4インチ×4インチ×3/16インチ(なお、1インチ=2.54cm)亜鉛めっき鋼板箱形管材料で形成されている。水平部材134と垂直部材132は、これら部材を互いに頑丈に保持する仕方で結合されている。幾つかの実施形態では、機械的取り付け具、例えばボルトが用いられる。幾つかの実施形態では、骨組130の部材は、互いに溶接される。幾つかの実施形態では、骨組130の個々の部材は、水平及び垂直以外の角度をなして互いに連結される。斜め骨組部材が骨組130の幾つかの実施形態において用いられる。幾つかの実施形態では、骨組230は、斜めに延びる金属ストラップを有する。理解されるべきこととして、本発明の骨組130は、建築されるべき構造体の仕様に従って多種多様な寸法形状のものであって良い。骨組130は、建築されるべき構造体の必要とする構造強度に従って多種多様な材料で形成可能である。
【0024】
骨組130は、この実施形態では、断熱構造ブロック140の中に埋め込まれている。骨組130がブロック140の中に埋め込まれているという表現は、骨組130の大部分がブロック140の中に封入され、ブロック140で覆われていないのが骨組130の最小限の表面積であることを意味している。骨組130は、ブロック140を、骨組130を包囲すると共にこれに結合される形状に切断することによって断熱構造ブロック140の中に埋め込まれる。骨組130を断熱構造ブロック140の中に埋め込むことにより、建築パネル112にとって幾つかの利点が得られる。骨組130がブロック140の中に埋め込まれることにより、コア158に対して構造強度が与えられ、しかも、コア158の外面の大部分がブロック140の表面として残され、その結果、コア158の外面を容易に造形することができると共に被覆材160で覆うことができるようになる。これにより、コア158及び建築パネル112を見栄えの良い形状に造形することができると共に強度及び外部仕上げを得るための被覆材160を受け取ると共にこれを保持する表面が提供される。骨組130がブロック140の中に埋め込まれているこの実施形態では、ブロック140によって覆われていない骨組130の部分が存在し、その結果、骨組130を他の骨組及び構造体に連結することができるが、骨組130の大部分は、ブロック140の中に埋め込まれるようになる。建築パネル112の他の実施形態では、骨組130は、ブロック140の中には埋め込まれておらず、このことは、骨組130の大部分がコア158の外面上に存在することを意味している。これら実施形態のうちの幾つかについては本明細書において後で説明する。
【0025】
断熱構造ブロック140は、幾つかの目的を有し、かかる目的としては、形成されるべき建築パネル112の形状を特定すること、断熱特性を提供すること及び被覆材160若しくは他の被覆材又は層を被着させる表面を得ることが挙げられる。図2のコア158内の断熱構造ブロック140は、骨組130の要素を包囲すると共に建築されるべき構造体の所望の形状を建築パネル112と一緒になって形成するために用いられる。本発明の断熱構造ブロック140の幾つかの実施形態が図3、図4及び図5に示されている。ブロック140は、図2、図4及び図5に示されているように互いに且つ骨組130とインターロックするよう形成される場合が多い。この実施形態では、本発明の断熱構造ブロック140は、発泡ポリスチレン(EPS)フォームで作られており、それによりEPSフォーム断熱構造ブロック140が作られている。EPSフォームブロックは、高いエネルギー効率を提供すると共に軽量である。EPSフォームを再利用材料から作ることができると共にそれ自体再利用可能である。EPSフォームブロック140の別の望ましい特徴は、かかるEPSフォームブロックを任意所望の形状に容易に成型し又は切断することができるということにある。図4及び図5は、インターロック要素150を含むよう切断されたEPSフォーム断熱構造ブロック140を示しており、この場合、この実施形態におけるインターロック要素150は、舌部152及び溝154を有する。ブロック140は、建築パネル112を用いて建築されるべき構造体に従って任意の寸法形状及び構造に作ることができる。この実施形態では、断熱構造ブロック140は、4フィート×8フィート×6インチ(なお、1フィート=0.3048m)EPSフォーム断熱構造ブロックであり、インターロック要素150がこれらブロックに切断形成されており、その結果、インターロック要素は、これら自体とインターロックすると共に骨組130とインターロックし、それにより図2に示されているようにコア158が形成されている。この実施形態では、1ポンド(なお、1ポンド=0.45359237kg)密度のEPSフォームが用いられるが、適当な構造特性を提供する任意適当な材料及び密度を本発明に従って用いることができる。ブロック140は、この実施形態では、ポリマーを主成分とするアクリル系接着剤156、例えばドライビッド・システムズ・インコーポレイテッド(Dryvit Systems Inc.)(以下、ドライビット社と言う)によって市販されているPrimusを用いて互いに且つコンクリートに連結されている。ブロック140は、この実施形態では、水を主成分とするアクリル系コポリマー接着剤、例えばドライビット社から入手できるEPS用の接着剤(ADEPS)を用いて金属又は木材に結合されている。幾つかの実施形態では、断熱構造ブロック140及び骨組130は、種々の接着剤、グルー、機械的取り付け具又は他の適当な結合手段を用いて他の部材に結合されると共に互いに結合される。
【0026】
この実施形態では、断熱構造ブロック140は、EPSフォームで作られている。本発明の断熱構造ブロック140は、他の材料で作ることができ、かかる材料としては、藁、木材、プラスチック、紙又は再利用材料が挙げられるが、これらには限定されない。
【0027】
図2のコア158の実施形態では、断熱構造ブロック140は、図4に示されているように造形断熱構造ブロック140を形成するよう図3に示されている長方形EPSフォームブロック140から所定の形状に切断されている。切り欠き及びインターロック要素がブロック140から切断形成されており、それにより骨組130を包囲し、他のブロック140及び骨組130とインターロックし、建築されるべき構造体に望ましい形状の表面を提供するブロック140の形状が作られている。本発明のブロック140は、例えばスライシング、溶解又は他のブロック造形方法のような方法を用いて所定の形状に成型可能であり又は正確な寸法形状に形成可能である。ブロック140は、形成されるべき構造体、例えば壁、床、屋根、天井、梁、フェンス、桟、大型建造物、オフィス等を作るのに必要な任意の寸法形状に形成可能である。ブロック140及び骨組130は、コア158及び建築パネル112を所望の構造体を形成するよう任意の寸法形状に作るために任意の寸法形状に形成可能である。
【0028】
ユーティリティ、空気流のための開口部及び通路又は建築パネル112を通る他形式の接近手段を所望に応じてコア158に容易に切断形成することができる。窓及びドアのための開口部をコア158に形成することができる。
【0029】
被覆材160は、図1及び図6〜図9に示されているように複合建築パネル構造体110の複合建築パネル112を形成するようコア158の一部分を覆っている。被覆材160は、建築パネル112上に外部又は内部仕上げを所望通りにいつでも受け入れることができると共に更に建築パネル112の強度に貢献する外面を形成する。図6は、被覆材160が被着されたコア158の斜視図であり、それにより、本発明の建築パネル112を含む建築パネル構造体110が形成されている。図7は、図6の建築パネル112の7‐7線矢視横断面図である。図8は、図6の建築構造体110の建築パネル112の8‐8線矢視縦断面図である。図9は、図8の円で囲んだ部分9の被覆材160の拡大断面図である。
【0030】
被覆材160は、コア158の一部分を覆っている。被覆材160は、多くの様々な理由でコア158の一部分を覆うのが良い。被覆材160は、強度をコア158に付加するようコア158の一部分を覆うことができる。被覆材160は、見栄えの良い表面仕上げを提供するようコア158の一部分を覆うことができる。被覆材160は、仕上げ処理、例えば塗料、スタッコ又は他の外部仕上げ処理剤を受け入れる表面を提供するようコア158の一部分を覆うことができる。被覆材160は、天候、水分及び他の劣化要因からコア158を保護する材料の層を形成するようコア158の一部分を覆うことができる。幾つかの実施形態では、被覆材160は、外面を覆う。幾つかの実施形態では、被覆材160は、内面を覆う。幾つかの実施形態では、被覆材160は、縁面を覆う。被覆材160は、コア158の任意の表面又はコア158の任意の表面の一部分を覆うことができる。図1〜図9に示されている実施形態では、被覆材160は、建築パネル112の第1の表面114を形成するようコア158の前面124を覆っている。さらに、図1〜図9に示されている実施形態では、被覆材160は、建築パネル112の第2の表面116を形成するようコア158の後面126を覆っている。このように、建築パネル112は、コア158及びコア158の少なくとも一部分を覆う被覆材160を有する。このように、建築パネル112は、コア158及びコア158の前面124又は後面126の少なくとも一部分を覆う被覆材160を有する。
【0031】
被覆材160は、この実施形態では、図9に示されているように多数の層で形成されている。この実施形態では、被覆材160は、構造強度を建築パネル112に提供すると共に水や天候に対して不透過性の層及び最終の外部又は内部仕上げ、例えば塗料、スタッコ又は他の仕上げをいつでも受けることができる層を提供するアクリル系改質セメント状メンブレンを形成する。幾つかの実施形態では、被覆材160は、単一の層で形成される。幾つかの実施形態では、被覆材160は、多数の層を有する。この実施形態では、被覆材160は、内側下塗層162及び外側主中塗層166で形成されている。下塗層は、コア158に良好に接着して別の層、例えば外側主中塗層166がくっつくベースとなる層である。内側下塗層162は、多種多様な成分から形成できるセメント状混合物である。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、セメント、骨材及びアクリル系結合剤で形成されている。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、セメント状混合物の中に埋め込まれた金網を有する。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、他のコンポーネントで作られている。内側下塗層162の別の実施形態について簡単に説明する。
【0032】
外側主中塗層166は、中塗混合物168及び中塗混合物168が依然として濡れた状態で中塗混合物168の中に埋め込まれたガラス繊維メッシュ170で形成されている。中塗混合物168は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで作られたセメント状混合物である。中塗混合物168の成分は、水と互いに混合され、それによりセメント状混合物が形成され、かかる混合物は、内側下塗層162に塗布される。中塗混合物168を内側下塗層162上にこて塗りする場合が多い。ガラス繊維メッシュ170は、中塗混合物168が依然として濡れている状態で中塗混合物168の中に埋め込まれる。このように、建築パネル112は、コア158及びコア158の一部分を覆う被覆材160を有し、被覆材160は、内側下塗層162及び外側主中塗層166を有する。外側主中塗層166は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドを含む中塗混合物168及びガラス繊維メッシュ170を有する。幾つかの実施形態では、中塗混合物168中の骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物168中の骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物168中の骨材は、バーミキュライトを含む。パーライト及びバーミキュライトは、建築パネル112の耐火性を向上させる。したがって、パーライト及び/又はバーミキュライトは、建築パネル構造体110又は建築パネル112が厳格な耐火性を備えることが必要な状況において骨材として用いられる。特定の実施形態では、混合物168は、次の成分を互いに混合することによって作られる。
‐90ポンドのポートランドセメント(タイプ1及びタイプ2)
‐90ポンドの20粒度シリカ砂
‐90ポンドの30粒度シリカ砂
‐1.5ガロン(なお、1ガロン=3.7853l)のアクリル系結合剤、例えばドライビット社から入手できるAC‐100
‐3ポンドの3/4インチガラス繊維ストランド
‐2.5ガロンの飲料水
この実施形態では、中塗混合物168の骨材は、2種類のサイズの砂、即ち、20粒度砂及び30粒度砂で作られる。理解されるべきこととして、これよりも大きな又はこれよりも小さなバッチは、成分測定値を比例して増減することによって構成できる。ガラス繊維メッシュ170が中塗混合物168を内側下塗層162に塗布しているときに且つ中塗混合物168が依然として濡れている状態で、中塗混合物168の中に埋め込まれる。この混合物は、優れた構造的健全性、水や天候に対する保護作用及び必要にて別の表面被覆材を被着させるための表面最適条件を提供することが判明した。中塗混合物168を特定の構造的使用のための他の成分から構成できることは理解されるべきである。
【0033】
内側下塗層162は、多種多様な成分で形成できる。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、金網に塗布されたセメント状混合物である。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、多数の層で構成されている。図1〜図9に示されている実施形態では、内側下塗層162は、2つの層、即ち、第1の下塗層A164及び第2の下塗層B163で形成されている。第1の下塗層A164は、「ダッシュ(dash)」下塗塗膜又は塗層であり、この「ダッシュ」下塗塗膜は、コア158に機械吹き付けされる。幾つかの実施形態では、第1の下塗層A164は、他の手段を用いて被着される。第1の下塗層A164は、セメント、骨材及びアクリル系結合剤で作られたセメント状混合物である。幾つかの実施形態では、骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、骨材は、バーミキュライトを含む。特定の実施形態では、第1の下塗層A164は、次の成分を互いに混合することにより形成される。
‐90ポンドのポートランドセメント(タイプ1及びタイプ2)
‐90ポンドの20粒度シリカ砂
‐90ポンドの30粒度シリカ砂
‐2.5ガロンのアクリル系結合剤、例えばドライビット社から入手できるAC‐100
‐2.5ガロンの飲料水
この実施形態では、第1の下塗混合物A164の骨材は、2種類のサイズの砂、即ち、20粒度砂及び30粒度砂で作られる。この第1の下塗混合物A164混合物は、EPSフォームブロックに良好にくっついて被覆材160の別の層を受け入れる優れた表面を提供することが判明した。理解されるべきこととして、これよりも多くの又は少ない量の第1の下塗混合物A164は、バッチは、成分測定値を比例して増減することによって構成できる。ガラス繊維メッシュ170が中塗混合物168を内側下塗層162に塗布しているときに且つ中塗混合物168が依然として濡れている状態で、中塗混合物168の中に埋め込まれる。この混合物は、優れた構造的健全性、水や天候に対する保護作用及び必要な場合に別の表面被覆材を被着させるのに最適な表面を提供することが判明した。中塗混合物168は、成分を比例して増減することにより構成できる。幾つかの実施形態では、第1の下塗層A164は、他の成分及び比率を有する。通常、第1の下塗層A164は、他の層の追加前に硬化(乾燥)するようになる。
【0034】
第2の下塗層B163は、下塗混合物165及びガラス繊維メッシュ170で形成されている。ガラス繊維メッシュ170は、中塗混合物165がこて塗りされている間又は第1の下塗層A164に塗布されている間且つ中塗混合物165が依然として濡れた状態で、中塗混合物165の中に埋め込まれる。中塗混合物165を第1の下塗層A164の表面上にこて塗りすることができ又は中塗混合物165が第1の下塗層Aを覆うことができると共にガラス繊維メッシュ170を中塗混合物165の中に埋め込むことができる任意他の手段により中塗混合物165を塗布することができる。
【0035】
中塗混合物165は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで作られたセメント状混合物である。中塗混合物165の成分は、水と一緒に混合されてセメント状混合物が形成され、かかる中塗混合物は、第1の下塗層A164が硬化した後、第1の下塗層A164に塗布される。幾つかの実施形態では、中塗混合物165中の骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物165中の骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物165中の骨材は、バーミキュライトを含む。特定の実施形態では、中塗混合物165は、次の成分を互いに混合することにより形成される。
‐90ポンドのポートランドセメント(タイプ1及びタイプ2)
‐90ポンドの20粒度シリカ砂
‐90ポンドの30粒度シリカ砂
‐1.5ガロンのアクリル系結合剤、例えばドライビット社から入手できるAC‐100
‐3ポンドの3/4インチガラス繊維ストランド
‐2.5ガロンの飲料水
この実施形態では、中塗混合物165の骨材は、2種類のサイズの砂、即ち、20粒度砂及び30粒度砂で作られる。理解されるべきこととして、これよりも大きな又はこれよりも小さなバッチは、成分測定値を比例して増減することによって構成できる。中塗混合物168が依然として濡れている状態でガラス繊維メッシュ170が中塗混合物165中に埋め込まれる。この混合物は、優れた構造的健全性、水や悪天候に対する保護作用及び外側主中塗層166を被着させるのに最適な表面を提供することが判明した。中塗混合物165を特定の構造的使用のための他の成分から構成できることは理解されるべきである。通常、第2の下塗層B163が他の層をこの頂部に追加する前に硬化するようにする。
【0036】
被覆材160、内側下塗層162及び外側主中塗層166は、建築パネル112の特定の使用及び必要な構造強度に応じて、多種多様な厚さで形成できる。幾つかの実施形態では、内側下塗層162及び/又は外側主中塗層166の追加の層が追加の強度を得るために設けられる。幾つかの実施形態では、他の層が追加される。仕上げ被覆材が被覆材160に施される場合が多いことは理解されるべきである。これら仕上げ被覆材は、様々な内面及び外面の美感を得るために施され、かかる仕上げ被覆材としては、塗料、スタッコ並びに他の仕上げ層及び被覆材が挙げられる。
【0037】
図9に示されている実施形態では、内側下塗層162は、約1/8インチ厚さのものであるよう形成される。他の主中塗層166は、約1/4インチ厚さのものであるよう形成される。これら層は硬化すると、被覆材160は、仕上げ被覆材を被着させるための滑らかな表面を提供し、かかる被覆材160は、構造的に極めて堅固であり、エネルギー効率が良く、しかも軽量である。コア158及び被覆材160を備えた複合建築パネル112は、コア158及び被覆材160の構造化複合層に起因して他のブロックパネルよりも曲げ強さ及び剪断強さが高い。これら特定の実施形態は、建物及び構造体の壁、屋根及び梁に用いられる。追加の層及び他の厚さは、本発明に従って、様々なパネル強度及び使用を達成するために建築パネル112に利用可能である。
【0038】
幾つかの実施形態では、制御接合部は、被覆材160の被着前にコア158に切断形成される。制御接合部142を備えた建築パネル112の実施形態が図14及び図15に示されており、かかる実施形態について簡単に説明する。建築すべき構造体の寸法形状の建築パネル112を作るために、窓及びドアのための穴及び開口部、接近溝形材並びに種々の設備及び空気取り扱いのための通路をコア158に切断形成することができる。コア158及び被覆材160を任意寸法形状の構造体の状態に容易に形成することができ、その結果、軽量でエネルギー効率が良く且つ強固な建築パネル112が得られる。
【0039】
図6〜図8は、建築パネル112を含む本発明の複合建築パネル構造体110を示している。複合建築パネル構造体は、構造体の構成要素として1つ又は2つ以上の複合建築パネルを用いて建築される任意の構造体である。建築パネル構造体110は、この実施形態では、図6〜図8に示されているように、建築パネル112及びフッタ又はフーチング190を有する。建築パネル112は、建築パネルインターロック要素154を有し、このインターロック要素は、この実施形態では、建築パネル溝154である。フッタ190は、一体形フッタインターロック要素194を有し、このインターロック要素は、この実施形態では、フッタ舌部194である。フッタ舌部194は、建築パネル112をフッタ190に結合するよう建築パネル溝154と結合する。フッタインターロック要素194は、フッタ190と一体である。というのは、フッタ舌部194とフッタ190は、一体部品だからである。この実施形態では、フッタ190とフッタ舌部194は、両方とも、コンクリートで作られている。フッタ舌部194には、フッタ190と一緒にコンクリートが流し込まれ、その結果、フッタ190とフッタ舌部194は、一体部品となる。フッタ舌部194は、建築パネル112のための継手となるだけでなく、フッタ舌部194は、水分、水、風雨及び他の悪天候要素が建築パネル112とフッタ舌部194との間のインタフェースに侵入するのを阻止する。幾つかの実施形態では、フッタ190及びフッタ舌部194には構造体の外縁部に沿ってコンクリートが流し込まれる。建築パネル112をフッタ190に結合して建築パネル構造体110を形成した後では、たとえ水、水分又は他の風雨が建築パネル112とフッタ190との間の外側インタフェースに侵入した場合であっても、これらは、フッタ舌部194を「登る」ことができず、従って、建築パネル112の他方の側に到達することができない。このように、一体形フッタ舌部194は、建築パネル構造体110のための水分及び悪天候保護手段となる。
