説明

複合較正/検証ゲージ及びその製造方法

本発明は、ある測定精度で測定機器を較正する複合較正/検証ゲージに関する。特に、本発明は、多機能多次元の長さ基準及び作業現場で様々な測定機器を比較するための作業基準としての作業に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ある測定精度で測定機器を較正する複合較正/検証ゲージに関する。特に、本発明は、多機能多次元の長さ規格及び作業現場で様々な測定機器を比較するための作業規格としての作業に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ゲージブロックが、正確な長さ寸法を測定する場合、最も一般的な長さ規格として利用されている。ゲージブロックは、寸法の正確な測定の基準であるため、優れた耐摩耗性及び耐腐食性を有する必要がある。ゲージブロックが摩耗あるいは腐食した場合、その時点で基準として用いることが不可能になる。
【0003】
しかし、そのような従来の方法によれば、ゲージブロックに伴う問題があり、ゲージブロックが高価であり、様々な形状/サイズで提供され、5、10、19、34、47、88、103、112、122個等の組で入手可能である。複数のゲージブロックを組み合わせて異なるサイズにする必要があり、密着と呼ばれるゲージブロックの組み合わせには、特別な技能が必要であり、ゲージブロックの組み合わせ中に、すべての計算プロセスが人間に依存するものであり、時間のかかる仕事であるため、誤差が生じることがある。それだけではなく、ゲージブロックは最大限、平坦な外面の測定を行うように作られているため、内径の測定は困難な作業であり、さらに、時により、ゲージブロックを使用しての測定で所望の結果を得るために、ゲージブロックアクセサリ、サインバー、マスタシリンダ等の他の機器が必要なことがある。
【0004】
較正を可能にするために利用可能なゲージ組立体の特徴は、当然ながら、ゲージの全体構成に適合し、任意の既知のゲージ構成内で、異なる製造業者により様々な構成で達成されている。様々な調整可能なゲージブロックが機械に対して提案されており、ゲージブロックは、加工物を切断/設定すべき所望の寸法を確立するように設定することができる。これらゲージブロックのいくつかは、通常、テーブル上にスライド可能に取り付けられ、1組のネジにより選択された位置に保持される。
【0005】
これらゲージブロックは、意図される目的に対して満足のいくものであったが、ブロックを特定の位置にスライドさせ、次に、1組のネジをしめてゲージブロックを、テーブル上でスケールに隣接する正確な位置に固定して、所望の寸法を確立するために時間がかかり得るという特定の欠点を特徴としてきた。相当な研究及び実験の後に、緩められる付属品/組立体なしで多様的、複合的な性質であり、作業現場で異なる測定機器を容易に較正/検証する本発明のゲージブロックが考案された。
【0006】
(特許文献1)において、BROWN & SHARPE TESA SAは、測定器械を較正するための基準ゲージ及び測定器械の較正方法を開示している。較正された較正フォーク本体は、主要構成要素として、3個のブロックゲージと、ベースと、キャップとを備え、3個のブロックゲージは、中央のブロックゲージがその他の2個のブロックゲージから大きくずらされた状態で一緒に懸架される。3個のブロックゲージの組立体は、ブロックゲージの突出部が中央に配置される状態で、較正された較正フォーク本体に対して対称に位置決めされる。3個のブロックゲージの組立体により、突出部の外部寸法並びに測定された較正フォーク本体の内部寸法により、基準寸法を測定することができる。
【0007】
(特許文献2)において、KRISTENSEN,Gerhardは、1「mu」という大きさの精度でいわゆる作業ゲージ又はマスタを準備する方法及び測定要素システムを開示している。この発明は、特別な基準ゲージブロック及び特別な作業ゲージ部材並びに関連する特殊化された測定装置の両方を備え、2個の相互に固定可能に変位可能な要素の単純な長さ調整により作業ゲージを生成し得るシステムを提供し、この調整は、測定装置において前もって測定された基準ゲージブロックの寸法との比較により、測定装置において行われる。ゲージブロック及び作業ゲージは、同様の形状であり得、すなわち、円柱体及び円柱体から突出する測定定義ピンから成り得、これは、ゲージブロックの安価な設計及び作業ゲージの容易な調整性に適応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国特許出願第2003194501号明細書
