説明

複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子及びその製造方法

【課題】 高い結晶化度、均一な大きさ、高い化学的安定性を有する磁性体コア−半導体シェル(例えば、マグネタイト−カドミウムセレナイド(Fe@CdSe))ナノ粒子及びこれを合成する方法を提供する。
【解決手段】 コア−シェル構造は、マグネタイトの前駆体を還元して、コアに該当するマグネタイトシードを形成した後、連続的にCdSe前駆体を還元してマグネタイト上にCdSeをコーティングする過程により複合機能マグネタイト−カドミウムセレナイドナノ結晶を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体コア−半導体シェルナノ結晶を合成する方法に関し、高い結晶化度、均一な大きさ、高い化学的安定性を有する磁性体コア−半導体シェルナノ粒子及びこれを合成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性ナノ粒子の化学的合成が可能になるにつれて、高密度磁気記録、センサ、触媒など様々な分野などに応用できるようになった。特に、マグネタイト(Fe34)ナノ粒子は、独特な物理化学的特性のため、磁性材料の中で独歩的な位置を占めており、電荷整列(charge ordering)、混合原子価(mixed valence)、そしてフェルヴェイ(Verwey)遷移として知られている金属−絶縁体転移現象のような物理現象について多くの研究が進められている。
【0003】
最近では、生命科学に対する研究が盛んになるに伴い、マグネタイトが持っている卓越した生体適合性により、他の形態の鉄酸化物と共にマグネタイトに対する生物学的応用可能性に対する研究が幅広く進められている。
【0004】
また、磁界により位置を制御することができる磁性ナノ粒子に特定に機能する材料をコーティングして、コアシェル構造にする研究が盛んに進められている。
【0005】
特に、半導体物質でコーティングする場合、触媒の機能を付与することができるだけでなく、発光特性を強化させ、ナノ粒子の表面を保護することができ、優れた加工性と光学的酸化に対する安定性向上、バイオ物質との重合を可能にするなどの多くの機能を追加する。このような磁性−半導体コアシェル構造は、磁性特性、半導体特性、無機物、有機物の有する物性、金属から誘電体の全分野に達するまで多様な機能を有することができ、高密度の貯蔵媒体、生命及び医学、磁性貯蔵、触媒、磁性流体(Ferro fluids)のような分野において多様な潜在的な機能性を見せることと期待される。
【0006】
一方、CdSeは、高効率の発光半導体の量子点材料である。よって、この2つの材料をコアシェル構造に合成したナノ粒子は、各々の材料が持っている磁気的、光学的性質の両方を有した新しいナノ材料であって、既存の個別材料のナノ構造が持っていた単一機能の限界を超えて、複合機能性と向上した性能を有するようになる。
【0007】
したがって、光学的な元素検知が可能で、磁界による位置移動が可能であるから、バイオ分離(bio-separation)、バイオ操作(bio-manipulation)、バイオ分析(bio-assaying)、ベクトル伝達体(vector delivery)、特定物質の検出(specific detection)などに応用できるFe34/CdSeコア−シェルナノ粒子の製造が要求される。また、同じ理由でFe34@CdTe、Fe34@CdS、及びCoPt@CdSe、FePt@CdSeなどの磁性体−半導体コア−シェルナノ粒子の製造が要求される。
【0008】
また、応用可能性を高めるために、高い結晶化度、均一な大きさ、高い化学的安定性を有し、磁性的な性質と半導体的な性質を共に有する磁性体−半導体コア−シェルナノ粒子を製造することができる技術が要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、磁性的な性質と半導体的な性質を共に有する磁性体−半導体コア−シェル複合機能ナノ粒子及びこれを合成する製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、高い結晶化度、均一な大きさ、高い化学的安定性を有し、磁性体−半導体コア−シェル複合機能ナノ粒子及びこれを合成する製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成すべく、本発明に係る複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子を製造する方法は、磁性体コア物質の前駆体と前記コア物質の前駆体の還元剤とを混合するステップと、前記磁性体コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して、第1混合溶液を形成するステップと、前記第1混合溶液を第1温度まで加熱し、第1時間の間に維持するステップと、前記第1混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質を形成するステップと、前記磁性体コア物質に半導体シェル物質の前駆体と前記半導体シェル物質の前駆体の還元剤とを混合するステップと、前記半導体シェル物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して、第2混合溶液を形成するステップと、前記第2混合溶液を第2温度まで加熱し、第2時間の間に維持するステップと、前記第2混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質に前記半導体シェル物質をコーティングするステップと、を含む。
