説明

複合材梁の接合構造

【課題】
複合材料を使用した軽量で高強度、高剛性な梁、あるいは軽量で高強度、高剛性であって長尺の梁を低価格で提供することを課題とする。
【解決手段】
2以上の部材を組み合わせることにより構成される梁の接合構造であって、当該部材が複合材料からなり、当該部材の長手方向接合面に沿って、互いに噛み合う歯面を有し、当該歯面の一部または全面が、接着剤によって接合されている構成の複合材梁の接合構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料を使用した梁の接合構造に関係する。 更に詳細には、複合材料を使用した梁において、梁の強度、剛性を向上させるために、あるいは長さを延長するために、2以上の部材を組み合わせることによって一つの梁を構成するようにした梁の接合構造に関係する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維やガラス繊維で強化された複合材料は、その材料が持つ軽量、高剛性、高強度、その他の優れた特性から一般産業用のみならず、スポーツ用品、航空宇宙用機器の分野においても多用されている。
【0003】
一般に複合材料はその製造方法や、製造装置の制約から長尺のものや肉厚の極端に厚いもの、あるいは異形状の断面を有する素材を製造することは、容易ではない。
【0004】
また、複合材料は、鉄鋼やアルミ合金等のその他の一般的な材料に比べると単位体積当たり、あるいは単位重量あたりの価格が高いという問題もある。
【0005】
しかし、複合材料の素材として使用する材料によっては、比強度、比剛性、耐熱性、高温強度、高温剛性、熱伝導性、熱膨張特性などの諸特性において極めて優れた特性を有するものがあることから、製造上の制約や価格上の問題があるにもかかわらず、複合材料は多分野において利用されてきている。
【0006】
そして、このような複合材料の応用分野を更に拡大していくためには、製造上の制約や価格上の問題を克服していくことが望まれている。
【0007】
例えば、せん断荷重や曲げ荷重を受ける梁を例にとり、高強度、高剛性、且つ軽量な梁を構成する場合の、製造上の制約や価格上の問題について考えてみる。
【0008】
この様な梁の場合、軽量で高強度、高剛性な梁を実現するために、I型やH型の断面を有するように梁形状を設計するのが普通であるが、複合材料でI型やH型の断面を有する梁を構成する場合、まずブロック状の素材を製造し、その後に機械加工によって所要の断面形状を持つようにするか、複雑な成形型を用いて、場合によってはハンドレイアップのような手作業によってI型やH型の断面形状を有する梁を成形するのが一般的である。 しかし、このような場合、素材のロスが大きかったり、また複雑で高価な型が必要になったり、人手が多くかかったりするため、出来上がった梁は、極めて高価なものになってしまうという問題があった。
【0009】
また、複合材料の場合には、鉄鋼やアルミ合金等の場合のように、溶接や拡散接合のような技術を利用して、単純な板状の素材を使ってI型やH型の断面形状を有する梁を構成することはできないのが一般的である。
【0010】
更に、長尺の梁が必要になる場合には、複合材料の素材を成形するために、長尺の梁に合わせた、長尺の成形型や、長尺の成形設備(ホットプレス、オートクレーブ、熱処理炉等)が必要になり、更に製造コストが嵩むという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、係る課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、複合材料を使用した軽量で高強度、高剛性な梁、あるいは軽量で高強度、高剛性であって長尺の梁を低価格で提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
係る目的を達成するため、請求項1に係る発明においては、2以上の部材を組み合わせることにより構成される梁の接合構造であって、当該部材が複合材料からなり、当該部材の長手方向接合面に沿って、互いに噛み合う歯面を有し、当該歯面の一部または全面が、接着剤によって接合されている構成の複合材梁の接合構造とした。
【0013】
また、請求項2に係る発明においては、2以上の部材を組み合わせることにより構成される梁の接合構造であって、当該部材が複合材料からなり、当該部材の長手方向接合面に沿って、互いに噛み合う歯面を有し、2以上の部材を結合するために少なくとも1以上のファスナーを使用し、当該ファスナーが前記歯面に対して垂直方向に向けて配置されている攻勢の複合材梁の接合構造とした。
【0014】
