複数のシャッターを有する光スイッチ
【解決手段】ディスプレイは、バックライトの上に位置していて、それ自体では、その形状によって情報を伝達することのない少なくとも2つの光シャッターを有する、光スイッチを含んでいる。バックライト照射区域は、その区域内のシャッターの面積の合計と同じか又はそれよりも大きい。ディスプレイは、更に、光スイッチの上に位置している図形層を含んでいてもよい。ディスプレイの情報内容は、図形層を変更することによって変更される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ、特に、複数の光シャッターを有するディスプレイであって、各光シャッターは、実質的にディスプレイ全体の一部分であり、それ自体で情報を表示するものではないが表示される情報の理解度を向上させる、ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で用いられる「ディスプレイ」という用語は、視覚形態の情報を観察者に提供する装置である。
【0003】
「図形(graphic)」は、テキスト、記号、任意の形状又はそれらの何らかの組み合わせでもよい。図形は、半透明、ぼやけ、陰影付き、色付き、シルエット、輪郭、又はそれらの何らかの組み合わせでもよい。図形は、ポジティブ(白の上に黒)でもネガティブ(黒の上に白)でもよく、白は、ぼやけていたり、陰影付きなどでもよい。
【0004】
「画素」は、単一の境界内の画像素子である。
【0005】
「ELランプ」は、厚膜の、2つの電極の間にエレクトロルミネッセンス燐光体を含有する層を含んでいる容量型装置である。燐光体物質は、電圧を電極に印加した時に発光する。
【0006】
「厚膜の」ELランプは、或る種のELランプを指し、「薄膜の」ELランプは、これとは異なる種類のELランプを指している。これらの用語は、大まかに実際の厚さを言っているが、実際には明確な原理を区別している。薄い厚膜のELランプは、用語として矛盾するものではなく、その様なランプは、薄膜のELランプよりかなり厚いものである。
【0007】
「不透明」は、光が全く透過しないことを意味するのではなく、透過する光の量が、例えば入射光線の10パーセントに、実質的に低下しているだけの状態も意味する。
【0008】
「燐光体(phosphor)」は、単一の種類の燐光体又はドーパントに限定されるものではなく、カスケーディング(cascading)燐光体、又は色強調のための染料を排除しない。
【0009】
「上に位置する」又は「下に位置する」は、方向性を意味するものではなく、材料の層が、接触の有無に関わらず互いに向き合う主面を有している状態を表現している。これらの表面は必ずしも平面的というわけではない。
【0010】
情報を表示するために多くの技術が使用されてきた。1つの型式は、液晶であり、最初は、比較的大きいセグメントを備えた、数字を表示するための7つのセグメントに限定されていた。技術の改良に伴い、より多くの情報を以前と同じ面積に詰め込めるようになっただけでなく、色を利用できるようになった。簡素さを避けるため、アイコンが、簡潔性、普遍性、及びかわいらしさという名目で、情報を伝達するために設計された。結果的に、近代的なディスプレイは、幾つかは記号の又幾つかは文字のデータの林立となり、使用者が、主としてその幾つかを無視することによって順応しなければならないものとなった。
【0011】
或る種のデータは、複数の数字としてデジタル的に表現されるよりも、図形的に、例えばアナログ時計又は棒グラフで表現される時に、理解度の上がることが分かっている。その様な図形表示に含有される情報の量は比較的少なく、ここでは「低量」情報と称されるが、容易且つ迅速に理解される。
【0012】
或るディスプレイでは、変化を使って注意を惹きつけている。変化は、図形の明白な動きでもよいし、図形を点滅して瞬かせるものでもよい。或る液晶ディスプレイでは、オフ状態は、真に黒ではなく、特に、周囲光の反射をバックライトとしたディスプレイではそうである。下に位置する図形がオフの時にマスクをオンにすると、見かけのコントラストを改善することができる。
【0013】
最近の20年では、ポリマー分散型液晶として知られている特殊な種類の材料が、ディスプレイ用に開発されてきた。例えば、米国特許第4,992,201号(パールマン(Pearlman))を参照されたい。これらの材料を使用する装置は、遙かに低い電圧で作動していた初期の液晶材料とは違って、60から120ボルトのピークツーピーク電圧で作動し、偏光子を必要とすること無くコントラストを提供する。ポリマー分散液晶は、「光学シャッター」と称され、ディスプレイの分野外での用途を有することがある。
【0014】
米国特許第6,842,170号(エイキンス(Akins)ら)は、エレクトロルミネッセンス(EL)バックライト及びタッチスクリーンと組み合せた液晶ディスプレイを開示している。液晶ディスプレイは、キーパッドの一部であり、電話のボタン(0−9、*及び#)及び他の制御ボタンの画像を備えているマスク層を包含している。液晶ディスプレイとELバックライトは、共通の基板を共用することができることも開示されている。
【0015】
国際公開WO第2005/121878号は、基板の同じ側にある液晶ディスプレイとELバックライトを開示している。基板の両側に装置を備える他の例は、当技術では既知であり、例えば、米国特許第5,121,234号(クセラ(Kucera))、同第6,441,551号(アベ(Abe)ら)を参照されたい。光学性能、例えば色、反射、及び分散に影響を及ぼすための中間層又は外側層も、当技術では既知である。
【0016】
EL装置は、液晶ディスプレイにバックライトを当てることに適した唯一の装置ではない。様々な光源と結合させた光導体が当技術では既知であり、例えば公開特許出願2006/0254894(ユング(Jung)ら)は、発光ダイオードによって照明される光導体縁部を開示しており、光導体内には、光を光導体の面の外側に散乱させるための特徴が設けられている。光導体に関わる難点は、一旦バックライトが組み立てられると、出力を変更できないことである。例えば、光導体は、或る区域に亘って適度に均一な照明を提供することができ、又は、選択的区域を照明する特徴を使用することができる。何れの場合も、結果は固定的であり、変更するにはコストが掛かる。