【0040】
建築パネルインターロック要素154は、多種多様な形態を取ることができる。幾つかの実施形態では、建物パネルインターロック要素154は、建物パネル舌部である。幾つかの実施形態では、建物パネルインターロック要素154は、舌部又は溝以外の形態をしている。幾つかの実施形態では、建設パネル溝154又はフッタ舌部194は、フッタ舌部194を建築パネル溝154内に保持するのを助けるバーブ(棘)、スパイク、フック又は他の表面特徴部を有する。
フッタインターロック要素194は、多種多様な形態を取ることができる。幾つかの実施形態では、フッタインターロック要素154は、フッタ溝である。幾つかの実施形態では、フッタインターロック要素194は、舌部又は溝以外の形態をしている。
【0041】
図6〜図8に示されている実施形態では、建築パネル構造体110は、まず最初に、一体形フッタ舌部194を含むコンクリートフッタ190を一回のコンクリート流し込みとしてコンクリート打ちすることによって構成される。幾つかの実施形態では、フッタ190を多数回のコンクリート流し込みの状態でコンクリート打ちする。フッタ190及びフッタ舌部194は、結果的にフッタ190及びフッタ舌部194が一体コンクリート部品であるようにする任意の方法を用いて形成される。次に、コンクリート基礎192をコンクリート打ちする場合が多い。フッタ舌部194及び建築パネル溝154を用いて建築パネル112をフッタ190に結合する。建築パネル112を多種多様な仕方で構成すると共にフッタ190に結合することができる。この実施形態では、建築パネル112をオンサイト(現場)で構成してフッタ190に設ける。コア158をフッタ190上に構築し、これをフッタ190に連結する。この実施形態では、骨組130を構築し、そして図6に示されているようにボルト188を用いてこれをフッタ190に連結する。コア158の造形ブロック140を骨組130に結合すると共に互いに結合し、更にフッタ舌部194に結合してフッタ舌部194及び建築パネル溝154を用いてフッタ190に結合されたコア158を形成する。被覆材160をコア158の一部分に被着させる。この実施形態では、被覆材160をコア158の前面124に被着させて建築パネル112の第1の表面114を形成すると共に被覆材160をコア158の後面126に被着させて図示のように建築パネル112の第2の表面116を形成する。幾つかの実施形態では、被覆材160をコア158及びフッタ190に被着させる。
【0042】
建築パネル112は、この実施形態では、コア158の2つの表面、即ち、前面124及び後面126に被着された被覆材160を有する。幾つかの実施形態では、被覆材160をコア158の一方の表面にのみ被着させる。幾つかの実施形態では、被覆材160をコア158の全ての表面に被着させる。被覆材160をコア158の任意の表面又は部分に被着させて本発明の建築パネル112を形成することができる。
【0043】
建築パネル構造体110の幾つかの実施形態では、コア158を構築し、そしてこれを被覆材160で覆って建築パネル112を形成し、その後これをフッタ190に結合する。幾つかの実施形態では、建築パネル112は、オフサイト(現場外)で形成し、これを建築現場まで運んでフッタ190に結合する。幾つかの実施形態では、建築パネル112は、1つ又は2つ以上の側部180の一部分を覆うようコア158に結合された軌道228(図18及び図19)を有する。
【0044】
図6に示された実施形態では、建築パネル112は、上述したようにフッタ190上の定位置に作られる。多数の建築パネル112を複合建築パネル構造体110に追加して任意他の所望の構造体の壁、天井、床、梁、桟を形成することができる。この実施形態では、複合建築パネル112は、建築パネル構造体110の一部をなし、これは、壁である。他の実施形態では、建築パネル112は、建築パネル構造体110に従って他の構造体及び他の建物の一部をなす。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体110は、建物である。他の実施形態では、建築パネル構造体110は、桟である。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体110は、構造物である。建築パネル構造体110は、本発明の少なくとも1つの建築パネルで形成された任意寸法形状又は用途の任意の建物、構造物又は大型建造物である。
【0045】
図6〜図8に示されている建物パネル構造体110は、被覆材160が乾燥するやいなや構造的に健全であり、建築パネル112を建築パネル構造体110の残部が形成されている間、外部構造要素が建築パネル112を定位置に保持する必要はない。他形式のフォームブロックパネル構造では、例えば、フォームブロック壁は、構造体全体が形成されて互いに取り付けられるまでは、これら自身を支持することができない。壁は、建設中、外部構造要素によって支持される必要がある。構造体を建設中、一緒に保持するために用いられるこれら外部構造要素は、本発明の建築パネル112を使用する場合には不要である。建築パネルシステム110の一部として毎日形成される建築パネル112は、被覆材160が乾くやいなや構造的に健全であり且つ堅固であり、毎日、構造体全体のどの一部でも完了すれば、これは強固且つ堅固であり、潰れる恐れがない。
【0046】
建築パネル112は、この実施形態では、他形式のフォームブロック壁よりも強固である。コア158及び被覆材160は、建築パネル112を建設中堅固に保持すると共に建物の寿命中、強力な環境上の風雨及び力、例えば風や地震活動に耐える強度を建築パネル構造体110に与える。建築パネル112は、環境に優しく、それにより無駄を少なくした状態で再利用可能な材料を用いてエネルギー効率の良い構造体を形成する。
【0047】
建築パネル112は、建物の壁、床、屋根、天井若しくは任意他の部分又は他の建築パネル構造体110を形成するよう利用できる。本発明の建築パネル構造体11の一部としての建築パネル112は、建物一式であっても良く、建物の一部であっても良い。建築パネル構造体110の一部としての建築パネル112は、橋、フェンス又は他の構造物の一部をなすことができる。
【0048】
図10〜図15は、建築パネル112及び建築パネルシステム110の構成要素の追加の実施形態を示している。図10及び図11は、コア158がコア158の中に埋め込まれた金網272を有する建築パネル112の2つの実施形態の横断面図である。この実施形態では、コア158の骨組130は、垂直骨組部材132を有し、これら垂直骨組部材は、この実施形態では、スチール製の箱形管状柱である。金網272は、図示のように、2つの隣り合う垂直骨組部材132相互間で引き伸ばされた状態でこれらに結合されている。金網272及び垂直骨組部材132を多種多様な仕方で結合することができる。図示の実施形態では、金網272は、L字形ブラケット135に結合されている。L字形ブラケット135は、垂直骨組部材132に結合されている。このように、コア158は、垂直骨組部材132及び金網272を有し、金網272は、2つの隣り合う垂直骨組部材132に結合されている。このように、コア158は、垂直骨組部材132及び金網272を有し、金網272は、2つの隣り合う垂直骨組部材132相互間で引き伸ばされている。ブロック140は、所定形状に切断され、そして垂直骨組部材132及び金網272の周りに配置されている。垂直骨組部材132及び金網272は、ブロック140で覆われている。このように、コア158は、コア158のブロック140の中に埋め込まれた金網272を有している。金網272を多種多様な仕方でL字形ブラケット135に結合することができる。図10では、金網272は、ねじ137を用いてL字形ブラケット135に結合されている。L字形ブラケット135は、溶接によって垂直骨組部材132に結合されている。図11では、金網272は、フック138を用いてL字形ブラケット135に結合されている。L字形ブラケット135は、ねじ137を用いて垂直骨組部材132に結合されている。幾つかの実施形態では、金網272は、他の結合手段を用いて垂直骨組部材132に結合されている。幾つかの実施形態では、金網272は、鎖リンクフェンスである。金網272は、構造強度を建築パネル112に追加している。
【0049】
図12は、C字形溝形材136がコア158のブロック舌部152の中に埋め込まれた建築パネル112の実施形態を示している。図12は、建築パネル112の実施形態の縦断面図であり、コア158、被覆材160及びインターロック要素150を用いてインターロックを行うコア158のブロック140を示しており、インターロック要素は、ブロック溝154及びブロック舌部152を含む。C字形溝形材136は、ブロック舌部152の中に埋め込まれている。これにより、追加の強度がブロック140、コア158及び建築パネル112に与えられている。ブロック舌部152は、C字形溝形材136によって強化されると共に保護されている。これにより、2つのブロック140相互間に強固な連結部が作られ、それによりコア158が一段と強化されている。このように、建築パネル112のコア158は、ブロック舌部152の中に埋め込まれたC字形溝形材136を有している。
【0050】
図13は、建築パネル構造体110の実施形態を示しており、フッタ舌部194及び建築パネル舌部154の変形実施形態を示している。建築パネル構造体110のこの実施形態では、建築パネル112は、建築パネル舌部154を有している。フッタ190は、フッタ舌部194を有している。建築パネル舌部154は、建築パネル112をフッタ190に結合するようフッタ舌部194とインターロックしている。被覆材160は、コア158及びフッタ190を覆っている。被覆材160は、水分がフッタ190とコア158との間に入るのを阻止するバリヤを構成している。しかしながら、たとえ水分が被覆材160に侵入した場合であっても、水分、水及び風雨は、フッタ舌部194を登ることができない。これは、建築パネル構造体110の内部を水、水分及び風雨から保護する。
【0051】
図14及び図15は、建築パネル112が制御接合部142を有する建築パネル112の実施形態を示している。制御接合部142は、被覆材160の亀裂発生を制御すると共に阻止するために用いられる。制御接合部142を建築パネル112上のどの場所でも設けることができ、かかる制御接合部は、どの表面上にも設けられると共にどの方向にも延びることができる。制御接合部142は、建築パネル112又は被覆材160の応力発生領域、亀裂が発生しやすい場所、例えば、窓のコーナー部のところ又は2つの壁が出会う場所若しくは2つのブロック140が出会う場所に設けられる場合が多い。制御接合部142は、コア158に切断形成された切り欠き141及び制御接合部補強メッシュ144を有している。制御接合部142は、被覆材160の亀裂発生を阻止するための制御接合部補強メッシュ144を有している。切り欠き141は、生じた亀裂を特定の所定の方向に差し向けるよう働く。制御接合部補強メッシュ144は、幾つかの実施形態では、金網である。幾つかの実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、ガラス繊維メッシュである。幾つかの実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、他の材料で作られる。制御接合部142を形成するには、切り欠き141をコア158の断熱構造ブロック140に切断形成し、制御接合部補強メッシュ144を制御接合部142のところで被覆材160内に取り付ける。図14は、本発明の制御接合部142が建築パネル112に設けられた三角形の切り欠き141を有する建築パネル112の実施形態を示している。この実施形態では、被覆材160内へのガラス繊維メッシュ170の利用と同様、被覆材160の中塗混合物168が依然として濡れている状態で、制御接合部補強メッシュ144を中塗混合物168の中に埋め込む。制御接合部補強メッシュ144は、切り欠き141を覆うと共に切り欠き141の各側で数インチにわたって覆う場合が多い。特定の実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、切り欠き141の各側で6インチにわたって延びる。制御接合部補強メッシュ144は、制御接合部142のところで被覆材160を強化し、それにより、見苦しい場合があり且つ建築パネル112内への水分及び風雨の侵入を可能にする場合のある亀裂が被覆材160に生じるのを阻止する。このように、建築パネル112は、制御接合部142を有し、制御接合部142は、切り欠き141及び制御接合部補強メッシュ144を有する。
【0052】
図15は、本発明の制御接合部142を備えた建築パネル112の実施形態を示しており、制御接合部142は、建築パネル112に設けられた正方形切り欠き141、バッカロッド232及びシーラント234を有している。本発明の制御接合部142のこの実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、中塗混合物168内へのガラス繊維メッシュ170の利用と同様、被覆材160の中塗混合物168が依然として濡れている状態で、切り欠き141のところで中塗混合物168の中に埋め込まれる。被覆材160が硬化した後、バッカロッド232及びシーラント234は、制御接合部142の切り欠き141を埋めるために用いられる。制御接合部142のこの実施形態は、仕上げ被覆材がいったん被着されると、建築パネル112上に平坦な表面を生じさせる。このように、建築パネル112は、制御接合部142を有し、制御接合部142は、切り欠き141、制御接合部補強メッシュ144、バッカロッド232及びシーラント234を有する。
【0053】
本発明の建築パネル構造体110は、多種多様な形式のコア及び被覆材を備えた建築パネルを有する。図16〜図21は、本発明の建築パネルの追加の実施形態を示している。図16は、本発明の建築パネル212の斜視図である。図17は、図16の建築パネル212のコア258の斜視図である。図18は、図16の建築パネル212に用いられる軌道228の端面図であり、図19は、その斜視図である。図20は、コア258、軌道228及び被覆材260を用いた図16の建築パネル212の横断面図、図21は、その縦断面図である。
【0054】
本発明の建築パネル212は、コア258及びコア258の縁部の一部分を覆っている軌道228を有している。建築パネル212は、図16の実施形態に示されているように、第1の表面214、第2の表面216及び軌道228で覆われた4つの縁部180を有している。この実施形態では、第1の表面214は、内面であり、壁板242を有する。壁板242は、この実施形態では、シートロックで作られている。この実施形態では、第2の表面216は、被覆材260を有する外面である。建築パネル212の幾つかの実施形態では、第1の表面214と第2の表面216の両方は、被覆材260を有する。
【0055】
図17は、図16の建築パネル212に用いられるコア258の斜視図である。コア258は、図17及び図20に示されているように「角張った蛇行」形の骨組230を用いており、断熱構造ブロック240の長方形が骨組230の角の内側の空間を埋めている。骨組230は、この実施形態では、亜鉛めっき鋼板(トタン板)である。幾つかの実施形態では、骨組230は、他形式の金属である。他の実施形態では、骨組230は、他の構造材料、例えば木材、プラスチック又はこれと等価の材料で作られても良い。この実施形態では、断熱構造ブロック240は、1ポンド密度のEPSフォームブロックである。ブロック240に他の材料及び密度を使用することができる。コア258は、建築パネル212を形成するために使用できる一形式のコアの一例である。他の寸法形状の骨組230及びブロック240を用いて建物の必要に応じて建築パネル212のコア258を形成することができる。
【0056】
コア258は、図17に示されている実施形態では、前面176を有し、この前面は、この実施形態では、建築パネル212の第1の表面214を形成するよう壁板242で覆われている。コア258は、この実施形態では、後面178を有し、この後面は、この実施形態では、建築パネル212の第2の表面216を形成するよう被覆材260で覆われている。コア258は、この実施形態では、4つの縁部180を有している。この実施形態では、縁部180は、軌道228で覆われている。このように、コア258は、前面176、後面178及び軌道228で覆われた少なくとも1つの縁部180を有する。このように、コア258は、前面176、後面178及び側部180を有し、コア258には軌道228が結合されている。本発明のコア258は、任意の数、寸法及び形状の表面を有することができ、この場合、「表面」は、側部と縁部の両方を含む。建築パネル212のこの実施形態では、コア258の表面のうちの1つ又は2つ以上の一部分は、被覆材260で覆われている。幾つかの実施形態では、被覆材268は、前面176と後面178の両方に被着されている。幾つかの実施形態では、他の被覆材が前面176又は後面178に被着される。建築パネル212の幾つかの実施形態では、建築パネル212のコア258の表面のうちの1つ又は2つ以上の一部分は、上述したように被覆材160で覆われている。建築パネル212の幾つかの実施形態では、建築パネル212のコア258の表面のうちの1つ又は2つ以上の一部分は、異なる被覆材で覆われる。コア258は、任意の表面の一部分に被着された被覆材、例えば、被覆材260、被覆材160、被覆材360(以下において説明する)又は本発明の別の被覆材を有することができる。これら被覆材は、コア258の表面及び建築パネル212を保護し、強度を建築パネル212に提供し、風雨、悪天候要素及び水分が建築パネル212に浸透しないようにし、しかも任意所望の仕上げ被覆材を被着するための滑らかな見栄えの良い表面を提供する。次に、被覆材260について簡単に説明する。
【0057】
建築パネル212は、コア258及びコア258に結合された軌道228を有する。図18及び図19は、軌道228のこの実施形態の細部を示している。軌道228は、多くの用途を有する。軌道228は、これが覆うコア258の縁面を保護し、建築パネル212を他の建築パネル及び他の構造体に結合する手段となり、所定厚さの被覆材をコア258に被着させるスクリード縁部を提供し、建築パネル212に浸透した水分及び水が建築パネル212から出るようにするための手段となる。
【0058】
軌道228は、ベース部分220を有し、ベース部分220は、コア258の縁部180の一部分を覆っている。この実施形態では、軌道228は、図16、図20及び図21に示されているようにコア258の4つの縁面180の各々に結合されている。この実施形態では、軌道228のベース部分220は、コア258の4つの縁面180を全て覆っている。幾つかの実施形態では、軌道228のベース部分220は、コア258の縁面180のうちの全てではないが幾つかを覆っている。本発明の軌道228のベース部分220は、コア258の1つの縁部180の少なくとも一部分を覆っている。このように、建築パネル212は、前面176、後面178及び縁部180を備えたコア258及びコア258に結合された軌道228を有している。軌道228は、縁部180の一部分を覆っているベース部分220を有している。
【0059】
軌道228のベース部分220は、図18及び図19に示されているように雨水ドレン溝形材250を有している。雨水ドレン溝形材250は、建築パネル212の内部の中に入り込む場合のある水分及び水を集めてこれをウィープホール(水抜き穴)に差し向け、かかるウィープホールにより、水分は、建築パネル212から出ることができる。このように、雨水ドレン溝形材250は、建築パネル212を建築パネル212の腐朽、カビの発生又は劣化を生じさせる場合のある内部水分堆積が生じないようにする。このように、軌道228のベース部分220は、雨水ドレン溝形材250を有する。
【0060】
軌道228は、この実施形態では、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227を有する。コア258は、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227相互間で滑る。第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227は、建築パネル212が形成されている間、軌道228をコア258に結合している。幾つかの実施形態では、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227は、それぞれ、コア258の前面176及び後面178に摩擦係合する。このように、軌道228は、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227を有する。幾つかの実施形態では、軌道228は、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227を備えない。
【0061】