【特許文献2】国際公開出願第8602993号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、高精度で正確に長さを測定する製品を大幅に単純化し、その高精度での正確な長さ測定を保証すると共に、多様的かつ複合的な性質の測定要素システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、差魚得基準又はマスタを提供するために、長さ可変であると共に固定可能な1つ又は複数のマスタユニットが使用され、マスタユニットは、測定ゲージにおいて、非実験室条件で、同じ又は対応する測定機器において測定される較正ゲージの長さに対応する長さ寸法に調整されて固定され、それにより、較正されたゲージは、一緒に配置された従来のゲージブロックを含む。測定機器は、ノギス、デジタルキャリパ、マイクロメータ、高さゲージ、深さゲージ、ボアゲージ、内部キャリパ、外部キャリパ、マイクロメータヘッド、ダイヤルインジケータ、ダイヤル試験インジケータ、角度定規、直角定規、Vブロック、及び、横定盤等を含む。
【0011】
したがって、本明細書に記載されるように、前部にある複数の段差と、異なる方向で段差にある複数の楕円形ボアと、一番上にある段差にある少なくとも1つのピンと、底部に平行し、ゲージの側面に存在する少なくとも1つの段差付き中央ボアと、一番上の段差にあるピンのベースと並んだ複数のより小さな段差と、前部に存在する上記段差の片側に形成される少なくとも1つのテーパ角度とを備える、作業現場で異なる測定機器を較正する複合較正/検証ゲージが提供される。
【0012】
所望のブロックの原材料を提供するステップと、原材料の化学組成をチェックするステップと、原材料を開示される設計に従って切断するステップと、切断された材料に対して基本的なフライス削りを実行するステップと、熱処理を実行して、材料の所望の硬さを得るステップと、サブゼロ処理を実行して、寸法の安定性を高めるステップと、材料の硬度をチェックするステップと、研削動作をゲージの異なる部分に対して実行するステップと、ゲージの異なる部分に対してラップ仕上げ及び最終仕上げを実行するステップと、異なるマスタ/基準ゲージを使用してゲージを較正するステップと、ゲージの異なる部分にマーキングするステップと、最終仕上げされた較正/検証ゲージの梱包及び配送を実行するステップとを含む複合較正/検証ゲージを製造する方法も提供される。
【0013】
本発明の別の目的によれば、汎用性を有し、複数の寸法基準、ボア基準、及び角度基準を有する複合較正/検証ゲージが提供される。
【0014】
本発明の別の目的によれば、緩められる付属品/組立体のないコンパクトな独自のスリーク設計を有する較正/検証ゲージが提供される。
【0015】
本発明の別の例示的な目的によれば、取り扱いに特殊な技能を必要とせず、検査及び測定についのいくらかの基本的な知識を有する人物が非常に容易に取り扱うことができる複合較正/検証ゲージが提供される。
【0016】
本発明の別の目的によれば、構造が単純であり、関連するすべての寸法がゲージ上の必要とされる位置に正しくマークされる複合較正/検証ゲージが提供される。
【0017】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、複合較正/検証ゲージを製造する方法が提供される。
【0018】
本発明の別の例示的な目的によれば、本方法は、全側面が使用可能であり、正確にラップ仕上げされ、必要とされる位置に各サイズが正しくマークされた複合較正/検証ゲージをさらに提供する。
【0019】
本発明の別の例示的な目的によれば、複数の測定段差を備え、世界中の主要な基準機器測定企業により提供される様々な用途に対する異なる範囲、モデル、及び最小カウントを有する多数の測定機器に最良に適する複合較正/検証ゲージが提供される。
【0020】
本発明の別の例示的な目的によれば、損耗性が小さい硬化鋼材料で作られる複合較正/検証ゲージが提供される。
【0021】
本発明の別の例示的な目的によれば、低コストであるため、小規模の業界、工場、及び多額の金銭を定期的な較正、予備の機器、熟練者、及び較正のために制御された環境の基準室に費やすことができない人にとって非常に有用な複合較正/検証ゲージが提供される。
【0022】
本発明の別の例示的な目的により、使用者が機器を調整できるか、又は倍率を使用してバイアスを補償できる複合較正/検証ゲージが提供される。
