説明

複数のセルを有する表示スクリーン

表示スクリーン(5)は、複数のセル(2)を有する。夫々のセル(2)は、電気信号(I)によって駆動されるときに光(Lo)を発することができる画素(P)、電気信号(I)を作る駆動回路(A)と、駆動回路(A)を介して画素を制御する光表示信号(Li)を受ける感光素子(D)とを有する。表示システムは、表示スクリーン(5)と、複数のセル(2)の夫々の感光素子(D)に光表示信号(Li)を送信する光学画像発生源(3)とを有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセルを有する表示スクリーンに関する。本発明はまた、複数のセルを有する表示スクリーンを有する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
GB2,118,803Aは、入力された表示信号及び画像輝度が強まるスクリーンによって光を作る光源を有する表示装置を開示する。このスクリーンは、複数のセルを有し、夫々のセルは、電界発光エミッタとその電界発光エミッタに接続された感光素子とを有する。このエミッタは、感光素子によって受けられ、光源から発せられた光に応じて光出力を作る。感光素子が受けた光に応じる光出力は、感光素子及び電界発光エミッタの特性によって制限される。従って、例えば、光出力と感光素子が受けた光との比率は、これらの特性によって一定である。この一定の比率のために、光出力と光源からの光との間で所望の関係を得ることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、光出力と光源から感光素子によって受けられた光との間で広範囲な関係を選択することを可能にする上述した種類の表示スクリーンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、このような表示スクリーンが、複数のセルを有し、夫々のセルは、電気信号によって駆動されるときに光を発する画素と、該電気信号を供給する駆動回路と、該駆動回路を介して前記画素を制御する光表示信号を受ける感光素子とを有することで達成される。駆動回路は、画素に供給された所望のレベルの電気信号を発するように構成されうるので、感光素子によって受けられた光表示信号に応じて画素によって放射される光の量は、画素及び感光素子の特性によって制限されなくなる。セルは、一つ又はそれ以上の画素を有しても良く、一方でこのセルの夫々の画素は、一つ又はそれ以上の感光素子に接続されても良い。あるいは、セルはまた、一つ又はそれ以上の感光素子を有しても良く、一方でこのセルの夫々の感光素子は、一つ又はそれ以上の画素に結合されても良い。画素は、例えば発光ダイオード(LED)、電界放射表示(FED)素子、電界発光表示素子、有機LED又はポリマーLEDのような如何なる種類の発光素子から構成されても良い。用語“LED”は、有機LED及び/又はポリマーLEDを呼ぶときに以後使用されうる。駆動回路はまた、電気信号のレベル、極性又は他のパラメータを適合させる一つ又はそれ以上の能動部品を有する如何なる回路であっても良い。
【0005】
駆動回路は、駆動トランジスタを有しても良い。このようなトランジスタは、例えば、画素としてOLEDを有する表示スクリーンのセルに比較的簡単な方法で組み込まれうる。
【0006】
夫々のセルが第一及び第二の端子を有する蓄積キャパシタを有する場合の利点は、前記駆動回路は、制御端子と第一及び第二の主要端子とを有し、前記蓄積キャパシタは、前記感光素子に並列に結合され、該蓄積キャパシタの第一の端子は、前記駆動トランジスタの制御端子に結合され、前記駆動トランジスタの第一の主要端子は、前記画素に結合されることである。蓄積キャパシタは、キャパシタの両端の電圧差を供給することによって積分装置として働く。この電圧差は、セルの感光素子が受けた光表示信号の平均値に比例する。比較的小さい蓄積キャパシタが存在する場合、キャパシタは、感光素子において光表示信号によって誘発された光電流のために、更に急速に充電又は放電を成される。これは、キャパシタ両端の電圧が光電流のために比較的大きな変動を有することを意味し、例えば駆動トランジスタのような比較的簡単な駆動回路の使用を可能にする。
