説明

複式熱交換器

【課題】 複数の熱交換器を外部流体の流れ方向に並列配置して、それらを機械的に接合するものにおいて、作動時の温度差に伴う熱歪みを低減可能とする複式熱交換器を提供する。
【解決手段】 第1熱交換器100および第2熱交換器200が、熱交換用外部流体の流れ方向に対して並列配置され、第1、第2熱交換器100、200の対向する辺と隣り合う辺の一方側同士、および他方側同志が取付け部材300を介して、締結部材410で機械的に締結される複式熱交換器において、所定部位の締結部材410に、締結方向と直交する方向の熱歪みを吸収可能とする弾性部材430を設けると共に、締結部材410の締結方向が一方側と他方側とで異なるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1熱交換器および第2熱交換器が機械的に接合されて、用途の異なる発熱機器の冷却用に使用される複式熱交換器に関するものであり、例えばハイブリッド車両のエンジン冷却、および走行用モータの制御用インバータ冷却に用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
従来、用途の異なる発熱機器をそれぞれ冷却する第1熱交換器および第2熱交換器を有する複式熱交換器(例えば特許文献1)として、外部流体(冷却用空気)の流れ方向に対して、2つの熱交換器が直列配置されたものが知られている。
【0003】
この複式熱交換器は、例えば車両のエンジン冷却用のラジエータ、および空調装置の冷媒冷却用のコンデンサとして、車両エンジンルームの前方に搭載される。
【0004】
近年の車両設計においては、与えられる車両サイズの中で、キャビン(室内)をいかに大きく確保するか、そのためにはエンジンルーム(特に前後方向寸法)をいかにコンパクトに設計するかという思想が強くなっており、合わせて、車両衝突基準からくるエンジンルーム内へのクラッシャブルゾーンの設定のため、上記のように2つの熱交換器を直列配置したものをエンジンルーム内に搭載するのが極めて困難な場合がある。
【0005】
一方、2つの熱交換器を上下方向に配置(外部流体の流れ方向に並列配置)してフィン、チューブ、ヘッダタンクを一体的に形成した複式熱交換器(例えば特許文献2)が知られており、上記のようにエンジンルーム内の搭載条件が厳しいものには、有効な熱交換器であると考えられる。
【特許文献1】特開2000−146481号公報
【特許文献2】特開2001−59420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載の複式熱交換器においては、2つの熱交換器が一体的に形成されていることから、一方の熱交換器のチューブ長手方向の寸法を他方の熱交換器の寸法に統一する必要があり、また、現実的な生産を考えるとフィンとチューブとを連続的に積層組付けしていくことから、フィン、チューブの仕様も両熱交換器で同一仕様にする必要があり、設計の自由度が制約され、それぞれの熱交換器にマッチした仕様設定が行い難い。
【0007】
よって、本発明者は、2つの独立した熱交換器(例えばアルミニウム製)をそれぞれ専用設計して、両者を並列配置した後に、金属製のブラッケット(例えば鉄製)で機械的に接合したものを考えたが、この場合では、各熱交換器とブラッケットとの材質差、また、発熱機器が異なることによる2つの熱交換器間の温度差、あるいは個々の熱交換器内での温度差(温度分布)等によって、各部材間の熱膨張差に伴う熱歪みが複雑に(3次元の方向で)生じ得るために、この熱歪み低減のための配慮が必要であった。
【0008】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、複数の熱交換器を外部流体の流れ方向に並列配置して、それらを機械的に接合するものにおいて、作動時の温度差に伴う熱歪みを低減可能とする複式熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0010】
請求項1に記載の発明では、第1熱交換器(100)および第2熱交換器(200)が、熱交換用外部流体の流れ方向に対して並列配置され、第1、第2熱交換器(100、200)の対向する辺と隣り合う辺の一方側同士、および他方側同士が取付け部材(300)を介して、締結部材(410)で機械的に締結される複式熱交換器において、所定部位の締結部材(410)には、締結方向と直交する方向の熱歪みを吸収可能とする弾性部材(430)が設けられると共に、締結部材(410)の締結方向が一方側と他方側とで異なることを特徴としている。
【0011】