【0023】
本発明の別の例示的な目的によれば、作業現場でバイアス、繰り返し精度、安定性、線形性等の測定システム誤差を評価して、測定システムに関連する測定のばらつきを解析するために使用可能な複合較正/検証ゲージが提供される。
【0024】
本発明の別の例示的な目的によれば、すべての非機能エリアが作業面から0.2mm下がっており、このことがゲージの全側面に対して当てはまる、複合較正/検証ゲージが提供される。
【0025】
本発明の別の例示的な目的によれば、硬化鋼で作られるため、較正/検証ゲージを保持するために特別な環境が必要なく、市販されている大半の機器も硬化鋼で作られるため、熱膨張係数が同じである、複合較正/検証ゲージが提供される。
【0026】
本発明の別の例示的な目的によれば、ゲージブロックセット、高さマスタ、チェックマスタ、ステップゲージ等の他の基準と比較して、その独自の設計により必要なスペースが小さく、それにより、作業現場エリアに保持することが容易な複合較正/検証ゲージが提供される。
【0027】
本発明の別の例示的な目的によれば、「0」級ゲージブロックセット又は汎用長さ測定機械(ULM)等の高精度で任意の長さ基準により較正可能な複合較正/検証ゲージが提供される。
【0028】
本発明のこれら及び他の態様、利点、及び顕著な特徴は、以下の詳細な説明、添付図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかになろう。
【0029】
以下において、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】入手可能な従来技術による較正/検証ゲージを示す。
【図2a】本発明による較正/検証ゲージの斜視図を示す。
【図2b】本発明による較正/検証ゲージの側面図を示す。
【図2c】本発明による較正/検証ゲージの背面図を示す。
【図2d】本発明による較正/検証ゲージの他の側面図を示す。
【図3】本発明による較正/検証ゲージを準備する方法を示す。
【図4】異なる範囲、最小カウント、及びモデルを有する、較正/検証ゲージを使用することにより作業現場で較正可能な様々な測定機器を示す。
【図5】本発明による較正/検証ゲージの異なる部分の様々な測定を示す例を示す。
【図6a】本発明による較正/検証ゲージを使用して角度定規を較正する方法を示す例を示す。
【図6b】本発明による較正/検証ゲージを使用して直角定規を検証する方法を示す例を示す。
【図6c】本発明による較正/検証ゲージを使用して高さゲージを較正する方法を示す例を示す。
【図6d】本発明による較正/検証ゲージを使用して鋳鉄横定盤を検証する方法を示す例を示す。
【図6e】本発明による較正/検証ゲージを使用して内部/外部ダイヤルキャリパを較正する方法を示す例を示す。
【図6f】本発明による較正/検証ゲージを使用してダイヤル試験インジケータを較正する方法を示す例を示す。
【図6g】本発明による較正/検証ゲージを使用するプランジャ型ダイヤルインジケータを較正する方法を示す例を示す。
【図6h】本発明による較正/検証ゲージを使用して内径チェックゲージを較正する方法を示す例を示す。
【図6i】本発明による較正/検証ゲージを使用してVブロックを検証する方法を示す例を示す。
【図6j】本発明による較正/検証ゲージを使用して深さゲージを較正する方法を示す例を示す。
【図6k】本発明による較正/検証ゲージを使用してノギスの外部ジョーを較正する方法を示す例を示す。
【図6l】本発明による較正/検証ゲージを使用してデジタルキャリパの外部ジョーを較正する方法を示す例を示す。
【図6m】本発明による較正/検証ゲージを使用してデジタルキャリパの内部ジョーを較正する方法を示す例を示す。
【図6n】本発明による較正/検証ゲージを使用してデジタルキャリパの深さバーを較正する方法を示す例を示す。
【図6o】本発明による較正/検証ゲージを使用してマイクロメータを較正する方法を示す例を示す。
【図6p】本発明による較正/検証ゲージを使用してマイクロメータヘッドを較正する方法を示す例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
本明細書に記載されるように、本開示は、必要に応じて測定機器を較正する較正/検証ゲージに関する。多種多様な異なる機器に対する、非常に不便な、複数の較正ゲージの使用を示す図1を参照して、様々な測定機器/サブゲージを、広く平坦な平行面を有する単一の較正ゲージを使用して作業現場で較正することの重要性を当業者ならば理解するであろう。したがって、非常に小さな面積又はさらには実質的なピン形を有してもよく、或いは同様に、ブロック部材形内に固定の長さ、テーパ角度、及び複数のボア/段差を有する広い面を有してもよい、複数の広い支持面並びに複数の測定面及び形状を有するブロック部材を利用することが有利である。