【0007】
夫々のセルは、夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に蓄積リセット電圧を供給するように該夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に結合された蓄積リセットスイッチを更に有する。蓄積キャパシタの第一の端子に蓄積リセット電圧を供給することによって、蓄積キャパシタ両端の電圧は、所定のレベルに設定されうる。これは、例えばフレーム期間の開始時に、繰り返し成されても良い。結果として、蓄積キャパシタは、そのフレーム期間中に感光素子が受けた光表示信号によってフレーム期間中に放電される。従って、この方法で、フレーム比に等しい比率で画像系列によって形成された動画像は、表示スクリーン上に表示されても良い。
【0008】
夫々のセルの前記駆動トランジスタの第二の主要端子は、第一の供給電圧に結合され、前記蓄積キャパシタの第二の端子は、該第一の供給電圧とは異なる基準電圧に結合される。感光素子が蓄積キャパシタを放電するとき、駆動トランジスタの制御端子の電圧は基準電圧に変わる。従って、例えば基準電圧が第一の供給電圧以下であるとき、制御端子の電圧は、例えば第一の供給電圧からそれより低い基準電圧まで徐々に減少する。結果として、画素に結合された駆動トランジスタを流れる電流は、徐々に増大し、結果として画素の光出力を増大させる。これは、光表示信号の増大が光出力の増大させることを意味する。
【0009】
前記複数のセルの夫々の蓄積リセットスイッチは、
前記夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に前記蓄積リセット電圧を供給する該蓄積リセットスイッチを作動させ、
前記夫々の感光素子が前記光表示信号によって該夫々の蓄積キャパシタを放電することを可能にする該蓄積リセットスイッチを非作動にする手順に従って動作するよう配置されうる。
【0010】
このような手順は、比較的単純なタイミング信号を必要とし、それによってその実施が容易となる。基準電圧が第一の供給電圧以下である場合、光表示信号の増大は光出力の増大をもたらす。更に、動作にじみのレベルは比較的低い。スイッチが非作動にされている間に、画素で発生した光はピーク値まで徐々に増大するからである。
【0011】
夫々のセルの前記駆動トランジスタの第二の主要端子及び前記蓄積キャパシタの第二の端子は、第一の供給電圧に結合されている。
【0012】
表示スクリーンは、一群のセルを構成して、該一群のセルの夫々の画素を前記画素をオフとする第二の供給電圧と該画素が光を発することを可能にする第三の供給電圧とに交互に結合するように、多数の複数のセルの夫々の画素に結合された画素スイッチを有しても良い。画素スイッチによって、画素は、例えば、駆動トランジスタが画素に電流を供給している間にオフとされても良い。これは、例えば、フレーム期間内で時間間隔を導入することを可能にする。このとき、蓄積キャパシタは、光表示信号によって充電又は放電を成されており、一方で、結果として生じる駆動トランジスタを流れる如何なる電流も、如何なる望まれていない光出力をも発生させない。一群のセルは如何なる方法で置かれても良い。例えば、一群のセルは、スクリーンの上側部分又は下側部分でのセル、一つ又はそれ以上の行のセル、一つ又はそれ以上の列のセル、あるいは特定の種類のセルを有しても良い。
【0013】
あるいは、画素スイッチを適用する代わりに、信号発生源は、第二及び第三の供給電圧を供給するために適用されても良い。
【0014】
前記一群のセルの夫々の蓄積リセットスイッチ及び前記画素スイッチは、
該一群のセルの夫々の画素を該画素スイッチを介して前記第二の供給電圧に結合して、前記夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に前記蓄積リセット電圧を供給するために前記一群のセルの夫々の蓄積リセットスイッチを作動させ、