また、請求項3に係る発明においては、2以上の部材を組み合わせることにより構成される梁の接合構造であって、当該部材が複合材料からなり、当該部材の長手方向接合面に沿って、互いに噛み合う歯面を有し、当該歯面の一部または全面が、接着剤によって接合されており、2以上の部材を結合するために少なくとも1以上のファスナーを使用し、当該ファスナーが前記歯面に対して垂直方向に向けて配置されている構成の複合材梁の接合構造とした。
【0015】
更に、請求項4に係る発明においては、請求項2または3に記載の複合材梁の接合構造であって、ファスナーが、梁を構成する部材と同じ複合材料から作られている構成の複合材梁の接合構造とした。
【0016】
また、請求項5に係る発明においては、請求項1に記載の複合材梁の接合構造であって、接合された梁部材の長手方向切断面における歯面の形状は、三角形、四角形、台形、曲線形またはこれらの組合せにより得られる形状から構成された複合材梁の接合構造とした。
【0017】
また、請求項6に係る発明においては、請求項1に記載の複合材梁の接合構造であって、2以上の部材を組み合わせて構成された梁の長手方向に垂直な面で切断した切断面の形状が、三角形、四角形、台形、曲線形またはこれらの組合せにより得られる形状で構成された複合材梁の接合構造とした。
【0018】
更に、請求項7に係る発明においては、請求項1乃至6のいずれかに記載の複合材梁の接合構造であって、複合材料が、カーボン/カーボン材で構成されている複合材梁の接合構造とした。
【0019】
また、請求項8に係る発明においては、請求項1乃至7のいずれかに記載の複合材梁の接合構造であって、2の部材が梁長手方向に接合される場合に、当該接合端面において、組継ぎ構造を設けている構成の複合材梁の接合構造とした。
【発明の効果】
【0020】
上述したような構成の複合材梁の接合構造を提供することにより、複合材料を使用した軽量で高強度、高剛性な梁、あるいは軽量で高強度、高剛性であって長尺の梁を低価格で提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁に、本発明にかかる接合構造を適用した場合の実施例を示したものである。
【図2】図2は、H形断面を有する梁に、本発明にかかる接合構造を適用した場合の実施例を示したものである。
【図3】図3は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁のウェブ部とフランジ部の接合部である歯面に、三角形の歯面を設けた場合の実施例を示したものである。
【図4】図4は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁のウェブ部とフランジ部の接合部である歯面に、四角形の歯面を設けた場合の実施例を示したものである。
【図5】図5は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁のウェブ部とフランジ部の接合部である歯面に、台形の歯面を設けた場合の実施例を示したものである。
【図6】図6は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁であって、部材を長手方向に接続する場合の実施例について示したものである。
【図7】図7は、箱形断面(□形)を有する梁に本発明の接合構造を適用した場合の実施例を記したものである。
【図8】図8は、箱形断面(□形)を有する梁であって、梁の長手方向において箱形断面が徐々に小さくなるように設計された梁を示したものである。
【図9】図9は、図1で示したみぞ形断面(コ字形)を有する梁において、更に長手方向において部材を接合した場合の実施例を示したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
用語の定義
本明細書、および特許請求の範囲において使用する用語の内、以下に定義する用語は、ここに定義する意義を有するものとして理解しなければならない。
【0023】
本明細書において使用する用語「梁」とは、横荷重(せん断荷重、曲げ荷重)、軸荷重を受ける構造部材を意味し、それがいかなる形態(水平方向、あるいは垂直方向等を向いた態様)で使用されるかは問わない。
【0024】
本明細書において使用する用語「複合材料」とは、2種類以上の素材を組み合わせることで、さまざまな特性(強度・剛性・靭性・化学的(含む耐蝕性)特性・熱的特性・電気的特性・耐熱特性など)を発揮させることを目的として作られた材料のことをいう。 また、「素材の組み合わせ」とは、原子レベルより十分大きいサイズでの組み合わせを意味し、通常はμのオーダーで組み合わせた材料のことを意味する。 ここでいう複合材料は、母材と強化材に分けられ、母材には金属・プラスチック・セラミック・カーボンが用いられ、強化材には、カーボン・ガラス・セラミックなどの無機材料、あるいは金属材料からできた繊維(「強化繊維」)やフィラーが用いられたものを言う。 更に、強化材の形態(次元)としては、繊維(1次元)、織物(2次元)、3次元織物(3次元)、多次元織物(多次元)が含まれ、強化繊維には短繊維を用いたものと、長繊維を用いたものが含まれる。