軌道228は、この実施形態では、シールスペーサ溝形材222を有する。シールスペーサ溝形材222は、2つの建築パネル212が図22に示されているようにこれらのそれぞれの軌道228のところで互いに結合されているとき、シール244を収容するよう用いられる。シール244は、2つの建築パネル212相互間に位置する柔軟性で防水性且つ気密性のシールとなる。このように、建築パネル212は、軌道228を有し、軌道228は、シールスペーサ溝形材222を有する。
【0062】
軌道228は、図示の実施形態では、スクリード境界部224を有する。スクリード境界部224は、被覆材、例えば被覆材260又は被覆材160がコア258に被着されているとき、スクリード基準として用いられる。被覆材260は、この実施形態では、第2の表面178にこて塗りされ、そしてスクリード境界部224を用いて平らにされ又は均される。このように、スクリード境界部224は、平らな水平の表面を備えた被覆材260を形成するために用いられ、この表面は、スクリード境界部224により構成される。このように、建築パネル212は、軌道228を有し、軌道228は、スクリード境界部224を有する。軌道228の幾つかの実施形態では、スクリード境界部224が1つだけ軌道228に設けられる。幾つかの実施形態では、軌道228は、スクリード境界部224を全く備えない。
【0063】
図20は、図16の20‐20線で取った建築パネル212の水平断面図であり、図21は、図16の21‐21線で取った建築パネル212の縦断面図である。軌道228は、コア258の端部180に結合されている。コア258の前面176は、建築パネル212の第1の表面214を形成するよう壁板242で覆われている。この実施形態では、壁板242は、5/8インチ壁板である。建築パネル212の第1の表面214は、この実施形態では、内壁を形成するために用いられ、かかる前面には、内部仕上げ、例えばテープ、プラスタ及び/又は塗料が施されるのが良い。幾つかの実施形態では、他の仕上げが用いられる。
【0064】
コア258の後面178には建築パネル212の第2の表面216を形成するよう被覆材260が被着されている。被覆材260は、この実施形態では、中塗混合物168で覆われた金網272の層及び中塗混合物168の中に埋め込まれたガラス繊維メッシュ170を有している。中塗混合物168は、被覆材160と関連して上述したように、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで作られたセメント状混合物である。金網272は、この実施形態では、9ゲージコンクリート金網である。ガラス繊維メッシュ170は、被覆材160と関連して上述したように、中塗混合物168が依然として濡れている間に中塗混合物168の中に埋め込まれる。被覆材260は、エラストマー、繊維状又はアクリル樹脂の仕上げ塗装又は塗膜を含む任意所望の仕上げ被覆材で仕上げされるのが良い。中塗混合物168は、被覆材160と関連して上述したのと同一の成分及びオプションとしての成分を有する。
【0065】
建築パネル212を製作するには、コア258を骨組230及びブロック240から形成し、軌道228をコア258に結合し、壁板242をコア258の前面176に被着させて建築パネル212の第1の表面214を形成し、被覆材260をコア258の後面178に被着させて建築パネル212の第2の表面216を形成する。建築パネル212は、幾つかの実施形態では、他の建築パネルに結合され又は他の構造体に結合され、それにより建築パネル構造体110が形成される。
【0066】
建築パネル212は、軽量であり、耐久性があり、環境に優しく、強固であり、エネルギー効率が良くしかも構成可能である。建築パネル212は、商業用建物の壁及び他の構造体に用いられる場合が多い。骨組230及び被覆材260は、強度を建築パネル212に提供する。断熱構造EPSフォームブロック240は、再利用可能な資源を用いた材料にエネルギー効率を提供する。幾つかの実施形態では、被覆材260は、建築パネル212の両面に被着される。幾つかの実施形態では、他の被覆材が建築パネル212の一方の面又は両面に用いられる。建築パネル212は、所望の寸法形状の建物、構造体、大型建造物、梁、フェンス等を形成するよう任意の寸法形状で形成できる。ユーティリティ及び接近穴が必要に応じて建築パネル212に又はこれを貫通して切断形成される。建築パネル212は、この実施形態では、あらかじめ製作され、そして建設現場まで組み立て状態で運ばれる。幾つかの実施形態では、建築パネル212は、建設現場で製作される。
【0067】
図22及び図23は、建築パネル212を互いに且つ他の構造体にどのように結合すれば良いかの例を示している。図22は、本発明に従って軌道と軌道を連結させた状態の2つの建築パネル212の断面図である。図23は、本発明に従ってコンクリート基礎192に連結された建築パネル212の断面図である。図22は、軌道228を互いに付き合わすことにより端と端とを付き合わせた状態で連結された2つの建築パネル212を示しており、ゴムシールスペーサ244及びバッカロッド232が図示のようにこれら軌道相互間に位置している。シールスペーサ244は、2つの隣り合うシールスペーサ溝形材222相互間に配置され、2つの軌道228相互間に柔軟性シーラントを提供している。バッカロッド232は、軌道228の各端部のための間隔を提供している。シーラント234は、2つの軌道228相互間の空間を満たすために用いられている。この実施形態では、コーキング材がシーラント234として用いられている。幾つかの実施形態では、構造体の使用に応じて、コーキング材以外のシーラントがシーラント234として用いられている。雨水ドレン溝形材250は、2つの建築パネル212相互間の水分を集めてこれを排出する。このようにして、建築パネル212の内部に偶然入り込んだ水、水分又は他の流体が除去され、腐食及び腐朽が起こらないようになる。
【0068】
図23は、コンクリート基礎192に結合された建築パネル212を示している。幾つかの実施形態では、建築パネル212は、コンクリートフッタ190に結合されている。図示の実施形態では、ビチュータン(bituthane)シール238がコンクリート基礎192に被着され、次にドリップフラッシング又は雨押え236が取り付けられる。軌道228は、雨押え236上に配置され、これら相互間にはバッカロッド232が配置される。アンカーボルト294が建築パネル212をコンクリート基礎192に機械的に結合するために用いられている。この実施形態では、アンカーボルト294への連結のためにナット、スペーサ及びワッシャ296が用いられている。シーラント234が空間を満たして連結部を封止するために用いられている。雨水ドレン溝形材250は、水分及び水を集めてこれをウィープホールに差し向け、水分及び水は、ここから逃げ出るようになる。
図24〜図27は、本発明の建築パネルの別の実施形態を示している。図24は、本発明の建築パネル312の斜視図である。図25は、図24の建築パネル312のコア358の斜視図である。図26は、図24の建築パネル312の横断面図であり、図27は、その縦断面図である。建築パネル312は、本発明の建築パネル312の骨組330への接近手段となるよう接近溝形材280を用いている。骨組330への接近手段は、多くの目的で利用できる。幾つかの実施形態では、骨組330への接近手段は、建設パネル312を他の構造体、例えば床、壁又は他の建築パネルに相互に連結するために用いられる。
【0069】
建築パネル312は、コア358及び被覆材360を有し、被覆材360は、コア358の一部分を覆っている。建築パネル312は、コア358の縁部を覆っている軌道228を有している。建築パネル312は、壁板242を有する第1の表面314及び第2の表面316を有し、第2の表面316は、被覆材360を有している。
【0070】
コア358は、角張った蛇行した形の骨組330を用いており、図25及び図26に示されているようにコア358の一方の側部に用いられている断熱構造ブロック340は、他方の側部に用いられている断熱構造ブロックよりも厚い。コア358は、前面374及び後面376を有している。この実施形態では、断熱構造ブロック340は、コア358の前面374に設けられている厚さよりもコア358の後面376に設けられている厚さの方が厚い。ブロック340は、この実施形態では、ねじ256及び圧力スプレッダ254により骨組330に保持されている。圧力スプレッダ254(幾つかの圧力スプレッダのうちの1つはこの符号がつけられている)、ねじ256(数本のねじのうちの1つにはこの符号がつけられている)の圧力をブロック340の領域全体にわたって分散させ、それにより、圧力スプレッダ254は、ブロック340をつかみ、これを骨組330に保持することができる。圧力スプレッダ254が設けられなければ、ねじ256は、ブロック340を骨組330に保持するのではなく、断熱構造ブロック340に穴を作る場合がある。この実施形態では、ねじ256及び圧力スプレッダ254は、ワインドロック・カンパニー(Windlock company)から入手できる。
【0071】
図26は、図24の26‐26線に沿って取った建設パネル312の横断面図である。図27は、図24の27‐27線に沿って取った建設パネル312の縦断面図である。複合建設パネル312のこの実施形態における第1の表面314は、コア358の前面374に結合された壁板242を有している。建設パネル312の第2の表面316は、コア358の後面376を覆っている被覆材360を有している。被覆材360は、この実施形態では、「合成スタッコ」仕上げであり、これは、この実施形態では、屋外取り付け及び仕上げシステム(Exterior Insulation and Finish System: EIFS)被覆材である。この実施形態では、被覆材360は、ポリマーを主成分とする接着剤274の中に埋め込まれたガラス繊維メッシュ170、例えばドライビット社により製造されたPrimusで作られている。仕上げ被覆材が壁板242及び被覆材360に被着されるのが良い。理解されるべきこととして、幾つかの実施形態では、上述の被覆材160をコア358の前面374及び/又は後面376に被着させることができる。複合建築パネル312の幾つかの実施形態では、第1の側部又は表面314及び/又は第2の側部又は表面316は、被覆材160を有する。理解されるべきこととして、幾つかの実施形態では、上述の被覆材260をコア358の前面374及び/又は後面376に被着させることができる。複合建築パネル312の幾つかの実施形態では、第1の側部又は表面314及び/又は第2の側部又は表面316は、被覆材260を有する。建築パネル312の幾つかの実施形態では、被覆材160、被覆材260又は他の被覆材が建築パネル312を形成するようコア358の一部分に被着される。
【0072】
図24〜図27に示された建築パネル312の実施形態では、コア358と被覆材360の両方は、強度及び安定性を建築パネル312に提供する。建築パネル312は、多くの建築用途、例えば商業用又は住居用建築用途(これらには限定されない)に利用可能である。建築パネル312は、軽量且つ高強度の建築パネル312に優れたエネルギー効率性を提供する。建築パネル312に浸透した水分又は水は、軌道228の雨水ドレン溝形材250を通ってウィープホールまで水平そして垂直に送られ、水分又は水は、これらウィープホールから構造体を出る。
【0073】
接近溝形材280は、開口部284のところで終端して壁板242を封止するために用いられ、開口部284は、この実施形態では、床構造体を骨組330に連結するためのものである。この実施形態では、接近溝形材280は、2インチ×2インチ亜鉛めっき鋼板溝形材であり、これを骨組330に溶接し又はボルト止めするのが良い。これにより、後には開口部284が残り、この開口部のところでは、壁板242は、骨組330及びブロック340を覆っていない。この実施形態では、開口部284は、高さが12インチであり、かかる開口部により、床構造体を骨組330に連結することができる。幾つかの実施形態では、開口部284は、特定の設計及び建築中の構造体に応じて、他の構造要素を骨組330に結合するために用いられる。幾つかの実施形態では、開口部284は、種々の構造要素又は他の建築パネル、例えば建築パネル112,212又は312(これらには限定されない)への連結を可能にする他の形状又は寸法のものである。このように、建築パネル312は、開口部284を有し、開口部284により、骨組330への接近が可能である。
【0074】
本明細書において提供されている複合建築パネル112,212,312及び結合パネル構造体110の特定の実施形態が網羅的であると考えられるべきではない。開示した部分及び層は、本発明に従って所望の構造体及び大型建造物を構築する上で必要ならば区別なく使用できる。任意寸法、厚さ、形状及び強度の建築パネルは、開示した種々のコンポーネントを交換することにより形成できる。理解されるべきこととして、本明細書において説明したコア、被覆材及び軌道は、本発明に従って建築パネル構造体110を構成する上で区別なく利用できる。
【0075】
図28は、本発明に従って建築パネル構造体を形成する方法400を示している。方法400は、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップ402を有する。方法400は、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップ404を更に有している。方法400は、外側主中塗層を下塗層上に被着させるステップ406を有し、外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する。
【0076】
方法400は、他の多くのステップを有しても良い。幾つかの実施形態では、方法400は、一体形フッタ舌部を備えたフッタにコンクリートを流し込み、コアをフッタ舌部に結合するステップを有し、コアは、建築パネル溝を有する。幾つかの実施形態では、方法400は、軌道をコアに結合するステップを有し、軌道は、雨水ドレン溝形材を有する。幾つかの実施形態では、方法400は、多数の建設パネルを互いに連結するステップを有する。幾つかの実施形態では、方法400は、相互連結要素を用いて建築パネルを基礎に連結するステップを有する。幾つかの実施形態では、多数の建築パネルを相互に連結するステップは、2つ又は3つ以上の建築パネルの軌道を互いに連結することにより多数の建築パネルを互いに連結するステップを有する。幾つかの実施形態では、建築パネルを基礎に連結するステップは、建築パネル軌道を基礎に連結するステップを含む。
【0077】
骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップ402は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成することは、骨組を1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込むことを意味する。幾つかの実施形態では、1つ又は2つ以上のブロックは、発泡ポリスチレンフォームで構成される。幾つかの実施形態では、ステップ402は、断熱構造ブロックを所定形状に切断するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、構造部材を立設するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、金網を2つの構造部材相互間で引き伸ばすステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、構造要素を亜鉛めっき鋼板から形成するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、相互連結要素を用いてブロックと骨組を互いに連結するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、C字形溝形材をブロックの舌部相互連結要素に結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、ユーティリティ接近路を骨組又はブロックに切断形成するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、制御接合部切り欠きをブロックに切断形成するステップを含む。
【0078】
内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップ404は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、ステップ404は、アクリル系改質セメント状メンブレンをコアに被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、2つの層からなる。幾つかの実施形態では、下塗層は、第1の下塗層A及び第2の下塗層Bを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤及び水を含む第1の下塗層A混合物を生じさせるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第1の下塗層A混合物をコアの一部分上に吹き付けるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第1の下塗層A混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む第2の下塗層B中塗混合物を生じさせるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層B中塗混合物を第1の下塗層A上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層B中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを第2の下塗層B中塗混合物の中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層B中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、バーミキュライトを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層は、1/8インチ厚さのものである。幾つかの実施形態では、内側下塗層を被着させるステップは、金網を第1の下塗層Aの中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層を被着させるステップは、金網を第2の下塗層Bの中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、金網は、9ゲージコンクリート金網である。
【0079】
外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップ406は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、ステップ406は、金網を内側下塗層に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む主中塗層中塗混合物を生じさせるステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物を内側下塗層上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを主中塗層中塗混合物の中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、2種類の砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、バーミキュライトを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物は、他の成分を含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層を下塗層上にこて塗りして外側主中塗層が1/4インチ厚さになるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、制御接合部補強メッシュを制御接合部切り欠き上で主中塗層中塗混合物の中に埋め込むステップを含む。
【0080】
図29は、構造体を形成する方法440を示しており、この方法440は、建設パネルを形成するステップ442、雨水ドレン溝形材を有する軌道を建設パネルに結合するステップ444及び多数の建設パネルを互いに連結して構造体を形成するステップ446を有する。
【0081】
方法440は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、方法440は、軌道を備えた建設パネルをフッタに結合するステップを含む。
【0082】