【0012】
また、上記の目的を達成すべく、本発明に係る連続工程で製造した複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子は、磁性体コア物質の前駆体、前記磁性体コア物質の前駆体の還元剤、前記コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第1混合溶液を形成し、加熱した後に冷却させて、前記磁性体コア物質を形成するステップと、前記磁性体コア物質を形成する場所と同じ場所で半導体シェル物質の前駆体、前記半導体シェル物質の前駆体の還元剤、前記半導体シェル物質の前駆体と前記還元剤に溶媒を混合して第2混合溶液を形成し、加熱した後に冷却させて、前記磁性体コア物質に前記半導体シェル物質をコーティングするステップと、を含む。
【0013】
また、これ以外に他の実施例、または構成要素の変更、追加などによる他の実施形態の提供も可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって高い結晶化度、均一な大きさ、高い化学的安定性を有する磁性体コア−半導体シェルナノ粒子を連続工程で合成できる。例えば、マグネタイト−カドミウムセレナイド(Fe34@CdSe)コア−シェル構造は、マグネタイトの前駆体を還元してコアに該当するマグネタイトシードを形成した後、連続的にCdSe前駆体を還元してマグネタイト上にCdSeをコーティングする過程により複合機能マグネタイト−カドミウムセレナイドナノ結晶を合成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最も好ましい実施形態を添付する図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明は、磁性体コア−半導体シェルナノ結晶を合成する方法に関し、具体的には、高い結晶化度、均一な大きさ、高い化学的安定性を有する磁性体コア−半導体シェルナノ結晶及びこれを合成する方法に関する。
【0016】
以下では、磁性体であるマグネタイト(Fe34)ナノ粒子に高効率の発光半導体量子点材料であるCdSeをコーティングしたFe34@CdSe複合機能ナノ粒子を例に挙げて説明する。Fe34@CdSe、Fe34/CdSe及びFe34−CdSeは、表示方法の差に過ぎない。
【0017】
本発明の磁性体コア−半導体シェルナノ構造は、ポリオル製造法を使用してマグネタイトコアを製作し、Cd及びSeの還元によりマグネタイトコア上にCdSeをコーティングする連続的な2つの過程を通し製造する。
すなわち、高分子界面活性剤が添加された溶液に適当な前駆体の還元反応により、コアはマグネタイト(Fe34)で構成され、表面はCdSeで構成された磁性体/半導体コアシェルナノ粒子を連続的な製造方法により製造する。
【0018】
以下では、本発明に係るFe34@CdSeナノ結晶の合成過程を示す図面である図1A及び図1Bを参照して、具体的な製造方法を説明する。
【0019】
図1Aに示すように、まず、酸化鉄ナノ粒子を合成するために、250mlのフラスコ101に注入部111を通し鉄の前駆体(precursor)[FeIII(acac)3(ac=acetylacetonate、0.5mmol)](0.1766gまたは0.5mmol)を、1,2−ヘキサデカンジオール(0.6468gまたは2.5mmol)のような還元剤と共に入れる。高分子界面活性剤(polyethylene oxide-co-polypropylene oxide-co-polyethylene oxide or PEO-PPO-PEO)(0.7529g)が溶解されたジオクチルエーテル(10〜20ml)溶液で鉄の前駆体のFeIII(acac)3(ac=acetylacetonate、0.5mmol)をヘキサデカノジオール(0.6468g)により還元させて、Fe34ナノ粒子を製造する。還元過程は、前記混合溶液を1時間の間に120〜130℃までゆっくり加熱し、その温度で1〜2時間の間に循環させる。以後、15分間300℃まで早く加熱し、300℃で1〜2時間の間に循環させる。このように高い温度で製造することは、還流のためのものである。次に、混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質を形成する。合成過程において反応混合物を加熱手段103を使用して加熱し、ガス注入部107を介して不活性ガスのアルゴンガスを注入することもあり、排出部109を介して合成過程で生じるガスを排出させる。
【0020】
ここに、酢酸カドミウム(0.7mmol、186.6mg)とセレン(1mmol、78.9mg)とが溶解されたトリオクチルホスフィン(TOP、99%;〜3ml)を添加した後、マグネチックスターラーを使用して反応混合物を加熱手段103により、より均一な混合溶液にするために、60℃から80℃、その後100℃まで温度を上げ、1〜2時間の間に混ぜる。温度は、温度計105を使用して測定する。
【0021】