【0032】
開示される本ゲージは、様々な測定機器に使用される少数の一般的な長さ、ボア、角度に適合するように特に設計される。本発明の大きな特徴は、本発明が、製造段階中に調整可能であり(製造後は調整できない)、高精度で使用可能な様々な長さ基準からなると共に、測定機器又はマスタ及び絶対的な測定に向けて予め調整されたゲージの両方に使用可能な新しい種類の「ゲージブロック」を提供することである。本発明に関連して、較正されたゲージを適切に使用するために、複数の広い支持面及び測定面を有するブロック部材を領することが完全に可能であり、さらには有利であるため、広く平坦な平行面を有するブロックが実際に必要ないことが認められている。このゲージは、較正に誤差を生じさせる恐れがある、緩められるいかなる付属品又は組立体部分も有さない。
【0033】
開示されるように、較正/検証ゲージの新規の設計は、複数の平面を備えると共に、円形ボア及び楕円形ボアの両方を備える。ゲージは、上部直立ピンをさらに備える。図2aから図2dには、開示されるゲージの異なる図が示される。較正ゲージの前部は、高さの異なる少なくとも5つの段差を備える。1番目及び2番目の段差は、同じ円周寸法の楕円形ボアを備える。4番目の段差の一端部は、45°に先細りする。5番目の段差は、7個の小さな段差と、所望の高さのピンとをさらに備える。これら4番目及び5番目の段差は、前部に存在する円形ボアをさらに備える。
【0034】
図に示されるように、ゲージは、内径測定機器を較正するための段差付きボアも側面に備える。本発明の所望の目的のうちの1つによれば、較正/検証ゲージは、非常に低い複雑性で、最大数の測定機器に適合するように設計される。較正ゲージのすべての側面は、隣接する側面に対して垂直にされ、上面は、最大の精度で底面に平行にされる。この底面は、高精度まで研磨され、片側に設けられる中央段差付きボアは、底面に対して厳密に平行する。ピンは、底面に対して厳密に垂直であり、円柱形である。小さな機械的破損/へこみから保護し、且つ尖った縁部を回避するために、ゲージのすべての作業面は面取りされる。
【0035】
上記ゲージの一番上の段差は複数の小さな段差をさらに備え、これら小さな段差は、レバー型ダイヤルインジケータ、プランジャ型ダイヤルインジケータ、電子プローブ等をチェックするために使用される。開示されるゲージを設計するに当たり、図面に固有の寸法又は作業現場で一般に毎日チェックする寸法の照合チェックを行えるように、様々な段差及び寸法を顧客の特定の要件に従って変更することが可能である。換言すれば、較正/検証ゲージの独自の本設計を使用して、高度のカスタマイズが可能である。それだけではなく、このゲージは、作業現場で様々な測定研究を行い、測定システムに関連する測定のばらつきを解析するためにも有用であり得る。
【0036】
本設計の別の目的によれば、単一のマスタゲージは、他の緩められる付属品/組立体を備えない。さらに、較正/検証ゲージの全側面が使用可能であり、厳密にラップ仕上げされ、必要な位置にそれぞれのサイズで正しくマーキングされる。その単純な構成により、ゲージ自体を、少数の重要な用途又は使用者仕様に従ってある程度までカスタマイズすることができる。(例えば、ボア直径、段差の高さ、段差の幅、角度、ピンの直径等)。さらに、ゲージは非常に経済的であり、ゲージブロックセット、ULM、及びダイヤル構成テスタ等の他の長さ基準と比較して、誰でも非常に容易に購入できる。ゲージのすべての側面/段差が、異なる範囲、モデル、最小カウントを有する様々な測定機器を較正/検証するために複数の用途で使用でき、したがって、多機能・多目的ゲージとして機能するため、ゲージのどの部分も特定の機器に対するものであると特定されない。例えば、25.0mm、50.0mm、75.0mm等の段差を、マイクロメータ、ノギス、デジタルキャリパ、プランジャダイヤルインジケータ、及び高さゲージの較正に使用することができる。図4に示されるように各作業機器カテゴリに対して多くのマスタを有する必要もなければ、実験室の制御された環境条件を有する必要もない。較正/検証ゲージは、「0」級ゲージブロック又は汎用長さ測定機器(ULM)等の高精度の任意の長さ基準により較正することができる。
【0037】