【0017】
特定のディスプレイのための技術の選定は、競合する利益の均衡を取ることであり、コストもその大きな要素である。携帯電話の場合、選定は、しばしば、電話を使用するとき使用者は室内にいるか又は少なくとも直射日光下にはいないという仮定に基づいている。言い換えれば、ディスプレイは光を発するバックライトに視認性を頼っているため、ディスプレイの内容は、明るい光の中では殆ど急に見えなくなる。多くの液晶ディスプレイは反射型バックライトに頼っている。而して、バックライトは周囲光と共に増減し、ディスプレイの内容は、可視状態に維持される。ある種のディスプレイは、バックライトと液晶モジュールの間の「半透過(transflective)」層によって両方の世界の最良のものを得ようとしている。
【0018】
ディスプレイの内容は様々であるが、或る種の情報、例えばバッテリーの寿命は、使用者にとって差し迫った継続的な関心事となり得る。従って、ある種の情報は、周囲光の水準に関係なく継続的に可視的であることが望ましい。更に、ディスプレイは、重要な情報を目立たせることが望ましい。更に、低コストで容易に変更可能なディスプレイを有することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記に鑑み、従って本発明の目的は、少なくとも或る作業モードの間は幾つかの情報を見えなくし、少なくとも或る他の作業モードの間はその情報を示すことによって、ディスプレイの内容を簡素化することである。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、システム内に最適に配置することができ、要望に応じて覆い隠し又は読み易くすることのできる低量情報のディスプレイを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、光導体を使用する時でも、選択的な照明を提供するバックライトを提供することである。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、ELバックライトからの反射率を選択的に制御することである。
【0023】
本発明の別の目的は、容易に低コストで変更できるディスプレイを提供することである。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、ディスプレイが、動画又は動作をシミュレートすることのできる複数のシャッターを有する光スイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的は、ディスプレイが、バックライトの上に位置していて、それ自体では、その形状によって情報を伝達することのない少なくとも2つの光シャッターを有する、光スイッチを含んでいる、本発明によって達成される。バックライトの照射区域は、その区域内のシャッターの面積の合計と同じか又はそれよりも大きい。ディスプレイは、更に、光スイッチの上に位置している図形層を含んでいてもよい。ディスプレイの情報内容は、図形層を変更することによって変更される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のより完全な理解は、添付図面と関連付けながら以下の詳細な説明を考察することにより得られるであろう。
【0027】
図1は、携帯電話の斜視図であり、何らかの方法で開き又は広げる様にはなっていないあらゆる個人的な電子装置も代表している。電話10は、代表的には電話と関係付けられた情報を表示する表示部12を含んでいる。更に、表示部12又はキーパッド14の一部ではない、バックライト照射区域17及び18も含んでいる。これらのディスプレイは、信号の強度、バッテリー寿命、又はローミングの様な低量情報のために使用することができる。バックライト照射区域の数は、部分的には、具体的な携帯型電子装置の特性に依存する設計の問題である。
【0028】
図2は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ折り畳み式携帯電話の正面図であり、折り畳み構造を有するあらゆる携帯型電子装置を代表している。電話20は、外郭構造26の上、中、又は下に形成されているバックライト照射区域23、24、25を含んでいる。図1の実施形態と同様に、これらのディスプレイは、低量情報のために使用することができる。
【0029】
図3は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ折り畳み式携帯電話を広げた状態の正面図であり、使用時に広げられるあらゆる折り畳み式携帯型電子装置を代表している。電話30は、表示部31とキーパッド32を含んでいる。電話30は、更にバックライト照射区域34と35も含んでいる。
【0030】
図4は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ計器盤の平面図である。計器盤は、自動車、航空機、オートバイ、又は重機の様な、どの様な型式の車輌にでも使用することができる。計器盤40は、その具体的な用途に適する計器及びディスプレイを含んでいる。本発明によれば、計器盤40は、バックライト照射区域43、44、45を含んでいる。これらのディスプレイは、項目(heading)、作動時間、バッテリー状態、又は安全装置の状態の様な低量情報を提供する。
【0031】
図5は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ携帯型コンピュータの斜視図である。コンピュータ50は、バックライト照射区域53と54を含んでいる。これらのディスプレイは、無線ネットワークの検出、又はバッテリー状態などの低量情報を提供する。図2の実施形態のように、1つ又はそれ以上のバックライト照射区域をコンピュータ50の外側に配置することもできる。
【0032】
図6は、当技術では既知のように構成されている厚膜のエレクトロルミネッセンスランプの断面である。何れの図面も、一つの図面の中で又は図面毎に、縮尺を合わせて描いてはいない。インジウムスズ酸化物の様な幾つかの層は、オングストロ−ムの程度で極めて薄い。基板61のような他の層は、ミル(0.025mm)の程度で極めて厚い。
