複数の矢板壁構成要素からなる組立体及びそのような組立体のための溶接付けストリップ
【課題】多様な矢板壁構成要素を用い多様な形状の組立体を実現可能とする、溶接付け接続用特徴的輪郭要素とを提供する。
【解決手段】複数の矢板壁を接続する少なくとも一対の接続用特徴的輪郭要素10、20において、2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第一の接続用特徴的輪郭要素10は、第一の矢板壁90に取り付けられた基部と、その基部から所定の方向に延びている連結ストリップと、その連結ストリップの自由端に設けられたより大きい断面形状の頭部ストリップとを有しており、その頭部ストリップは、当該頭部ストリップを部分的に囲む鉤爪ストリップと係合のためのものである。2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第二の接続用特徴的輪郭要素20は、第一の矢板壁90に取り付けられた基部と、頭部ストリップを確保するための鉤爪ストリップとを有している。
【解決手段】複数の矢板壁を接続する少なくとも一対の接続用特徴的輪郭要素10、20において、2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第一の接続用特徴的輪郭要素10は、第一の矢板壁90に取り付けられた基部と、その基部から所定の方向に延びている連結ストリップと、その連結ストリップの自由端に設けられたより大きい断面形状の頭部ストリップとを有しており、その頭部ストリップは、当該頭部ストリップを部分的に囲む鉤爪ストリップと係合のためのものである。2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第二の接続用特徴的輪郭要素20は、第一の矢板壁90に取り付けられた基部と、頭部ストリップを確保するための鉤爪ストリップとを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の矢板壁構成要素と、2つの矢板壁構成要素を連結するための、長手方向に一定の断面形状を有する少なくとも一対の接続用特徴的輪郭要素とからなる組立体に関する。そこにおいて、2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第一の接続用特徴的輪郭要素は、当該組立体の第一の矢板壁構成要素に取り付けられた基部と、所定の主組立方向に沿って基部から延びている連結ストリップと、前記連結ストリップの自由端に設けられたより大きな断面形状の頭部ストリップとを有しており、その頭部ストリップは、当該頭部ストリップを部分的に囲む鉤爪ストリップと係合するためのものであり、他方、2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第二の接続用特徴的輪郭要素は、第二の矢板壁構成要素に取り付けられた基部と、頭部ストリップが引っ掛かることができる鉤爪ストリップとを有している。更に、本発明は、上記した組立体のための請求項10に記載の溶接付けストリップに関する。
【0002】
上述した型の組立体は、例えば矢板(シートパイル)と支持要素(例えば管状パイル、T型鋼及びH型鋼)のような矢板壁構成要素から成る。矢板の長手方向の縁には、矢板壁が構築されるときに互いに係合する噛合いストリップを備えている。支持要素と矢板を接続するために、いわゆる接続用特徴的輪郭要素が使用され、その接続用特徴的輪郭要素には、矢板との係合のために、対応する噛合い形状部が設けられている。その接続用特徴的輪郭要素には接続ストリップが設けられ、その接続ストリップによって接続用特徴的輪郭要素が、支持要素に設けられた支持フランジのような成形要素に押し付けられるか、或いは、接続用特徴的輪郭要素には接続ストリップの代りに基部が設けられ、その基部によって接続用特徴的輪郭要素が支持要素に好ましくは溶接によりさもなくばボルト止め又はリベット止めにより直接取り付けられる。更に、矢板を例えば別の矢板又は支持要素に結合するために、噛合い部が設けられている長手方向縁部の間の矢板の横方向構造部材に接続用特徴的輪郭要素は取り付けることもできる。
【0003】
更に、互いに結合された支持要素、例えば管状パイルのみから構成される矢板壁構成要素を使用して組立体は構築される。その場合、それら支持要素は、支持要素同士を接続するための対応する接続用特徴的輪郭要素を備えている。2つの管状パイルを互いに接続するための一対の溶接付け特徴的輪郭要素が、DE20220446U1に開示されている。更に、管状パイルを互いに接続する接続要素としてスロット付きの管状部材とT型鋼とを使用することが従来技術において知られている。この場合、長手方向にスロットが形成された小径の管状部材が1つの管状パイルに溶接され、他方、T型鋼が隣りの管状パイルに取り付けられ、そのT型部分が、スロット付き管状部材内に挿入され、管状パイルに溶接されたT型鋼の横方向構造部材が、スロット付き管状部材のスロットを通って、管状パイルが互いに接続される。
【特許文献1】DE20220446U1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術に鑑み、本発明の目的は、従来技術と比較して汎用性が高く、且つ非常に多様な矢板壁構成要素の非常に多様な形状を用途に応じて実現可能な、上記した形式の組立体とその組立体のために使用可能な溶接付け特徴的輪郭要素とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記した目的は、請求項1の特徴を有する接続用特徴的輪郭要素によって達成される。詳細には、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップが、矢板壁としての矢板の鉤爪ストリップを確保することと、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップを確保することとの両機能を果たし、他方、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップが、矢板壁としての矢板の頭部ストリップを確保することと、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップを確保することとの両機能を果たす。
【0006】
本発明による組立体において、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップと第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップとであるいわゆる玉継手形態を備えた一対の特徴的輪郭要素が使用される。頭部ストリップ及び鉤爪ストリップは、第一に、従来の矢板、特にPZ矢板及びPZC矢板の頭部ストリップ及び鉤爪ストリップと直接結合可能であり、第二に、互いに結合可能でもある。そこにおいて、主組立方向は、連結ストリップの長手方向によって決定され、その連結ストリップの長手方向に沿って頭部ストリップと鉤爪ストリップとが、偏ることのない状態で互い係合させられる。これは、各特徴的輪郭要素の基部が溶接又はボルト止め又はリベット止めで接続されている管状パイル及びT型鋼又はH型鋼のような支持要素をPZ矢板及びPZC矢板に簡単に接続することを可能にする。
【0007】
本発明の他の有利な実施例は、以下の詳細な説明、請求の範囲、及び図面から理解されよう。
【0008】
従って、本発明の組立体の有利な実施例においては、第二の接続用特徴的輪郭要素が、特定な主組立方向に沿って延びる連結ストリップを有し、その連結ストリップの端部に鉤爪ストリップが設けられることが提案される。鉤爪ストリップと基部との間に連結ストリップを設けることにより、支持要素間の距離が最小にされねばならない場合に支持要素を互いに直接結合することができる。管状パイルとT型鋼とを設置する場合、矢板壁を地面に打ち込むために現在市場で利用可能な従来の打ち込み振動機械では、機械を適正に動作させるには管状パイルとT型鋼との間に十分な空間が確保されねばならない問題にしばしば直面する。第一と第二の接続用特徴的輪郭要素に適切な大きさの連結ストリップを設けることにより、管状パイルとT型鋼とを直接接続することができ、且つ、管状パイルとT型鋼とを同時に地面に打ち込むことができる。
【0009】
2つの接続用特徴的輪郭要素が互いに直接係合させられるときに、2つの接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップは、接続用特徴的輪郭要素が設けられている2つの矢板壁の間に所定の最小間隔距離が維持されるような長さを有する。この最小間隔距離は、矢板壁を打ち込むために用いる機械の形式に依存しており、好ましくは160〜200mmの範囲内、そして、最も好ましくは180mmである。
【0010】
特徴的輪郭要素の取付点の最大限均一な負荷を可能にするために、主組立方向に沿って見た第二の接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さが、第一の接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さと少なくともほぼ同じであることが有利である。このようにすることにより、頭部ストリップ又は鉤爪ストリップにおいて、地面に矢板壁を打ち込んでいるときに、接続用特徴的輪郭要素の長手方向に対して直角な横方向の力によって生じる取付点のトルクが、特に2つの接続用特徴的輪郭要素が直接係合させられる場合に、2つの接続用特徴的輪郭要素でほぼ同じとなる。