さらに、図3に示すように、開示されるゲージを製造する方法は、所望のブロックの原材料を提供するステップと、原材料の化学組成をチェックするステップと、開示される設計に従って原材料を切断するステップと、切断された材料に対して基本的なフライス削りを実行するステップと、熱処理及びサブゼロ処理を実行して、材料の所望の硬度及びよりよい寸法安定性を得るステップと、材料の硬度をチェックするステップと、ゲージの異なる部分に研削動作を実行するステップと、ゲージの異なる部分に対してラップ仕上げ及び最終仕上げ動作を実行するステップと、異なるマスタゲージを使用してゲージを較正するステップと、必要な寸法をマーキングするステップと、クリーニングするステップと、最終仕上げされたゲージの梱包及び配送を実行するステップとを含む。
【0038】
較正ゲージに選択される原材料は、動作中に生じる摩耗がより少ない高炭素高クロム超強度鋼である。所望の材料の検証において、原材料ブロックがゲージの設計に従ってマーキングされ、次に、所望の形状に切断される。開示されるゲージの段差設計のために、フライス削り動作が実行され、原材料が予め加熱された炉内で熱処理され、次に焼き戻しされ、サブゼロ処理されて、所望の硬度(値)及び寸法安定性を有する。硬い材料は受ける摩耗が少なく、長期間にわたって使用可能であるため、機器が硬いことが望ましい。表面を滑らかにするために、研削動作が全表面に対して実行され、その後、全表面がラップ仕上げされ研磨される。研磨動作後、ゲージは使用可能な状態になり、次に、基準ゲージを使用して異なる機能部分が較正される。次に、較正されたゲージは、異なる部分での実際の寸法を可視化するためにマーキングされ、次に、梱包されて配送先に配送される。本明細書において、較正/検証ゲージがいかなる構成要素の組立体も含まず、したがって、いかなる緩められる付属品も含まないことに留意し得る。
【0039】
較正/検証ゲージは、バイアス、繰り返し精度、安定性、線形性等の測定システム誤差を作業現場で評価して、測定システムに関連する測定のばらつきのタイプを解析するために使用することができる。また、ゲージ材料は、カーバイド、セラミック等、異なる用途又は顧客の要件に従って変更することが可能である。
【実施例】
【0040】

さらに、図5は、本発明による較正/検証ゲージの異なる部分の様々な測定を示す例を示す。さらに、図6a〜図6pは、様々な測定機器の較正/検証に使用される方法を示す。
・較正ゲージの設計は多くの段差を有し、これら段差は、機器の全作業範囲をある程度までカバーでき、使用者が、機器の全作業範囲をカバーすることにより、最小で2つ又は3つの範囲の機器を較正できるように選択される。
【0041】
例:使用者は、範囲(0〜25mm)の5mm、10mm、25mmの段差、範囲(25〜50mm)の25mm、30mm、50mmの段差、範囲(50〜75mm)の50mm、60mm、70mm、及び75mmの段差、並びに範囲(75〜100mm)の75mm、90mm、100mmの段差の外部マイクロメータを較正することができる。
・一側面から、段差は、ノギス、デジタルキャリパ、マイクロメータ、及び高さゲージ等の様々な機器を異なる段差でチェックするための30mm、60mm、90mm、110mm、及び130mmである。
【0042】
例:使用者は、10mm、25mm、30mm、50mm、60mm、70mm、90mm、110mm、130mmの段差でノギス、デジタルキャリパ、及び高さゲージを較正することができる。
・上面に、ノギス、デジタルキャリパ、マイクロメータ較正等の素早い参照のための直径5.0±0.003mmのピンがある。
・上に7個の小さな段差があり、これら小さな段差は、レバー型ダイヤルインジケータ、プランジャ型ダイヤルインジケータ、及び電子プローブ等のチェックに使用される。
【0043】
例:使用者は、(0〜0.140mm)の範囲の0.03mm、0.1mmの段差及び(0〜1.0mm)の範囲の0.03mm、0.1mm、0.5mm、及び1.0mmの段差のレバー型ダイヤルインジケータを較正することができる。
【0044】
例:使用者は、(0〜10mm)の0.03mm、0.1mm、0.5mm、1mm、3mm、5mm、及び10mmの段差、範囲(0〜50mm)の0.03mm、0.1mm、0.5mm、1mm、3mm、5mm、10mm、25mm、30mm、及び50mmの段差、並びに範囲(0〜100mm)の0.03mm、0.1mm、0.5mm、1mm、3mm、5mm、10mm、25mm、30mm、50mm、60mm、70mm、75mm、90mm、及び100mmの段差のプランジャ型ダイヤルインジケータを較正することができる。