【0033】
図6では、透明な前側電極62は、透明な基板61の上に位置しており、インジウムスズ酸化物(ITO)又はインジウム酸化物の薄層である。燐光体層63は、前側電極の上に位置し、誘電体層64は、燐光体層の上に位置している。層63と64は、幾つかの用途では結合されている。誘電体層64の上に位置しているのは、不透明な後側電極65である。更に、随意の背面層(図示せず)を、例えば後側電極を絶縁するために設けてもよい。被覆された燐光体粒子が使用され、シール層の必要性はなくなっている。
【0034】
燐光体層、又は追加層は、ランプがオフのときに反射される光の色が、オンになったときランプによって放射される光の色に近いことを保証するため、色補正用の添加剤を含んでいてもよい。光は透明な基板61を通して放射される。電極62又は電極65、或いはその両方は、パターン化されることにより、バックライト60を、総じてELパネルと称される複数のELランプに分割していてもよい。
【0035】
燐光体及び誘電体層は、入れ替えることができ、その場合、後側電極65は、透明でなければならない。この構造の場合、光は後側電極を通過して放射される。
【0036】
図7は、当技術では既知のように構成されているポリマー分散型液晶(PDLC)モジュールの断面図である。モジュール70は、主面の上に位置している、ITOの様な透明な導体層を有する基板71を含んでいる。PDLC材料は、電極73の上に位置し、透明な電極74は、PDLC材料の上に位置している。層75は、絶縁又は保護層である。透明な電極の一方つ又は両方が、適切にパターン化されている場合、モジュールは、パターンによって表現される情報を表示する。
【0037】
携帯型電子装置では、ELランプは、バッテリーからの低電圧直流を高電圧交流に変換するドライバー(driver)によって電力を供給される。ELランプが十分に輝くためには、約100ボルトを超えるピークツーピーク(peak−to−peak)電圧が必要である。これは、PDLCディスプレイを作動させるのに必要な電圧と同じである。これにより、両方の装置で同じドライバーを使用して、構造を単純化し、コストを下げることができるようになる。
【0038】
図8は、当技術では既知のように構成されているバックライトの断面図である。光導体81は、例えばポリカーボネート製の透明なシートである。光源82、例えば1つ又はそれ以上の発光ダイオードは、光を導体81の縁部の中に放射し、導体81は、図8に示すように、実質的に内部反射によって光を横方向に導く。随意的なクラッド層84及び85は、総内部反射を増強するために設けられている。光導体81の一方の主面上の造形(feature)87及び88は、総内部反射を乱して、光が反対側の主面から放射されるようにする。幾つかの異なる種類の光源が、当技術では知られている。
【0039】
図9は、複数のシャッターを有し、本発明の好適な実施形態によって構成された光スイッチを含むディスプレイの断面である。光スイッチ90は、バックライト91を含んでおり、このバックライトは、図6に示すELランプでも、図8に示す光導体でもよい。図6に示すように構成されたELランプを使用する場合、ランプは垂直方向に反転され、光はPDLC層92を通して上方向に放射されることになる。
【0040】
光スイッチ92は、複数の能動区域、又はシャッター93及びシャッター94の様なシャッターを含んでいる。これらは、電極の間の区域である。一方の電極は、実質的に完全にバックライト91を覆うことができる。反対の電極は、例えば図12に示すようにパターン化されていて、能動区域を画定している。
【0041】
層92の上に位置するのは、図形層95である。この層は、選択的に照明されることになる複数の図形を含んでいる。層92は情報を含んでいない。層92は、オフ又は不透明な状態では、バックライト91が発光していても反射していても、バックライト91からの光を大幅に低減する。図10に示すように、シャッター93はオン又は透過状態で、一方シャッター94はオフ又は不透明である。
【0042】
図形は、図形層の厚さを通して延びるように示されているが、これは、分かり易くするためだけである。図形は、図形の性質次第で、層92のどちらか一方の主面上に在ってもよいし、或いは層の厚さの中に含まれていてもよい。
【0043】
図11は、複数のシャッターを有し、本発明の別の実施形態によって構成されている光スイッチを含むディスプレイの断面である。図9の実施形態と比較すると、層の順序が変更され、バックライト111とPDLC層115の間に図形層112がある。光スイッチ110の動作は、光スイッチ90の動作と同じである。図形層112を他の2つの層の基板として使用することもできる。
【0044】
図12は、本発明による、複数のシャッターを有する光スイッチの平面図である。電極121、122、123、124、125、126は、それぞれ、自身のバスバーでコネクタ区域131と連結され、シャッターの能動区域を画定している。照射区域134と135も、バスバー(図示せず)でコネクタ区域131と連結されている。
【0045】
電極は透明で、透明なシート129の上に配置されている。電極121と122は、照射区域134の中にある。電極123、124、125、126は、照射区域135の中にある。電極121と122の面積の合計は、照射区域134の面積と等しいかそれより少ない。電極123、124、125、126の面積の合計は、照射区域135の面積と等しいかそれより少ない。
【0046】
各シャッターは、他から独立して作動することができるが、必ずしもそうである必要はない。各照射区域は、他から独立して作動することができるが、必ずしもそうである必要はない。図12にも示すように、各バスバーは、電極の長い縁部に沿って延びて電圧降下を低減するのが好ましい。
【0047】
図13は、本発明によって構成されたディスプレイの例を示しており、動作を模している。ディスプレイ140は、バックライト141、例えばELランプと、複数のシャッター142と、図形層143を含んでいる。図形層は、テキスト区域151と153、及び記号(symbol)154、155、156、及び157を含んでいる。図形は、ポジティブでも、ネガティブでも、ポジティブとネガティブの混合でもよい。シャッター層142は、AからHまでの記号が付されたシャッターを含んでいる。シャッターは、互いに独立して作動することができる。
