説明

複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスの網羅的な検出方法、ウイルス検出用プライマーセット、マイクロアレイ及びウイルス検出用キット

【課題】複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスを高い特異性及び感度で検出するための網羅的な検出方法、ウイルス検出用プライマーセット、マイクロアレイ及びウイルス検出用キットを提供する。
【解決手段】型特異的なプライマーを用いて複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNV遺伝子をPCRにより増幅し、PCR増幅物をDNAマイクロアレイとハイブリダイズさせて検出する。ウイルス検出用プライマーセット及びプローブセットを用いることで複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスを高い特異性及び感度で迅速かつ簡易に検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的試料中のウイルス検出方法、ウイルス検出用プライマーセット、マイクロアレイ及びウイルス検出用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等の医療現場において、多くの病原体あるいは病原物質が血液を介して伝播・感染することが知られており、特に血液もしくは血液成分の移入すなわち輸血は、針刺し事故等と比較し、相当量の感染体が血管内に確実に移入されることから、その危険性が最も高い医療行為の1つであると言われている。薬害エイズやC型肝炎など、病院内での輸血により大きな惨禍を招いた輸血事故は数え切れず、このような輸血血液の安全性を確保することは、国民の健康・福祉の観点から極めて重要性が高い。
【0003】
HIV(Human Immunodeficiency Virus)は直径約100nmのRNAウイルスであり、主としてCD4陽性T細胞とマクロファージに感染する。HIVはCD4をレセプターとして細胞に侵入すると、HIVの逆転写酵素の働きでRNAがDNAへと逆転写され、宿主のDNAの中に組み込まれる。組み込まれたHIV遺伝子は、その後、宿主細胞の代謝経路を利用しウイルス蛋白を生成し、完全なウイルス体となって、CD4陽性細胞を破壊し、次なる細胞へと感染していく。CD4陽性T細胞は、体内の免疫に関する中心的な役割を果たしていることから、CD4細胞数の減少は、免疫能の低下を意味し、最終的には免疫不全症となり、通常は感染することがない病原体に感染(日和見感染)、発症したり、悪性リンパ腫を起こすことになる。
【0004】
HCV(Hepatitis C Virus)は、直径約55nmの球形をしたRNAウイルスである。C型肝炎を引き起こす原因ウィルスであり、急性肝炎から慢性肝炎、肝硬変及び肝癌に進行する極めて危険な疾病を起こす要因として、主に輸血と体液によって感染する。HCV遺伝子は約9600塩基からなるプラス鎖RNAである。
【0005】
HBV(Hepatitis B Virus)に感染することで発症するB型肝炎は、C型肝炎と同様にウイルス性感染疾患であり、慢性肝炎、肝硬変など危険な疾病を引き起こす。HBVは血液や体液を介して感染することが多い。HBVは、直径42nmの球形粒子で7nmの外被(エンベロープ)と環状2本鎖(一部一本鎖)DNAとDNAポリメラーゼ、逆転写酵素などを包む直径27nmのヌクレオキャプシドからなるDNAウイルスであり、HBV遺伝子は約3200塩基からなる環状2本鎖DNAである。
【0006】
PvB19(Parvovirus B19)は、パルボウイルスB19感染症原因ウイルスであり、免疫が正常な個体では通常軽微な経過をたどるありふれた小児期の疾病であり、伝染性紅斑または第5病として知られる特徴的な発疹を生じる。しかしながら、このウイルスは、肝炎および心筋炎と関係していることが解明されており、母体が妊娠中に感染すると、このウイルスは、胎児に伝染して、水症、自然流産、または子宮内死を引き起こす。PvB19遺伝子は約5500塩基からなる直鎖DNAである。
【0007】
WNV(West Nile Virus)は、ウエストナイル脳炎あるいはウエストナイル熱などのウエストナイルウイルス感染症の原因ウイルスである。WNVは、鳥と蚊の間で感染環が維持され、主に蚊を介してヒトや馬に感染する。ヒトにおけるウエストナイルウイルス感染症の主な臨床症状は発熱、頭痛、背部痛、筋肉痛、筋力低下、食欲不振、皮膚発疹、リンパ節の腫脹で、一部の患者では脳脊髄炎を発症する。ウエストナイルウイルスは直径が約50nm、エンベロープを有する球形のプラス鎖RNAウイルスである。
【0008】
これら5種類のウイルスは極めて危険な疾病を引き起こす要因として挙げられ、疾患や病害に対する予防・診断・治療法を確立するためには原因ウイルスの早期確認が非常に重要であるが、一般的なウイルス抗原ならびに抗ウイルス抗体の免疫学的測定によるウイルス検査では、感染状態にあるにも関わらず、ウイルス量が測定感度以下であるために抗原検査が診断に利用できない場合が少なくない。
【0009】
そこで、現在はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるウイルス遺伝子の増幅により、微量のウイルスを検出可能な遺伝子検査が広く行われている。しかしながら、従来のPCRによるウイルス検出法では個別のウイルス株について増幅後、各々測定を行うことにより、多大な労力・時間を費やしていた。また、5種類のウイルスをマイクロアレイにより同時に検出する方法については未だ報告がなされていない。これらの状況から、複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスを、高い特異性及び感度で検出することができる、迅速性、簡易性及び経済性に優れた方法を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−210990号公報
【特許文献2】特開2005−58234号公報
【特許文献3】特開2006−20642号公報
【特許文献4】特開2004−187687号公報
【特許文献5】特開2005−80507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、生物学的試料中の複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスを一度の検出作業で高い特異性及び感度で網羅的に検出するための検出方法、また検出に用いるウイルス検出用プライマーセット、マイクロアレイ及びウイルス検出用キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために、特異的なプライマーを用いて複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルス遺伝子をPCRにより増幅し、PCR増幅物をマイクロアレイとハイブリダイズさせて検出することを特徴とする遺伝子検出方法に着目し鋭意検討を重ねた結果、上記複数の遺伝子型を有する5種のウイルス遺伝子を増幅することが可能なプライマーセット、5種のウイルス遺伝子を同時に検出することが可能なプローブセット及び検出条件を用いることで、複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルス遺伝子において高い特異性及び感度で迅速かつ簡易に検出することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、病原ウイルスの検出方法であって、
(1)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)遺伝子を増幅するための、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット1、
(2)C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子を増幅するための、配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号4で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット2、
(3)B型肝炎ウイルス (HBV)遺伝子を増幅するための、配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット3、
(4)パルボウイルスB19(PvB19)遺伝子を増幅するための、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット4、
(5)ウエストナイルウイルス(WNV)遺伝子を増幅するための、配列番号9で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号10で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット5
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子増幅用のプライマーセットを用いて、HIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVから選択される1種またはそれ以上のウイルス遺伝子を増幅することを特徴とするウイルスの検出方法を提供する。
【0014】
本発明の病原ウイルスの検出方法においては、
