説明

複合粗面化鋼板およびその製造法

【課題】ステンレス鋼ではない普通鋼や特殊鋼の鋼板において、接着剤や塗料との密着性に優れた粗面化鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.10〜0.38%、Si:0.35%以下、Mn:0.30〜0.90%、P:0.030%以下、S:0.035%以下、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有する鋼板の表面に、ダルロール圧延による第1の凹凸と、その凹凸の上にエッチングによるピッチの小さい第2の凹凸を形成して、圧延方向に測定した中心線平均粗さRaを0.6〜1.5μm、最大高さRyを5.0〜15.0μmとした複合粗面化鋼板。この複合粗面化鋼板は、上記組成の鋼板にダルロール圧延を施して圧延方向に測定した中心線平均粗さRaが0.4μm以上の第1の凹凸を形成した後、塩酸水溶液に浸漬して前記第1の凹凸の上にピッチの小さい第2の凹凸を形成する手法によって製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板表面にダルロール圧延とエッチングよる複合的な凹凸を形成した複合粗面化鋼板、およびその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に鋼板素材の表面には、防錆や塗膜密着性の観点からめっきを施すことが多いが、用途によってはめっき層を介さずに直接鋼板素地の上に塗料や接着剤を塗布する必要が生じることがある。
【0003】
近年では接着剤の性能向上もあり、各種構造物を製作する際に、接着剤により鋼板同士あるいは鋼板と異種材料を接合する工法が多用されるようになってきた。このような接着工法には、溶接歪みがない、シール性が向上する、軽量化が図れる、作業性が向上するなどの利点があり、例えば、工業用計算機や各種制御盤等の重要機器を収容する筐体、鉄道車両用ドア、屋根・エクステリア等の建材、エレベーター用壁パネル、ダクト、システムキッチンなど、広範な用途に利用されている。また、3次元データをもとに鋼板を所定形状に打ち抜き、積層、接着して「積層部品」や「積層金型」が製作されている。
【0004】
鋼板と異種材料を接着する用途として、例えば自動車のオートマチック・トランスミッションの構成部品であるフリクションプレートが挙げられる。これはコア材(鋼板)の表面に摩擦材(例えば、繊維基材に充填材や樹脂結合材などを含浸させて加熱硬化させた複合体)を貼り付けたものであり、トランスミッション内の湿式クラッチ板を構成するものである。また、免震構造の建築物を支える積層ゴムアイソレーターが挙げられる。これは、天然ゴムと鋼板を積層、接着したものであり、建築物と地面の間に介在して免震機構を担う。
【0005】
鋼板素地は一般に有機高分子樹脂等の塗膜や接着剤との密着性があまり良好ではない。このため、鋼板素地に直接塗料や接着剤を塗布した場合、曲げ加工や絞り加工で塗膜が剥離したり、接着剤を介して接合された材料が外部応力によって剥離したりする問題が生じやすい。そこで、前処理として、鋼板表面の粗面化が行われることがある。その代表的手段として、ブラスト処理およびダルロール圧延が挙げられる。
【0006】
ブラスト処理は、シュートやグリッドなどの研磨粒子を高圧の空気で送り出して粗面化すべき鋼板の表面に衝突させ、その衝突によって鋼板表面を削り取って凹凸形状にする粗面化手段である。しかし、削り取られた鋼粉の処理により連続生産性が低下し、また特に薄ゲージ鋼板の場合は板が反り返る等の形状不良が生じやすい。さらに研磨粒子の種類や空気圧等の条件によって表面粗さが変動しやすいという欠点もある。
【0007】
ダルロール圧延は、圧延ロール表面に形成した凹凸形状を鋼板表面に転写する粗面化手段であり、表面粗さの制御はある程度可能である。しかし、有機高分子樹脂皮膜との密着性を大幅に向上させるような粗面化は困難である。
【0008】
