説明

複合材料シェルを備える可変クラウンロール

【課題】ロールが組み立てられている間にシェルを研磨し得る可変クラウンロールを提供する。
【解決手段】ロールは、固定トラニオン(9)と、固定トラニオンの周りを回転する複合材料シェル(10)とを有し、複合材料シェルは、第一端部及び第二端部と、シェルに負荷を加えるために、固定トラニオン上で支持される負荷素子(Z)とを有する。負荷素子は、第一シリンダ(11)と、第一シリンダに嵌入された第一ピストン(12)と、第一ピストン上で支持された少なくとも1つの摺動シュー(20)とを含む。ロールが少なくとも1つの負荷素子と結合して適合される少なくとも1つの係止装置も含むことで、少なくとも1つの負荷素子を、係止装置(100,300,400)によって、所望の位置に係止し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前文に従った方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は請求項5の前文に従ったロールに関する。
【背景技術】
【0003】
複合材料シェルを備えた可変クラウンロールは、例えば、米国特許第5,897,476号及び第5,785,636号に記載されている。
【0004】
複合材料シェルを備えたロールにおける1つの問題は、複合材料シェルの壁厚の不規則性である。複合材料シェルを備えたロールの製造プロセスを十分に良好に管理し得ないので、シェルの壁は一様に厚い。製造プロセスでは、種々の張力がシェル内に生成され、シェル形状に偏差を招く。厚さ偏差は複合材料シェルを備えた可変クラウンロールで特に問題である。例えば、カレンダ上で、そのようなロールのシェルの円周方向における厚さ偏差は、ニップの線負荷の偏差を招く。次いで、これは紙特性に不利な影響を有し、例えば、長手厚さ偏差及び製造品における不均一な光沢を招く。
【0005】
従来技術の目標は、シェルの外面を直線的に研磨することであるが、シェルの内面は直線的ではないので、外面が直線的ではあるが、厚さ偏差は依然として残存する。シェルが研磨支持体に締結されるよう、シェル上に別個の研磨端を据え付けることによってロールが組み立てられる前に、研磨を遂行し得る。それ独自の軸受を用いてロールを研磨支持体に締結することによって、ロールが一旦組み立てられたときにも、研磨を遂行し得る。ロールが組み立てられると、研磨中のシェルの反りを防止し得るよう研磨中にロールの負荷素子に負荷が加えられるよう研磨を遂行し得る。動作条件及び製造される紙等級に依存して、製造中に用いられるロールは1〜4ヶ月毎に再研磨されなければならない。研磨のために、ロールは適用から取り外され、その代わりに新しいロールが据え付けられる。この後、ロールは研磨され、然る後、ロールの次の変更を待つために、ロールは予備ロールとして移される。ロールの分解、シェルの取外し、ロールの再組立て、及び、シェルの再取付けは一層の労力及び時間を要する。このため、ロールの組み立てられている間にロールを研磨することがずっと容易且つ迅速である。
【0006】
ドイツ国特許公報19915224号は、複合材料シェルを備える可変クラウンロールの外面を研磨するための1つの方法を提示している。研磨は、円筒形の研磨石を用いて遂行される。研磨石は、研磨位置で複合材料シェルの外面に対して特定の研磨圧で押圧される。研磨位置に位置する固定支持体が、複合材料シェルの内面とロールのトラニオンとの間に据え付けられる。固定支持体は、複合材料シェルが研磨位置で膨らむことを防止する。ロールのシェルがロールの軸方向における所定位置に留まり、研磨石がロールの軸方向に移動するよう、研磨が行われる。よって、固定支持体は、複合材料シェルの軸方向の全長を超えて延びる。研磨石がロールの軸方向における所定位置に留まり、複合材料シェルが研磨中にロールの軸方向に移動されるようにも、研磨を遂行し得る。これは、研磨中に、シェルが、ロールのシェルの軸方向長さの少なくとも2倍ほどの長さのトラニオンの上に位置することを必要とする。双方の選択肢において、固定支持体は、ロールとは反対側のロールの負荷シューに位置する。ロールのシェルは、負荷シューによって固定支持体の摺動面に対して締め付けられる。この解決策では、ロールは研磨のための別個の支持素子を備えることが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明に従った解決策は、ロールが組み立てられている間にシェルを研磨し得るので、シェル研磨において別個の支持素子を必要としない。
【0008】