これにより、各熱交換器(100、200)において、締結される一方側で締結部材(410)の締結方向と直交する2軸方向(例えば左右方向と上下方向)の熱膨張差の吸収を可能とし、また、他方側では、一方側で吸収し得ない軸方向(例えば前後方向)の熱膨張差と、残りの他の軸方向(例えば上下方向)の熱膨張差の吸収が可能となり、総合的に各熱交換器(100、200)は、3軸(3次元)方向の熱膨張差の吸収を可能として、複雑に発生する熱歪みを低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、締結部材(410)の締結方向は、第1熱交換器(100)の一方側と第2熱交換器(200)の他方側とで同一となるようにしたことを特徴としている。
【0013】
これにより、隣り合う締結部の締結方向がすべて異なる方向とすることができるので、複式熱交換器(10)全体としてバランスよく熱膨張差を吸収することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、弾性部材(430)は、すべての部位の締結部材(410)に設けられたことを特徴としている。
【0015】
これにより、各締結部において熱膨張差を吸収できるので、熱歪みの低減効果を最大限に引き出すことができる。
【0016】
本複式熱交換器(10)は、請求項4に記載の発明のように、エンジンおよび走行用モータを有するハイブリッド車両に搭載され、第1熱交換器(100)をエンジン冷却用として、また、第2熱交換器(200)を走行用モータを制御するインバータ冷却用として設定して好適である。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、各熱交換器(100、200)に締結される締結部材(410)のうち少なくとも1つの締結部材(410)には、締結方向と直交する方向の熱歪みを吸収可能とする弾性部材(430)が設けられると共に、第1タンク部(120)における締結部材(410)の締結方向と第2タンク部(130)における締結部材(410)の締結方向とが異なっており、第3タンク部(220)における締結部材(410)の締結方向と第4タンク部(230)における締結部材(410)の締結方向とが異なっていることを特徴としている。
【0018】
これにより、請求項1と同様の作用効果を奏することができると共に、特に、異なる流体(第1流体と第2流体)が内部を通過する2つの熱交換器(100、200)において、熱膨張差が大きいチューブ長手方向の熱歪みを吸収することができる。
【0019】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
本発明における第1実施形態を図1、図2に示す。本発明の複式熱交換器10は、ハイブリッド車両用の熱交換器として適用したものであり、エンジンを冷却する第1熱交換器100と、走行用モータを制御するインバータを冷却する第2熱交換器200とを有し、ブラッケット300を介してボルト410によって機械的に締結されて形成されている。
【0021】
第1熱交換器100は、アルミニウム製のコア部110および樹脂製の左タンク120、右タンク130とから成る。
【0022】
コア部(本発明における第1コア部に対応)110は、複数のチューブ(本発明における第1チューブに対応)111およびフィン(本発明における第1フィンに対応)112が交互に積層され、最外方のフィン112の更に外方には強度部材としてのサイドプレート113が配設されている。チューブ111の長手方向両端部はコアプレート114に貫通して接続され、更に、コアプレート114には、チューブ111の長手方向の一端側に左タンク(本発明における第1タンク部に対応)120、他端側に右タンク(本発明における第2タンク部に対応)130がかしめによって機械的に接合されている。
【0023】
両タンク120、130には、後述するブラッケット300との締結を行うための取付け部121(左側2箇所、右側2箇所)、エンジンからの冷却水(本発明における第1流体に対応)が流入、流出する入口パイプ122、出口パイプ132がそれぞれ設けられている。また、右タンク130には、冷却水を注入するための注入口133が設けられており、この注入口133には、圧力キャップ134が装着されている。更に、右タンク130の内部には、ATF(オートマチックトランスミッションフルード)冷却用のオイルクーラ(2重管式オイルクーラ)135が設けられている。
【0024】
両タンク120、130における取付け部121は、各タンク120、130に設けられた凹部121aにナット121bが挿入されて形成されている。凹部121aには、各タンク120、130の外部側に開口して、後述するボルト410およびカラー420の先端側が挿通可能となる開口部121cと、各タンク120、130の内部側に凹んでボルト410の先端側が挿入可能となるボルト挿入部121dとが形成されている。