前記(1)HIV遺伝子は、配列番号11で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_001802の第4153番目から第4464番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(2)HCV遺伝子は、配列番号12で示される塩基配列(GenBank Accession No.D_90208の第59番目から第327番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(3)HBV遺伝子は、配列番号13で示される塩基配列(GenBank Accession No.X_70185の第450番目から第715番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(4)PvB19遺伝子は、配列番号14で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_000883の第2143番目から第2278番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(5)WNV遺伝子は、配列番号15で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_009942の第3445番目から第3599番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド
であることを特徴とする。
【0015】
本発明の病原ウイルスの検出方法においては、PCRにより前記1種または2種以上のウイルス遺伝子を増幅することを特徴とする。
【0016】
本発明は、病原ウイルスの検出方法であって、
前記(1)のプライマーセット1で増幅されたHIV遺伝子を検出するための、
配列番号16で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ1)、
配列番号17で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ2)、
配列番号18で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ3)、
配列番号19で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ4)、
配列番号20で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ5)、
配列番号21で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ6)、
配列番号22で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ7)
から構成されるプローブセット1、
前記(2)のプライマーセット2で増幅されたHCV遺伝子を検出するための、
配列番号23で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ8)、
配列番号24で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ9)、
配列番号25で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ10)、
配列番号26で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ11)、
配列番号27で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ12)、
配列番号28で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ13)、
配列番号29で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ14)
から構成されるプローブセット2、
前記(3)のプライマーセット3で増幅されたHBV遺伝子を検出するための、
配列番号30で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ15)、
配列番号31で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ16)、
配列番号32で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ17)、
配列番号33で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ18)、
配列番号34で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ19)、
配列番号35で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ20)、
配列番号36で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ21)
から構成されるプローブセット3、
前記(4)のプライマーセット4で増幅されたPvB19遺伝子を検出するための、
配列番号37で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ22)、
配列番号38で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ23)、
配列番号39で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ24)、
配列番号40で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ25)、
配列番号41で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ26)、
配列番号42で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ27)
から構成されるプローブセット4、
前記(5)のプライマーセット5で増幅されたWNV遺伝子を検出するための、
配列番号43で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ28)、
配列番号44で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ29)、
配列番号45で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ30)、
配列番号46で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ31)、
配列番号47で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ32)、
配列番号48で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ33)、
配列番号49で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ34)、
配列番号50で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ35)
から構成されるプローブセット5
からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセットを用いて、HIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVから選択される1種またはそれ以上のウイルスを同時に検出する方法を提供する。
【0017】
本発明によれば、上記プローブセット1〜5からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセットが、マイクロアレイの基板上に固定されていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、
前記(1)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)遺伝子を増幅するための、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット1、
前記(2)C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子を増幅するための、配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号4で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット2、
前記(3)B型肝炎ウイルス (HBV)遺伝子を増幅するための、配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット3、
前記(4)パルボウイルスB19(PvB19)遺伝子を増幅するための、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット4、
前記(5)ウエストナイルウイルス(WNV)遺伝子を増幅するための、配列番号9で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号10で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット5
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子増幅用のプライマーセットを構成する、配列番号1〜配列番号10で示される塩基配列からなるプライマーを提供する。
【0019】
本発明によれば、上記プライマーは蛍光標識されており、その蛍光標識は、Cy3又はCy5によりなされていることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、
HIV遺伝子を検出するための、