本発明の1つの実施態様では、ロールのシェルの研磨前に、ロールは分解される必要がなく、何もそれに加えられる必要がなく、或いは、何もそれから取り除かれる必要がない。ロールをその適用から取り外し、そのような研磨のための研磨ステーションに持って行くことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従った方法の主要な特徴的機能は、請求項1の特徴部分に記載されている。
【0010】
本発明に従ったロールの主要な特徴的機能は、請求項5の特徴部分に記載されている。
【0011】
本発明に従った解決策において、少なくとも1つの係止装置が少なくとも1つの負荷素子と結合してロール内に適合されることで、負荷素子は係止装置によって所望位置に係止され得る。よって、負荷素子の摺動シューは特定の研磨位置に係止され得る。然る後、研磨はロールのニップレベルで遂行される。
【0012】
本発明の1つの好適実施態様によれば、3つの負荷素子の摺動シューは、シェル研磨期間に亘って特定位置に係止される。係止された負荷素子は、ロールの軸方向における中央地点、中央地点とシェルの第一端部との間、及び、中央地点とシェルの第二端部との間に位置付けられる。シェルの軸長上で等間隔に位置するこれらの3つの負荷素子は、ロールのシェル上に所望のクラウンを達成し得るような位置、例えば、中央に位置する係止負荷素子に関しては3.5mm、側方に位置する係止負荷素子に関しては2.5mmに係止される。他の負荷素子のための支持圧力は、シェル形状がクラウン形状に対応するよう設定される。係止負荷素子の数はロールのシェルの軸長に依存する。短いシェルのためには、単一の係止負荷素子で十分であり得るが、長いロールは少なくとも3つの負荷素子を必要とする。
【0013】
本発明に従った解決策の目標は、ロールのシェルの厚さが、各負荷素子で、シェルの円周方向に一定に保たれることである。よって、シェルは必ずしもロールの軸方向の全体に亘って精密に均一な厚さを有する必要がなく、小さな偏差が軸方向に起こり得る。シェルの外面は直線的である必要もなく、湾曲してもよく、その場合には、シェルの円周方向におけるシェルの厚さが各負荷素子で一定に保たれるよう、シェルの内面も相応して湾曲する。複合材料シェルを備える可変クラウンロールは、各負荷素子で、シェルの円周方向において約0.1mmの厚さ偏差が許容される。ロールの軸方向において、シェルの厚さ偏差は約0.2〜0.4mmであり得る。
【0014】
同一の1バールの負荷圧力がロールの全ての負荷素子に加えられるよう、可変クラウンロールのシェルの外面が研磨されるとき、1回転当たり、0.42mmの振れが円周方向においてシェルの軸方向における中央に残存する。研磨前、円周方向において、シェルの軸方向における中央の振れは、0.50mmであった。シェルが係止なしの負荷素子のみによって支持されたとき、研磨は余り振れを削減しなかった。これは、ある程度の厚さ偏差が円周方向においてシェルに残存したからである。1バールの負荷圧力の一定力がシェルに働く。これは軸方向においてシェルの中央地点に約1.5mmのクラウンをもたらした。シェルの内面におけるクラウンが研磨石の方向にあるとき、クラウンは2.0mmであり、シェルの内面におけるクラウンが研磨石の反対側にあるとき、研磨石でのクラウンは1.0mmである。標準的な負荷圧力は標準的なクラウンをもたらし、それは各回転中にシェルの内面におけるクラウンによって増減する。これがこの種類の方法を用いることによって研磨が余り向上しない理由である。
【0015】
負荷素子を固定位置、例えば、中央にあるシェルの反りが4mmである場所に係止し得るよう、中央の負荷素子に係止を配置することによって、状況は改善される。研磨中、他の負荷素子のために、1バールの負荷圧力が設定される。研磨後、シェルの円周方向における最大振れは今やシェルの軸方向の中央地点とシェルの両端との間で生じ、その大きさは0.13mmである。振れの故に摺動シューの支持圧力に変換される固定負荷素子の支持力は、この場合には3.8〜6.4バールであった。換言すれば、各回転中の圧力偏差は2.6バールである。
【0016】
中央負荷素子のみならず、中央素子と両端との間の中央地点に位置する負荷素子にも係止を配置することによって、状況はさらに改善される。シェルに4mmのクラウンをもたらすために中央シューが用いられ、シェルに3mmのクラウンをもたらすために1/4シューが用いられる。研磨中、他の負荷素子のために、1バールの負荷圧力が設定される。シェルの円周方向における振れは今や0.06mmの値に削減される。固定負荷素子の摺動シューの圧力に変換される支持力は、中央シューにおいて3.5〜5.0バールであったが、これは1.5バールの圧力偏差を意味し、1/4シューの圧力は1.1〜2.5バールであったが、これは1.4バールの圧力偏差を意味する。
