複数の方向に湾曲したビーム、ロール成形機及び方法
高強度ビームは、ロール成形プロセスの一部として相対する方向へ曲げられる第1のセクション及び第2のセクションを有する。フレームは、ダブルベントなビームを組み込んでいるサイドフレームメンバーと、当該ビームに取り付けられる少なくとも1つのエネルギー処理筒体とを有する。1つの形態では、ビームは、筒状であり、25mmよりも大きい断面寸法と少なくとも約60KSIの引張強度である材料強度とを有する。ロール成形装置は、ロール成形機構と、ロール成形機構にインラインであり且つ互いに反対となる第1の方向及び第2の方向へ連続ビームを湾曲するスイープステーションとを有する。また、ロール成形する方法は、薄板の材料を連続ビームにロール成形するステップと、当該ビームの第1のセクション及び第2のセクションを相対する方向へ湾曲するステップとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の方向に湾曲したビーム(multi-directionally swept beam)に関し、そしてまた、バンパ補強ビーム、車両フレーム及び非直線状構造部材として使用することができるような複数の方向に湾曲したビーム及び構造部材を成形するためのロール成形装置及び方法に関する。本発明はさらに、上記方法によって製作されるビーム及び構造部材に関する。本発明は、バンパ補強ビーム及び/又は車両フレームのみに限定されず、またこれらの構成要素のみを成形/構成する装置及び方法にも限定されない。
【0002】
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2008年4月9日に出願された、「複数の方向に湾曲したビーム、ロール成形機及び方法(MULTI-DIRECTIONALLY SWEPT BEAM, ROLL FORMER, AND METHOD)」と題する米国特許仮出願第61/043,541号明細書の利益を主張する。当該出願の全内容はその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
ロール成形は、細長いビーム及び構造部材(チャンネル形及び筒状)を製造する特に費用対効果がよい方法となり得る。この理由は、ロール成形によって、(特に、スタンピングダイを尚早に磨耗させる高強度材が成形されている時にスタンピングダイと比較すると)、比較的低コストの機械器具(tooling)を用い、そして長持ちする機械器具を用いて大量生産(mass-producing high volumes)することができるためである。しかし、ロール成形は、非直線状の製品を成形する能力に限りがあるといった制限を有している。
【0004】
湾曲部(sweep)及び細長い曲がりがある構造部材を成形する様々な方法が既知である。例えば、Sturrusの特許文献1、Sturrusの特許文献2、及びLyonsの特許文献3を参照されたい。これらの特許文献は、高強度材から形成され且つバンパ補強ビームとして使用するのに好適な強度及び形状を有する連続ビームに湾曲部(複数可)を与える方法を開示している。しかし、これらの工法は、一方向のくぼんだ形状を形成するように湾曲したビームを成形するのに限られている。これらの工法は、交互の(往復する)湾曲部を有するビームを成形することができない、そして、ここでは、この交互の湾曲部とは、ロール成形の中心線から離れる互いに反対の方向へのものである。
【0005】
注目すべきことに、ビーム及び構造部材を非直線状形状に一貫して湾曲成形することの難しさは、構造ビームのサイズ及び曲げモーメントが増大するにつれ大きく増す。そして、上述の場合は、例えば、ビームが50mm×50mmよりも大きい筒状の断面を有する場合、及び/又は薄板材が高強度(例えば約60KSIよりも大きい最高220KSIに至るまでの引張強度)を有する場合、及び/又は湾曲曲率が1500mm未満の半径を形成するような比較的鋭い場合、及び/又は板材厚さが、特に上記を組合せたものに関して、2mmよりも大きい場合のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,092,512号明細書
【特許文献2】米国特許第5,454,504号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0277960号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様では、ロール成形装置は、鋼材料の薄板を長手方向線を形成する構造ビームに成形するためのロールを有したロール成形機を備える。この装置は、ロール成形機とインライン(in-line)であるスイープステーション(sweep station)をさらに備え、このスイープステーションは、スイープ成形装置(sweep-forming device)を有し、スイープ成形装置は、ロール成形機を継続して運転させつつ、長手方向線から離れる第1の方向及び長手方向線から離れる第1の方向とは反対の第2の方向へ選択的に構造ビームを湾曲するものである。
【0008】
本発明の別の態様では、ビームの複数のセクションを、ビームが形成する長手方向線から離れる方向へ湾曲するためのスイープステーションが提供される。このスイープステーションは、メインフレームと、サブフレームを有するスイープ成形装置とを備え、サブフレームは、長手方向線から離れる第1の方向へビームの第1のセクションを湾曲するための第1の位置への移動、及び長手方向線から離れ且つ第1の方向とは反対側にある第2の方向へビームの第2のセクションを湾曲するための第2の位置への移動のために、メインフレームに動作可能に支持される。
【0009】
本発明の別の態様では、ロール成形する方法は、薄板の材料を長手方向線を形成する連続ビームにロール成形するステップと、ロール成形するステップ中に、長手方向線から離れる第1の方向へ連続ビームの第1のセクションを湾曲し且つ第1の方向とは異なる第2の方向へ長手方向線から離れるように連続ビームの第2のセクションを湾曲するステップとを含む。
【0010】
本発明のより限定された態様では、この方法は、互いに逆に湾曲した第1及び第2のセクションを有するビームを組み込んだフレームを形成することを含む。
【0011】
本発明のより限定された態様では、ビームは、バンパ補強ビーム及び/又は車両フレーム構成要素を形成する。
【0012】
本発明のより限定された態様では、エネルギー吸収式バンパ取付ブラケット(energy-absorbing bumper-mounting bracket)がビームの端部に取り付けられる。
【0013】
本発明のより限定された態様では、ビームは、筒状であり、少なくとも約25mmである断面寸法を曲げ方向に有する。さらに、材料強度は、強度対重量の高い比率をもたらすために、好ましくは少なくとも約60KSIの引張強度である。
【0014】
本発明の目的は、鋼板材料(又はそれ以上の引張強度を有する材料)から製作され且つ(曲げ方向に2インチ以上であるような)相当なサイズの断面を有するチャンネル形又は筒状のビームを供給することであり、当該ビームは、ロール成形プロセス中に、ロール成形の中心線から互いに反対の方向に往復するように湾曲される。
【0015】
本発明の目的は、相当な材料強度及びビーム断面強度(cross-sectional beam strength)のビームを、ロール成形の中心線から互いに反対方向に曲がった複数の湾曲セクションを含んだ往復パターンで湾曲することができる、装置及び方法を提供することである。
【0016】
本発明の目的は、上述のような往復の湾曲を有するビーム構成要素を使用してフレームを構成することである。
【0017】
本発明の目的は、ビーム断面の寸法精度及び一貫性を維持しつつ、ロール成形装置がビームに次第に鋭くなる湾曲を形成することができるように、当該装置に内部及び/又は外部のスタビライザを設けることである。
【0018】
当業者は、本発明のこれらの態様、目的及び特徴、並びに他の態様、目的及び特徴を、以下の明細書、添付の特許請求の範囲及び添付の図面を検討することによって理解及び認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の二方向スイープステーションを有するロール成形装置の側面図である。
【図2】図1の二方向スイープステーションを有するロール成形装置の端部の斜視図である。
【図3】図1の二方向スイープステーションを有するロール成形装置の端部の斜視図であり、その下にある構成要素をよりよく示すために部品が消されているものである。
【図4】図3のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームがスイープステーションを通過するときに直線的なままであるホームポジション(home position)にあるスイープステーションの図である。
【図5】図3のスイープステーションの上面図であり、連続ビームがスイープステーションを通過するときに直線的なままであるホームポジションにあるスイープステーションの図である。
【図6】図2及び図3と同様のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームがそのロール成形の中心線から離れる第1の方向「B」に湾曲される第1の位置にあるスイープステーションの図である。
【図7】図2及び図3と同様のスイープステーションの上面図であり、連続ビームがそのロール成形の中心線から離れる第1の方向「B」に湾曲される第1の位置にあるスイープステーションの図である。
【図8】図3のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームが第1の方向とは反対であり且つそのロール成形の中心線から離れる第2の方向「C」に湾曲される第2の位置にあるスイープステーションの図である。
【図9】図3のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームが第1の方向とは反対であり且つそのロール成形の中心線から離れる第2の方向「C」に湾曲される第2の位置にあるスイープステーションの図である。
【図10】図3のスイープステーションの上面図であり、連続ビームが第1の方向とは反対であり且つそのロール成形の中心線から離れる第2の方向「C」に湾曲される第2の位置にあるスイープステーションの図である。
【図11】ビームの端部セクションが同一線上にあるが中央セクションがオフセットするように図1の装置によって2つの方向に成形した、バンパ補強ビーム(「ビームセグメント」とも呼ぶ)の上面図である。
【図12】完全な車両フレームを形成するように(バンパ補強ビームの取り付けのため等の)取付ブラケットと共に溶接されている二方向に曲げられたビーム構成要素を組み合わせた車両フレームの斜視図である。
【図13】車両フレームを製作する方法/プロセスを示す概略的なフロー図である。
【図14】内部マンドレルの側面図である。
【図15】内部マンドレルの水平断面図である。
【図16】内部マンドレルの斜視図である。
【図17】内部マンドレルの分解斜視図である。
【図18】内部マンドレルの破断斜視図である。
【図19】図17に示すセグメントの変更を加えたセグメントである。
【図20】図2と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図21】図3と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図22】図4と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図23】図5と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図24】図6と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図25】図7と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図26】図8と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図27】図9と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図28】図10と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図29】スイープサブフレーム及びアセンブリの斜視図である。