配列番号16で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ1)、
配列番号17で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ2)、
配列番号18で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ3)、
配列番号19で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ4)、
配列番号20で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ5)、
配列番号21で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ6)、
配列番号22で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ7)
から構成されるプローブセット1、
HCV遺伝子を検出するための、
配列番号23で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ8)、
配列番号24で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ9)、
配列番号25で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ10)、
配列番号26で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ11)、
配列番号27で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ12)、
配列番号28で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ13)、
配列番号29で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ14)
から構成されるプローブセット2、
HBV遺伝子を検出するための、
配列番号30で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ15)、
配列番号31で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ16)、
配列番号32で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ17)、
配列番号33で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ18)、
配列番号34で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ19)、
配列番号35で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ20)、
配列番号36で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ21)
から構成されるプローブセット3、
PvB19遺伝子を検出するための、
配列番号37で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ22)、
配列番号38で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ23)、
配列番号39で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ24)、
配列番号40で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ25)、
配列番号41で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ26)、
配列番号42で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ27)
から構成されるプローブセット4、
WNV遺伝子を検出するための、
配列番号43で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ28)、
配列番号44で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ29)、
配列番号45で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ30)、
配列番号46で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ31)、
配列番号47で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ32)、
配列番号48で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ33)、
配列番号49で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ34)、
配列番号50で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ35)
からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセット
から構成されるプローブセット5
を提供する。
【0021】
本発明によれば、前記プローブセット1〜5からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセットが、マイクロアレイの基板上に固定されていることを特徴とするマイクロアレイを提供する。
【0022】
本発明によれば、ウイルス検出用キットであって、上記プライマー、プローブセット、及びマイクロアレイのいずれかを備える、キットを提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、生物学的試料中、例えば輸血血液中の複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスを一度の検出作業で高い特異性及び感度で検出可能な網羅的検出方法、ウイルス検出用プライマーセット、マイクロアレイ及びウイルス検出用キットを提供する。従来の技術よりも多種のウイルスを迅速に検査・解析することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、各ウイルス遺伝子の標的配列を対象としたプライマー設計を説明するフローチャートである。
【図2】図2は、各ウイルスのサブタイプの遺伝子について、プライマーが特異的にウイルス遺伝子を増幅できることを確認したアガロースゲル電気泳動の説明図である。
【図3】図3は、表3に示すプローブ候補とHIV遺伝子の標的配列との特異性を確認した説明図である。
【図4】図4は、表3に示すプローブ候補とHCV遺伝子の標的配列との特異性を確認した説明図である。
【図5】図5は、表3に示すプローブ候補とHBV遺伝子の標的配列との特異性を確認した説明図である。
【図6】図6は、表3に示すプローブ候補とPvB19遺伝子の標的配列との特異性を確認した説明図である。
【図7】図7は、表3に示すプローブ候補とWNV遺伝子の標的配列との特異性を確認した説明図である。
【図8】図8は、表4に示すプローブセットのマイクロアレイの基板上への配置の説明図である。
【図9】図9は、PCRで増幅させた各ウイルスDNAの増幅物の混合物とマイクロアレイの基板上におけるプローブとのハイブリダイゼ−ションを確認した説明図である。
【図10】図10は、各ウイルスDNAの濃度によるマイクロアレイの検出感度を調べた説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(標的配列)
本発明の検出対象としてのウイルスは、HIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスであり、具体的な検出対象は、これらのウイルス遺伝子である。これらのウイルス遺伝子の標的配列は、HIV遺伝子については、配列番号11で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_001802の第4153番目から第4464番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、HCV遺伝子については、配列番号12で示される塩基配列(GenBank Accession No.D_90208の第59番目から第327番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、HBV遺伝子は、配列番号13で示される塩基配列(GenBank Accession No.X_70185の第450番目から第715番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、PvB19遺伝子は、配列番号14で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_000883の第2143番目から第2278番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、WNV遺伝子は、配列番号15で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_009942の第3445番目から第3599番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチドである。これらのウイルスの1種または2種以上のウイルスの任意の組み合わせであっても同時に検出することが可能である。なお、上記標的配列の類似配列、例えば上記標的配列に1又は複数個の塩基の置換、欠失、挿入及び付加のいずれかあるいは2種類以上の変異が発生した塩基配列についても標的とすることが可能である。