建設パネルを形成するステップ442は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、建設パネルを形成するステップ442は、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを備えたコアを形成し、被覆材をコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、主中塗層をコアの一部分に被着させるステップを含み、主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで構成されている。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、主中塗層が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを主中塗層の中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層は、金網を含む。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、下塗層をコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、金網を含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、2つの層を含む。幾つかの実施形態では、下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第1の下塗層Aをコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、第1の下塗層Aは、コアに吹き付けられる。幾つかの実施形態では、第1の下塗層Aは、セメント、骨材及びアクリル系結合剤を含む。幾つかの実施形態では、下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層Bを第1の下塗層Aに被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層Bは、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層Bは、ガラス繊維メッシュを更に含む。幾つかの実施形態では、ガラス繊維メッシュは、第2の下塗層Bが依然として濡れている状態で、第2の下塗層Bの中に埋め込まれる。
【0083】
軌道を建築パネルに結合するステップ444は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、軌道を建築パネルに結合するステップは、軌道の第1及び第2の互いに反対側に位置するアームをコアに結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、コアの第1及び第2の互いに反対側に位置するアームは、それぞれ、コアの前面及び後面に摩擦係合する。ステップ444の幾つかの実施形態では、軌道は、シールスペーサ溝形材を含む。ステップ444の幾つかの実施形態では、軌道は、スクリード境界部を含む。
【0084】
多数の建築パネルを互いに連結して構造体を形成するステップ446は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、ステップ446は、第1の建築パネルの軌道を第2の建築パネルの軌道に結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ446は、建設パネルをフッタに結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ446は、建設パネル溝をフッタ舌部に結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ446は、建設パネルに設けられた開口部を用いて建設パネルを床に結合するステップを含み、開口部は、骨組要素への接近を可能にする。ステップ446の幾つかの実施形態では、建設パネルは、壁を形成するよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、屋根を形成するよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、水が雨水ドレン溝形材を通って差し向けられて構造体を出るよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、コアが基礎に連結されるよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、コアがフッタに連結されるよう互いに連結される。
【0085】
本明細書において説明した実施形態及び実施例は、本発明及びその実際の用途を最も良く説明し、それにより当業者が本発明を構成すると共に利用することができるようにするために与えられている。しかしながら、当業者であれば認識されるように、上述の説明及び実施例は、説明及び例示目的にのみ与えられている。上述の説明は、網羅的ではなく、或いは、本発明を開示した形態そのものに制限するものではない。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく上述の教示に照らして多くの改造例及び変形例が想到可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、建物及び構造物又は構造体を建設する材料に関し、特に、複合建築パネルに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、ジョン・プロップスト(John Propst)名義で2010年1月20日付け出願された米国特許仮出願第61/296,616号(発明の名称:LAYERED BUILDING PANEL SYSTEM)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
建物は、歴史的に、煉瓦、セメントブロック、木材骨組、最近ではスチール骨組及びスタッコで建設されている。建物を建設する際に用いられる材料及び技術は、コストを減らし、エネルギー効率を高め、建物における木材の使用量を減少させると共に材料の無駄を減少させようとして進歩を遂げている。セメントブロック及び煉瓦による建設では、建物を構築する上で多大な労働力が必要であり、それにより建物のコストが上昇する。木材は、建物の建設において長い間主要な材料であったが、近年、森林資源を保存する要望が存在している。木材は、悪天候、湿気(水分)、カビ、火災及び虫食いによる被害を受けやすい。また、木材が建物を作るために用いられる場合、多量の屑又は無駄が生じる場合がある。これは、規格サイズの板が建設現場に運ばれ、これら板が切断されて建築現場で建物の状態に組み立てられなければならないからである。用材を所定サイズに合わせて切断する際の労力の結果として、高い労働費及び所定サイズに合わせた板の切断に起因して無駄となる多量の用材が生じる。
【0004】
また、建物の寿命の間にエネルギーコストを減少させるために建物のエネルギー効率を高めることが望ましい。セメントブロック、煉瓦並びに木材骨組及びスタッコによる建設では、新材料から得ることができる高いレベルのエネルギー効率を提供することはない。
【0005】
フォームブロックが人気のある代替手段となり、伝統的な木材、セメントブロック及び煉瓦建設材料と比較して、環境的に是認できる。フォームブロックシステムは、軽量であり、任意必要な形状に成型又は形成でき、結果的に熱的に効率の高い建物建設が得られ、しかも建造物の状態に形成するのに必要な熟練労働力が少ない。他の利点としては、湿気、カビ、火災及び虫食いによる被害に強いことが挙げられるが、これらには限定されない。フォームブロックは、再生利用可能であると共に再生可能な材料を用いて構成され、良好な断熱性をもたらし、そしてこれら自体再利用された材料で作られる場合が多い。変形例として、建設ブロックは又、他の環境に優しい材料、例えば藁、木繊維、紙及びガラスで作られても良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新建設材料のうちの幾つか、例えばフォームブロックに関する1つの問題は、建設要素、例えば壁の構造強度が建設要素を形成するために木材、煉瓦又はセメントブロックが用いられた場合ほど高くはない場合があるということにある。これは、建物が強風又は地震に耐えるのに必要な地域では特に重要な場合がある。建設時間を最小限にし、環境に優しい材料を使用し、結果的に高い構造強度及び構造的健全性を備えた建築パネルが得られるようにするあらかじめ製作された建築パネルシステムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般に、建物及び構造物を建設する材料、特に、複合建築パネルに関する。コアと、コアの一部分を覆っている被覆材とを有する複合建築パネルが開示される。コアは、前面、後面及び1つ又は2つ以上の側部又は側面を有する。被覆材は、前面又は後面の少なくとも一部分を覆っている被覆材とを有し、被覆材は、内側下塗層及び外側主中塗層を有する。外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、少なくとも2つの層から成る。幾つかの実施形態では、下塗層は、セメント、骨材及びアクリル系結合剤の第1の下塗層Aと、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む第2の下塗層Bとを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層は、金網を含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、コアは、骨組及び骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを含む。幾つかの実施形態では、断熱構造ブロックは、発泡ポリスチレンフォームで構成される。幾つかの実施形態では、骨組は、1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込まれる。幾つかの実施形態では、建築パネルは、制御接合部を含む。
【0008】
建築パネル溝を備えた複合建築パネルと、一体形フッタ舌部を備えたフッタとを有する複合建築パネル構造体が開示される。建築パネル溝は、複合建築パネル構造体を形成するようフッタ舌部に結合される。幾つかの実施形態では、フッタとフッタ舌部は両方とも、コンクリートで作られる。幾つかの実施形態では、建築パネルは、前面、後面及び側面を備えたコア及びコアの一部分を覆っている被覆材を有する。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体は、コアに結合された軌道を更に有し、軌道は、側部の一部分を覆っているベース部分と、ベース部分内に形成された雨水ドレン溝形材とを有する。幾つかの実施形態では、軌道は、シールスペーサ溝形材を更に有する。幾つかの実施形態では、軌道は、スクリード境界部を更に有する。幾つかの実施形態では、コアは、骨組と、骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックとから成る。幾つかの実施形態では、被覆材は、内側下塗層及び外側主中塗層を有する。内側下塗層は、幾つかの実施形態では、セメント、骨材及びアクリル系結合剤から成る第1の下塗層A及びセメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する第2の下塗層Bを含む。外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。
【0009】
建築パネルが開示され、この建築パネルは、前面、後面及び1つ又は2つ以上の側面を備えたコア及びコアに結合された軌道を有する。軌道は、側部の一部分を覆っているベース部分と、ベース部分内に形成された雨水ドレン溝形材とを有する。幾つかの実施形態では、軌道は、シールスペーサ溝形材を更に有する。幾つかの実施形態では、軌道は、スクリード境界部を更に有する。幾つかの実施形態では、軌道は、ベース部分から延びる第1及び第2の互いに反対側のアームを更に有し、第1及び第2の互いに反対側のアームは、それぞれ、コアの前面及び後面に摩擦係合する。
【0010】
建築パネル構造体を形成する方法であって、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップと、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップと、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップとを有することを特徴とする方法が開示される。外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成することは、骨組を1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込むことを意味している。
【0011】
幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、追加のステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤及び水を含む第1の下塗層A混合物を作るステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第1の下塗層A混合物をコアの一部分に吹き付けるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第1の下塗層A混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む第2の下塗層B中塗混合物を作るステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第2の下塗層B中塗混合物を第1の下塗層A上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第2の下塗層B中塗混合物がまだ濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを第2の下塗層B中塗混合物中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に貼り付けるステップは、第2の下塗層B中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、追加のステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む主中塗層中塗混合物を作るステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物を内側下塗層上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを主中塗層中塗混合物中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、バーミキュライトを含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、内側下塗層を貼り付けるステップは、金網を内側下塗層中に埋め込むステップを更に含む。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体を形成する方法は、一体形フッタ舌部と共にフッタにコンクリートを流し込むステップと、コアをフッタ舌部に結合するステップとを更に含み、コアは、建築パネル溝を有する。
【0014】
構造体を形成する方法が開示され、この方法は、建築パネルを形成するステップと、雨水ドレン溝形材を備えた軌道を建築パネルに結合するステップと、多数の建築パネルを互いに連結して構造体を作るステップとを有する。幾つかの実施形態では、建築パネルを形成するステップは、骨組を備えたコア及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを形成するステップと、被覆材をコアの一部分に被着させるステップとを有する。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、内側下塗層Aをコアの一部分に被着させるステップと、外側下塗層Bを内側下塗層Aに被着させるステップとを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層Aは、セメント、骨材及びアクリル系結合剤を含む。幾つかの実施形態では、外側下塗層Bは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層を被着させるステップは、金網を内側下塗層中に埋め込むステップを更に含む。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、外側主中塗層をコアの一部分に被着させるステップを含み、外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む。幾つかの実施形態では、構造体を形成する方法は、軌道をフッタに結合するステップを有する。幾つかの実施形態では、多数の建築パネルを互いに連結するステップは、第1の建築パネル軌道を第2の建築パネル軌道に結合するステップを含む。
【0015】
本発明の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示されている本発明の特定の実施形態の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態としての複合建築パネル112の斜視図である。
【図2】図1の建築パネル112のコア158の斜視図である。
【図3】本発明の建築パネル112に用いることができる断熱構造ブロック140の一実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の建築パネル112に用いることができる断熱構造ブロック140の別の実施形態の斜視図であり、図4の断熱構造ブロック140がインターロック特徴部150を有している状態を示す図である。
【図5】図1の建築パネル112の2つのインターロックされた断熱構造部材140の平面図であり、断熱構造ブロック140がインターロック特徴部150を有している状態を示す図である。
【図6】被覆材160が被着されたコア158の斜視図であり、本発明の建築パネル構造体110の建築パネル112が形成されている状態を示す図である。
【図7】図6の建築パネル112の7‐7線矢視横断面図である。
【図8】図6の建築パネル112の8‐8線矢視縦断面図である。
【図9】図8の円で囲んだ部分9の被覆材160の拡大断面図である。
【図10】本発明の建築パネル112の一実施形態の横断面図であり、建築パネル112がコア158の中に埋め込まれた金網272を有する状態を示す図である。
【図11】本発明の建築パネル112の別の実施形態の横断面図であり、建築パネル112がコア158の中に埋め込まれた金網272を有している状態を示す図である。
【図12】建築パネル112の一実施形態の縦断面図であり、建築パネル112がコア158の断熱構造ブロック舌部152の中に埋め込まれたC字形溝形材136を有している状態を示す図である。
【図13】建築パネル112が建築パネル舌部154の追加の実施形態を有し、フッタ190がフッタ舌部194の追加の実施形態を有する建築パネル構造体110の実施形態を示す図である。
【図14】本発明の制御接合部142を用いた本発明の建築パネル112の実施形態の横断面図である。
【図15】本発明の制御接合部142の追加の実施形態を備えた本発明の建築パネル112の実施形態の横断面図である。
【図16】本発明の実施形態としての建築パネル212の斜視図である。
【図17】図14の建築パネル212のコア258の斜視図である。
【図18】図14の建築パネル212に用いられている軌道228の端面図である。
【図19】図14の建築パネル212に用いられている軌道228の斜視図である。
【図20】コア258及び被覆材260を用いた図14の建築パネル212の横断面図である。
【図21】コア258及び被覆材260を用いた図14の建築パネル212の縦断面図である。
【図22】本発明に従って軌道と軌道が連結された状態の2つの建築パネル212の断面図である。
【図23】本発明のコンクリート基礎192に連結された建築パネル212の断面図である。
【図24】本発明の建築パネル312の斜視図である。
【図25】図22の建築パネル312のコア358の斜視図である。
【図26】図22の建築パネル312の横断面図である。
【図27】図22の建築パネル312の縦断面図である。
【図28】本発明の建築パネル構造体を形成する方法400を示す図である。
【図29】本発明の構造体を形成する方法440を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述したように、本発明の実施形態は、建物を建設する際に用いられる材料、特に、複合建築パネル及び複合建築パネル構造体に関する。
【0018】
環境に優しい断熱軽量のブロック材料を壁、屋根、床及び他の構造体として用いることは、人気がますます高まっている。材料のブロックは、コンクリートブロック並びに断熱木材及びスタッコ壁にとって代わるものとして用いられている。これらブロックは、断熱性及び建築されるべき構造体の形状を定める造形塊状体を提供する構造要素である。発泡ポリスチレン(EPS)フォームブロックは、人気のある材料であるが、他の材料、例えば藁、プラスチック及び再利用要素も又、断熱構造ブロックを作るために用いられている。これら新建築材料は、用いる木材の量が少なく、建築の無駄を減少させ、再利用材料を用いる場合が多く、しかも標準の木材骨組及びプラスタ建設建物よりもエネルギー効率の高い建物を作る。断熱構造ブロック、例えばEPSフォームブロックは、軽量である場合が多く、所望の形状を作るのに容易に成型又は造形可能である。EPSフォームブロックを含むこれら新ブロック材料は、特定の建物構造体に必要な構造強度を備えていない。これらの場合、追加の構造要素を断熱構造ブロック材料で作られた建物建築パネルに付加することが必要である。本明細書において、複合建築パネル並びに断熱構造ブロック、骨組及びブロック及び骨組に施された被覆材を用いて複合建築パネルを作る方法が開示され、それにより構造的に強固な構造体及び建築パネルが作られる一方で、断熱構造ブロックの軽量であり且つ環境に優しくしかもエネルギー効率の高い特性が依然として保たれる。