【図30】スイープサブフレーム及びアセンブリの斜視図であり、内部の他の構成要素をよりよく示すために幾つかの構成要素が取り外されているものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ライン方向「A」に沿って連続ビーム33を成形するためのロール成形機31(「ロール成形機構」とも呼ぶ)と、ロール成形機構31とインラインであるスイープステーション32とを有するロール成形装置30(図1)が設けられている。スイープステーション32は、ロール成形機構31の継続運転中に、「その場で(on the fly)」連続ビーム33を、連続ビームの中心線から第1及び第2の互いに反対となる方向へ湾曲させる(すなわち長手方向に曲げる)ものである(本明細書では「二方向曲げ」又は「二側方湾曲」とも呼ぶ)。また、薄枚の材料を連続ビームにロール成形するステップと、ビームの第1のセクション及び第2のセクションを中心線から互いに反対の方向へ湾曲するステップとを含む、関連するロール成形の方法が開示されている。注目すべきことに、ロール成形装置は、以下で説明するように、構造ビームが使用される用途の機能的要件に応じて、任意の数の異なる湾曲したセクションを含むようにビームを成形することができる。スイープステーションを有するロール成形装置は、頑丈であり、そしてこのため、異なる強度(例えば40KSI以下の引張強度材料、最高220KSIの引張強度材料、又はそれ以上の材料)、及び大きい断面のビームセクションを含む多くの異なるサイズ(例えば40mm×150mm、又は40mm×40mm、又は80mm×120mm)、及び多くの異なる形状の断面(例えば「B」、「D」、「C」又は他の断面形状)を有する種々の金属材料を成形することができる。図示の連続ビーム33は、バンパ補強ビームとしての使用に好適な長さ及び形状を有するビームセグメント34(「補強ビーム」又は「構造ビーム」又は「バンパビーム」とも呼ぶ)に切断される。
【0021】
例示的なバンパ補強ビーム34(図11)は、約2mmの板厚の壁厚を有して、60KSIの引張強度である鋼のような高強度材から製作され、そして、(車両取付位置において)80mmの深さ及び同様の高さをもつ筒状の断面形状を有している。ビーム34は、バンパ補強ビームとして使用することができ、トレーラヒッチ/ボールを支持するため等の穴34’を有することができる。図示のビームは、単一の筒を形成する断面を有しているが、ビームが複数の筒(例えばB字形)又は開チャンネル(例えばC字形)を形成することができることが意図されている。図示のビーム34は、ロール成形装置30上で複数のセクション35〜40を含むように成形され、このとき、ロール成形プロセスと同時であり且つロール成形プロセス中での湾曲プロセスの一環としてセクション36/37がスイープステーションにおいて互いに反対の方向に曲げられ、セクション38/39も互いに反対の方向に曲げられている。図示のように、ビーム34をバンパ補強ビームとして使用することができ、このとき、端部35及び40は、その上に溶接され且つ車両への取付用に構成された取付ブラケット(特には図示せず)を含んでいる。多くのバンパ取付ブラケットが当該技術分野において既知であるため、これらの詳細な説明は不要である。
【0022】
注目すべきことに、中央セクション37/38は、端部35及び40と共に単一の面を形成するが、ロール成形及び湾曲工程の一部の工程として端部35及び40に対して一直線にならない位置へ曲げられる。中央セクション37/38はさらに、二次的な工程において再び成形されて、(車両取付位置にある場合に上面及び底面を水平な向きに維持する状態で)一直線に並ぶ端部35及び40の後方及び下方へ位置付けられることが可能である。このことは、単一のクロスビーム(cross beam)34を使用してヒッチ(及びトレーラのタン[tongue])を支持することを可能とし(ボールヒッチを受け入れる穴34’を参照のこと)、さらに、車両フレームに対してヒッチの適切な高さ及び前後位置を可能にする。さらに、ビーム34の直交する壁部の全てを、重量を支持するために水平な位置及び鉛直な位置で最適に方向付けることを可能にする。
【0023】
ビーム34の形状に組み込まれているコンセプトを使用して種々の異なるフレーム及び構造の構成要素を製作することができる。例えば、図12は車両フレームを示し、このフレームでは、構成要素111、121、125〜127は、共に溶接(又はボルト締め)されて基本的な乗用車用フレーム(図12を参照)を形成しており、車両の車輪をよける(clear)ための特徴部並びにその原動機及び車両サスペンション部品に最適な非線形支持を与えるための特徴部を含んでいる。注目すべきことに、本発明のロール成形装置30によって製作される左右両方向に湾曲したビームセクションを使用して、サイドフレームメンバー及びクロスビームメンバーを形成することができる。図示のビームにはそれぞれ、戦略的に配置される曲げ部(bends)が組み込まれるが、この曲げ部の少なくとも2つは連続ビームの中心線から互いに反対の方向に形成される。次のようなものを含む多数のさらなる構造フレーム部材及び構成要素を製作することができることが意図されており、そして、それらは、スノーモービル及びオールテラインビークル(all terrain vehicle)のようなスポーツ車両用のフレーム;農耕器械、トラック、列車並びに任意の陸上の乗物、水上の乗物、飛行体及び/又は雪上の乗物のような他の乗物用のフレーム;ルーフボウ(roof bow)、ドアビーム等のような乗物に対する他の構造部材;パーティションパネル、机、オフィスシステム等のような家具用の構造部材;そして、細長く、且つ少なくとも2箇所で二方向に曲がることを必要とする種々の他の構造部材である。
【0024】
より詳細には、ロール成形装置30(図1)に関して、アンコイラ50は、コイル51’からストレイトナ(straightener)52(及び/又は予穿孔ダイ)へ、そしてロール成形機構31の中へ薄板材51を給送する。ロール53は、薄板材51を、所望の断面形状に成形し、例えばD字形の単一の筒体を形成する連続ビーム33に成形する。溶接機54(任意選択的なものであり、筒体を閉じた筒状セクションに恒久的に固定するのに使用される)が、薄板材を恒久的な筒の形状に溶接する。上流固定具55(任意選択的なものであり、湾曲中に筒状ビームの形状を維持するために内部マンドレルが必要である場合に使用される)は、内部マンドレル(複数可)を一定の下流位置に固定するための下流固定線を支持する(図14〜図19を参照のこと)。
【0025】
スイープステーション32は、ロール成形機31の終端でインラインに取り付けられ、連続ビーム33の長手方向中心線から互いに反対となる方向のいずれにも、連続ビーム33を選択的に湾曲/変形させるためのスイープロール(sweeping roll)を有している。切断装置57は、左右両方向に湾曲されたビーム33を受け取り、左右両方向に湾曲されたビーム33に形成された曲げ部に対して選択された場所でビーム33を切断して、所望の長さを有するビームセグメント34を、湾曲セクションがビームセグメント34に沿って戦略的な場所に含まれる状態で得る。図示の左右両方向に湾曲されたビームセグメント34はセクション35〜40(図11)を含んでおり、このとき、セクション35〜40は全て共通の平面内にあり、セクション36〜39は、バンパ構成要素がギロチンブレード57’をもつ切断装置57によって分離されるときに平坦な上部の台状支持体58に載ることができる(そしてこの上で継続して支持される)ように、(図1に示す紙面の中の方へ及び紙面の外の方へ)変形された状態となっている。
【0026】
スイープステーション32(図2)は、ロール成形機31の土台62に取り付けられる一対の固定支柱61をもつ支持フレーム60を有し、箱状サブフレーム63をさらに有している。箱状サブフレーム63は、スイープ曲げローラ(sweep bending roller)64及び65を、フレーム60の軸受構造体80及び100上で枢軸回転及び平行移動の二重動作(double-pivoting-and-translating movement)をさせるために、動作可能・移動可能に支持する。
【0027】
サブフレーム63は、端プレート66と、上部/底部の横プレート67と、さらに前方/後方の横プレート67’とを含み、これらのプレートは、スイープ曲げローラ64及び65が内部に位置する状態で箱状構造を形成するように組み立てられている。軸68及び69(図2において確認できる中心線を参照のこと)が、スイープ曲げローラ64及び65を通って延び、これらを調節可能に支持する。軸68及び69はそれぞれ、横プレート67上での調節可能な支持のための軸受70及び71を通って延びる端部を有している。ポンプ/モータ72及び73が軸68及び69の上側の端部に取り付けられている。モータ72及び73は、速度を変えるためのコントローラ74に操作可能に接続されると共にコントローラ74によって個別に制御される(図4を参照のこと)。モータ72及び73の筐体が、構造ハウジング(特には図示しないが、符号74及び75のエリアにある)によってサブフレーム63に固定されている。
【0028】
サブフレーム63は、図5、図7及び図10(そして概して図2〜図10)によって示されるように、フレーム60上で軸受構造体80及び100と係合する調節可能な支持構造によって、枢軸回転及び平行移動の二重動作をするように動作可能に支持されている。より詳細には、サブフレーム63は、ホームポジションで(図4及び図5、ビーム33がロール成形されているときに、ローラ64及び65がビーム33の長手方向「A」に対して垂直なラインを形成する状態で)支持される。図7及び図10に示されるように、サブフレーム63は、軸68及び軸69を支持するスライド部材85及び86内の軸受を中心に(下流方向へ)選択的に回転することができる。
【0029】
特に、調節可能な支持構造(図2)は、以下のように上部軸受構造体80及び底部軸受構造体100を有している。上部軸受構造体80は、スペーサ83によって共に固定されて上部間隙84を形成する、上側軸受プレート81及び下側軸受プレート82を有している。調節可能な支持構造は、板状で延出可能でありガイド追従の第1のスライド部材85及び第2のスライド部材86を上部にさらに有し、(そして、さらなる2つのスライド部材85及び86を底部に有し、)スライド部材は、プレート81及び82間の間隙84において隣り合う位置でスライド可能に支持されている。ガイド追従スライド部材85は、サブフレーム63を支持すると共に弧状をした下流への経路に沿ったサブフレーム63の回転を可能にするための軸受をもつ、拡大端部88(図5)を有している。サブフレーム63はまた、軸68をさらに支持する軸受を有している。スライド部材85は、スペーサ83及び83’の間にはめ合い可能に嵌合すると共にこれらと安定して係合する狭小端部90をさらに有している。上流のホームポジション(図4及び図5)では、拡大端部88及び狭小端部90の間の傾斜した面が、停止部83’に当接し、サブフレーム63を正確に位置付けさせる。スライド部材86は、その移動、軸受支持体(bearing supports)との係合及びサブフレーム63の支持がスライド部材85と同様である。
【0030】
スペーサ83’のうちの2つは、板状のガイド追従スライド部材85の上流への移動を制限する楔型停止部を形成する。板状のガイド追従スライド部材85及び86の両方がそれぞれの収まる上流位置(図4及び図5)にある場合、サブフレーム63は連続ビーム33に対して直角を成し(square)、このとき、ローラ64及び65は連続ビーム33に対して垂直な配置で互いに対向している。収まる位置にある場合、スイープステーション32は連続ビーム33を曲げないため、ビーム33は直線状のままである。
【0031】
二対の油圧アクチュエータ91(図4)がサブフレーム63と支柱61との間に接続されており、このとき、各側には上部アクチュエータ及び底部アクチュエータが1つずつある。各側にあるアクチュエータ91はポンプモータ92に動作可能に接続され、当該ポンプモータ92はスイープ装置コントローラによって制御され、当該スイープ装置コントローラはさらに、ロール成形機(図1)を操作するためのメインコントローラ77によって制御される。(注目すべきことに、コントローラ77は、単一のユニットであってもよく、又は、装置20の周りの種々のサブコントロールユニットを制御するメインコンピュータであってもよい。)メインフレーム60上のサブフレーム63の下流への最大角度となる移動を限定するために、マルチリンクチェーン(multi-link chain)94(「スイープリミッタ(sweep limiter)」とも呼ぶ)がサブフレーム63を支柱61に接続している。チェーン94は、極めて下流の位置までサブフレーム63が移動する機会を減らすという安全性を与える。なお、上記極めて下流の位置とは、万が一アクチュエータ91の1つが故障するか又は外れるかする場合のように、機械の構成要素に応力を加え損傷を与える可能性のある位置である。
【0032】
上述のように、調節可能な支持構造は、底部軸受構造体100(図2)をさらに有し、底部軸受構造体100は、上部軸受構造体80と同一の構成要素及び作用を有し、上側及び下側の板状スライド部材、停止部/スペーサ並びにアクチュエータを含んでいる。
【0033】
図4及び図5によって示されるように、スイープステーション32は、連続ビーム33が屈折/変形/湾曲されないホームポジションを有している。(注目すべきことに、スイープステーションから下流に延びる図4及び図5における図示のビーム33の曲げ部分は、サブフレーム63が図4及び図5に示すようなそのホームポジションへ戻る前に曲げられ/湾曲されていた。)スイープステーション32はまた、ビーム33の長手方向中心線95から離れる第1の方向「B」へビーム33を湾曲変形するための第1の回転位置(図6及び図7)と、長手方向中心線から離れる第1の方向とは反対の第2の方向「C」へビーム33を湾曲変形するための反対側の第2の回転位置(図8〜図10)とを有している。
【0034】
図6の第1の位置では、板状のガイド追従スライド部材86はホームポジションにあるが、板状のガイド追従スライド部材85は下流へスライドしてわずかに枢動しており、それによって、軸68及び69間の間隔が維持されている(そのため、軸68及び69は連続ビーム33の対向する側部に係合し続ける)。その結果、ビーム33は、ローラ64及び65間を通過すると方向「B」へ曲げられる。第2の位置(図8〜図10)では、板状のガイド追従スライド部材85はホームポジションにあり、板状のガイド追従スライド部材86は(下流へ)延出している。その結果、ビーム33は、ローラ64及び65間を通過すると方向「C」へ曲げられる。