【0011】
例えば地中の大きな岩のような地盤条件のために、矢板壁がしばしば長手方向において捩じられる傾向があるので、互いに係合する噛合せストリップが離脱することなく、互いに係合する噛合せ部分が、噛合せ部分内において、限られた範囲で旋回運動できることが有利である。地面に打ち込まれるとき、管状パイルは長手方向の軸線に沿って見たとき、僅かに回転する傾向がある。本発明によれば、本発明による組立体の有利な変形例において、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップが楕円形又は円形の断面形状を有するように第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップを形成し、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップが、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップを受ける噛合せチャンバを形成して、更に、頭部ストリップが鉤爪ストリップから離脱することなく、頭部ストリップと鉤爪ストリップとが主組立方向を中心にして±15°から±25°、好ましくは±20°の範囲の角度の旋回運動ができるようにジョーと噛合せチャンバの寸法を定めることが推奨される。
【0012】
矢板壁の壁をできるだけ強く構築するために、本発明の組立体の1つの実施例において、支持要素として形成される矢板壁に2つの接続用特徴的輪郭要素のうちの少なくとも一方を取付けることが提案される。これのために、管状パイル、T形鋼又はH形鋼が支持要素として適切である。更に、互いに直接隣接する支持要素に、第一及び第二の接続用特徴的輪郭要素をそれぞれ設けることも考えられる。その場合、2つの接続用特徴的輪郭要素は、直接互いに係合する。このようにすることにより、管状パイル又はH形鋼の壁を構築することができる。このために、上述した機械を問題なく使用できるように、2つの接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さを選択することが特に効果的である。また、2つの接続用特徴的輪郭要素の一方を、噛合いストリップが設けられている長手方向縁から或る距離離して、矢板壁自体に直接取り付ける一方で、2つの接続用特徴的輪郭要素の他方を、支持要素、例えば管状パイルに取り付け、更に、矢板壁に取り付けられた接続用特徴的輪郭要素と係合させることも考えられる。かくして、複数の矢板からなる矢板壁は、この方法により簡潔に且つ精密に支えることができる。
【0013】
或いは、2つの接続用特徴的輪郭要素を支持要素に取り付け、2つの接続用特徴的輪郭要素の間に少なくとも一つの矢板を挿入することも提案される。
【0014】
複数対の接続用特徴的輪郭要素と多数の様々な矢板壁構成要素とを適切な方法で連結することができる様々な方法で、複数の上述した組立体を互いに組み合わせることができる。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、本発明は、本発明による組立体に使用できる請求項10に記載された、溶接付け特徴的輪郭要素を提供する。その溶接付け特徴的輪郭要素は、鉤爪ストリップと、溶接付け特徴的輪郭要素を矢板壁に、好ましくは支持要素に取り付けるための溶接付け基部とを有する。上述の目的を達成するために、所定の組立方向に沿って、溶接付け基部から連結ストリップが延びており、連結ストリップの先端に鉤爪ストリップが設けられている。
【0016】
溶接付け特徴的輪郭要素の有利な変形において、鉤爪ストリップは、頭部ストリップを受けるために噛合せチャンバを形成する2つの弧状の好ましくは鏡面対称のフックストリップで形成されており、それらフックストリップの互いに向かい合っている自由端は、ジョーを形成している。フックストリップの弧状形状により、実質的に円形又は楕円形の断面形状を有する噛合いチャンバが形成され、その噛合いチャンバ内で、円形又は楕円形の断面形状を有する頭部ストリップが、安定に保持される一方で地面に打ち込むに適切な制限した範囲内で旋回運動することができる。楕円の主軸線が主組立方向に対して直角に延びる楕円形の断面形状を有する頭部ストリップの場合、鉤爪ストリップの噛合いチャンバも楕円形であることが好ましく、その楕円の主軸線も主組立方向に対して直角である。この場合、主組立方向に対して直角方向の噛合せチャンバの最大寸法は、主組立方向に対して直角方向の頭部ストリップの最大寸法の1.2倍から1.4倍である。
【0017】
鉤爪ストリップ内で頭部ストリップが十分旋回できるようにするために、上述した実施例の特に有利な変形例において、2つのフックストリップの自由端の中心線が、ジョーの外側の点で、フックストリップの対称線と交差するようにフックストリップのジョーを形成することが提案される。この場合、その交差点からジョーまでの距離が、フックストリップの肉厚の値の0.5倍から1.5倍であることが好ましい。
【0018】
本発明による溶接付け特徴的輪郭要素の他の実施例によれば、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップは、長手方向に対して直角な交差構造部材と、その交差構造部材に対して少なくともほぼ直角に延在し且つ互いに或る距離離れている2つの接続ストリップとを有しており、2つの接続ストリップの端部は、フックストリップの形に形成されており、それらフックストリップの互いに向かい合う自由端が、交差構造部材と接続ストリップとフックストリップとから形成されている噛合せチャンバのジョーを形成している。このようにして、長方形又は正方形の断面形状を有する噛合いチャンバが形成される。
【0019】
噛合せチャンバのジョーの幅は、確保すべき頭部ストリップの主組立方向に直角な方向における頭部の最大寸法より小さいように選ばれる。その場合、頭部ストリップの頭部の最大寸法が、ジョーの幅の1.3倍から1.6倍であることが好ましい。従って、主組立方向に対して直角な方向における噛合せチャンバの幅が、確保すべき頭部ストリップの主組立方向に対して直角な方向における頭部の最大寸法の1.3倍から1.6倍であることが好ましい。噛合せチャンバの長さは、用途に応じて変化し、噛合せチャンバの幅の1.2倍から1.6倍の範囲内であることが好ましい。噛合せチャンバに対して上述した形状特徴が維持されるならば、たとえ溶接付け特徴的輪郭要素に対して旋回運動及び長手方向運動の両方が生じても、頭部ストリップが噛合せチャンバから外れることがないことが第一に確保される。この場合、連結ストリップの長手方向に沿って見た噛合せチャンバの寸法は、溶接付け特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さの少なくとも0.5倍である。
【0020】
水路に沿って矢板壁を構築するために、溶接付け特徴的輪郭要素を使用するような具体的な用途において、頭部ストリップと溶接付け特徴的輪郭要素との間の境界を封止する必要がある。そのために、溶接付け特徴的輪郭要素の交差構造部材に、封止剤のための供給チャネルを設けることが提案される。その供給チャネルを通して適切な封止材料を供給して、噛合せチャンバを少なくとも部分的に満たして封止する。
【実施例】
【0021】
以下、添付図面を参照し、複数の実施例を使用して本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明による第一の接続用特徴的輪郭要素10の1つの実施例の端面の平面図である。接続用特徴的輪郭要素10は、長手方向から見たとき、一定した横断面形状を有しており、溶接付けストリップの形である。このため、接続用特徴的輪郭要素10は、図1の左に示される基部12を有しており、その基部12は、わずかに弧状の横断面形状を有している。基部12の弧状形状により、平坦な横断面形状又は弧状の横断面形状をもつ表面に対する基部の溶接が単純化できる。
【0023】
連結ストリップ14は、主組立方向Xに沿って基部12から延びており、その自由端は、頭部ストリップ16の形に作られている。頭部ストリップ16は、楕円形の横断面形状を有する。その楕円形の頭部ストリップ16の主軸線は、主組立方向Xに対して直角に延びている。頭部ストリップ16は、従来の玉継手式結合の頭部ストリップの形及び形式に適合している。
【0024】
主組立方向Xに沿って頭部ストリップ16の最大寸法aは、連結ストリップ14の肉厚bの約2倍から2.5倍である。主組立方向Xに沿った連結ストリップ14の長さcは、点線で示す楕円の仮想線で示されるように、頭部ストリップ16の主組立方向Xに沿って見た最大寸法dの約5倍である。
【0025】
図2は、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素20の第一の実施例の端面の平面図を示す。接続用特徴的輪郭要素20も弧状形状を有する基部22を有し、その基部から、連結ストリップ24が主組立方向Xに延びている。C形の横断面形状を有する鉤爪ストリップ26が、連結ストリップ24の自由端に形成されている。
【0026】