【0019】
図1は、本発明の複合建築パネルの一実施形態の斜視図である。複合建築パネルは、多数のコンポーネントで形成されていて、型、構造体、建物又は大型建造物を建設する際に用いられる建築パネル(建築要素)を意味している。複合建築パネル112は、コア158及びコア158の一部分を覆っている被覆材160を有している状態で示されている。複合建築パネル112は、壁、床、天井、梁又は構造体、大型建造物又は建物を作る際に用いられる他の要素を形成するために使用される。
【0020】
複合建築パネル(建築パネル又は単にパネルとも言う)112が、例えば壁又はブロックフェンス構造体として用いられる長方形の形を有するものとして図1に示されている。建築パネル112を建築すべき構造体の必要性に応じて任意の寸法形状で形成することができる。幾つかの実施形態では、建築パネル112は、正方形、長方形、丸形、卵形、長円形又は細長い形状をしている。建築パネル112は、湾曲していても良く、或いは部分的に湾曲すると共に部分的に長方形であっても良い。建築パネル112は、任意形状を取ることができる。建築パネル112は、建築すべき構造体の形状に応じた形状を取る。コア158が基本的形状を形成し、被覆材160が強度を建築パネル112に追加するようコア158の一部分を覆い、それによりコア158の一部分上に不浸透性層が形成されると共に/或いは外部仕上げのための見栄えの良い表面が提供される。建築パネル112は、被覆材160を備えた第1の表面114及び被覆材160を備えた第2の表面116を有する。被覆材160について短く詳細に説明する。
【0021】
図2は、図1の建築パネル112のコア158の斜視図である。建築パネル112は、コア158及び被覆材160で形成されており、被覆材160は、コア158の一部分を覆っている。コア158は、図2に示されているように前面124、後面126及び多数の側面又は側部180(4つの側部180のうちの2つが示されている)を有する。本発明の被覆材160は、コア158の前面124又は後面126の少なくとも一部分を覆っている。この実施形態では、被覆材160は、前面124と後面126の両方を覆っている。コア158は、この実施形態では、図2〜図5に示されているように、骨組130及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック140で形成されている。この実施形態では、コア158は、2つ以上の断熱構造ブロック140を有する。幾つかの実施形態では、コア158は、1つの断熱構造ブロック140を有する。図3は、本発明の建築パネル112に使用することができる断熱構造ブロック140の斜視図である。図4は、本発明の複合建築パネル112に用いることができる別の断熱構造ブロック140の斜視図である。図4では、断熱構造ブロック140は、インターロック要素150を有している。インターロック要素150は、多数の断熱構造ブロック140を互いにインターロックすると共に断熱構造ブロック140を骨組130にインターロックするために用いられる。図5は断熱構造ブロック140と骨組130を図6〜図8に詳細に示されているようにインターロックしたインターロック特徴部150を備えた図1の建築パネル112の2つのインターロックされた断熱構造ブロック140の平面図である。
【0022】
建築パネル112の幾つかの実施形態では、コア158は、断熱構造ブロック140だけで作られている。幾つかの実施形態では、コア158は、図2に示されているように断熱構造ブロック140及び骨組130で作られている。幾つかの実施形態では、コア158は、断熱構造ブロック140及び骨組130に加えて、他の要素で作られている。コア158は、必要な建物形要素を提供すると共に本発明の建築パネル112を形成するために被覆材160を受け入れる任意の1種類又は複数種類の材料で形成できる。断熱構造ブロックを本明細書において、単に「ブロック」とも言う。
【0023】
骨組130は、この実施形態では、壁、床、天井、梁又は建物パネル112を用いて構造体を形成するのに必要な他の建築要素のための骨組構造体を形成する。骨組130は、図2に示されている実施形態では、垂直部材132及び水平部材134を有する。この実施形態では、骨組130は、亜鉛めっき鋼板(トタン板)で形成されている。本発明の骨組130は、他の構造材料、例えば木材、アルミニウム、他の金属、プラスチック等で構成できる。この実施形態では、骨組130は、4インチ×4インチ×3/16インチ(なお、1インチ=2.54cm)亜鉛めっき鋼板箱形管材料で形成されている。水平部材134と垂直部材132は、これら部材を互いに頑丈に保持する仕方で結合されている。幾つかの実施形態では、機械的取り付け具、例えばボルトが用いられる。幾つかの実施形態では、骨組130の部材は、互いに溶接される。幾つかの実施形態では、骨組130の個々の部材は、水平及び垂直以外の角度をなして互いに連結される。斜め骨組部材が骨組130の幾つかの実施形態において用いられる。幾つかの実施形態では、骨組230は、斜めに延びる金属ストラップを有する。理解されるべきこととして、本発明の骨組130は、建築されるべき構造体の仕様に従って多種多様な寸法形状のものであって良い。骨組130は、建築されるべき構造体の必要とする構造強度に従って多種多様な材料で形成可能である。
【0024】
骨組130は、この実施形態では、断熱構造ブロック140の中に埋め込まれている。骨組130がブロック140の中に埋め込まれているという表現は、骨組130の大部分がブロック140の中に封入され、ブロック140で覆われていないのが骨組130の最小限の表面積であることを意味している。骨組130は、ブロック140を、骨組130を包囲すると共にこれに結合される形状に切断することによって断熱構造ブロック140の中に埋め込まれる。骨組130を断熱構造ブロック140の中に埋め込むことにより、建築パネル112にとって幾つかの利点が得られる。骨組130がブロック140の中に埋め込まれることにより、コア158に対して構造強度が与えられ、しかも、コア158の外面の大部分がブロック140の表面として残され、その結果、コア158の外面を容易に造形することができると共に被覆材160で覆うことができるようになる。これにより、コア158及び建築パネル112を見栄えの良い形状に造形することができると共に強度及び外部仕上げを得るための被覆材160を受け取ると共にこれを保持する表面が提供される。骨組130がブロック140の中に埋め込まれているこの実施形態では、ブロック140によって覆われていない骨組130の部分が存在し、その結果、骨組130を他の骨組及び構造体に連結することができるが、骨組130の大部分は、ブロック140の中に埋め込まれるようになる。建築パネル112の他の実施形態では、骨組130は、ブロック140の中には埋め込まれておらず、このことは、骨組130の大部分がコア158の外面上に存在することを意味している。これら実施形態のうちの幾つかについては本明細書において後で説明する。
【0025】
断熱構造ブロック140は、幾つかの目的を有し、かかる目的としては、形成されるべき建築パネル112の形状を特定すること、断熱特性を提供すること及び被覆材160若しくは他の被覆材又は層を被着させる表面を得ることが挙げられる。図2のコア158内の断熱構造ブロック140は、骨組130の要素を包囲すると共に建築されるべき構造体の所望の形状を建築パネル112と一緒になって形成するために用いられる。本発明の断熱構造ブロック140の幾つかの実施形態が図3、図4及び図5に示されている。ブロック140は、図2、図4及び図5に示されているように互いに且つ骨組130とインターロックするよう形成される場合が多い。この実施形態では、本発明の断熱構造ブロック140は、発泡ポリスチレン(EPS)フォームで作られており、それによりEPSフォーム断熱構造ブロック140が作られている。EPSフォームブロックは、高いエネルギー効率を提供すると共に軽量である。EPSフォームを再利用材料から作ることができると共にそれ自体再利用可能である。EPSフォームブロック140の別の望ましい特徴は、かかるEPSフォームブロックを任意所望の形状に容易に成型し又は切断することができるということにある。図4及び図5は、インターロック要素150を含むよう切断されたEPSフォーム断熱構造ブロック140を示しており、この場合、この実施形態におけるインターロック要素150は、舌部152及び溝154を有する。ブロック140は、建築パネル112を用いて建築されるべき構造体に従って任意の寸法形状及び構造に作ることができる。この実施形態では、断熱構造ブロック140は、4フィート×8フィート×6インチ(なお、1フィート=0.3048m)EPSフォーム断熱構造ブロックであり、インターロック要素150がこれらブロックに切断形成されており、その結果、インターロック要素は、これら自体とインターロックすると共に骨組130とインターロックし、それにより図2に示されているようにコア158が形成されている。この実施形態では、1ポンド(なお、1ポンド=0.45359237kg)密度のEPSフォームが用いられるが、適当な構造特性を提供する任意適当な材料及び密度を本発明に従って用いることができる。ブロック140は、この実施形態では、ポリマーを主成分とするアクリル系接着剤156、例えばドライビッド・システムズ・インコーポレイテッド(Dryvit Systems Inc.)(以下、ドライビット社と言う)によって市販されているPrimusを用いて互いに且つコンクリートに連結されている。ブロック140は、この実施形態では、水を主成分とするアクリル系コポリマー接着剤、例えばドライビット社から入手できるEPS用の接着剤(ADEPS)を用いて金属又は木材に結合されている。幾つかの実施形態では、断熱構造ブロック140及び骨組130は、種々の接着剤、グルー、機械的取り付け具又は他の適当な結合手段を用いて他の部材に結合されると共に互いに結合される。
【0026】
この実施形態では、断熱構造ブロック140は、EPSフォームで作られている。本発明の断熱構造ブロック140は、他の材料で作ることができ、かかる材料としては、藁、木材、プラスチック、紙又は再利用材料が挙げられるが、これらには限定されない。
【0027】
図2のコア158の実施形態では、断熱構造ブロック140は、図4に示されているように造形断熱構造ブロック140を形成するよう図3に示されている長方形EPSフォームブロック140から所定の形状に切断されている。切り欠き及びインターロック要素がブロック140から切断形成されており、それにより骨組130を包囲し、他のブロック140及び骨組130とインターロックし、建築されるべき構造体に望ましい形状の表面を提供するブロック140の形状が作られている。本発明のブロック140は、例えばスライシング、溶解又は他のブロック造形方法のような方法を用いて所定の形状に成型可能であり又は正確な寸法形状に形成可能である。ブロック140は、形成されるべき構造体、例えば壁、床、屋根、天井、梁、フェンス、桟、大型建造物、オフィス等を作るのに必要な任意の寸法形状に形成可能である。ブロック140及び骨組130は、コア158及び建築パネル112を所望の構造体を形成するよう任意の寸法形状に作るために任意の寸法形状に形成可能である。
【0028】
ユーティリティ、空気流のための開口部及び通路又は建築パネル112を通る他形式の接近手段を所望に応じてコア158に容易に切断形成することができる。窓及びドアのための開口部をコア158に形成することができる。
【0029】
被覆材160は、図1及び図6〜図9に示されているように複合建築パネル構造体110の複合建築パネル112を形成するようコア158の一部分を覆っている。被覆材160は、建築パネル112上に外部又は内部仕上げを所望通りにいつでも受け入れることができると共に更に建築パネル112の強度に貢献する外面を形成する。図6は、被覆材160が被着されたコア158の斜視図であり、それにより、本発明の建築パネル112を含む建築パネル構造体110が形成されている。図7は、図6の建築パネル112の7‐7線矢視横断面図である。図8は、図6の建築構造体110の建築パネル112の8‐8線矢視縦断面図である。図9は、図8の円で囲んだ部分9の被覆材160の拡大断面図である。
【0030】
被覆材160は、コア158の一部分を覆っている。被覆材160は、多くの様々な理由でコア158の一部分を覆うのが良い。被覆材160は、強度をコア158に付加するようコア158の一部分を覆うことができる。被覆材160は、見栄えの良い表面仕上げを提供するようコア158の一部分を覆うことができる。被覆材160は、仕上げ処理、例えば塗料、スタッコ又は他の外部仕上げ処理剤を受け入れる表面を提供するようコア158の一部分を覆うことができる。被覆材160は、天候、水分及び他の劣化要因からコア158を保護する材料の層を形成するようコア158の一部分を覆うことができる。幾つかの実施形態では、被覆材160は、外面を覆う。幾つかの実施形態では、被覆材160は、内面を覆う。幾つかの実施形態では、被覆材160は、縁面を覆う。被覆材160は、コア158の任意の表面又はコア158の任意の表面の一部分を覆うことができる。図1〜図9に示されている実施形態では、被覆材160は、建築パネル112の第1の表面114を形成するようコア158の前面124を覆っている。さらに、図1〜図9に示されている実施形態では、被覆材160は、建築パネル112の第2の表面116を形成するようコア158の後面126を覆っている。このように、建築パネル112は、コア158及びコア158の少なくとも一部分を覆う被覆材160を有する。このように、建築パネル112は、コア158及びコア158の前面124又は後面126の少なくとも一部分を覆う被覆材160を有する。
【0031】
被覆材160は、この実施形態では、図9に示されているように多数の層で形成されている。この実施形態では、被覆材160は、構造強度を建築パネル112に提供すると共に水や天候に対して不透過性の層及び最終の外部又は内部仕上げ、例えば塗料、スタッコ又は他の仕上げをいつでも受けることができる層を提供するアクリル系改質セメント状メンブレンを形成する。幾つかの実施形態では、被覆材160は、単一の層で形成される。幾つかの実施形態では、被覆材160は、多数の層を有する。この実施形態では、被覆材160は、内側下塗層162及び外側主中塗層166で形成されている。下塗層は、コア158に良好に接着して別の層、例えば外側主中塗層166がくっつくベースとなる層である。内側下塗層162は、多種多様な成分から形成できるセメント状混合物である。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、セメント、骨材及びアクリル系結合剤で形成されている。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、セメント状混合物の中に埋め込まれた金網を有する。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、他のコンポーネントで作られている。内側下塗層162の別の実施形態について簡単に説明する。
【0032】
外側主中塗層166は、中塗混合物168及び中塗混合物168が依然として濡れた状態で中塗混合物168の中に埋め込まれたガラス繊維メッシュ170で形成されている。中塗混合物168は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで作られたセメント状混合物である。中塗混合物168の成分は、水と互いに混合され、それによりセメント状混合物が形成され、かかる混合物は、内側下塗層162に塗布される。中塗混合物168を内側下塗層162上にこて塗りする場合が多い。ガラス繊維メッシュ170は、中塗混合物168が依然として濡れている状態で中塗混合物168の中に埋め込まれる。このように、建築パネル112は、コア158及びコア158の一部分を覆う被覆材160を有し、被覆材160は、内側下塗層162及び外側主中塗層166を有する。外側主中塗層166は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドを含む中塗混合物168及びガラス繊維メッシュ170を有する。幾つかの実施形態では、中塗混合物168中の骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物168中の骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物168中の骨材は、バーミキュライトを含む。パーライト及びバーミキュライトは、建築パネル112の耐火性を向上させる。したがって、パーライト及び/又はバーミキュライトは、建築パネル構造体110又は建築パネル112が厳格な耐火性を備えることが必要な状況において骨材として用いられる。特定の実施形態では、混合物168は、次の成分を互いに混合することによって作られる。
‐90ポンドのポートランドセメント(タイプ1及びタイプ2)
‐90ポンドの20粒度シリカ砂
‐90ポンドの30粒度シリカ砂
‐1.5ガロン(なお、1ガロン=3.7853l)のアクリル系結合剤、例えばドライビット社から入手できるAC‐100
‐3ポンドの3/4インチガラス繊維ストランド
‐2.5ガロンの飲料水
この実施形態では、中塗混合物168の骨材は、2種類のサイズの砂、即ち、20粒度砂及び30粒度砂で作られる。理解されるべきこととして、これよりも大きな又はこれよりも小さなバッチは、成分測定値を比例して増減することによって構成できる。ガラス繊維メッシュ170が中塗混合物168を内側下塗層162に塗布しているときに且つ中塗混合物168が依然として濡れている状態で、中塗混合物168の中に埋め込まれる。この混合物は、優れた構造的健全性、水や天候に対する保護作用及び必要にて別の表面被覆材を被着させるための表面最適条件を提供することが判明した。中塗混合物168を特定の構造的使用のための他の成分から構成できることは理解されるべきである。
【0033】
内側下塗層162は、多種多様な成分で形成できる。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、金網に塗布されたセメント状混合物である。幾つかの実施形態では、内側下塗層162は、多数の層で構成されている。図1〜図9に示されている実施形態では、内側下塗層162は、2つの層、即ち、第1の下塗層A164及び第2の下塗層B163で形成されている。第1の下塗層A164は、「ダッシュ(dash)」下塗塗膜又は塗層であり、この「ダッシュ」下塗塗膜は、コア158に機械吹き付けされる。幾つかの実施形態では、第1の下塗層A164は、他の手段を用いて被着される。第1の下塗層A164は、セメント、骨材及びアクリル系結合剤で作られたセメント状混合物である。幾つかの実施形態では、骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、骨材は、バーミキュライトを含む。特定の実施形態では、第1の下塗層A164は、次の成分を互いに混合することにより形成される。
‐90ポンドのポートランドセメント(タイプ1及びタイプ2)
‐90ポンドの20粒度シリカ砂
‐90ポンドの30粒度シリカ砂
‐2.5ガロンのアクリル系結合剤、例えばドライビット社から入手できるAC‐100
‐2.5ガロンの飲料水
この実施形態では、第1の下塗混合物A164の骨材は、2種類のサイズの砂、即ち、20粒度砂及び30粒度砂で作られる。この第1の下塗混合物A164混合物は、EPSフォームブロックに良好にくっついて被覆材160の別の層を受け入れる優れた表面を提供することが判明した。理解されるべきこととして、これよりも多くの又は少ない量の第1の下塗混合物A164は、バッチは、成分測定値を比例して増減することによって構成できる。ガラス繊維メッシュ170が中塗混合物168を内側下塗層162に塗布しているときに且つ中塗混合物168が依然として濡れている状態で、中塗混合物168の中に埋め込まれる。この混合物は、優れた構造的健全性、水や天候に対する保護作用及び必要な場合に別の表面被覆材を被着させるのに最適な表面を提供することが判明した。中塗混合物168は、成分を比例して増減することにより構成できる。幾つかの実施形態では、第1の下塗層A164は、他の成分及び比率を有する。通常、第1の下塗層A164は、他の層の追加前に硬化(乾燥)するようになる。
【0034】
第2の下塗層B163は、下塗混合物165及びガラス繊維メッシュ170で形成されている。ガラス繊維メッシュ170は、中塗混合物165がこて塗りされている間又は第1の下塗層A164に塗布されている間且つ中塗混合物165が依然として濡れた状態で、中塗混合物165の中に埋め込まれる。中塗混合物165を第1の下塗層A164の表面上にこて塗りすることができ又は中塗混合物165が第1の下塗層Aを覆うことができると共にガラス繊維メッシュ170を中塗混合物165の中に埋め込むことができる任意他の手段により中塗混合物165を塗布することができる。
【0035】
中塗混合物165は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで作られたセメント状混合物である。中塗混合物165の成分は、水と一緒に混合されてセメント状混合物が形成され、かかる中塗混合物は、第1の下塗層A164が硬化した後、第1の下塗層A164に塗布される。幾つかの実施形態では、中塗混合物165中の骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物165中の骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、中塗混合物165中の骨材は、バーミキュライトを含む。特定の実施形態では、中塗混合物165は、次の成分を互いに混合することにより形成される。