【0035】
試験では、本発明のスイープステーション32は、190KSIの引張強度を有し且つ約70mm×70mmの断面の筒状ビームを有する材料を成形する場合に、選択された方向のいずれにも1000mmの半径をもつ湾曲に連続ビーム33を変形させることができることが示されている。さらに、スイープステーション32は、コントローラ77によって可変制御され、それによって、湾曲の曲率を、ビーム33のある特定のセクションに関して一定に製作することができるか、又はビーム33のある特定のセクションに沿って一定に変化させて製作することができるか、又は直線部と湾曲部とを組み合わせたものに製作することができる。さらに、湾曲部は、連続ビーム33から切断されるビーム34が対称的となることができるように、且つ、一直線に並ぶ端部セクション(図11、端部セクション35及び40を参照のこと)及びオフセットされた中央セクションを含むことができるように、製作することができる。
【0036】
前述したように、例示的な車両フレーム110(図12)を、本発明の原理に従って、そして本発明の装置及び方法によって製作されるビームから製作することができる。このフレーム110は、本発明のスイープ装置30を使用して今や可能となった特徴部をもつ種々の構造のビーム/構成要素を含んでいる。実際の車両フレームにおいて、車両フレーム110の両側は通常、互いの鏡像(又は鏡像に非常に類似している)ことに留意されたい。しかし、ここでの両側は、種々の可能性に対応することができることを示すために異なるものとして示されている。
【0037】
特に、図12に示される車両フレーム110の右半分は、複合的な二方向の曲げ部(全ての曲げ部は鉛直面内にある)を場所112にもつ単一の細長い筒状サイドフレームメンバー111を有し、場所112は、車両に組み付けられた位置にある場合に車両の後輪にあり、車両のリアアクスルのための空間を与える。サイドフレームメンバー111は、複合曲げ部(全ての曲げ部は水平面内にある)を場所113にさらに有している(しかしながら、これらの曲げ部は最初の曲げ部に対して直交方向にある)。場所113にある図示の第2の曲げ部は、場所112にある第1の曲げ部よりもわずかに浅い。第2の曲げ部は、二次的なスタンピング又は別個の曲げ/再成形工程(図13を参照のこと)において製作することができるということが意図されており、この工程では、筒状ビーム34は、支持されつつ強制的に所望の3次元形状にされる。例えば、溶接/固定された取付ブラケット119’と共にバンパ補強ビーム119を取り付けるために、フレーム先端部/ブラケット115(「圧壊タワー」と呼ぶこともある)がサイドフレームメンバー111の前部に溶接される。図示のブラケット115は断面が矩形である。しかしながら、ブラケットは丸い断面又は別の形状を有してよいことが意図されている。本明細書において先に示唆したように、通常は、車両フレームは対称に形作られるが、本明細書において対称でないのは、当業者が理解するように、代替形態を示す図を目的としているためである。図示のブラケット115及びフレーム構成要素は、筒状であり、車両の衝突/衝撃中に一定で予測可能なエネルギー吸収をもたらすための圧壊開始開口を有することができる。
【0038】
車両フレーム110の左半分(図12)は、オーバーラップした接続部123をもつ一対の細長い筒状サイドフレームメンバー121及び122を有している。オーバーラップした接続部123は、構成要素121及び122の端部を直接重ねることによるものであってもよく、又は構成要素121及び122の端部の中に入れ子状にはまって延びるように形作られた中間筒セクションを設けることによって製作されてもよい。構成要素121及び122は、概ね一直線に並ぶかたちで接続されてメンバー111と大して違わないサイドフレームメンバーを形成して、共に溶接される。フレームメンバー121及び122を使用する利点は、スイープステーション32を有するロール成形装置30において成形されるときに、フレームメンバー121及び122を最終形状に成形することができることである。ブラケット115’は、リアバンパの補強ビーム34の取り付けのためにフレームの(後方)端部へ溶接又はボルト締めすることができる。
【0039】
車両フレーム110はまた、サイドフレームメンバー111同士の間に延びてこれらを剛直に相互接続するクロスメンバー125、126及び127を有している。クロスメンバー125及び126は、筒状のビームであり(又は開チャンネルであってもよく)、それらの寸法要件を満たすように1つ以上の二方向曲げ部を含んでいる。端部フランジがクロスメンバー上に形成され、それにより、サイドフレームメンバーそれぞれとはめ合い可能に係合し、溶接での取付を容易にする。また、所望であれば、圧壊イニシエータ(crush initiator)及び/又はエネルギー処理デバイス(energy management device)をクロスメンバー125及び/又は126及び/又は127に組み込むことができる。
【0040】
図13は、構成要素の製造、及び、アセンブリを共に溶接して車両フレームを形成する製造を示すフロー図である。
【0041】
いくつかの状況では、上記スイープステーション32の能力に「挑戦する」、次第に鋭くなって曲がる湾曲を提供することが望ましい場合がある。そのような場合、補助的な機器をスイープステーションに追加し、それによって、寸法精度が高く一貫した鋭く曲がる湾曲を提供するように、スイープステーションの能力をさらに高めることができる。そのような補助的な機器の3つの基本的なタイプが考えられる。すなわち、(1)連続ビーム33と係合するスイープステーション32の下流側(例えばトレーリングローラ又はローラ)に取り付けられる、追加の下流外部支持体(「外部スタビライザ(external stabilizer)」と呼ぶ)、(2)ローラ64、65の直前でビーム33と係合する上流外部支持体(上流曲げスタビライザ又は「ブリッジ支持体(bridge support)」と呼ぶ)、及び/又は(3)内部スタビライザ142(蛇のようなかたちで共に接続されている「内部マンドレルチェーン」として示されている)(図14〜図18を参照のこと)を含む3つの基本的なタイプである。これらのコンセプトは、二方向に湾曲したビームを製造するため又は単一方向に湾曲したビームを製造するためのスイープ装置において有用となり得るが、もし、ビーム33が大きい(例えば2インチ×2インチよりも大きい)わけでない場合、又はビーム33が高強度材(例えば80KSIよりも大きい)を使用するわけでない場合、又はビーム33が薄肉材料(例えば2.2mm厚未満である)を使用するわけではない場合には、これらのコンセプトが必ずしも必要であるとは考えられない。
【0042】
上流支持体(上流曲げスタビライザ又は「ブリッジ支持体」と呼ぶ)(図4)は、ビーム33がスイープステーション32にあるローラ64、65に入るときにビーム33をその直線形状で支持するために、曲げローラに近接して位置付けられている。上流支持体は、側部位置141で支持され、ビーム33とはめ合い可能でスライド可能に係合するような形状の側部を有し、それによって、ビーム33がそのロール成形の中心線に沿ってスイープステーションにおけるローラ64及び65間の挟む位置(pinch point)へ進むときにビーム33を支持する。上流支持体を中実の構成要素(例えば輪[wheel]ではないが)とすることによって、上流支持体の前端部を楔形にすることができ、それによって、支持体が与える支持は、ビーム33がローラ(例えばローラ64又はローラ65)の周りで曲げられるときにローラ64及び65間の挟む位置により近くなる。
【0043】
スイープステーション32の上流側に近接してビーム33を支持することによって、ビーム33の寸法精度を大きく高めることができる。この理由は、ビームの壁部が、「反作用の曲げ力」からの望まない曲げ及び変形を防止するように安定化されて支持されるためである。(本明細書中で使用されるような)反作用の曲げ力は、曲げ方向から離れる方向へのビーム33における上流の変形を引き起こす反力である。これらの反力は、ビーム33が強制的に曲げローラ(例えばローラ64)の周りで変形されるときにビーム33がシーソーのように動くことによって引き起こされる。具体的には、ビームの強度及びビーム33にかかる合応力は、ビーム33の上流部分(例えばビーム33が曲げローラ65に接触する箇所から1インチ〜5インチ前)に、曲げローラ64から離れる方向への曲げを引き起こす。
【0044】
上流外部支持体は、ビーム33の単一の側部に位置してもよいことが意図されているが、上流外部支持体は、ビーム33の湾曲が行われている方向に関係なくビームの壁部が支持されるように、ビーム33の両側に位置付けられることもありえることが意図されている(すなわち、このような上流外部支持体は、ビーム33がローラ64の周りで第1の湾曲方向に変形されているところであるか、ローラ65の周りで第2の(反対の)湾曲方向に変形されているところであるかに関係なく、ビーム33の壁部を安定化するであろう)。
【0045】
内部スタビライザ142(図14〜図19)(「マルチリンク内部マンドレル(multi-link internal mandrel)」又は「マンドレルスネーク(mandrel snake)」とも呼ぶ)は、マルチリンクチェーン151によって共に連結される複数の内部マンドレルセグメントを有し、マルチリンクチェーン151はさらに、直径が約1インチの中実ロッド等のロッド152によって上流固定具55に接続されている。セグメント160〜163は、連続ビーム33の内部空間を満たすように構成され且つビーム33がスイープステーションを通って移動するときにビーム33に沿って摺動するように構成された、外形を有している。セグメント160〜163は、ビーム33の壁部が内部空間の内側に潰れないようなものであり且つビーム33の断面形状が湾曲成形プロセス中に維持されるようなものである、サイズの外側断面寸法を有している。
【0046】
図示の最も上流の第1のセグメント160は、細長く(例えば3インチ〜4インチ)、そしてチェーン151(及びブロック160)をアンカーロッド152のループに接続するピン153を受け入れるための開口を有している。この第1のセグメント160は、ローラ64及び65間の挟む位置の上流に位置する静止位置に保持される。第2のセグメント161もまた細長くなっており(例えば約4インチ〜6インチ)、そしてこのことは、第2のセグメント161がロール成形プロセスのライン方向と向きを合わせて留まる助けとなる。この第2のセグメント161も同様に、ローラ64及び65間の挟む位置の上流に位置する静止位置に保持される。セグメント161の後には、幾つかのより短いセグメント162(それぞれ約1インチ又は2インチ長)と細長い最後尾のセグメント163(約2インチ〜3インチに長くなっている)が続く。セグメント162は、ローラ64及び65間の挟む位置を越えて延びるブロック/マンドレルによるスタックライン(stacked line)を形成し、セグメント163は、ローラ64及び65の下流に位置する。セグメント160、161及び163の長さは、これらのセグメントが成形中の連続ビーム33と一列に並ぶのを保つ助けとなる。ローラ64及び65が違った位置(図2〜図10を参照のこと)へ移動すると、セグメント162及び163は、ローラ64及び65によって生じる形状に従って移動し、それ故、連続ビーム33がスイープステーションを横切って移動するときに連続ビーム33に安定性を付加する。
【0047】
各セグメント161及び162は貫通穴を有し、セグメント160及び163は、チェーン151の両端のリンクに連結するための構造を有している。チェーン151は、セグメント161及び162を通って延び、セグメント160〜163を連結する。各セグメント160〜163は、左右のいずれの方向への回転も可能にするようにして、構造的に製作されると共に相互に連結されている。具体的には、各セグメント161〜163は、狭くなって上流に面した円筒形状のノーズ部と、これとはめ合う下流に面した円筒形状のリセス部とによって形成される接合部を有しており、それによって、ノーズ部及びリセス部が当接して、蛇状の内部マンドレルをいずれの方向へも回転させることができる回転支持面(rotational bearing surface)を形成する。様々なチェーンを用いて内部マンドレル構成要素を共に固定することが可能であることが意図されている。図示のチェーン151は、フラットリンク155と横断ピン156とを有し、これらは、スプロケットと係合する自転車のチェーン又は自動二輪車の駆動チェーンと同様の方法で相互に連結している。図示のリンク155は、平坦であり、「8」の字形状をそれぞれ有し(図15及び図17を参照のこと)、縦2列又は縦3列とすることができ、このとき、リンク155の端部同士は長手方向にずらされておりピンによって共に枢動する状態となっている。それによって、水平面内でいずれの方向にも曲がることができるがその面から外れる方向へは曲がることができない高強度の連続チェーンが形成されている。
【0048】