【0026】
(プライマーセット)
標的配列を検出するプライマーセットについては、表1に記載の、HIV遺伝子を増幅するための、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット1、HCV遺伝子を増幅するための、配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号4で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット2、HBV遺伝子を増幅するための、配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット3、PvB19遺伝子を増幅するための、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット4、WNV遺伝子を増幅するための、配列番号9で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号10で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット5からなるプライマーセットを用いることにより、上記1種またはそれ以上のウイルスの遺伝子における標的配列を検出することが可能となる。 本発明においては、上記5種類のプライマーセットを各々のウイルス遺伝子を増幅するために用いるが、混合物として用いた場合においても使用することが可能である。
【0027】
【表1】

【0028】
プライマーセットを構成するプライマーの各ヌクレオチドは、例えば汎用のDNA合成装置を用いて化学的に合成することができる。オリゴヌクレオチドは、当技術分野において公知のいずれかの方法を用いて合成しても良い。また、オリゴヌクレオチドは委託合成しても良い。
【0029】
本発明のプライマーセットを構成するプライマーは、後述のマイクロアレイにおけるウイルス遺伝子の標的配列を検出するため、増幅領域を識別できるように、蛍光標識されたプライマーを用いる。蛍光標識は、Cy3又はCy5によりなされていることが好ましいが、標識方法については、これに限定されるものではなく、例えば、標識ヌクレオチドを基質としてPCRに用いる方法でもよい。標識方法としては、例えば、PCR増幅物を作製する際、基質となるATCG4種のデオキシヌクレオチド(dNTP)と標識付きデオキシヌクレオチドをそれぞれ調製して、各dNTPの終濃度を揃えることで、作製される増幅物中に標識付きデオキシヌクレオチドを取り込ませる方法が用いられる。
【0030】
(PCR)
本発明で使用するPCRは、従来公知の手法に従って実施する。本発明におけるプライマーセットを使用することで、目的の標的配列を増幅することが可能である。
【0031】
本発明のプライマーセットを用いて、生物学的試料中における5種類のウイルス遺伝子の標的配列検出にあたり、生物学的試料からDNAを抽出し、これを鋳型DNAとして本発明のプライマーセットを用いてPCRを行い、各ウイルス遺伝子の標的配列を増幅させる。生物学的試料としては、例えば輸血血液を用いることができる。DNAの抽出方法としては、当技術分野において公知の技術を用いることができる。例えば、フェノール・クロロホルムによる抽出や、市販のDNA抽出試薬を用いる抽出により行うことが可能である。
【0032】
また、本発明のプライマーセットは、5種類のウイルス遺伝子の標的配列を増幅するよう設計されているため、生物学的試料における各ウイルス遺伝子の発現を検出するために用いることができる。各遺伝子の発現を検出するためには、試料からRNAを抽出して鋳型cDNAを作製し、これを鋳型DNAとして本発明のプライマーセットを用いてPCRを行い、生物学的試料中に発現している各遺伝子の標的配列を増幅させる。RNAの抽出方法としては、当技術分野において公知の技術を用いることができる。例えば、グアニジン−イソチオシアネートおよびフェノール・クロロホルム抽出や、市販のRNA抽出試薬を用いる抽出により行うことが可能である。さらに、RNAを鋳型としてcDNAを作製する方法も当技術分野において公知の技術を用いることができる。プライマーとしては市販のランダムプライマーを用い、dNTPsの存在下で、逆転写酵素を用いてcDNAを作製することができる。逆転写酵素としては、例えばSuperScript III(登録商標)を用いることができる。
【0033】
上述の通り調整したDNA又はcDNAを鋳型DNAとして、本発明のプライマーセットを用いてPCRを行う。DNAポリメラーゼとしては、例えばGoTaq DNA Polymerase(登録商標)等を用いて、増幅物を得ることができる。PCRの方法については、当技術分野において周知であり、センス鎖にハイブリダイズするプライマー(リバースプライマー)とアンチセンス鎖にハイブリダイズするプライマー(フォワードプライマー)とを用い、これらのプライマー、鋳型DNA及びDNAポリメラーゼの存在下で、アニーリング、伸長、変性の工程から成るサイクルを30〜50回程度繰り返すことにより行うことができる。プライマーのTm値に基づいて適当なPCR反応条件を選択する方法は当技術分野において公知であり、当業者は、プライマーの長さやGC含量、目的とする特異性や感度、用いるポリメラーゼの特性等に基づいて、最適な条件を選択することができる。例えば、下記実施例においては、95℃で2分間、次に95℃で10秒間、55℃で10秒間、72℃で30秒間を50サイクル、最後に72℃で7分間の反応でPCRを実施した。また、所定の検出感度を達成し、かつ、各ウイルスによる検出感度のばらつきが少なくなるように、PCR溶液中のプライマー量を適宜調整することが可能である。
【0034】
(プローブセット)
上記プライマーセットによって増幅された標的配列を検出するプローブについては、表4に記載の、
HIV遺伝子を検出するための、配列番号16で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ1)、配列番号17で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ2)、配列番号18で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ3)、配列番号19で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ4)、配列番号20で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ5)、配列番号21で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ6)、配列番号22で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ7)から構成されるプローブセット1、
HCV遺伝子を検出するための、配列番号23で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ8)、配列番号24で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ9)、配列番号25で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ10)、配列番号26で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ11)、配列番号27で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ12)、配列番号28で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ13)、配列番号29で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ14)から構成されるプローブセット2、
HBV遺伝子を検出するための、配列番号30で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ15)、配列番号31で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ16)、配列番号32で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ17)、配列番号33で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ18)、配列番号34で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ19)、配列番号35で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ20)、配列番号36で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ21)から構成されるプローブセット3、
PvB19遺伝子を検出するための、配列番号37で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ22)、配列番号38で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ23)、配列番号39で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ24)、配列番号40で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ25)、配列番号41で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ26)、配列番号42で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ27)から構成されるプローブセット4、