C形の鉤爪ストリップ26は、2つの弧状で鏡面対称のフックストリップ28から形成されており、それら2つのフックストリップ28が、噛合せチャンバ30を形成しており、2つのフックストリップ28の互いに向かい合っている自由端が、ジョー32を形成している。フックストリップ28が弧状に変化していることにより、実質的に楕円形の横断面形状を有する噛合せチャンバ30が形成されている。そして、噛合せチャンバ30は、図1に示される第一の接続用特徴的輪郭要素10の頭部ストリップ16を受けることができるような寸法である。
【0027】
図示の実施例において、主組立方向Xに対して直角な方向における噛合せチャンバ30の最大寸法eは、主組立方向Xに対して直角な方向における接続用特徴的輪郭要素10の頭部ストリップ16の最大寸法aの1.2倍である。
【0028】
更に、2つのフックストリップ28の自由端の中心線34が、ジョー32の外側の点Sで、鉤爪ストリップ26の対称軸線と交差するような形に、鉤爪ストリップ26のジョー32は形成されている。この場合、交差点Sからジョー32までの距離は、フックストリップ28の肉厚fの0.5倍から1.5倍であることが好ましい。又、連結ストリップ24の長さgは、第一の接続用特徴的輪郭要素10の連結ストリップ14の長さcに実質的に対応する。
【0029】
上記のような寸法につくられている鉤爪ストリップ26の噛合せチャンバ30は、一方で、頭部ストリップ16の安定した確保を保証し、他方で、後述するように、頭部ストリップ16は、噛合せチャンバ30内において所定の旋回範囲内で旋回できる。
【0030】
図3は、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素50の第二の実施例の端面の平面図を示す。この例でも、接続用特徴的輪郭要素50は、基部52と、主組立方向Xに沿って延びている連結ストリップ54とを有している。その連結ストリップ54の端には、長方形断面形状を有する鉤爪ストリップ56が形成されている。
【0031】
その鉤爪ストリップ56は、連結ストリップ54の長手方向に対して直角に延びる交差構造部材58と、その交差構造部材58に対して少なくともほぼ直角に且つ互いに離れている2つの真直ぐな接続ストリップ60とを有している。2つの接続ストリップ60の自由端には、フックストリップ62が形成されており、それらフックストリップ62の自由端は、互いに向かい合って、ジョー64を形成している。交差構造部材58と、2つの接続ストリップ60と、2つのフックストリップ62とは、長方形断面形状を有する噛合せチャンバ66を形成している。
【0032】
噛合せチャンバ66のジョー64の幅hは、主組立方向Xに対して直角な方向から見た第一の接続用特徴的輪郭要素10の頭部ストリップ16の最大寸法aより小さい寸法である。主組立方向Xに対して直角な方向での噛合せチャンバ66の幅yは、主組立方向Xに対して直角な方向での頭部ストリップ16の最大寸法aの値の約1.5であり、噛合せチャンバ66の長さxは、噛合せチャンバ66の幅yの値の約1.2回である。図示の実施例の噛合せチャンバ66の長さxは、接続用特徴的輪郭要素50の連結ストリップ54の長さiの値の約0.5倍である。
【0033】
図4は、図2に示される第二の接続用特徴的輪郭要素50の変形例である接続用特徴的輪郭要素70の平面図である。その接続用特徴的輪郭要素70において、連結ストリップ72が短く形成され、それに対応して鉤爪ストリップ74が長く形成されている。この変形例の本質的な形状の特徴は、鉤爪ストリップ74の交差構造部材76に形成されている供給チャネル78であり、その供給チャネル78を介して適切な封止材料を供給して、噛合せチャンバ80を少なくとも部分的に満して、封止を形成することができる。
【0034】
上述した接続用特徴的輪郭要素10、20、50及び70は、例えば管状パイル90、H型鋼92、PZ矢板又はPZC矢板94のような様々な矢板壁を接続することに適している。上述した矢板壁を結合するために接続用特徴的輪郭要素10、20及び50を互いに組み合わせてどのように使用するかの幾つかの組立体例を以下に示す。
【0035】
図5は、複数の管状パイル90の第一の組立体100の平面図を示しており、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によって、互いに隣接して配置された管状パイル90が連結されている。接続用特徴的輪郭要素10及び20は、管状パイル90の外面に溶接付けされており、管状パイル90の軸方向長さ全体に亘って延びている。
【0036】
図6は、図5の組立体の詳細を示す拡大平面図を示す。互いに係合する接続用特徴的輪郭要素10及び20が、以下のことを明瞭にするために拡大されて図示されている。すなわち、第一に、接続用特徴的輪郭要素10及び20の形状により、約±20°の旋回角度範囲αに亘って接続用特徴的輪郭要素10及び20が旋回可能であり、連結ストリップ14及び24の長さのため、旋回中心点が2つの管状パイル90の間の中間にほぼ位置している。第二に、管状パイルが、所定の最小間隔距離zに維持されている。
【0037】
図7は、図1及び図3に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び50によって連結されている複数の管状パイル90の第二の組立体110の平面図を示している。この例でも、接続用特徴的輪郭要素10及び50は、管状パイル90の外面に溶接付けされており、管状パイル90の軸方向長さ全体に亘って延びている。
【0038】
図8は、図7の組立体110の詳細の拡大平面図を示す、互いに係合する接続用特徴的輪郭要素10及び50が、拡大されて図示されている。図6に示される実施例と同様に、2つの接続用特徴的輪郭要素10及び50は、約±20°の旋回角度範囲αに亘って旋回可能である。
【0039】
図9は、フランジ96が図1及び図3に示される接続用特徴的輪郭要素10及び50によって互いに連結される複数のH型鋼92の組立体120の平面図である。
【0040】
図10は、2つのPZ矢板94が互いに連結され、更に、それらPZ矢板94が、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によって2つの管状パイル90に連結されてなる組立体130の平面図である。
【0041】
図11は、2つのPZ矢板94が互いに連結され、更に、それらPZ矢板94が、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によってH型鋼に連結されてなる組立体140の平面図である。この例では、2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20は、H形鋼92の横方向構造部材98に溶接される。
【0042】
図12は、合計で4つのPZ矢板96からの組立体150の平面図を示す。4つのPZ矢板96の内の2つのPZ矢板が、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によって2つの管状パイル90に連結されている。
【0043】
図5から図12に示す実施例は、可能性のある組合せの内の一部だけを示しているに過ぎない。特に、本発明の特徴は、接続用特徴的輪郭要素10、20、50及び70が従来の玉継手に又は接続用特徴的輪郭要素に簡単な方法で接続できるような形状に接続用特徴的輪郭要素10、20、50及び70がつくられていることである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】頭部ストリップと連結ストリップと矢板壁への取り付けのための基部とを有する、本発明の第一の接続用特徴的輪郭要素の1つの実施例の端面の平面図である。
【図2】C形の断面形状の鉤爪ストリップと連結ストリップと矢板壁への取り付けのための基部とを有する、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素の第一の実施例の端面の平面図である。
【図3】正方形の断面形状の鉤爪ストリップを有する、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素の第二の実施例の端面の平面図である。
【図4】図3に示した第二の接続用特徴的輪郭要素の変形例の平面図である。
【図5】図1及び図2に示した接続用特徴的輪郭要素によって互いに連結された複数の管状パイルの組立体の平面図である。
【図6】互いに係合する2つの接続用特徴的輪郭要素が拡大して図示されている図5に示す組立体の詳細の拡大平面図である。
【図7】図1及び図3に示した接続用特徴的輪郭要素によって互いに連結された複数の管状パイルの組立体の平面図である。
【図8】互いに係合する2つの接続用特徴的輪郭要素が拡大して図示されている図7に示す組立体の詳細の拡大平面図である。
【図9】図1及び図3に示した接続用特徴的輪郭要素によってフランジ部分が互いに連結された複数のH型鋼の組立体の平面図である。
【図10】図1及び図2に示した2つの接続用特徴的輪郭要素によって2つの管状パイルに結合された2つのPZ矢板の組立体の平面図である。
【図11】図1及び図2に示した2つの接続用特徴的輪郭要素によって2つのH型鋼に結合された2つのPZ矢板の組立体の平面図である。
【図12】2つのPZ矢板が図1及び図2に示した2つの接続用特徴的輪郭要素によって2つの管状パイルに結合されている、4つのPZ矢板の組立体の平面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 第一の接続用特徴的輪郭要素