図19は、変更を加えたセグメント162Aを示し、セグメント162Aの外方に面する側面の少なくとも1つがローラピン162Bを有している。このことによって、ローラピン162Bが連続ビーム33の内面に沿って(摺動接触するのではなく)転がるため、セグメント162Aの側面の摩擦を伴う係合を減らすことができる。この構成はセグメント162を有する構成よりも長持ちするが、当然ながらセグメント162Aはより高価となる。そして、セグメント162Aを使用する正当な理由となるほど、セグメント162Aのサイズが十分に大きく、同時にビーム33を成形する圧力が十分に大きくない限り、セグメント162Aは実用的ではない(又は実用性が低い)可能性がある。
【0049】
変更を加えたロール成形装置30A(図20〜図28)もまた示されている。装置30と同様及び/又は同一である構成要素は、同じ数字を使用するが文字「A」又は「B」を付して同定されている。このことは、冗長な説明を減らすために行われている。図20〜図28はそれぞれ、図2〜図10と概ね同様であるが、以下で説明するような変更点がある。
【0050】
装置30A(図20)はロール成形機31A及びスイープステーション32Aを有している。スイープステーション32Aは、ブレース付きサブフレーム200Aによって固定され、スタンド201A上で動作可能に支持されている。注目すべきことに、サブフレーム200A及びスタンド201Aは、特定のバージョンのスイープステーション32Aのために必要に応じて、そのスイープステーション32Aの適切な重量及びサイズを支持するようなサイズにすることができる。
【0051】
スイープステーション32Aでは、板状の延出可能なスライド部材85A及び86A(図20、しかし図25を参照のこと)が、改良された湾曲の動作及びリセットのために変更されている。注目すべきことに、スライド部材85A及び86Aは、互いの鏡像となっており、そのため、一方だけは説明する必要がある。スライド部材85A(図25)は、テールスロット203A及び成形内側面204Aを含んだ狭くなったテール部90Aを有している。テールスロット203Aは、プレート82Aに固定されたポスト上のころ軸受205Aと係合するような形状である。スロット203Aの側部はわずかに傾斜しており、そのため、スロット203Aへの入口は、ころ軸受205Aに面する広い開口部を形成している。このことによって、スロット203Aは、ころ軸受205Aを捕捉することができながらも、延出中のスライド部材85Aが幾らか非直線状に移動することを依然として可能にする。スロット203Aの底部はころ軸受205Aと密接して係合するようなサイズであり、それにより、スライド部材85Aはその上流のホームポジションにあるときに正確に位置付けられる。
【0052】
スライド部材85A及び86Aのフロント部はタイロッド210Aによって共に固定されている。タイロッド210Aは長さが調節可能であり、そのため、ローラ64A、65Aがビーム33Aと係合するように互いに向かう方向に調節されるとき、タイロッド210Aも調節することができる。スライド部材85Aが下流へ移動すると、タイロッド210Aは、スライド部材85Aの拡大端部88Aを、延出中に軸69Aの周りで下流の弧状経路に沿って回転させる。成形内側面204Aは、スライド部材85Aのこの移動に対応するように形作られており、内側面204Aがスペーサ83A’及び/又は83Aと干渉しないようにすることができる。
【0053】
調節機構(adjustment mechanism)(図29及び図30)が、ローラ64A及び65Aを互いに向けて(そして互いから離れるように)調節することを可能にするために、スイープステーション32Aに設けられている。調節用ボルト211Aと、ローラ64A及び65Aを支持する調節可能な軸受支持体212Aとが設けられている。これらは、(連続ビーム33Aに対してきつく締めるように)曲げローラの位置を互いに向かう方向に調節するために、サブフレーム63A上で動作可能に支持されている。上述のように、タイロッド210Aもまた、その長さで同様の調節に対応する調節が可能である。
【0054】
「スイープリミッタ」チェーン94が本実施例のスイープステーションでは取り除かれていることに留意されたい。その代わりに、ポテンショメータ(potentiometer)又はセンサーシステムが、スイープステーション32Aの静止部分とサブフレーム63Aとの間に取り付けられている。ポテンショメータ215Aは、アクチュエータ91Aを制御するコントローラ77に接続されており、コントローラ77はさらに、ビーム33Aに特定の所望の湾曲半径(すなわち長手方向曲率)が付与されるようにサブフレーム32A及び曲げローラ64A、65Aの位置を制御する。ポテンショメータ215Aはまた、スイープステーションが下流方向へ「延びすぎた」時(もしそのようなことが起こった場合)を感知するように動作する。具体的には、ポテンショメータ215A(図21)は、スイープステーション32Aの両側に取り付けられ、このとき、一方の端部216Aはプレート81Aに取り付けられており、その他方の下流の端部217Aはサブフレーム63Aに取り付けられている。これらのポテンショメータ215Aは、問題が生じると装置が直ちに停止するように、コントローラ77に電気的に接続されている。
【0055】
本発明のスイープステーションにおいて発生する高い応力に対処する種々の構成要素に対して種々の変更が加えられる。また、操作効率も高めるためにも変更が加えられる。例えば、側部端プレート66Aにある開口220A及びサブフレーム63Aの他のプレートが、操作者がスイープステーションの中を見ることをできるようにして、操作者がスイープステーションの内部で起こっていることを見ることができるおかげでより良い制御を可能にする。また、固定用支柱200Aが、応力に最適に対処し、且つ不具合又は許容されない変形を生じることなく大応力に対処するように設計もされる。
【0056】
本発明の概念から逸脱することなく上記構成に変形及び変更を加えることができることが理解されるべきであり、さらに、そのような概念は、添付の特許請求の範囲において文言によって別途明記されない限り、特許請求の範囲によって包含されることが意図されていることが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の方向に湾曲したビーム(multi-directionally swept beam)に関し、そしてまた、バンパ補強ビーム、車両フレーム及び非直線状構造部材として使用することができるような複数の方向に湾曲したビーム及び構造部材を成形するためのロール成形装置及び方法に関する。本発明はさらに、上記方法によって製作されるビーム及び構造部材に関する。本発明は、バンパ補強ビーム及び/又は車両フレームのみに限定されず、またこれらの構成要素のみを成形/構成する装置及び方法にも限定されない。
【0002】
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2008年4月9日に出願された、「複数の方向に湾曲したビーム、ロール成形機及び方法(MULTI-DIRECTIONALLY SWEPT BEAM, ROLL FORMER, AND METHOD)」と題する米国特許仮出願第61/043,541号明細書の利益を主張する。当該出願の全内容はその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
ロール成形は、細長いビーム及び構造部材(チャンネル形及び筒状)を製造する特に費用対効果がよい方法となり得る。この理由は、ロール成形によって、(特に、スタンピングダイを尚早に磨耗させる高強度材が成形されている時にスタンピングダイと比較すると)、比較的低コストの機械器具(tooling)を用い、そして長持ちする機械器具を用いて大量生産(mass-producing high volumes)することができるためである。しかし、ロール成形は、非直線状の製品を成形する能力に限りがあるといった制限を有している。
【0004】
湾曲部(sweep)及び細長い曲がりがある構造部材を成形する様々な方法が既知である。例えば、Sturrusの特許文献1、Sturrusの特許文献2、及びLyonsの特許文献3を参照されたい。これらの特許文献は、高強度材から形成され且つバンパ補強ビームとして使用するのに好適な強度及び形状を有する連続ビームに湾曲部(複数可)を与える方法を開示している。しかし、これらの工法は、一方向のくぼんだ形状を形成するように湾曲したビームを成形するのに限られている。これらの工法は、交互の(往復する)湾曲部を有するビームを成形することができない、そして、ここでは、この交互の湾曲部とは、ロール成形の中心線から離れる互いに反対の方向へのものである。
【0005】
注目すべきことに、ビーム及び構造部材を非直線状形状に一貫して湾曲成形することの難しさは、構造ビームのサイズ及び曲げモーメントが増大するにつれ大きく増す。そして、上述の場合は、例えば、ビームが50mm×50mmよりも大きい筒状の断面を有する場合、及び/又は薄板材が高強度(例えば約60KSIよりも大きい最高220KSIに至るまでの引張強度)を有する場合、及び/又は湾曲曲率が1500mm未満の半径を形成するような比較的鋭い場合、及び/又は板材厚さが、特に上記を組合せたものに関して、2mmよりも大きい場合のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,092,512号明細書
【特許文献2】米国特許第5,454,504号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0277960号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様では、ロール成形装置は、鋼材料の薄板を長手方向線を形成する構造ビームに成形するためのロールを有したロール成形機を備える。この装置は、ロール成形機とインライン(in-line)であるスイープステーション(sweep station)をさらに備え、このスイープステーションは、スイープ成形装置(sweep-forming device)を有し、スイープ成形装置は、ロール成形機を継続して運転させつつ、長手方向線から離れる第1の方向及び長手方向線から離れる第1の方向とは反対の第2の方向へ選択的に構造ビームを湾曲するものである。
【0008】
本発明の別の態様では、ビームの複数のセクションを、ビームが形成する長手方向線から離れる方向へ湾曲するためのスイープステーションが提供される。このスイープステーションは、メインフレームと、サブフレームを有するスイープ成形装置とを備え、サブフレームは、長手方向線から離れる第1の方向へビームの第1のセクションを湾曲するための第1の位置への移動、及び長手方向線から離れ且つ第1の方向とは反対側にある第2の方向へビームの第2のセクションを湾曲するための第2の位置への移動のために、メインフレームに動作可能に支持される。
【0009】
本発明の別の態様では、ロール成形する方法は、薄板の材料を長手方向線を形成する連続ビームにロール成形するステップと、ロール成形するステップ中に、長手方向線から離れる第1の方向へ連続ビームの第1のセクションを湾曲し且つ第1の方向とは異なる第2の方向へ長手方向線から離れるように連続ビームの第2のセクションを湾曲するステップとを含む。
【0010】
本発明のより限定された態様では、この方法は、互いに逆に湾曲した第1及び第2のセクションを有するビームを組み込んだフレームを形成することを含む。
【0011】
本発明のより限定された態様では、ビームは、バンパ補強ビーム及び/又は車両フレーム構成要素を形成する。
【0012】
本発明のより限定された態様では、エネルギー吸収式バンパ取付ブラケット(energy-absorbing bumper-mounting bracket)がビームの端部に取り付けられる。
【0013】
本発明のより限定された態様では、ビームは、筒状であり、少なくとも約25mmである断面寸法を曲げ方向に有する。さらに、材料強度は、強度対重量の高い比率をもたらすために、好ましくは少なくとも約60KSIの引張強度である。
【0014】
本発明の目的は、鋼板材料(又はそれ以上の引張強度を有する材料)から製作され且つ(曲げ方向に2インチ以上であるような)相当なサイズの断面を有するチャンネル形又は筒状のビームを供給することであり、当該ビームは、ロール成形プロセス中に、ロール成形の中心線から互いに反対の方向に往復するように湾曲される。
【0015】
本発明の目的は、相当な材料強度及びビーム断面強度(cross-sectional beam strength)のビームを、ロール成形の中心線から互いに反対方向に曲がった複数の湾曲セクションを含んだ往復パターンで湾曲することができる、装置及び方法を提供することである。
【0016】
本発明の目的は、上述のような往復の湾曲を有するビーム構成要素を使用してフレームを構成することである。
【0017】
本発明の目的は、ビーム断面の寸法精度及び一貫性を維持しつつ、ロール成形装置がビームに次第に鋭くなる湾曲を形成することができるように、当該装置に内部及び/又は外部のスタビライザを設けることである。
【0018】
当業者は、本発明のこれらの態様、目的及び特徴、並びに他の態様、目的及び特徴を、以下の明細書、添付の特許請求の範囲及び添付の図面を検討することによって理解及び認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の二方向スイープステーションを有するロール成形装置の側面図である。