次に、混合溶液を加熱して130〜160℃の間で1〜2時間程度維持すれば、CdSeが形成される。合成過程において、ガス注入部107を介して不活性ガスのアルゴンガスを注入することもあり、排出部109を介して合成過程で生じるガスを排出する。
【0022】
反応後、Fe34@CdSeコアシェルナノ粒子は、無水エタノールにより析出され、通常、遠心分離を使用するか、またはヘキサンによる再分散過程により析出を促進させることができる。溶媒分子と他のナノ粒子の残渣を除去するために、この過程を2回程度繰り返す。
【0023】
このように製造されたコアシェルナノ粒子は、長時間変質せずに保存されることができ、これは、コア部分のナノ結晶の表面に異種の物質が緻密にコーティングされていることを意味する。
【0024】
ここでは、一般的な溶媒として使用するフェニルエチルではなく、ジオクチルエーテルを使用した。このジオクチルエーテルは、単純にマグネタイト(Fe34)のみを作るものではなく、FeOx(Fe34がほとんどであるが、FeとFe34との混合物である。)結晶を形成する。また、界面活性剤は、分子の小さな界面活性剤ではなく、3個の高分子ブロック(poly(ethylene oxide)-poly(propylene oxide)-poly(ethylene oxide))からなる高分子重合体を使用する。
【0025】
図1Bに示すように、120過程は、マグネタイトコアを生成する図であり、130過程は、マグネタイトコアにCdSeをコーティングする図であり、140過程は、エタノール/ヘキサンに洗浄するステップを示す。
【0026】
図2のA〜Dは、それぞれFe34ナノ粒子のX線回折パターン、Fe34@CdSeコアシェルナノ結晶体のX線回折パターン、本発明によって合成したFe34のJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)グラフ及びCdSeのJCPDSグラフである。
【0027】
すなわち、図2のAは、Fe34シードナノ結晶を示し、図2のBは、CdSeピークとFe34ピークを示すので、Fe34@CdSeコアシェルナノ結晶であることが分かり、図2のCは、バルク(bulk)Fe34、図2のDは、バルクCdSeに対するJCPDSグラフである。
【0028】
図3のa〜dは、それぞれ本発明によって合成したFe34ナノ粒子のTEM(Transmission Electron Microscopy)写真、単一シード粒子の単結晶性を示すHRTEM(High Resolution Transmission Electron Microscopy)写真、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体のTEM写真及び単一ナノ結晶の単結晶性を示したHRTEM写真である。
【0029】
図3のaは、Fe34ナノ粒子のTEM写真であり、図3のbは、単一シード粒子の単結晶性を示すHRTEM写真である。
図3のcは、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体のTEM写真であり、ここで、白色の矢印は、CdSeシェルを表示する。図3のdは、単一ナノ結晶の単結晶性を示したHRTEM写真である。ここで、各写真のスケールは、左側の下部に示されている。
【0030】
図4のAは、Fe34と本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の常温での磁気履歴曲線を示し、y軸にさらに垂直なグラフは、Fe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の曲線であり、少なく垂直な比較グラフは、Fe34の磁気履歴曲線である。図4のBは、5Kと300Kで測定した本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の磁界によって測定した磁化度を示し、5Kの場合がさらに磁化度が大きく現れる。図4のCは、コアシェルナノ結晶体をフィールド・クールド(Field cooled)とゼロ・フィールド・クールド(Zero field cooled)させた時の温度に応じる磁化度曲線である。ここで、2つの曲線は、超常磁性から強磁性的挙動へ変わるブロッキング温度で会い、ゼロ・フィールド・クールド(Zero field cooled)の場合、ブロッキング温度以下で急激に磁化度が減少する。
【0031】
図5のAは、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の光学特性:紫外線(UV)の吸収及び発光スペクトルである。図5のBは、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体をオレイン酸を通じて表面処理する前(上のグラフ)と後(下のグラフ)のPL特性を示すグラフである。
【0032】
図6のA及びBは、それぞれオレイン酸で処理しない本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の発光スペクトルの分析グラフ及びオレイン酸で処理した本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の発光スペクトルの分析グラフである。