12 基部
X 主組立方向
14 連結ストリップ
16 頭部ストリップ
a 主組立方向に直角な方向における頭部ストリップの最大寸法
b 連結ストリップの肉厚
c 連結ストリップの長さ
d 主組立方向に沿った頭部ストリップの最大寸法
20 第二の接続用特徴的輪郭要素の第一の実施例
22 基部
24 連結ストリップ
26 鉤爪ストリップ
28 弧状のフックストリップ
30 噛合せチャンバ
e 噛合せチャンバの最大寸法
32 ジョー
34 中心線
S 交差点
f フックストリップの肉厚
g 連結ストリップの長さ
50 第二の接続用特徴的輪郭要素の第二の実施例
52 基部
54 連結ストリップ
56 鉤爪ストリップ
58 交差構造部材
60 接続ストリップ
62 フックストリップ
64 ジョー
h ジョーの幅
66 噛合せチャンバ
i 連結ストリップの長さ
y 噛合せチャンバの幅
x 噛合せチャンバの長さ
70 接続用特徴的輪郭要素(第二の実施例の変形例)
72 連結ストリップ
74 鉤爪ストリップ
76 交差構造部材
78 供給チャネル
80 噛合せチャンバ
90 管状パイル
92 H形鋼
94 PZ矢板
96 フランジ
98 横方向構造部材
100 組立体
z 管状パイル間の最小間隔距離
110 組立体
120 組立体
130 組立体
140 組立体
150 組立体
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の矢板壁構成要素と、2つの矢板壁構成要素を連結するための、長手方向に一定の断面形状を有する少なくとも一対の接続用特徴的輪郭要素とからなる組立体に関する。そこにおいて、2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第一の接続用特徴的輪郭要素は、当該組立体の第一の矢板壁構成要素に取り付けられた基部と、所定の主組立方向に沿って基部から延びている連結ストリップと、前記連結ストリップの自由端に設けられたより大きな断面形状の頭部ストリップとを有しており、その頭部ストリップは、当該頭部ストリップを部分的に囲む鉤爪ストリップと係合するためのものであり、他方、2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第二の接続用特徴的輪郭要素は、第二の矢板壁構成要素に取り付けられた基部と、頭部ストリップが引っ掛かることができる鉤爪ストリップとを有している。更に、本発明は、上記した組立体のための請求項10に記載の溶接付けストリップに関する。
【0002】
上述した型の組立体は、例えば矢板(シートパイル)と支持要素(例えば管状パイル、T型鋼及びH型鋼)のような矢板壁構成要素から成る。矢板の長手方向の縁には、矢板壁が構築されるときに互いに係合する噛合いストリップを備えている。支持要素と矢板を接続するために、いわゆる接続用特徴的輪郭要素が使用され、その接続用特徴的輪郭要素には、矢板との係合のために、対応する噛合い形状部が設けられている。その接続用特徴的輪郭要素には接続ストリップが設けられ、その接続ストリップによって接続用特徴的輪郭要素が、支持要素に設けられた支持フランジのような成形要素に押し付けられるか、或いは、接続用特徴的輪郭要素には接続ストリップの代りに基部が設けられ、その基部によって接続用特徴的輪郭要素が支持要素に好ましくは溶接によりさもなくばボルト止め又はリベット止めにより直接取り付けられる。更に、矢板を例えば別の矢板又は支持要素に結合するために、噛合い部が設けられている長手方向縁部の間の矢板の横方向構造部材に接続用特徴的輪郭要素は取り付けることもできる。
【0003】
更に、互いに結合された支持要素、例えば管状パイルのみから構成される矢板壁構成要素を使用して組立体は構築される。その場合、それら支持要素は、支持要素同士を接続するための対応する接続用特徴的輪郭要素を備えている。2つの管状パイルを互いに接続するための一対の溶接付け特徴的輪郭要素が、DE20220446U1に開示されている。更に、管状パイルを互いに接続する接続要素としてスロット付きの管状部材とT型鋼とを使用することが従来技術において知られている。この場合、長手方向にスロットが形成された小径の管状部材が1つの管状パイルに溶接され、他方、T型鋼が隣りの管状パイルに取り付けられ、そのT型部分が、スロット付き管状部材内に挿入され、管状パイルに溶接されたT型鋼の横方向構造部材が、スロット付き管状部材のスロットを通って、管状パイルが互いに接続される。
【特許文献1】DE20220446U1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術に鑑み、本発明の目的は、従来技術と比較して汎用性が高く、且つ非常に多様な矢板壁構成要素の非常に多様な形状を用途に応じて実現可能な、上記した形式の組立体とその組立体のために使用可能な溶接付け特徴的輪郭要素とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記した目的は、請求項1の特徴を有する接続用特徴的輪郭要素によって達成される。詳細には、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップが、矢板壁としての矢板の鉤爪ストリップを確保することと、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップを確保することとの両機能を果たし、他方、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップが、矢板壁としての矢板の頭部ストリップを確保することと、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップを確保することとの両機能を果たす。
【0006】
本発明による組立体において、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップと第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップとであるいわゆる玉継手形態を備えた一対の特徴的輪郭要素が使用される。頭部ストリップ及び鉤爪ストリップは、第一に、従来の矢板、特にPZ矢板及びPZC矢板の頭部ストリップ及び鉤爪ストリップと直接結合可能であり、第二に、互いに結合可能でもある。そこにおいて、主組立方向は、連結ストリップの長手方向によって決定され、その連結ストリップの長手方向に沿って頭部ストリップと鉤爪ストリップとが、偏ることのない状態で互い係合させられる。これは、各特徴的輪郭要素の基部が溶接又はボルト止め又はリベット止めで接続されている管状パイル及びT型鋼又はH型鋼のような支持要素をPZ矢板及びPZC矢板に簡単に接続することを可能にする。
【0007】
本発明の他の有利な実施例は、以下の詳細な説明、請求の範囲、及び図面から理解されよう。
【0008】
従って、本発明の組立体の有利な実施例においては、第二の接続用特徴的輪郭要素が、特定な主組立方向に沿って延びる連結ストリップを有し、その連結ストリップの端部に鉤爪ストリップが設けられることが提案される。鉤爪ストリップと基部との間に連結ストリップを設けることにより、支持要素間の距離が最小にされねばならない場合に支持要素を互いに直接結合することができる。管状パイルとT型鋼とを設置する場合、矢板壁を地面に打ち込むために現在市場で利用可能な従来の打ち込み振動機械では、機械を適正に動作させるには管状パイルとT型鋼との間に十分な空間が確保されねばならない問題にしばしば直面する。第一と第二の接続用特徴的輪郭要素に適切な大きさの連結ストリップを設けることにより、管状パイルとT型鋼とを直接接続することができ、且つ、管状パイルとT型鋼とを同時に地面に打ち込むことができる。
【0009】
2つの接続用特徴的輪郭要素が互いに直接係合させられるときに、2つの接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップは、接続用特徴的輪郭要素が設けられている2つの矢板壁の間に所定の最小間隔距離が維持されるような長さを有する。この最小間隔距離は、矢板壁を打ち込むために用いる機械の形式に依存しており、好ましくは160〜200mmの範囲内、そして、最も好ましくは180mmである。
【0010】
特徴的輪郭要素の取付点の最大限均一な負荷を可能にするために、主組立方向に沿って見た第二の接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さが、第一の接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さと少なくともほぼ同じであることが有利である。このようにすることにより、頭部ストリップ又は鉤爪ストリップにおいて、地面に矢板壁を打ち込んでいるときに、接続用特徴的輪郭要素の長手方向に対して直角な横方向の力によって生じる取付点のトルクが、特に2つの接続用特徴的輪郭要素が直接係合させられる場合に、2つの接続用特徴的輪郭要素でほぼ同じとなる。
【0011】