【0025】
また、本明細書において使用する用語「ファスナー」とは、工業用ファスナーを意味し、具体的には、ネジ、アンカー・ピン、ボルト・ナット、リベット、ダボ、ばね類が含まれる。
【0026】
更に、本明細書において使用する用語「カーボン/カーボン材」とは、複合材料の一種であり、強化材(強化繊維)として炭素(カーボン)繊維を使用し、母材として炭素(カーボン)を使用した材料を意味する。 なお、強化材(強化繊維)として炭素(カーボン)繊維を使用する代わりに、結晶化の進んだ黒鉛(グラファイト)繊維を使用したり、母材として炭素(カーボン)の代わりに黒鉛(グラファイト)を使用した材料も、ここでいう「カーボン/カーボン材」に含まれるものとする。
【0027】
また、本明細書において使用する用語「組継ぎ構造」とは、部材の端部を互いに欠き組み手として接合する結合構造を言い、種々の形状をした仕口を含むものとする。 組継ぎ部分にピンや、ネジ等のファスナーを併用するものも含む概念である。
【0028】
以下図面に基づき、本発明にかかる複合材梁の接合構造について説明する。
【0029】
構造部材としての梁は、横荷重(せん断荷重、曲げ荷重)や軸荷重、あるいはこれらの組合せ荷重を受けるのが一般的である。 このような荷重に耐える強度を有し、かつ梁の変形が最小限に留まるようにするために、断面係数や断面二次モーメントが大きくなるように梁の断面形状を設計する。 このような場合、梁の断面として、I形断面、H形断面、T形断面、Z形断面、U形断面、箱形断面(□形)、みぞ形断面(コ字形)、山形断面(L字形)、十字形断面等の異形断面を採用する。
【0030】
本発明にかかる接合構造は、このような断面の梁のウェブ部から延びるフランジ部を連結する場合や、2以上の板状部材を互いに連結する場合に適用される。
【0031】
図1は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁に、本発明にかかる接合構造を適用した場合の実施例を示したものである。 図1に示すみぞ形断面(コ字形)を有する梁10は、ウェブ部11、フランジ部12、ファスナー13から構成されている。 そして、ウェブ部11とフランジ部12の界面には、曲線状の歯面14が形成されており、ウェブ側の歯面とフランジ側の歯面が相補的な関係を有し、互いに噛み合うようになっている。 そして、この歯面はウェブ部11とフランジ部12の長手方向に伸びている。
【0032】
ウェブ部11とフランジ部12は、前述した複合材料で形成されており、素材としての板材を成形した後、ウェブ側の歯面とフランジ側の歯面を機械加工により形成するようにしても良いし、複合材料の板状素材を成形する際に、ウェブ側の歯面とフランジ側の歯面を一体的に成形するようにしても良い。 梁が使用される環境条件に応じて、どのような素材を組み合わせた複合材料を選択すべきかが決定される。 例えば、高温環境下で梁が使用される場合には、カーボン/カーボン材を使用することが望ましい。 一般に、カーボン/カーボン材は、非酸化雰囲気中であれば、3000℃近くまでの高温環境で使用することが可能である。
図1に示す実施例では、ウェブ部11とフランジ部12は、ファスナー13によって一体的に結合されているが、このような構成のものに限定されるものではない。 ファスナー13の代わりに、ウェブ側の歯面とフランジ側の歯面の間に接着剤を使用するようにしても良い。 あるいは、ファスナー13と接着剤を併用するようにしても良い。
【0033】
ファスナー13としては、一般的に使用されている鉄鋼製、金属製のファスナーを使用しても良いし、ウェブ部11とフランジ部12に使用されている複合材料と同じ素材を使ったファスナーを使用するようにしても良い。 例えば、非酸化性雰囲気の高温環境下で使用されるような梁では、前述したようにウェブ部11とフランジ部12と同じ素材であるカーボン/カーボン材を使用することが望ましく、この場合、ファスナーの素材としても、カーボン/カーボン材を使用することが望ましい。 これは、ファスナーそのものにも耐熱性が必要になることと、ウェブ部11とフランジ部12に使用される材料と同じ材料をファスナーに使用することによって、熱膨張差によって生じる構造的なガタ(緩み)や過度な応力の発生を抑えることができるからである。
【0034】
このファスナーは、ウェブ部11とフランジ部12歯面に対して垂直方向に設けることによって、歯面が互いに噛み合う方向、すなわち歯面に垂直な方向に締結力を生じさせるようにすることが望ましい。
【0035】