前記夫々の蓄積キャパシタに結合された前記夫々の感光素子が前記光表示信号によって該夫々の蓄積キャパシタ放電することを可能にするために前記一群のセルの夫々の蓄積リセットスイッチを非作動にし、
前記一群のセルの夫々の画素を前記画素スイッチを介して前記第三の供給電圧に結合する手順に従って動作するよう配置されうる。
【0015】
基準電圧が第一の供給電圧と等しいか、あるいはそれ以上である場合、駆動トランジスタの制御端子の電圧は、初期値から第一の供給電圧まで徐々に増大しても良い。結果として、画素に結合された駆動トランジスタを流れる電流は、画素の光出力の低減をもたらす。これは、光表示信号の増大が光出力の減少をもたらすことを意味する。
【0016】
感光素子は、ポリシリコン、フォトトランジスタ、アモルファスシリコン・フォトトランジスタ及びPINダイオードから選択されても良い。感光素子はまた、制御電極と主要電極との間の接続によってダイオードとして結合されたポリシリコン・フォトトランジスタ又はアモルファスシリコン・フォトトランジスタであっても良い。
【0017】
画素及び感光素子は、有機LED及びポリマーLEDから選択されても良い。この場合、スクリーンは、比較的容易に製造され、結果として工程費用は比較的低くなる。更に、このような感光素子は、所定の波長範囲に対して敏感であるように設計されても良い。
【0018】
表示スクリーンは、前記複数のセルの夫々の画素によって発生する光を伝送する前面部を有し、前記複数のセルの夫々の感光素子は、前記前面部に対して外側に向いた当該スクリーンの側面に置かれた発生源からの前記光表示信号を受けるように構成されている。背面投影の適用は、感光素子が画素からの光をほとんど受けないように比較的容易に配置されうるという利点を有する。従って、光表示信号が画素で発生した光と同じスペクトラムを有する場合でさえ、干渉はほとんど又は全くない。あるいは、前面投影が適用されても良い。
【0019】
有利なのは、前記複数のセルの夫々の感光素子が、目に見えない光である光表示信号を受けるように構成されている場合である。可視光のスペクトラムの外側で光表示信号を発する発生源を適用することによって、光表示信号とスクリーンで発生した可視光との間の干渉は回避される。更に、このようなスクリーンは、周囲の照明状況に対して敏感ではない。
【0020】
本発明は、前述したような表示スクリーンと、前記複数のセルの夫々の感光素子に光表示信号を送信する光学画像発生源とを有する表示システムを更に提供する。
【0021】
前記光学画像発生源は、投影装置及びレーザースキャナから選択されうる。
【0022】
実施例において、スクリーンのセルのピッチは、スクリーン上で光学画像発生源によって投影された最高解像度の画像の画素のピッチよりも小さい。この実施例において、光学画像発生源は、低解像度から最高解像度までの如何なる形式の画像を発生させて良い。表示スクリーンは、スクリーン上に投影された最高解像度の画像の画素の夫々を再現する能力を有する。最高解像度以下の解像度を有する画像がスクリーン上に投影される場合、夫々の画素に対して幾つかのセルは、その画素に対応する光を発生させるために使用可能である。この場合、幾つかのセルのうちの一つが機能しない場合、機能しなかったセルの輝度負担分のみがその画素を再生するための光で失われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のスクリーン及びシステムのこれら及び他の特徴は、図を参照して更に明らかにされ、記述される。
【0024】
異なる図で同じ参照符号が見られるのは、同じ信号、又は同じ機能を実行する素子を参照するためである。図1Aで示されるような本発明による表示スクリーンで適用されるセル2の実施例は、感光素子D、駆動回路A及び画素Pを有する。感光素子Dは、例えば光学画像発生源からの光表示信号Liを受ける。光表示信号Liは、可視スペクトラムの内側又は外側にある光によって形成されても良く、感光素子Dで光電流を誘発する。光電流は、駆動回路Aによって画素Pを駆動する電気信号Iに変換される。結果として、画素Pは、電気信号Iによって光Loを発する。即ち、それは、外部からの制御信号Liに依存する。