例えば地中の大きな岩のような地盤条件のために、矢板壁がしばしば長手方向において捩じられる傾向があるので、互いに係合する噛合せストリップが離脱することなく、互いに係合する噛合せ部分が、噛合せ部分内において、限られた範囲で旋回運動できることが有利である。地面に打ち込まれるとき、管状パイルは長手方向の軸線に沿って見たとき、僅かに回転する傾向がある。本発明によれば、本発明による組立体の有利な変形例において、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップが楕円形又は円形の断面形状を有するように第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップを形成し、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップが、第一の接続用特徴的輪郭要素の頭部ストリップを受ける噛合せチャンバを形成して、更に、頭部ストリップが鉤爪ストリップから離脱することなく、頭部ストリップと鉤爪ストリップとが主組立方向を中心にして±15°から±25°、好ましくは±20°の範囲の角度の旋回運動ができるようにジョーと噛合せチャンバの寸法を定めることが推奨される。
【0012】
矢板壁の壁をできるだけ強く構築するために、本発明の組立体の1つの実施例において、支持要素として形成される矢板壁に2つの接続用特徴的輪郭要素のうちの少なくとも一方を取付けることが提案される。これのために、管状パイル、T形鋼又はH形鋼が支持要素として適切である。更に、互いに直接隣接する支持要素に、第一及び第二の接続用特徴的輪郭要素をそれぞれ設けることも考えられる。その場合、2つの接続用特徴的輪郭要素は、直接互いに係合する。このようにすることにより、管状パイル又はH形鋼の壁を構築することができる。このために、上述した機械を問題なく使用できるように、2つの接続用特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さを選択することが特に効果的である。また、2つの接続用特徴的輪郭要素の一方を、噛合いストリップが設けられている長手方向縁から或る距離離して、矢板壁自体に直接取り付ける一方で、2つの接続用特徴的輪郭要素の他方を、支持要素、例えば管状パイルに取り付け、更に、矢板壁に取り付けられた接続用特徴的輪郭要素と係合させることも考えられる。かくして、複数の矢板からなる矢板壁は、この方法により簡潔に且つ精密に支えることができる。
【0013】
或いは、2つの接続用特徴的輪郭要素を支持要素に取り付け、2つの接続用特徴的輪郭要素の間に少なくとも一つの矢板を挿入することも提案される。
【0014】
複数対の接続用特徴的輪郭要素と多数の様々な矢板壁構成要素とを適切な方法で連結することができる様々な方法で、複数の上述した組立体を互いに組み合わせることができる。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、本発明は、本発明による組立体に使用できる請求項10に記載された、溶接付け特徴的輪郭要素を提供する。その溶接付け特徴的輪郭要素は、鉤爪ストリップと、溶接付け特徴的輪郭要素を矢板壁に、好ましくは支持要素に取り付けるための溶接付け基部とを有する。上述の目的を達成するために、所定の組立方向に沿って、溶接付け基部から連結ストリップが延びており、連結ストリップの先端に鉤爪ストリップが設けられている。
【0016】
溶接付け特徴的輪郭要素の有利な変形において、鉤爪ストリップは、頭部ストリップを受けるために噛合せチャンバを形成する2つの弧状の好ましくは鏡面対称のフックストリップで形成されており、それらフックストリップの互いに向かい合っている自由端は、ジョーを形成している。フックストリップの弧状形状により、実質的に円形又は楕円形の断面形状を有する噛合いチャンバが形成され、その噛合いチャンバ内で、円形又は楕円形の断面形状を有する頭部ストリップが、安定に保持される一方で地面に打ち込むに適切な制限した範囲内で旋回運動することができる。楕円の主軸線が主組立方向に対して直角に延びる楕円形の断面形状を有する頭部ストリップの場合、鉤爪ストリップの噛合いチャンバも楕円形であることが好ましく、その楕円の主軸線も主組立方向に対して直角である。この場合、主組立方向に対して直角方向の噛合せチャンバの最大寸法は、主組立方向に対して直角方向の頭部ストリップの最大寸法の1.2倍から1.4倍である。
【0017】
鉤爪ストリップ内で頭部ストリップが十分旋回できるようにするために、上述した実施例の特に有利な変形例において、2つのフックストリップの自由端の中心線が、ジョーの外側の点で、フックストリップの対称線と交差するようにフックストリップのジョーを形成することが提案される。この場合、その交差点からジョーまでの距離が、フックストリップの肉厚の値の0.5倍から1.5倍であることが好ましい。
【0018】
本発明による溶接付け特徴的輪郭要素の他の実施例によれば、第二の接続用特徴的輪郭要素の鉤爪ストリップは、長手方向に対して直角な交差構造部材と、その交差構造部材に対して少なくともほぼ直角に延在し且つ互いに或る距離離れている2つの接続ストリップとを有しており、2つの接続ストリップの端部は、フックストリップの形に形成されており、それらフックストリップの互いに向かい合う自由端が、交差構造部材と接続ストリップとフックストリップとから形成されている噛合せチャンバのジョーを形成している。このようにして、長方形又は正方形の断面形状を有する噛合いチャンバが形成される。
【0019】
噛合せチャンバのジョーの幅は、確保すべき頭部ストリップの主組立方向に直角な方向における頭部の最大寸法より小さいように選ばれる。その場合、頭部ストリップの頭部の最大寸法が、ジョーの幅の1.3倍から1.6倍であることが好ましい。従って、主組立方向に対して直角な方向における噛合せチャンバの幅が、確保すべき頭部ストリップの主組立方向に対して直角な方向における頭部の最大寸法の1.3倍から1.6倍であることが好ましい。噛合せチャンバの長さは、用途に応じて変化し、噛合せチャンバの幅の1.2倍から1.6倍の範囲内であることが好ましい。噛合せチャンバに対して上述した形状特徴が維持されるならば、たとえ溶接付け特徴的輪郭要素に対して旋回運動及び長手方向運動の両方が生じても、頭部ストリップが噛合せチャンバから外れることがないことが第一に確保される。この場合、連結ストリップの長手方向に沿って見た噛合せチャンバの寸法は、溶接付け特徴的輪郭要素の連結ストリップの長さの少なくとも0.5倍である。
【0020】
水路に沿って矢板壁を構築するために、溶接付け特徴的輪郭要素を使用するような具体的な用途において、頭部ストリップと溶接付け特徴的輪郭要素との間の境界を封止する必要がある。そのために、溶接付け特徴的輪郭要素の交差構造部材に、封止剤のための供給チャネルを設けることが提案される。その供給チャネルを通して適切な封止材料を供給して、噛合せチャンバを少なくとも部分的に満たして封止する。
【実施例】
【0021】
以下、添付図面を参照し、複数の実施例を使用して本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明による第一の接続用特徴的輪郭要素10の1つの実施例の端面の平面図である。接続用特徴的輪郭要素10は、長手方向から見たとき、一定した横断面形状を有しており、溶接付けストリップの形である。このため、接続用特徴的輪郭要素10は、図1の左に示される基部12を有しており、その基部12は、わずかに弧状の横断面形状を有している。基部12の弧状形状により、平坦な横断面形状又は弧状の横断面形状をもつ表面に対する基部の溶接が単純化できる。
【0023】
連結ストリップ14は、主組立方向Xに沿って基部12から延びており、その自由端は、頭部ストリップ16の形に作られている。頭部ストリップ16は、楕円形の横断面形状を有する。その楕円形の頭部ストリップ16の主軸線は、主組立方向Xに対して直角に延びている。頭部ストリップ16は、従来の玉継手式結合の頭部ストリップの形及び形式に適合している。
【0024】
主組立方向Xに沿って頭部ストリップ16の最大寸法aは、連結ストリップ14の肉厚bの約2倍から2.5倍である。主組立方向Xに沿った連結ストリップ14の長さcは、点線で示す楕円の仮想線で示されるように、頭部ストリップ16の主組立方向Xに沿って見た最大寸法dの約5倍である。
【0025】
図2は、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素20の第一の実施例の端面の平面図を示す。接続用特徴的輪郭要素20も弧状形状を有する基部22を有し、その基部から、連結ストリップ24が主組立方向Xに延びている。C形の横断面形状を有する鉤爪ストリップ26が、連結ストリップ24の自由端に形成されている。
【0026】
C形の鉤爪ストリップ26は、2つの弧状で鏡面対称のフックストリップ28から形成されており、それら2つのフックストリップ28が、噛合せチャンバ30を形成しており、2つのフックストリップ28の互いに向かい合っている自由端が、ジョー32を形成している。フックストリップ28が弧状に変化していることにより、実質的に楕円形の横断面形状を有する噛合せチャンバ30が形成されている。そして、噛合せチャンバ30は、図1に示される第一の接続用特徴的輪郭要素10の頭部ストリップ16を受けることができるような寸法である。
【0027】
図示の実施例において、主組立方向Xに対して直角な方向における噛合せチャンバ30の最大寸法eは、主組立方向Xに対して直角な方向における接続用特徴的輪郭要素10の頭部ストリップ16の最大寸法aの1.2倍である。
【0028】