【0025】
そして、取付け部121のナット121bの雌ねじ成形方向(ボルト410が締結される方向)は、右タンク120と、左タンク130とで異なるようにしている。即ち、ここでは、左タンク120の取付け部121の雌ねじ成形方向を図1紙面に対して、垂直方向とし、また、右タンク130の取付け部121の雌ねじ成形方向を図1中の左右方向としている。
【0026】
尚、凹部121aとナット121bとの間には、ナット121bの雌ねじ成形方向から見た場合に、上下方向および左右方向に所定の隙間部aが形成されるようにしている。
【0027】
一方、第2熱交換器200は、オールアルミニウム製の熱交換器であり、チューブ(本発明における第2チューブに対応)211、フィン(本発明における第2フィンに対応)212、サイドプレート213、コアプレート214から成るコア部(本発明における第2コア部に対応)210、入口パイプ222を有し、コア部210のチューブ211長手方向の一端側に配置される左タンク(本発明における第3タンク部に対応)220、出口パイプ232を有し、コア部210のチューブ211長手方向の他端側に配置される右タンク(本発明における第4タンク部に対応)230が一体的にろう付けされて形成されている。第2熱交換器200の必要冷却能力(インバータ冷却能力)は、第1熱交換器100の必要冷却能力(エンジン冷却能力)に対して小さくて済むため、主に、チューブ211、フィン212の積層段数、およびフィンピッチの調整等によって小型化されて形成されている。
【0028】
そして、第2熱交換器200の両タンク220、230にも上記第1熱交換器100と同様に、凹部121a、ナット121bから成る取付け部121(左側2箇所、右側2箇所)が設けられている。ただし、雌ねじの成形方向は、左タンク220で図1中の左右方向とし、また、右タンク230で図1紙面に対して垂直方向としている。
【0029】
ブラッケット300は、上記2つの熱交換器100、200を冷却用空気(本発明における熱交換用外部流体に対応)の流れ方向に対して並列となるように、且つ、一方のサイドプレート113、213(本発明における対向する辺に対応)同士を対向するように配置して、左タンク120、220同士(本発明における隣り合う辺の一方側同士に対応)、右タンク130、230同士(本発明における隣り合う辺の他方側同士に対応)を機械的に締結する取付け部材(本発明における第1、第2取付け部材に対応)であり、各熱交換器100、200の外方に左右対称となるように2つ設けられている。
【0030】
更に詳述するとブラッケット300は、鉄材から成る帯板状部材がコの字状に折り曲げられて形成されており、コの字状の開口側となる端部には、車両ボディ側との取付け用のための取付けピン310が設けられている。また、左タンク120、右タンク230に設けられた取付け部121に対応するように矩形状の張出し部320(4箇所)が設けられている。そして、ブラッケット300の各タンク120、130、220、230の各取付け部121のナット121bと対向する部位には、後述するボルト410およびカラー420が挿通され、また、ゴムブッシュ430が嵌合されるボルト穴330が設けられている。
【0031】
ゴムブッシュ(本発明における弾性部材に対応)430は、2段の円筒状を成しており、大径側が各タンク120、130、220、230側となるようにして、小径側がブラッケット300のボルト穴330に嵌合されている。
【0032】
カラー420は、パイプ材の一端側がフランジ成形されたもので、反フランジ側となる先端部がブラケット300側から各タンク120、130、220、230側に向けて、ゴムブッシュ430の中心部に挿入されている。
【0033】
そして、ボルト(本発明における締結部材に対応)410がカラー420のフランジ側から挿入され、ナット121bに螺合されることで2つの熱交換器100、200は機械的に接合される。この時、ゴムブッシュ430は所定の圧縮代で圧縮されて、カラー420の先端部がナット121bに当接することでナット121bに対するボルト410の締結代が規定され、所定の軸力が確保される。
【0034】
以上のように形成される複式熱交換器10においては、エンジンから流出するエンジン冷却水が第1熱交換器100のコア部110内を流通し、また、インバータから流出するインバータ冷却水(本発明における第2流体に対応)が第2熱交換器200のコア部210内を流通し、冷却用空気との熱交換により冷却される。また、第1熱交換器100のオイルクーラ135内を流通するATFは、右タンク130内を流通するエンジン冷却水によって冷却される。
【0035】