【0025】
図1Bで、幾つかの感光素子D1、D2、D3、D4を有するセル2の一実施例が示されている。これらの感光素子D1、D2、D3、D4は、画素Pを駆動する一つの駆動回路Aに接続されている。あるいは(図示せず。)、感光素子D1、D2、D3、D4のうちの一つ又はそれ以上が、一つ又はそれ以上の駆動回路Aに接続されても良い。一方、夫々の駆動回路は、画素Pに結合されている。
【0026】
図1Cで、感光素子D及び幾つかの画素P1、P2、P3を有するセル2の一実施例が示されている。これらの画素の夫々は、感光素子Dの光電流に基づいて電気信号を供給する駆動回路Aによって駆動される。あるいは(図示せず。)、画素P1、P2、P3のうちの一つ又はそれ以上は、同じ感光素子Dによって駆動されても良い。
【0027】
図1Dで示されている表示システム6は、表示スクリーン5及び光学画像発生源3を有する。表示スクリーンは、表示パネル1及び制御回路4を有する。表示パネル1は、行及び列のマトリクス状に配置された複数のセル2を有する。パネル1は、夫々のセル2が外部の光学画像発生源3によってアドレス指定されるので、如何なる行又は列の電極も必要としない。このため、セル2は、行及び列での構造とは異なる如何なる構造で配置されても良い。例えば、放射状、対角線状、又は円状の構造が適用されても良い。セル2はまた、多様な形状を有しても良い。パネル1は、制御回路4からの四つの信号、即ち
リセット電圧VR、
リセット信号RS、
第一の供給電圧V1、及び
画素電圧VP
を受ける四つの接続を有する。
【0028】
パネル1はまた、基準電圧Vrefを受けるための別の接続を有しても良い。
【0029】
四つの信号、及び存在するならば基準電圧Vrefは、パネル1の夫々のセル2に結合されている。
【0030】
夫々のセル2は、発生源3から対応する光表示信号Liを受ける。光表示信号Liは、感光素子D及び駆動回路Aを介してセル2の画素Pによって発生する光Loに変換される。電気信号Iの広範囲なレベルが、駆動回路Aの利得の結果として適用されても良いとき、低輝度の画像発生源3は、高輝度で画像を発生するためにパネル1上に光表示信号Liを投影するために使用されても良い。
【0031】
制御回路4は、リセット信号RSの反復波形を発生させるタイミング回路を有する。特定の実施例において、制御回路4はまた、リセット信号と同期して二つのレベルの間で変化する可変な画素電圧VPを発生させる。可変な画素電圧VPは、このような波形を供給する回路によって発生しても良い。あるいは、画素スイッチPSが使用されても良い。画素スイッチPSは、第二の供給電圧V2及び第三の供給電圧V3に交互に結合される出力端子を有する。
【0032】
図2は、図1Aで示されたようなセル2を有する一実施例の更に詳細な回路図を示す。セル2は、第一の端子及び第二の端子を有する蓄積キャパシタCに並列に結合された感光素子Dを有する。蓄積キャパシタCの第二の端子は、第一の供給電圧V1に結合されている。第一の端子は、蓄積リセットスイッチSRの主要端子を介してリセット電圧VRに結合されている。蓄積リセットスイッチの制御端子は、リセット信号RSを受けるよう結合されている。この実施例において、駆動回路Aは、駆動トランジスタDTを有する。駆動トランジスタDTの第一の主要端子は、第一の供給電圧V1に結合され、駆動トランジスタDTの制御端子は、蓄積キャパシタCの第一の端子に結合され、駆動トランジスタDTの第二の主要端子は、この実施例ではOLEDである画素Pの第一の端子に結合されている。画素Pの第二の端子は、画素電圧VPに結合されている。電気信号Iは、この実施例において駆動トランジスタDT及び画素Pを流れる電流ILである。
【0033】
セル2の動作は、図3で示されるような時間tの関数としての波形を参照して以下で説明される。
【0034】