更に、2つのフックストリップ28の自由端の中心線34が、ジョー32の外側の点Sで、鉤爪ストリップ26の対称軸線と交差するような形に、鉤爪ストリップ26のジョー32は形成されている。この場合、交差点Sからジョー32までの距離は、フックストリップ28の肉厚fの0.5倍から1.5倍であることが好ましい。又、連結ストリップ24の長さgは、第一の接続用特徴的輪郭要素10の連結ストリップ14の長さcに実質的に対応する。
【0029】
上記のような寸法につくられている鉤爪ストリップ26の噛合せチャンバ30は、一方で、頭部ストリップ16の安定した確保を保証し、他方で、後述するように、頭部ストリップ16は、噛合せチャンバ30内において所定の旋回範囲内で旋回できる。
【0030】
図3は、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素50の第二の実施例の端面の平面図を示す。この例でも、接続用特徴的輪郭要素50は、基部52と、主組立方向Xに沿って延びている連結ストリップ54とを有している。その連結ストリップ54の端には、長方形断面形状を有する鉤爪ストリップ56が形成されている。
【0031】
その鉤爪ストリップ56は、連結ストリップ54の長手方向に対して直角に延びる交差構造部材58と、その交差構造部材58に対して少なくともほぼ直角に且つ互いに離れている2つの真直ぐな接続ストリップ60とを有している。2つの接続ストリップ60の自由端には、フックストリップ62が形成されており、それらフックストリップ62の自由端は、互いに向かい合って、ジョー64を形成している。交差構造部材58と、2つの接続ストリップ60と、2つのフックストリップ62とは、長方形断面形状を有する噛合せチャンバ66を形成している。
【0032】
噛合せチャンバ66のジョー64の幅hは、主組立方向Xに対して直角な方向から見た第一の接続用特徴的輪郭要素10の頭部ストリップ16の最大寸法aより小さい寸法である。主組立方向Xに対して直角な方向での噛合せチャンバ66の幅yは、主組立方向Xに対して直角な方向での頭部ストリップ16の最大寸法aの値の約1.5であり、噛合せチャンバ66の長さxは、噛合せチャンバ66の幅yの値の約1.2回である。図示の実施例の噛合せチャンバ66の長さxは、接続用特徴的輪郭要素50の連結ストリップ54の長さiの値の約0.5倍である。
【0033】
図4は、図2に示される第二の接続用特徴的輪郭要素50の変形例である接続用特徴的輪郭要素70の平面図である。その接続用特徴的輪郭要素70において、連結ストリップ72が短く形成され、それに対応して鉤爪ストリップ74が長く形成されている。この変形例の本質的な形状の特徴は、鉤爪ストリップ74の交差構造部材76に形成されている供給チャネル78であり、その供給チャネル78を介して適切な封止材料を供給して、噛合せチャンバ80を少なくとも部分的に満して、封止を形成することができる。
【0034】
上述した接続用特徴的輪郭要素10、20、50及び70は、例えば管状パイル90、H型鋼92、PZ矢板又はPZC矢板94のような様々な矢板壁を接続することに適している。上述した矢板壁を結合するために接続用特徴的輪郭要素10、20及び50を互いに組み合わせてどのように使用するかの幾つかの組立体例を以下に示す。
【0035】
図5は、複数の管状パイル90の第一の組立体100の平面図を示しており、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によって、互いに隣接して配置された管状パイル90が連結されている。接続用特徴的輪郭要素10及び20は、管状パイル90の外面に溶接付けされており、管状パイル90の軸方向長さ全体に亘って延びている。
【0036】
図6は、図5の組立体の詳細を示す拡大平面図を示す。互いに係合する接続用特徴的輪郭要素10及び20が、以下のことを明瞭にするために拡大されて図示されている。すなわち、第一に、接続用特徴的輪郭要素10及び20の形状により、約±20°の旋回角度範囲αに亘って接続用特徴的輪郭要素10及び20が旋回可能であり、連結ストリップ14及び24の長さのため、旋回中心点が2つの管状パイル90の間の中間にほぼ位置している。第二に、管状パイルが、所定の最小間隔距離zに維持されている。
【0037】
図7は、図1及び図3に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び50によって連結されている複数の管状パイル90の第二の組立体110の平面図を示している。この例でも、接続用特徴的輪郭要素10及び50は、管状パイル90の外面に溶接付けされており、管状パイル90の軸方向長さ全体に亘って延びている。
【0038】
図8は、図7の組立体110の詳細の拡大平面図を示す、互いに係合する接続用特徴的輪郭要素10及び50が、拡大されて図示されている。図6に示される実施例と同様に、2つの接続用特徴的輪郭要素10及び50は、約±20°の旋回角度範囲αに亘って旋回可能である。
【0039】
図9は、フランジ96が図1及び図3に示される接続用特徴的輪郭要素10及び50によって互いに連結される複数のH型鋼92の組立体120の平面図である。
【0040】
図10は、2つのPZ矢板94が互いに連結され、更に、それらPZ矢板94が、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によって2つの管状パイル90に連結されてなる組立体130の平面図である。
【0041】
図11は、2つのPZ矢板94が互いに連結され、更に、それらPZ矢板94が、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によってH型鋼に連結されてなる組立体140の平面図である。この例では、2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20は、H形鋼92の横方向構造部材98に溶接される。
【0042】
図12は、合計で4つのPZ矢板96からの組立体150の平面図を示す。4つのPZ矢板96の内の2つのPZ矢板が、図1及び図2に示される2つの接続用特徴的輪郭要素10及び20によって2つの管状パイル90に連結されている。
【0043】
図5から図12に示す実施例は、可能性のある組合せの内の一部だけを示しているに過ぎない。特に、本発明の特徴は、接続用特徴的輪郭要素10、20、50及び70が従来の玉継手に又は接続用特徴的輪郭要素に簡単な方法で接続できるような形状に接続用特徴的輪郭要素10、20、50及び70がつくられていることである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】頭部ストリップと連結ストリップと矢板壁への取り付けのための基部とを有する、本発明の第一の接続用特徴的輪郭要素の1つの実施例の端面の平面図である。
【図2】C形の断面形状の鉤爪ストリップと連結ストリップと矢板壁への取り付けのための基部とを有する、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素の第一の実施例の端面の平面図である。
【図3】正方形の断面形状の鉤爪ストリップを有する、本発明の第二の接続用特徴的輪郭要素の第二の実施例の端面の平面図である。
【図4】図3に示した第二の接続用特徴的輪郭要素の変形例の平面図である。
【図5】図1及び図2に示した接続用特徴的輪郭要素によって互いに連結された複数の管状パイルの組立体の平面図である。
【図6】互いに係合する2つの接続用特徴的輪郭要素が拡大して図示されている図5に示す組立体の詳細の拡大平面図である。
【図7】図1及び図3に示した接続用特徴的輪郭要素によって互いに連結された複数の管状パイルの組立体の平面図である。
【図8】互いに係合する2つの接続用特徴的輪郭要素が拡大して図示されている図7に示す組立体の詳細の拡大平面図である。
【図9】図1及び図3に示した接続用特徴的輪郭要素によってフランジ部分が互いに連結された複数のH型鋼の組立体の平面図である。
【図10】図1及び図2に示した2つの接続用特徴的輪郭要素によって2つの管状パイルに結合された2つのPZ矢板の組立体の平面図である。
【図11】図1及び図2に示した2つの接続用特徴的輪郭要素によって2つのH型鋼に結合された2つのPZ矢板の組立体の平面図である。
【図12】2つのPZ矢板が図1及び図2に示した2つの接続用特徴的輪郭要素によって2つの管状パイルに結合されている、4つのPZ矢板の組立体の平面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 第一の接続用特徴的輪郭要素
12 基部
X 主組立方向
14 連結ストリップ
16 頭部ストリップ
a 主組立方向に直角な方向における頭部ストリップの最大寸法
b 連結ストリップの肉厚
c 連結ストリップの長さ
d 主組立方向に沿った頭部ストリップの最大寸法
20 第二の接続用特徴的輪郭要素の第一の実施例
22 基部
24 連結ストリップ
26 鉤爪ストリップ
28 弧状のフックストリップ
30 噛合せチャンバ
e 噛合せチャンバの最大寸法
32 ジョー
34 中心線
S 交差点
f フックストリップの肉厚
g 連結ストリップの長さ
50 第二の接続用特徴的輪郭要素の第二の実施例
52 基部
54 連結ストリップ
56 鉤爪ストリップ
58 交差構造部材
60 接続ストリップ
62 フックストリップ
64 ジョー
h ジョーの幅
66 噛合せチャンバ
i 連結ストリップの長さ
y 噛合せチャンバの幅
x 噛合せチャンバの長さ