WNV遺伝子を検出するための、配列番号43で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ28)、配列番号44で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ29)、配列番号45で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ30)、配列番号46で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ31)、配列番号47で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ32)、配列番号48で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ33)、配列番号49で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ34)、配列番号50で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ35)から構成されるプローブセット5、
からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセットを用いることにより、上記1種またはそれ以上のウイルス遺伝子における標的配列を同時に検出することが可能となる。つまり、本発明においては、上記5種類のプローブセットを上記プライマーセットにより増幅された標的配列を検出するためのプローブセットとして用いた場合においても、5種類のウイルス遺伝子の標的配列を同時に、特異的に検出することができる。プローブセットを構成するプローブは、長さが30〜40bp程度と比較的短く、かつ、他のウイルスDNAと相同性の高い配列を有さないように設計されているため、各PCR増幅物と非常に高い特異性でハイブリダイズすることが可能であり、PCR増幅物を各ウイルスDNAに特異的なプローブが基板上に固定されているマイクロアレイとハイブリダイズさせることにより、試料中における各ウイルスのの存在又は非存在を検出することができる。
【0035】
プローブセットを構成するプライマーの各ヌクレオチドは、例えば汎用のDNA合成装置を用いて化学的に合成することができる。オリゴヌクレオチドは、当技術分野において公知のいずれかの方法を用いて合成しても良い。また、オリゴヌクレオチドは委託合成しても良い。
【0036】
(マイクロアレイ)
本発明の上記プローブセットは、基板上に固定することにより、マイクロアレイの形態で用いることが好ましい。マイクロアレイの作製方法としては、予め調製したオリゴヌクレオチドを基板表面に固定する方法を用いる。プローブは、一般的には、表面処理した基板にスペーサーやクロスリンカーを介して共有結合させる。基板としては、例えば、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、ガラス、シリコンチップ等が挙げられる。また、プローブの固定は、当技術分野で利用される任意の方法に従ってなされ得るが、例えば、スポッター等を用いて基板上にDNAを固定してもよい。基板上に固定されたプローブと増幅物のハイブリダイゼーション反応により、各プローブにハイブリダイズした増幅物の量を、蛍光標識を検出することにより測定することができる。ハイブリダイゼーションは、蛍光標識されたDNA水溶液を、マイクロアレイ上に滴下することによって実施することができる。ハイブリダイゼーションは、室温〜70℃の温度範囲で、0.5〜20時間の範囲で実施することが好ましい。ハイブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液との混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の標識DNAを除去する。蛍光標識の検出は、例えば蛍光スキャナを用いて蛍光シグナル強度を測定することで、増幅物の存在を検出することができる。本実施例では、マイクロアレイの基板は3mm角のシリコン基板からなるジーンシリコン(登録商標)を用いているが、これに限定されるものではない。
【0037】
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0038】
プライマー及びマイクロアレイが、標準検体から調整した各ウイルス遺伝子の標的配列を特異的かつ高感度で検出できるかを確認した。本実施例では、まず各ウイルスのサブタイプの遺伝子について、プライマーの特異性を確認した。その後に、各ウイルスのサブタイプ遺伝子中の1種類を個別にPCRにより増幅し、その後各ウイルス遺伝子増幅物の混合物を用いてマイクロアレイによる検出を確認した。
【0039】
(プライマーの設計および特異性の確認)
生物学的試料における遺伝子検査は、大量のウイルス、微生物のDNAが混在している中から目的のウイルスDNAを検出するため、標的配列とプライマーとの特異性が高い必要がある。各ウイルスに特異的なプライマー候補の内、表1に示すプライマーセットを選択し、表1に示されるプライマーセットの配列に基づいて、委託合成によりプライマーを得た。
【0040】
プライマーの設計については、図1に示す通り、プライマー設計アルゴリズムを用いた複数のウイルス遺伝子に共通のプライマーを設計するプログラムCo-ordination of Common Motif (CoCoMo; http://www.geneknot.jp/cocomo)を使用して行った。図1は、各ウイルス遺伝子の標的配列を対象とした、対象塩基配列共通degenerateプライマーの設計を説明するフローチャートである。ここで、対象塩基配列共通degenerateプライマーとは、各ウイルスのサブタイプの標的配列について、特異的に増幅可能なプライマーをいう。まず、各ウイルスのサブタイプの標的配列である複数の設計対象塩基配列情報を参照し、対象塩基配列の相同性に基づく整列(アライメント)を行う(S1)。次に、対象塩基配列中、1塩基のギャップを間に挟む、2種類の2塩基パターン(Gapped Tetra-Nucleotide Motif:GTNM)に配列名を付け、その配列名及び位置をデータベース上にてデータベース化する(S2)。各ウイルスのサブタイプの標的配列である複数の設計対象塩基配列間において、共通するGTNMを探索し(S3)、それぞれの配列上において共通するGTNMを同定する(S4)。その後、対象塩基配列の共通GTNMの5’末端側における23塩基を抜き出し、共通degenerateプライマーとしての配列を決定(S5)、そのdegenerateプライマー配列とGTNMを連結させ、鋳型DNAとの結合温度に応じて適宜プライマー毎に配列長を調整し、一次プライマー候補として認定する(S6)。一次プライマー候補として認定された塩基配列の立体構造の予測を行い、セルフダイマー及びヘアピン構造を形成する塩基配列のプライマー候補を除き、残りを二次プライマー候補とする(S7)。さらに、二次プライマー候補からプライマーダイマーを形成する塩基配列を除き(S8)、対象塩基配列共通degenerateプライマーの配列を得る。
【0041】
プライマーの選択においては、各ウイルスの標的配列との特異性を確認する必要がある。HIVについてはサブタイプの14種類(GenBank Accession No.:U51190、AF286237、U88826、U46016、K03454、AF005494、AJ249236、K03455、AF005496、AF082394、AJ249235、AJ006022、L20587、EF029069)、HCVについては9種類(GenBank Accession No.:AF009606、D00944、D17763、Y11604、D84262、D84264、EF424626、EF632070、EF108306)、HBVについては8種類(GenBank Accession No.:X02763、D00329、X04615、X65259、X75657、X69798、AF160501、AY090454)、PvB19については6種類(GenBank Accession No.:FJ591158、GM703964、GM703962、GM703832、DQ333427、DQ357065)、WNVについては10種類(GenBank Accession No.:FJ483549、NC_001563、FJ425721、FJ159131、FJ159130、DQ256376、DQ176636、AY765264、AY688948、AY603654)それぞれのDNAを抽出して、鋳型として使用し、選択プライマーを使用したPCRによる増幅を確認した。DNAの抽出にあたっては、High Pure Viral Nucleic Acid Kit(Roche社)を使用して行った。なお、各ウイルスのサブタイプのDNAは委託合成して得たものを使用した。図2は、各ウイルスのサブタイプについて、プライマーが特異的にウイルス遺伝子を増幅できることを確認したものである。3%アガロースゲルによる電気泳動を行い、エチジウムブロマイド溶液でゲルを染色し、目的バンドの増幅の有無を確認することにより、いずれのプライマーセットについても、予測される長さの増幅物が得られ、非特異的なハイブリダイズに起因する夾雑増幅物がないことを確認した。アガロースゲルの各レーンは、上述の各ウイルスのサブタイプの遺伝子を示したものであり、その順序は、左からDNA分子量マーカーに続き、上記の順序のサブタイプの遺伝子を示すものである。この結果から、各ウイルスのサブタイプの遺伝子について、プライマーが特異的にウイルス遺伝子を増幅できることを確認した。
【0042】
次に、各ウイルス遺伝子増幅物の混合物を用いてマイクロアレイによる検出を確認した。