【0017】
研磨中、固定された負荷素子の支持力が常に押圧し続けること、及び、他の負荷素子がシェルを支持形状から逸れて負荷しないことが保証されなければならない。加圧中にシェルの外面のシフトを測定することによって、これを確認し得る。第一段階では、非係止の負荷素子が1バールの圧力に加圧され、1回転中のシェルの軸方向の中央地点でのシェル外面のシフトが測定される。第二段階では、係止された負荷素子が加圧され、1回転中のシェルの軸方向の中央地点でのシェル外面のシフトが再び測定される。固定負荷素子が常に押圧し続けるよう、第二段階中に測定されるシェルの軸方向の中央地点でのシフトと、第一段階中に測定されるシェルの軸方向の中央地点でのシフトとの差は、シェルの内面の円周方向における厚さ偏差の最大値よりも大きくなければならない。
【0018】
以下に、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、複合材料シェルを備えた可変クラウンロールを示しており、ロールは、固定トラニオン9と、複合材料、即ち、強化繊維ポリマー材料から成り、且つ、トラニオンの周りで回転するシェル10とを有する。シェルは、水圧負荷素子Zによってトラニオンの上に支持されている。ロール上の負荷素子の数はnであり、この場合には、ロールの長さ及び個々の負荷素子Zの長さに依存して、n=8〜100であり、負荷素子は軸方向に並んで、換言すれば、可能な限り互いに接近して位置している。各負荷素子Zは、独自の個別調節された水圧媒体を備えるのが好ましい。円周方向におけるシェル10の典型的な厚さ偏差がより良く提示されるよう、シェル10の形状は図面中で誇張されている。換言すれば、典型的には、シェル10は、軸方向における中心地点で、頂部が底部よりも厚いのに対し、状況はシェル10の端部では逆である。
【0020】
図2は、研磨位置にある複合材料シェルを備えた可変クラウンロールを示している。図面は、ロールの軸方向における中央の負荷素子Z24、及び、中央地点と両端部との間の中央地点に位置する負荷素子Z12,Z38のみを示している。図面は、シェル10の外面を研磨する円筒形の研磨石200も示している。ロールの軸方向に研磨石200を移動し得る。図面に示される負荷素子Z12,Z24,Z38は係止装置(図3乃至5に提示されている)を備え、負荷素子は係止装置によって所望位置に係止される。これらの負荷素子Z12,Z24,Z38を用いることで、研磨のために、ロールのシェル10上に所望のクラウンを達成し得る。
【0021】
図3は、可変クラウンロールの負荷素子Z12,Z24,Z38の一部と、それに嵌合される係止装置100とを示している。負荷素子は、第一シリンダ11と、第一ピストン12とを含み、図面にはその一部のみが提示されている。第一ピストン12は、第一封止14によって第一シリンダ11に封入され、第一シリンダ11内の第一ピストン12の経路は矢印S1で印されている。第一ピストン12の下部スカートには、第一開口13がある。
【0022】
係止装置100は、第二シリンダ101と、第二シリンダ101に嵌入された第二ピストン102と、第二ピストン102に嵌入された係止ピン103とを含む。第二シリンダ101の長手軸は、第一シリンダ11の長手軸に対して90度の角度にある。第二ピストン102は第二封止104によって第二シリンダに封入され、第二ピストン102の経路、及び、第二シリンダ101内で第二ピストンに締結された係止ピン103の経路は、矢印S2で印されている。第二シリンダ101の頂端部は、ボーリング105によって第一シリンダ11の側面に接続されている。第二ピストン102が最下部位置にあるとき、係止ピン103が第一シリンダ11の完全に外側に留まり、且つ、第二ピストン102が最上方位置にあるとき、係止ピン103が第一シリンダ11の側面から第一シリンダ11内に押し込まれるよう、係止ピン103はボーリング105内で移動するよう適合されている。この場合には、係止ピン103が第一ピストン12の下部スカートに位置する第一開口13を通じて押し込まれるよう、第一ピストン12はその最下部位置にある。然る後、第一ピストン12が最上方位置に向かって上方に動くと、その進行は、第一開口13の下部縁部13a1が、係止ピン103の下部縁部と合致する地点で停止する。第一ピストン12の進行を適切な地点に制限し得るよう、第一開口13の下部縁部13a1は、第一ピストン12の下部縁部から所望の距離Aに位置する。よって、第一ピストン12に関連する負荷素子は、研磨のために、シェルのための固定支持体を形成する。第一開口13の上部縁部13a2は、係止装置100の係止ピン103がその外側位置にあるとき、第一ピストン12がその最下部位置に移動し得るような寸法とされている。