【0048】
図14は、シャッターの作動を表す図表である。シャッターDとEは、バックライトが「オン」の時には常に「オン」又は「開」なので、図表から省かれている。シャッターDとEは、バックライト141が、テキスト区域151と152を通して照射されることができるようにしている。図14では、シャッターは、矢印161で示すようにシャッターを表す線が上昇している時には、「オン」又は「開」である。図14に示すように、シャッターAが最初に開き、次にシャッターB及びF、続いてシャッターC及びG、そしてシャッターHが開く。
【0049】
図14に示すように、シャッターの開く順序には重複が生じない。例えば、シャッターAは、シャッターBが開くと閉じる。作り出そうとする視覚的効果によっては、重複させることもできる。シャッターHが閉じてから、シャッターAが開くサイクルの始まりまでの間には、差又は遅延、Δが存在する。遅延は、同じく作り出そうとする視覚的効果によっては、ゼロ又は望み通りの秒数にすることができる。
【0050】
図15は、図14に線162で示す時点におけるディスプレイ140の状態を示している。破線は、ディスプレイの一部ではないが、参考までに含まれている。
【0051】
本発明は、而して、所定の時間に情報を覆い隠し、又は見えるようにすることで、ディスプレイの内容を簡素化する。低量情報のディスプレイは、システム内に最適に配置することができ、要望に応じて覆い隠し又は読み易くすることができる。本発明は、光導体を使用する時でも選択的な照明を提供し、ELバックライトからの反射率の選択的な制御を提供する。ELバックライトをパターン化しないことで、コストを更に削減することができる。図形は、単に図形層を変更することで、容易且つ迅速に変更される。
【0052】
以上、本発明を説明してきたが、当業者には自明のように、本発明の範囲内で様々な変更を施すことができること。例えば、追加の層、色フィルター、コーティング、スクリーン印刷、追加の図形などを、任意の層、又は層の間に追加して、光スイッチの光学的性質に影響を及ぼすこともできる。幾つかの用途では、図形層を省くことができ、その場合、1つ又はそれ以上のシャッターが装飾的な効果を提供することができる。光スイッチにはPDLCが好適であるが、エレクトロクロミック材料を代わりに使用することもできる。同様に、透明導体としてはスパッタリング処理したITOが好適であるが、PEDOT:PSS、ナノ粒子ITO、又は針状ITOの様な他の材料を代わりに使用することもできる。基板材料は、PETが望ましいが、他の材料の中では、ポリカーボネート又はウレタンを代わりに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明によって構成されたバックライト照射区域を有する携帯電話の斜視図である。
【図2】本発明によって構成されたバックライト照射区域を有する折り畳み式携帯電話の正面図である。
【図3】本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ開かれた携帯電話の正面図である。
【図4】本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ計器盤の平面図である。
【図5】本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ携帯型コンピュータの斜視図である。
【図6】当技術では既知のように構成されている厚膜のエレクトロルミネッセンスランプの断面である。
【図7】当技術では既知のように構成されているポリマー分散型液晶ディスプレイの断面図である。
【図8】適した光源で照射されている光導体縁部の形態をしているバックライトの断面である。
【図9】複数のシャッターを有し、本発明の好適な実施形態によって構成された、光スイッチを含んでいるディスプレイの断面である。
【図10】図9に図示するディスプレイの動作を表している。
【図11】本発明の別の実施形態によって構成された光スイッチを含んでいるディスプレイの断面である。
【図12】図9に図示する光シャッターの平面図である。
【図13】本発明によって構成されたディスプレイの拡大図である。
【図14】図13の実施形態の動作を表すタイミング線図である。
【図15】図13に図示するディスプレイの1つの状態を示している平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ、特に、複数の光シャッターを有するディスプレイであって、各光シャッターは、実質的にディスプレイ全体の一部分であり、それ自体で情報を表示するものではないが表示される情報の理解度を向上させる、ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で用いられる「ディスプレイ」という用語は、視覚形態の情報を観察者に提供する装置である。
【0003】
「図形(graphic)」は、テキスト、記号、任意の形状又はそれらの何らかの組み合わせでもよい。図形は、半透明、ぼやけ、陰影付き、色付き、シルエット、輪郭、又はそれらの何らかの組み合わせでもよい。図形は、ポジティブ(白の上に黒)でもネガティブ(黒の上に白)でもよく、白は、ぼやけていたり、陰影付きなどでもよい。
【0004】
「画素」は、単一の境界内の画像素子である。
【0005】
「ELランプ」は、厚膜の、2つの電極の間にエレクトロルミネッセンス燐光体を含有する層を含んでいる容量型装置である。燐光体物質は、電圧を電極に印加した時に発光する。
【0006】
「厚膜の」ELランプは、或る種のELランプを指し、「薄膜の」ELランプは、これとは異なる種類のELランプを指している。これらの用語は、大まかに実際の厚さを言っているが、実際には明確な原理を区別している。薄い厚膜のELランプは、用語として矛盾するものではなく、その様なランプは、薄膜のELランプよりかなり厚いものである。
【0007】