(試料の調製)
HIV−RNA
ACCURUN 315 HIV-RNA positive Quality control (Subtype B, 2.1×105 Copies/ml, SeraCare社) 47.62 μlを脱線維素処理済み血漿 (Basematrix 53, SeraCare社)で調整し、1.0×104 cp/Reactionとした。
HCV−RNA
ACCURUN 306 HCV-RNA positive Quality control (Subtype 1b, 9.1×105 IU/ml, SeraCare社) 10.99 μlを脱線維素処理済み血漿 (Basematrix 53, SeraCare社)で調整し、1.0×104 IU/Reactionとした。
HBV−DNA
ACCURUN 325 HBV-DNA positive Quality control (Subtype A, 8.1×106 Copies/ml, SeraCare社) 12.35 μlを脱線維素処理済み血漿 (Basematrix 53, SeraCare社)で調整し、1.0×105 cp/Reactionとした。
PvB19−DNA
Parvovirus B19 NATtrrol controls (Strain B19, 1.0×105 IU/ml, ZeptoMetrix社) を生理食塩水(大塚製薬)で調整し、2.0×104 IU/Reactionとした。
WNV−RNA
West Nile virus NATtrrol controls (Strain NY 2001-6263, 5.0×104 Copies/ml, ZeptoMetrix社)を生理食塩水(大塚製薬)で調整し、1.0×104 cp/Reactionとした。
上記の各ウイルス遺伝子の標準検体(約200μl)からHigh Pure Viral Nucleic Acid Kit (DNA抽出用)、またはHigh Pure Viral RNA Kit (RNA抽出用)を用いて50μl Elution bufferに各ウイルス遺伝子を回収した。
【0043】
(cDNAの作製)
試料からRNAを抽出して鋳型cDNAを作製するため、SuperScript III RT cDNA synthesis kit(invitrogen社)を用いて行った。RNAの抽出にあたっては、上記の通り、High Pure Viral RNA Kitを用いて行った。cDNAの作製条件は以下の通りである。
【0044】
【表2】

【0045】
(PCR)
上記で調製を行った各ウイルスの鋳型DNAを用いて行ったPCRの反応条件は、95℃で2分間、次に95℃で10秒間、55℃で10秒間、72℃で30秒間を50サイクル、最後に72℃で7分間の反応でPCRを実施した。
【0046】
(プローブの作製および特異性の確認)
次に、各ウイルスにおける標的配列と、プローブ候補との特異性を確認した。プローブの作製にあたっては、他のウイルスDNAと相同性の高い配列を含まないことに注意した。表3に示すプローブ候補を用いて、各ウイルスにおける標的配列との特異性を確認した結果を図3〜図7に示す。蛍光検出ができたスポットを基に、表4に示すプローブセット、すなわちHIV遺伝子を検出するための、配列番号16で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ1)、配列番号17で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ2)、配列番号18で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ3)、配列番号19で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ4)、配列番号20で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ5)、配列番号21で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ6)、配列番号22で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ7)から構成されるプローブセット1、
HCV遺伝子を検出するための、配列番号23で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ8)、配列番号24で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ9)、配列番号25で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ10)、配列番号26で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ11)、配列番号27で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ12)、配列番号28で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ13)、配列番号29で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ14)から構成されるプローブセット2、
HBV遺伝子を検出するための、配列番号30で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ15)、配列番号31で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ16)、配列番号32で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ17)、配列番号33で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ18)、配列番号34で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ19)、配列番号35で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ20)、配列番号36で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ21)から構成されるプローブセット3、
PvB19遺伝子を検出するための、配列番号37で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ22)、配列番号38で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ23)、配列番号39で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ24)、配列番号40で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ25)、配列番号41で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ26)、配列番号42で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ27)から構成されるプローブセット4、
WNV遺伝子を検出するための、配列番号43で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ28)、配列番号44で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ29)、配列番号45で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ30)、配列番号46で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ31)、配列番号47で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ32)、配列番号48で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ33)、配列番号49で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ34)、配列番号50で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ35)から構成されるプローブセット5を選択し、表4に示されるプローブの配列に基づいて、委託合成によりプローブを得た。
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
(マイクロアレイ)
上記で作製したプローブセットを、図8Aに示す通り、マイクロアレイ上に配置した。配置にあたっては、スポッターを用いてシリコン基板に、プローブを図8Bの通り固定し、マイクロアレイを得た。マイクロアレイの基板は3mm角のシリコン基板からなるジーンシリコン(登録商標)を用いた。
【0050】
標準検体から調整した各ウイルスDNAを特異的なプライマーを用いて増幅物を得た後に、混合し、マイクロアレイ上に滴下し、80℃で1時間ベーキング後、2×SSC/0.2%SDS溶液(95℃)中で5分間洗浄した。超純水で3回リンスし、遠心機で水分を飛ばし乾燥させることにより、プローブをマイクロアレイ上に固定した。マイクロアレイスキャナ−を用いてスポットの蛍光強度(ハイブリダイゼ−ションシグナル)を測定した。各スポットについて、得られたハイブリダイゼ−ションシグナルの測定結果を図9Aに示す。これにより各ウイルス遺伝子の標的配列が、混合物中においても特異的かつ高い感度で検出されることが示された。
【0051】