一方、ステンレス鋼を対象とした粗面化技術として、電解粗面化方法が開発されている。例えば、下記特許文献1には、硝酸または硝酸を主成分とする水溶液中でステンレス鋼の陽極電解または陽極電解+陰極電解を行う粗面化方法が開示されている。また特許文献2には、塩化第二鉄水溶液中でステンレス鋼板を交番電解することによりアンカー効果の高い特異な形状のピットを高密度に形成する方法が開示されている。これらはいずれも、ステンレス鋼が不動態皮膜を形成し易いという性質を利用したものである。すなわち、ステンレス鋼は本来、腐食形態が孔食状になりやすいため、この性質を巧みに利用すればアンカー効果の高い粗面化表面が比較的容易に作れる。
【0009】
これに対し、ステンレス鋼ではない普通鋼や特殊鋼を電解やエッチングによって粗面化することは必ずしも容易でない。これらの鋼種はCr含有量が低く、孔食よりも全面溶解の傾向が強いため、本来的にピットを高密度に形成させることが難しい。このため、電解やエッチングで工業的にアンカー効果の高い粗面化鋼板を製造するには多大なコストを要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−136600号公報
【特許文献2】特開平10−259499号公報
【特許文献3】特開平4−280953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ステンレス鋼ではない普通鋼や特殊鋼の鋼板において、接着剤や塗料との密着性に優れた粗面化鋼板であって、一般的な鋼板製造設備を利用して低コストで生産性よく製造できる粗面化鋼板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者らは種々研究を重ねた結果、ダルロール圧延とエッチングを組み合わせることによって、普通鋼においても、接着剤等の有機高分子樹脂皮膜との密着性が非常に良好な粗面化表面が形成できることを見出した。前述のように、ダルロール圧延だけでは有機高分子樹脂皮膜に対するアンカー効果は十分に得られない。他方、酸や塩に浸漬するエッチングでは普通鋼の表面に深いピットを高密度に形成するのが難しいため、高いアンカー効果を有する粗面化を工業的に低コストで実現することは困難である。ところが、ダルロール圧延とエッチングを適正な条件下で組み合わせると、ダルロールによる大きな凹凸の上にエッチングによる小さな凹凸を重ねて形成することができ、この新しい形態の粗面化表面が有機高分子樹脂皮膜に対して優れたアンカー効果を示すことが明らかになった。しかも、そのエッチング工程は、一般的な酸洗ラインを用いて容易に実施できる。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
【0013】
すなわち、上記目的は、鋼板表面に、ダルロール圧延による第1の凹凸と、その凹凸の上にエッチング(例えば塩酸水溶液に浸漬するエッチング)によるピッチの小さい第2の凹凸を形成した複合粗面化鋼板によって達成される。
本明細書では、このような大きい凹凸(第1の凹凸)と小さい凹凸(第2の凹凸)が重畳してなる特異な粗面化表面を持つ鋼板を「複合粗面化鋼板」と呼んでいる。圧延方向と平行方向にJIS B0601に定義される粗さ曲線を測定すると、そのプロフィールから第1の凹凸と第2の凹凸が重畳した特徴的な粗面化形態を把握することができる。
【0014】
鋼板の組成として、以下のものが対象となる。
i)質量%で、C:0.32〜0.38%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.60〜0.90%、P:0.030%以下、S:0.035%以下、残部Feおよび不可避的不純物。
ii)質量%で、C:0.52〜0.58%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.60〜0.90%、P:0.030%以下、S:0.035%以下、残部Feおよび不可避的不純物。
iii)質量%で、C:0.17〜0.20%、Si:0.04%以下、Mn:0.60〜0.90%、P:0.030%以下、S:0.025%以下、残部Feおよび不可避的不純物。
iv)質量%で、C:0.10〜0.15%、Si:0.04%以下、Mn:0.30〜0.50%、P:0.025%以下、S:0.025%以下、残部Feおよび不可避的不純物。