「不透明」は、光が全く透過しないことを意味するのではなく、透過する光の量が、例えば入射光線の10パーセントに、実質的に低下しているだけの状態も意味する。
【0008】
「燐光体(phosphor)」は、単一の種類の燐光体又はドーパントに限定されるものではなく、カスケーディング(cascading)燐光体、又は色強調のための染料を排除しない。
【0009】
「上に位置する」又は「下に位置する」は、方向性を意味するものではなく、材料の層が、接触の有無に関わらず互いに向き合う主面を有している状態を表現している。これらの表面は必ずしも平面的というわけではない。
【0010】
情報を表示するために多くの技術が使用されてきた。1つの型式は、液晶であり、最初は、比較的大きいセグメントを備えた、数字を表示するための7つのセグメントに限定されていた。技術の改良に伴い、より多くの情報を以前と同じ面積に詰め込めるようになっただけでなく、色を利用できるようになった。簡素さを避けるため、アイコンが、簡潔性、普遍性、及びかわいらしさという名目で、情報を伝達するために設計された。結果的に、近代的なディスプレイは、幾つかは記号の又幾つかは文字のデータの林立となり、使用者が、主としてその幾つかを無視することによって順応しなければならないものとなった。
【0011】
或る種のデータは、複数の数字としてデジタル的に表現されるよりも、図形的に、例えばアナログ時計又は棒グラフで表現される時に、理解度の上がることが分かっている。その様な図形表示に含有される情報の量は比較的少なく、ここでは「低量」情報と称されるが、容易且つ迅速に理解される。
【0012】
或るディスプレイでは、変化を使って注意を惹きつけている。変化は、図形の明白な動きでもよいし、図形を点滅して瞬かせるものでもよい。或る液晶ディスプレイでは、オフ状態は、真に黒ではなく、特に、周囲光の反射をバックライトとしたディスプレイではそうである。下に位置する図形がオフの時にマスクをオンにすると、見かけのコントラストを改善することができる。
【0013】
最近の20年では、ポリマー分散型液晶として知られている特殊な種類の材料が、ディスプレイ用に開発されてきた。例えば、米国特許第4,992,201号(パールマン(Pearlman))を参照されたい。これらの材料を使用する装置は、遙かに低い電圧で作動していた初期の液晶材料とは違って、60から120ボルトのピークツーピーク電圧で作動し、偏光子を必要とすること無くコントラストを提供する。ポリマー分散液晶は、「光学シャッター」と称され、ディスプレイの分野外での用途を有することがある。
【0014】
米国特許第6,842,170号(エイキンス(Akins)ら)は、エレクトロルミネッセンス(EL)バックライト及びタッチスクリーンと組み合せた液晶ディスプレイを開示している。液晶ディスプレイは、キーパッドの一部であり、電話のボタン(0−9、*及び#)及び他の制御ボタンの画像を備えているマスク層を包含している。液晶ディスプレイとELバックライトは、共通の基板を共用することができることも開示されている。
【0015】
国際公開WO第2005/121878号は、基板の同じ側にある液晶ディスプレイとELバックライトを開示している。基板の両側に装置を備える他の例は、当技術では既知であり、例えば、米国特許第5,121,234号(クセラ(Kucera))、同第6,441,551号(アベ(Abe)ら)を参照されたい。光学性能、例えば色、反射、及び分散に影響を及ぼすための中間層又は外側層も、当技術では既知である。
【0016】
EL装置は、液晶ディスプレイにバックライトを当てることに適した唯一の装置ではない。様々な光源と結合させた光導体が当技術では既知であり、例えば公開特許出願2006/0254894(ユング(Jung)ら)は、発光ダイオードによって照明される光導体縁部を開示しており、光導体内には、光を光導体の面の外側に散乱させるための特徴が設けられている。光導体に関わる難点は、一旦バックライトが組み立てられると、出力を変更できないことである。例えば、光導体は、或る区域に亘って適度に均一な照明を提供することができ、又は、選択的区域を照明する特徴を使用することができる。何れの場合も、結果は固定的であり、変更するにはコストが掛かる。
【0017】
特定のディスプレイのための技術の選定は、競合する利益の均衡を取ることであり、コストもその大きな要素である。携帯電話の場合、選定は、しばしば、電話を使用するとき使用者は室内にいるか又は少なくとも直射日光下にはいないという仮定に基づいている。言い換えれば、ディスプレイは光を発するバックライトに視認性を頼っているため、ディスプレイの内容は、明るい光の中では殆ど急に見えなくなる。多くの液晶ディスプレイは反射型バックライトに頼っている。而して、バックライトは周囲光と共に増減し、ディスプレイの内容は、可視状態に維持される。ある種のディスプレイは、バックライトと液晶モジュールの間の「半透過(transflective)」層によって両方の世界の最良のものを得ようとしている。
【0018】
ディスプレイの内容は様々であるが、或る種の情報、例えばバッテリーの寿命は、使用者にとって差し迫った継続的な関心事となり得る。従って、ある種の情報は、周囲光の水準に関係なく継続的に可視的であることが望ましい。更に、ディスプレイは、重要な情報を目立たせることが望ましい。更に、低コストで容易に変更可能なディスプレイを有することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記に鑑み、従って本発明の目的は、少なくとも或る作業モードの間は幾つかの情報を見えなくし、少なくとも或る他の作業モードの間はその情報を示すことによって、ディスプレイの内容を簡素化することである。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、システム内に最適に配置することができ、要望に応じて覆い隠し又は読み易くすることのできる低量情報のディスプレイを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、光導体を使用する時でも、選択的な照明を提供するバックライトを提供することである。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、ELバックライトからの反射率を選択的に制御することである。