‐90ポンドのポートランドセメント(タイプ1及びタイプ2)
‐90ポンドの20粒度シリカ砂
‐90ポンドの30粒度シリカ砂
‐1.5ガロンのアクリル系結合剤、例えばドライビット社から入手できるAC‐100
‐3ポンドの3/4インチガラス繊維ストランド
‐2.5ガロンの飲料水
この実施形態では、中塗混合物165の骨材は、2種類のサイズの砂、即ち、20粒度砂及び30粒度砂で作られる。理解されるべきこととして、これよりも大きな又はこれよりも小さなバッチは、成分測定値を比例して増減することによって構成できる。中塗混合物168が依然として濡れている状態でガラス繊維メッシュ170が中塗混合物165中に埋め込まれる。この混合物は、優れた構造的健全性、水や悪天候に対する保護作用及び外側主中塗層166を被着させるのに最適な表面を提供することが判明した。中塗混合物165を特定の構造的使用のための他の成分から構成できることは理解されるべきである。通常、第2の下塗層B163が他の層をこの頂部に追加する前に硬化するようにする。
【0036】
被覆材160、内側下塗層162及び外側主中塗層166は、建築パネル112の特定の使用及び必要な構造強度に応じて、多種多様な厚さで形成できる。幾つかの実施形態では、内側下塗層162及び/又は外側主中塗層166の追加の層が追加の強度を得るために設けられる。幾つかの実施形態では、他の層が追加される。仕上げ被覆材が被覆材160に施される場合が多いことは理解されるべきである。これら仕上げ被覆材は、様々な内面及び外面の美感を得るために施され、かかる仕上げ被覆材としては、塗料、スタッコ並びに他の仕上げ層及び被覆材が挙げられる。
【0037】
図9に示されている実施形態では、内側下塗層162は、約1/8インチ厚さのものであるよう形成される。他の主中塗層166は、約1/4インチ厚さのものであるよう形成される。これら層は硬化すると、被覆材160は、仕上げ被覆材を被着させるための滑らかな表面を提供し、かかる被覆材160は、構造的に極めて堅固であり、エネルギー効率が良く、しかも軽量である。コア158及び被覆材160を備えた複合建築パネル112は、コア158及び被覆材160の構造化複合層に起因して他のブロックパネルよりも曲げ強さ及び剪断強さが高い。これら特定の実施形態は、建物及び構造体の壁、屋根及び梁に用いられる。追加の層及び他の厚さは、本発明に従って、様々なパネル強度及び使用を達成するために建築パネル112に利用可能である。
【0038】
幾つかの実施形態では、制御接合部は、被覆材160の被着前にコア158に切断形成される。制御接合部142を備えた建築パネル112の実施形態が図14及び図15に示されており、かかる実施形態について簡単に説明する。建築すべき構造体の寸法形状の建築パネル112を作るために、窓及びドアのための穴及び開口部、接近溝形材並びに種々の設備及び空気取り扱いのための通路をコア158に切断形成することができる。コア158及び被覆材160を任意寸法形状の構造体の状態に容易に形成することができ、その結果、軽量でエネルギー効率が良く且つ強固な建築パネル112が得られる。
【0039】
図6〜図8は、建築パネル112を含む本発明の複合建築パネル構造体110を示している。複合建築パネル構造体は、構造体の構成要素として1つ又は2つ以上の複合建築パネルを用いて建築される任意の構造体である。建築パネル構造体110は、この実施形態では、図6〜図8に示されているように、建築パネル112及びフッタ又はフーチング190を有する。建築パネル112は、建築パネルインターロック要素154を有し、このインターロック要素は、この実施形態では、建築パネル溝154である。フッタ190は、一体形フッタインターロック要素194を有し、このインターロック要素は、この実施形態では、フッタ舌部194である。フッタ舌部194は、建築パネル112をフッタ190に結合するよう建築パネル溝154と結合する。フッタインターロック要素194は、フッタ190と一体である。というのは、フッタ舌部194とフッタ190は、一体部品だからである。この実施形態では、フッタ190とフッタ舌部194は、両方とも、コンクリートで作られている。フッタ舌部194には、フッタ190と一緒にコンクリートが流し込まれ、その結果、フッタ190とフッタ舌部194は、一体部品となる。フッタ舌部194は、建築パネル112のための継手となるだけでなく、フッタ舌部194は、水分、水、風雨及び他の悪天候要素が建築パネル112とフッタ舌部194との間のインタフェースに侵入するのを阻止する。幾つかの実施形態では、フッタ190及びフッタ舌部194には構造体の外縁部に沿ってコンクリートが流し込まれる。建築パネル112をフッタ190に結合して建築パネル構造体110を形成した後では、たとえ水、水分又は他の風雨が建築パネル112とフッタ190との間の外側インタフェースに侵入した場合であっても、これらは、フッタ舌部194を「登る」ことができず、従って、建築パネル112の他方の側に到達することができない。このように、一体形フッタ舌部194は、建築パネル構造体110のための水分及び悪天候保護手段となる。
【0040】
建築パネルインターロック要素154は、多種多様な形態を取ることができる。幾つかの実施形態では、建物パネルインターロック要素154は、建物パネル舌部である。幾つかの実施形態では、建物パネルインターロック要素154は、舌部又は溝以外の形態をしている。幾つかの実施形態では、建設パネル溝154又はフッタ舌部194は、フッタ舌部194を建築パネル溝154内に保持するのを助けるバーブ(棘)、スパイク、フック又は他の表面特徴部を有する。
フッタインターロック要素194は、多種多様な形態を取ることができる。幾つかの実施形態では、フッタインターロック要素154は、フッタ溝である。幾つかの実施形態では、フッタインターロック要素194は、舌部又は溝以外の形態をしている。
【0041】
図6〜図8に示されている実施形態では、建築パネル構造体110は、まず最初に、一体形フッタ舌部194を含むコンクリートフッタ190を一回のコンクリート流し込みとしてコンクリート打ちすることによって構成される。幾つかの実施形態では、フッタ190を多数回のコンクリート流し込みの状態でコンクリート打ちする。フッタ190及びフッタ舌部194は、結果的にフッタ190及びフッタ舌部194が一体コンクリート部品であるようにする任意の方法を用いて形成される。次に、コンクリート基礎192をコンクリート打ちする場合が多い。フッタ舌部194及び建築パネル溝154を用いて建築パネル112をフッタ190に結合する。建築パネル112を多種多様な仕方で構成すると共にフッタ190に結合することができる。この実施形態では、建築パネル112をオンサイト(現場)で構成してフッタ190に設ける。コア158をフッタ190上に構築し、これをフッタ190に連結する。この実施形態では、骨組130を構築し、そして図6に示されているようにボルト188を用いてこれをフッタ190に連結する。コア158の造形ブロック140を骨組130に結合すると共に互いに結合し、更にフッタ舌部194に結合してフッタ舌部194及び建築パネル溝154を用いてフッタ190に結合されたコア158を形成する。被覆材160をコア158の一部分に被着させる。この実施形態では、被覆材160をコア158の前面124に被着させて建築パネル112の第1の表面114を形成すると共に被覆材160をコア158の後面126に被着させて図示のように建築パネル112の第2の表面116を形成する。幾つかの実施形態では、被覆材160をコア158及びフッタ190に被着させる。
【0042】
建築パネル112は、この実施形態では、コア158の2つの表面、即ち、前面124及び後面126に被着された被覆材160を有する。幾つかの実施形態では、被覆材160をコア158の一方の表面にのみ被着させる。幾つかの実施形態では、被覆材160をコア158の全ての表面に被着させる。被覆材160をコア158の任意の表面又は部分に被着させて本発明の建築パネル112を形成することができる。
【0043】
建築パネル構造体110の幾つかの実施形態では、コア158を構築し、そしてこれを被覆材160で覆って建築パネル112を形成し、その後これをフッタ190に結合する。幾つかの実施形態では、建築パネル112は、オフサイト(現場外)で形成し、これを建築現場まで運んでフッタ190に結合する。幾つかの実施形態では、建築パネル112は、1つ又は2つ以上の側部180の一部分を覆うようコア158に結合された軌道228(図18及び図19)を有する。
【0044】
図6に示された実施形態では、建築パネル112は、上述したようにフッタ190上の定位置に作られる。多数の建築パネル112を複合建築パネル構造体110に追加して任意他の所望の構造体の壁、天井、床、梁、桟を形成することができる。この実施形態では、複合建築パネル112は、建築パネル構造体110の一部をなし、これは、壁である。他の実施形態では、建築パネル112は、建築パネル構造体110に従って他の構造体及び他の建物の一部をなす。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体110は、建物である。他の実施形態では、建築パネル構造体110は、桟である。幾つかの実施形態では、建築パネル構造体110は、構造物である。建築パネル構造体110は、本発明の少なくとも1つの建築パネルで形成された任意寸法形状又は用途の任意の建物、構造物又は大型建造物である。
【0045】
図6〜図8に示されている建物パネル構造体110は、被覆材160が乾燥するやいなや構造的に健全であり、建築パネル112を建築パネル構造体110の残部が形成されている間、外部構造要素が建築パネル112を定位置に保持する必要はない。他形式のフォームブロックパネル構造では、例えば、フォームブロック壁は、構造体全体が形成されて互いに取り付けられるまでは、これら自身を支持することができない。壁は、建設中、外部構造要素によって支持される必要がある。構造体を建設中、一緒に保持するために用いられるこれら外部構造要素は、本発明の建築パネル112を使用する場合には不要である。建築パネルシステム110の一部として毎日形成される建築パネル112は、被覆材160が乾くやいなや構造的に健全であり且つ堅固であり、毎日、構造体全体のどの一部でも完了すれば、これは強固且つ堅固であり、潰れる恐れがない。
【0046】
建築パネル112は、この実施形態では、他形式のフォームブロック壁よりも強固である。コア158及び被覆材160は、建築パネル112を建設中堅固に保持すると共に建物の寿命中、強力な環境上の風雨及び力、例えば風や地震活動に耐える強度を建築パネル構造体110に与える。建築パネル112は、環境に優しく、それにより無駄を少なくした状態で再利用可能な材料を用いてエネルギー効率の良い構造体を形成する。
【0047】
建築パネル112は、建物の壁、床、屋根、天井若しくは任意他の部分又は他の建築パネル構造体110を形成するよう利用できる。本発明の建築パネル構造体11の一部としての建築パネル112は、建物一式であっても良く、建物の一部であっても良い。建築パネル構造体110の一部としての建築パネル112は、橋、フェンス又は他の構造物の一部をなすことができる。
【0048】
図10〜図15は、建築パネル112及び建築パネルシステム110の構成要素の追加の実施形態を示している。図10及び図11は、コア158がコア158の中に埋め込まれた金網272を有する建築パネル112の2つの実施形態の横断面図である。この実施形態では、コア158の骨組130は、垂直骨組部材132を有し、これら垂直骨組部材は、この実施形態では、スチール製の箱形管状柱である。金網272は、図示のように、2つの隣り合う垂直骨組部材132相互間で引き伸ばされた状態でこれらに結合されている。金網272及び垂直骨組部材132を多種多様な仕方で結合することができる。図示の実施形態では、金網272は、L字形ブラケット135に結合されている。L字形ブラケット135は、垂直骨組部材132に結合されている。このように、コア158は、垂直骨組部材132及び金網272を有し、金網272は、2つの隣り合う垂直骨組部材132に結合されている。このように、コア158は、垂直骨組部材132及び金網272を有し、金網272は、2つの隣り合う垂直骨組部材132相互間で引き伸ばされている。ブロック140は、所定形状に切断され、そして垂直骨組部材132及び金網272の周りに配置されている。垂直骨組部材132及び金網272は、ブロック140で覆われている。このように、コア158は、コア158のブロック140の中に埋め込まれた金網272を有している。金網272を多種多様な仕方でL字形ブラケット135に結合することができる。図10では、金網272は、ねじ137を用いてL字形ブラケット135に結合されている。L字形ブラケット135は、溶接によって垂直骨組部材132に結合されている。図11では、金網272は、フック138を用いてL字形ブラケット135に結合されている。L字形ブラケット135は、ねじ137を用いて垂直骨組部材132に結合されている。幾つかの実施形態では、金網272は、他の結合手段を用いて垂直骨組部材132に結合されている。幾つかの実施形態では、金網272は、鎖リンクフェンスである。金網272は、構造強度を建築パネル112に追加している。
【0049】
図12は、C字形溝形材136がコア158のブロック舌部152の中に埋め込まれた建築パネル112の実施形態を示している。図12は、建築パネル112の実施形態の縦断面図であり、コア158、被覆材160及びインターロック要素150を用いてインターロックを行うコア158のブロック140を示しており、インターロック要素は、ブロック溝154及びブロック舌部152を含む。C字形溝形材136は、ブロック舌部152の中に埋め込まれている。これにより、追加の強度がブロック140、コア158及び建築パネル112に与えられている。ブロック舌部152は、C字形溝形材136によって強化されると共に保護されている。これにより、2つのブロック140相互間に強固な連結部が作られ、それによりコア158が一段と強化されている。このように、建築パネル112のコア158は、ブロック舌部152の中に埋め込まれたC字形溝形材136を有している。
【0050】
図13は、建築パネル構造体110の実施形態を示しており、フッタ舌部194及び建築パネル舌部154の変形実施形態を示している。建築パネル構造体110のこの実施形態では、建築パネル112は、建築パネル舌部154を有している。フッタ190は、フッタ舌部194を有している。建築パネル舌部154は、建築パネル112をフッタ190に結合するようフッタ舌部194とインターロックしている。被覆材160は、コア158及びフッタ190を覆っている。被覆材160は、水分がフッタ190とコア158との間に入るのを阻止するバリヤを構成している。しかしながら、たとえ水分が被覆材160に侵入した場合であっても、水分、水及び風雨は、フッタ舌部194を登ることができない。これは、建築パネル構造体110の内部を水、水分及び風雨から保護する。
【0051】
図14及び図15は、建築パネル112が制御接合部142を有する建築パネル112の実施形態を示している。制御接合部142は、被覆材160の亀裂発生を制御すると共に阻止するために用いられる。制御接合部142を建築パネル112上のどの場所でも設けることができ、かかる制御接合部は、どの表面上にも設けられると共にどの方向にも延びることができる。制御接合部142は、建築パネル112又は被覆材160の応力発生領域、亀裂が発生しやすい場所、例えば、窓のコーナー部のところ又は2つの壁が出会う場所若しくは2つのブロック140が出会う場所に設けられる場合が多い。制御接合部142は、コア158に切断形成された切り欠き141及び制御接合部補強メッシュ144を有している。制御接合部142は、被覆材160の亀裂発生を阻止するための制御接合部補強メッシュ144を有している。切り欠き141は、生じた亀裂を特定の所定の方向に差し向けるよう働く。制御接合部補強メッシュ144は、幾つかの実施形態では、金網である。幾つかの実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、ガラス繊維メッシュである。幾つかの実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、他の材料で作られる。制御接合部142を形成するには、切り欠き141をコア158の断熱構造ブロック140に切断形成し、制御接合部補強メッシュ144を制御接合部142のところで被覆材160内に取り付ける。図14は、本発明の制御接合部142が建築パネル112に設けられた三角形の切り欠き141を有する建築パネル112の実施形態を示している。この実施形態では、被覆材160内へのガラス繊維メッシュ170の利用と同様、被覆材160の中塗混合物168が依然として濡れている状態で、制御接合部補強メッシュ144を中塗混合物168の中に埋め込む。制御接合部補強メッシュ144は、切り欠き141を覆うと共に切り欠き141の各側で数インチにわたって覆う場合が多い。特定の実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、切り欠き141の各側で6インチにわたって延びる。制御接合部補強メッシュ144は、制御接合部142のところで被覆材160を強化し、それにより、見苦しい場合があり且つ建築パネル112内への水分及び風雨の侵入を可能にする場合のある亀裂が被覆材160に生じるのを阻止する。このように、建築パネル112は、制御接合部142を有し、制御接合部142は、切り欠き141及び制御接合部補強メッシュ144を有する。
【0052】
図15は、本発明の制御接合部142を備えた建築パネル112の実施形態を示しており、制御接合部142は、建築パネル112に設けられた正方形切り欠き141、バッカロッド232及びシーラント234を有している。本発明の制御接合部142のこの実施形態では、制御接合部補強メッシュ144は、中塗混合物168内へのガラス繊維メッシュ170の利用と同様、被覆材160の中塗混合物168が依然として濡れている状態で、切り欠き141のところで中塗混合物168の中に埋め込まれる。被覆材160が硬化した後、バッカロッド232及びシーラント234は、制御接合部142の切り欠き141を埋めるために用いられる。制御接合部142のこの実施形態は、仕上げ被覆材がいったん被着されると、建築パネル112上に平坦な表面を生じさせる。このように、建築パネル112は、制御接合部142を有し、制御接合部142は、切り欠き141、制御接合部補強メッシュ144、バッカロッド232及びシーラント234を有する。
【0053】
本発明の建築パネル構造体110は、多種多様な形式のコア及び被覆材を備えた建築パネルを有する。図16〜図21は、本発明の建築パネルの追加の実施形態を示している。図16は、本発明の建築パネル212の斜視図である。図17は、図16の建築パネル212のコア258の斜視図である。図18は、図16の建築パネル212に用いられる軌道228の端面図であり、図19は、その斜視図である。図20は、コア258、軌道228及び被覆材260を用いた図16の建築パネル212の横断面図、図21は、その縦断面図である。
【0054】
本発明の建築パネル212は、コア258及びコア258の縁部の一部分を覆っている軌道228を有している。建築パネル212は、図16の実施形態に示されているように、第1の表面214、第2の表面216及び軌道228で覆われた4つの縁部180を有している。この実施形態では、第1の表面214は、内面であり、壁板242を有する。壁板242は、この実施形態では、シートロックで作られている。この実施形態では、第2の表面216は、被覆材260を有する外面である。建築パネル212の幾つかの実施形態では、第1の表面214と第2の表面216の両方は、被覆材260を有する。
【0055】
図17は、図16の建築パネル212に用いられるコア258の斜視図である。コア258は、図17及び図20に示されているように「角張った蛇行」形の骨組230を用いており、断熱構造ブロック240の長方形が骨組230の角の内側の空間を埋めている。骨組230は、この実施形態では、亜鉛めっき鋼板(トタン板)である。幾つかの実施形態では、骨組230は、他形式の金属である。他の実施形態では、骨組230は、他の構造材料、例えば木材、プラスチック又はこれと等価の材料で作られても良い。この実施形態では、断熱構造ブロック240は、1ポンド密度のEPSフォームブロックである。ブロック240に他の材料及び密度を使用することができる。コア258は、建築パネル212を形成するために使用できる一形式のコアの一例である。他の寸法形状の骨組230及びブロック240を用いて建物の必要に応じて建築パネル212のコア258を形成することができる。
【0056】