ここで、通常、エンジン冷却水温度は、100〜110℃に維持され、また、インバータ冷却水温度は、60〜70℃に維持され、第1熱交換器100と第2熱交換器200との間には温度差が生じる。第1熱交換器100においては、エンジン冷却水回路中のサーモスタットの開閉により、制御される温度の変動幅も大きい。また、それぞれの熱交換器100、200の各コア部110、210内においても、入口パイプ122、222側から出口パイプ132、232側に向けて各冷却水が順次冷却されることから温度差が生ずる。更に、冷却用空気の流れ方向においても、熱交換前の低温の空気によって流入側では冷却水の冷却が促進されるが、流出側に向けて冷却用空気温度が上昇していき、冷却水の冷却効率が低下して、冷却水の温度差が生じ得る。
【0036】
このように、複式熱交換器10の作動中においては、上記のような冷却水の温度差に伴って、各部材の熱膨張差ができ、特にチューブ111、211とコアプレート114、214との接合部や、各タンク120、130、220、230等における熱歪みが、複雑に(3次元方向に)発生する。
【0037】
本実施形態では、各ボルト410に、締結方向と直交する方向の熱歪みを吸収可能とするゴムブッシュ430を設けると共に、ボルト410の締結方向が左タンク120、220と右タンク130、230とで異なるようにしているので、各熱交換器100、200において、左タンク120、220側でボルト410の締結方向と直交する2軸方向(例えば左タンク120では左右方向と上下方向)の熱膨張差の吸収を可能とし、また、右タンク130、230側では、上記左側で吸収し得ない軸方向(例えば右タンク130では図1紙面の垂直方向)の熱膨張差と、残りの他の軸方向(例えば上下方向)の熱膨張差の吸収が可能となり、総合的に各熱交換器100、200は、3軸(3次元)方向の熱膨張差の吸収を可能として、複雑に発生する熱歪みを低減することができる。
【0038】
尚、上記熱膨張差の吸収については、図2中で、仮に右タンク130が上側(あるいは図2中の紙面に対して手前側)に延びようとした時、ゴムブッシュ430が上方向(あるいは手前方向)に弾性変形し、その弾性変形の範囲で右タンク130が隙間部aを移動することで成される。
【0039】
また、ボルト410の締結方向において、第1熱交換器100の左タンク120側と第2熱交換器200の右タンク230側とで同一となるようにしているので、隣り合う締結部の締結方向がすべて異なる方向とすることができ、複式熱交換器10全体としてバランスよく熱膨張差を吸収することができる。
【0040】
また、ゴムブッシュ430をすべての部位のボルト410に設けるようにしているので、各締結部において熱膨張差を吸収でき、熱歪みの低減効果を最大限に引き出すことができる。
【0041】
(その他の実施形態)
上記第1実施形態のように各タンク120、130、220、230に対して2箇所ずつゴムブッシュ430を設ける場合は、2箇所のうち少なくとも一方(所定部位)にゴムブッシュ430が含まれるものとしても良い。即ち、ゴムブッシュ430が設定されない側がリジッド固定となるが、そこを基準としてゴムブッシュ430が設定される側で熱歪みの吸収が可能となる訳である。
【0042】
また、第2熱交換器200におけるインバータ冷却水温度が、第1熱交換器100のエンジン冷却水温度より低く、更に、インバータ冷却水温度自身の変動幅が少ない場合は、熱歪みとしては、主に第1熱交換器100側に発生することから、第2熱交換器200におけるゴムブッシュ430は4箇所とも廃止しても良い。
【0043】
また、上記第1実施形態では、ハイブリッド車両用の複式熱交換器10としてエンジン冷却用の第1熱交換器100とインバータ冷却用の第2熱交換器200として説明したが、ハイブリッド車両に限らず、エンジン冷却用とオイル冷却用、エンジン冷却用と空調用冷媒冷却用、エンジン冷却用と過給ガス冷却用等その他の組み合わせとしても良い。
【0044】
また、第1熱交換器100と第2熱交換器200の配置については、互いのタンク(例えば130と220)が対向するようにして、サイドプレート113、213同士をブラッケット300を介して締結するようにしても良い。
【0045】
また、各タンク120、130、220、230における取付け部121は、ゴムブッシュ430付きとして、各一箇所のみの設定としても良い。
【0046】
また、第1熱交換器100の両タンク120、130は、樹脂製に限らず、金属製(コア部110と同じくアルミニウム製)のものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態における複式熱交換器を示す正面図である。