【図2】図1の二方向スイープステーションを有するロール成形装置の端部の斜視図である。
【図3】図1の二方向スイープステーションを有するロール成形装置の端部の斜視図であり、その下にある構成要素をよりよく示すために部品が消されているものである。
【図4】図3のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームがスイープステーションを通過するときに直線的なままであるホームポジション(home position)にあるスイープステーションの図である。
【図5】図3のスイープステーションの上面図であり、連続ビームがスイープステーションを通過するときに直線的なままであるホームポジションにあるスイープステーションの図である。
【図6】図2及び図3と同様のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームがそのロール成形の中心線から離れる第1の方向「B」に湾曲される第1の位置にあるスイープステーションの図である。
【図7】図2及び図3と同様のスイープステーションの上面図であり、連続ビームがそのロール成形の中心線から離れる第1の方向「B」に湾曲される第1の位置にあるスイープステーションの図である。
【図8】図3のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームが第1の方向とは反対であり且つそのロール成形の中心線から離れる第2の方向「C」に湾曲される第2の位置にあるスイープステーションの図である。
【図9】図3のスイープステーションの斜視図であり、連続ビームが第1の方向とは反対であり且つそのロール成形の中心線から離れる第2の方向「C」に湾曲される第2の位置にあるスイープステーションの図である。
【図10】図3のスイープステーションの上面図であり、連続ビームが第1の方向とは反対であり且つそのロール成形の中心線から離れる第2の方向「C」に湾曲される第2の位置にあるスイープステーションの図である。
【図11】ビームの端部セクションが同一線上にあるが中央セクションがオフセットするように図1の装置によって2つの方向に成形した、バンパ補強ビーム(「ビームセグメント」とも呼ぶ)の上面図である。
【図12】完全な車両フレームを形成するように(バンパ補強ビームの取り付けのため等の)取付ブラケットと共に溶接されている二方向に曲げられたビーム構成要素を組み合わせた車両フレームの斜視図である。
【図13】車両フレームを製作する方法/プロセスを示す概略的なフロー図である。
【図14】内部マンドレルの側面図である。
【図15】内部マンドレルの水平断面図である。
【図16】内部マンドレルの斜視図である。
【図17】内部マンドレルの分解斜視図である。
【図18】内部マンドレルの破断斜視図である。
【図19】図17に示すセグメントの変更を加えたセグメントである。
【図20】図2と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図21】図3と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図22】図4と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図23】図5と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図24】図6と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図25】図7と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図26】図8と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図27】図9と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図28】図10と同様であるが、二方向スイープステーションの別のバージョンを示す図である。
【図29】スイープサブフレーム及びアセンブリの斜視図である。
【図30】スイープサブフレーム及びアセンブリの斜視図であり、内部の他の構成要素をよりよく示すために幾つかの構成要素が取り外されているものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ライン方向「A」に沿って連続ビーム33を成形するためのロール成形機31(「ロール成形機構」とも呼ぶ)と、ロール成形機構31とインラインであるスイープステーション32とを有するロール成形装置30(図1)が設けられている。スイープステーション32は、ロール成形機構31の継続運転中に、「その場で(on the fly)」連続ビーム33を、連続ビームの中心線から第1及び第2の互いに反対となる方向へ湾曲させる(すなわち長手方向に曲げる)ものである(本明細書では「二方向曲げ」又は「二側方湾曲」とも呼ぶ)。また、薄枚の材料を連続ビームにロール成形するステップと、ビームの第1のセクション及び第2のセクションを中心線から互いに反対の方向へ湾曲するステップとを含む、関連するロール成形の方法が開示されている。注目すべきことに、ロール成形装置は、以下で説明するように、構造ビームが使用される用途の機能的要件に応じて、任意の数の異なる湾曲したセクションを含むようにビームを成形することができる。スイープステーションを有するロール成形装置は、頑丈であり、そしてこのため、異なる強度(例えば40KSI以下の引張強度材料、最高220KSIの引張強度材料、又はそれ以上の材料)、及び大きい断面のビームセクションを含む多くの異なるサイズ(例えば40mm×150mm、又は40mm×40mm、又は80mm×120mm)、及び多くの異なる形状の断面(例えば「B」、「D」、「C」又は他の断面形状)を有する種々の金属材料を成形することができる。図示の連続ビーム33は、バンパ補強ビームとしての使用に好適な長さ及び形状を有するビームセグメント34(「補強ビーム」又は「構造ビーム」又は「バンパビーム」とも呼ぶ)に切断される。
【0021】
例示的なバンパ補強ビーム34(図11)は、約2mmの板厚の壁厚を有して、60KSIの引張強度である鋼のような高強度材から製作され、そして、(車両取付位置において)80mmの深さ及び同様の高さをもつ筒状の断面形状を有している。ビーム34は、バンパ補強ビームとして使用することができ、トレーラヒッチ/ボールを支持するため等の穴34’を有することができる。図示のビームは、単一の筒を形成する断面を有しているが、ビームが複数の筒(例えばB字形)又は開チャンネル(例えばC字形)を形成することができることが意図されている。図示のビーム34は、ロール成形装置30上で複数のセクション35〜40を含むように成形され、このとき、ロール成形プロセスと同時であり且つロール成形プロセス中での湾曲プロセスの一環としてセクション36/37がスイープステーションにおいて互いに反対の方向に曲げられ、セクション38/39も互いに反対の方向に曲げられている。図示のように、ビーム34をバンパ補強ビームとして使用することができ、このとき、端部35及び40は、その上に溶接され且つ車両への取付用に構成された取付ブラケット(特には図示せず)を含んでいる。多くのバンパ取付ブラケットが当該技術分野において既知であるため、これらの詳細な説明は不要である。
【0022】
注目すべきことに、中央セクション37/38は、端部35及び40と共に単一の面を形成するが、ロール成形及び湾曲工程の一部の工程として端部35及び40に対して一直線にならない位置へ曲げられる。中央セクション37/38はさらに、二次的な工程において再び成形されて、(車両取付位置にある場合に上面及び底面を水平な向きに維持する状態で)一直線に並ぶ端部35及び40の後方及び下方へ位置付けられることが可能である。このことは、単一のクロスビーム(cross beam)34を使用してヒッチ(及びトレーラのタン[tongue])を支持することを可能とし(ボールヒッチを受け入れる穴34’を参照のこと)、さらに、車両フレームに対してヒッチの適切な高さ及び前後位置を可能にする。さらに、ビーム34の直交する壁部の全てを、重量を支持するために水平な位置及び鉛直な位置で最適に方向付けることを可能にする。
【0023】
ビーム34の形状に組み込まれているコンセプトを使用して種々の異なるフレーム及び構造の構成要素を製作することができる。例えば、図12は車両フレームを示し、このフレームでは、構成要素111、121、125〜127は、共に溶接(又はボルト締め)されて基本的な乗用車用フレーム(図12を参照)を形成しており、車両の車輪をよける(clear)ための特徴部並びにその原動機及び車両サスペンション部品に最適な非線形支持を与えるための特徴部を含んでいる。注目すべきことに、本発明のロール成形装置30によって製作される左右両方向に湾曲したビームセクションを使用して、サイドフレームメンバー及びクロスビームメンバーを形成することができる。図示のビームにはそれぞれ、戦略的に配置される曲げ部(bends)が組み込まれるが、この曲げ部の少なくとも2つは連続ビームの中心線から互いに反対の方向に形成される。次のようなものを含む多数のさらなる構造フレーム部材及び構成要素を製作することができることが意図されており、そして、それらは、スノーモービル及びオールテラインビークル(all terrain vehicle)のようなスポーツ車両用のフレーム;農耕器械、トラック、列車並びに任意の陸上の乗物、水上の乗物、飛行体及び/又は雪上の乗物のような他の乗物用のフレーム;ルーフボウ(roof bow)、ドアビーム等のような乗物に対する他の構造部材;パーティションパネル、机、オフィスシステム等のような家具用の構造部材;そして、細長く、且つ少なくとも2箇所で二方向に曲がることを必要とする種々の他の構造部材である。
【0024】
より詳細には、ロール成形装置30(図1)に関して、アンコイラ50は、コイル51’からストレイトナ(straightener)52(及び/又は予穿孔ダイ)へ、そしてロール成形機構31の中へ薄板材51を給送する。ロール53は、薄板材51を、所望の断面形状に成形し、例えばD字形の単一の筒体を形成する連続ビーム33に成形する。溶接機54(任意選択的なものであり、筒体を閉じた筒状セクションに恒久的に固定するのに使用される)が、薄板材を恒久的な筒の形状に溶接する。上流固定具55(任意選択的なものであり、湾曲中に筒状ビームの形状を維持するために内部マンドレルが必要である場合に使用される)は、内部マンドレル(複数可)を一定の下流位置に固定するための下流固定線を支持する(図14〜図19を参照のこと)。
【0025】
スイープステーション32は、ロール成形機31の終端でインラインに取り付けられ、連続ビーム33の長手方向中心線から互いに反対となる方向のいずれにも、連続ビーム33を選択的に湾曲/変形させるためのスイープロール(sweeping roll)を有している。切断装置57は、左右両方向に湾曲されたビーム33を受け取り、左右両方向に湾曲されたビーム33に形成された曲げ部に対して選択された場所でビーム33を切断して、所望の長さを有するビームセグメント34を、湾曲セクションがビームセグメント34に沿って戦略的な場所に含まれる状態で得る。図示の左右両方向に湾曲されたビームセグメント34はセクション35〜40(図11)を含んでおり、このとき、セクション35〜40は全て共通の平面内にあり、セクション36〜39は、バンパ構成要素がギロチンブレード57’をもつ切断装置57によって分離されるときに平坦な上部の台状支持体58に載ることができる(そしてこの上で継続して支持される)ように、(図1に示す紙面の中の方へ及び紙面の外の方へ)変形された状態となっている。
【0026】
スイープステーション32(図2)は、ロール成形機31の土台62に取り付けられる一対の固定支柱61をもつ支持フレーム60を有し、箱状サブフレーム63をさらに有している。箱状サブフレーム63は、スイープ曲げローラ(sweep bending roller)64及び65を、フレーム60の軸受構造体80及び100上で枢軸回転及び平行移動の二重動作(double-pivoting-and-translating movement)をさせるために、動作可能・移動可能に支持する。
【0027】
サブフレーム63は、端プレート66と、上部/底部の横プレート67と、さらに前方/後方の横プレート67’とを含み、これらのプレートは、スイープ曲げローラ64及び65が内部に位置する状態で箱状構造を形成するように組み立てられている。軸68及び69(図2において確認できる中心線を参照のこと)が、スイープ曲げローラ64及び65を通って延び、これらを調節可能に支持する。軸68及び69はそれぞれ、横プレート67上での調節可能な支持のための軸受70及び71を通って延びる端部を有している。ポンプ/モータ72及び73が軸68及び69の上側の端部に取り付けられている。モータ72及び73は、速度を変えるためのコントローラ74に操作可能に接続されると共にコントローラ74によって個別に制御される(図4を参照のこと)。モータ72及び73の筐体が、構造ハウジング(特には図示しないが、符号74及び75のエリアにある)によってサブフレーム63に固定されている。
【0028】