すなわち、図6のAは、オレイン酸で処理しない本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の発光スペクトルの分析グラフである。ここで、実験データと3つのガウスカーブのデコンボリューション値(円で表示)が互いに一致することが分かる。図6のBは、オレイン酸で処理したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の発光スペクトルの分析グラフである。ここで、実験データと4つのガウスカーブのデコンボリューション値(円で表示)が互いに一致することが分かる。
【0033】
図7のabは、磁性−発光体本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶の写真であって、それぞれ磁界を印加しない場合と磁界を印加した場合の写真である。
すなわち、図7のaは、コアシェルナノ粒子が分散された写真であって、磁界を印加しない状態であり、図7のbは、磁界を印加して磁石にナノ粒子が付着する様子を示す写真である。
【0034】
【表1】

【0035】
前記表1は、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルのピーク(peak)値、FWHM(full width at half maximum)値とオレイン酸の添加有無に応じる発光スペクトルのデコンボリューション値の相対強度を示すデータである。
【0036】
以上で説明したFe34@CdSe複合機能コアシェルの他にも、本発明によってFe34@CdTe、Fe34@CdSのような半導体シェルからなる複合機能コアシェルナノ粒子が製造可能である。CdTe及びCdSは、CdSeと類似の物理的性質を有する。
これ以外に本発明によってCoPt@CdSe、FePt@CdSeのように、磁性コアからなる複合機能コアシェルナノ粒子の製造も可能である。
本発明によってFe34@ZnOコアシェルナノ粒子の製造も可能である。
【0037】
酸化鉄ナノ粒子を合成するために、250mlのフラスコ101に注入部111を通し鉄の前駆体[FeIII(acac)3(ac=acetylacetonate、0.5mmol)](0.1766gまたは0.5mmol)を、1,2−ヘキサデカンジオール(0.6468gまたは2.5mmol)のような還元剤とともに入れる。高分子界面活性剤(polyethylene oxide-co-polypropylene oxide-co-polyethylene oxide or PEO-PPO-PEO)(0.4-1.2g)が溶解されたジオクチルエーテル(10〜15ml)溶液で鉄の前駆体のFeIII(acac)3(ac=acetylacetonate、0.5mmol)をヘキサデカノジオール(0.88g)により還元させて、Fe34ナノ粒子を製造する。還元過程は、前記混合溶液を1時間の間に120〜130℃までゆっくり加熱し、その温度で1〜2時間の間に循環させる。以後、15分間300℃まで早く加熱し、300℃で1〜2時間の間に循環させる。このように高い温度で製造することは、還流のためのものである。次に、混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質を形成する。合成過程において反応混合物を加熱手段103を使用して加熱し、ガス注入部107を介して不活性ガスのアルゴンガスを注入することもあり、排出部109を介して合成過程で生じるガスを排出させる。
【0038】
ここに、Zn(acac)2(0.25mmol、0.0659g),1,2−ヘキサデカンジオール(1,2-hexdecanediol)(0.88gまたは1.25mmol),5ml ジオクチルエーテルを添加した後、マグネチックスターラーを使用して反応混合物を加熱手段103により、より均一な混合溶液にするために、80℃まで温度を上げ、2時間の間に混ぜる。温度は、温度計105を使用して測定する。
【0039】
次に、混合溶液を加熱して300℃で1時間程度維持すれば、ZnOが形成される。合成過程において、ガス注入部107を介して不活性ガスのアルゴンガスを注入することもあり、排出部109を介して合成過程で生じるガスを排出する。
反応後、Fe34@ZnOコアシェルナノ粒子は、無水エタノールにより析出され、通常、遠心分離を使用するか、またはヘキサンによる再分散過程により析出を促進させることができる。溶媒分子と他のナノ粒子の残渣を除去するために、この過程を2回程度繰り返す。
【0040】
図8は、本発明によって合成したFe34@ZnOコアシェルナノ結晶体のTEM写真、及び単一ナノ結晶の単結晶性を示したHRTEM写真である。
【0041】
図9は、本発明によって合成したFe34@ZnOコアシェルナノ結晶体の発光スペクトルを示すグラフである。
【0042】
上述した本発明の好ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1A】本発明に係る磁性体コア−半導体シェルナノ結晶の合成装置を示す図である。
【図1B】本発明に係る磁性体コア−半導体シェルナノ結晶の合成過程を示す図である。
【図2】A〜Dは、それぞれFe34ナノ粒子のX線回折パターン、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体のX線回折パターン、Fe34のJCPDSグラフ、及びCdSeのJCPDSグラフである。