図9B〜Fは、増幅物を混合する際に、各ウイルスDNAを除いた混合物をマイクロアレイ上に滴下し、ハイブリダイゼーションを行ったものである。この結果からも、各ウイルス遺伝子の標的配列が特異的かつ高い感度で検出されることが示された。
【0052】
図10は、各ウイルスDNAの濃度によるマイクロアレイの検出感度を調べたものである。HIVについては10 cp/Reaction、HCVは5 IU/Reaction、HBVは2 cp/Reaction、PvB19は2 IU/ Reaction、WNVは5 cp/Reactionにおいて検出することが可能であった。以上より、低濃度でも高い感度で検出可能であることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、生物学的試料中、例えば輸血血液中の複数の遺伝子型を有するHIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVの5種類のウイルスを一度の検出作業で高い特異性及び感度で網羅的な検出方法、ウイルス検出用プライマーセット、マイクロアレイ及びウイルス検出用キットを提供することで、従来の技術よりも多種のウイルスを迅速に検査・解析が可能となるため、極めて高い産業上の利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原ウイルスの検出方法であって、
(1)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)遺伝子を増幅するための、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット1、
(2)C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子を増幅するための、配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号4で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット2、
(3)B型肝炎ウイルス (HBV)遺伝子を増幅するための、配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット3、
(4)パルボウイルスB19(PvB19)遺伝子を増幅するための、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット4、
(5)ウエストナイルウイルス(WNV)遺伝子を増幅するための、配列番号9で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号10で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット5
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子増幅用のプライマーセットを用いて、HIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVから選択される1種またはそれ以上のウイルス遺伝子を増幅することを特徴とするウイルスの検出方法。
【請求項2】
前記(1)HIV遺伝子は、配列番号11で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_001802の第4153番目から第4464番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(2)HCV遺伝子は、配列番号12で示される塩基配列(GenBank Accession No.D_90208の第59番目から第327番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(3)HBV遺伝子は、配列番号13で示される塩基配列(GenBank Accession No.X_70185の第450番目から第715番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(4)PvB19遺伝子は、配列番号14で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_000883の第2143番目から第2278番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド、
前記(5)WNV遺伝子は、配列番号15で示される塩基配列(GenBank Accession No.NC_009942の第3445番目から第3599番目)又はその相補的塩基配列を含む1種または2種以上のオリゴヌクレオチド
であることを特徴とする、請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
PCRにより前記1種または2種以上のウイルス遺伝子を増幅することを特徴とする、請求項1または2に記載の検出方法。
【請求項4】
病原ウイルスの検出方法であって、
前記(1)のプライマーセット1で増幅されたHIV遺伝子を検出するための、
配列番号16で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ1)、
配列番号17で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ2)、
配列番号18で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ3)、
配列番号19で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ4)、
配列番号20で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ5)、
配列番号21で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ6)、
配列番号22で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ7)
から構成されるプローブセット1、
前記(2)のプライマーセット2で増幅されたHCV遺伝子を検出するための、
配列番号23で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ8)、
配列番号24で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ9)、
配列番号25で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ10)、
配列番号26で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ11)、
配列番号27で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ12)、
配列番号28で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ13)、
配列番号29で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ14)
から構成されるプローブセット2、
前記(3)のプライマーセット3で増幅されたHBV遺伝子を検出するための、
配列番号30で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ15)、
配列番号31で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ16)、
配列番号32で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ17)、
配列番号33で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ18)、
配列番号34で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ19)、
配列番号35で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ20)、
配列番号36で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ21)
から構成されるプローブセット3、
前記(4)のプライマーセット4で増幅されたPvB19遺伝子を検出するための、
配列番号37で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ22)、
配列番号38で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ23)、
配列番号39で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ24)、
配列番号40で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ25)、
配列番号41で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ26)、
配列番号42で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ27)
から構成されるプローブセット4、
前記(5)のプライマーセット5で増幅されたWNV遺伝子を検出するための、
配列番号43で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ28)、
配列番号44で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ29)、
配列番号45で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ30)、