【0023】
本発明の別の目的は、容易に低コストで変更できるディスプレイを提供することである。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、ディスプレイが、動画又は動作をシミュレートすることのできる複数のシャッターを有する光スイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的は、ディスプレイが、バックライトの上に位置していて、それ自体では、その形状によって情報を伝達することのない少なくとも2つの光シャッターを有する、光スイッチを含んでいる、本発明によって達成される。バックライトの照射区域は、その区域内のシャッターの面積の合計と同じか又はそれよりも大きい。ディスプレイは、更に、光スイッチの上に位置している図形層を含んでいてもよい。ディスプレイの情報内容は、図形層を変更することによって変更される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のより完全な理解は、添付図面と関連付けながら以下の詳細な説明を考察することにより得られるであろう。
【0027】
図1は、携帯電話の斜視図であり、何らかの方法で開き又は広げる様にはなっていないあらゆる個人的な電子装置も代表している。電話10は、代表的には電話と関係付けられた情報を表示する表示部12を含んでいる。更に、表示部12又はキーパッド14の一部ではない、バックライト照射区域17及び18も含んでいる。これらのディスプレイは、信号の強度、バッテリー寿命、又はローミングの様な低量情報のために使用することができる。バックライト照射区域の数は、部分的には、具体的な携帯型電子装置の特性に依存する設計の問題である。
【0028】
図2は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ折り畳み式携帯電話の正面図であり、折り畳み構造を有するあらゆる携帯型電子装置を代表している。電話20は、外郭構造26の上、中、又は下に形成されているバックライト照射区域23、24、25を含んでいる。図1の実施形態と同様に、これらのディスプレイは、低量情報のために使用することができる。
【0029】
図3は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ折り畳み式携帯電話を広げた状態の正面図であり、使用時に広げられるあらゆる折り畳み式携帯型電子装置を代表している。電話30は、表示部31とキーパッド32を含んでいる。電話30は、更にバックライト照射区域34と35も含んでいる。
【0030】
図4は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ計器盤の平面図である。計器盤は、自動車、航空機、オートバイ、又は重機の様な、どの様な型式の車輌にでも使用することができる。計器盤40は、その具体的な用途に適する計器及びディスプレイを含んでいる。本発明によれば、計器盤40は、バックライト照射区域43、44、45を含んでいる。これらのディスプレイは、項目(heading)、作動時間、バッテリー状態、又は安全装置の状態の様な低量情報を提供する。
【0031】
図5は、本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ携帯型コンピュータの斜視図である。コンピュータ50は、バックライト照射区域53と54を含んでいる。これらのディスプレイは、無線ネットワークの検出、又はバッテリー状態などの低量情報を提供する。図2の実施形態のように、1つ又はそれ以上のバックライト照射区域をコンピュータ50の外側に配置することもできる。
【0032】
図6は、当技術では既知のように構成されている厚膜のエレクトロルミネッセンスランプの断面である。何れの図面も、一つの図面の中で又は図面毎に、縮尺を合わせて描いてはいない。インジウムスズ酸化物の様な幾つかの層は、オングストロ−ムの程度で極めて薄い。基板61のような他の層は、ミル(0.025mm)の程度で極めて厚い。
【0033】
図6では、透明な前側電極62は、透明な基板61の上に位置しており、インジウムスズ酸化物(ITO)又はインジウム酸化物の薄層である。燐光体層63は、前側電極の上に位置し、誘電体層64は、燐光体層の上に位置している。層63と64は、幾つかの用途では結合されている。誘電体層64の上に位置しているのは、不透明な後側電極65である。更に、随意の背面層(図示せず)を、例えば後側電極を絶縁するために設けてもよい。被覆された燐光体粒子が使用され、シール層の必要性はなくなっている。
【0034】
燐光体層、又は追加層は、ランプがオフのときに反射される光の色が、オンになったときランプによって放射される光の色に近いことを保証するため、色補正用の添加剤を含んでいてもよい。光は透明な基板61を通して放射される。電極62又は電極65、或いはその両方は、パターン化されることにより、バックライト60を、総じてELパネルと称される複数のELランプに分割していてもよい。
【0035】
燐光体及び誘電体層は、入れ替えることができ、その場合、後側電極65は、透明でなければならない。この構造の場合、光は後側電極を通過して放射される。
【0036】
図7は、当技術では既知のように構成されているポリマー分散型液晶(PDLC)モジュールの断面図である。モジュール70は、主面の上に位置している、ITOの様な透明な導体層を有する基板71を含んでいる。PDLC材料は、電極73の上に位置し、透明な電極74は、PDLC材料の上に位置している。層75は、絶縁又は保護層である。透明な電極の一方つ又は両方が、適切にパターン化されている場合、モジュールは、パターンによって表現される情報を表示する。
【0037】
携帯型電子装置では、ELランプは、バッテリーからの低電圧直流を高電圧交流に変換するドライバー(driver)によって電力を供給される。ELランプが十分に輝くためには、約100ボルトを超えるピークツーピーク(peak−to−peak)電圧が必要である。これは、PDLCディスプレイを作動させるのに必要な電圧と同じである。これにより、両方の装置で同じドライバーを使用して、構造を単純化し、コストを下げることができるようになる。