【図3】a〜dは、それぞれFe34ナノ粒子のTEM写真、単一シード粒子の単結晶性を示すHRTEM写真、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体のTEM写真、及び単一ナノ結晶の単結晶性を示したHRTEM写真である。
【図4】A〜Cは、それぞれFe34と本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の常温での磁気履歴曲線、5Kと300Kで測定した本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の磁界によって測定した磁化度曲線、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体をフィールド・クールド(Field cooled)とゼロ・フィールド・クールド(Zero field cooled)時の温度に応じる磁化度曲線である。
【図5】Aは、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体の光学特性:紫外線(UV)の吸収及び発光スペクトルである。Bは、本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体をオレイン酸を通じて表面処理する前(上のグラフ)と後(下のグラフ)のPL特性を示すグラフである。
【図6】A及びBは、それぞれオレイン酸で処理しない本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体のPLスペクトルの分析グラフ、及びオレイン酸で処理した本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶体のPLスペクトルの分析グラフである。
【図7】a及びbは、磁性−発光体本発明によって合成したFe34@CdSeコアシェルナノ結晶の写真であって、磁界を印加しない場合と磁界を印加した場合の写真である。
【図8】本発明によって合成したFe34@ZnOコアシェルナノ結晶体のTEM写真、及び単一ナノ結晶の単結晶性を示したHRTEM写真である。
【図9】本発明によって合成したFe34@ZnOコアシェルナノ結晶体の発光スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
【0044】
101 フラスコ
103 加熱手段
105 温度計
107 ガス注入部
109 排出部
111 注入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続工程で複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子を製造する方法であって、
磁性体コア物質の前駆体と前記コア物質の前駆体の還元剤とを混合するステップと、
前記磁性体コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して、第1混合溶液を形成するステップと、
前記第1混合溶液を第1温度まで加熱し、第1時間の間に維持するステップと、
前記第1混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質を形成するステップと、
前記磁性体コア物質に半導体シェル物質の前駆体と前記半導体シェル物質の前駆体の還元剤とを混合するステップと、
前記半導体シェル物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して、第2混合溶液を形成するステップと、
前記第2混合溶液を第2温度まで加熱し、第2時間の間に維持するステップと、
前記第2混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質に前記半導体シェル物質をコーティングするステップと、を含む複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
エタノールを添加して前記複合機能ナノ粒子を析出し、遠心分離機を利用して分離するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記第1混合溶液を形成するステップに界面活性剤を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記第2混合溶液を形成するステップに界面活性剤を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項5】
前記コアがマグネタイトであり、前記シェルがCdSeであることを特徴とする請求項1に記載の磁性体コア−半導体シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項6】
前記コアがFe34であり、前記シェルがCdTe、CdS、またはZnOであることを特徴とする請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項7】
前記第1混合溶液を前記第1温度で一定時間の間に維持した後、前記第1温度より高い第3温度まで加熱し、第3時間の間に維持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項8】