【0023】
ロールの通常の動作中、第一ピストン12が第一シリンダ内で自由に移動し得るよう、係止装置100の係止ピン103は、その内部位置に保持される。ロールがその適用から研磨ステーションに移され、研磨が開始すると、係止装置100の係止ピン103は、第二ピストン102の下に圧力媒体を供給することによって、その外部位置に進められる。この後、第一開口13の下部縁部13a1が係止ピン103の下部縁部と合うまで、第一ピストン12がその最下部位置から上方に移動するよう、第一シリンダ11は十分な圧力で加圧される。よって、第一ピストン12及び関連する負荷シューは、この地点に係止されるようになる。係止ピン103は、第一ピストン12が上方に移動するのを阻止し、第一シリンダ11内の圧力媒体は、第一ピストン12が下方に移動するのを阻止している。
【0024】
負荷素子中に存在する遊びの故に、各負荷素子内で2つの係止装置100を用いることが好ましい。この場合、これらの係止装置100は、互いに180度の角度で第一シリンダ11の両側面に据え付けられる。
【0025】
図4は、本発明の他の係止装置を示しており、係止装置は図3で提示されている係止装置の変形である。この場合、係止装置300は、負荷素子の第一ピストン12のスカートの内側に位置している。図面は、負荷素子の第一ピストン12に締結された摺動シュー20も示している。係止装置300は第二シリンダ301を含み、第二シリンダの内部には2つのピストン302a,302bが適合されている。ピストン302a,302b間に圧力空間が形成され、圧力媒体P10がこの空間内に供給されている。係止ピン303a,303bは、ピストン302a,302bに締結されている。係止ピン303a,303bは、係止装置のシリンダ301の両端から突出し、負荷素子の第一ピストン12中の楕円形の孔13a,13bに入り込んでいる。ピストン302a,302bとシリンダ301の両端との間にバネ304a,304bがある。負荷素子の第一ピストン12が第一シリンダ11内で自由に移動し得るよう、バネ304a,304bは、シリンダ301が非加圧状態にあるとき、ピストン302a,302bと、それらに締結された係止ピン303a,303bとを内部位置に保持している。圧力媒体P10が第二シリンダ301内のピストン302a,302b間の圧力空間内に供給されると、ピストン302a,302b、及び、それらと共に、係止ピン303a,303bは、係止ピン303a,303bが第一ピストン12内のスカートの開口13a,13bに入り込む外部位置に移動する。この後、圧力媒体P0が第一シリンダ11内に供給されると、第一ピストン12の上昇動作は、第一ピストン12内の開口13a,13bの下部縁部が係止ピン303a,303bと合う地点に制限される。係止装置300は、第一シリンダ11の側部に締結された適切なケーシング305内に位置している。第一ピストン12の経路は矢印S1で印され、第二シリンダ301に適合されたピストン302a,302bの経路は矢印S2で印されている。研磨が終了すると、シリンダ空間301から圧力が解放される。
【0026】
図5は、本発明に従った第三の係止装置を示している。この場合、係止装置400は、2つの部分から成り、且つ、締結具402によってトラニオン9の外面に締結された円形の鍔401を含む。第一ピストン12のスカートの上部外面に円形溝15がある。ロールの径方向における円形溝15の高さは、ピストン12がある限度まで上方に移動可能とされるような寸法とされている。鍔401の内端は溝15に延びている。溝15の下部縁部が鍔401と合うとき、第一ピストン12の上方移動は停止する。よって、シェルが取り外されるよう、ロールは研磨のために分解される必要があり、然る後、第一ピストン12の進行を制限する鍔401が所要の負荷素子上に据え付けられる。この後、ロールは再び組み立てられ、シェルの外面が研磨される。研磨後、ロールは分解され、鍔又は複数の鍔が取り外され、ロールの次の変更を待つために予備ロールとして移される。第一ピストン12の経路は矢印S1で印されている。
【0027】
図3及び4で提示されている実施態様では、水圧式に、空圧式に、電気的に、或いは、これらの組み合わせを通じて、係止装置100,300のピストンを制御し得る。水圧式及び空圧式な制御では、圧力媒体がピストン102又はピストン302a,302bを両方向に移動するよう、圧力媒体をピストン102又はピストン302a,302bの両側に配置し得る。戻しバネ106又は戻しバネ304a,304bが、ピストン102及び関連する係止ピン103又はピストン302a,302b及び関連する係止ピン303a,303bを、それらの内部位置に戻すよう、戻しバネ106又は戻しバネ304a,304bが、ピストン102及び係止ピン103によって、或いは、ピストン302a,302b及び係止ピン303a,303bによって形成された空間内に配置されるような状況も用意し得る。電気的係止装置中にも戻しバネを用い得る。