【0038】
図8は、当技術では既知のように構成されているバックライトの断面図である。光導体81は、例えばポリカーボネート製の透明なシートである。光源82、例えば1つ又はそれ以上の発光ダイオードは、光を導体81の縁部の中に放射し、導体81は、図8に示すように、実質的に内部反射によって光を横方向に導く。随意的なクラッド層84及び85は、総内部反射を増強するために設けられている。光導体81の一方の主面上の造形(feature)87及び88は、総内部反射を乱して、光が反対側の主面から放射されるようにする。幾つかの異なる種類の光源が、当技術では知られている。
【0039】
図9は、複数のシャッターを有し、本発明の好適な実施形態によって構成された光スイッチを含むディスプレイの断面である。光スイッチ90は、バックライト91を含んでおり、このバックライトは、図6に示すELランプでも、図8に示す光導体でもよい。図6に示すように構成されたELランプを使用する場合、ランプは垂直方向に反転され、光はPDLC層92を通して上方向に放射されることになる。
【0040】
光スイッチ92は、複数の能動区域、又はシャッター93及びシャッター94の様なシャッターを含んでいる。これらは、電極の間の区域である。一方の電極は、実質的に完全にバックライト91を覆うことができる。反対の電極は、例えば図12に示すようにパターン化されていて、能動区域を画定している。
【0041】
層92の上に位置するのは、図形層95である。この層は、選択的に照明されることになる複数の図形を含んでいる。層92は情報を含んでいない。層92は、オフ又は不透明な状態では、バックライト91が発光していても反射していても、バックライト91からの光を大幅に低減する。図10に示すように、シャッター93はオン又は透過状態で、一方シャッター94はオフ又は不透明である。
【0042】
図形は、図形層の厚さを通して延びるように示されているが、これは、分かり易くするためだけである。図形は、図形の性質次第で、層92のどちらか一方の主面上に在ってもよいし、或いは層の厚さの中に含まれていてもよい。
【0043】
図11は、複数のシャッターを有し、本発明の別の実施形態によって構成されている光スイッチを含むディスプレイの断面である。図9の実施形態と比較すると、層の順序が変更され、バックライト111とPDLC層115の間に図形層112がある。光スイッチ110の動作は、光スイッチ90の動作と同じである。図形層112を他の2つの層の基板として使用することもできる。
【0044】
図12は、本発明による、複数のシャッターを有する光スイッチの平面図である。電極121、122、123、124、125、126は、それぞれ、自身のバスバーでコネクタ区域131と連結され、シャッターの能動区域を画定している。照射区域134と135も、バスバー(図示せず)でコネクタ区域131と連結されている。
【0045】
電極は透明で、透明なシート129の上に配置されている。電極121と122は、照射区域134の中にある。電極123、124、125、126は、照射区域135の中にある。電極121と122の面積の合計は、照射区域134の面積と等しいかそれより少ない。電極123、124、125、126の面積の合計は、照射区域135の面積と等しいかそれより少ない。
【0046】
各シャッターは、他から独立して作動することができるが、必ずしもそうである必要はない。各照射区域は、他から独立して作動することができるが、必ずしもそうである必要はない。図12にも示すように、各バスバーは、電極の長い縁部に沿って延びて電圧降下を低減するのが好ましい。
【0047】
図13は、本発明によって構成されたディスプレイの例を示しており、動作を模している。ディスプレイ140は、バックライト141、例えばELランプと、複数のシャッター142と、図形層143を含んでいる。図形層は、テキスト区域151と153、及び記号(symbol)154、155、156、及び157を含んでいる。図形は、ポジティブでも、ネガティブでも、ポジティブとネガティブの混合でもよい。シャッター層142は、AからHまでの記号が付されたシャッターを含んでいる。シャッターは、互いに独立して作動することができる。
【0048】
図14は、シャッターの作動を表す図表である。シャッターDとEは、バックライトが「オン」の時には常に「オン」又は「開」なので、図表から省かれている。シャッターDとEは、バックライト141が、テキスト区域151と152を通して照射されることができるようにしている。図14では、シャッターは、矢印161で示すようにシャッターを表す線が上昇している時には、「オン」又は「開」である。図14に示すように、シャッターAが最初に開き、次にシャッターB及びF、続いてシャッターC及びG、そしてシャッターHが開く。
【0049】
図14に示すように、シャッターの開く順序には重複が生じない。例えば、シャッターAは、シャッターBが開くと閉じる。作り出そうとする視覚的効果によっては、重複させることもできる。シャッターHが閉じてから、シャッターAが開くサイクルの始まりまでの間には、差又は遅延、Δが存在する。遅延は、同じく作り出そうとする視覚的効果によっては、ゼロ又は望み通りの秒数にすることができる。
【0050】
図15は、図14に線162で示す時点におけるディスプレイ140の状態を示している。破線は、ディスプレイの一部ではないが、参考までに含まれている。
【0051】
本発明は、而して、所定の時間に情報を覆い隠し、又は見えるようにすることで、ディスプレイの内容を簡素化する。低量情報のディスプレイは、システム内に最適に配置することができ、要望に応じて覆い隠し又は読み易くすることができる。本発明は、光導体を使用する時でも選択的な照明を提供し、ELバックライトからの反射率の選択的な制御を提供する。ELバックライトをパターン化しないことで、コストを更に削減することができる。図形は、単に図形層を変更することで、容易且つ迅速に変更される。
【0052】