・30mm及び60mmの段差に、ノギス、デジタルキャリパ、及び深さゲージの深さバーをチェックするための楕円形の溝がある。
【0045】
例:使用者は、30mm、60mmの段差のキャリパの深さバーを較正することができる。
・110mm及び130mmの段差に直径8.5mmの穴があり、これら穴は、10mm及び25mmの深さについてマイクロメータヘッドを較正するためのものである。
・4番目の段差に、角度定規、コンビネーションセット等の角度装置をチェックするための45°の角度があるが、これとは別に側面は垂直面または平行面として用いることができる。
【0046】
例:使用者は、角度45°、90°、180°の段差で角度定規を較正することができる。
・他の側面から、段差のサイズは、マイクロメータ、ノギス、デジタルキャリパ、高さゲージ、外部キャリパ等を異なる段差でチェックするための10mm、25mm、50mm、75mm、100mmである。
・側面にサイズ30mm及び40mmの2個のボアがあり、これらボアは、ゴアゲージ、穴テスト、内部キャリパ、ノギスの内部ジョー等の設定/較正のためのものであり、その上、70mmの深さを有する深さゲージをチェックすることができる。
・ゲージの背面は、Vブロック、横定盤、直角定規等の検証に使用される。
・較正/検証ゲージのすべての非機能エリアは、作業面から0.2mmから下がっており、このことはゲージのすべての側面に対して当てはまる。
【0047】
例示的な実施形態/例について、実施形態に関係する構成要素を示す図を参照して主に説明した。実際のシステムの完全な実施態様のすべての部分が必ずしも詳細に図示又は説明されているわけではなく、様々な構成要素レイアウト方式のすべてが説明されているわけでもないことを理解されたい。上記説明に関して、機能及び動作様式の多くの変更を含め、本発明の異なる構成要素又は部品の最適な関係、組み立て、及び使用が、当業者には容易に明らかになり、自明であると考えられ、図面に示され本明細書において説明される関係と均等なすべての関係が本発明に包含されるものと意図されることを認められたい。
【0048】
したがって、上記は、本発明の原理の単なる例示としてみなされる。さらに、当業者は多くの修正及び変更を容易に思い付くため、本発明を図示され説明された厳密な構成及び動作に限定することは望まれず、したがって、較正ゲージに選択される材料を含め、適したすべての変更及び均等物が本発明の範囲内にあるものとし得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場で異なる作業機器を較正する複合較正/検証ゲージであって、
前部にある複数の段差と、
異なる方向で前記段差にある複数の楕円形ボアと、
一番上にある前記段差にある少なくとも1つのピンと、
底部に平行し、前記ゲージの側面に存在する少なくとも1つの段差付き中央ボアと、
一番上の前記段差にある前記ピンのベースと並んだ複数のより小さな段差と、
前部に存在する前記段差の片側に形成される少なくとも1つのテーパ角度と
を備える、較正/検証ゲージ。
【請求項2】
前記ゲージに使用される材料は高炭素高クロム鋼である、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項3】
前記較正ゲージの全側面は、隣接する側面に対して垂直になり、上面は最高精度で底面に平行し、前記ゲージのすべての非機能エリアは、作業面から0.2mm下がり、このことが前記ゲージの全側面に対して当てはまる、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項4】
好ましい前記テーパ角度は45°である、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項5】
前記前部にある前記段差の好ましい数は5である、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項6】
前記一番上にある段差部分にある前記より小さな段差の好ましい数は7である、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項7】
前記ピンは前記底面に対して厳密に垂直であり、円柱形であり、前記ピンの上端部は平坦な形状である、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項8】