70 接続用特徴的輪郭要素(第二の実施例の変形例)
72 連結ストリップ
74 鉤爪ストリップ
76 交差構造部材
78 供給チャネル
80 噛合せチャンバ
90 管状パイル
92 H形鋼
94 PZ矢板
96 フランジ
98 横方向構造部材
100 組立体
z 管状パイル間の最小間隔距離
110 組立体
120 組立体
130 組立体
140 組立体
150 組立体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の矢板壁と、2つの矢板壁(90、92、94)を接続するために使用される長手方向から見て一定した断面形状を有する少なくとも一対の接続用特徴的輪郭要素(10、20、50、70)との組立体であって、当該組立体の前記2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第一の接続用特徴的輪郭要素(10)は、第一の矢板壁(90、92、94)に取り付けられた基部と、所定の主組立方向(X)に沿って前記基部(12)から延びる連結ストリップ(14)と、前記連結ストリップ(14)の自由端に設けられたより大きい断面形状の頭部ストリップ(16)とを有しており、前記頭部ストリップ(16)は、当該頭部ストリップ(16)を部分的に囲む鉤爪ストリップ(26、56、74)と係合するためのものであり、前記2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)は、第二の矢板壁(90、92、94)に取り付けられた基部(22、52)と、前記頭部ストリップ(16)を確保する鉤爪ストリップ(26、56、74)とを有している、組立体において、
前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記頭部ストリップ(16)が、矢板壁構成要素としての矢板(94)の鉤爪ストリップを確保することと、前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の鉤爪ストリップ(26、56、74)を確保することとの両機能を果し、前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の前記鉤爪ストリップ(26、56、74)は、矢板壁としての矢板(94)の頭部ストリップを確保することと、前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記頭部ストリップ(16)を確保することとの両機能を果たすことを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)は、所定の主組立方向(X)に沿ってその基部(22、52)から延びる連結ストリップ(24、54)を有しており、その連結ストリップ(24、54)の端部に、前記鉤爪ストリップ(26、56、74)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記2つの接続用特徴的輪郭要素(10、50、70)の前記連結ストリップ(14、24、54、72)は、当該2つの接続用特徴的輪郭要素(10、50、70)が互いに直接係合させられるとき、前記接続用特徴的輪郭要素(10、50、70)が設けられた前記2つの矢板壁(90、92、94)間に最小間隔距離(z)が維持されるような長さ寸法(c、g、i)を有することを特徴とする請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記主組立方向(X)に沿って見た前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の前記連結ストリップ(24、54、74)の長さ(g、i)が、前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記連結ストリップ(14)の長さ(c)に少なくとも対応することを特徴とする請求項2又は3に記載の組立体。
【請求項5】
前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記頭部ストリップ(16)が楕円形又は円形の断面形状を有し、前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の前記鉤爪ストリップ(26、56、74)が、前記頭部ストリップ(16)を受けるために噛合せチャンバ(30、66、80)を形成しており、前記噛合せチャンバ(30、66、80)のジョー(32、64)及び前記噛合せチャンバ(30、66、80)自体は、前記主組立方向(X)を中心にして±15°から±25°、好ましくは±20°の範囲内の角度αに亘って旋回可能であるような寸法であることを特徴とする請求項1から4の内の1項に記載の組立体。
【請求項6】
前記2つの接続用特徴的輪郭要素(10、20、50、70)の内の少なくとも一方が支持要素(90、92)として形成された矢板壁に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5の内の1項に記載の組立体。
【請求項7】
前記支持要素が管状パイル(90)又はT形鋼又はH形鋼(92)であることを特徴とする請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
前記2つの接続用特徴的輪郭要素(10、20、50)が互いに直接係合させられていることを特徴とする請求項7に記載の組立体。
【請求項9】
少なくとも一つの矢板(94)が、矢板壁構成要素として前記第一及び第二の接続用特徴的輪郭要素(10、20)の間に挿入されていることを特徴とする請求項1から7の内の1項に記載の組立体。
【請求項10】
請求項1から9の内の1項に記載の組立体に用いられる溶接付け特徴的輪郭要素であって、頭部ストリップ(16)を部分的に囲むための鉤爪ストリップ(26、56、74)と、当該溶接付け特徴的輪郭要素を矢板壁(90、92、94)に、好ましくは支持要素(90、92)に取り付けるための溶接付け基部(22、52)とを有している、溶接付け特徴的輪郭要素において、
連結ストリップ(14、24、72)が、前記溶接付け基部(22、52)から所定の主組立方向(X)に沿って延びており、当該連結ストリップ(14、24、72)の端部に前記鉤爪ストリップ(26、56、76)が設けられていることを特徴とする溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項11】
前記鉤爪ストリップ(26)は、2つの弧状の、好ましくは鏡面対称の形につくられているフックストリップ(28)から形成されており、それら2つのフックストリップ(28)は、前記頭部ストリップ(16)を受けるために噛合せチャンバ(30)を形成しており、それら2つのフックストリップ(28)の互いに向い合っている自由端は、ジョー(32)を形成していることを特徴とする、請求項10に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項12】
前記2つのフックストリップ(28)の自由端の中心線(34)が、前記ジョー(32)より外側の点(S)で、前記鉤爪ストリップ(26)の対称軸線と交差していることを特徴とする、請求項11に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項13】
前記フックストリップ(28)が、少なくともほぼ均一な厚さの肉厚(f)を有しており、前記交差点(S)から前記ジョー(32)までの距離が、前記フックストリップ(28)の肉厚の値の0.5倍から1.5倍であることを特徴とする、請求項12に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項14】
前記第二の接続用特徴的輪郭要素(50、70)の前記鉤爪ストリップ(56、74)が、前記連結ストリップ(54)の長手方向に対して直角に延びる交差構造部材と、当該交差構造部材(58、76)に対して少なくともほぼ直角に、互いに或る距離離れて延びる2つの真直ぐな接続ストリップ(60)とを有しており、それら2つの真直ぐな接続ストリップ(60)の端部は、フックストリップ(62)に成形されており、それらフックストリップ(62)の自由端は互いに向かい合っており、前記交差構造部材(58、76)と前記接続ストリップ(60)と前記フックストリップ(62)とにより形成される前記噛合せチャンバ(66、80)のジョー(64)を形成していることを特徴とする、請求項10に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項15】
前記連結ストリップ(54)の長手方向に沿って見た前記噛合せチャンバ(66)の寸法(x)が前記連結ストリップ(54)の長さ(i)の値の少なくとも0.5倍に対応することを特徴とする、請求項14に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項16】
封止材料のための供給チャネル(78)が前記交差構造部材(76)に設けられていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項1】