リセット時間間隔TRの間、リセットスイッチSRは、示されているように高電位であるリセット信号RSによって閉じられる。リセットスイッチSRを介して、定電圧であって良いリセット電圧VRは、蓄積キャパシタCの第一の端子に結合される。結果として、駆動トランジスタDTの制御端子の制御電圧VDは、速やかにリセット電圧VRの電位に到達する。リセット時間間隔TR、及び感光素子Dが光表示信号Liを受けているその後の投影間隔TPの間、画素Pは、光Loを発しない。これは、第二の供給電圧V2である高い値に画素電圧VPを設定することによって実現される。この第二の供給電圧V2は、図3で示されるような第一の供給電圧V1にほぼ等しくても良い。リセット電圧VRは、この実施例において第一の供給電圧V1以下である。投影時間間隔TPの間、感光素子Dが受けた光表示信号Liは、図2において矢印で表わされている光電流を生じさせる。この光電流は、蓄積キャパシタを放電する。光表示信号Liが受けられないとき、蓄積キャパシタCは放電されないので、曲線“Li=0”で表わされるように、制御電圧VDは一定のままである。光表示信号Liが最大レベルLmaxに対応するとき、蓄積キャパシタCは、投影時間間隔TPの間にほぼ完全に放電され、結果として“Li=Lmax”で表わされた曲線のようになる。光表示信号Liが零と最大レベルLmaxとの間のレベルに対応するとき、蓄積キャパシタCは、投影時間間隔TPの間に部分的に放電され、結果として“0<Li<Lmax”で表わされた曲線のようになる。
【0035】
駆動時間間隔TDの間、画素電圧VPは、第三の電圧V3である低い値に設定される。この電圧は、接地電位であっても良い。これは、電流ILが駆動トランジスタDT及び画素Pを流れることを可能にする。この電流ILは、制御電圧VDに依存する。Li=Lmaxである場合に、制御電圧VDはその最大値であり、残りの駆動時間間隔TDの間はその値のままである。結果として、電流ILは零のままであり、画素Pは光Loを発しない。Li=0である場合、制御電圧VDはその最小値、即ちリセット電圧VRであり、残りの駆動時間間隔TDの間はその値のままである。結果として、電流ILはその最大値のままであり、画素Pは最大レベルの光Loを発する。
【0036】
0<Li<Lmaxである場合、制御電圧VDは、リセット電圧VRと第一の供給電圧V1との間の中間値であり、光表示信号Liに従って残りの駆動時間間隔TDの間に増大し続ける。結果として、電流ILは、中間値で始まって、制御電圧VDが増大し続ける限り駆動時間間隔TDの間に徐々に落ちる。従って、画素Pは、中間レベルの光Loを発する。あるいは、光信号Liは、駆動時間間隔TDの間はオフとされても良い。この場合、制御電圧VD及び電流ILは、駆動時間間隔TDの間ほぼ一定に保たれる。
【0037】
従って、画素Pによって放射される光Loのレベルは、光表示信号Liに反比例する。このようなセル2を備えられた表示スクリーン5は、発生源3によってスクリーン上に投影された画像の反転画像を表示する。
【0038】
図4は、図1Aで示されたようなセル2を有する他の実施例の更に詳細な回路図を示す。図2で示された図と異なる点は、
‐ 蓄積キャパシタCの第二の端子が第一の供給電圧V1とは異なる基準電圧Vrefに結合され、一方で感光素子Dは、図2と同様に蓄積キャパシタCと並列に結合され、
‐ 可変な画素電圧VPは、一定である第三の供給電圧V3によって置き換えられている点である。
【0039】
図4で示されるセル2の実施例の動作は、図5で示されるような時間tの関数としての波形を参照して以下で説明される。
【0040】
リセット時間間隔TRの間、リセットスイッチSRは、示されているように高電位であるリセット信号RSによって閉じられる。リセットスイッチSRを介して、定電圧であって良いリセット電圧VRは、蓄積キャパシタCの第一の端子に結合される。結果として、駆動トランジスタDTの制御端子の制御電圧VDは、速やかにリセット電圧VRの電位に到達する。望ましくは、リセット電圧VRは、第一の供給電圧V1とほぼ等しく、一方で基準電圧Vrefは、第一の供給電圧V1以下である。駆動時間間隔TDの間、感光素子Dが受けた光表示信号Liは、図4において矢印で表わされている光電流を生じさせる。この光電流は、蓄積キャパシタを放電する。光表示信号Liが受けられないとき、蓄積キャパシタCは放電されないので、曲線“Li=0”で表わされるように、制御電圧VDは一定のままである。光表示信号Liが最大レベルLmaxに対応するとき、蓄積キャパシタCは、駆動時間間隔TDの間にほぼ完全に放電され、結果として“Li=Lmax”で表わされた曲線のようになる。光表示信号Liが零と最大レベルLmaxとの間のレベルに対応するとき、蓄積キャパシタCは、駆動時間間隔TDの間に部分的に放電され、結果として“0<Li<Lmax”で表わされた曲線のようになる。