前記ゲージは、「0」級ゲージブロックセット又は汎用長さ測定機械(ULM)等の高精度の任意の長さ基準により較正される、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項9】
前記ゲージは緩められる付属品/組立体を有さない、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項10】
前記ゲージブロックのすべての作業側面は、小さな機械的破損/へこみから保護し、且つ尖った縁部を回避するために面取りされる、請求項1に記載の較正/検証ゲージ。
【請求項11】
複合較正/検証ゲージを製造する方法であって、
所望のブロックの原材料を提供するステップと、
前記原材料の化学組成をチェックするステップと、
開示される設計に従って前記原材料を切断するステップと、
前記切断された材料に対して基本的なフライス削りを実行するステップと、
熱処理を実行して、前記材料の所望の硬度を得るステップと、
サブゼロ処理を実行して、寸法安定性を向上させるステップと、
前記材料の硬度をチェックするステップと、
前記ゲージの異なる部分に研削動作を実行するステップと、
前記ゲージの前記異なる部分に対してラップ仕上げ及び最終仕上げ動作を実行するステップと、
異なるマスタ/基準ゲージを使用して前記ゲージを較正するステップと、
前記ゲージの前記異なる部分にマーキングするステップと、
前記最終仕上げされた較正/検証ゲージの梱包及び配送を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
実質的に添付図面を特に参照して本明細書において説明された、作業現場で異なる測定機器を較正する較正/検証ゲージ。
【請求項13】
実質的に添付図面を特に参照して本明細書において説明された、較正/検証ゲージを製造する方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図2(d)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図6(d)】
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【図6(e)】
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【図6(f)】
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【図6(g)】
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【図6(h)】
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【図6(i)】
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【図6(j)】
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【図6(k)】
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【図6(l)】
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【図6(m)】
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【図6(n)】
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【図6(o)】
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【図6(p)】
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【公表番号】特表2012−500397(P2012−500397A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523483(P2011−523483)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【国際出願番号】PCT/IN2008/000630
【国際公開番号】WO2010/020995
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(511027323)
【Fターム(参考)】