【0015】
この複合粗面化鋼板は、圧延方向に測定した中心線平均粗さRaが0.6〜1.5μm、かつ最大高さRyが5.0〜15.0μmである。ここで、RaおよびRyはJIS B0601に規定されるものである。
これらの複合粗面化鋼板は、特に、表面に有機高分子樹脂系接着剤を塗布して使用される用途に適する。
【0016】
上記の複合粗面化鋼板の製造法として、本発明では鋼板にダルロール圧延を施して圧延方向に測定した中心線平均粗さRaが0.4μm以上の第1の凹凸を形成した後、塩酸水溶液に浸漬して前記第1の凹凸の上にピッチの小さい第2の凹凸を形成する複合粗面化鋼板の製造法が提供される。
さらに、上記組成の鋼板にダルロール圧延を施して圧延方向に測定した中心線平均粗さRaが0.6〜1.5μmの第1の凹凸を形成した後、塩酸濃度50〜150g/L(リットル)、温度60〜95℃の範囲の塩酸水溶液に合計浸漬時間が25〜600秒となるように1回または複数回浸漬して前記第1の凹凸の上にピッチの小さい第2の凹凸を形成する複合粗面化鋼板の製造法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明では電解粗面化が難しい普通鋼や特殊鋼において、2種類の凹凸が複合した特異な粗面化表面の形成を可能にした。この複合粗面化鋼板は特に有機高分子樹脂皮膜との密着性が従来のダルロール仕上材などに比べ顕著に向上した。しかも、その製造は、一般的な鋼板製造ラインを利用して比較的簡単に実施することができる。したがって、本発明は、鋼板表面への各種樹脂コーティングの適用性を高め、特に接着接合の用途においては接合力の向上をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明に係る複合粗面化鋼板の表面を圧延方向に測定した粗さ曲線を示したもの、(b)はその途中工程であるダルロール圧延後の鋼板表面を圧延方向に測定した粗さ曲線を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1(a)に、本発明に係る複合粗面化鋼板の表面を圧延方向に測定した粗さ曲線の一例を示す。この鋼板は、質量%で、C:0.11%、Si:0.01%、Mn:0.31%、P:0.018%、S:0.008%を含有し残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼の冷延焼鈍鋼板(板厚1.0mm)を用いて、これに10%のダルロール圧延を施した後、濃度100g/L、温度90℃の塩酸水溶液に60秒浸漬してエッチングしたものである。図1(b)は、(a)の鋼板を製造する途中の段階であるダルロール圧延を終了した時点(エッチング前)の表面を圧延方向に測定した粗さ曲線である。
【0020】
図1(a)の複合粗面化鋼板には、図1(b)に示されるダルロール圧延による凹凸(第1の凹凸)の上にピッチの小さい凹凸(第2の凹凸)が形成されている様子がわかる。すなわち、ダルロール圧延で形成した凹凸の「うねり」を残したまま、エッチングによる細かい「ギザギザ」が付加されている。このような複合的な凹凸をもつ粗面化面は、ダルロール圧延ままの表面、あるいは、単なる酸洗表面に比べ、有機高分子樹脂皮膜の密着性を著しく向上させることができるのである。その密着性向上のメカニズムについては未だ推測の域を出ないが、おそらく第2の細かい凹凸によって樹脂との接触面積が増えることにより基本的な接着力が向上し、かつ、第1の大きな凹凸によって樹脂皮膜に付与された外力を受け止める能力が向上することで、結果的に高いアンカー効果が発揮されるものと考えられる。
【0021】
本発明では、前記i)〜iv)のいずれかの組成を有する鋼種を対象とする。この範囲には種々の普通鋼や特殊鋼が含まれるが、これらはステンレス鋼のように強固な不動態皮膜を形成しないため、本質的に電解またはエッチングによる粗面化が困難なものである。
【0022】