サブフレーム63は、図5、図7及び図10(そして概して図2〜図10)によって示されるように、フレーム60上で軸受構造体80及び100と係合する調節可能な支持構造によって、枢軸回転及び平行移動の二重動作をするように動作可能に支持されている。より詳細には、サブフレーム63は、ホームポジションで(図4及び図5、ビーム33がロール成形されているときに、ローラ64及び65がビーム33の長手方向「A」に対して垂直なラインを形成する状態で)支持される。図7及び図10に示されるように、サブフレーム63は、軸68及び軸69を支持するスライド部材85及び86内の軸受を中心に(下流方向へ)選択的に回転することができる。
【0029】
特に、調節可能な支持構造(図2)は、以下のように上部軸受構造体80及び底部軸受構造体100を有している。上部軸受構造体80は、スペーサ83によって共に固定されて上部間隙84を形成する、上側軸受プレート81及び下側軸受プレート82を有している。調節可能な支持構造は、板状で延出可能でありガイド追従の第1のスライド部材85及び第2のスライド部材86を上部にさらに有し、(そして、さらなる2つのスライド部材85及び86を底部に有し、)スライド部材は、プレート81及び82間の間隙84において隣り合う位置でスライド可能に支持されている。ガイド追従スライド部材85は、サブフレーム63を支持すると共に弧状をした下流への経路に沿ったサブフレーム63の回転を可能にするための軸受をもつ、拡大端部88(図5)を有している。サブフレーム63はまた、軸68をさらに支持する軸受を有している。スライド部材85は、スペーサ83及び83’の間にはめ合い可能に嵌合すると共にこれらと安定して係合する狭小端部90をさらに有している。上流のホームポジション(図4及び図5)では、拡大端部88及び狭小端部90の間の傾斜した面が、停止部83’に当接し、サブフレーム63を正確に位置付けさせる。スライド部材86は、その移動、軸受支持体(bearing supports)との係合及びサブフレーム63の支持がスライド部材85と同様である。
【0030】
スペーサ83’のうちの2つは、板状のガイド追従スライド部材85の上流への移動を制限する楔型停止部を形成する。板状のガイド追従スライド部材85及び86の両方がそれぞれの収まる上流位置(図4及び図5)にある場合、サブフレーム63は連続ビーム33に対して直角を成し(square)、このとき、ローラ64及び65は連続ビーム33に対して垂直な配置で互いに対向している。収まる位置にある場合、スイープステーション32は連続ビーム33を曲げないため、ビーム33は直線状のままである。
【0031】
二対の油圧アクチュエータ91(図4)がサブフレーム63と支柱61との間に接続されており、このとき、各側には上部アクチュエータ及び底部アクチュエータが1つずつある。各側にあるアクチュエータ91はポンプモータ92に動作可能に接続され、当該ポンプモータ92はスイープ装置コントローラによって制御され、当該スイープ装置コントローラはさらに、ロール成形機(図1)を操作するためのメインコントローラ77によって制御される。(注目すべきことに、コントローラ77は、単一のユニットであってもよく、又は、装置20の周りの種々のサブコントロールユニットを制御するメインコンピュータであってもよい。)メインフレーム60上のサブフレーム63の下流への最大角度となる移動を限定するために、マルチリンクチェーン(multi-link chain)94(「スイープリミッタ(sweep limiter)」とも呼ぶ)がサブフレーム63を支柱61に接続している。チェーン94は、極めて下流の位置までサブフレーム63が移動する機会を減らすという安全性を与える。なお、上記極めて下流の位置とは、万が一アクチュエータ91の1つが故障するか又は外れるかする場合のように、機械の構成要素に応力を加え損傷を与える可能性のある位置である。
【0032】
上述のように、調節可能な支持構造は、底部軸受構造体100(図2)をさらに有し、底部軸受構造体100は、上部軸受構造体80と同一の構成要素及び作用を有し、上側及び下側の板状スライド部材、停止部/スペーサ並びにアクチュエータを含んでいる。
【0033】
図4及び図5によって示されるように、スイープステーション32は、連続ビーム33が屈折/変形/湾曲されないホームポジションを有している。(注目すべきことに、スイープステーションから下流に延びる図4及び図5における図示のビーム33の曲げ部分は、サブフレーム63が図4及び図5に示すようなそのホームポジションへ戻る前に曲げられ/湾曲されていた。)スイープステーション32はまた、ビーム33の長手方向中心線95から離れる第1の方向「B」へビーム33を湾曲変形するための第1の回転位置(図6及び図7)と、長手方向中心線から離れる第1の方向とは反対の第2の方向「C」へビーム33を湾曲変形するための反対側の第2の回転位置(図8〜図10)とを有している。
【0034】
図6の第1の位置では、板状のガイド追従スライド部材86はホームポジションにあるが、板状のガイド追従スライド部材85は下流へスライドしてわずかに枢動しており、それによって、軸68及び69間の間隔が維持されている(そのため、軸68及び69は連続ビーム33の対向する側部に係合し続ける)。その結果、ビーム33は、ローラ64及び65間を通過すると方向「B」へ曲げられる。第2の位置(図8〜図10)では、板状のガイド追従スライド部材85はホームポジションにあり、板状のガイド追従スライド部材86は(下流へ)延出している。その結果、ビーム33は、ローラ64及び65間を通過すると方向「C」へ曲げられる。
【0035】
試験では、本発明のスイープステーション32は、190KSIの引張強度を有し且つ約70mm×70mmの断面の筒状ビームを有する材料を成形する場合に、選択された方向のいずれにも1000mmの半径をもつ湾曲に連続ビーム33を変形させることができることが示されている。さらに、スイープステーション32は、コントローラ77によって可変制御され、それによって、湾曲の曲率を、ビーム33のある特定のセクションに関して一定に製作することができるか、又はビーム33のある特定のセクションに沿って一定に変化させて製作することができるか、又は直線部と湾曲部とを組み合わせたものに製作することができる。さらに、湾曲部は、連続ビーム33から切断されるビーム34が対称的となることができるように、且つ、一直線に並ぶ端部セクション(図11、端部セクション35及び40を参照のこと)及びオフセットされた中央セクションを含むことができるように、製作することができる。
【0036】
前述したように、例示的な車両フレーム110(図12)を、本発明の原理に従って、そして本発明の装置及び方法によって製作されるビームから製作することができる。このフレーム110は、本発明のスイープ装置30を使用して今や可能となった特徴部をもつ種々の構造のビーム/構成要素を含んでいる。実際の車両フレームにおいて、車両フレーム110の両側は通常、互いの鏡像(又は鏡像に非常に類似している)ことに留意されたい。しかし、ここでの両側は、種々の可能性に対応することができることを示すために異なるものとして示されている。
【0037】
特に、図12に示される車両フレーム110の右半分は、複合的な二方向の曲げ部(全ての曲げ部は鉛直面内にある)を場所112にもつ単一の細長い筒状サイドフレームメンバー111を有し、場所112は、車両に組み付けられた位置にある場合に車両の後輪にあり、車両のリアアクスルのための空間を与える。サイドフレームメンバー111は、複合曲げ部(全ての曲げ部は水平面内にある)を場所113にさらに有している(しかしながら、これらの曲げ部は最初の曲げ部に対して直交方向にある)。場所113にある図示の第2の曲げ部は、場所112にある第1の曲げ部よりもわずかに浅い。第2の曲げ部は、二次的なスタンピング又は別個の曲げ/再成形工程(図13を参照のこと)において製作することができるということが意図されており、この工程では、筒状ビーム34は、支持されつつ強制的に所望の3次元形状にされる。例えば、溶接/固定された取付ブラケット119’と共にバンパ補強ビーム119を取り付けるために、フレーム先端部/ブラケット115(「圧壊タワー」と呼ぶこともある)がサイドフレームメンバー111の前部に溶接される。図示のブラケット115は断面が矩形である。しかしながら、ブラケットは丸い断面又は別の形状を有してよいことが意図されている。本明細書において先に示唆したように、通常は、車両フレームは対称に形作られるが、本明細書において対称でないのは、当業者が理解するように、代替形態を示す図を目的としているためである。図示のブラケット115及びフレーム構成要素は、筒状であり、車両の衝突/衝撃中に一定で予測可能なエネルギー吸収をもたらすための圧壊開始開口を有することができる。
【0038】
車両フレーム110の左半分(図12)は、オーバーラップした接続部123をもつ一対の細長い筒状サイドフレームメンバー121及び122を有している。オーバーラップした接続部123は、構成要素121及び122の端部を直接重ねることによるものであってもよく、又は構成要素121及び122の端部の中に入れ子状にはまって延びるように形作られた中間筒セクションを設けることによって製作されてもよい。構成要素121及び122は、概ね一直線に並ぶかたちで接続されてメンバー111と大して違わないサイドフレームメンバーを形成して、共に溶接される。フレームメンバー121及び122を使用する利点は、スイープステーション32を有するロール成形装置30において成形されるときに、フレームメンバー121及び122を最終形状に成形することができることである。ブラケット115’は、リアバンパの補強ビーム34の取り付けのためにフレームの(後方)端部へ溶接又はボルト締めすることができる。
【0039】
車両フレーム110はまた、サイドフレームメンバー111同士の間に延びてこれらを剛直に相互接続するクロスメンバー125、126及び127を有している。クロスメンバー125及び126は、筒状のビームであり(又は開チャンネルであってもよく)、それらの寸法要件を満たすように1つ以上の二方向曲げ部を含んでいる。端部フランジがクロスメンバー上に形成され、それにより、サイドフレームメンバーそれぞれとはめ合い可能に係合し、溶接での取付を容易にする。また、所望であれば、圧壊イニシエータ(crush initiator)及び/又はエネルギー処理デバイス(energy management device)をクロスメンバー125及び/又は126及び/又は127に組み込むことができる。
【0040】
図13は、構成要素の製造、及び、アセンブリを共に溶接して車両フレームを形成する製造を示すフロー図である。
【0041】
いくつかの状況では、上記スイープステーション32の能力に「挑戦する」、次第に鋭くなって曲がる湾曲を提供することが望ましい場合がある。そのような場合、補助的な機器をスイープステーションに追加し、それによって、寸法精度が高く一貫した鋭く曲がる湾曲を提供するように、スイープステーションの能力をさらに高めることができる。そのような補助的な機器の3つの基本的なタイプが考えられる。すなわち、(1)連続ビーム33と係合するスイープステーション32の下流側(例えばトレーリングローラ又はローラ)に取り付けられる、追加の下流外部支持体(「外部スタビライザ(external stabilizer)」と呼ぶ)、(2)ローラ64、65の直前でビーム33と係合する上流外部支持体(上流曲げスタビライザ又は「ブリッジ支持体(bridge support)」と呼ぶ)、及び/又は(3)内部スタビライザ142(蛇のようなかたちで共に接続されている「内部マンドレルチェーン」として示されている)(図14〜図18を参照のこと)を含む3つの基本的なタイプである。これらのコンセプトは、二方向に湾曲したビームを製造するため又は単一方向に湾曲したビームを製造するためのスイープ装置において有用となり得るが、もし、ビーム33が大きい(例えば2インチ×2インチよりも大きい)わけでない場合、又はビーム33が高強度材(例えば80KSIよりも大きい)を使用するわけでない場合、又はビーム33が薄肉材料(例えば2.2mm厚未満である)を使用するわけではない場合には、これらのコンセプトが必ずしも必要であるとは考えられない。
【0042】
上流支持体(上流曲げスタビライザ又は「ブリッジ支持体」と呼ぶ)(図4)は、ビーム33がスイープステーション32にあるローラ64、65に入るときにビーム33をその直線形状で支持するために、曲げローラに近接して位置付けられている。上流支持体は、側部位置141で支持され、ビーム33とはめ合い可能でスライド可能に係合するような形状の側部を有し、それによって、ビーム33がそのロール成形の中心線に沿ってスイープステーションにおけるローラ64及び65間の挟む位置(pinch point)へ進むときにビーム33を支持する。上流支持体を中実の構成要素(例えば輪[wheel]ではないが)とすることによって、上流支持体の前端部を楔形にすることができ、それによって、支持体が与える支持は、ビーム33がローラ(例えばローラ64又はローラ65)の周りで曲げられるときにローラ64及び65間の挟む位置により近くなる。
【0043】
スイープステーション32の上流側に近接してビーム33を支持することによって、ビーム33の寸法精度を大きく高めることができる。この理由は、ビームの壁部が、「反作用の曲げ力」からの望まない曲げ及び変形を防止するように安定化されて支持されるためである。(本明細書中で使用されるような)反作用の曲げ力は、曲げ方向から離れる方向へのビーム33における上流の変形を引き起こす反力である。これらの反力は、ビーム33が強制的に曲げローラ(例えばローラ64)の周りで変形されるときにビーム33がシーソーのように動くことによって引き起こされる。具体的には、ビームの強度及びビーム33にかかる合応力は、ビーム33の上流部分(例えばビーム33が曲げローラ65に接触する箇所から1インチ〜5インチ前)に、曲げローラ64から離れる方向への曲げを引き起こす。