【0028】
ロールが研磨のために分解される必要がないので、図3及び4に提示される実施態様が好ましい。これは研磨作業を大幅に促進し且つ容易にする。
【0029】
図5に提示される実施態様において、係止装置は純粋に機械的であり、それはロールが研磨のために分解され且つ再び組み立てられる必要があることを意味する。第一ピストン12の進行を制限する鍔401をロールに据え付け得るよう、ロールは研磨前に分解されなければならず、然る後、ロールは再び組み立てられ、研磨が遂行される。研磨の後、鍔401を取り除き得るよう、ロールは再び分解される必要があり、然る後、ロールは再び組み立てられ、ロールの次の変更を待つために予備ロールとして移される。
【0030】
原理的には、係止装置を負荷素子の如何なる地点にも配置し得る。この場合には、上述の実施態様において指摘されたように、当然ながら、係止装置100,300,400の実施も変わる。
【0031】
上記に記載されたものは本発明の好適実施態様の一部に過ぎず、請求項の範囲内で幾つかの変更をそれらになし得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】複合材料シェルを備えたロールを概略的に示す断面図である。
【図2】研磨位置にある複合材料シェルを備えたロールを概略的に示す断面図である。
【図3】ロールの断面方向における本発明に従った係止装置を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明に従った他の係止装置を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明に従った第三の係止装置を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
9 トラニオン
10 シェル
11 第一シリンダ
12 第一ピストン
13 第一開口
13a 孔
13b 孔
13a1 下部縁部
13a2 上部縁部
15 溝
20 摺動シュー
100 係止装置
101 第二シリンダ
102 第二ピストン
103 係止ピン
104 第二封止
105 ボーリング
106 戻しバネ
200 研磨石
300 係止装置
301 第二シリンダ
302a ピストン
302b ピストン
303a 係止ピン
303b 係止ピン
304a 戻しバネ
304b 戻しバネ
305 ケーシング
400 係止装置
401 鍔
402 締結具
A 距離
P0 圧力媒体
P10 圧力媒体
S1 矢印
S2 矢印
Z 負荷素子
Z12 負荷素子
Z24 負荷素子
Z38 負荷素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料シェルを備えた可変クラウンロールのシェルを研磨する方法であり、
前記ロールは、
固定トラニオンと、該固定トラニオンの周りを回転する複合材料シェルとを有し、該複合材料シェルは、第一端部及び第二端部と、前記シェルに負荷を加えるために、前記トラニオン上で支持される負荷素子とを有し、該負荷素子は、第一シリンダと、該第一シリンダに嵌入された第一ピストンと、該第一ピストン上で支持された少なくとも1つの摺動シューとを含み、
当該方法は、
前記ロールを研磨位置に移すステップと、
前記ロールの前記シェルのための所望の形状を達成し得るよう、前記ロールの前記負荷素子を加圧するステップと、
研磨地点が前記ロールのニップレベルに形成されるよう、円筒形の研磨石を前記ロールの前記シェルの外面に対して配置するステップと、
前記シェルの外面を研磨するために、前記ロールの前記シェルと前記研磨石とを回転するステップとを含む方法であって、
少なくとも1つの前記負荷素子の前記摺動シューが前記シェルのための固定支持体を形成するよう、少なくとも1つの負荷素子が係止されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記負荷素子の前記摺動シューが前記シェルのための固定支持体を形成するよう、少なくとも、前記ロールの軸方向における中央に位置する前記負荷素子が係止されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記負荷素子の前記摺動シューが前記シェルのための固定支持体を形成するよう、少なくとも、前記ロールの前記軸方向における中央に位置する前記負荷素子と、前記軸方向における前記ロールの前記中央地点と前記第一端部との間の中央地点に位置する前記負荷素子と、前記軸方向における前記ロールの前記中央地点と前記第二端部との中央地点に位置する前記負荷素子とが係止されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記負荷素子は、前記負荷素子の前記第一ピストンと結合して位置する係止装置によって係止されることを特徴とする、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