ダルロール圧延は、第1の凹凸を形成するために必須の工程である。本発明では、通常のダル仕上材を製造する工程がそのまま利用できる。鋼板の片面だけを粗面化する場合は、その面だけにダルロールを使用すればよい。最終的に有機高分子樹脂皮膜との高い密着性を実現するには、圧延方向に測定した中心線平均粗さRaが0.4μm以上となるようにダルロール圧延を施しておくことが望ましい。ただし、ダルロール圧延であまり大きな凹凸を形成するのは技術的困難を伴うので、Raの上限は概ね2.0μm程度とするのがよい。樹脂皮膜との密着性および製造性を考慮すると、ダルロール圧延でRaが0.6〜1.5μmの凹凸を形成することが効率的である。
【0023】
上記のようなRa値を呈する第1の凹凸が形成される限り、ダルロール圧延の圧延率は特に制限されるものではない。板厚やダルロール圧延前の加工度によっても異なるが、例えば、板厚0.8〜3.0mm程度の冷延焼鈍鋼板に対してダルロール圧延を施す場合、概ね8〜60%の圧延率とするのがよい。
【0024】
ダルロール圧延で第1の凹凸を形成した後、エッチングで第2の凹凸を形成する。その際、第1の凹凸の「うねり」を残したまま、その「うねり」に重畳するようにピッチの小さい第2の凹凸を形成する必要がある。
発明者らの検討によれば、そのような第2の凹凸は「塩酸」の水溶液に浸漬するエッチングにて形成できることがわかった。「硫酸」の水溶液では無理であった。
【0025】
例えば、塩酸濃度50〜150g/L、温度60〜95℃の塩酸水溶液が使用できる。浸漬時間は25〜300秒の範囲で調整すればよい。また、浸漬回数は1回でもよいが、複数回に分けて浸漬してもよいことが確認された。その場合、合計浸漬時間を25〜300秒の範囲で調整する。この塩酸によるエッチングは、鉄鋼メーカーの連続酸洗ラインを利用できるという利点がある。
【0026】
種々実験の結果、Ra値はダルロール圧延後の段階と、エッチング後とであまり変化しない傾向が見られた。最終的な複合粗面化鋼板において、圧延方向に測定したRaは0.4〜2.0μmとなっていることが望ましい。また、圧延方向に測定したRaが0.6〜1.5μm、かつRyが5.0〜15.0μmであるものは、有機高分子樹脂皮膜、特に接着剤との密着性および製造コストのバランスに優れるものである。
【実施例】
【0027】
質量%で、C:0.18%、Si:0.01%、Mn:0.63%、P:0.018%、S:0.003%を含有し残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼の冷延焼鈍鋼帯(板厚0.9mm)を用いて、これに約10%のダルロール圧延を施した。この鋼帯を脱脂した後、ダルロール圧延仕上の比較材鋼板を切り出し、これを鋼板Aとした。鋼帯の残りの部分は2分割して、2本の鋼帯を用意した。鋼板Aおよび上記2本の鋼帯からそれぞれサンプルを切り出して表面粗さを測定したところ、ダルロール圧延後のRaはいずれも1.2μmであった。
上記2本の鋼帯を4槽からなる連続酸洗ラインに通板して塩酸浸漬によるエッチングを行った。各々通板速度を変えることで合計浸漬時間を変え、本発明例の複合粗面化鋼板である鋼板Bおよび鋼板Cを得た。
表1に、エッチング条件および鋼板A〜Cの表面粗さ(圧延方向に測定したRa、Ry)を示す。
【0028】
【表1】

【0029】
鋼板A〜Cから複数のサンプルを切り出し、それぞれ粗面化表面の上に有機高分子樹脂系接着剤(田岡化学工業(株)製「テクノダインAH」)を平均厚さが10μmとなるようにほぼ均一に塗布し、以下の2通りの条件で焼付硬化処理を行った。
〔焼付条件1〕 80℃×60分
〔焼付条件2〕 100℃×65分
ここで、温度は雰囲気(大気)の温度を意味する。
【0030】
焼付硬化処理後の一部のサンプルは沸騰水中に1時間浸漬した。
各サンプルから曲げ試験片を切り出し、3.5R−90°V曲げ試験を行ったのち、曲げ加工部について「セロハンテープ剥離試験」を実施して接着剤の密着性を評価した。
セロハンテープ剥離試験は、JIS Z1522で定めるセロハン粘着テープを曲げ加工部の外周部に貼付した後、剥ぎ取って、接着剤皮膜の剥離状況を観察し、以下の基準で密着性を評価した。各サンプルともn=3で試験を行い、最も評価の悪い試験片の結果を採用し、◎および○を合格と判定した。