ウェブ側の歯面とフランジ側の歯面の間に接着剤を使用する場合には、一般的な構造用接着材を使用することができるが、ウェブ部11とフランジ部12に使用される複合材料に合わせて選択することが望ましい。 例えば、梁のウェブ部11とフランジ部12にセラミック系複合材料やカーボン/カーボン材のような複合材料を使用する場合には、セラミック系接着剤やグラファイト系接着剤を使用することが望ましい。
【0036】
図1に示すように複合材料を使用した梁を構成してやることによって、例えば、梁に曲げモーメントMが作用した場合、ウェブ部11とフランジ部12は歯面(接合部)において互いに噛み合っているので、ウェブ部11とフランジ部12の歯面(接合部)において長手方向Xのズレが生じる事が無い。 従って、このような梁は、ウェブ部11とフランジ部12が一体となったのと同じ断面係数や断面二次モーメントを得ることができ、軽量で高強度、高剛性な梁を提供することが可能となる。 以上説明した梁は、単純な板状の複合材料の素材を用いて形成することができ、機械加工等によって切除する部分が少ないため、材料の利用歩留まりが極めて高く、その結果、複合材料のような素材単価の高い材料を使用した梁においては、梁の製造コストを大幅に低減することが可能になる。
【0037】
図2は、H形断面を有する梁に、本発明にかかる接合構造を適用した場合の実施例を示したものである。 図2に示すH形を有する梁20は、ウェブ部21、フランジ部22, ファスナー23から構成されている。 そして、ウェブ部21とフランジ部22 の界面には、曲線状の歯面24が形成されており、ウェブ側の歯面とフランジ側の歯面が相補的な関係を有し、互いに噛み合うようになっている。 そして、この歯面はウェブ部21とフランジ部22の長手方向に伸びている。 この実施例では、梁の断面がH形となって、フランジ部22が4箇所になっている点を除けば、図1に示した実施例と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0038】
図1および図2に示した断面形状を有する梁以外にも、I形断面、T形断面、Z形断面、U形断面、箱形断面(□形)、山形断面(L字形)、十字形断面等の異形断面を有する梁に本発明にかかる接合構造を適用することが可能である。
【0039】
図3〜図5は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁のウェブ部とフランジ部の接合部である歯面に、三角形、四角形、台形の歯面を設けた場合の実施例を示したものである。 歯面の形状としては、ここで説明した形状の歯面を組み合わせるようにすることもできる。
【0040】
次に、梁の長手方向に部材を接合する実施例について説明する。 図6は、みぞ形断面(コ字形)を有する梁であって、部材を長手方向に接続する場合の実施例について示したものである。 この実施例における梁は、図1に示す梁10の場合と同様に、図6に示す梁60は、ウェブ部61、フランジ部62, ファスナー63から構成されている。 そして、ウェブ部61とフランジ部62 の界面には、曲線状の歯面64が形成されており、ウェブ側の歯面とフランジ側の歯面が相補的な関係を有し、互いに噛み合うようになっている。 この梁60の場合、二つのウェブ部61は端面65において接続されており、端面65において組継ぎ構造を採用して接続されている。 図6に示す実施例では、組継ぎ構造として、ウェブ部61の端面を互いにアリ溝状に形成し、これを組み合わせることによって組継ぎ構造を形成するようにしている。 そして、ウェブ部61同士の接合部においては、連続したフランジ部62が組み合わされるようにして(即ち、ウェブ部61の長手方向接合部とフランジ部62の長手方向接合部が同じ位置に配置されることのないようにして)、ウェブ部61とフランジ部62との歯面が互いに噛合うようにして配置されている。 図6に示す実施例の梁60は、ウェブ部61が長手方向において接合されていることを除き、図1の実施例で説明した梁10と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0041】
なお、ここでは、ウェブ部61を長手方向に接合する場合について説明したが、フランジ部62についても、ウェブ部61と同様に長手方向に接合することもできる。 この場合においても、フランジ部62の接合端面において組継ぎ構造を採用しても良い。 また、上述したように、ウェブ部61の長手方向接合部とフランジ部62の長手方向接合部が同じ位置に配置されることのないようにすることが望ましい。
【0042】
ここで説明したような部材の接合構造を採用することによって、軽量で高強度、高剛性であって長尺の梁を低価格で提供することが可能となる。
【0043】