固定トラニオンと、該固定トラニオンの周りを回転する複合材料シェルとを含み、該複合材料シェルは、第一端部及び第二端部と、前記シェルに負荷を加えるために前記トラニオン上に支持される負荷素子とを有し、該負荷素子は、第一シリンダと、該第一シリンダに嵌入された第一ピストンと、該第一ピストン上で支持された少なくとも1つの摺動シューとを含む、複合材料シェルを備える可変クラウンロールであって、
少なくとも1つの負荷装置と結合して適合される少なくとも1つの係止装置をさらに含むことで、前記少なくとも1つの負荷装置を、前記係止装置によって、所望位置に係止し得ることを特徴とするロール。
【請求項6】
前記負荷素子を、前記係止装置によって、前記所望位置に係止し得るよう、当該ロールの軸方向における中央に位置する前記負荷素子と結合して適合された少なくとも1つの係止装置を含むロール。
【請求項7】
前記負荷素子を、前記係止装置によって、前記所望の位置に係止し得るよう、当該ロールの前記軸方向における中央に位置する前記負荷素子と結合して適合された少なくとも1つの係止装置と、前記軸方向における当該ロールの前記中央位置と前記第一端部との間の前記中央位置に位置する前記負荷素子と結合して適合された少なくとも1つの係止装置と、前記軸方向における当該ロールの前記中央位置と前記第二端部との間の前記中央位置に位置する前記負荷素子と結合して適合された少なくとも1つの係止装置とを含む請求項5又は6に記載のロール。
【請求項8】
少なくとも1つの開口が前記第一ピストンのスカートの下部に形成されるよう、前記係止装置は前記負荷素子の前記第一ピストンと結合して位置することを特徴とする、請求項5乃至7のうちいずれか1項に記載のロール。
【請求項9】
前記係止装置は、当該ロールの前記固定トラニオンに形成された第二シリンダと、該第二シリンダに嵌入された第二ピストンと、該第二ピストンに締結された係止ピンとを含み、該係止ピンが外部位置にある間に、前記係止ピンが前記第一ピストンの前記開口に延出するよう、前記係止ピンは、前記固定トラニオンに形成されたボーリング内を移動し、且つ、前記第一シリンダと前記第二シリンダとを前記第一ピストンの経路に対して直交して結合することを特徴とする、請求項8に記載のロール。
【請求項10】
各負荷素子と結合する2つの係止装置があり、該係止装置は、前記第一ピストンの両側に互いに180度の角度で位置することを特徴とする、請求項9に記載のロール。
【請求項11】
前記係止装置は、前記第一ピストンの前記スカート内部の前記第一シリンダに据え付けられた第二シリンダと、該第二シリンダに嵌入された2つのピストンと、各ピストンに締結された係止ピンとを含み、該係止ピンが外部位置にある間に、前記係止ピンが前記第一ピストンの前記スカート内の両開口に延出するよう、前記係止ピンは、前記第一ピストンの経路に対して直交して、前記第二シリンダの両端を通じて移動することを特徴とする、請求項8に記載のロール。
【請求項12】
円形溝が前記第二ピストンの前記スカート上部の前記外面に形成されるよう、前記係止装置は、前記負荷素子の前記第一ピストンと結合して位置することを特徴とする、請求項5乃至7のうちいずれか1項に記載のロール。
【請求項13】
前記係止装置は、当該ロールの前記固定トラニオンの前記外面に締結された鍔を含み、該鍔は、前記第一ピストンを囲み、且つ、前記第二ピストンの前記円形溝に延びる部分を有することを特徴とする、請求項12に記載のロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−212771(P2006−212771A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24871(P2006−24871)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(501249157)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】