コア258は、図17に示されている実施形態では、前面176を有し、この前面は、この実施形態では、建築パネル212の第1の表面214を形成するよう壁板242で覆われている。コア258は、この実施形態では、後面178を有し、この後面は、この実施形態では、建築パネル212の第2の表面216を形成するよう被覆材260で覆われている。コア258は、この実施形態では、4つの縁部180を有している。この実施形態では、縁部180は、軌道228で覆われている。このように、コア258は、前面176、後面178及び軌道228で覆われた少なくとも1つの縁部180を有する。このように、コア258は、前面176、後面178及び側部180を有し、コア258には軌道228が結合されている。本発明のコア258は、任意の数、寸法及び形状の表面を有することができ、この場合、「表面」は、側部と縁部の両方を含む。建築パネル212のこの実施形態では、コア258の表面のうちの1つ又は2つ以上の一部分は、被覆材260で覆われている。幾つかの実施形態では、被覆材268は、前面176と後面178の両方に被着されている。幾つかの実施形態では、他の被覆材が前面176又は後面178に被着される。建築パネル212の幾つかの実施形態では、建築パネル212のコア258の表面のうちの1つ又は2つ以上の一部分は、上述したように被覆材160で覆われている。建築パネル212の幾つかの実施形態では、建築パネル212のコア258の表面のうちの1つ又は2つ以上の一部分は、異なる被覆材で覆われる。コア258は、任意の表面の一部分に被着された被覆材、例えば、被覆材260、被覆材160、被覆材360(以下において説明する)又は本発明の別の被覆材を有することができる。これら被覆材は、コア258の表面及び建築パネル212を保護し、強度を建築パネル212に提供し、風雨、悪天候要素及び水分が建築パネル212に浸透しないようにし、しかも任意所望の仕上げ被覆材を被着するための滑らかな見栄えの良い表面を提供する。次に、被覆材260について簡単に説明する。
【0057】
建築パネル212は、コア258及びコア258に結合された軌道228を有する。図18及び図19は、軌道228のこの実施形態の細部を示している。軌道228は、多くの用途を有する。軌道228は、これが覆うコア258の縁面を保護し、建築パネル212を他の建築パネル及び他の構造体に結合する手段となり、所定厚さの被覆材をコア258に被着させるスクリード縁部を提供し、建築パネル212に浸透した水分及び水が建築パネル212から出るようにするための手段となる。
【0058】
軌道228は、ベース部分220を有し、ベース部分220は、コア258の縁部180の一部分を覆っている。この実施形態では、軌道228は、図16、図20及び図21に示されているようにコア258の4つの縁面180の各々に結合されている。この実施形態では、軌道228のベース部分220は、コア258の4つの縁面180を全て覆っている。幾つかの実施形態では、軌道228のベース部分220は、コア258の縁面180のうちの全てではないが幾つかを覆っている。本発明の軌道228のベース部分220は、コア258の1つの縁部180の少なくとも一部分を覆っている。このように、建築パネル212は、前面176、後面178及び縁部180を備えたコア258及びコア258に結合された軌道228を有している。軌道228は、縁部180の一部分を覆っているベース部分220を有している。
【0059】
軌道228のベース部分220は、図18及び図19に示されているように雨水ドレン溝形材250を有している。雨水ドレン溝形材250は、建築パネル212の内部の中に入り込む場合のある水分及び水を集めてこれをウィープホール(水抜き穴)に差し向け、かかるウィープホールにより、水分は、建築パネル212から出ることができる。このように、雨水ドレン溝形材250は、建築パネル212を建築パネル212の腐朽、カビの発生又は劣化を生じさせる場合のある内部水分堆積が生じないようにする。このように、軌道228のベース部分220は、雨水ドレン溝形材250を有する。
【0060】
軌道228は、この実施形態では、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227を有する。コア258は、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227相互間で滑る。第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227は、建築パネル212が形成されている間、軌道228をコア258に結合している。幾つかの実施形態では、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227は、それぞれ、コア258の前面176及び後面178に摩擦係合する。このように、軌道228は、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227を有する。幾つかの実施形態では、軌道228は、第1及び第2の互いに反対側に位置するアーム226,227を備えない。
【0061】
軌道228は、この実施形態では、シールスペーサ溝形材222を有する。シールスペーサ溝形材222は、2つの建築パネル212が図22に示されているようにこれらのそれぞれの軌道228のところで互いに結合されているとき、シール244を収容するよう用いられる。シール244は、2つの建築パネル212相互間に位置する柔軟性で防水性且つ気密性のシールとなる。このように、建築パネル212は、軌道228を有し、軌道228は、シールスペーサ溝形材222を有する。
【0062】
軌道228は、図示の実施形態では、スクリード境界部224を有する。スクリード境界部224は、被覆材、例えば被覆材260又は被覆材160がコア258に被着されているとき、スクリード基準として用いられる。被覆材260は、この実施形態では、第2の表面178にこて塗りされ、そしてスクリード境界部224を用いて平らにされ又は均される。このように、スクリード境界部224は、平らな水平の表面を備えた被覆材260を形成するために用いられ、この表面は、スクリード境界部224により構成される。このように、建築パネル212は、軌道228を有し、軌道228は、スクリード境界部224を有する。軌道228の幾つかの実施形態では、スクリード境界部224が1つだけ軌道228に設けられる。幾つかの実施形態では、軌道228は、スクリード境界部224を全く備えない。
【0063】
図20は、図16の20‐20線で取った建築パネル212の水平断面図であり、図21は、図16の21‐21線で取った建築パネル212の縦断面図である。軌道228は、コア258の端部180に結合されている。コア258の前面176は、建築パネル212の第1の表面214を形成するよう壁板242で覆われている。この実施形態では、壁板242は、5/8インチ壁板である。建築パネル212の第1の表面214は、この実施形態では、内壁を形成するために用いられ、かかる前面には、内部仕上げ、例えばテープ、プラスタ及び/又は塗料が施されるのが良い。幾つかの実施形態では、他の仕上げが用いられる。
【0064】
コア258の後面178には建築パネル212の第2の表面216を形成するよう被覆材260が被着されている。被覆材260は、この実施形態では、中塗混合物168で覆われた金網272の層及び中塗混合物168の中に埋め込まれたガラス繊維メッシュ170を有している。中塗混合物168は、被覆材160と関連して上述したように、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで作られたセメント状混合物である。金網272は、この実施形態では、9ゲージコンクリート金網である。ガラス繊維メッシュ170は、被覆材160と関連して上述したように、中塗混合物168が依然として濡れている間に中塗混合物168の中に埋め込まれる。被覆材260は、エラストマー、繊維状又はアクリル樹脂の仕上げ塗装又は塗膜を含む任意所望の仕上げ被覆材で仕上げされるのが良い。中塗混合物168は、被覆材160と関連して上述したのと同一の成分及びオプションとしての成分を有する。
【0065】
建築パネル212を製作するには、コア258を骨組230及びブロック240から形成し、軌道228をコア258に結合し、壁板242をコア258の前面176に被着させて建築パネル212の第1の表面214を形成し、被覆材260をコア258の後面178に被着させて建築パネル212の第2の表面216を形成する。建築パネル212は、幾つかの実施形態では、他の建築パネルに結合され又は他の構造体に結合され、それにより建築パネル構造体110が形成される。
【0066】
建築パネル212は、軽量であり、耐久性があり、環境に優しく、強固であり、エネルギー効率が良くしかも構成可能である。建築パネル212は、商業用建物の壁及び他の構造体に用いられる場合が多い。骨組230及び被覆材260は、強度を建築パネル212に提供する。断熱構造EPSフォームブロック240は、再利用可能な資源を用いた材料にエネルギー効率を提供する。幾つかの実施形態では、被覆材260は、建築パネル212の両面に被着される。幾つかの実施形態では、他の被覆材が建築パネル212の一方の面又は両面に用いられる。建築パネル212は、所望の寸法形状の建物、構造体、大型建造物、梁、フェンス等を形成するよう任意の寸法形状で形成できる。ユーティリティ及び接近穴が必要に応じて建築パネル212に又はこれを貫通して切断形成される。建築パネル212は、この実施形態では、あらかじめ製作され、そして建設現場まで組み立て状態で運ばれる。幾つかの実施形態では、建築パネル212は、建設現場で製作される。
【0067】
図22及び図23は、建築パネル212を互いに且つ他の構造体にどのように結合すれば良いかの例を示している。図22は、本発明に従って軌道と軌道を連結させた状態の2つの建築パネル212の断面図である。図23は、本発明に従ってコンクリート基礎192に連結された建築パネル212の断面図である。図22は、軌道228を互いに付き合わすことにより端と端とを付き合わせた状態で連結された2つの建築パネル212を示しており、ゴムシールスペーサ244及びバッカロッド232が図示のようにこれら軌道相互間に位置している。シールスペーサ244は、2つの隣り合うシールスペーサ溝形材222相互間に配置され、2つの軌道228相互間に柔軟性シーラントを提供している。バッカロッド232は、軌道228の各端部のための間隔を提供している。シーラント234は、2つの軌道228相互間の空間を満たすために用いられている。この実施形態では、コーキング材がシーラント234として用いられている。幾つかの実施形態では、構造体の使用に応じて、コーキング材以外のシーラントがシーラント234として用いられている。雨水ドレン溝形材250は、2つの建築パネル212相互間の水分を集めてこれを排出する。このようにして、建築パネル212の内部に偶然入り込んだ水、水分又は他の流体が除去され、腐食及び腐朽が起こらないようになる。
【0068】
図23は、コンクリート基礎192に結合された建築パネル212を示している。幾つかの実施形態では、建築パネル212は、コンクリートフッタ190に結合されている。図示の実施形態では、ビチュータン(bituthane)シール238がコンクリート基礎192に被着され、次にドリップフラッシング又は雨押え236が取り付けられる。軌道228は、雨押え236上に配置され、これら相互間にはバッカロッド232が配置される。アンカーボルト294が建築パネル212をコンクリート基礎192に機械的に結合するために用いられている。この実施形態では、アンカーボルト294への連結のためにナット、スペーサ及びワッシャ296が用いられている。シーラント234が空間を満たして連結部を封止するために用いられている。雨水ドレン溝形材250は、水分及び水を集めてこれをウィープホールに差し向け、水分及び水は、ここから逃げ出るようになる。
図24〜図27は、本発明の建築パネルの別の実施形態を示している。図24は、本発明の建築パネル312の斜視図である。図25は、図24の建築パネル312のコア358の斜視図である。図26は、図24の建築パネル312の横断面図であり、図27は、その縦断面図である。建築パネル312は、本発明の建築パネル312の骨組330への接近手段となるよう接近溝形材280を用いている。骨組330への接近手段は、多くの目的で利用できる。幾つかの実施形態では、骨組330への接近手段は、建設パネル312を他の構造体、例えば床、壁又は他の建築パネルに相互に連結するために用いられる。
【0069】
建築パネル312は、コア358及び被覆材360を有し、被覆材360は、コア358の一部分を覆っている。建築パネル312は、コア358の縁部を覆っている軌道228を有している。建築パネル312は、壁板242を有する第1の表面314及び第2の表面316を有し、第2の表面316は、被覆材360を有している。
【0070】
コア358は、角張った蛇行した形の骨組330を用いており、図25及び図26に示されているようにコア358の一方の側部に用いられている断熱構造ブロック340は、他方の側部に用いられている断熱構造ブロックよりも厚い。コア358は、前面374及び後面376を有している。この実施形態では、断熱構造ブロック340は、コア358の前面374に設けられている厚さよりもコア358の後面376に設けられている厚さの方が厚い。ブロック340は、この実施形態では、ねじ256及び圧力スプレッダ254により骨組330に保持されている。圧力スプレッダ254(幾つかの圧力スプレッダのうちの1つはこの符号がつけられている)、ねじ256(数本のねじのうちの1つにはこの符号がつけられている)の圧力をブロック340の領域全体にわたって分散させ、それにより、圧力スプレッダ254は、ブロック340をつかみ、これを骨組330に保持することができる。圧力スプレッダ254が設けられなければ、ねじ256は、ブロック340を骨組330に保持するのではなく、断熱構造ブロック340に穴を作る場合がある。この実施形態では、ねじ256及び圧力スプレッダ254は、ワインドロック・カンパニー(Windlock company)から入手できる。
【0071】
図26は、図24の26‐26線に沿って取った建設パネル312の横断面図である。図27は、図24の27‐27線に沿って取った建設パネル312の縦断面図である。複合建設パネル312のこの実施形態における第1の表面314は、コア358の前面374に結合された壁板242を有している。建設パネル312の第2の表面316は、コア358の後面376を覆っている被覆材360を有している。被覆材360は、この実施形態では、「合成スタッコ」仕上げであり、これは、この実施形態では、屋外取り付け及び仕上げシステム(Exterior Insulation and Finish System: EIFS)被覆材である。この実施形態では、被覆材360は、ポリマーを主成分とする接着剤274の中に埋め込まれたガラス繊維メッシュ170、例えばドライビット社により製造されたPrimusで作られている。仕上げ被覆材が壁板242及び被覆材360に被着されるのが良い。理解されるべきこととして、幾つかの実施形態では、上述の被覆材160をコア358の前面374及び/又は後面376に被着させることができる。複合建築パネル312の幾つかの実施形態では、第1の側部又は表面314及び/又は第2の側部又は表面316は、被覆材160を有する。理解されるべきこととして、幾つかの実施形態では、上述の被覆材260をコア358の前面374及び/又は後面376に被着させることができる。複合建築パネル312の幾つかの実施形態では、第1の側部又は表面314及び/又は第2の側部又は表面316は、被覆材260を有する。建築パネル312の幾つかの実施形態では、被覆材160、被覆材260又は他の被覆材が建築パネル312を形成するようコア358の一部分に被着される。
【0072】
図24〜図27に示された建築パネル312の実施形態では、コア358と被覆材360の両方は、強度及び安定性を建築パネル312に提供する。建築パネル312は、多くの建築用途、例えば商業用又は住居用建築用途(これらには限定されない)に利用可能である。建築パネル312は、軽量且つ高強度の建築パネル312に優れたエネルギー効率性を提供する。建築パネル312に浸透した水分又は水は、軌道228の雨水ドレン溝形材250を通ってウィープホールまで水平そして垂直に送られ、水分又は水は、これらウィープホールから構造体を出る。
【0073】
接近溝形材280は、開口部284のところで終端して壁板242を封止するために用いられ、開口部284は、この実施形態では、床構造体を骨組330に連結するためのものである。この実施形態では、接近溝形材280は、2インチ×2インチ亜鉛めっき鋼板溝形材であり、これを骨組330に溶接し又はボルト止めするのが良い。これにより、後には開口部284が残り、この開口部のところでは、壁板242は、骨組330及びブロック340を覆っていない。この実施形態では、開口部284は、高さが12インチであり、かかる開口部により、床構造体を骨組330に連結することができる。幾つかの実施形態では、開口部284は、特定の設計及び建築中の構造体に応じて、他の構造要素を骨組330に結合するために用いられる。幾つかの実施形態では、開口部284は、種々の構造要素又は他の建築パネル、例えば建築パネル112,212又は312(これらには限定されない)への連結を可能にする他の形状又は寸法のものである。このように、建築パネル312は、開口部284を有し、開口部284により、骨組330への接近が可能である。
【0074】
本明細書において提供されている複合建築パネル112,212,312及び結合パネル構造体110の特定の実施形態が網羅的であると考えられるべきではない。開示した部分及び層は、本発明に従って所望の構造体及び大型建造物を構築する上で必要ならば区別なく使用できる。任意寸法、厚さ、形状及び強度の建築パネルは、開示した種々のコンポーネントを交換することにより形成できる。理解されるべきこととして、本明細書において説明したコア、被覆材及び軌道は、本発明に従って建築パネル構造体110を構成する上で区別なく利用できる。
【0075】
図28は、本発明に従って建築パネル構造体を形成する方法400を示している。方法400は、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップ402を有する。方法400は、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップ404を更に有している。方法400は、外側主中塗層を下塗層上に被着させるステップ406を有し、外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する。
【0076】
方法400は、他の多くのステップを有しても良い。幾つかの実施形態では、方法400は、一体形フッタ舌部を備えたフッタにコンクリートを流し込み、コアをフッタ舌部に結合するステップを有し、コアは、建築パネル溝を有する。幾つかの実施形態では、方法400は、軌道をコアに結合するステップを有し、軌道は、雨水ドレン溝形材を有する。幾つかの実施形態では、方法400は、多数の建設パネルを互いに連結するステップを有する。幾つかの実施形態では、方法400は、相互連結要素を用いて建築パネルを基礎に連結するステップを有する。幾つかの実施形態では、多数の建築パネルを相互に連結するステップは、2つ又は3つ以上の建築パネルの軌道を互いに連結することにより多数の建築パネルを互いに連結するステップを有する。幾つかの実施形態では、建築パネルを基礎に連結するステップは、建築パネル軌道を基礎に連結するステップを含む。
【0077】
骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップ402は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成することは、骨組を1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込むことを意味する。幾つかの実施形態では、1つ又は2つ以上のブロックは、発泡ポリスチレンフォームで構成される。幾つかの実施形態では、ステップ402は、断熱構造ブロックを所定形状に切断するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、構造部材を立設するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、金網を2つの構造部材相互間で引き伸ばすステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、構造要素を亜鉛めっき鋼板から形成するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、相互連結要素を用いてブロックと骨組を互いに連結するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、C字形溝形材をブロックの舌部相互連結要素に結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、ユーティリティ接近路を骨組又はブロックに切断形成するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ402は、制御接合部切り欠きをブロックに切断形成するステップを含む。
【0078】