配列番号46で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ31)、
配列番号47で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ32)、
配列番号48で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ33)、
配列番号49で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ34)、
配列番号50で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ35)、
から構成されるプローブセット5
からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセットを用いて、HIV、HCV、HBV、PvB19及びWNVから選択される1種またはそれ以上のウイルスを同時に検出する方法。
【請求項5】
請求項4に記載のプローブ1〜35からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセットが、マイクロアレイの基板上に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の検出方法。
【請求項6】
前記(1)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)遺伝子を増幅するための、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット1、
前記(2)C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子を増幅するための、配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号4で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット2、
前記(3)B型肝炎ウイルス (HBV)遺伝子を増幅するための、配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット3、
前記(4)パルボウイルスB19(PvB19)遺伝子を増幅するための、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット4、
前記(5)ウエストナイルウイルス(WNV)遺伝子を増幅するための、配列番号9で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号10で示される塩基配列からなるプライマーとから構成されるプライマーセット5
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子増幅用のプライマーセットを構成する、配列番号1〜配列番号10で示される塩基配列からなるプライマー。
【請求項7】
前記プライマーが、蛍光標識で標識されている、請求項6に記載のプライマー。
【請求項8】
蛍光標識が、Cy3又はCy5によりなされている、請求項6または7に記載のプライマー。
【請求項9】
HIV遺伝子を検出するための、
配列番号16で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ1)、
配列番号17で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ2)、
配列番号18で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ3)、
配列番号19で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ4)、
配列番号20で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ5)、
配列番号21で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ6)、
配列番号22で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ7)
から構成されるプローブセット1、
HCV遺伝子を検出するための、
配列番号23で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ8)、
配列番号24で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ9)、
配列番号25で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ10)、
配列番号26で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ11)、
配列番号27で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ12)、
配列番号28で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ13)、
配列番号29で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ14)
から構成されるプローブセット2、
HBV遺伝子を検出するための、
配列番号30で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ15)、
配列番号31で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ16)、
配列番号32で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ17)、
配列番号33で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ18)、
配列番号34で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ19)、
配列番号35で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ20)、
配列番号36で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ21)
から構成されるプローブセット3、
PvB19遺伝子を検出するための、
配列番号37で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ22)、
配列番号38で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ23)、
配列番号39で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ24)、
配列番号40で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ25)、
配列番号41で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ26)、
配列番号42で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ27)
から構成されるプローブセット4、
WNV遺伝子を検出するための、
配列番号43で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ28)、
配列番号44で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ29)、
配列番号45で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ30)、
配列番号46で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ31)、
配列番号47で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ32)、
配列番号48で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ33)、
配列番号49で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ34)、
配列番号50で示される塩基配列からなるプローブ(プローブ35)、
から構成されるプローブセット5
からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセット。
【請求項10】
請求項9に記載のプローブセット1〜5からなる群より選択される1種またはそれ以上のプローブセットが、マイクロアレイの基板上に固定されていることを特徴とするマイクロアレイ。
【請求項11】
ウイルス検出用キットであって、
請求項6〜8に記載のプライマー、請求項9に記載のプローブセット、請求項10に記載のマイクロアレイのいずれかを備える、キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−120556(P2011−120556A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283366(P2009−283366)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(591091135)株式会社日本パーカーライジング広島工場 (8)
【出願人】(591222245)国立感染症研究所長 (48)
【出願人】(503096591)学校法人酪農学園 (13)
【Fターム(参考)】