以上、本発明を説明してきたが、当業者には自明のように、本発明の範囲内で様々な変更を施すことができること。例えば、追加の層、色フィルター、コーティング、スクリーン印刷、追加の図形などを、任意の層、又は層の間に追加して、光スイッチの光学的性質に影響を及ぼすこともできる。幾つかの用途では、図形層を省くことができ、その場合、1つ又はそれ以上のシャッターが装飾的な効果を提供することができる。光スイッチにはPDLCが好適であるが、エレクトロクロミック材料を代わりに使用することもできる。同様に、透明導体としてはスパッタリング処理したITOが好適であるが、PEDOT:PSS、ナノ粒子ITO、又は針状ITOの様な他の材料を代わりに使用することもできる。基板材料は、PETが望ましいが、他の材料の中では、ポリカーボネート又はウレタンを代わりに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明によって構成されたバックライト照射区域を有する携帯電話の斜視図である。
【図2】本発明によって構成されたバックライト照射区域を有する折り畳み式携帯電話の正面図である。
【図3】本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ開かれた携帯電話の正面図である。
【図4】本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ計器盤の平面図である。
【図5】本発明によって構成されたバックライト照射区域を組み込んだ携帯型コンピュータの斜視図である。
【図6】当技術では既知のように構成されている厚膜のエレクトロルミネッセンスランプの断面である。
【図7】当技術では既知のように構成されているポリマー分散型液晶ディスプレイの断面図である。
【図8】適した光源で照射されている光導体縁部の形態をしているバックライトの断面である。
【図9】複数のシャッターを有し、本発明の好適な実施形態によって構成された、光スイッチを含んでいるディスプレイの断面である。
【図10】図9に図示するディスプレイの動作を表している。
【図11】本発明の別の実施形態によって構成された光スイッチを含んでいるディスプレイの断面である。
【図12】図9に図示する光シャッターの平面図である。
【図13】本発明によって構成されたディスプレイの拡大図である。
【図14】図13の実施形態の動作を表すタイミング線図である。
【図15】図13に図示するディスプレイの1つの状態を示している平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射区域を有するバックライトと、
前記バックライトの上に位置し且つ少なくとも2つの光シャッターを有する光スイッチと、
を備えるディスプレイであって、前記光シャッターは、該光シャッター自体では、その形状によって情報を伝達することがなく、
前記バックライトの前記照射区域は、前記照射区域内に在る前記シャッターの面積の合計より大きい、ディスプレイ。
【請求項2】
前記光スイッチの上に位置している図形層を更に備えている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記図形層は、前記光シャッターの作動によって選択的に表示される情報を含んでいる、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記図形層は、前記バックライトと前記光スイッチの間に配置されている、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記図形層は、前記光スイッチにおける、前記バックライトとは反対の側に配置されている、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記光シャッターはPDLCを含んでいる、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項1】
照射区域を有するバックライトと、
前記バックライトの上に位置し且つ少なくとも2つの光シャッターを有する光スイッチと、
を備えるディスプレイであって、前記光シャッターは、該光シャッター自体では、その形状によって情報を伝達することがなく、
前記バックライトの前記照射区域は、前記照射区域内に在る前記シャッターの面積の合計より大きい、ディスプレイ。
【請求項2】
前記光スイッチの上に位置している図形層を更に備えている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記図形層は、前記光シャッターの作動によって選択的に表示される情報を含んでいる、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記図形層は、前記バックライトと前記光スイッチの間に配置されている、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記図形層は、前記光スイッチにおける、前記バックライトとは反対の側に配置されている、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記光シャッターはPDLCを含んでいる、請求項1に記載のディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−58955(P2009−58955A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−214399(P2008−214399)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(500105311)ワールド・プロパティーズ・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214399(P2008−214399)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(500105311)ワールド・プロパティーズ・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
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