複数の矢板壁と、2つの矢板壁(90、92、94)を接続するために使用される長手方向から見て一定した断面形状を有する少なくとも一対の接続用特徴的輪郭要素(10、20、50、70)との組立体であって、当該組立体の前記2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第一の接続用特徴的輪郭要素(10)は、第一の矢板壁(90、92、94)に取り付けられた基部と、所定の主組立方向(X)に沿って前記基部(12)から延びる連結ストリップ(14)と、前記連結ストリップ(14)の自由端に設けられたより大きい断面形状の頭部ストリップ(16)とを有しており、前記頭部ストリップ(16)は、当該頭部ストリップ(16)を部分的に囲む鉤爪ストリップ(26、56、74)と係合するためのものであり、前記2つの接続用特徴的輪郭要素の内の第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)は、第二の矢板壁(90、92、94)に取り付けられた基部(22、52)と、前記頭部ストリップ(16)を確保する鉤爪ストリップ(26、56、74)とを有している、組立体において、
前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記頭部ストリップ(16)が、矢板壁構成要素としての矢板(94)の鉤爪ストリップを確保することと、前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の鉤爪ストリップ(26、56、74)を確保することとの両機能を果し、前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の前記鉤爪ストリップ(26、56、74)は、矢板壁としての矢板(94)の頭部ストリップを確保することと、前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記頭部ストリップ(16)を確保することとの両機能を果たすことを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)は、所定の主組立方向(X)に沿ってその基部(22、52)から延びる連結ストリップ(24、54)を有しており、その連結ストリップ(24、54)の端部に、前記鉤爪ストリップ(26、56、74)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記2つの接続用特徴的輪郭要素(10、50、70)の前記連結ストリップ(14、24、54、72)は、当該2つの接続用特徴的輪郭要素(10、50、70)が互いに直接係合させられるとき、前記接続用特徴的輪郭要素(10、50、70)が設けられた前記2つの矢板壁(90、92、94)間に最小間隔距離(z)が維持されるような長さ寸法(c、g、i)を有することを特徴とする請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記主組立方向(X)に沿って見た前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の前記連結ストリップ(24、54、74)の長さ(g、i)が、前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記連結ストリップ(14)の長さ(c)に少なくとも対応することを特徴とする請求項2又は3に記載の組立体。
【請求項5】
前記第一の接続用特徴的輪郭要素(10)の前記頭部ストリップ(16)が楕円形又は円形の断面形状を有し、前記第二の接続用特徴的輪郭要素(20、50、70)の前記鉤爪ストリップ(26、56、74)が、前記頭部ストリップ(16)を受けるために噛合せチャンバ(30、66、80)を形成しており、前記噛合せチャンバ(30、66、80)のジョー(32、64)及び前記噛合せチャンバ(30、66、80)自体は、前記主組立方向(X)を中心にして±15°から±25°、好ましくは±20°の範囲内の角度αに亘って旋回可能であるような寸法であることを特徴とする請求項1から4の内の1項に記載の組立体。
【請求項6】
前記2つの接続用特徴的輪郭要素(10、20、50、70)の内の少なくとも一方が支持要素(90、92)として形成された矢板壁に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5の内の1項に記載の組立体。
【請求項7】
前記支持要素が管状パイル(90)又はT形鋼又はH形鋼(92)であることを特徴とする請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
前記2つの接続用特徴的輪郭要素(10、20、50)が互いに直接係合させられていることを特徴とする請求項7に記載の組立体。
【請求項9】
少なくとも一つの矢板(94)が、矢板壁構成要素として前記第一及び第二の接続用特徴的輪郭要素(10、20)の間に挿入されていることを特徴とする請求項1から7の内の1項に記載の組立体。
【請求項10】
請求項1から9の内の1項に記載の組立体に用いられる溶接付け特徴的輪郭要素であって、頭部ストリップ(16)を部分的に囲むための鉤爪ストリップ(26、56、74)と、当該溶接付け特徴的輪郭要素を矢板壁(90、92、94)に、好ましくは支持要素(90、92)に取り付けるための溶接付け基部(22、52)とを有している、溶接付け特徴的輪郭要素において、
連結ストリップ(14、24、72)が、前記溶接付け基部(22、52)から所定の主組立方向(X)に沿って延びており、当該連結ストリップ(14、24、72)の端部に前記鉤爪ストリップ(26、56、76)が設けられていることを特徴とする溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項11】
前記鉤爪ストリップ(26)は、2つの弧状の、好ましくは鏡面対称の形につくられているフックストリップ(28)から形成されており、それら2つのフックストリップ(28)は、前記頭部ストリップ(16)を受けるために噛合せチャンバ(30)を形成しており、それら2つのフックストリップ(28)の互いに向い合っている自由端は、ジョー(32)を形成していることを特徴とする、請求項10に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項12】
前記2つのフックストリップ(28)の自由端の中心線(34)が、前記ジョー(32)より外側の点(S)で、前記鉤爪ストリップ(26)の対称軸線と交差していることを特徴とする、請求項11に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項13】
前記フックストリップ(28)が、少なくともほぼ均一な厚さの肉厚(f)を有しており、前記交差点(S)から前記ジョー(32)までの距離が、前記フックストリップ(28)の肉厚の値の0.5倍から1.5倍であることを特徴とする、請求項12に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項14】
前記第二の接続用特徴的輪郭要素(50、70)の前記鉤爪ストリップ(56、74)が、前記連結ストリップ(54)の長手方向に対して直角に延びる交差構造部材と、当該交差構造部材(58、76)に対して少なくともほぼ直角に、互いに或る距離離れて延びる2つの真直ぐな接続ストリップ(60)とを有しており、それら2つの真直ぐな接続ストリップ(60)の端部は、フックストリップ(62)に成形されており、それらフックストリップ(62)の自由端は互いに向かい合っており、前記交差構造部材(58、76)と前記接続ストリップ(60)と前記フックストリップ(62)とにより形成される前記噛合せチャンバ(66、80)のジョー(64)を形成していることを特徴とする、請求項10に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項15】
前記連結ストリップ(54)の長手方向に沿って見た前記噛合せチャンバ(66)の寸法(x)が前記連結ストリップ(54)の長さ(i)の値の少なくとも0.5倍に対応することを特徴とする、請求項14に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【請求項16】
封止材料のための供給チャネル(78)が前記交差構造部材(76)に設けられていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の溶接付け特徴的輪郭要素。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−2142(P2009−2142A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−117976(P2008−117976)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(504455230)パイルプロ リミテッド ライアビリティー カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117976(P2008−117976)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(504455230)パイルプロ リミテッド ライアビリティー カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]