【0041】
駆動時間間隔TDの間、電流ILは、駆動トランジスタDT及び画素Pを流れる。この電流ILは、制御電圧VDに依存する。Li=Lmaxである場合に、制御電圧VDは、駆動時間間隔TDの間、基準電圧Vrefである最小値まで徐々に減少する。結果として、電流ILは、最大値まで徐々に増大し、画素Pは最大レベルの光Loを発する。Li=0である場合、制御電圧VDはその最大値、即ちこの実施例では第一の供給電圧V1であり、残りの駆動時間間隔TDの間はその値のままである。結果として、電流ILは零のままであり、画素Pは光Loを発しない。
【0042】
0<Li<Lmaxである場合、制御電圧VDは、制御信号Liに従って駆動時間間隔TDの間にリセット電圧VRと第一の供給電圧V1との間の中間値まで徐々に減少する。結果として、電流ILは、駆動時間間隔TDの間に中間値まで徐々に増大する。従って、画素Pは、中間レベルの光Loを発する。
【0043】
従って、画素Pによって放射される光Loのレベルは、光表示信号Liに比例する。このようなセル2を備えられた表示スクリーン5は、発生源3によってスクリーン上に投影された画像の正転画像を表示する。
【0044】
留意すべきは、上述した実施例は本発明を限定せずに説明し、当業者は添付の請求範囲の適用範囲をから外れずに多数の別の実施例を設計できることである。請求範囲において、括弧内に置かれた如何なる参照符号も請求範囲を限定するように解釈されるべきではない。動詞“有する”の使用及びその活用は、請求範囲で示された以外の要素又はステップの存在を認めないわけではない。各要素の前に付けられた冠詞“一つの”は、このような要素が複数個存在することを認めないわけではない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアを用いて、及び適切にプログラムされたコンピュータを用いて実施されても良い。幾つかの手段を列挙された装置クレームにおいて、これらの手段の幾つかは、ハードウェアの同一の品によって具現化されても良い。特定の方法が相互に異なる従属請求項で列挙されるという事実は、それらの方法の組み合わせが有利に使用されえないことを示すわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】本発明による表示スクリーンに適用されるセルの第一の実施例のブロック図を示す。
【図1B】本発明による表示スクリーンに適用されるセルの第二の実施例のブロック図を示す。
【図1C】本発明による表示スクリーンに適用されるセルの第三の実施例のブロック図を示す。
【図1D】本発明による表示スクリーン一実施例のブロック図を示す。
【図2】図1Aで示されたようなセル2を有する一実施例の更に詳細な回路図を示す。
【図3】図2の回路各部の動作波形を示す。
【図4】図1Aで示されたようなセル2を有する他の実施例の更に詳細な回路図を示す。
【図5】図4の回路各部の動作波形を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを有し、夫々のセルは、
電気信号によって駆動されるときに光を発する画素と、
該電気信号を供給する駆動回路と、
該駆動回路を介して前記画素を制御する光表示信号を受ける感光素子とを有することを特徴とする表示スクリーン。
【請求項2】
前記駆動回路は、制御端子と第一及び第二の主要端子とを有する駆動トランジスタを有し、夫々のセルは、第一及び第二の端子を有し、前記感光素子に並列に結合された蓄積キャパシタを更に有し、該蓄積キャパシタの第一の端子は、前記駆動トランジスタの制御端子に結合され、前記駆動トランジスタの第一の主要端子は、前記画素に結合されることを特徴とする、請求項1記載の表示スクリーン。