〔密着性評価基準〕
◎:剥離は認められない
○:点状の剥離が認められる
△:線状に連なった剥離が認められる
×:全面剥離またはそれに近い著しい剥離が認められる
結果を表2に示す。
【0031】
【表2】

【0032】
表2から判るように、ダルロール仕上材である鋼板Aは、加工部において接着剤との十分な密着性は得られなかった。これに対し、本発明例の複合粗面化鋼板である鋼板B、Cは、加工部においても各試験条件で接着剤との良好な密着性が維持された。A〜Cの鋼板は中心線平均粗さに差がないにもかかわらず、樹脂皮膜との密着性に大きな差が生じた。これは、本発明の複合粗面化鋼板における特異な表面凹凸の形態が、アンカー効果の増大に寄与したものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、C:0.32〜0.38%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.60〜0.90%、P:0.030%以下、S:0.035%以下、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有する鋼板の表面に、ダルロール圧延による第1の凹凸と、その凹凸の上にエッチングによるピッチの小さい第2の凹凸を形成して、圧延方向に測定した中心線平均粗さRaを0.6〜1.5μm、最大高さRyを5.0〜15.0μmとした複合粗面化鋼板。
【請求項2】
鋼板の組成が、質量%で、C:0.52〜0.58%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.60〜0.90%、P:0.030%以下、S:0.035%以下、残部Feおよび不可避的不純物である、請求項1に記載の複合粗面化鋼板。
【請求項3】
鋼板の組成が、質量%で、C:0.17〜0.20%、Si:0.04%以下、Mn:0.60〜0.90%、P:0.030%以下、S:0.025%以下、残部Feおよび不可避的不純物である、請求項1に記載の複合粗面化鋼板。
【請求項4】
鋼板の組成が、質量%で、C:0.10〜0.15%、Si:0.04%以下、Mn:0.30〜0.50%、P:0.025%以下、S:0.025%以下、残部Feおよび不可避的不純物である、請求項1に記載の複合粗面化鋼板。
【請求項5】
第2の凹凸は塩酸浸漬によるエッチングで形成されるものである請求項1〜4のいずれかに記載の複合粗面化鋼板。
【請求項6】
表面に有機高分子樹脂系接着剤を塗布して使用される請求項1〜5のいずれかに記載の複合粗面化鋼板。
【請求項7】
鋼板にダルロール圧延を施して圧延方向に測定した中心線平均粗さRaが0.4μm以上の第1の凹凸を形成した後、塩酸水溶液に浸漬して前記第1の凹凸の上にピッチの小さい第2の凹凸を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の複合粗面化鋼板の製造法。
【請求項8】
鋼板にダルロール圧延を施して圧延方向に測定した中心線平均粗さRaが0.6〜1.5μmの第1の凹凸を形成した後、塩酸濃度50〜150g/L、温度60〜95℃の範囲の塩酸水溶液に合計浸漬時間が25〜600秒となるように1回または複数回浸漬して前記第1の凹凸の上にピッチの小さい第2の凹凸を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の複合粗面化鋼板の製造法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−242950(P2009−242950A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168662(P2009−168662)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【分割の表示】特願2002−359656(P2002−359656)の分割
【原出願日】平成14年12月11日(2002.12.11)
【出願人】(000004581)日新製鋼株式会社 (1,178)
【Fターム(参考)】