【0044】
上流外部支持体は、ビーム33の単一の側部に位置してもよいことが意図されているが、上流外部支持体は、ビーム33の湾曲が行われている方向に関係なくビームの壁部が支持されるように、ビーム33の両側に位置付けられることもありえることが意図されている(すなわち、このような上流外部支持体は、ビーム33がローラ64の周りで第1の湾曲方向に変形されているところであるか、ローラ65の周りで第2の(反対の)湾曲方向に変形されているところであるかに関係なく、ビーム33の壁部を安定化するであろう)。
【0045】
内部スタビライザ142(図14〜図19)(「マルチリンク内部マンドレル(multi-link internal mandrel)」又は「マンドレルスネーク(mandrel snake)」とも呼ぶ)は、マルチリンクチェーン151によって共に連結される複数の内部マンドレルセグメントを有し、マルチリンクチェーン151はさらに、直径が約1インチの中実ロッド等のロッド152によって上流固定具55に接続されている。セグメント160〜163は、連続ビーム33の内部空間を満たすように構成され且つビーム33がスイープステーションを通って移動するときにビーム33に沿って摺動するように構成された、外形を有している。セグメント160〜163は、ビーム33の壁部が内部空間の内側に潰れないようなものであり且つビーム33の断面形状が湾曲成形プロセス中に維持されるようなものである、サイズの外側断面寸法を有している。
【0046】
図示の最も上流の第1のセグメント160は、細長く(例えば3インチ〜4インチ)、そしてチェーン151(及びブロック160)をアンカーロッド152のループに接続するピン153を受け入れるための開口を有している。この第1のセグメント160は、ローラ64及び65間の挟む位置の上流に位置する静止位置に保持される。第2のセグメント161もまた細長くなっており(例えば約4インチ〜6インチ)、そしてこのことは、第2のセグメント161がロール成形プロセスのライン方向と向きを合わせて留まる助けとなる。この第2のセグメント161も同様に、ローラ64及び65間の挟む位置の上流に位置する静止位置に保持される。セグメント161の後には、幾つかのより短いセグメント162(それぞれ約1インチ又は2インチ長)と細長い最後尾のセグメント163(約2インチ〜3インチに長くなっている)が続く。セグメント162は、ローラ64及び65間の挟む位置を越えて延びるブロック/マンドレルによるスタックライン(stacked line)を形成し、セグメント163は、ローラ64及び65の下流に位置する。セグメント160、161及び163の長さは、これらのセグメントが成形中の連続ビーム33と一列に並ぶのを保つ助けとなる。ローラ64及び65が違った位置(図2〜図10を参照のこと)へ移動すると、セグメント162及び163は、ローラ64及び65によって生じる形状に従って移動し、それ故、連続ビーム33がスイープステーションを横切って移動するときに連続ビーム33に安定性を付加する。
【0047】
各セグメント161及び162は貫通穴を有し、セグメント160及び163は、チェーン151の両端のリンクに連結するための構造を有している。チェーン151は、セグメント161及び162を通って延び、セグメント160〜163を連結する。各セグメント160〜163は、左右のいずれの方向への回転も可能にするようにして、構造的に製作されると共に相互に連結されている。具体的には、各セグメント161〜163は、狭くなって上流に面した円筒形状のノーズ部と、これとはめ合う下流に面した円筒形状のリセス部とによって形成される接合部を有しており、それによって、ノーズ部及びリセス部が当接して、蛇状の内部マンドレルをいずれの方向へも回転させることができる回転支持面(rotational bearing surface)を形成する。様々なチェーンを用いて内部マンドレル構成要素を共に固定することが可能であることが意図されている。図示のチェーン151は、フラットリンク155と横断ピン156とを有し、これらは、スプロケットと係合する自転車のチェーン又は自動二輪車の駆動チェーンと同様の方法で相互に連結している。図示のリンク155は、平坦であり、「8」の字形状をそれぞれ有し(図15及び図17を参照のこと)、縦2列又は縦3列とすることができ、このとき、リンク155の端部同士は長手方向にずらされておりピンによって共に枢動する状態となっている。それによって、水平面内でいずれの方向にも曲がることができるがその面から外れる方向へは曲がることができない高強度の連続チェーンが形成されている。
【0048】
図19は、変更を加えたセグメント162Aを示し、セグメント162Aの外方に面する側面の少なくとも1つがローラピン162Bを有している。このことによって、ローラピン162Bが連続ビーム33の内面に沿って(摺動接触するのではなく)転がるため、セグメント162Aの側面の摩擦を伴う係合を減らすことができる。この構成はセグメント162を有する構成よりも長持ちするが、当然ながらセグメント162Aはより高価となる。そして、セグメント162Aを使用する正当な理由となるほど、セグメント162Aのサイズが十分に大きく、同時にビーム33を成形する圧力が十分に大きくない限り、セグメント162Aは実用的ではない(又は実用性が低い)可能性がある。
【0049】
変更を加えたロール成形装置30A(図20〜図28)もまた示されている。装置30と同様及び/又は同一である構成要素は、同じ数字を使用するが文字「A」又は「B」を付して同定されている。このことは、冗長な説明を減らすために行われている。図20〜図28はそれぞれ、図2〜図10と概ね同様であるが、以下で説明するような変更点がある。
【0050】
装置30A(図20)はロール成形機31A及びスイープステーション32Aを有している。スイープステーション32Aは、ブレース付きサブフレーム200Aによって固定され、スタンド201A上で動作可能に支持されている。注目すべきことに、サブフレーム200A及びスタンド201Aは、特定のバージョンのスイープステーション32Aのために必要に応じて、そのスイープステーション32Aの適切な重量及びサイズを支持するようなサイズにすることができる。
【0051】
スイープステーション32Aでは、板状の延出可能なスライド部材85A及び86A(図20、しかし図25を参照のこと)が、改良された湾曲の動作及びリセットのために変更されている。注目すべきことに、スライド部材85A及び86Aは、互いの鏡像となっており、そのため、一方だけは説明する必要がある。スライド部材85A(図25)は、テールスロット203A及び成形内側面204Aを含んだ狭くなったテール部90Aを有している。テールスロット203Aは、プレート82Aに固定されたポスト上のころ軸受205Aと係合するような形状である。スロット203Aの側部はわずかに傾斜しており、そのため、スロット203Aへの入口は、ころ軸受205Aに面する広い開口部を形成している。このことによって、スロット203Aは、ころ軸受205Aを捕捉することができながらも、延出中のスライド部材85Aが幾らか非直線状に移動することを依然として可能にする。スロット203Aの底部はころ軸受205Aと密接して係合するようなサイズであり、それにより、スライド部材85Aはその上流のホームポジションにあるときに正確に位置付けられる。
【0052】
スライド部材85A及び86Aのフロント部はタイロッド210Aによって共に固定されている。タイロッド210Aは長さが調節可能であり、そのため、ローラ64A、65Aがビーム33Aと係合するように互いに向かう方向に調節されるとき、タイロッド210Aも調節することができる。スライド部材85Aが下流へ移動すると、タイロッド210Aは、スライド部材85Aの拡大端部88Aを、延出中に軸69Aの周りで下流の弧状経路に沿って回転させる。成形内側面204Aは、スライド部材85Aのこの移動に対応するように形作られており、内側面204Aがスペーサ83A’及び/又は83Aと干渉しないようにすることができる。
【0053】
調節機構(adjustment mechanism)(図29及び図30)が、ローラ64A及び65Aを互いに向けて(そして互いから離れるように)調節することを可能にするために、スイープステーション32Aに設けられている。調節用ボルト211Aと、ローラ64A及び65Aを支持する調節可能な軸受支持体212Aとが設けられている。これらは、(連続ビーム33Aに対してきつく締めるように)曲げローラの位置を互いに向かう方向に調節するために、サブフレーム63A上で動作可能に支持されている。上述のように、タイロッド210Aもまた、その長さで同様の調節に対応する調節が可能である。
【0054】
「スイープリミッタ」チェーン94が本実施例のスイープステーションでは取り除かれていることに留意されたい。その代わりに、ポテンショメータ(potentiometer)又はセンサーシステムが、スイープステーション32Aの静止部分とサブフレーム63Aとの間に取り付けられている。ポテンショメータ215Aは、アクチュエータ91Aを制御するコントローラ77に接続されており、コントローラ77はさらに、ビーム33Aに特定の所望の湾曲半径(すなわち長手方向曲率)が付与されるようにサブフレーム32A及び曲げローラ64A、65Aの位置を制御する。ポテンショメータ215Aはまた、スイープステーションが下流方向へ「延びすぎた」時(もしそのようなことが起こった場合)を感知するように動作する。具体的には、ポテンショメータ215A(図21)は、スイープステーション32Aの両側に取り付けられ、このとき、一方の端部216Aはプレート81Aに取り付けられており、その他方の下流の端部217Aはサブフレーム63Aに取り付けられている。これらのポテンショメータ215Aは、問題が生じると装置が直ちに停止するように、コントローラ77に電気的に接続されている。
【0055】
本発明のスイープステーションにおいて発生する高い応力に対処する種々の構成要素に対して種々の変更が加えられる。また、操作効率も高めるためにも変更が加えられる。例えば、側部端プレート66Aにある開口220A及びサブフレーム63Aの他のプレートが、操作者がスイープステーションの中を見ることをできるようにして、操作者がスイープステーションの内部で起こっていることを見ることができるおかげでより良い制御を可能にする。また、固定用支柱200Aが、応力に最適に対処し、且つ不具合又は許容されない変形を生じることなく大応力に対処するように設計もされる。
【0056】
本発明の概念から逸脱することなく上記構成に変形及び変更を加えることができることが理解されるべきであり、さらに、そのような概念は、添付の特許請求の範囲において文言によって別途明記されない限り、特許請求の範囲によって包含されることが意図されていることが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール成形装置であって、
鋼材料の薄板を長手方向線を形成する構造ビームに成形するロールを有したロール成形機と、
前記ロール成形機とインラインであり且つスイープ成形装置を有するスイープステーションであって、前記スイープ成形装置は、前記ロール成形機を継続して運転させつつ、前記長手方向線から離れる第1の方向及び前記長手方向線から離れる前記第1の方向とは反対の第2の方向へ選択的に前記構造ビームを湾曲する、スイープステーションと
を備えるロール成形装置。
【請求項2】
前記ロールは前記薄板を筒状形状に成形し、前記ロール成形機は、前記ビームを前記筒状形状に恒久的に固定する溶接機を有する請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項3】
前記スイープステーションは、対向するスイープローラと、前記対向スイープローラのそれぞれを平行移動させるように調節可能に支持する調節可能な支持構造とを有する請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項4】
前記スイープステーションは、前記対向スイープローラを支持するサブフレームを有し、前記サブフレームは、前記調節可能な支持構造によって動作可能に支持され、前記サブフレームを前記第1の方向又は前記第2の方向に回転自在に移動させる少なくとも1つのアクチュエータを有する請求項3に記載のロール成形装置。
【請求項5】
前記支持構造は、前記対向ローラの少なくとも一方を、他方の前記対向ローラの周りを部分的に下流方向へ選択的に移動させるように構成される請求項4に記載のロール成形装置。
【請求項6】
前記支持構造は、前記サブフレームを、下流方向へ延びる第1の弧状経路又は第2の弧状経路へ移動させるように支持する請求項4に記載のロール成形装置。
【請求項7】
前記支持構造は、スライド部のそれぞれに接続される別個のアクチュエータを有し、前記スライド部は、前記ビームが湾曲されない上流のホームポジションと、前記ビームが前記第1の方向及び次いで前記第2の方向へ湾曲される下流の異なるポジションとの間で前記対向スイープローラを移動させるものである請求項6に記載のロール成形装置。
【請求項8】