【請求項3】
夫々のセルは、夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に蓄積リセット電圧を供給するように該夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に結合された蓄積リセットスイッチを更に有することを特徴とする、請求項2記載の表示スクリーン。
【請求項4】
夫々のセルの前記駆動トランジスタの第二の主要端子は、第一の供給電圧に結合され、前記蓄積キャパシタの第二の端子は、該第一の供給電圧とは異なる基準電圧に結合されることを特徴とする、請求項3記載の表示スクリーン。
【請求項5】
前記複数のセルの夫々の蓄積リセットスイッチは、
前記夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に前記蓄積リセット電圧を供給する該蓄積リセットスイッチを作動させ、
夫々の感光素子が前記光表示信号によって該夫々の蓄積キャパシタを放電することを可能にする該蓄積リセットスイッチを非作動にする手順に従って動作するよう配置されることを特徴とする、請求項4記載の表示スクリーン。
【請求項6】
夫々のセルの前記駆動トランジスタの第二の主要端子及び前記蓄積キャパシタの第二の端子は、第一の供給電圧に結合されることを特徴とする、請求項3記載の表示スクリーン。
【請求項7】
一群のセルを構成して、該一群のセルの夫々の画素を前記画素をオフとする第二の供給電圧と該画素が光を発することを可能にする第三の供給電圧とに交互に結合するように、多数の複数のセルの夫々の画素に結合された画素スイッチを有することを特徴とする、請求項6記載の表示スクリーン。
【請求項8】
前記一群のセルの夫々の蓄積リセットスイッチ及び前記画素スイッチは、
該一群のセルの夫々の画素を該画素スイッチを介して前記第二の供給電圧に結合して、前記夫々の蓄積キャパシタの第一の端子に前記蓄積リセット電圧を供給するために前記一群のセルの夫々の蓄積リセットスイッチを作動させ、
前記夫々の蓄積キャパシタに結合された前記夫々の感光素子が前記光表示信号によって該夫々の蓄積キャパシタを放電することを可能にするために前記一群のセルの夫々の蓄積リセットスイッチを非作動にし、
前記一群のセルの夫々の画素を前記画素スイッチを介して前記第三の供給電圧に結合する手順に従って動作するよう配置されることを特徴とする、請求項7記載の表示スクリーン。
【請求項9】
前記複数のセルの夫々の画素によって発生する光を伝送する前面部を有し、前記複数のセルの夫々の感光素子は、前記前面部に対して外側に向いた当該スクリーンの側面に置かれた発生源からの前記光表示信号を受けるように構成されることを特徴とする、請求項1記載の表示スクリーン。
【請求項10】
前記複数のセルの夫々の感光素子は、目に見えない光である光表示信号を受けるように構成されることを特徴とする、請求項1記載の表示スクリーン。
【請求項11】
請求項1記載の表示スクリーンと、前記複数のセルの夫々の感光素子に光表示信号を送信する光学画像発生源とを有することを特徴とする表示システム。
【請求項12】
前記光学画像発生源は、投影装置及びレーザースキャナから選択されることを特徴とする、請求項11記載の表示システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−502450(P2007−502450A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530798(P2006−530798)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050632
【国際公開番号】WO2004/102974
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】