内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップ404は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、ステップ404は、アクリル系改質セメント状メンブレンをコアに被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、2つの層からなる。幾つかの実施形態では、下塗層は、第1の下塗層A及び第2の下塗層Bを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤及び水を含む第1の下塗層A混合物を生じさせるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第1の下塗層A混合物をコアの一部分上に吹き付けるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第1の下塗層A混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む第2の下塗層B中塗混合物を生じさせるステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層B中塗混合物を第1の下塗層A上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層B中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを第2の下塗層B中塗混合物の中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層B中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層B中塗混合物骨材は、バーミキュライトを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層は、1/8インチ厚さのものである。幾つかの実施形態では、内側下塗層を被着させるステップは、金網を第1の下塗層Aの中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、内側下塗層を被着させるステップは、金網を第2の下塗層Bの中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、金網は、9ゲージコンクリート金網である。
【0079】
外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップ406は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、ステップ406は、金網を内側下塗層に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む主中塗層中塗混合物を生じさせるステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物を内側下塗層上にこて塗りするステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを主中塗層中塗混合物の中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が硬化することができるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、2種類の砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、パーライトを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物骨材は、バーミキュライトを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層中塗混合物は、他の成分を含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層を下塗層上にこて塗りして外側主中塗層が1/4インチ厚さになるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、外側主中塗層を内側下塗層に被着させるステップは、主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、制御接合部補強メッシュを制御接合部切り欠き上で主中塗層中塗混合物の中に埋め込むステップを含む。
【0080】
図29は、構造体を形成する方法440を示しており、この方法440は、建設パネルを形成するステップ442、雨水ドレン溝形材を有する軌道を建設パネルに結合するステップ444及び多数の建設パネルを互いに連結して構造体を形成するステップ446を有する。
【0081】
方法440は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、方法440は、軌道を備えた建設パネルをフッタに結合するステップを含む。
【0082】
建設パネルを形成するステップ442は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、建設パネルを形成するステップ442は、骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを備えたコアを形成し、被覆材をコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、主中塗層をコアの一部分に被着させるステップを含み、主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドで構成されている。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、主中塗層が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを主中塗層の中に埋め込むステップを含む。幾つかの実施形態では、主中塗層は、金網を含む。幾つかの実施形態では、被覆材をコアの一部分に被着させるステップは、下塗層をコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、金網を含む。幾つかの実施形態では、下塗層は、2つの層を含む。幾つかの実施形態では、下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第1の下塗層Aをコアの一部分に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、第1の下塗層Aは、コアに吹き付けられる。幾つかの実施形態では、第1の下塗層Aは、セメント、骨材及びアクリル系結合剤を含む。幾つかの実施形態では、下塗層をコアの一部分に被着させるステップは、第2の下塗層Bを第1の下塗層Aに被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層Bは、セメント、骨材、アクリル系結合剤及びガラス繊維ストランドを含む。幾つかの実施形態では、第2の下塗層Bは、ガラス繊維メッシュを更に含む。幾つかの実施形態では、ガラス繊維メッシュは、第2の下塗層Bが依然として濡れている状態で、第2の下塗層Bの中に埋め込まれる。
【0083】
軌道を建築パネルに結合するステップ444は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、軌道を建築パネルに結合するステップは、軌道の第1及び第2の互いに反対側に位置するアームをコアに結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、コアの第1及び第2の互いに反対側に位置するアームは、それぞれ、コアの前面及び後面に摩擦係合する。ステップ444の幾つかの実施形態では、軌道は、シールスペーサ溝形材を含む。ステップ444の幾つかの実施形態では、軌道は、スクリード境界部を含む。
【0084】
多数の建築パネルを互いに連結して構造体を形成するステップ446は、他の多くのステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、ステップ446は、第1の建築パネルの軌道を第2の建築パネルの軌道に結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ446は、建設パネルをフッタに結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ446は、建設パネル溝をフッタ舌部に結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ステップ446は、建設パネルに設けられた開口部を用いて建設パネルを床に結合するステップを含み、開口部は、骨組要素への接近を可能にする。ステップ446の幾つかの実施形態では、建設パネルは、壁を形成するよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、屋根を形成するよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、水が雨水ドレン溝形材を通って差し向けられて構造体を出るよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、コアが基礎に連結されるよう互いに連結される。幾つかの実施形態では、建設パネルは、コアがフッタに連結されるよう互いに連結される。
【0085】
本明細書において説明した実施形態及び実施例は、本発明及びその実際の用途を最も良く説明し、それにより当業者が本発明を構成すると共に利用することができるようにするために与えられている。しかしながら、当業者であれば認識されるように、上述の説明及び実施例は、説明及び例示目的にのみ与えられている。上述の説明は、網羅的ではなく、或いは、本発明を開示した形態そのものに制限するものではない。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく上述の教示に照らして多くの改造例及び変形例が想到可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築パネルであって、前面、後面及び側面を備えたコアと、前記前面又は前記後面の少なくとも一部分を覆っている被覆材とを備え、
前記被覆材は、内側下塗層及び外側主中塗層を備え、
前記外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを更に備える、建築パネル。
【請求項2】
前記内側下塗層は、少なくとも2つの層を備え、
該層は、本質的にセメント、骨材及びアクリル系結合剤から成る第1の下塗層A及びセメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する第2の下塗層Bを備える、請求項1記載の建築パネル。
【請求項3】
前記内側下塗層は、金網を含む、請求項1記載の建築パネル。
【請求項4】
前記外側主中塗層骨材は、パーライトを含む、請求項1記載の建築パネル。
【請求項5】
前記外側主中塗層骨材は、砂を含む、請求項1記載の建築パネル。
【請求項6】
前記コアは、骨組と、前記骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックとを備える、請求項2記載の建築パネル。
【請求項7】
前記断熱構造ブロックは、発泡ポリスチレンフォームで構成されている、請求項6記載の建築パネル。
【請求項8】
前記骨組は、前記1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込まれている、請求項6記載の建築パネル。
【請求項9】
建築パネル構造体であって、
建築パネル溝を備えた建築パネルと、
一体形フッタ舌部を備えたフッタとを有し、前記建築パネル溝は、前記フッタ舌部に結合されている、建築パネル構造体。
【請求項10】
前記フッタ及び前記フッタ舌部は、コンクリートで作られている、請求項9記載の建築パネル構造体。
【請求項11】
前記建築パネルは、
前面、後面及び側面を備えたコアと、
前記前面又は前記後面の少なくとも一部分を覆っている被覆材とを更に備える、請求項10記載の建築パネル構造体。
【請求項12】
前記コアに結合された軌道を更に備え、前記軌道は、側部の一部分を覆っているベース部分と、前記ベース部分内に形成された雨水ドレン溝形材とを備える、請求項11記載の建築パネル構造体。
【請求項13】
前記軌道は、シールスペーサ溝形材を更に備える、請求項12記載の建築パネル構造体。
【請求項14】
前記軌道は、スクリード境界部を更に備える、請求項13記載の建築パネル構造体。
【請求項15】
前記コアは、骨組と、前記骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックとを含む、請求項2記載の建築パネル構造体。
【請求項16】
前記被覆材は、
内側下塗層を備え、前記内側下塗層は、
本質的にセメント、骨材及びアクリル系結合剤から成る第1の下塗層A及びセメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する第2の下塗層Bを含み、
外側主中塗層を有し、前記外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む、請求項15記載の建築パネル構造体。
【請求項17】
建築パネル構造体を形成する方法であって、
骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップと、
内側下塗層を前記コアの一部分に貼り付けるステップと、
外側主中塗層を前記内側下塗層に被着させるステップとを備え、前記外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む、方法。
【請求項18】
内側下塗層を前記コアの一部分に貼り付けるステップは、
セメント、骨材、アクリル系結合剤及び水を含む第1の下塗層A混合物を作るステップと、
前記第1の下塗層A混合物を前記コアの一部分に吹き付けるステップと、
前記第1の下塗層A混合物が硬化することができるようにするステップと、
セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む第2の下塗層B中塗混合物を作るステップと、
前記第2の下塗層B中塗混合物を前記第1の下塗層A上にこて塗りするステップと、
前記第2の下塗層B中塗混合物がまだ濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを前記第2の下塗層B中塗混合物中に埋め込むステップと、
前記第2の下塗層B中塗混合物が硬化することができるようにするステップとを更に含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
外側主中塗層を前記内側下塗層に被着させるステップは、
セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む主中塗層中塗混合物を作るステップと、
前記主中塗層中塗混合物を前記内側下塗層上にこて塗りするステップと、
前記主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを前記主中塗層中塗混合物中に埋め込むステップと、
前記主中塗層中塗混合物が硬化することができるようにするステップとを更に含む、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記主中塗層中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む、請求項19記載の方法。
【請求項1】
建築パネルであって、前面、後面及び側面を備えたコアと、前記前面又は前記後面の少なくとも一部分を覆っている被覆材とを備え、
前記被覆材は、内側下塗層及び外側主中塗層を備え、
前記外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを更に備える、建築パネル。
【請求項2】
前記内側下塗層は、少なくとも2つの層を備え、
該層は、本質的にセメント、骨材及びアクリル系結合剤から成る第1の下塗層A及びセメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する第2の下塗層Bを備える、請求項1記載の建築パネル。
【請求項3】
前記内側下塗層は、金網を含む、請求項1記載の建築パネル。
【請求項4】
前記外側主中塗層骨材は、パーライトを含む、請求項1記載の建築パネル。
【請求項5】
前記外側主中塗層骨材は、砂を含む、請求項1記載の建築パネル。
【請求項6】
前記コアは、骨組と、前記骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックとを備える、請求項2記載の建築パネル。
【請求項7】
前記断熱構造ブロックは、発泡ポリスチレンフォームで構成されている、請求項6記載の建築パネル。
【請求項8】
前記骨組は、前記1つ又は2つ以上の断熱構造ブロック内に埋め込まれている、請求項6記載の建築パネル。
【請求項9】
建築パネル構造体であって、
建築パネル溝を備えた建築パネルと、
一体形フッタ舌部を備えたフッタとを有し、前記建築パネル溝は、前記フッタ舌部に結合されている、建築パネル構造体。
【請求項10】
前記フッタ及び前記フッタ舌部は、コンクリートで作られている、請求項9記載の建築パネル構造体。
【請求項11】
前記建築パネルは、
前面、後面及び側面を備えたコアと、
前記前面又は前記後面の少なくとも一部分を覆っている被覆材とを更に備える、請求項10記載の建築パネル構造体。
【請求項12】
前記コアに結合された軌道を更に備え、前記軌道は、側部の一部分を覆っているベース部分と、前記ベース部分内に形成された雨水ドレン溝形材とを備える、請求項11記載の建築パネル構造体。
【請求項13】
前記軌道は、シールスペーサ溝形材を更に備える、請求項12記載の建築パネル構造体。
【請求項14】
前記軌道は、スクリード境界部を更に備える、請求項13記載の建築パネル構造体。
【請求項15】
前記コアは、骨組と、前記骨組に結合された1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックとを含む、請求項2記載の建築パネル構造体。
【請求項16】
前記被覆材は、
内側下塗層を備え、前記内側下塗層は、
本質的にセメント、骨材及びアクリル系結合剤から成る第1の下塗層A及びセメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを有する第2の下塗層Bを含み、
外側主中塗層を有し、前記外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む、請求項15記載の建築パネル構造体。
【請求項17】
建築パネル構造体を形成する方法であって、
骨組及び1つ又は2つ以上の断熱構造ブロックを用いてコアを形成するステップと、
内側下塗層を前記コアの一部分に貼り付けるステップと、
外側主中塗層を前記内側下塗層に被着させるステップとを備え、前記外側主中塗層は、セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及びガラス繊維メッシュを含む、方法。
【請求項18】
内側下塗層を前記コアの一部分に貼り付けるステップは、
セメント、骨材、アクリル系結合剤及び水を含む第1の下塗層A混合物を作るステップと、
前記第1の下塗層A混合物を前記コアの一部分に吹き付けるステップと、
前記第1の下塗層A混合物が硬化することができるようにするステップと、
セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む第2の下塗層B中塗混合物を作るステップと、
前記第2の下塗層B中塗混合物を前記第1の下塗層A上にこて塗りするステップと、
前記第2の下塗層B中塗混合物がまだ濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを前記第2の下塗層B中塗混合物中に埋め込むステップと、
前記第2の下塗層B中塗混合物が硬化することができるようにするステップとを更に含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
外側主中塗層を前記内側下塗層に被着させるステップは、
セメント、骨材、アクリル系結合剤、ガラス繊維ストランド及び水を含む主中塗層中塗混合物を作るステップと、
前記主中塗層中塗混合物を前記内側下塗層上にこて塗りするステップと、
前記主中塗層中塗混合物が依然として濡れている状態で、ガラス繊維メッシュを前記主中塗層中塗混合物中に埋め込むステップと、
前記主中塗層中塗混合物が硬化することができるようにするステップとを更に含む、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記主中塗層中塗混合物骨材は、20粒度砂及び30粒度砂を含む、請求項19記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図22】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2013−517402(P2013−517402A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550024(P2012−550024)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020563
【国際公開番号】WO2011/090835
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190527)プロプスト ファミリー リミテッド パートナーシップ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020563
【国際公開番号】WO2011/090835
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190527)プロプスト ファミリー リミテッド パートナーシップ (1)
【Fターム(参考)】
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