前記対向ローラは、前記サブフレームで支持される第1の軸及び第2の軸を有し、前記調節可能な支持構造は、前記サブフレームを前記第1の軸及び前記第2の軸を中心に回転させるように動作可能に選択的に支持する、第1のスライド部材及び第2のスライド部材を有する請求項6に記載のロール成形装置。
【請求項9】
前記スイープステーションは、それぞれが間に空洞を形成する一対の上部ガイド及び一対の底部ガイドをもつフレームを有し、前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材はそれぞれ、関連する対の前記ガイドの間で制御された動作をするように前記空洞の一つの中に延びる部分を有する請求項8に記載のロール成形装置。
【請求項10】
前記スイープステーションは、メインフレームと、前記メインフレームによって移動可能に支持されるサブフレームとを有し、且つ、前記メインフレームとスライド可能に係合して前記サブフレームを2つの異なる弧状経路のうち選択された一方の経路で移動可能に支持するスライド部材を有する請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項11】
前記構造ビームが直線状のままであり且つ長手方向に曲がった形状を与えられない上流のホームポジションを正確に決めるように前記スライド部材と係合する停止部を備える請求項10に記載のロール成形装置。
【請求項12】
前記スイープローラの直前の上流であり且つ前記スイープローラに隣接して位置付けられる上流支持体を備える請求項3に記載のロール成形装置。
【請求項13】
前記スイープステーションの対向ローラ同士の間に部分的に位置付けられる少なくとも1つの内部マンドレルを備える請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの内部マンドレルは、所与の平面内で曲がることができるが前記所与の平面で相対する方向に曲がることができるスタックチェーンを形成するように相互接続される、複数の内部セグメントを有する請求項13に記載のロール成形装置。
【請求項15】
ビームの複数のセクションを、前記ビームが形成する長手方向線から離れる方向へ湾曲するスイープステーションであって、
メインフレームと、
サブフレームを有するスイープ成形装置であって、前記サブフレームは、前記長手方向線から離れる第1の方向へ前記ビームの第1のセクションを湾曲する第1の位置への移動、及び前記長手方向線から離れ且つ前記第1の方向とは反対側にある第2の方向へ前記ビームの第2のセクションを湾曲する第2の位置への移動をするように前記メインフレームに動作可能に支持される、スイープ成形装置と
を備えるスイープステーション。
【請求項16】
前記スイープ成形装置の対向するローラ同士の間に部分的に位置付けられる少なくとも1つの内部マンドレルを備える請求項15に記載のスイープステーション。
【請求項17】
前記少なくとも1つの内部マンドレルは、所与の平面内で曲がることができるが前記所与の平面で相対する方向に曲がることができるスタックチェーンを形成するように相互接続される、複数の内部セグメントを有する請求項16に記載のスイープステーション。
【請求項18】
ロール成形する方法であって、
薄板の材料を長手方向線を形成する連続ビームにロール成形するステップと、
前記ロール成形するステップ中に、前記長手方向線から離れる第1の方向へ前記連続ビームの第1のセクションを湾曲し、その後、前記第1の方向とは異なる第2の方向へ前記長手方向線から離れるように前記連続ビームの第2のセクションを湾曲するステップと
を含むロール成形する方法。
【請求項19】
前記異なる方向は前記第1の方向とは反対である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記長手方向線から互いに反対となる方向のいずれにも枢動するように適応したアクチュエータを設けることを含み、且つ、前記連続ビームに沿った所望の場所に前記第1のセクション及び前記第2のセクションを位置付けるように前記アクチュエータを制御することを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の方向及び前記第2の方向とは異なる第3の方向へ前記ビームを再び成形することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ビーム構成要素であって、
一定の断面を有し且つ少なくとも60KSIの強度をもつ薄板の材料から成形されるロール成形されたビームを備え、前記ビームは、最初にロール成形されたときには実質的に直線状であり且つ長手方向中心線を形成するが、少なくとも第1のセクション及び第2のセクションを有し、このとき、前記第1のセクションが、前記中心線から離れる第1の方向へ曲げられ、前記第2のセクションが、前記中心線から離れる第2の方向であるが、前記第1のセクションとは反対の方向へ曲げられている、ビーム構成要素。
【請求項1】
ロール成形装置であって、
鋼材料の薄板を長手方向線を形成する構造ビームに成形するロールを有したロール成形機と、
前記ロール成形機とインラインであり且つスイープ成形装置を有するスイープステーションであって、前記スイープ成形装置は、前記ロール成形機を継続して運転させつつ、前記長手方向線から離れる第1の方向及び前記長手方向線から離れる前記第1の方向とは反対の第2の方向へ選択的に前記構造ビームを湾曲する、スイープステーションと
を備えるロール成形装置。
【請求項2】
前記ロールは前記薄板を筒状形状に成形し、前記ロール成形機は、前記ビームを前記筒状形状に恒久的に固定する溶接機を有する請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項3】
前記スイープステーションは、対向するスイープローラと、前記対向スイープローラのそれぞれを平行移動させるように調節可能に支持する調節可能な支持構造とを有する請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項4】
前記スイープステーションは、前記対向スイープローラを支持するサブフレームを有し、前記サブフレームは、前記調節可能な支持構造によって動作可能に支持され、前記サブフレームを前記第1の方向又は前記第2の方向に回転自在に移動させる少なくとも1つのアクチュエータを有する請求項3に記載のロール成形装置。
【請求項5】
前記支持構造は、前記対向ローラの少なくとも一方を、他方の前記対向ローラの周りを部分的に下流方向へ選択的に移動させるように構成される請求項4に記載のロール成形装置。
【請求項6】
前記支持構造は、前記サブフレームを、下流方向へ延びる第1の弧状経路又は第2の弧状経路へ移動させるように支持する請求項4に記載のロール成形装置。
【請求項7】
前記支持構造は、スライド部のそれぞれに接続される別個のアクチュエータを有し、前記スライド部は、前記ビームが湾曲されない上流のホームポジションと、前記ビームが前記第1の方向及び次いで前記第2の方向へ湾曲される下流の異なるポジションとの間で前記対向スイープローラを移動させるものである請求項6に記載のロール成形装置。
【請求項8】
前記対向ローラは、前記サブフレームで支持される第1の軸及び第2の軸を有し、前記調節可能な支持構造は、前記サブフレームを前記第1の軸及び前記第2の軸を中心に回転させるように動作可能に選択的に支持する、第1のスライド部材及び第2のスライド部材を有する請求項6に記載のロール成形装置。
【請求項9】
前記スイープステーションは、それぞれが間に空洞を形成する一対の上部ガイド及び一対の底部ガイドをもつフレームを有し、前記第1のスライド部材及び前記第2のスライド部材はそれぞれ、関連する対の前記ガイドの間で制御された動作をするように前記空洞の一つの中に延びる部分を有する請求項8に記載のロール成形装置。
【請求項10】
前記スイープステーションは、メインフレームと、前記メインフレームによって移動可能に支持されるサブフレームとを有し、且つ、前記メインフレームとスライド可能に係合して前記サブフレームを2つの異なる弧状経路のうち選択された一方の経路で移動可能に支持するスライド部材を有する請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項11】
前記構造ビームが直線状のままであり且つ長手方向に曲がった形状を与えられない上流のホームポジションを正確に決めるように前記スライド部材と係合する停止部を備える請求項10に記載のロール成形装置。
【請求項12】
前記スイープローラの直前の上流であり且つ前記スイープローラに隣接して位置付けられる上流支持体を備える請求項3に記載のロール成形装置。
【請求項13】
前記スイープステーションの対向ローラ同士の間に部分的に位置付けられる少なくとも1つの内部マンドレルを備える請求項1に記載のロール成形装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの内部マンドレルは、所与の平面内で曲がることができるが前記所与の平面で相対する方向に曲がることができるスタックチェーンを形成するように相互接続される、複数の内部セグメントを有する請求項13に記載のロール成形装置。
【請求項15】
ビームの複数のセクションを、前記ビームが形成する長手方向線から離れる方向へ湾曲するスイープステーションであって、
メインフレームと、
サブフレームを有するスイープ成形装置であって、前記サブフレームは、前記長手方向線から離れる第1の方向へ前記ビームの第1のセクションを湾曲する第1の位置への移動、及び前記長手方向線から離れ且つ前記第1の方向とは反対側にある第2の方向へ前記ビームの第2のセクションを湾曲する第2の位置への移動をするように前記メインフレームに動作可能に支持される、スイープ成形装置と
を備えるスイープステーション。
【請求項16】
前記スイープ成形装置の対向するローラ同士の間に部分的に位置付けられる少なくとも1つの内部マンドレルを備える請求項15に記載のスイープステーション。
【請求項17】
前記少なくとも1つの内部マンドレルは、所与の平面内で曲がることができるが前記所与の平面で相対する方向に曲がることができるスタックチェーンを形成するように相互接続される、複数の内部セグメントを有する請求項16に記載のスイープステーション。
【請求項18】
ロール成形する方法であって、
薄板の材料を長手方向線を形成する連続ビームにロール成形するステップと、
前記ロール成形するステップ中に、前記長手方向線から離れる第1の方向へ前記連続ビームの第1のセクションを湾曲し、その後、前記第1の方向とは異なる第2の方向へ前記長手方向線から離れるように前記連続ビームの第2のセクションを湾曲するステップと
を含むロール成形する方法。
【請求項19】
前記異なる方向は前記第1の方向とは反対である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記長手方向線から互いに反対となる方向のいずれにも枢動するように適応したアクチュエータを設けることを含み、且つ、前記連続ビームに沿った所望の場所に前記第1のセクション及び前記第2のセクションを位置付けるように前記アクチュエータを制御することを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の方向及び前記第2の方向とは異なる第3の方向へ前記ビームを再び成形することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ビーム構成要素であって、
一定の断面を有し且つ少なくとも60KSIの強度をもつ薄板の材料から成形されるロール成形されたビームを備え、前記ビームは、最初にロール成形されたときには実質的に直線状であり且つ長手方向中心線を形成するが、少なくとも第1のセクション及び第2のセクションを有し、このとき、前記第1のセクションが、前記中心線から離れる第1の方向へ曲げられ、前記第2のセクションが、前記中心線から離れる第2の方向であるが、前記第1のセクションとは反対の方向へ曲げられている、ビーム構成要素。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2011−516275(P2011−516275A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504144(P2011−504144)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/039853
【国際公開番号】WO2009/126677
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(591187162)シェイプ・コープ (25)
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORP.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/039853
【国際公開番号】WO2009/126677
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(591187162)シェイプ・コープ (25)
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORP.
【Fターム(参考)】
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