図7は、箱形断面(□形)を有する梁70に本発明の接合構造を適用した場合の実施例を記したものである。 この場合、図1に示したのと同様なみぞ形断面(コ字形)を有する梁10を形成し、更に開口部に板状部材76を配置するようにしたものであり、フランジ部72と板状部材76の接合には、図1で示したウェブ部11とフランジ部12を接合した接合構造をそのまま適用することができる。
【0044】
なお、図7の実施例に示すように、二つのフランジ部72、および二つの板状部材76の相互のスペースを維持し、梁の長手方向に垂直な方向のせん断荷重を伝達するために、スペーサー状の中間部材77を使用するようにしても良い。
【0045】
図8は、箱形断面(□形)を有する梁80であって、梁80の長手方向において箱形断面が徐々に小さくなるように設計された梁80を示したものである。 この梁80は、梁の先端側(図8の右側)へ進む従って、箱形断面が徐々に小さくなるようになっている以外は、図7の梁70で説明したのと同様な構成によって接合構造を形成している。
【0046】
図9は、図1で示したみぞ形断面(コ字形)を有する梁10を、更に長手方向において部材を接合した場合の実施例を示したものである。 この実施例では、ウェブ部91、フランジ部92の両方が梁90の長手方向において接合されており、ウェブ部91とフランジ部92のそれぞれの接合部が互い違いの配置になるように設計されている。 また、ウェブ部91の接合部においては、円形状の組継ぎ構造が採用されている。
【符号の説明】
【0047】
10、20、30、40、50、60、70、80、90 梁
11、21、31、41、51、61、71、81、91 ウェブ部
12、22、32、42、52、62、72、82、92 フランジ部
13、23、33、43、53、63、73、83、93 ファスナー
14、24、34、44、54、64、74、84、94 歯面
65、95 端面
76、86 板状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の部材を組み合わせることにより構成される梁の接合構造であって、
当該部材が複合材料からなり、
当該部材の長手方向接合面に沿って、互いに噛み合う歯面を有し、
当該歯面の一部または全面が、接着剤によって接合されている、
ことを特徴とする複合材梁の接合構造。
【請求項2】
2以上の部材を組み合わせることにより構成される梁の接合構造であって、
当該部材が複合材料からなり、
当該部材の長手方向接合面に沿って、互いに噛み合う歯面を有し、
2以上の部材を結合するために少なくとも1以上のファスナーを使用し、当該ファスナーが前記歯面に対して垂直方向に向けて配置されている
ことを特徴とする複合材梁の接合構造。
【請求項3】
2以上の部材を組み合わせることにより構成される梁の接合構造であって、
当該部材が複合材料からなり、
当該部材の長手方向接合面に沿って、互いに噛み合う歯面を有し、
当該歯面の一部または全面が、接着剤によって接合されており、
2以上の部材を結合するために少なくとも1以上のファスナーを使用し、当該ファスナーが前記歯面に対して垂直方向に向けて配置されている
ことを特徴とする複合材梁の接合構造。
【請求項4】
請求項2または3に記載の複合材梁の接合構造において、前記ファスナーが、梁を構成する部材と同じ複合材料から作られていることを特徴とする複合材梁の接合構造。
【請求項5】
請求項1に記載の複合材梁の接合構造において、接合された梁部材の長手方向切断面における歯面の形状は、三角形、四角形、台形、曲線形またはこれらの組合せにより得られる形状から構成されたものであることを特徴とする複合材梁の接合構造。
【請求項6】
請求項1に記載の複合材梁の接合構造において、2以上の部材を組み合わせて構成された梁の長手方向に垂直な面で切断した切断面の形状が、三角形、四角形、台形、曲線形またはこれらの組合せにより得られる形状で構成されたものであることを特徴とする複合材梁の接合構造。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の複合材梁の接合構造において、前記複合材料が、カーボン/カーボン材であることを特徴とする複合材梁の接合構造。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の複合材梁の接合構造において、2の部材が梁長手方向に接合される場合に、当該接合端面において、組継ぎ構造を設けていることを特徴とする複合材梁の接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−6901(P2011−6901A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150978(P2009−150978)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(390021717)株式会社アクロス (11)
【Fターム(参考)】