前記第2混合溶液を前記第2温度で一定時間の間に維持した後、前記第2温度より高い第4温度まで加熱し、第4時間の間に維持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコア−シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項9】
前記コアがCoPtまたはFePtであり、前記シェルがCdSeであることを特徴とする請求項1に記載の磁性体コア−半導体シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項10】
連続工程で複合機能マグネタイト−CdSeコア−シェルナノ粒子を製造する方法であって、
マグネタイトの前駆体であるFeIII(acac)3と前記マグネタイトの前駆体の還元剤とを混合するステップと、
溶媒であるジオクチルエーテルを混合して、第1混合溶液を形成するステップと、
前記第1混合溶液を300℃まで加熱し、1〜2時間の間に維持するステップと、
前記第1混合溶液を室温まで冷却させて、前記マグネタイトコアを形成するステップと、
前記マグネタイトコアに酢酸カドミウム、セレン及びこれらの還元剤を混合するステップと、
前記酢酸カドミウム、セレン及び前記還元剤にトリオクチルエーテルを混合して、第2混合溶液を形成するステップと、
前記第2混合溶液を130〜160℃まで加熱し、1〜2時間の間に維持するステップと、
前記第2混合溶液を室温まで冷却させて、前記マグネタイトコアに前記CdSeシェルをコーティングするステップと、を含む複合機能マグネタイト−CdSeコア−シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項11】
エタノールを添加して前記複合機能ナノ粒子を析出し、遠心分離機を利用して分離するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の複合機能マグネタイト−CdSeコア−シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項12】
前記第1混合溶液を形成するステップに界面活性剤としてトリブロックコポリマー(PEO-PPO-PEO)を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の複合機能マグネタイト−CdSeコア−シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項13】
前記第2混合溶液を形成するステップに界面活性剤としてトリブロックコポリマーを添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の複合機能マグネタイト−CdSeコア−シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項14】
連続工程で複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子を製造する方法であって、
磁性体コア物質の前駆体、前記磁性体コア物質の前駆体の還元剤、前記コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して第1混合溶液を形成し、加熱した後に冷却させて、前記磁性体コア物質を形成するステップと、
前記磁性体コア物質を形成する場所と同じ場所で半導体シェル物質の前駆体、前記半導体シェル物質の前駆体の還元剤、前記半導体シェル物質の前駆体と前記還元剤に溶媒を混合して第2混合溶液を形成し、加熱した後に冷却させて、前記磁性体コア物質に前記半導体シェル物質をコーティングするステップと、を含む複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子の製造方法。
【請求項15】
磁性体コア物質の前駆体と前記コア物質の前駆体の還元剤とを混合するステップと、
前記磁性体コア物質の前駆体と前記還元剤の溶媒を混合して、第1混合溶液を形成するステップと、
前記第1混合溶液を第1温度まで加熱し、第1時間の間に維持するステップと、
前記第1混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質を形成するステップと、
前記磁性体コア物質に半導体シェル物質の前駆体と前記半導体シェル物質の前駆体の還元剤とを混合するステップと、
前記半導体シェル物質の前駆体と前記還元剤に溶媒を混合して、第2混合溶液を形成するステップと、
前記第2混合溶液を第2温度まで加熱し、第2時間の間に維持するステップと、
前記第2混合溶液を室温まで冷却させて、前記磁性体コア物質に前記半導体シェル物質をコーティングするステップと、を含む連続工程で製造した複合機能磁性体コア−半導体シェルナノ粒子。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−81399(P2008−81399A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248543(P2007−248543)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(503169851)コリア・ユニヴァーシティ・ファウンデーション (4)
【Fターム(参考)】