【図2】図1のA部における詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 複式熱交換器
100 第1熱交換器
110 コア部(第1コア部)
111 チューブ(第1チューブ)
112 フィン(第1フィン)
120 左タンク(第1タンク部)
130 右タンク(第2タンク部)
200 第2熱交換器
210 コア部(第2コア部)
211 チューブ(第2チューブ)
212 フィン(第2フィン)
220 左タンク(第3タンク部)
230 右タンク(第4タンク部)
300 ブラッケット(取付け部材、第1、第2取付け部材)
410 ボルト(締結部材)
430 ゴムブッシュ(弾性部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1熱交換器(100)および第2熱交換器(200)が、熱交換用外部流体の流れ方向に対して並列配置され、前記第1、第2熱交換器(100、200)の対向する辺と隣り合う辺の一方側同士、および他方側同士が取付け部材(300)を介して、締結部材(410)で機械的に締結される複式熱交換器において、
所定部位の前記締結部材(410)には、締結方向と直交する方向の熱歪みを吸収可能とする弾性部材(430)が設けられると共に、
前記締結部材(410)の締結方向が前記一方側と前記他方側とで異なることを特徴とする複式熱交換器。
【請求項2】
前記締結部材(410)の締結方向は、前記第1熱交換器(100)の前記一方側と前記第2熱交換器(200)の前記他方側とで同一となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の複式熱交換器。
【請求項3】
前記弾性部材(430)は、すべての部位の前記締結部材(410)に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複式熱交換器。
【請求項4】
エンジンおよび走行用モータを有するハイブリッド車両に搭載され、
前記第1熱交換器(100)は、前記エンジン冷却用であり、
前記第2熱交換器(200)は、前記走行用モータを制御するインバータ冷却用であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の複式熱交換器。
【請求項5】
第1流体が通過する複数本の第1チューブ(111)と、前記第1流体と熱交換用外部流体との熱交換を促進させる第1フィン(112)とが交互に積層された第1コア部(110)と、前記第1チューブ(111)の長手方向において、前記第1コア部(110)の一端と接続される第1タンク部(120)と、前記第1チューブ(111)の長手方向において、前記第1コア部(110)の他端と接続される第2タンク部(130)とを有する第1熱交換器(100)と、
前記第1流体と異なる温度の第2流体が通過する複数本の第2チューブ(211)と、前記第2流体と前記熱交換用外部流体との熱交換を促進させる第2フィン(212)とが交互に積層され、前記熱交換用外部流体流れに対し、前記第1コア部(110)と並列に配される第2コア部(210)と、前記第2チューブ(211)の長手方向において、前記第2コア部(210)の一端と接続される第3タンク部(220)と、前記第2チューブの長手方向において、前記第2コア部(210)の他端と接続される第4タンク部(230)とを有する第2熱交換器(200)と、
前記第1タンク部(120)及び前記第3タンク部(220)に締結部材(410)で締結固定される第1取付け部材(300)と、
前記第2タンク部(130)及び前記第4タンク部(230)に締結部材(410)で締結固定される第2取付け部材(300)とを有する複式熱交換器において、
前記各熱交換器(100、200)に締結される前記締結部材(410)のうち少なくとも1つの締結部材(410)には、締結方向と直交する方向の熱歪みを吸収可能とする弾性部材(430)が設けられると共に、
前記第1タンク部(120)における前記締結部材(410)の締結方向と前記第2タンク部(130)における前記締結部材(410)の締結方向とが異なっており、
前記第3タンク部(220)における前記締結部材(410)の締結方向と前記第4タンク部(230)における前記締結部材(410)の締結方向とが異なっていることを特徴とする複式熱交換器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−258329(P2006−258329A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73652(P2005−73652)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】